2016年05月

スミヤ『Bitches Plan』

BitchesPlan TVアニメ版『ふらいんぐうぃっち』第6話「おかしなおかし」を観ました。ぼ、僕も千夏ちゃんと一緒に茜お姉さんとお風呂に入りたいに弟子入りしたいですよぅー!!
原作漫画の読書感もそうですが、観ていてほっこり癒されるアニメだなぁと感じます。あと尻とか太股とかおっぱいとか尻とか(邪悪な笑み)。

  さて本日は、スミヤ先生の『Bitches Plan』(ワニマガジン社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『センテンス・ガール』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
微笑ましさと心地よい生気に包まれた美少女ヒロインとのラブ&セックスが楽しめる作品集となっています。

BitchesPlan1  収録作は、大学生になってマンションに入居した主人公君がお隣のドエロお姉さんとの出会いを皮切りに肉食系ドM格闘お姉さんや露出性癖な天才ガールに振り回されてエロエロキャンパスライフを送ることになる「Bitches Plan」シリーズ全4話(←参照 先輩トリオのお部屋襲撃 同シリーズ第4話より)、毒舌&高飛車なお嬢様キャラである彼女さんの本性は・・・な連作「ドクゼツおんなのこ」前後編、および読み切り形式の短編4作+収録作の各ヒロインが揃い踏みな描き下ろしエピローグ(6P)。
描き下ろしエピローグを除き、1話・作当りのページ数は20~24P(平均21P弱)とコンビニ誌初出としては標準を上回るボリュームを有します。適度に読ませるストーリーのちょうど良い存在感と十分な濃厚さ・アタックを有しつつ作品全体の雰囲気を損なわない強度のエロとでバランスよく構築された作品群と言えるでしょう。

【程好いオサレ感と微笑ましさの青春ラブエロストーリー】
  シリアス系やファンタジーなど多彩な作風を有する作家さんですが、今回はコンビニ誌王道のラブストーリーであり、「Bitches Plan」シリーズのようなオーソドックスな棚ボタハーレム展開なども用意。
ラブコメ的な微笑ましいコメディ要素も織り込み、青春ラブエロとしての快活さを十分に担保しつつも、コミカルさの勢いで突き抜けるタイプではなく、男女関係の機微を優しく、そして上品なお洒落感で包み込むのがこの作家さんの大きな特徴であると言えるでしょう。
ストーリーの骨組み自体は悪く言えばテンプレ的な据え膳シチュエーションではあり、短編メインであることもあって、関係性の発展におけるドラマ性を強く打ち出す分量的な余裕には欠ける一方、語り回しの良さやちょっとしたギミックの据え方の上手さが、キザな印象や現実離れした違和感を排除しつつ、素敵なオサレ感を嫌味なく満たすことで上質な読み口を形成させる技量はずば抜けたものがあり、“品性”として評し得る部分。
BitchesPlan2  不器用であったり、恥ずかしかったりしながらも自らの恋路に奮闘する女の子達の姿は魅力的な心情描写・表情描写を以て描かれており、特に素直な気持ちをオープンにしての赤面や笑顔などに読者の祝福や親近感を呼び込む魅力があるのは(←参照 照れ隠しのおふざけ、そして赤面笑顔 短編「IN THE RAIN」より)、ラブストーリーの魅力を大きく高める美点となっています。
  大学の先輩美人達にたっぷり翻弄されて搾られるエロエロキャンパスライフを送る中編シリーズは、先輩達の快活な性的欲求が展開を駆動する作品であり、ラブラブなハーレム展開を期待するのはやや避けるべきですが、その他の作品はキュートな彼女さんとの甘いラブエロ模様を満喫できるものであり、ラストで上品な甘味の幸福感を更に増して綺麗にまとめる仕様となっています。

