2019年03月

砂漠『女の子のおもちゃ』

ToysForGirls TVアニメ版『私に天使が舞い降りた!』第11話「つまりお姉さんのせいです」を観ました。フーッ、お化け屋敷で怖がっている花ちゃん、最高でしたね(邪悪なスマイル)。
お姉さんのせいという言葉が数回でましたが、最後はお姉さんの“おかげで”という展開でしたね。劇そのものは来週までのお楽しみとなっておりました。

  さて本日は、砂漠先生の初単行本『女の子のおもちゃ』(茜新社)のへたレビューです。初単行本、大変楽しみにしておりました。
可愛らしさの中に男性を服従させる妖しい魅力をまとう少女達に支配されつつ、ハードなセックスに熱狂する作品集となっています。

  収録作はいずれも読み切り形式の短編9作+LOの名物編集長W氏が各作品のヒロインが大集合している地獄に落ちて何か大変なことになるおまけ短編「ロリ地獄」(9P)。
おまけ短編を除き、1作当りのページ数はいずれも20Pと中の下クラスのボリュームで固定。ストーリー性自体に強い存在感はない作品が多いものの、キャラクターや展開によって読み手の意識を引き込む力があり、またエロシーンも印象の強さで質的な満腹感を形成しています。

【多彩な作劇でありつつ少女に翻弄され、支配される倒錯の喜びが共通】
  エッチな口リータガールズに翻弄されてしまうという棚ボタ的な展開を共通させつつ、明るいラブコメ系からダーク&インモラル系まで作劇の方向性は多彩。
また、いずれの作品においても比較的近似している男女間の構図は、ハッピーロリータ系における恋愛関係での対等性、もしくは男性側が無垢なヒロインをリードする関係性ではなく、年下の少女達が明確な主導性と優位性を保っていることを明瞭に示しています。
ToysForGirls1  背徳感が強いタイプの作劇においては、このヒロイン側の優位性の表現が特に明瞭であり、男性側の欲望の発現や実行をある程度許容しつつ、彼女らに欲情している男性達の弱みや劣位を的確に指摘し(←参照 男性が自分の与える快楽には抗えないことを理解しつつ敢えて正論で詰る 短編「侵蝕」より)、ヒロイン側の思惑や許容を超えようとした場合にはピシャリと打ち据えて劣位を自覚させており、状況を支配している存在として描かれます
エッチな年下ガールがキュートな言動と共に男性主人公を困らせちゃう短編「おしえてあげる♥」「妹はセックス中毒」などでは、より明るく楽しい雰囲気が重視されていますが、これらの作品においても、ヒロイン側が自身の性的魅力や男性側のそれに対する欲望を認識し、自身が優位な立場であることを自覚した上で年上男性に対するという構図は共通しており、ラブラブでありつつ彼女らに支配されている倒錯的な喜びは明瞭にアクセントとして効いています。
  また、ブラック会社に勤務し、疲弊した中年男性が家では同居するロリさんをママとして幼児めいて甘えまくる短編「ぼくのママ」、街の夜の暗がりに現れる妖しい美少女に誘われ謎めいた狭い部屋で男性の暗い欲望が引き出されていくホラー風味の短編「水曜日の夜子さん」などなど、作劇の設定の多彩さや思い切りの良さも作劇としての魅力。
  同級生に犯されているヒロインを助けることが出来ず、あまつさえ自身も彼女の自暴自棄的な言動に甘えてセックスを繰り返す主人公の少年の弱さと誰も救われない苦い印象を残しながら終える短編「自分が嫌い」を例外としつつ、ヒロイン側の優位や性的充足が明確ということもあって、コミカルであったり関係性の持続を表現したりのラストで、そこまでの雰囲気を問わず読後感をマイルドにしています。

【華奢さ・小ささが強調される未成熟ボディの口ーティーンガールズ】
  一部にJC級の美少女も登場しつつ、基本的に高学年クラスのランドセルガールズで固定されており、いずれも口ーティーン級の女の子に対し、男性キャラクターは短編「自分が嫌い」の気弱な少年を除いていい年をした成人男性。
ToysForGirls2  明るくエッチだが自身の性的優位性を認識している女の子、蠱惑的な表情で男性を煽る妖しげな美少女(←参照 “情けない人” 短編「水曜日の夜子さん」より)、男性を屈従させる快感に目覚めていく大人しい女の子、いわゆる“バブみ”に満ちた母性的で支配的な女の子等々、前述した様に年下の少女達に「支配される」「翻弄される」という構図が共通していますが、年上の成人男性およびそこに感情移入する読者がプライドを捨ててでも服従したいと思わせる魅力的なヒロイン造形が最たる長所と言えるでしょう。
セックスにおいては彼女達に強烈な快楽を与えて主導権を握ることもあるものの、それすらもヒロイン達の掌の上に過ぎない男性達は、弱さや情けなさを含まされたキャラクターとなっており、男性にとっての被虐的・自罰的な要素を形成しつつ、それ故に優位な存在としての少女ヒロインの魅力を維持することに貢献しているとも評し得ます。
ToysForGirls3  等身の高さなどに一定のバリエーションを有しつつ、ほぼ膨らみの無い無~微乳、肉付きの弱いお尻に局所的にプ二っとした股間を組み合わせた幼さを非常に強く感じさせるボディデザインで一貫しており、体幹の肉付きの無さを感じさせるうっすらとしたあばら骨の存在感や、手足の華奢さなどは非常に特徴的(←参照 短編「叱ってください」より)。
男性との体躯との比較においてその肢体の華奢さ・小ささは強調されていますし、清楚感のある制服や可愛らしいパジャマなどの私服も含めて、幼く可愛らしく、弱さを感じさせる様な少女が成人男性に対して支配的な立場にあるということそのものが倒錯性を有しているとも言えます。
  多少の変化はありつつも初単行本とは思えない絵柄の完成度・統一感であり、黒を重視したグッと重い絵も、明るく楽しい雰囲気の絵も共に魅力的ですし、二次元ならではの華やかさやキュートネスと、絵としての適度な重さ・濃さ、エロシーンでの妖艶さなどが複合的に組み合わさる絵はそれ単体で強い魅力となっています。

