2018年09月

唄飛鳥『孕母』

PlegnantMother  ハロルド作石先生の『7人のシェイクスピア』第6巻(講談社)を読みました。改めてそれぞれの才能を示しつつ、まとめ役、作品監督としてのシェイクの有能さを示した回でもありました。
海軍大臣一座の卑劣な妨害を現場で、ドラマへと即座に織り込む能力は、代替案があったとはいえ、すごいですよねぇ。

  さて本日は、唄飛鳥先生の『孕母』(富士美出版)のへたレビューです。当ブログではレビュー対象としてしばらく間が開いてしまいましたが、『僕の母さんは友人の牝犬』(ジーオーティー)等の過去作のレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
美人妻が黒人ち○ぽによるハードなセックスの快感に堕ちていく寝取られ調教エロがたっぷり味わえる1冊となっています。

PlegnantMother1  収録作は、夫と息子との円満な家庭で主婦をしているヒロイン・由紀江は息子の友人である黒人の少年・マーキスに犯され、彼とのセックスの快楽を覚え込まされていくのだが、マーキスが彼女に手を出したことには裏の理由があって・・・なタイトル長編「孕母」全14話(←参照 マーキスの強引な誘いを拒み切れず・・・ 長編第1話「雨がふる日」より)+フルカラーグラビア(2P)。
エピローグである第14話(3P)を除き、1話当りのページ数は12~22P(平均18P)とやや控えめな水準で推移。とは言え、長編作として相応の読み応えのある作劇と、総量として十二分なボリューム感のあるエロシーンとが用意されています

【王道の人妻寝取られ凌辱展開とそれに関わる男達のドラマ】
  ストーリーとしては、この作家さんお得意の人妻寝取られ&調教堕ちモノの王道的な構築となっており、強烈な快楽と仕組まれた策謀から逃れることが出来ずにヒロインが快楽の泥沼へと沈み込んでいく様子を長編としてじっくり描き出します
ヒロイン自身の転落に加え、彼女の変容が気になり、母親のあられもないメスとしての痴態に惹きこまれていく息子の動向も終盤に絡んで来ており、構成としてはこれまた王道的でありつつ、長編作として複数の筋が合流していく話の流れには上手さを感じさせます
PlegnantMother2  寝取り調教展開で大活躍するマーキス君、変容していく母親の痴態に夢中となり、彼自身も変容していく息子君(←参照 堕ちた母親の痴態を見せ付けられる息子とマーキス 長編第13話より)、そして定番の寝取られ告白電話を受け焦燥していく夫と、ヒロインだけでなく周囲の人物達も日常から逸脱し、破滅していく終盤のダークさは、マーキスを操っていた悪人の一人勝ちという面でも後味の悪さをしっかりと残してくれています
加えて、マーキスも含めて自身が関わった者達の破滅すら、ヒロインを“正常”な状態に戻してくれず、強烈な快楽のスパイスの如き感受にしか過ぎなくなっている状態も、堕ちモノ系の行きつく先としての重苦しさに直結しており、さすがこのジャンルを得意とする作家さんと感じさせる作劇の安定感と評し得ます。
寝取られエロとしては夫のキャラとしての存在感がやや薄いこと、マーキスの心変わりのモチベーションに説明が不足していることなど、男性キャラの心情や役割に作劇としての不足を感じる部分はありますが、基本的にヒロインが快楽に飲み込まれていく展開そのものを彼女の台詞&モノローグで語り出すことで、作劇としての牽引力を保っていると総括できるでしょう。

【キャラデザの清楚感と肢体のストレートなエロさの組み合わせ】
  息子の年齢を考えると、30代半ば~後半程度と考えられる年齢設定ですが、それよりも若々しさを感じさせる美熟女な人妻である由紀江さんの一人ヒロイン制であり、サブヒロインは一切登場しません。
このため、由紀江さんが好みのキャラかどうかで作品の評価が強く定まってしまう部分はありますが、貞淑で優しい人妻さんが次第に破滅すらもいとわない貪欲なメスに~という変容をしっかりと印象付けるキャラクター描写に集中しやすい作りであり、前述したストーリーラインの明確化にも寄与。
  また、前述した通りに描写量としては不足も感じますが、彼女の周囲の男性キャラクター達の動向や、彼女に関わったことで破滅へと同道する様子に一定のフォーカスが為されていますし、何と言っても巨体・巨根の黒人ボーイ・マーキス君の竿役としての存在感は圧倒的と言えます。
PlegnantMother3  艶やかな黒髪に、もっちり触感&大粒乳首な巨乳、適度にどっしりとした桃尻&太股な下半身周り、濃い目の陰毛が茂る熟した秘所の股間と、キャラデザインとして人妻の清楚感と、女体のストレートなエロさを両立させつつ、ストーリーの進展と共に後者の色合いをどんどんと高めていくのもキャラ描写上の魅力(←参照 長編第3話「浸蝕の日」より)。
全裸セックス多めで、着衣関連にあまり充実が見られず、最終盤でのボテ腹変化などがあるものの、ドスケベ衣装での着衣セックスや肉体的な変容に期待するのは、今回はやや避けるべきでしょう。
  ベテランの作家さんということもあって、表紙絵と完全互換で中身の絵柄は安定。絵柄としてオールドスクールな印象はそれなりに強く、修飾性を高めてキャッチーさや絵としての密度を出すスタイルとは逆に、さっぱりとした画である故に、後述する様に濡れ場での演出の載りが良いタイプとも言えるでしょう。

