2017年05月

sugarBt『愛が無くてもエッチは出来る!』

WeCanDoItWithoutLove 浅野いにお先生の『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』第6巻(小学館)を読みました。基本的に人間に対して為す術の無い「侵略者」達がいったいどうやって人類を滅ぼす様な攻撃が出来るのかと思っていましたが、“勝者なき終結”を迎えそうなヤバイ戦術でした。
主人公達のお馬鹿だけど平穏な日々が、破滅と隣り合わせの日常かと思うと切なさを感じますね。

  さて本日は、sugarBt先生の初単行本『愛が無くてもエッチは出来る!』(茜新社)のへたレビューです。表紙絵と単行本タイトルから危ない雰囲気がひしひしと伝わって来ますね。
野郎連中の猛る欲望や変態性癖が肉感ボディのJK美少女達に一方的に叩きつけられるハードコアな作品集となっています。

WeCanDoItWithoutLove1  収録作は、角オナがクセになってしまっているおっとりお嬢様がその姿を用務員の男性に見つかってしまい、暴走した男とのセックスにオナニー以上の快感を見出してしまって・・・な連作「ストッキングは破けない」「どっちが好きなのっ!?」(←参照 おっとりお嬢様の黒ストムレムレ股間にむしゃぶりつけ! 同連作前編より)、および読み切り形式の短編8作。
1話・作当りのページ数は20~24P(平均21P弱)と標準的な部類で安定しています。全体的にストーリーとしての読み応えは希薄ですが、その分エロシーンの量的充実はしっかり図られた作品構築となっています。

【マイルド寄りではあるがストレートに欲望任せの凌辱系】
  単行本タイトルや表紙絵の不穏さから察せられる通り、作劇の骨子はストレートな凌辱系統と言え、強い性欲や変態性癖の持ち主である男性キャラクターが美少女ヒロインに襲い掛かり、憐れヒロイン達は滅茶苦茶にされてしまい~という流れは欲望任せである分、シンプル&パワフルに進行。
後述する様に多彩なキャラクター属性を持たされたヒロイン達は、高慢お嬢様であったり優等生キャラであったりするものの、それが狂乱のメスフェイスを曝け出すという変容が、ある種の征服欲や嗜虐性を刺激することも凌辱エロとしての醍醐味となっているのも確かでしょう。
WeCanDoItWithoutLove2  その一方で、凌辱されたヒロイン側がすっかりその快楽の虜となって自発的に倒錯的な関係性を継続することを選んだり(←参照 短編「教えて!コーチ」より)、コミカルな顛末にまとまったりといったラストが多く、ヒロイン側が絶望や苦痛の沼底に沈み込んでいく重苦しさは、シナリオ全体として見ると、明確に排除されているとも感じます。
加えて、男性キャラクターの描き方において、ヒロイン側を破滅に追い込む様なモチベーションがそもそも無く、溢れる欲望が暴走したり状況に流されたりといった、ある種の滑稽さを有したエロシーンへの導入となっていることが多いのも、ストーリーを重くしていない要因と感じます。
  作品によっては相応の陰湿さや取り返しのつかなさを感じさせるケースもありますが、これらもストーリーとしての過剰さは無く、「がっつり美少女ヒロインを凌辱したいけど、あんまりヒドイ結末は可哀そうで嫌だな・・・」という、アンビバレンツな欲望を二次元ならではのご都合主義で叶えてくれる作風と総評したいところ。

【スレンダー巨乳ボディをメインとした多彩なJKヒロインズ】
  『COMIC高』以外を初出とする作品もありますが、登場ヒロインは全て女子校生キャラクターで統一。初出時期やキャラデザの方向性によって雰囲気は変化していますが、近作では設定よりもアダルトな色香を感じさせるタイプの美少女さんが多くなっています。
  庶民を見下す高飛車お嬢様に、古風な貞操感と気真面目な委員長タイプのお嬢様、おっとりと優しいお嬢様に明るく元気な武道ガール(初心者)、優等生の皮を被ったむっつりスケベガールなどなど、多彩なキャラクター属性が揃っており、それぞれ異なるベクトルで男性の支配欲・嗜虐欲をかき立てています。
従姉ちゃんをだまくらかしてエッチに持ち込むマセガキや、素っ頓狂な状況から性欲任せで強引にエロへと突き進むしょーもない男性、はたまたねっとりとした陰湿さでヒロインを追い込む変態野郎に、ピュアな恋心を踏み躙られて復讐に走る男子などなど、男性キャラクターも様々ですが、一部を除いて嫌悪感を強く抱かせる極悪人は登場しないと感じます。導入パートでは普通の顔なのにエロシーンでは妙に陰影のついた劇画チックな強面に変化するのは、シナリオ全体の比較的緩い雰囲気とエロシーンのハードさを象徴しているとも言えるでしょう。
WeCanDoItWithoutLove3  制服や競泳水着、黒ストッキングなどに包まれるJKボディは、控えめバストの小柄ガールもいるものの、基本的にはもっちりとした巨乳&巨尻と、処女ま○この周りにある剃り跡&適度な濃さの陰毛が淫猥な股間を組み合わせたもの(←参照 お嬢様のむちむち尻たぶに注目だ! 短編「快感特急アナル行き」より)。近作ではスレンダーボディにたっぷり量感のバストヒップを組み合わせたスタイルがメインですが、初出時期によっては全体的に肉付きの良さがあったり、デフォルメを効かせた萌えっぽいキャラデザがあったりと印象に差異を感じます。
初単行本であり、初出時期に幅があるために、絵柄そのものが変化していることも理由の一つで、絵柄の統一感を期待するのは避けるべきですが、近作では描線がシャープさを増し、作画密度もグッと高くなったことでヒロインのセクシーさの表現に磨きがかかった印象があり、この絵柄そのものも大きな魅力。