【倒錯性の打ち出し方の上手さと濃厚でアグレッシブな痴態描写】
  ページ数の都合上、たっぷり長尺とは言い難い水準ではあるものの、エロシーンの占める割合は十分に高く、その上で雰囲気の形成の巧みさや演出の濃密さもあって質的な満腹感は十二分にあります。
  ラブラブH的な要素が強いエロシチュもあれば、少女の言いなりになってしまう被虐的なシチュエーション、逆に少女を物扱いするような凌辱的なシチュエーションもあるなど、エロの味付けは様々ではありますが、いずれのエロシチュにおいても少女側の支配・優位が明瞭であることで彼女達に弄ばれ、翻弄される倒錯性を喚起することは共通。
その一方で、行為としてヒロイン側に為すがままにされるというのではなく、男性側が激しい劣情を彼女達に自覚させられ、また引き出され、マッシブなピストンを含めて彼女達に無我夢中になって激しいセックスをするという描写が多く、状況の主導権と行為の主導権が不一致であることも独特の倒錯性に寄与しています。
ToysForGirls4  前述したエロシチュの陰陽の雰囲気の幅はありつつ、ガツガツと目前の幼い肢体の感触に狂う男性達の激しいピストンと、強烈な陶酔感に包まれ未成熟な少女がしてはいけない蕩けまくった表情や淫猥なエロ台詞、華奢な肢体の柔肌をじっとりと濡らす各種液汁描写など、演出の過激さや濃厚感は共通しており(←参照 “どすどす”という突き込み擬音のマッシブさ 短編「おしえてあげる♥」より)、その様子が竿役の男性と読者の劣情を更に高めていく流れを特に中~終盤で明瞭に形成。
こういったハードでアタックの強い描写に存在感を持たせつつ、エロシーン序盤でのヒロインの蠱惑的な表情で迫られる様子や、可憐な肢体に身を埋めてその小さなバストや秘所をぺろぺろする様子や、表情に淫蕩さを増しながら巨根を舌と唇でねっとりと舐め回す描写など、抑えた描写でじっくりと倒錯性やヒロインの普段の様子とのギャップを打ち出すスキルにも魅力的なものがあります
  欲望に支配された男性の攻撃的な台詞回しは、そこでした優勢を誇れないエロシーン弁慶の男性の情けなさ・身勝手さも増幅しつつ、前述した演出濃密さもあってフィニッシュへ向けてのアグレッシブな流れを形成しており、激しい突き込みからの最奥での中出しに体をビクビクと反応させ悶絶ボイスを上げてアクメを迎える少女の痴態を大ゴマ~1Pフルで提供の強烈な〆を迎えさせています。

  エロシチュやヒロインとの関係性について、好みは分かれるところと思いますが、ヒロインのキャラ立ちが非常に良いこともあって、彼女達に翻弄され支配される倒錯的な喜びに浸り易い作りであると感じます。絵柄にしてもキャラ造形にしても初単行本にしてその魅力を確立させていると言えるでしょう。
 どれもお気に入りですが、強いて選ぶのであれば、夜闇に出現する妖しい少女に誘惑されて心に眠る獣欲を引き出される短編「水曜日の夜子さん」と、激しいセックスでヒロインを好き放題にする嗜虐的なエロシチュとその男を玩具にしている少女の関係性が魅力の短編「叱ってください」が特にお気に入り。口リータ少女に負けたり、支配されたり、情けなく甘えたりなシチュが好きな諸氏に強くお勧めする1冊でございます。

SINK『僕の彼女がクソガキに寝取られた話』

StoryInWhichMySteadyWasRobbedByBadBoy 尚村透先生(原作:河本ほむら氏)の『賭ケグルイ』第11巻(スクウェア・エニックス)を読みました。芽亜里ちゃんのデレ、キター!自他に厳しい子なのでリリカが彼女に仲間として認められるシーンはグッと来ました。
掌くるくるだった芽亜里のクラスメイトトリオが登場して、絶対“顔芸”が来る!と構えていたらゲーム終盤での顔芸大盤振る舞いでしたね。

  さて本日は、SINK先生の『僕の彼女がクソガキに寝取られた話』(ティーアイネット)の遅延へたレビューです。2か月近く遅れてのレビューで申し訳ありません。なお、先生の前々単行本『オフィス肉便器』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
美人ヒロインな婚約者が下衆な野郎に寝取られてしまう展開を強烈なアヘ顔が特徴のハードなエロ描写と一緒にたっぷり味わえる1冊となっています。

 StoryInWhichMySteadyWasRobbedByBadBoy1 収録作は、幼馴染である年上のヒロイン・マー姉と婚約&同棲している主人公は、大学の講師であるヒロインの教え子が頻繁に自宅を訪ねてくることに不信感を持っていたのだが、ある日部屋に残されたメモリーカードに彼女が謎の男によって謎の女と共にハードな凌辱を受け、既に調教済みであることを告白する動画ファイルが入っており・・・な長編「堕・姉嫁」全6話(←参照 知らぬ間に婚約者を完全に寝取られていたことが発覚する第1話 同長編第1話より)、および読み切り形式の短編「微笑の淫母」。
1話・作当りのページ数は20~50P(平均27P強)と幅は有り、ページ数が50Pと突出している長編第1話を除けば標準的なボリュームで推移。長編作の作劇としての相応の読み応えと、十分な尺でハードな痴態描写を提供するエロシーンの強い存在感とがある作品構築となっています。