【演出の強烈さでヒロインの変容や狂乱を強調する痴態描写】
  個々のページ数こそ多くないものの、長編作としてエピソード間のつなぎ方が上手い分、エロシーンへの移行は非常にスムーズであって、濡れ場の占める割合はかなり高く、抜きツールとしての満腹感は十分に高いのはさすがベテランのお仕事。
  凌辱エロをベースとしつつ、背徳の快楽に染まったヒロインが自ら求めていく流れも投入しており、また羞恥心や背徳感を刺激するプレイ、旦那に完全屈服を敢えて宣言する電話実況セックス、輪姦に薬物セックス、禁断の近親セックスにフィナーレの出産セックスショーなどなど、状況の過激化やヒロインの積極化などを印象付けていくエロシチュの配置となっています。
  貞淑な人妻が自ら積極的に肉棒を求めたり、はたまた奉仕を強制されたりなフェラ描写を前戯または後戯に投入したり、身を焦がす快楽を堪えきれない人妻ヒロインによるオナニーを描いたりと、前戯パートに相当する描写にも一定の尺を設けつつ、どちらかと言えば抽挿パートの量的・質的存在感を前面に押し出した構成。
PlegnantMother4逞しい黒人ち○ぽに秘所の最奥までをファックされる強烈な快感が、不倫エロとしての背徳感を上回る流れは、寝取られエロとしての醍醐味であり、涙や涎でぐしゃぐしゃになった表情付けに、アへ顔チックなものも含めた強烈な表情、夫への謝罪や中出しへの拒絶などと組み合わされる喜悦の絶頂ボイスや言葉にならない嬌声などなど、アタックの強いエロ演出を投入(←参照 第10話「暴欲のはじまる日・・・」より)。
中ゴマクラスでの肢体全体のアピールに、小コマでの秘所や表情のアップ構図の組み合わせで、情報量を確保し、要所で演出強度を高めた痴態描写を大ゴマで~という画面構成も安定しており、演出面での量的な飽和感に依存し過ぎることなく、いい意味でシンプルに煽情性を高く維持するスタイル。
  輪姦エロでは上下前後の肉穴をストロング黒人ち○こに全て塞がれ、フィニッシュではそれぞれの穴に白濁液をぶちまけられて強烈なアクメ痴態を曝け出すなど、激しい抽挿とそこからの突入するフィニッシュシーンの強烈さはオーラスの抜き所として大変にパワフルな仕上がりとなっています。

  このサブジャンルとして王道的な要素を完備すると共に、長編ドラマとしてストーリーもエロもどっしりとした構え方が出来ているなと感じました。ネタバレは避けますが、マーキス君、最終的にはかなり不憫で、こいつはこいつで色々あったんだなぁって感じ入ってしまうですよねぇ・・・。

木谷椎『泡のお姫様』

BubblePrincess  福島鉄平先生の『ボクらは魔法少年』第1巻(集英社)を読みました。可愛らしい魔法少女風の衣装に変身してしまう魔法少年となった主人公が、水面に映った自分の姿の可愛らしさに夢中になって真の力を発揮する展開、エモ過ぎましたね(若者言葉)。
女装がどうのというよりも強い自己肯定の延長にある自己性愛としての色彩が強い作品だなと感じます。

  さて本日は、木谷椎先生の『泡のお姫様』(メディアックス)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『ひめはじめ』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
キュートな口リ泡姫さん達とのほのぼのエロ模様&小さな肢体が熱っぽく快楽に染まるエッチが詰まった1冊となっています。

BubblePrincess1  収録作は、正真正銘の小○生泡姫のみが在籍するソープ店“ニンフェット”で泡姫さん達の魅力とそのサービスの素晴らしさに夢中になった主人公はこの店に足しげく通うことになって、泡姫さん達と仲良くなっていくのだが・・・なタイトル長編第1話~11話(以下続刊; ←参照 ぱんつ洗いのサービスだ! 同長編第1話「泡のお姫様」より)+描き下ろし?プロローグ(12P)+描き下ろしおまけイラスト(2P)。
フルカラーページ4Pを含むプロローグを除き、1話当りのページ数は12~20P(平均16P強)と控えめな部類。長編作として作劇に一定の存在感はありますが、それよりもエロシーンの充実っぷりが印象としてとにかく先行するタイプの作品構築と言えます。

【願望と幸福が直結し、相互に認証される幸福の非現実空間】
  前単行本から口リエロ漫画路線を明確にしたこの作家さんの最新刊は、前回が重い読み口のダークな凌辱・調教系であったのに対し、ソープを舞台としながら泡姫さんとの楽しいプレイとほのぼのとした関係性を描くハッピーロリータ系であり、がらっと雰囲気を変えてきました。
  無論、幼ないながらも苦界に身を置く彼女達には、それぞれに深刻な事情があり、また風俗嬢として働く以上、主人公以外の男性との性的関係も明確に示唆されているため、甘く優しいラブエロ模様に意識を集中させたいという諸氏には難点となる部分もあるでしょう。
BubblePrincess2主人公は、良かれ悪しかれ、ヒロイン達のシリアスな事情に踏み込むことはなく、あくまでお客さんとしてヒロイン達のエッチを満喫しつつ、同時に彼なりの頑張りや誠意がヒロイン達にも届き、またそれに対して少女達も善意を以て応じるという信頼関係の構築は、平和な雰囲気の形成に大きく貢献しています(←参照 長編第4話「まゆかちゃんと店外デート」より)
  また、作中の世界においても少女性愛が禁忌であること、彼女達を欲望の対象とする場自体の危うさを明示しながらも、「真っ当な」口リコン客、真っ当な店員そして純粋な少女達によって形成されるコミュニティは、創作物でのみ実現可能な桃源郷として、その非現実性そのものに魅力を感じさせる作りとなっていると個人的には感じます。
  4人の泡姫さん達と仲良くなってハーレムH的なことをも繰り広げつつ、次巻以降にストーリーが継続するということもあってか、登場人物達との関係性などに明瞭な決着をつけていない状態で終わるため、話としての読み応えを欠いたままの状態ではあるのですが、それを気にさせない程に、平和な空気感が持続されていることの魅力が、現時点では上回っています。