【キャッチーな属性としなやかボディの美少女ヒロインズ】
  女子校生~女子大生クラスのヒロイン陣の年齢層はハイティーン~20代前半程度。大人びたお姉さんタイプの女の子も居れば、まだあどけない可愛らしさもある思春期後半ガールもおり、それぞれ異なる魅力がありますが、どちらかと言えば後者が人数的にはメイン。
  毒舌で高圧的な言動ながら中身はエッチで純情なツンデレ系ガールや、低身長であることとそれを気遣われることがちょっとコンプレックスな彼女さん、余裕の悪戯スマイルを浮かべるエロエロお姉さん、健気に尽くす系のクーデレ美少女等々、割合にオーソドックスな属性を明確に取り込んだヒロイン設計となっています。
分かり易い属性および魅力を有するヒロインを用意して短編としてのまとまりの良さを図る一方、前述したようにヒロインの“デレ”的な要素を含む心情描写の心地よさがある分、型にはまった退屈感を覚えさせないヒロイン造形になっているのが○。
BitchesPlan3  おっぱいサイズには幅があり、控えめサイズの貧乳から程好い量感の並乳、たっぷりサイズでありつつ綺麗な乳輪とのサイズ比のバランスもよい美巨乳まで勢揃い。適度に華奢さも感じさせるスレンダーボディは、スベスベとした白い美肌がボディの柔らかく滑らかな質感を高めているのも特徴的です(←参照 トランジスタ・グラマーな黒髪ショート巨乳! 短編「しあわせれしぴ」より)。
後述する様にエロシーンでは、ポージングの変化を利用することで、このスベスベの綺麗なエロボディがしなやかに動き、汗や淫液に濡れることで更にエロスを高まるのは官能的であり、ちょっとした背徳感も持たせつつ、上品さも保つ印象。
  繊細な描線でありつつ滑らかに引くというよりかは、アナログ的な不揃い感や適度な粗さをむしろ魅力に引き立てるスタイルの絵柄は独特であり、この絵柄の特性が作品の雰囲気の良さやお洒落感に強く寄与しています。絵柄も単行本を通してしっかり安定しており、表紙絵のカラー絵とモノクロ絵の印象に差異をあまり感じません。

【十分に強いアタックの演出で彩るエロ可愛い痴態】
  ヒロインの心情描写を中心として、エロシーンへの導入および最中に語られる台詞回しでラブエロの幸福感を喚起し、シナリオとしての一定の存在感を持たせつつ、エロシーンの分量の比重も大きく、抜きツールとしての満足感は相応に高く仕上がっています。
  それぞれ性癖の異なる大学の美人先輩達とちょっと倒錯的なプレイを楽しみ、ラストは全ヒロインと4Pがっつりハーレムセックスという中編シリーズは多少例外的な存在であり、その他の作品は特定の性癖やシチュエーションを重視したタイプではなく、嬉し恥ずかしラブラブHで統一。
普段とは違う淫靡な姿を曝け出すことに羞恥を覚えたり、高飛車ヒロインがカワイイネコミミを付けられて赤面したり、性的快感に包まれてくしゃくしゃに乱れた表情を曝け出したりと、エロシーンにおいてもヒロインの表情付けのテクニックでヒロイン達のエロ可愛さを十全に引き出します。
  ヒロインの柔らか華奢ボディの感触を楽しむ愛撫や、悪戯っぽいフェイスでの丁寧なお口ご奉仕などを投入する前戯パートを経てから抽挿パートへ移行。お口に白濁液を注ぎ込むこともあれば、射精シーンを投入しない組み立て方もありますが、相応の尺でヒロインの陶酔感が高まっていくシークエンスを描くことで的確な助走を形成。
BitchesPlan4ピストンパートではヒロイン側が男性側に主導権を握らせてくれる仕様であり、ヒロイン達のエロ可愛いリアクションに辛抱溜まらずガンガン腰を振って双方が快感の頂点目指して疾走。演出面では、ぐしゃぐしゃに乱れた表情付けに、呂律の回らない蕩けたエロ台詞、バックからのパワフルピストンやお股を大きく開かせての結合部見せつけ構図、画面中に散らされる擬音にハートマークと、アタックの強い演出・構図をチョイスしています(←参照 高飛車ヒロインがワンワンスタイルで乱れまくり 連作「ドクゼツおんなのこ」前編より)。
  コマを入り組ませる少々独特な画面構成は、多少ごちゃごちゃした印象がないわけではないですが、全身絵と局所アップの組み合わせ、演出強度の強い絵を重ねる情報量の高さに直結しており、アグレッシブさとキュートネスを両立させたまま、ヒロイン蕩けまくりの中出しフィニッシュで〆ています。

  ラブエロエピソードとして読み口が非常に良い上に、エロの熱量が強い優良抜きツールでもあり、万人向けする1冊。
いずれも良作で選ぶのは難しいですが、強いて言えばクーデレ系年下ヒロインが可愛らしい短編「しあわせれしぴ」と、それぞれ魅力的な先輩美人から(性的な意味で)可愛がりを受ける中編シリーズが特にお気に入り。お勧め!