【強烈な快感に支配される痴態とハードで濃密なエロ演出】
  上述した様に男性側のストレートな欲望で疾走するシナリオワークであるため、野郎連中の獣欲に火が付けば一気にエロシーンへと突入する仕様となっており、濡れ場のボリュームは十分にあります。
  ややコミカルな騙しHや、電車内での悪戯シチュエーションなどもありますが、基本的には目前の美少女ボディにむしゃぶりつき、ち○こを挿入してガンガン腰を振ることでヒロインを快楽で屈服させるというドストレートなマチズモ全開の凌辱エロがメインであり、シンプルである故にパワフルと評し得るでしょう。
  前戯パートでは嫌悪感や恐怖感を示すヒロインを組み伏せて、そのバストを揉みしだいたり、吸いまくったり、秘所やアナル、柔肌をベロベロと嘗め回したりなど肉感ボディにむしゃぶり付くと共に、好き勝手にパイズリしたりお口ご奉仕をさせたりで白濁液を飲み込ませて前戯パートの射精シーンを形成。
WeCanDoItWithoutLove4処女マ○コや処女アナルに剛直をぶち込んで激しく腰を使う一方的なピストンを開始すれば、強気ヒロインも優等生ヒロインもすっかりち○こにメロメロになってお下品なメスフェイスを曝け出してアクメしまくりという(←参照 堅物&強気委員長お嬢様もこのメス顔だ! 短編「はじめての授業」より)、エロ漫画的ご都合主義がフルスロットルで発揮されたエロ展開で突き進みます。
  美少女フェイスが台無しなアへ顔チックな表情付け、結合部から漏れ出したり潮吹きしたりの愛液や黄金水といった液汁描写、ハートマーク付きの実況台詞にぐしゃぐしゃに乱れた描き文字の嬌声、嫌がるヒロインへのベロチューやピストンしながらの性感帯弄りといった手数の豊富さや淫猥な体パーツ描写など、近作では情報量の高さやエロの勢い、演出の強度が重なり合ってハイカ口リーな痴態描写を形成しています。
  初期作ではエロの濃厚感という点で多少の物足りなさはありますが、演出手法の方向性は一貫していると言え、大きく押し開かれた秘所やアナルを見せ付ける構図でアクメの感覚にビクビクと体を震わせ蕩けきった表情を曝け出す中出しフィニッシュまで駆け抜けると共に、お掃除フェラや精液ひり出しの追撃描写も加えて強力かつねっとり感もある〆としています。

  ストレートな凌辱エロではありつつ、読後感の重さや暗さは意外に少なく、肉感ボディに暗い欲望を叩き付けつつ精神的な負荷を少なくすることで賢者タイムの反動を小さくした、男性の繊細で身勝手な願望をストレスフリーに叶えてくれる1冊。
個人的には、気の強い堅物お嬢様をストレートにファックしてメス堕ちさせる短編「はじめての授業」と、ムチムチヒップをお持ちな高慢なお嬢様をアナル責めして屈服させる短編「快感特急アナル行き」に愚息が大変お世話になりました。

アメヤキリカ『乳姫!』

BustyPrincess TVアニメ『サクラクエスト』第8話「妖精のレシピ」を観ました。B級~C級グルメ、出所が怪しいものも含めて雨後の筍の如く出現した時もありましたが、やはり地元の生産物や風土とちゃんと関連がないと町おこし的に意味ないよなぁと思います。
今回もしおりさんが可愛過ぎるのですが、彼女が自ら前に出ることを決断した凛々しさも感じられる回でもありましたね。(・・・結婚しよ)

  さて本日は、アメヤキリカ先生の初単行本『乳姫!』(富士美出版)のへたレビューです。なお、この単行本タイトルで“チチプリ!”と読むそうですよ。確かにプリッとしたおっぱいだ!
柔らかたっぷり巨乳をお持ちなキュートな美女&美少女とのイケないラブ&エッチが詰まった作品集となっています。

BustyPrincess1  収録作は、美人だけれども色々とだらしのない妹ちゃんが、兄が実は妹属性であることに気付いたことで、ちょっぴりSな性癖と恋心を曝け出してグイグイ迫ってくる連作「シスター・サディスティック!」「シスター・ロマンティック!?」(←参照 今まで見たことの無い表情で 同連作前編「シスター・サディスティック!」より)+描き下ろし後日談(9P)、および読み切り形式の短編7作。
描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は16~22P(平均20P弱)と中の下クラスのボリュームで推移。ふんわりと軽く柔らかい読書感と、薄過ぎず濃過ぎずのエロシーンによる程好い満腹感がバランスよく企図された作品構築であると感じます。