【ちんまり微乳ボディの持つ強烈な倒錯性】
  作中でお店を平和裏に卒業することになるサブヒロイン・くみちゃんを除くと、主人公との関わりを持つのは計4名の小○生ソープ嬢ちゃん達であり、プレイの一環ということもあって、主人公のことを“お兄ちゃん”と呼んでくれる仕様。
優しくてピュアで主人公を慕う正統派妹タイプに、ツンツンしながらもデレも見せてくれるツンデレ系妹タイプ、よりピュアで無垢な印象を強めた天然不思議ちゃん系タイプに、優等生タイプながら大人の男性を支配するSっぷりも示すクール系妹タイプと、それぞれ属性付けの異なるヒロイン達を投入し、プレイ内容なども各ヒロインのタイプに合わせたものとしています。
  なお、善男善女の話である故の平穏さという構図が明瞭で、少女性愛者という面はともかく、その他はお店に通うために一生懸命働き、またヒロイン達の過去を詮索することなく、信頼関係を得ていく主人公は好青年ですし、また強面ながら嬢であるヒロイン達を見守るボーイさんも名脇役。
BubblePrincess3  身長や等身などに一定の幅は設けつつ、メイン級の4人については、骨格の上に薄い筋肉と脂肪がスベスベとした肌に包まれて存在し、未発達な乳首の微乳、一本筋の走るぷにっとした股間、肉感の弱い尻に華奢な四肢を組み合わせた極上のロリボディが勢揃い(←参照 育ちかけ乳首!!極上!! 長編第2話「かりな姫と逆ソープ」より)。
薄い肉感の下の骨格の存在感や、肢体のバランスの寸詰まり感など、ある種のリアルさを感じさせる部分もありつつ、それを含めて“二次元ロリ”としての非現実的な美しさとエロ可愛さ、それ故の性的倒錯性を突き詰めた肢体表現は、好事家にとって強烈な加点材料に成り得るものです。
  口リ系ヒロイン達の甘ったるいキュートネスを存分に打ち出しつつ、絵としての華やかさを保つ画風は単行本を通して安定しており、モノクロ絵でも表紙絵のフルカラーとの差異をほとんど感じません。

【抑え目な演出手法でありながら濃厚感のある痴態描写】
  各エピソードのページ数が多くは無いため、エロシーンの比重が高いとは言え、個々のエロシーンの尺としては多少の物足りなさは感じます。とは言え、単行本単位として見ると、エロシーンの量的充実度は高くなっていますし、口リ系ヒロインの痴態というそもそも非常にハイカロリーなものを味わえる故に、満足感は相応に強く仕上がっています
  前述した通りに、今回は設定に準拠して和姦シチュエーションで統一されており、泡姫さんによる即尺やマットプレイ、洗体プレイなどのソープ嬢としての王道な各種ご奉仕プレイ、逆にヒロインを洗ってあげる逆ソーププレイ、ヒロインの手コキ&フェラに射精を我慢させられてからのご褒美セックス、みんな仲良くハーレムエッチなど、キャラクター性や話の進展などにも合わせて、プレイ内容を色々と用意するサービス精神は頼もしいところ
ちっこい体がスベスベのお肌をマットの上で全身に絡ませながらフェラしたり、洗体したりなマットプレイ、“プロ”としてコツを押さえた小さなお口でのフェラなど、ご奉仕系プレイも充実させつつ、小さな肢体の肌を撫でたり、ちっぱいの先端や未成熟な秘所を指や舌で愛撫したりと、口リボディの感触を余すところなく感じさせる描写も大変に魅力的。
BubblePrincess4  抽挿パートに移行後は、肢体同士が密着することで、ヒロイン達の体の小ささが成人男性の体躯として比してより強調されることになって背徳感や征服感を刺激すると共に、優しくもパワフルなピストンを繰り返されることで、ヒロイン達がふにゃふにゃな表情の熱っぽい痴態を曝け出す描写としての濃密さも増強していきます(←参照 長編第8話「ふぇありーの新人研修・再び?」より)。
汗やらローションやらに濡れる幼げな肢体そのものの目もくらむような倒錯性を主要な要素をとして据えつつ、演出面では過剰さ・過激さは排し、エロ可愛い蕩け顔やキュッと瞳を閉じて感覚を堪えようとするいじらしい様子、ハートマーク付きの嬌声の漏れ出しなど、ヒロインの可愛らしさを増強する様な演出をチョイス。
  ページ数の都合と前戯パートに尺を長めに咲く構成上、やや短めの抽挿パートとなっており、物足りなさを感じる方もいると思いますが、その中でも複数回の射精シーンを盛り込んだり、ヒロインのアクメ痴態に十分なアタックを持たせたりと抜き所の確保は適切に為されています。なお、プレイの関係上、ゴム付きセックスもしばしばあるので、生中原理主義の方は要留意。