【寝取られエロとして王道的な展開をじっくりと形成】
  昔から頼れる存在であった優しい婚約者が、下衆な男に弱みを握られ、また男性主人公を絡めた脅迫をされて彼を守るためにも寝取り側とのセックスを受け入れ、ハードな調教の末に完堕ちしてしまうという長編は王道の寝取られ展開でどっしりと構えた作品。
  第1話の時点でヒロインが既に完全に快楽堕ちさせられ、主人公側の勝ち筋がほぼ消えているという状態を提示した後、そこまでにどのような展開があったのかを後続のエピソードで魅せていく構成となっており、“結果”が判明している故に寝取られが進行していく展開において、寝取られる側の無力さが明示されるスタイルと言えるでしょう。
StoryInWhichMySteadyWasRobbedByBadBoy2愛する男性を守ろうとする努力が結果としてその男性との関係性が崩壊するキッカケとなる皮肉、寝取り側が強烈な快楽を叩き込みながらそれと寝取られる側の男性が与える快楽と比較させる展開(←参照 寝取られ側のセックスパートナーとしての劣位性を強調 長編第2話より)、婚約者の前での完堕ち宣言と強制的に開花させられた変態性癖の告白など、精神的に主人公とヒロインを追い込む定番の作劇要素も完備しています。
  芯が強く優しく世話焼きな年上美人が、言動が粗暴でゲスな若者に好き放題にされてしまうという構図は、凌辱エロとしても比較的ポピュラーであって、清いものが濁ったものに飲み込まれる悲哀を感じさせます。
真実の提示が全て行われた状態において、寝取られ側である主人公の精神もやはり大きな変質を迎えるのですが、ネタバレを避ける言い方をするのであれば、二人の関係性が変容しながらも破断させられるのではなく、新しい形の共存が図られたまとめ方となっています。
  息子を立派に育てようとしている未亡人であるが若い男とのハードなセックスの快楽に目覚めてしまい・・・な短編「微笑の淫母」は、寝取られ系作品ではありませんが、下衆な若者に年増美人が好き放題にされ、その背徳の快楽に溺れるという背徳的な雰囲気は長編と共通しています。

【ゲスな竿役と豊満ボディの黒髪美人な年増ヒロインズ】
  長編作では30歳前後~30代前半程度と思しき婚約者・マー姉をメインヒロインとしつつ、40代後半程度と思しき美熟女な学長をサブヒロインとして用意。短編作も30代半ば程度の未亡人さんと思われ、年齢層はある程度高め。
  前述した様に、強気で優しいヒロインがハードな調教の中で変容していく描写が寝取られエロとしての王道的な魅力であり、ゲス野郎に非道な扱いを受けながらそのことに強烈な快感を覚えるマゾ奴隷という浅ましい存在まで堕するというギャップも強力。
  寝取る側の青年が浅薄で下衆な言動を繰り返しながらも押しの強さや周到さ、何より強烈な快感を生む性的な強力さを有しているのに対し、寝取られる側の男性は善良ではあるがヒロインへの不信・不安に踏み込めない弱さや既存の関係性に安住してしまった無為無策が表現されており、両者の対照性は寝取られエロの魅力を高めています。
StoryInWhichMySteadyWasRobbedByBadBoy3  顔のデザインに年増っぽさを入れ込みつつも、女体は若々しさを残すタイプであって、いずれのヒロインも適度に張りのある巨乳&安産型ヒップを組み合わせた肉感的な肢体の持ち主(←参照 サブヒロインの美熟女学長 長編第6話より)。陰毛がもっさり茂る股間に、陰唇のびらびら感がある秘所描写、艶っぽい唇の表現など、粘膜描写を中心に各種体パーツの描写に濃厚な淫猥さがあるのも女体描写の特色です。
  体への卑猥な落書きやスケベ衣装など、ヒロインの羞恥心や屈辱感を刺激する要素をこのエロボディと組み合わせて、ヒロインの肢体が淫らに変容される様子を強調していますが、着衣セックスよりかはバスト&ヒップ&股間をたっぷり見せつけることが意識されたタイプ。
  十分なキャリアを有する作家さんであり、描線をむしろ安定さえることなく勢いや荒々しさを表現し、十分に高い密度の描画で画面に重さを出すスタイルの絵柄は表紙絵と高い互換性を保っています。