【程好いドキドキ感のアクセントがあるラブエロストーリー】
  ベースとなる作風は素直な感情や恋心が駆動するピュアなラブストーリーであり、萌えエロ系に近い甘味を有しつつクドさは感じさせないスタイル。
彼女さんの浮気を疑った彼氏君によるお仕置きセックスや(短編「ジェラシー・パニック」)、女王様気質の妹ヒロインによるお兄ちゃんの調教プレイ(連作)、義姉ヒロインや教え子とのほんのり禁忌感を感じさせるカップリング(短編「放課後シークエンス」「僕の義姉がイタすぎる。」)等々、エピソードによってはアクセントを付けつつも、好き合う男女の関係性を描くという点は一貫しています。
BustyPrincess2  後述する様に、登場するヒロインは多彩ですが、男性主人公を含めていずれのキャラクターも善人であり、そんな彼ら彼女らが素直な気持ちを打ち明けて恋にエッチに邁進していく流れは(←参照 あらあら、まぁまぁ 短編「ひみつのくすり」より)、少女漫画チックな胸がキュンキュンする幸福感と、ヒロインのピュアな可愛らしさを引き出す萌えエロ系の甘味のイイとこ取りという印象が個人的にはあります。
短編メインということもあって、恋愛ストーリーとして凝った構成や重厚なドラマ性こそありませんが、恋愛感情の細やかさやもどかしさなども心情描写に織り込んでおり、全体的に軽い読書感であるものの、奇をてらわない王道的な魅力をスムーズに読者へ伝達することにつながっています。
いずれの作品もほのぼのと柔和な雰囲気と、適度な濃度で甘ったるいラブラブ感を有するまとめ方をしており、倒錯感や禁忌感もちょっとしたアクセントとして効かせつつ、それよりも素直な恋心が相互に認識され、叶えられた幸福感が全てを優しく包み込む作風と評し得るでしょう。

【柔らか巨乳ボディ&キャッチーなキャラ属性のヒロイン達】
  短編「年下ルームメイト」に登場する会社勤めの20代後半程度の従姉さんを例外としつつ、ハイティーン級の女子校生から女子大生クラスの女の子を主力としたヒロイン陣であり、年齢による描き分けはあまり明瞭ではありません。
BustyPrincess3  少し厭世的でクールな美少女さん、お兄ちゃんラブな小悪魔系Sな妹ヒロイン、いい年こいて厨二病的な義姉さんに実は中身はピュアで素直な黒ギャルさん(←参照 黒ギャル美少女の照れ顔ヤッター! 短編「おしえて❤センセー」より)、ツンデレ幼馴染などなど、ポピュラーなキャラクター属性を押さえた多彩なヒロイン陣を用意。
分かりやすいキャラ属性を素直に踏襲しつつ、前述した様に恋愛ストーリーとして適度に心情描写を織り込んでいる分、存在感が軽くなり過ぎることはなく、また読み手の嗜好によっては台詞回しを多少キザに感じることがあるかもしれませんが、男性キャラクターが単に振り回されるだけでなく、一定の主体性を以て恋愛関係を推し進めることも、作劇面においてポイントと言えるでしょう。
  程好く丸みのあるボディデザインの中でも、サイズ小さ目の乳輪&乳首を先端に有するたっぷりサイズの柔らか巨乳には明確な存在感があり、キュートな表情付けやパイパン仕様の股間、これまた適度に量感のある桃尻などと組み合わされることで、美少女キャラとしての可愛らしさと臭味のないセックスアピールを両立。
トーンワークで柔肌の艶っぽさを高める修飾性も含め、割合に幅広い層に受け入れられる女体描写と思われる一方、特定の体パーツや表現に強みや個性を発揮するタイプではなく、女の子の可愛らしさの邪魔をしないタイプの肢体描写と評してよいかもしれません。
  初単行本ながら絵柄はほぼ安定しており、低年齢向け少女漫画の絵柄に近いタイプの可愛らしさが萌えっぽさとして認識されるタイプの絵柄。その一方で、トーンワーク等の修飾で絵柄に密度を出して、エロシーンに程好い濃厚感を添加することも図られている印象があります。

【程好い濃度とアタックで安定したエロ可愛い痴態】
  たっぷり長尺とは言い難いものの、抜きツールとしては標準的な分量を用意しており、後述する様に演出面でもアタックの強いものを大量投入することはなく、作品の柔和な雰囲気をマッチさせた情報密度を安定させているため、ライトエロ系が好きな諸氏も含めて訴求層は幅広め。
  基本的にラブラブHをメインとしつつ、前述した様に妹ヒロインによる調教シチュやお仕置きプレイ、ヒロインの羞恥心を増幅させる少し意地悪なプレイなどアクセントを付けたエロシチュも多くなっていますが、全体としての雰囲気は穏やかにまとめられているのは前述の通り。
また、いずれにしても、ヒロイン達の意外なピュアさが表出してきたり、エッチな行為や褒められることに恥ずかしそうな表情を浮かべたりといったエロシーンにおける美少女ヒロイン達の可愛らしいリアクションが実用性の中核を為すと感じます。
  前戯パートでは柔らかおっぱいをむにゅむにゅと揉んだり、はたまたその谷間に挟んで貰って白濁液を放出したりと、単行本タイトル通りにおっぱい関連のプレイを充実させていますが、同時におっぱい特化のプレイ内容ではなく、手コキやフェラ等のご奉仕サービスにヒロインを恥ずかしがらせる太股コキやクンニといった複数のプレイを前戯パートに入れ込んでいく仕様。
BustyPrincess4ここで射精シーンを投入してから、更に快感を求めて抽挿パートへ移行すれば、処女ヒロインも含めてスムーズに性的快感を高めていき、熱っぽく蕩けた表情や堪えきれずに漏れ出す嬌声、ハートマーク付きの擬音などで彩られた痴態描写は(←参照 短編「僕の義姉がイタすぎる。」より)、適度な密度の打ち出しや前述した倒錯性も含めて味付けの効果もありつつ、あくまでヒロインのエロ可愛さを高める水準を守ったものと言えます。
  体パーツそのものの描写に強い淫猥さがあるわけではないため、結合部見せつけ構図や断面図といった描写に強い効果はありませんが、少なくとも丁寧に描き込んでいるのは確かで、小ゴマの視点誘導に難はありつつ、情報量を維持させる画面作りになっているのは美点であり、大ゴマの中出しフィニッシュまで、柔らかボディの存在感とエロ可愛い痴態の描写を着実に積み重ねています。

