
放送中のアニメ版は声優さんの演技による神林さんのメンドくささと絵柄による可愛さがそれぞれ5割増しで大変好きでございます。
さて本日は、右脳先生の初単行本『色欲アジテーション』(茜新社)のへたレビューです。肉感ボディアピールな表紙絵も素敵ですが、裏表紙の塗りが懐かしい感じで個人的にはそこも目に留まりました。
それはともかく、巨乳肉感ボディな美少女&美女ヒロイン達が強烈な快楽に飲みこまれていく熱狂的な痴態が詰まった作品集となっています。

1話・作当りのページ数は16~30P(平均24P弱)と標準的な部類。相応に読み応えを有する中編作と、コンパクトにまとめた短編群とでシナリオの存在感の強弱には幅がありますが、いずれもエロの質的・量的満腹感を強く意識した作品構築になっています。
【苦く重い寝取られ三角関係とライトなラブエロ系】
中編「CHOOSE」は寝取り/寝取られ色を明確に有する三角関係のお話であり、快楽と妄執に憑りつかれた登場人物達の描き方に重さや痛みを感じさせるストーリーになっていますが、その他の短編群はおねショタエロやラブコメ系統の軽めの読み口がメイン。
自身も好きだったがそれを言葉にしてこなかった主人公の自分でも煮え切れなさを感じる想いと、その兄と交際し作中で結婚することにもなるヒロインの二人への想いの葛藤が描かれる中編作は、主人公のヒロインへの直向きな想いが三角関係の中で複雑に捻じれ、背徳の関係を推し進める要因となっていることが作劇面での一つの面白さと言えます。
他の短編において、背徳性やエロの攻撃性をアピールしつつ、個々の登場人物達は普通の感性を有する善人であることが多く、この中編作でも寝取られる側の兄に何ら落ち度がない、ヒロインが最後まで兄への裏切り行為を後悔し続ける、主人公自身も自らの行為や関係性を積極的に推し進めながらそれが決して正しいことでないことを分かっていると、なかなか悩ましい関係性を丁寧に描いています。

中編作は、それまでの自身が抱えていた想いをモノローグで主人公が独白しながら、それまで危ういバランスで秘められていた三者の関係が崩壊することを明確に示唆するバットエンドで〆られており、それぞれの想いがすれ違った故の惨禍が後味の悪さを残します。
短編群では、適度にインモラルな余韻を残す短編「ギャルママ団地パラダイス」を例外として、概ねほのぼのとしたラストでまとめられており、こちらは軽く柔らかい読後感を残しています。
【もっちり感触のロケット巨乳の存在感が魅力のヒロインズ】
短編「仮面彼女」の彼女さんや中編作の前編~中編にかけてのヒロインなど、女子校生級のヒロインも存在しつつ、ギャルママさんや愛する旦那とラブラブな奥さんを含め20歳前後~20代半ば程度と思しきお姉さん達が人数的には主力。
快活で気安い関係の幼馴染が徐々に快楽に調教され淫靡な表情と後ろめたさに包まれていく中編のヒロインに加え、ショタ好きお姉ちゃんや淫乱な子持ち黒ギャルさん、旦那ラブな小動物系キュート奥様に物凄くクールで合理的な鉄仮面彼女さんなど、短編群ではキャッチーな属性を備えたヒロインを用意しています。
強い個性を持ったヒロイン造形ではありませんが、中編作におけるヒロインの葛藤や、短編群におけるヒロイン達のエッチなことしたいという願望や素直な感情表現などで、個々のヒロイン達のキャラクター性をしっかり描写しているのは美点と感じます。
短編「モノクロいんもらる」「エロ本と僕とニートお姉ちゃん」などのおねショタ的組み合わせに加え、長身無表情彼女さんと低身長彼氏君の組み合わせや、スレンダー巨乳ボディの黒ギャル美人と中年太りのおじさんとの組み合わせなど、体格差や美醜の対比などの形成が為されているのも一つの特徴。

初単行本であることに加え、各作品の初出時期が2012年~2016年と幅広いこともあって絵柄には一定の変遷が認められ、ベースとなる絵柄そのものは共通しつつも色気の濃度や修飾性の濃淡などによる差で古い作品と近作では印象は相応に差があると個人的には感じました。
【アタックの強いエロ演出で彩るハードな痴態表現】
作品によってページ数に一定の幅はありますが、いずれの作品でも濡れ場は十二分な分量を有しており、状況の進展をねっとりと描いたり、状況を変えての2回戦仕様を設けたりと、十分な尺がある故に可能な構成を示しています。
寝取り調教エロにおいてヒロインへの執着によってどんどんプレイ内容がエスカレートしていく中編作に対し、短編群では無垢な少年とエッチなお姉さんの童貞喰いおねショタエロやクールな彼女さんがハードな痴態を曝け出すSMプレイ、体格差夫婦のラブラブHなど、多彩でありつつエロのウハウハ感・高揚感を基調とするエロシチュが多くなっています。
前戯パートでは、男性側が攻め側にある場合には乳首や陰唇などのヒロインの性感帯を指や舌でじっくりと愛撫して彼女達を徐々に蕩けさせていく描写に重点を置くと共に、ヒロインが積極的に行為を進める場合には、ち○こに吸いついて舌を絡めながらバキュームする口淫描写に力点を置いており、だらしのない表情でのひょっとこフェラは特に印象的。
前戯パートですっかり発情して、秘所にたっぷりと蜜を漏らす彼女達に挿入すれば、更に興奮を増して快感に夢中になるヒロイン達の痴態が曝け出され、男性・女性いずれのリードの場合でも男性の欲望任せの腰振りに加え、自らも肉感的な桃尻を必死に振って快楽を貪ろうとする様子がエロシーンの熱狂感を表現しています。

フェラ描写でも口腔内で舌や粘膜がち○こに絡みつく透過描写を充実させていることに加え、抽挿パートにおいても断面図・透過図を多用するのも特徴であり、双方の激しい肢体の動きから中出しフィニッシュを迎えるシーンでは、子宮内に白濁液が注ぎ込まれる断面図の描写も含め、特に体同士の密着感を強調してパワフルな射精シーンに仕上げています。
ひょっとこフェラを中心とした口淫描写や肢体の密着感など、強いコダワリを感じさせるエロ描写に存在感があり、その上でシナリオパートもシュアな作りという印象です。
ずぶずぶと深みにはまっていくストーリー展開の重苦しさが魅力の中編「CHOSE」と、黒ギャルおねショタな短編「モノクロいんもらる」が個人的にはお気に入り。