
さて本日は、ホーミング先生の『超満足JC』(茜新社)のへたレビューです。先生の前単行本『超JCいもうと』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
ほのぼのふんわりとした緩い雰囲気の中でキュートな女の子達がエロ可愛い痴態を魅せてくれる作品集となっています。

描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は(平均16P弱)と控えめな部類。ストーリー面での読み応えは褒め言葉として皆無であり、エロシーンのアタックもやや抑え気味で、ほのぼのとした読み口が保たれた構築となっています。
【ほのぼのと柔和な雰囲気に浸れるおとぼけラブ模様】
前単行本に引き続き、漫画チックにお馬鹿でユニークなヒロイン達と、ほのぼのとしつつちょっとエキセントリックなラブ&エロ模様を描くスタイルとなっており、今回は落穂拾い的に単行本未収録の古い作品や他社雑誌の掲載作なども含みつつ、読み口の微笑ましさは共通しています。
恋に一生懸命なヒロインがセックスすべく押し掛けるも実にビミョーな勘違いに振り回され、ライバルヒロインの参入に伴って更にドタバタ模様とハーレム形成へと進んでしまう中編作は、最初の勘違いを引っ張り続けてとぼけた会話の応酬を生み出していく小技も効いたラブコメ系。
中編作の主人公である先輩男子はクールな様でなかなかにエロへ直球なスケベ男子ですし、その他の作品でもヒロインに多少意地悪をしたり(短編「ひとり暮らしを始めたら嫁がついてきた」)、騙しエロ的な展開を主導したりしますが(短編「トカイのお兄さん」)、雰囲気が暗くなったり重くなったりすることなく、スケベ男子と共に女の子達も嬉々としてエッチに邁進していきます。

斯様なスタイルである分、ストーリーとしての密度は極めて低く、全てがあっけらかんとほのぼのエンドへと向かって緩やかに流れていくため、読み口の物足りなさは相応にありますが、言うまでも無くその緩さ・穏やかさこそが作劇面における最大の魅力と評し得るでしょう。
【柔らかバストをお持ちのキュートな制服美少女達】
短編「告白シアター」のように一部の作品では女子校生級と思しき年上系ヒロインも登場する者の、基本的には単行本タイトル通りに、キュートなJC級制服ガール達がメインのヒロイン陣。
お馬鹿であったり、負けず嫌いであったり、はたまたクーデレ系であったり、豆腐メンタルであったりと、漫画チックな楽しさ・可愛らしさを織り込んだヒロインの性格設定は、古き良き萌えエロ漫画のスタイルを踏襲しつつ、コテコテに萌えテイストで固めるのではなく、とぼけた感じや感情の素直さを重視したキャラメイクでユニークな印象を持たせるのがこの作家さんの特長と言えます。
なお、男性キャラクターについても、これまたお馬鹿であったり少々奇人であったり、直球でスケベであったりするものの、彼らについても裏表が無く、親しみ易さや楽しさのあるキャラとして表現されていることで、ヒロインとの掛け合いの楽しさや作品の平穏さに直結。

着衣セックスをメインとしており、肢体全体が見えることが多くないのですが、前述したキュートな表情付けに華奢な四肢、男性に比べた小ささ、ツルぷに一本スジな股間など、ロリ要素は相応に重視されており、ロリ巨乳タイプとカテゴライズしても良いでしょう。
初出時期に一定の幅がある分、古めの作品では描線の頼りなさや絵の密度の打ち出し方で近作との差異を明瞭に感じますが、あざとい萌えっぽさを柔らかくまとめ込む絵柄の方向性は安定しており、この作家さん独特の緩い雰囲気とも非常に相性のよいスタイルです。
【エロ可愛い表情と直球の淫猥さのある文字表現】
エロシーンにおいても何処かとぼけた軽い雰囲気が流れ続けますが、濡れ場の占める割合は相応に高く、前戯・抽挿の両パートに射精シーンを設けた複数ラウンド制の展開も安定しています。
姉妹の百合セックスを描く短編「ゆりしーず」や中編作での主人公争奪エッチバトルを例外としつつ、ちょっぴり意地悪要素や騙し要素があっても双方の性欲が素直に叶えられていく和姦エロをシチュエーションのメインとしており、互いに気持ち良くなる幸福感・安心感を形成しています。
前述した様に導入パートの雰囲気をそのまま保つこともあって、エロとしての強烈さを叩き込んでくるタイプではないのですが、男女双方が意外に欲望任せでがっつく様なエネルギー感を感じます。

演出の畳み掛け方として、やや単調とは感じますが、キュートなロリ系美少女さん達が乱れまくるというギャップそのもので煽情性を打ち出し、それをフィニッシュまで連続させていくという流れそのものは強みでもあります。
小さなお口でティムポ(ホーミング作品用語)一生懸命にご奉仕するフェラ描写からの射精シーンを前戯パートに投入すると共に、ラストはアクメを迎えながら中出し精液を膣内やアナルで受け止めて蕩けた表情を示すヒロイン達の痴態を、アタックの強い文字表現とキュートな表情付けで描き出して〆としています。
作劇・エロ共に物足りなさはある程度感じますが、敢えて詰め込まないスタイルで、ユニークでコミカルな雰囲気に読み手を心地よく浸らせてくれるのは間違いなくこの作家さんならではの美点。
個人的には、冒頭の勘違いをひっぱりながらおとぼけラブコメとして賑やかに展開した中編作が最愛でございます。