  ヒロインのキャラクター性を魅力の核とするクセのないラブエロ系であり、強い印象こそ欠くものの、スムーズに心地よい作品世界に浸らせてくれる作品としてウェルメイドと感じました。
個人的には、黒ギャルちゃんのエロ可愛い痴態が楽しめる短編「おしえて❤センセー」が最愛でございます。

ベンジャミン『早く射精さないとイッちゃうよ?』

EjectQuicklyOrIWillAcme 島本和彦先生の『アオイホノオ』第17巻(小学館)を読みました。原作付きの作品、原作を如何に用いるかというのは、読者にとっても大きな観点だと思いますが、新谷かおる先生の言霊のパワー、凄かったですね。新谷先生ほどの漫画家だから言える部分は大きいですが。
雁屋氏の原作、物凄い緻密だったのですねぇ。

  さて本日は、ベンジャミン先生の『早く射精さないとイッちゃうよ?』(茜新社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『エッチな魔法で見る夢は』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
キュート&ミステリアスな美少女さんとの時に妖しく時に初々しいセックスが満喫できる作品集となっています。

EjectQuicklyOrIWillAcme1  収録作は、付き合っているのにボケ&ツッコミ的なライトな関係であることに不満な彼女さんが彼氏君の家に誘われて終に初セックス&その後はエッチにすっかりハマってしまって~な中編「それが君の本性」全3話(←参照 期待していた女の子だが? 同中編第1話より)、授業中にオナニーをしてみせる少女に気が付きその姿に引き込まれていく少年であるが・・・な連作「ずっと見てた」前後編、および読み切り形式の短編4作。
描き下ろしのタイトル短編「早く射精さないとイッちゃうよ?」を含め、1話・作当りのページ数は16~30P(平均24P強)と幅はありつつ、平均値としては中の上クラス。ストーリーとしての読み応えは強くないですが、エロシーンも含めて作品の雰囲気に飲み込まれるような読書感であり、読後の満腹感は相応に強い印象があります。

【ほんのり妖しくベースは意外にピュアな雰囲気の魅力】
  妖しく退廃的な雰囲気を漂わせながら、作劇の地としては少年少女達のピュアなラブストーリーである作風は語り回しの落ち着きなどもあって、独特の個性を有しており、本作では思春期の性愛の初々しさや一種の衝動性に重きを置いたシナリオワークが目立つ印象があります。
  妖しげなヒロインの痴態を“見ていた”と思っていたら実は彼女の方が主人公の方をずっと“見ていた”ことが分かる連作や、ショタ系主人公が女装させられ彼女さんにたっぷりエロ調教されちゃうタイトル短編などは、倒錯性や退廃感を強く漂わせる一方で、同時に破滅感はなく、若い男女双方が純粋な好意や性的好奇心で相手を強く求める情動が基調となっています。
EjectQuicklyOrIWillAcme2これまた思春期ガールのラブ&エロな日常を描く中編作や、初エッチの際の破瓜の血でセックスに対して臆病になった彼氏君とエッチするために彼女さんが恥ずかしがりながら奮闘する短編「念には念を・・・」など(←参照 本で読んだ69に挑戦だ 同短編より)、よりストレートにほのぼのとした色恋の模様を描く作品も揃っています。
  ヒロイン側のミステリアスさや奔放さもあって、素直にイチャコラできる甘味たっぷりの作品とは雰囲気が異なり、少女に翻弄される倒錯感が魅力の一つではありますが、同時に作品のまとめ方は程好くコミカルで柔らかい印象のものが多く、若い欲望が充足されることそのもののポジティブさがあると評し得るでしょう。
全般的にキャラクターや設定について細やかに説明するスタイルでは元々なく、悪く言えば雰囲気頼みの作劇という印象はありますが、妖しさや幸福感、初々しさと倒錯感が入り混じるその雰囲気こそが最大の魅力であるのは間違いなく、その引き立て方が多彩であると総括することも可能でしょう。