【強烈なインパクトのあるアヘ顔を軸にハードな痴態描写】
  日常の中で生じてくる異常や不安から寝取られエロの暴露へと導入してくる長編第1話は50Pとかなりの長尺でシナリオパートを十分にしつつエロも長尺。その他のエピソードでも十分なボリューム感はあり、また後述する様にエロ描写の過激さ・ハードさもあって質的な満腹感が非常に強いスタイル。
 寝取られエロである長編作は寝取られが開始される時点からしばらくは脅迫凌辱としての色彩が強く、マゾ性癖を強制的に開花させられていくことで自らも積極的に快感を求めるようになってしまう様子を描いていきます。短編作についてもヒロインが自ら若者達との乱交に溺れる様子を描いており、いずれも普段の様子との強烈なギャップを形成しています。
  この作家さんの特色である“ひょっとこフェラ”でち○ぽをバキュームしたり、根元まで銜え込んで顔面を股間に押し付けブタ鼻になったりなフェラ描写、ち○こを顔に押し付けたり臭いをかがせたりしつつ、イラマチオ気味なプレイ、男性の肛門を舐めて奉仕するアナル舐めなど、ヒロインが好き放題にされ、奉仕を強要されて無様な姿を曝け出すという構図を前戯パートから明確化しています。
StoryInWhichMySteadyWasRobbedByBadBoy4 前戯パートで敢えて射精しないエロ展開とすることもありつつ、秘所に婚約者や夫以外のちんこを受け入れざるをえない状況に置かれて開始される抽挿パートは、ホラーテイストさえ感じるような強烈なアヘ顔に言葉にならない絶叫ボイス&お下品な実況エロ台詞を組み合わせるこの作家さんの十八番とも言える過激でハードな演出が非常に特徴的(←参照 “ごめんねぇええッ” 長編第5話より)。
ドストレートに露骨な結合部見せつけ構図などの多用で力押しする部分もありつつ、前述した寝取られエロとして王道的なヒロインの変容や、寝取られる男性を意識させる台詞回しやプレイ、強烈さのある台詞の連呼と対照的な冷静に変質していくモノローグなどなど、小技もしっかりと効いたエロ描写と言えるでしょう。
  ストーリー展開の都合上、長編作ではしばらく生中出しを封印して、ゴム付きフィニッシュや引き抜いての口内フィニッシュ⇒そのままお掃除フェラといった展開もありつつ、トドメとして生中出しを終盤で投入しており、1Pフル~2P見開きの大ボリュームでビクビクと反応する肢体に、罪悪感や快楽、恐怖や歓喜が入り混じるアクメ絶叫で強烈なインパクトのフィニッシュシーンを形成しています。

  エロ描写のインパクトの強さはかなり好みが分かれるものとは思いますが、明瞭な特色であり、また快楽に飲み込まれていく寝取られ展開との相性の良さを再認識させてくれました。
余談ですが、長編作では既に調教済みの美熟女学長がキャラデザメンでかなりお気に入りで、どっちのヒロインのエロシーンでも実用的読書が捗りました。

まじろー『まだ間に合う・・?』

ItsNotTooLateYet 石黒正数先生の『天国大魔境』第2巻(講談社)を読みました。桐子お姉ちゃん、少なくとも春希を救出した時点では致命的な怪我をしておらず、頭部の傷を考えると自分の体をハルのために提供したのかと思うのですが、その場合、彼女の脳がどうなったのかは気になりますね。
“天国”の方も“魔境”に劣らず、なかなかきな臭い話になって参りました。

  さて本日は、まじろー先生の初単行本『まだ間に合う・・?』(エンジェル出版)の遅延へたレビューです。1週間ほど遅れてのレビューとなり、申し訳ない。
お馬鹿コメディからヘビィ&ダークな物語まで多彩な作劇で豊満ボディの美人ヒロインがハードに乱れる様子を提供な作品集となっています。

ItsNotTooLateYet1  収録作は、彼氏との旅行中に突如誘拐され、暗い部屋の中で凌辱を繰り返されるヒロインの過去と正体とが彼氏の目前で明かされ、背徳と倒錯の快楽の闇が登場人物達を飲み込んでいく連作「KAIKO」前後編(←参照 清楚だと思っていた彼女は実は・・・ 同連作前編より)、とある理由で子供を預けている園の保母さんに嫉妬した主婦が彼女を催眠凌辱の罠にかけ・・・な短編「モンペママに妬まれて・・・!」+描き下ろし後日談(2P)、および読み切り形式の短編6作+各作品のヒロイン大集合な描き下ろしフルカラー漫画(3P)。
描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は16~24P(平均23P弱)と標準的なボリュームで推移。ストーリー性そのものには読み応えは無いものの、設定や展開の面白みがある作劇には一定の存在感があり、またエロシーンにも十分な満腹感のある構築となっています。

【お気楽系からヘビィなストーリーまで多彩な作劇の魅力】
  作劇の方向性としては、サバサバ系美人妻さんとのラブラブHな短編「結婚2年目の妻」、酔いどれお姉ちゃんとの棚ボタHな短編「ワルコール」といった明るく楽しい雰囲気から、妖しい人物達が跋扈し、破滅的な倒錯の快楽が織りなされる連作や身勝手な嫉妬が罪のないヒロインを破滅に追い込む短編「モンペママに妬まれて・・・!」など、暗く重い雰囲気のものまで様々に用意
  また、記憶喪失の不思議な少女を保護するも邪心を起こして彼女に嘘のエロマナーを教え込んでしまう主人公を描きつつ自業自得なコミカル&ハッピーエンドに収まる短編「道に迷った女の子と遭遇したら」や、ニプルファックの実現に燃えるマッドサイエンティストによるヒロインの人体改造な短編「パイオツデカイスキーの野望」など、インモラル要素とコミカルな要素の両方が含まれる作品も存在しています。
ItsNotTooLateYet2とは言え、ダーク系でも恋愛ストーリー系でも、それぞれの方向性でしっかり固めた作劇という印象があり、狂気の倒錯が支配していく連作や、旦那の借金のために必死で性的な奉仕に励んでいたヒロインがそのあまりの変容に心変わりした旦那に捨てられることになる短編「人妻奴隷ステージ」など(←参照 心の支えを失ってしまい・・・ 同短編より)、ダーク&インモラル系では、話としての重苦しさや回帰可能なラインを越えてしまった破滅感を含ませることで読み応えを形成しています。
  逆に恋愛ストーリー的な作品では、ラブラブな幸福感やエロのウハウハ感を打ち出した上で、誠実な青春ラブストーリーやお気楽なラブコメ系に仕立ててハッピーエンドやコミカルエンドにまとめており、明瞭にポジティブな雰囲気。
宇宙人やら人体改造やらとコミカル寄りの作品での設定の面白さも含めて、個々の作劇に存在感があって、単行本としてのバラエティ感に大きく寄与しています。特定の方向性の作劇をお望みな諸氏にはネックになる可能性がある分、漫画としての面白みに関して雑食派である諸氏にはお勧めできるスタイルと言えるでしょう。

