
あと、部下の武下ちゃんがとってもかわいいですぞ!!
さて本日は、大嶋亮先生の『よろめき。』(エンジェル出版)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『義母色果実』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
豊満ボディの美熟女さんが若い男との恋とセックスに目覚めて自身の情欲を淫らに曝け出す1冊となっています。

1話当りのページ数はいずれも20Pと中の下クラスのボリュームで固定。長編作として一定の読み応えを有するストーリーであり、その上で豊満ボディがたっぷり乱れる濡れ場を十分量に搭載した作品構築で安定しています。
【快楽堕ちではなく自ら快楽を求める道への解放】
妻として、また母として自分を押えてきた女性が、イケメンでヤリチンな若い男性の甘い言葉にほだされて~というストーリーの流れは、人妻堕ちモノ系の王道的なものですが、本作はそれとは全く異なる方向へと話が進んでいきます。
実は娘の彼氏でもあり、親子丼をしたいという願望もあってヒロインとの交際を進める新田、気のいいギャルではありつつ当然自分の彼氏をヒロインである母親から奪い返そうとする娘、ヒロインと別居中でありまた離婚調停を迫ってくる夫と、ヒロインは他のキャラクターの願望や欲望に振り回されることになります。

年齢相応のつつましさや、母や妻としての役割など、他者から押し付けられた価値観を打破し、娘との彼氏との奪い合いや旦那との関係性について突飛な方向性からの決着など、ある種のあさましさもヒロインの姿からは感じさせつつ、その上で頼もしくかつポジティブな印象を生み出しています。
どちらかと言えば、女性読者に親近感を感じさせそうなキャラクター造形をストーリーの中で作り出していますが、結果としてはそれでエロシーンをスムーズに享受できる構図でもあるので、美熟女の貪欲さを男性読者も大いに満喫可能。
ドタバタ感もある母娘の三角関係や旦那との離婚話が如何なる決着を見るのかは是非ご自分の目で確認して頂きたいですが、自身の願望を貫く道を選びつつ、娘を中心として他者を不幸にすることなく、ヒロインが自身の生と性を謳歌するまとめ方にしたことも、読後感を良好にしています。
【ギャル化していくグラマラスボディのアラフォー美女】
アラフォー美熟女な遥香さんをメインヒロインに据えつつ、三角関係ということもあって娘であり不倫相手の彼女でもある女子大生級な女の子・ミチルの登場頻度も高め。
物語序盤では黒髪清楚、悪く言えば地味な印象の熟女であったメインヒロインが、若い男と付き合っていく中で娘と同様なギャル風の派手な髪型・衣装に変化していき、ある種のけばけばしさなども醸し出していくため、好みは分かれるところでしょうが、この変化は彼女自身が抑制していた願望の表出と密接にリンクする要素。
また、男性を巡る母娘の対決という、これまた世間一般からすればあさましい状況の中で、反抗期を乗り越えて仲良くなっていた娘との反目を、敢えて恐れずに自身の欲望をストレートにぶつけていくことで彼女自身が解放されていきますし、また前述した様に母娘関係に回復不能な亀裂を生じさせない配慮が為されています。
なお、メインヒロインをよろめかせることになったイケメン美容師・新田は、セックス大好きで甘言を弄するタイプのいけすかないキャラではありますが、決して害意や強い悪意があるわけではなく、寝取りキャラ的な既存の関係の破壊をもくろんだり、歪んだモチベーションがあったりするわけでもないため、遥香さんの変容のキッカケを作るという役割に徹したキャラとも言えるでしょう。

鮮やかな紅色の口紅や、比較的濃いめに茂る股間の陰毛、程好く大き目でぷっくりとした乳輪等、各種体パーツの描写にも明瞭な淫猥さを織り込んでおり、前述した肉感的なボディデザインと合わさることで、実用性の基盤を形成。
“おばさんキャラ”的なデザインを追求しつつ、絵柄そのものはキャッチーなアニメ/エロゲー絵柄を創作系絵柄の端整さに寄らせたスタイルであるため、過剰なクドさ・濃さを排しているのも特徴と言えるでしょう。
【美熟女さんのだらしないメス痴態を濃厚に提供】
ページ数の都合もあり、エロシーンの分量は長尺とは言い難いものの、概ね標準的な分量は確保されており、グラマラスボディの美熟女が熱っぽい痴態を曝け出す描写を重ねていきます。
背徳感とそれを上回る快楽に包まれる不倫セックス、娘に隠れながらのドキドキファック、若い男と娘を交えてのセックスバトル的母娘丼に、別の男性達と行きずりセックスなビッチエロもあれば別居中の旦那と燃え上がるセックスもありと、エロシチュはかなり多彩ですが、いずれにしてもストーリーの核である、メインヒロインがその性的願望や性欲を発露して乱れるという構図は共通しており、彼女自身の感情にフォーカスした描き方となっています。
豊満バストでのパイズリや、熟女らしく経験豊富なお口ご奉仕、熟女ま○こを指や舌でこってり解きほぐす愛撫描写などを投入する前戯パートは、比較的じっくりと描くこともあればサクサクと抽挿パートへと移行することもあり、ここで射精シーンを投入することはあまり無く、ピストンでの決着を企図したエロシーンの構成となっています。

ヒロインの羞恥心や背徳感を煽り立てる下卑た印象の男性の台詞回しや、ぐちゃぐちゃとかき回された淫液が漏れ出る結合部のアップ描写、語感の強い擬音の散りばめなど、ネオ劇画チックな濃さ・重さのある演出を多用することで、好みは分かれると思いますが、全体的にエロの熱量や濃厚感を大きく高めています。
余裕のないメス顔でハートマーク付きのアクメ台詞を叫ぶフィニッシュシーンの痴態も十二分にハイカロリーであり、普段の姿や絵柄とのいい意味でのギャップを形成して、分量を補って余りある濃口のエロに一貫して仕上げていると評し得ます。
“よろめき”という単行本タイトルでありつつ、よろめいて倒れてしまうのではなく、それまでと異なる自分自身の道に立って、自分のためにその道を進んでいく女性の姿を描いており、エロの味付けやキャラ属性は万人向けではありませんが、ユニークな作品に仕上がっていると評したいところ。