【お馬鹿ガールからミステリアス美少女まで】
  ミドル~ハイティーン級と思しき思春期後半ガール達で占められた美少女ヒロイン陣であり、主人公の少年達も基本的に同年代。
EjectQuicklyOrIWillAcme3恋にエッチに奮闘する純朴ガールも可愛らしく描かれていますが、この作家さんの十八番は、ある種の得体の知れなさや欲望の底深さを感じさせる少女達であり(←参照 見ていたつもりが見られていた 連作「ずっと見てた」後編より)、タイトル短編のように男性を翻弄したり籠絡したりするタイプの少女キャラクターも存在。
ショタ系の可愛らしさのある男性主人公達が、より純朴な印象がある分、異性としての理解不能性を高めたキャラクター描写になっていますが、同時にその謎めいた雰囲気が破滅や不幸と結びついておらず、理解し得ないものはそのままとしつつも男女の関係性が強化されていく流れは恋愛ストーリーとしての本質的な魅力と言えるでしょう。
  連作「ずっと見てた」のヒロインのみ、たっぷり巨乳の持ち主ですが、その他のヒロインについては貧乳ボディであり、しなやかな四肢の印象なども含め、どちらかと言えば華奢な印象のある女体設計が主流。
黒ベタで塗りつぶしながら、その細やかな先端が揺れ、乱れる黒髪の描写は、何故か耳角の尖った耳の描写に加えて、この作家さんのキャラデザインにおける特色であり、色彩を封じながら雄弁な艶っぽさがあることが、前述した黒髪美少女達の妖しい魅力と密接につながっています。
  黒と白のコントラストが際立つアナログ作画は、最先端の絵柄ではないものの、程好く妖しげかつ二次元的な華やかさやキャッチーさも兼ね備えたものであり、明確な個性を保っていることが大きな魅力。

【激しく乱れて淫液に濡れる美少女達の肢体】
  ページ数に幅があることもあって、濡れ場の長短にも作品によって一定の差がありますが、明確にエロメインの作品構築であり、ヒロイン達の初心さであったりミステリアスであったりの魅力を引き出しながら、彼女達のエロティックな姿をじっくりと鑑賞可能。
  女装少年の羞恥調教であったり、お馬鹿なお姉ちゃんの睡眠姦であったりとアブノーマル感があるエロシチュもあれば、恥ずかしがりながらもエッチガールが積極的にセックスに誘う程好く甘味のある和姦エロも多く、蠱惑的であるかドギマギしながらであるかは作品によって様々ながらヒロイン側が主導するパターンがメイン。
エロシチュとしての倒錯性の強弱に加え、ミステリアスであったり可憐であったりな美少女に何処か浮世離れしたエロティックさがあるのに対して、彼女達が肉の快楽に染まって蕩けていく様そのものに何処か妖しげな官能性があることが大きな魅力であり、絵柄の方向性がこの魅力とよくかみ合っています。
乳揉み&パイズリのみでエロシーンを構成する連作前編のような特殊なエロ展開もありますが(個人的には大歓迎です)、それも含めて前戯パートに長めの尺を設けることが多く、華奢でありながらバストや股間のふにふにと柔らかい弾力を満喫したり、性感帯を弄りながらのフェラを享受したりで、ヒロイン達の肢体がビクビクと反応する様子を巧みなコマ配置で情報量豊かに提供。
EjectQuicklyOrIWillAcme4漏れ出たトロリと質感の涎や涙、愛液が白肌を濡らし、艶やかな黒髪が乱れて舞い、激しいピストンに淫液の飛沫と擬音が飛び散り、ビクビク・ガクガクと華奢な四肢を反応させる抽挿パートの痴態描写は十分にハードでありつつ(←参照 短編「強引な君」より)、程好い濃厚感がありつつもヒロインの美しさをむしろ高めるような描写になっています。
  ヒロイン達の媚肉にち○こを包まれて強烈な快楽を叩き込まれる少年達もキュートな乱れ顔を曝け出して、双方より激しく腰を振って絶頂を貪欲に求める終盤の追い込みも強力であり、淫液に濡れた肢体の淫らな秘所を注ぎこんだ白濁液で満たすフィニッシュから、更に艶っぽさを増したヒロイン達のエロティックな姿につなげてエロシーンを〆ています。

  久しぶりの単行本ですが、ベンジャミン先生の黒髪ミステリアス美少女が大好きなので、今回も大変満足。乱れる黒髪とたっぷりの白濁液の組み合わせが実にエロティックですなぁ。
個人的には、その黒髪ミステリアス美少女さんのたっぷりおっぱいを満喫できる連作「ずっと見てた」が最愛でございます。

桜去ほとり『せっくすじゅーす』

SexJuice 藤崎竜先生(原作:田中芳樹氏)の『銀河英雄伝説』第6巻(集英社)を読みました。確固たる自信と信念、そして滾る野心で自らの覇道を突き進んでいく英雄、やはりかっこいいもので引き込まれますね。勿論、それとある意味では対照的なヤンの魅力もグッと増すわけです。
メルカッツさん初登場ですが、この人もこれから時代に翻弄されるのだなぁと。

  さて本日は、桜去ほとり先生の初単行本『せっくすじゅーす』(ワニマガジン社)のへたレビューです。初単行本、楽しみにしておりました。
キュート&エキセントリックな萌え系美少女さんとのお馬鹿エロコメ&汁だくファックが楽しめる作品集となっています。

  収録作はいずれも読み切り形式の短編・掌編で12作。描き下ろし掌編「まみメモま!」(6P)を除き、1作当りのページ数は16~26P(平均19P弱)とコンビニ誌初出としては標準的な部類。たっぷりエロメインでありつつ、おとぼけギャグの軽快さで読み口の良さがある作品構築と言えるでしょう。