【巨~爆乳の存在感が強いグラマラスボディの美人ヒロインズ】
  年齢不詳な宇宙人ヒロインなどもいますが、概ね20代前半~30歳前後程度と思しき美人さんが揃ったヒロイン陣となっています。
  作劇の方向性が多彩であることもあって、天真爛漫で地球のことに疎い宇宙人ヒロイン、旦那を信じその身を捧げる貞淑な人妻ヒロイン、勝気でエッチな若妻さん、その身の中に狂気的な倒錯性を有しているハーフ美人な彼女さん、強気美人な女探偵などなど、多彩な設定のヒロインを用意。
これと併せて、金髪&そばかすなハーフ美女やおっとり優しそうな雰囲気の保母さん、年増美人的な色気のある人妻キャラに黒髪ロングの清楚な花屋の娘さんなどなど、各種設定や作品の雰囲気に合わせたキャラデザインの多彩さも魅力と言えます。
ItsNotTooLateYet3  短編「花が咲いたら」の並乳ヒロインを例外としつつ、もっちもちの弾力感を有する巨乳~爆乳と安産型ヒップを組み合わせたグラマラスボディが特色であり、陥没乳首やニプルファックのための爆乳化&乳首開発(←参照 ニプルファックは男の浪漫!(個人差があります) 短編「パイオツデカイスキーの野望」より)、調教における乳房や乳首の変形を伴う責めなど、おっぱいの存在感と関連する描写の充実が特徴的。
爆乳に相応しいデカ乳輪や存在感の強い乳首、むにっと肉厚な大陰唇の股間に艶っぽい唇など、体パーツ描写に十分な淫猥さもあって、均整のとれた美しさを重視するよりかは、女体全体として肉感とエロさをたっぷり含有させるスタイル。
  初単行本ということもあって描線の濃淡などを含めて絵柄には一定の変遷が見て取れますが、質的に大きな落差を感じることはなく、表紙絵が気に入ったのであれば中身の絵柄も問題なく受容できるであろうと思われます。

【女体の存在感の強さと密度の高いエロ演出の組み合わせ】
  エロシーンが分割構成されることはあるものの、シーン間のつなぎは概ね滑らかなのでブツ切れ感はあまり無く、ページ数が十分にあることもあってエロシーンの総量は相応の満腹感を有する水準で安定。
  作劇の多彩さもあって、寝取り調教や人体改造、催眠凌辱に露出エロ、ハードなSMプレイなどインモラル系もあれば、王道のラブラブHや棚ボタ的なエロシチュなどエロシチュエーションの方向性は多彩で、作劇と同様に個々の方向性に比較的しっかりと踏み込みを示しています
  前戯パートに十分な尺を設けることが多く、SMでのスパンキングや凌辱エロにおける拘束しての玩具責め、人体改造における薬物と器具による乳首弄りに無抵抗なボディをたっぷり愛撫してその感触を味わう状況、エッチなお姉さんヒロインによるフェラサービスなどなど、個々のエロシチュに合ったプレイを投入してヒロインの興奮を高めていく流れを形成。
ItsNotTooLateYet4ページ数に余裕がある分、抽挿パートのボリューム感も強く、また豊満ボディの存在感を前面に打ち出した上で、派手な乳揺れ描写や淫語搭載の立て板に水式な実況エロ台詞やハートマーク付きの切れ切れの嬌声、各種擬音の散りばめに興奮で紅潮し、瞳を潤ませる表情など、演出面の濃厚さを加えて質的なボリューム感も形成されています(←参照 トロ顔エロ実況!! 短編「ワルコール」より)。
  前述した豊満バストに精液や汗が絡みついてエロさを増したり、抽挿パートでの潮吹き描写があったりと液汁描写にも淫猥さ、アタックの強さを持たせると同時に、押し開かれる秘所にフォーカスした結合部見せつけ構図で挿入感をパワフルに打ち出しており、コマ割り等も含めてベーシックな手法を丁寧にというスタイルと感じます。
インモラル系を中心にピアッシングや浣腸、性転換を含む人体改造など好みを分ける要素が含まれていることには留意が必要ですが、ヒロインの潮吹きや前戯パートにおける射精なども含めて抜き所を多数含むサービスフルなエロ展開とフィニッシュシーンでの演出の盛り上げの良さなど、抜きツールとしての強みをいずれのエロシチュにも備えさせています

  作劇の方向性の多彩さが、キャラクターやエロシチュの多彩さと密接に関連しており、それぞれに異なる面白みやエロさを感じさせているのが大変魅力的で、個人的にはこのまま色々な方向性にチャレンジして頂きたいと感じます。
ホラー作品らしい唐突な展開から徐々に狂気が支配していくヘビィな読書感の連作「KAIKO」と酔いどれお姉ちゃんがエッチな本性を発揮しての棚ボタファックな短編「ワルコール」が特にお気に入りでございます。