  ハッピーチューンなロリエロ漫画として非常に満足感が高い作品であり、作劇・エロシチュの安定感はもちろん、肢体描写の丁寧さ・押さえるべき要素を押さえた納得感が強みと感じます。
ツンデレ妹系ソープ嬢なかりな姫が最愛ですが、キャラとしてはあー君こと、一寸木さんも大好きですね。

ばくや『唾液っくす』

Daekix  野田サトル先生の『ゴールデンカムイ』第15巻(集英社)を読みました。月島軍曹、寡黙で有能、比較的常識人で個人的にはかなり好きなキャラなのですが、彼の過去のエピソード、非常に重く切ないものでした。
あと、スチェンカの時の軍曹、めちゃくちゃ筋肉質でほれぼれしましたねぇ。

  さて本日は、ばくや先生の初単行本『唾液っくす』(コアマガジン)のへたレビューです。黒ギャル巨乳さんが表紙絵で、大変素晴らしいと思います(性癖)。
肉感たっぷりな迫力ボディの強気ガールズ&レディズとのほのぼのラブコメ&汁だくエッチが詰まった作品集となっています。

Daekix1  収録作は、恋愛相談の相手として有名な黒ギャルさんに女の子への告白を成功させるにはどうするかという相談をしたところ、彼女からは童貞を捨てるのを手伝うというエッチな提案をされて!?から始まるほのぼのラブな連作「例えばこんなトリコロール」前後編(←参照 エッチな黒ギャルさんだ!!! 同連作前編より)、および独立した短編7作+全作品のカップルさん達が集合な描き下ろしおまけエピローグ(4P)。
描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は20~26P(平均22P強)と標準的なボリュームで推移。いずれの作品も、軽い読書感と居心地の良さがある作劇に、適度に強いボリューム感とアタックのあるエロシーンとで安定感のある作品構築を示しています。

【心地よい読書感のポジティブなラブコメディ】
  作劇の方向性としては、明朗快活なラブコメディという印象なものが多く、その上で素直にエロまっしぐらなエネルギー感があるタイプ。
  変態チックな願望をお持ちなヒロインが積極的に肉体関係を求めて来たり(短編「flexible」)、ビッチヒロインにたっぷり搾られることになったり(短編「竜虎愛堕つ!」「駄菓子屋のオモチャ」)、逆に男性キャラが精一杯男らしく振る舞おうとしてエッチへと発展したりと(短編「小さい先輩・大きい後輩」)、男性にとって棚ボタ的な状況を中心として、欲望を素直に解放させてセックスを満喫する流れを形成しています。
Daekix2このシナリオ展開自体はごくオーソドックスなもので新味こそありませんが、作劇全体として欲望任せの殺伐感が無いのは、登場人物達が性愛を通じて、関係性の形成/強化を成功させ、その上で幸福を得るという構図が明瞭であるためであって(←参照 頑張ったいじめられっ子に与えられるご褒美は? 短編「駄菓子屋のオモチャ」より)、ポジティブな雰囲気を作品に付与しています。
  また、黒ギャルさんへの恋愛相談から、最終的に彼女とくっつくことになる連作では、ヒロインの純な恋心の表出で一気にラブストーリーとしての甘味を付与していますが、いずれの作品でも肩肘を張らない素直さが、男女の関係性に生じることで、前述したポジティブさを含めた読む口の良さにつながっていると感じます。
連作を除いて短編集ということもあって、ストーリーの存在感が強いわけでは無く、また展開の面白さを形成する程の尺も無いのですが、エロはエロとして激しく駆け抜けつつ、微笑ましいハッピーエンドで最終的に心地よい読書感でまとめてくれる安心感は明瞭な美点と言えるでしょう。

【エロいお口と巨乳&安産型ヒップをお持ちなヒロインズ】
  女子校生~女子大生級の美少女さんから20代前半~後半クラスの美人さん達と年齢設定にはある程度幅を持たせたヒロイン陣となっています。
加えて、気さくでエッチで恋には意外と純粋な黒ギャルさんに、試合もセックスも獰猛でパワフルなアマレス選手姉妹、明るく元気で働き者だが意外な弱点のあるラーメン店店長さん、クールで有能な職場の先輩美人に、元ヤンと思しき気風の良い駄菓子屋のお姉さんなどなど、多彩な設定のヒロインが揃っています。
  短編「大丈夫?おっぱい揉む?」に登場する母性的で慈愛に満ちた若妻さんの様なタイプもいますが、彼女もある意味では芯の強さがあるタイプであり、どちらかと言えば気の強さや男性に対する優位性を備えたヒロインが多いのも特色で、彼女達に翻弄される部分もありつつ、そんな美少女&美女が自分とのエッチではメロメロに~という定番の魅力を形成することに繋がっています。
  ヒロイン陣のボディデザインについては、乳首&乳輪小さ目の巨乳~爆乳に、これまた大ボリュームの安産型ヒップを組み合わせたグラマラスボディが勢揃いしており、男性キャラクターの身長が低いことが多いこともあって、女体の大きさが対比的に強調されることが多いのも一つの特色。
Daekix3後述する様に、エロシーンでのプレイ・描写にそこまで特化した要素として含まれているわけではないのですが、唾液を含めて液汁描写には明確な注力は為されており、特に肉厚で艶っぽい唇の表現と唾液の絡む舌を合わせたお口の描写の淫猥さは肢体描写における特徴となっています(←参照 このエロ過ぎなお口表現! 短編「デキる女のお礼の仕方」より)。
  初単行本ということもあって、絵柄には一定の変遷が認められ、特に描線の太さや整理の仕方には試行錯誤の跡が見られます。とは言え、初期作でもある程度の粗さ・乱れは描写の勢いにつながっている分、質的に劣るという印象はあまりなく、ストレートなエロさと絵としてのキャッチーさを両立させる現代的なスタイル自体も一貫しています。