【キュートなヒロイン達とのお馬鹿で優しいエロコメ・ラブコメ】
  作風としては、キュートなヒロインの魅力を前面に押し出しつつ、ふわふわと柔らかい空気で包み込む萌え系エロ漫画のそれであり、あっけらかんとしたご都合展開・棚ボタ展開でサクサクとエロへと進行するスタイル。
SexJuice1こう書いてしまうと平凡な印象を与えてしまうかもしれませんが、このキュートなヒロイン達がそれぞれなかなかの変わり者であり、勘違いして暴走したり天然気味なようで実はしたたかであったりと(←参照 壮絶な勘違い 短編「ありをりハメり!」より)、個々にユニークな言動を示してドタバタ模様を繰り広げます。
  ギャグのテンポで魅せるという点では、先日ご紹介した牡丹もちと先生の作風に近い部分はありますが、高い画力といい意味でギャップのあるお馬鹿なギャグのハイテンションさを有する先方に比して、こちらはふんわりと柔らかい絵柄とマッチした緩くてとぼけた感じのコミカルさで楽しませてくれるスタイル。
「いずれもこれまでのベスト100に入るちんぽです!」「ファッション・クリエイト部改め“ファック部”!」「我ながら美しい精液だまりだわ」「21時になりました。まず最初に・・・おっぱいから始めます」などなど、ヒロイン達のエキセントリックな台詞をぶっこみながら、意外にギャグとしてオーバーになることなく、前述した棚ボタ的な展開の幸福感と喧嘩しないのは面白いところ。
  脱力ギャグで〆ることもあれば、甘く優しいラブラブエンドでまとめることもありますが、なんだかんだで幸せそうな登場人物達をにこにこと見守ることができる雰囲気の良さは一貫しており、イージーな展開でありつつ安心感があって居心地の良いキュート&エロな空間に浸れる作風と評したいところ。

【ふんわり柔らか童顔巨乳ボディの萌え系美少女さん】
  20代半ば程度と思しき綺麗なお姉さんも複数名存在しつつ、女子校生~女子大生クラスの美少女さん達が中核となるヒロイン陣。良くも悪くも年齢による描き分けは明確ではなく、いずれのキャラも萌えっぽいキュートネスを適度なあざとさで織り込んだタイプと言えるでしょう。
SexJuice2  コスプレH大好きなビッチな女の子(←参照 ファック部!! 短編「ファッキンセンターむらむら」より)、真面目だけど色々と勘違いが凄い古文(漢文)大好きガール、中身はピュアな乙女だけど外見がギャルなためにビッチと勘違いされている黒ギャルJK、コンドームを愛する研究員に大好きな男性精神科医にアタックするために特殊な症状を詐病して迫る美人さんなどなど、お馬鹿ヒロインやストレンジ・ガール、残念美少女・美人といったタイプのヒロインを様々に用意して、漫画チックに楽しい読書感を生み出しています。
男性キャラクターについても、エッチの際に多少暴走してしまうケースもありますが、いずれも善人で常識人であり、ツッコミ役や振り回され役としてコメディの楽しさを盛り上げると共に、棚ボタ展開にドキドキ・ワクワクする存在として感情移入しやすいのが○。
  各種衣装の多彩さもあって、視覚的な多彩さが確保されたキャラデザインとなっていますが、ボディデザインについてはむにゅんと柔らかなたわわバストにもっちりヒップ&太股、基本的にパイパン仕様の股間が組み合わされた、丸みのある童顔巨乳ボディが勢揃い。
SexJuice3個々の体パーツに強い淫猥さはむしろ乏しく、絵柄の性質もあって粘膜描写等も良くも悪くもシンプルな印象はあるのですが、エロシーンを中心としてこの柔らか巨乳ボディにたっぷりと液体を添加することでヒロインの可愛さを保ちつつ、煽情性をグッと高めているのが一つの特色と感じます(←参照 濡れ濡れボディだ! 短編「まん汁こわい!」より)。
  初単行本ということもあって、絵柄には多少の変化は認められますが、前述した様に萌えっぽいキュートネスを適度なあざとさで織り込んだ絵柄は、丸みの強い描線などもあってふんわり優しい雰囲気を醸し出しています。方向性としては、ワニマガジン社のメイン路線というより、『ポプリクラブ』や『コミックRin』といった今は亡き萌えエロ系のミームを感じさせるタイプと個人的には思います。

【エロ可愛い痴態に程よい密度の高さで添加するエロ演出】
  作品のページ数によってある程度濡れ場の尺の長短にも幅がありますが、前述した通りにエロメインの作品構築であり、導入パートと同様に素っ頓狂な台詞回しも投入しながら積極的に蕩けていくヒロイン達のエロ可愛い痴態を十分に鑑賞可能な抜きツール。
優秀なブリーダーとして犬の気持ちになるプレイやら、弁護士さんと冤罪を晴らすために置換(規約上このような表記に)イメージプレイ?を実行したり、ビッチさんとのコスプレH三昧等、キャラクター設定に合わせてエロの味付けを変更していますが、基本的には和姦で統一されており、可愛くてエッチな美少女さんとセックスできる棚ボタ的な幸福感などが基調となる雰囲気。
  前戯パートにたっぷり尺を設けてフェラ等からの射精シーンを投入することもあれば、短めにまとめてサクサクと抽挿パートに移行することもありますが、全般的には抽挿パートでのヒロインの蕩けっぷりを重視するエロ展開であり、前戯パートでのぶっかけによるヒロインの肉感ボディのエロさ増強など、いずれにしても抽挿パートでの煽情性を高めることを企図した前戯パートと言えるでしょう。
抽挿パートにおいてぶっかけ⇒中出しのような複数回の射精シーンを投入することもあれば、比較的短めにフィニッシュシーンに駆けこむこともあるものの、分量そのものに加えてエロ演出の密度を高めることによってエロの濃厚感を高めることが意識されたエロ描写であり、交合の勢いよりも密着感や挿入感を重んじるスタイル。
SexJuice4エロ演出においては、ヒロインの可愛らしさを損なわない水準に抑えつつも、紅潮して潤んだ瞳の蕩けた表情やハートマークを浮かべる瞳、肉感ボディをじっとりと濡らす各種淫液描写(←参照 ビッチ開眼 短編「ビッチ・パーフェクト」より)、子宮口をノックする深い挿入感を示す透過図などを多用しており、特に断面図や透過図などを強調してアタックの強さを打ち出しています
  エロ展開終盤ではすっかり蕩けきった表情を浮かべ、汗やら愛液やらをたっぷりと潤滑して一層ぐっしりと濡れた肢体を曝け出すヒロイン達に、がっつり中出しして更に蕩けたアクメを迎えさせるフィニッシュシーンは大ゴマ~1Pフルで投入しており、ここでも透過図での挿入感の強調や追撃のぶっかけによる液汁描写の重ね掛けによって演出の濃厚感を高めています。