大横山飴『落ちない雨』

RainWhichDoesntFall 沙村広明先生の『波よ聞いてくれ』第6巻(講談社)を読みました。ミズホさんのラジオDJ観の会話、いい話だなぁと思いましたね。中原が相手を尊重しつつも、相手のためにその人生に踏み込むことを厭わない姿勢とちょっと通じるものがあるなぁとも感じました。
波の智慧派騒動、これ何のバトル漫画!?って感じでしたが、最後の最後に公共放送とはという命題を持ってきたのは流石ですなぁ。

  さて本日は、大横山飴先生の初単行本『落ちない雨』(茜新社)の遅延へたレビューです。店頭では是非裏表紙も観て頂きたいのですが、男性キャラクターをしっかりと描くというスタンスが表紙にも表れているなぁと感じます。
思春期の不安定さの中で独特の精気に満ちたセックスがシンプルにしてエモーショナルに描かれる作品集となっています。

  収録作はいずれも読み切り形式の短編で計7作。1作当りのページ数は24~46P(平均33P強)と幅は有りつつ平均値としては標準を優に上回るボリューム。一般的な意味でのストーリーの存在感やエロのボリューム感は無いものの、じっくりと読ませる作りであって、胡乱な表現ですが、作品としての存在感があるように感じます。

【性的欲望や好奇心に文脈を付けずにそれそのものとして表現】
  一般的にエロ漫画においては、恋愛セックスによる相互認証であったり、凌辱エロにおける他者の心身への侵犯であったり、寝取られや堕ちモノ系におけるヒロインの変容を引き起こすものであったりと、セックスは他者との関係性に踏み込み、また何らかの重要なものをもたらすものとして表現されます。
いずれも思春期の少年少女のセックスを描く本作の短編群は、そういったセックスの劇的な何かを描くことをせず、性的な欲望や好奇心がただそれとして発現される流れとなっており、エロ描写としてアタックがかなり控えめであることもあって、淡々とした印象があるのは確か。
RainWhichDoesntFall1  一定の信頼関係があり、またセックスを通して快楽の共有を果たしながら、だからといって恋人関係になるわけではないストーリーが多く、そのことが男性キャラクターの胸にちくりと痛みを残すことはありつつ、単純にイコールではない性と愛における前者の純粋性は若者らしい瑞々しさと評し得ます(←参照 “何もわかんなーい” 短編「ゆらゆら」より)。
全体的にキャラクターやその背景について丁寧に説明してくれるスタイルではないものの、抽象的で詩的な台詞表現で夢の内容と体臭に関する話が暗い部屋の中で為される短編「夜の想い」、体を重ねながら少女への不信を捨てきれない少年とその少女の終盤のモノローグで寂寥感を打ち出す短編「ずっといっしょ」など、台詞回しが印象的であることも作品に読み応えというか、彼ら彼女らの在り方に思いを巡らせる奥行きを形成しているとも感じます。
本当に普通にセックスするだけな展開の短編「夕暮れに帰った日」、後輩と何となく続けていたセックスとそれが自然消滅する流れを描く短編「最近あったこと」などは、前述した淡々とした印象がより鮮明ですが、その上で登場人物の報われない感情などがじわっと滲み出ていることで話としての単調さは回避している印象。
  ラブラブなハッピーエンド♪といった漫画的な分かり易さの無いまとめ方を含め、全体的にカテゴライズは難しく、かなり個性的な作風であるのは確か。雑な括りで恐縮ですが、複雑な様で意外にシンプルでもあり、一定の生々しさの中で好悪の感情が入り混じりながらも目前の快楽に浸る素直さを感じさせる青春ストーリーと言えるでしょう。

【リアル寄りのキャラデザインと作品ごとに変化する画風】
  いずれの作品も女子校生ヒロインで統一されており、短編「ゆらゆら」の男性教師を例外としつつ、男性キャラクターも同世代か少し上の世代であって、思春期後半の男女双方の性にフォーカスを当てています。
  漫画チックなキャラクター属性を持たせたヒロインでは全くないものの、前述した性的な興味や欲望の素直で瑞々しい印象や、淡々とした印象ながらも登場人物達を突き動かす感情の表出の鮮やかさなどに魅力があるタイプと感じます。
RainWhichDoesntFall2  ボディデザインについても、巨乳美少女的な分かり易いエロさは追求しておらず、貧~並乳で適度な肉感のある女体描写は現実的なボディバランスという印象。その一方で、足の指まで丁寧に描く足先の描写に強いフェティシズムを感じさせますし(←参照 短編「雨宿りの人」より)、蚊による虫刺され、歯や唇、ほくろ、ニキビなど、人体としての生々しさを感じさせる体パーツの描写を織り込んでいます。
後述する様に絵柄の変化に伴って、女体描写のエロさやヒロインの可愛らしさの表現などもかなり変化しているのですが、全般的に性器描写も比較的リアル寄りであって、こちらにも一種の生々しさがあることが、エロシーンの実用性に寄与する要素。
RainWhichDoesntFall3 非常に丹念に描き込みつつ、ざらっとした質感のアナログ絵柄で魅せるデビュー作「雨宿りの人」から、画面の重さはそのままにもっと繊細で柔らかな絵にした短編「夜の想い」(←参照 同短編より)、更には画面の密度はむしろ排して、少女漫画チックなふわっと柔らかい描線と丸みで可愛らしさを魅せる短編「夕暮れに帰った日」など、作品によって絵柄の印象は異なっており、初単行本である故の質的な変化というよりも、明確に狙いが異なる故の多彩さと感じます。