【程好いアタックの強さと淫液に濡れる粘膜の官能性が武器】
  エロシーンが占める割合の高さもあって、適度に長めの尺の中で、前戯・抽挿の両パートもしくは抽挿パートにおいて複数の抜き所を設ける二回戦仕様を基本とした濡れ場を構築。
  隠れながらヒロインにエロ悪戯をする羞恥プレイや、肉食系ビッチ姉妹さんによる貪られ3Pセックス、エッチで優しい奥さんがたっぷり甘やかしてくれる癒し系ラブラブH、エッチなお姉さんにお仕置きされちゃうプレイに、軟体フェチな男性と新体操選手による特殊ポージングセックスといった変化球なものも含め、エロシチュは多彩でありつつ、素直な願望や欲望が発揮され、またそれが互いに受容されるというのは作劇面で述べた通り。
  前述した唇と舌の淫猥さが明瞭に効果を発揮するフェラに加え、豊満バストでのパイズリや授乳手コキ、アナル&ちんこ同時責めといった各種サービスプレイに、搾られるお汁がたっぷり漏れ出てくるパイパン秘所へのクンニや豊満バストの乳揉み描写など、前戯パートでのプレイ内容は多彩。
この前戯パートでも舌を絡めあい、潤滑する涎が零れ出すキス描写をある程度ねっとりとした筆致で描き出し、前述のフェラ描写などと併せて描写量として充実しているのは間違いないものの、お口に関するエロ描写としてのコダワリや、そこにフォーカスさせる魅せ方にはまだ不足も感じますし、またエロの方向性として過剰なマニアックさは排した姿勢故という部分もあるでしょう。
Daekix4  ヒロイン側が終始リードを握り続けるケースもあれば、男性キャラクターががむしゃらにピストンで主導権を取るケースも存在しますが、いずれにしても男女双方が強烈な快感と興奮に包まれて更なる快楽を求めていくパワフルさは共通しており、余裕の無い蕩けた表情付けやハートマーク付きな短いエロ台詞の連呼、柔肌をじっとり濡らす液汁描写といった痴態描写とよくマッチ(←参照 短編「小さい先輩・大きい後輩」より)。
抽挿パートでのキスシーンは描写としてややあっさりしていることのが残念ですが、結合部見せつけ構図でのストレートなアタックの打ち出しや、やや窮屈で安直な印象はあるものの、平行連続コマを含めて小~中ゴマの詰め方で画面の密度を出すページ構成などで、煽情性を着実に積み上げてフィニッシュへ突入させる流れは抜きツールとしての盤石さと感じます。

  心地よい読書感のラブコメと、質的にも量的にも程好いボリューム感のあるエロシーンとが互いに魅力を高め合っており、幅広い層にお勧めできる1冊。
個人的には、巨乳黒ギャル美少女な黒木さんとの棚ボタエッチ&彼女のピュアな一面が素敵なラブ模様が味わえる連作「例えばこんなトリコロール」が最愛でございます。

ダイナマイトmoca『狂イク♥実習』

CrazyPraxis 『アズールレーンコミックアンソロジー』vol.4を読みました。今回も楽しいアンソロ本ですが、個人的にはレフトハンド先生の鉄血残念美人軍団のお話と、高原由先生のダウンズちゃんのお話が特にお気に入りですね!
あと、ごまし先生による伊26ちゃんの褐色口リ尻、最高でございます!!

  さて本日は、ダイナマイトmoca先生の『狂イク♥実習』(茜新社)の遅延へたレビューです。“男の娘”エロ漫画を得意とされる作家さんですが、ようやくLO掲載作が単行本としてまとまったこと、嬉しく思います。
明暗入り混じる登場人物たちの日常のドラマと可憐な口リ系美少女達のハードな蕩け痴態が満喫できる作品集となっています。

CrazyPraxis1  収録作は、それぞれの事情で援助交際に手を出した少女達と彼女達を買う男との間で交わされる会話と割り切りセックスな「清純JC初援交」シリーズ全2話(←参照 処女だと彼氏に面倒と思われるのが心配で手を出した少女に 同シリーズ第1話より)、および読み切り形式の短編6作。
1話・作当りのページ数は20~28P(平均25P弱)と中の上クラスのボリュームで推移。短編メインながら、個々に一定の読み応えのある作劇であり、その上で量的にも質的にも存在感の強いエロシーンを十分量提供する構築となっています。