  萌えエロ系の王道的な魅力をシナリオ・エロの両面で有しつつ、脱力系ののほぼんとしたギャグの面白味で月並み感をスムーズに排した作風と言えるでしょう。
個人的には、実はピュアな黒ギャルさんがビッチの才能に目覚めちゃってがっつりセックスしまくりな短編「ビッチ・パーフェクト」が最愛でございます。

小林王桂『ちいさなキミと僕の欲望』

ShirmpyYouAndMyDesire TVアニメ『サクラクエスト』第7話「煉獄の館」を観ました。どうなることかと心配でしたが、映画撮影をちゃんと成功させることができ、登場人物それぞれの想いが救われる形になって非常に気持ち良いまとめ方でした。過去と今が重なる演出も実に素敵。
それにしても、酔っぱらってふにゃ~んとしたしおりさん可愛過ぎでしたね。

  さて本日は、小林王桂先生の『ちいさなキミと僕の欲望』(コアマガジン)のへたレビューです。約8年半ぶりの単行本となりますが、その前単行本『ネイキッド☆ガール』(同社刊)のレビュー作家評につきましても、古い文章で恐縮ですが、よろしければ併せてご参照下さい。
可憐なミニッ娘ヒロイン達の純粋な恋と過激な性をちょっと危うくて、でも優しい雰囲気で包み込んで描く作品集となっています。

  収録作はいずれも読み切り形式の短編で計9作。1作当りのページ数は20~24P(平均22P弱)と中の下クラスのボリュームで推移。短編作としてコンパクトにまとまった作品構築ですが、漫画としての読みの満足感は相応にあり、またエロシーンの量的および質的満足感も高く仕上がっていると感じます。

【無邪気さ・無智さへの素直で等身大な讃歌】
  最初から最後までニコニコと読めるお馬鹿でチアフルなコメディもあれば、読み手の胸にズバッと斬り込んでくるような無慈悲なストーリーもある作家さんであり、今単行本でも無情な凌辱エロが描かれる短編「三月の仔うさぎ」といった作品もありつつ、メインとなるのは少年少女の青春ラブストーリー。
アホガールを投入してのドタバタコメディもあれば、ほんのり背徳感を感じさせる関係性での性愛をしっとりと描くピュアラブストーリー、若者らしい虚無感と情動が性愛の中でせめぎ合うドライな様でウェットな心情描写が魅力の恋模様などなど、その筆致の奔放さ・多彩さはこの作家さんの大きな魅力と言えるでしょう。
時にお馬鹿に、時に彼らなりに計算高く、時にある種の自己破壊願望から、時にまっすぐで力強い恋愛感情から、性なり愛なりに自ら突き進んでいく登場人物達の在り様は、時にコミカルであり、時に若さゆえの危うさを感じさせるものとなっています。
ShirmpyYouAndMyDesire1“大人”である我々は、それを若さ故の無知や無謀であると見下したり心配したりもするのですが、少年少女達が作品のエンドロールが流れた後にどうなるかは分からない、しかしながら彼ら彼女らが望み、行動したことは、当人達にとってみれば大切なことなのだ、“意味”があることなのだというスタンスは一貫しており(←参照 “真っ直ぐに進むだけ” 短編「まっすぐ、すなお」より)、思春期のシンプルなようでそれなりに複雑な情動を、そのものとして認め、言祝ぐスタンスがこの作家さんの確たる美点と評したいところ。
短編「探偵は寝室にいる」の様に、ラストまでお馬鹿コメディを通してギャグ的なオチにまとめたり、凌辱エロである短編「三月の仔うさぎ」の非難が少女自身へと向かってしまう悲しいラストがあったりしますが、基本的には自分たちの素直な情動や恋愛感情に従って彼ら彼女らの日常を継続するラストを示しており、優しい読後感を残すものがメインであると評し得るでしょう。