【生々しさを帯びた官能性を落ち着いたトーンの描写で提供】
  各作品のページ数に比して、エロシーンの尺はそれ程長くはなく、量的な満腹感は強くないことに加えて、質的なアタックの強さや演出の濃厚感などもあまり追求されていないため、抜きツールとしての満足感は個人的には低く、実用的読書も致しておりません。
  いずれも合意の上でのセックスでありつつ、前述した様に相手の心中へ強く踏み込むセックスではなく、性行為そのものとして感覚を個々人が楽しむ行為として表現されている印象で、高揚感もありつつ全体的に落ち着いたトーンになっています。
RainWhichDoesntFall4  作品によって“エロ漫画的な表現”をどの程度意図しているかにはかなり幅があって、台詞や擬音などを強く排除し、単調なコマ割りで紡いでいく短編「雨宿りの人」といったタイプもあれば、性的快感に反応するヒロインのキュートな表情とハートマーク付きの嬌声や擬音を組み合わせた描写を魅せる短編「夕暮れに帰った日」といったタイプもあって(←参照 同短編より)、いずれにしても量的・質的に強く抑制を効かせた痴態描写と言えますし、作家さん自体がエロ漫画的に一般的な手法を用いることに強い抵抗感を覚えていることがあとがきから窺えます。
  その一方で、言葉で語られる臭いに関する表現、美少女ヒロインの肌を濡らす精液の質感、前述した生きた体を感じさせる体パーツ描写と生々しさのある各種の粘膜描写などが、描写として決して高い密度を有するわけではないものの、一種の精気を帯びた淫猥さを醸し出しています
複数ラウンド制の展開を取ることが多く、柔らかく艶のある唇が竿に触れて白濁液が発射されるフェラや最奥まで挿入しての中出しをアップ描写で魅せるシーンなどは、抜き所として相応の威力を有していますが、その一方で演出的な盛り上げはあまり意図されておらず、男性の早漏を心中で嘆くヒロイン側のリアクションなど一般的には抜きの阻害要因となる要素も含まれるなど、使いやすさへの意識は低いとも感じます。

  当ブログは基本的にエロ漫画としてのレビューを書くところですので、どうしても評価を下げざるを得ない部分が多いのですが、とは言え非常にユニークな作風で、思春期の性愛というものをしっかりと軸に据えたエロであり、また漫画であるのは間違いないと感じます。この作家さんの作品を載せたコミック高およびその後継のアオハは英断であったと思います。
個人的には、比較的シンプルにエロ漫画らしさを追求しつつ、ヒロインの感情のままならさを覗かせる短編「夕暮れに帰った日」が最愛でございます。

ジョン湿地王『卑猥仕立ての果実』

FruitsServedWithImmmorals TVアニメ版『どろろ』第11話「ばんもんの巻・上」を観ました。原作屈指の名エピソード“ばんもん”ですが、アニメ版のストーリー全体の組み立てにおいてこうアレンジしてきたかと感心しました。
ストーリーとしていよいよクライマックスが近づいてきたなと期待と怖さが入り混じる回でありました。

  さて本日は、ジョン湿地王先生の『卑猥仕立ての果実』(コアマガジン)のへたレビューです。当ブログでは久しぶりにレビューの俎上に載せますが、『女生徒大百科』(エンジェル出版)等の過去作のレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
豊満ボディの美少女ヒロインが背徳的な快楽に包まれて激しく乱れる様子を明暗様々な雰囲気で描く作品集となっています。

FruitsServedWithImmmorals1  収録作は、優雅なお嬢様系ヒロインと隣席になって憧れた主人公であるが、何故か彼女のパンツを拾ってしまうも実はそれは童貞喰いを目論むヒロインの仕掛けた罠で!?な中編「お嬢様とぼく」全3話(←参照 清楚可憐とみせて実は・・!? 同中編第1話より)、不良たちにかなり深刻なイジメを受けている主人公に優しく声を掛けて友達になってくれた女の子であるがその真相は・・・な連作「液晶ごしの彼女」前後編、優しく敬虔なシスターであるヒロインは町で不思議な少年と出会い、彼によって心の奥に封じていた欲望を思い出してしまうのだが・・・な連作「聖女の堕罪」前後編、および読み切り形式の短編2作。
 1話・作当りのページ数は24~28P(平均24P強)と標準~中の上クラスのボリュームで推移。連作~中編として相応の読み応えを有する作品でありつつ、エロシーンの量的充実をしっかりと図った構築が揃っています

【インモラル・シリアスな要素を含みつつ陰陽様々の作劇】
  何処か憂いや倒錯を感じさせる表紙絵が示す通りに、中身の作品もインモラル系の要素を含んだ作品が揃っていますが、各作品を包む雰囲気の明暗は様々。
自分のパンツを罠にして主人公をセフレにするという変化球から開始される中編「お嬢様とぼく」は、全体的にはドタバタラブコメ的な要素は有してハッピーエンドに収束されるとは言え、支配-被支配の倒錯性の要素を有していますし、ヒロインが淫乱であることの代償的なものを如何に乗り越えるかという点に一定のシリアスさを含ませています。
FruitsServedWithImmmorals2  また、いじめられていた少年に救いの手を差し伸べた少女の“真相”が明かされることで主人公の心が踏みにじられる連作「液晶ごしの彼女」は、重苦しい展開を有していますが(←参照 不良たちに凌辱されていた少女 同連作後編より)、ヒロインの善意が主人公に勇気を与えるという構図自体は一定のポジティブさを有した作品とも言えます
両親を亡くし、狂気に陥った兄の狂った指令を守って、崩壊の日を予感しながらも見知らぬ男達と兄に抱かれる日々を続けるヒロインを描く短編「歪んだ匣」のように、暗く淀んだ雰囲気で倒錯の性愛を描くケースもあれば、未亡人さんが突如魔法少女にされて触手怪物と体けるすることになるという(意外にシリアスな要素はありつつ)コメディ寄りの短編「魔法☆少女 美沙子29歳」といった作品もあり、作品によって明暗のバランスは様々と言えるでしょう。
  とは言え、いずれの作品も倒錯性を含む性愛のほの暗さやシリアスな要素を有しており、そのことで話が引き締まっていたり、インパクトのあるシーンが生じていたりするのが作劇上の美点と言えるでしょう。
カラッと明るいハッピーチューンをお望みの諸氏には不向きではありますが、インモラル色の強いまとめであっても、登場人物達にとっての幸福や何らかに意志、人としての勇気が示されるラストが揃っており、単に暗く重く沈み込む作品とは印象を画していると感じます。