【カテゴライズの平行席私用の有効性とは?】
  なかなか単純なカテゴライズが難しいシナリオワークではあるものの、ジュニアアイドルさんを強制ハメ撮り撮影な短編「ジュニアアイドルのおしごと」、初めてのコミケでエロ本に興奮してしまった少女がエロ同人誌を置引きしてしまい、その結果オタク達にお仕置きレ○プされる短編「コ○ケ会場のトイレでレイプされたJS」など、凌辱系の作品が多いのは確か。
その他にも、姪っ子に手を出してしまったり、親戚の子に悪戯&睡姦したり、無垢な少女を騙して性的関係を持ったりと、不穏な要素を含む作品が多く、優しい甘味たっぷりの幸せロリエロ空間を満喫したい諸氏は要留意。
  その一方で、単にヒロイン側が被害者というわけではないケースや、弱い者同士の共存が描かれたり、性的好奇心や性的快楽の充足が描かれたりするケースもあって、単純に加害者と被害者という構図では割り切れない、人間模様が描かれていることが大きな特徴。
やや大仰なことを言うのであれば、普通に生きること自体、大変なことで苦しいことも多い中、少女もロリコン男性も含めた老若男女はそれぞれ、自身なりの幸福を求めて、時に衝動的に、時に心を狂気に染めても、何かをせずにはいられないという状況が各作品に描かれていると感じます。
CrazyPraxis2  自分の体だけでなく尊厳を売り渡しているのだということに気付かされる援交少女(←参照 「清純JC初援交」シリーズ第2話より)、社会からの脱落者な主人公と貧乏でネグレクト気味な女の子の奇妙な関係、真面目であることにつかれた少女と両親を亡くし自身の狂気的な願望に取りつかれた誘拐犯、その他ここぞとばかりに欲望を解き放つロリコン男性達と、それぞれ様相は異なりつつも、金銭的なものであったり性的なものであったりな願望や欲望を叶えて、自身の幸福を得たいという心情に突き動かされているのは共通していると感じます。
  ある意味では悲しい程に愚かなその有様を、それでも良いのだと柔和に肯定する作品もあれば、登場人物の誤謬・狂信であると冷静に突き放す作品もあり、その点も作劇としてのカテゴライズを難しくする点でもあるのですが、いずれも日常を生きる人間の物語として描き上げられていると評したい所存。

【等身に幅はありつつ、華奢さを感じさせる純正ロリ系ボディ】 
  数名JC級の女の子も登場させつつ、中学年~高学年クラスのランドセルガールズが過半数を占める陣容であり、LOレーベルらしいガチさを感じさせる陣容。
  前述した様に、時に愚かしさや無知・無力な印象を込めたヒロイン造形であり、幸福を求めて辛い状況に陥ったり、親や彼氏のために努力していたことが踏みにじられたりしても、自分は自分でしかない、それでいてどう生きていくのかを自身で考えるべき、または必ず考えるべき時が来るのだという個人主義が少女達の作中の在り方に込められている様にも感じ、それはロリコン漫画の分かり易い欲望の集積装置としての偶像とは異なる少女像が形成されているとも感じます。
  これは男性キャラクター達にも近似した部分があって、非常に分かり易く欲望に支配された凌辱要因というキャラクターも多い一方で、何故彼が、一般的な倫理観からすれば“歪んで”しまったり“逸脱”してしまったりしたかに、決して他人事ではない生きづらさや疎外感、(特にLO読者層にとって)理解しうる欲望を感じさせることによって、肯定は全く出来ないが、かといって否定もし難い存在として描かれていると個人的には感じます。
CrazyPraxis3  設定年齢によって等身の高低は異なり、スレンダーな華奢さが目立つタイプと、ちんまりとした幼い小ささを強調するタイプに分かれますが、いずれにしてもぺたんこ~膨らみかけバストに、寸胴な体幹、鏡面仕様で一本筋だけが走る股間など、ロリ系ボディに必須な体パーツ描写はしっかり完備(←参照 JSアイドルの極小ビキニのポロリだ! 短編「ジュニアアイドルのおしごと」より)。
  敢てのランドセル装着セックスやら、JCキャラに好みの制服を着用させての着衣セックスやら、ジュニアアイドルのドスケベ水着やら、ヒロインの属性付けの明瞭化の役割を果たすとともに、ヒロイン自身に自身がそのような性的対象として見られているのだと認識させるような着衣チョイスが目立ちます
  初出時期に一定の開きがあるのか、絵柄の方向性自体は一貫しつつ描線の安定感などには作品間での差異を感じる部分はあります。とはいえ、作画密度の高さは概ね安定しており、特に情報量の多さゆえに、表紙絵との印象の差異をほとんど感じないのも安心材料と言えるでしょう。

【和姦エロは乏しめなハードで熱狂的な痴態描写の連続】
  各話に十分なページ数があるため、濡れ場の尺も相応に長めと言え、徐々に快楽に包まれていくヒロイン達の変容と痴態をたっぷり鑑賞可能な優良抜きツール。
和姦エロとしての色彩もある作品が存在しつつ、前述した様に輪姦や睡姦、拘束凌辱といったダーク&ハードなエロシチュを選択することが多く、そういった狂気的・反倫理的な状態において、ヒロイン達の心理が表出していく流れに、作劇上の意味合いも、エロシチュのアブノーマルな興奮を高める機能としても、効果的なものがあると評し得るでしょう。
  挿入に至るまでの前戯パートまたはそれに相当する描写に十分な尺を設ける傾向にあり、女児オナニーや小さな秘所に挿入せずにその感触を味わう素股、密着しての乳弄りやねっとりクンニなど、状況に合わせてプレイをじっくりと描き上げることで挿入までのエロの盛り上がりを形成。
CrazyPraxis4紅潮した頬に、潤んで焦点が怪しい瞳といった理性を喪失しつつあるぐしょぐしょの蕩けフェイスに、描き文字で表現されるエロ台詞、ガクガクと震える小さな肢体など、擬音と状況のマッチングなど、かなり濃密な演出をかぶせることによって、エロシーンの質的満腹感を大きく高めています(←参照 短編「Free at last」より)。
乳首や秘所、表情などをアップで見せる小ゴマの使用頻度が高く、割合に詰まった画面構成が多いものの、例えばち○この出し入れの平行連続コマなど、技巧としてつたないところはなく、情報量の増強という狙いがきっちり先行しているのは○。
  女児が感じてはいけない強烈なアクメ快感に圧倒されている有様と、時に断面図描写を伴いながら、キュートなロリ系美少女の子宮に白濁液を注ぎ込む背徳感たっぷりの雰囲気作りとを相乗させたフィニッシュシーンが、終盤で一気に上昇させる興奮で濡れ場全体の実用性を高めていると評し得るでしょう。