【華奢で小さな肢体のヒロイン達のキュートネス】
  単行本タイトルの“ちいさな”とはあくまで体が小さいことを示しており、一部ランドセルガールも登場しつつ、幅広い年齢層の制服ガールズに加えて女子大生級の女の子も登場するなど、意外に年齢層は幅広くなっています。
とは言え、まだ“大人”になり切れていない女性キャラクターという点は共通しており、思春期らしいデカダンスや逆にシンプルなお馬鹿さ加減などを含みつつ、それらが登場人物の素直な情動から発生しているという描き方が魅力の核となる点であり、前述した様にある種の危うさを孕みつつも、幅広い読者にとってかつての自分を思い出しながら一定の共感を抱けるキャラクターとして立たせることに貢献しています。
ShirmpyYouAndMyDesire2  ヒロイン陣のキャラクター属性については、キュートなお馬鹿ガールもいれば、クールながら実はちょっとアホの子タイプの女性(←参照 ドキリとするような美しさ 短編「obedient cat」より)、なかなかしたたかな妹ヒロインなど、キャッチーな属性を含ませつつ、彼女達の地の感情が徐々に沁み出すことで一定の深みを有したキャラクターとして描かれているのが大きな美点。
  年齢層は様々ながら、ちっこいヒロイン達のボディは、鎖骨や肋骨の存在がうかがえる肉付きの弱い体幹と、ほっそりとした四肢、ぺたんこ~膨らみかけのバストに無毛地帯の股間、肉付きが弱く、尻たぶの間が閉じずに開くヒップなどなど、未成熟さを明瞭に感じさせるボディが揃っており、例え年下の男性との組み合わせであっても、その華奢さや小ささが男女の体躯の対比において強調される作りとなっています。
8年半ぶりの単行本ですが、最新作の短編「obedient cat」のみ初出が2017年と新しいものの、その他の作品の初出時期は2009~2013年に固まっていることに加え、絵柄の方向性は一定のブラッシュアップを掛けつつも大きな変更はないこともあって、絵柄の統一感は強め。モノクロ絵の雰囲気を残しつつも、割合に綺麗にまとめた表紙のカラー絵に比して、中身の絵柄はより勢い故の荒さやその分光る繊細な描線が魅力のスタイルで、印象には一定の差がありますが、作風同様に、時にコミカルで時に繊細で艶っぽい絵柄の自由闊達さもこの作家さんの大きな魅力と評したいところ。

【和姦エロでまとめつつハードなエロ演出で彩る痴態】
  素直な性欲や好奇心、ある種の自傷願望から突き進んでいくエロシーンは、十分な尺が用意されており、前述の短編「三月の仔うさぎ」やコメディ風味の中で強引にエロに突入していく短編「探偵は寝室にいる」を除いて、概ね和姦エロで統一。
既に性的な関係にある男女のセックスを描くこともありますが、いずれにせよ思春期の少年少女にとっての“非日常”である性交に対する戸惑いや羞恥心、未知の感覚に対する恐怖や歓喜といったものをヒロイン達の反応に盛り込んでおり、それ故の初々しさや精気がエロシーンに時に解放感を、時に倒錯性をもたらす要素であると言えるでしょう。
ShirmpyYouAndMyDesire3  濡れ場に十分な尺があることもあって、前戯パートの分量が多いことはエロシーンの構成上一つの美点であって、華奢で小さな女体の乳首や未成熟な性器をたっぷり愛撫する描写や(←参照 ちっぱい愛撫 短編「春 間近のうた」より)、小さなお口で剛直を頬張るフェラ描写などをねちっこく描写すると共に、ビクビクと体を反応させたり、お口ご奉仕をしながら自身も興奮を高めたりといったヒロイン側の反応を前戯パートから充実させていきます。
丁寧な愛撫の結果、溢れ出る愛液や、漏れてしまう黄金水などですっかりぐしょぐしょになった秘所に挿入すれば、小さくてキツイ秘所を徐々に押し開いてピストンを重ねていく抽挿パートを展開しており、男性の体躯に比して小さいミニマムボディである故に、押し開かれる股や仰け反る背、抱きかかえられる女体といった構図に、か弱きものを圧倒する様な強い倒錯性があるのも特徴でしょう。
ShirmpyYouAndMyDesire4  最新作では多少抑えている印象がありますが、ヒロインの表情付けはエロ演出における大きな特徴であり、紅潮した顔面で瞳をキュッと閉じて快楽に必死にこらえる様な表情、目を見開き口を大きく開けて悶絶する表情、涙や涎をトロトロ漏らす蕩けきった表情付けなど、多彩な“静”と“動を”重ねつつ(←参照 短編「まありちゃんはお薬がきらい」より)、アタックの強い“動”の表情付けをたっぷり魅せるスタイル。
小さな肢体をビクビクと反応させ、言葉にならない嬌声を上げるヒロイン達にたっぷり精液を注いでアクメを叩き込む大ゴマ~1Pフルのフィニッシュシーンまで、比較的細かいコマ割りを用いつつ、行為の連続性を丁寧に魅せる描写や十分なアタックの強さを有する絵の連続でハイカ口リーに仕上げており、質的な満腹感をも強く図られたエロ描写であると言えるでしょう。

  一ファンとして、その奥行きのある闊達な作劇とハードでありつつ作品の雰囲気とマッチしたエロ描写の妙味を久しぶりにたっぷりと楽しませて頂いた1冊。4冊目は是非とも、もっと早くに読ませてほしいなと思います。
個人的には、クールで高嶺の花的ポジションでありつつ、素直で愛らしい一面のあるヒロインが魅力的な短編「obedient cat」と、大人の“賢さ”と子供な素直なポジティブさが対比的に描かれる短編「まっすぐ、すなお」が特にお気に入り。お勧め!
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