【豊満ボディと秘められた欲望や本性をお持ちなヒロインズ】
  中編「お嬢様とぼく」に登場するヒロインのお母さんは40歳くらいと推察されますし、30歳手前で未亡人となってしまった短編「魔法☆少女 美沙子29歳」のヒロインといった年増美人勢に、20代前半程度と思しき連作のシスターさんなどアダルト美人が半数弱、女子校生級の美少女さんが半数強を占める陣容。
  清楚なお嬢様系ヒロイン、明るく優しいクラスメイト、敬虔なシスターに兄を慕う妹ヒロインなどなど、一見性的な倒錯や退廃と関係なさそうなヒロインが、その内に強烈な性的欲求や暗く淀んだ性愛を抱え込んでいるというのが特色のキャラ描写であり、またそれらが表出されていくことが作劇の軸を形成していると言えます。
なお、作劇面において男性キャラクターに存在感があることが多く、ヒロインに翻弄されながらも性愛を通して勇気や成長を示していくタイプの少年も居れば、狂気と歪んだ愛情に浸る男性、ヒロインが封印していた記憶を呼び覚ます不思議な存在である少年など、その役割やタイプは様々。
FruitsServedWithImmmorals3  ヒロインのボディデザインについては程好い肉感の体幹に十分なボリューム感のあるロケット巨乳に桃尻、パイパン仕様の股間を組み合わせたデザインで概ね共通しており(←参照 連作「聖女の堕罪」後編より)、ストレートなエロさがある女体と漫画チックな親しみ易さのある表情との組み合わせは幅広い層に訴求できる要素でしょう。
クドさは排しつつも、大き目サイズの乳輪やぐしょぐしょに濡れる股間などの粘膜描写にある程度強い淫猥さがあるのも特色の一つ。
  最先端とは言い難いものの、漫画チックな親しみ易さと十分な作画密度による適度な濃さが共存する絵柄の方向性は現代的であって、十分なキャリアがある作家さんらしく表紙絵とほぼ完全互換で単行本を通して絵柄は安定しています。

【濃厚なエロ演出を重ねた倒錯シチュでの激しい乱れ模様】
  十分なボリューム感のあるエロシーンが揃っており、抜きツールとしての満腹感があると同時に、エロシーンにおける真実や性的欲望の表出が作劇面の軸とつながっていることで、シナリオと噛み合った構築にしているのも○。
  棚ボタ的な童貞喪失逆レ○プ、ヒロインのママさんのドスケベボディと母性に包まれる疑似母子セックス、輪姦エロや寝取られ、近親セックスに不特定多数の相手との乱交に、変わり種では魔法少女(29歳)へのハードな触手凌辱などなど、倒錯的なエロシチュエーションを多彩に用意。明るい雰囲気の甘々エッチ的なシチュは基本的に無いので、そこらをお求めの諸氏は留意されたし。
  童貞喰いビッチさんによるローター手コキ、ママ系ヒロインによる豊満パイズリ&授乳手コキ、清楚美人が自らの淫乱さを自覚していく自涜行為、狂気に捕われた兄による性玩具責め&フィストファック、豊満バストを揉んだり吸ったりな愛撫などなど、エロシチュやキャラに合わせて様々なプレイが投入される前戯パートであり、尺の長短も作品によってバリエーションがあります。
FruitsServedWithImmmorals4エロシーンになると男性側が欲望をストレートに発揮してガンガン攻めるパターンもありますが、それ以上にヒロインが倒錯的な状況において強烈な快感に染め上げられて乱れまくるという普段との強いギャップを形成することに主眼があって、濃厚でアタックの強い演出でハードコアな印象を打ち出してきます(←参照 中編「お嬢様とぼく」第3話より)。
  柔肌に絡みつく汗や涎といった液汁描写の多さ、要所で投入する強烈な感覚を物語るアヘ顔的な表情付け、お下品な悶絶ボイスや蕩けまくったエロ台詞、子宮口をノックする断面図など、演出強度・密度は共に高く、やや好みを分ける可能性がある程のインパクトを有しています
 展開として多少駆け足という印象はありますが、前戯・抽挿の両パートに渡って射精を連発する/させられる複数ラウンド制が多く、一回射精しただけでは収まらないといった前のめりな貪欲さで駆け抜けていく流れはパワフル。ヒロインの絶頂潮吹きなども含めて抜き所は多く、大ゴマ~1Pフルのボリュームで演出全部乗せ的なハイカロリーな抜き所を提示して〆としています。

  インモラル系の作品で揃えつつ、読み口は多用であって、また展開に個性を感じるのも魅力的。エロシーンの濃厚感と勢いの強さも、好みを分ける部分はありつつ、実用性の高さに直結しています。
個人的には、棚ボタ展開や倒錯的なエロシチュを含みつつ、根幹としてはボーイ・ミーツ・ガールとしても楽しめる中編「お嬢様とぼく」が最愛でございます。
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