  凌辱エロとしてもハッピーロリータ系としても必ずしも分かり易くまとめない一方で、ある種普遍的な幸福の追求を作劇に絡めることで、エロシーンの実用性を押し上げた構築と感じます。
個人的には、無垢なジュニアアイドルさんを強引に生ハメビデオ撮影に持っていく短編「ジュニアアイドルのおしごと」が抜き的に特にお気に入りでございます。

kanbe『痴戯のナカ』

InsideTheSexualPlay  吉田基已先生の『官能先生』第2巻(講談社)を読みました。“ハートの勃起としてのパッション”“他愛無い会話の中の清らかな愛情の交流”など、おっと思わせる言い回しで鮮やかに切り込んでくる筆致は見事。雪乃さんとの恋路も大変すばらしいですが、若い津永氏に「わかるよ!」と言葉にした鳴海先生の姿にぐっときましたね。

  さて本日は、kanbe先生の『痴戯のナカ』(ワニマガジン社)のへたレビューです。これが2冊目となる作家さんで、管理人は初単行本『いじりもん』(同社刊)は既読なもののレビューを書けていなかったのですが、今回は絶対に評を書かねばと思わせてくれました。
劇薬としての性的快楽に駆動される衝動的な展開と陰陽入り混じる生々しい官能性に浸されたエロシーンとが楽しめる作品集となっています。

InsideTheSexualPlay1  収録作は、ある少年と少女が茂みの中から性行為中の男女を興味本位で覗き見していたところ、覗きが彼らに露見してしまい、代償として彼らの目前でセックスをするように要求されるのだが、そのことを決心できなかった二人を待つ運命と、彼らを介して強烈なセックスへの耽溺・渇望が次第に他者へと感染していく中編「茂み、繁み」シリーズ全4話(←参照 過去にあるものを奪われ、あるものを植え付けられた少年の渇望は続く 同シリーズ第2話「茂みの囀り」より)、および読み切り形式の短編6作。短編群の一部の作品は舞台設定が共通しているようですが、話としては独立しています。
フルカラー作品である短編「ないないこそこそ」(8P)を除き、1話・作当りのページ数は16~24P(平均21P弱)とコンビニ誌初出としては平均を上回るボリュームで推移。短編作中心ながら、サクサクと軽いタイプのものからずしりとした重たさを感じさせるタイプまで読書感の軽重には幅があり、その上で十分な濃度を持たせたエロシーンを適度な満腹感の分量で提供しています。

【得体のしれないものとしての性的快楽のドラマ】
  前単行本でも微ダーク系であったりアモラルな香りがあったりな作品は明確に存在していたものの、全体的に雰囲気は軽めではあり、今単行本で言えば心底世話焼きな幼馴染さんによってダメな夢追い人が更生?する短編「夢肥える」やほのぼのとした上下関係や少年のエロ的逆襲を描く短編「狛子がまいった」といった軽い読み口のラブコメ系がメインという印象ではありました。
ダーク&インモラル系の作品でも、ラブコメ系でも起承転結のまとまりの良さや、話のオチの付け方・コメディとしての転がし方の上手さなど、作劇面での安定感は初単行本からあって今単行本のラブコメ系も含めて、小粒ながらウェルメイドでありながら、悪く言えば、それ程強い印象を残すタイプではないとも個人的には感じていました。
InsideTheSexualPlay2  今回は、ウェルメイドと感じさせる作劇の安定感は保ちつつ、要所要所で読み手の胸中へ鋭く突き込むような暗く重いエモーショナルさを備えた作劇が強い印象を残しており、性的快楽というものを、人を変容させる劇薬であり、一度その味を覚えれば抗すること能わず求めてしまう麻薬であり、人から人へとその酩酊が伝播していくものとして、ある種の凄味を伴った筆致で描き出しています(←参照 短編「情欲症候群」より)。
殊に「茂み、繁み」シリーズはこの路線において出色の出来栄えと言え、たまたま他人の青姦を覗き見たために、性愛の深淵に少年と少女が飲み込まれ、それがその周囲の人間にも伝染して、自らの欲望を曝け出して貪欲に貪り絡まり合う姿へと変容していく流れは、登場人物達の充足への渇望とその衝動性が場を支配していく流れに唸らされます
個々の作品を短編として見ても十分な出来ですが、これらの状況が連鎖していくシリーズ作としたことで、性的快楽というものの強烈さと理不尽さ、そしてそれと密接に関連する人間の在り方のままならなさを表現できていると個人的には感じます。
  ラスト1~2Pで話全体の印象をガラッと変えてくる短編「情欲症候群」「私をおして」やラブコメ系のハッピーエンドも含め、話のまとめ方の仕掛け方もうまく、単純なハッピーエンドでもバットエンドでもない「茂み、繁み」シリーズ各話のラストを含め、読後に残るもやもやとした感情にこそ魅力がある作劇と評したい所存。

【表現力豊かな絵柄で描かれる多彩な美少女キャラクター】

  「茂み、繁み」シリーズ第1話のヒロインであるローティーン級と思しき少女や、短編「夢肥える」に登場する20代後半~30歳前後と思しき美人さんなど上下に例外を有しつつ、基本的には女子校生級の美少女さん達がヒロイン陣の主力となっています。
  強気で主人公をからかう幼馴染ヒロインや世話焼き系幼馴染さんなど、ラブコメ系における棚ボタ的な展開を担うキャッチーな造形のヒロインに加え、インモラル系の作品でもやはり幼馴染ヒロインや優等生なメガネっ子、ギャル系美少女さんなど、相応にキャッチーさのある造形・性格付けのヒロイン設定が揃っています。
そういった魅力的な女の子達がエッチな本性・本音を曝け出して~というのは、棚ボタ的な展開を可能にするエロ漫画的にオーソドックスな要素ではあるのですが、今単行本では、性愛の解放感と同時に、性愛に魅入られた者の“得体の知れなさ”も同時に醸し出されているように思え、その理解不能性に魅了されて飲み込まれていくような印象があります。
InsideTheSexualPlay3  ロー~ミドルティーン級の様に思えるヒロインでは、肢体の小ささや華奢さに加えて、バスト&ヒップのボリュームを抑えて全体的に未成熟感を打ち出していますが、基本的にはむちっと柔らか弾力の巨乳に安産型ヒップ(←参照 短編「オトナ合格」より)、太股などの各体パーツのマッスがたっぷりな肉感ボディがメイン。
絵柄の幅に伴うキャラデザインの幅もあって、体パーツ描写の淫猥さなどにも作品間で差異がありますが、おっぱい関連の描写は乳首・乳輪の主張控えめな美巨乳としてまとめつつ、もじゃっとした陰毛描写や髪の毛の乱れの丁寧な描写、淫液に濡れる舌や秘所の生々しさなど、程好く濃口の淫猥さを感じさせる女体としてまとめることが多い印象。
  細めの描線でキャッチーなアニメ/エロゲー絵柄系でまとめることもあれば、描線に荒々しさを感じさせる絵柄であったり、繊細さと勢いが両立し、描き込み密度の高い絵柄もあったりと、同一の作家さんが比較的短いスパンの間で描いたものとは感じにくい程、絵柄の印象は様々。絵柄の統一感を求める諸氏には不向きかもしれませんが、いずれの画風も作品の雰囲気と大変にマッチしており、むしろ絵柄の使い分けとして個人的には高く評価したいポイントです。

【快楽への強烈な渇望で没入する快楽の沼】

  作品によって、セックスに至る流れのタメを重視するケースもあれば、衝動的な流れや意外な急展開によって濡れ場へと即座に突入するケースもありますが、概ね濡れ場には十分な尺を有しており、抜きツールとしての満腹感のベースを形成。
  寝取られ要素であったり、支配-被支配の調教的な関係性であったり、凌辱的な要素があったりするエロシチュが多いのは、前述したダーク&インモラル系の作劇に合わせてのものですが、単に性的欲望がストレートに発揮されるというよりも、自身の目前の相手を、それとの性交による快楽を得なければ、自身というものが消え失せてしまうかのような切迫した渇望が強烈な衝動性を以て場を支配しているように感じさせる気迫があって、レゾンデートルとしての“生としての性”を、緊張感を以て漲らせているように感じます。
  シックスナインに脇舐め、パイズリにねっとりディープキス、乳揉みにオナニーショーなど、多彩なプレイ内容を有する前戯パートは、状況・設定に合わせたプレイをチョイスしつつ、抽挿パートへの移行としての役割も含めて、興奮・快楽のエスカレートとしての流れをしっかりと形成。
InsideTheSexualPlay4そこからの挿入および抽挿によって、体と体がつながることによって、強烈な快楽とそれが生み出す何らかの特殊な関係性と充足が、他を以て替えがたい強烈な快楽と価値を生むというスタンスによって、抽挿パートの男女の熱狂に読み手を有無を言わさずに引き込む熱量を含ませていると評し得るでしょう(←参照 中編シリーズ第1話「茂みを覗いて」より)。
  比較的小コマが多く、個々のコマ単体での強烈なアピールがあるタイプの画面構成ではないものの、絵柄の方向性の如何を問わず、生々しさを伴った表情付け液汁に濡れる女体や結合部の描写、絡み合う男女の肢体の密着感といった要素でじっくりと煽情性を練り上げていくスタイルで、演出そのものより構成でアタックを高めていくタイプ。
殊更にフィッシュシーンでの盛り上げを図るタイプではなく、縦長コマや小ゴマなどの変則的なコマで中出しフィニッシュを描くことも多いですが、高めに高めた性的快楽が絶頂によって一気に放出されるような感覚がある分、抜き所としての鮮烈さを十分に有した終盤展開と評し得るでしょう。

  前単行本でもその才気の片鱗を示しつつ、今単行本ではそれを十全に花開かせたと感じさせる内容で非常に頼もしく感じた次第。感情と欲望の奥深さが、ストーリーとしても、また抜きツールとしての実用性にも、大きく貢献しています。
個人的には、「茂み、繁み」シリーズの「茂み」2作、ラスト1Pの仕掛けに思わずため息を漏らした短編「情欲症候群」が特にお気に入り。読ませるエロ漫画をお求めな諸氏にお勧め!
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

月別アーカイブ
  • ライブドアブログ