イコール『発情❤まどんな』

MadonnaInHeat お久しぶりです、当ブログ管理人のへどばんです。長期出張のために更新が2週間近く空いておりました。大変申し訳ありません。しばらく長期出張はないハズですが、今回の出張のしわ寄せで休日出勤は増えそうですねぇ・・・(遠い目
大好きなエロ漫画を読んでメンタルの元気を回復させております。

  さて本日は、イコール先生の『発情❤まどんな』(エンジェル出版)のへたレビューです。当ブログで先生の作品を紹介するのは久しぶりですが、3冊前の(成人向け)単行本『そだちさかり』(コアマガジン)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
キュートフェイス&柔らかボディのエロ可愛いお姉さん達に優しく&淫靡にエッチ三昧な作品集となっております。

MadonnaInHeat1  収録作は、学生結婚してしまった憧れの美人先輩の娘と主人公の恋物語&母親の学生時代の恋愛エピソードな母娘二代のラブストーリーな中編全3話(←参照 “君も”遠くへ行ってしまうのか 同中編第1話「卒業」より)、彼女さんと別れた会社員の男性が美人同僚やら美人秘書やら、はたまた出掛けた先の海の家のお姉ちゃんやらと棚ボタHに次々と遭遇な「発情❤まどんな」シリーズ全4作、および読み切り形式の短編2作。
1話・作当りのページ数は18~20P(平均19P強)とコンビニ売り誌(『ピザッツ』『メンズヤング』系列)初出としては標準的な部類で安定。基本的には軽めの読み口、重過ぎも軽過ぎもしないエロのボリューム感でバランスよくまとめられた作品構築であると評し得るでしょう。

【ほんわかと柔和な雰囲気のラブエロエピソード】
  ちっちゃい女の子(お察し下さい)との微笑ましいラブエロエピソードに定評があり、同時にたっぷりおっぱいガールも得意とされる作家さんですが、今回は容姿の可愛らしさは共通させつつも綺麗なアダルト美人をメインとする作品集であり、引き出しの多さを示す1冊。
  綺麗でエッチなお姉さんというヒロイン設定が多いものの、いわゆるビッチキャラ的な属性を強く感じさせるヒロインはほとんどおらず、純粋な性的欲望をヒロイン側に発揮させることで棚ボタ的な幸福感を明確に打ち出しつつ、雰囲気が何処となく柔らかく優しい印象を保っていることが特徴的と感じます。
MadonnaInHeat2周りから隠れながらの羞恥系シチュエーションやメイドさんのエロご奉仕など、多少倒錯的な要素を加えてはいますが、基本的には“綺麗なお姉さんにちょっと妖しく、でも優しくエッチにお誘いされたい”という願望を素直に叶えてくれることに重きがある作風と言ってもよいでしょう(←参照 ほろ酔い美人同僚の誘惑 「発情❤まどんな」シリーズ第1話より)。
  ヒロイン側が純粋にセックスおよびその快楽を目的としているシナリオ展開も多い一方で、前述した様にそれに欲望任せの殺伐感がないこと、および複雑な事情を母娘二代で抱える若者の誠実なラブストーリーを祝福を込めて描き上げた中編作の微笑ましい読書感など、単行本を通して読み口の良さが保たれていることが大きなポイントとなっています。
甘く優しい読後感を残すラブストーリーな中編や短編「お願いナース」、コミカルなまとめやサブヒロインの一枚上手なところを見せる〆などでニヤリとさせる「発情❤まどんな」シリーズや短編「おいしくめしあがれ」とそれぞれ方向性は異なりますが、読後感はいずれも良好で、エロまっしぐらでありつつ男女関係を平和にまとめあげています。

【ふかふか柔らかおっぱいが魅力のエロ可愛い美人ヒロイン】
  後述する様に少女のような可愛らしさのある顔つきであることもあって、実年齢よりも若さを感じさせるタイプのヒロイン造形ではありますが、コンビニ誌初出ということもあって勤労女性を中心として18overの年齢層であり、女子大生~20代半ば程度と思しきヒロイン陣となっています。
なお、主人公とほぼ同年齢、もしくは年下であるヒロインも複数名登場しており、あくまで“年上のお姉さん”にこだわる諸氏は要留意。
概ねオムニバス形式である「発情❤まどんな」シリーズでは、普段は可愛い系・酔うとエロエロお姉さんな同僚にプライドの高いクール美人な秘所さん、明るく元気な飲食店の看板娘ちゃんが登場したり、その他にもメイド喫茶のメイドさんにナースさんが登場したりと、働くお姉さんの登場頻度が高め。
  “綺麗でエッチなお姉さん”というヒロイン造形を中心としつつ、キャラクターをコテコテの型には嵌めておらず、しっかり者でありつつ抱えていた悩み等の心の弱さを主人公に打ち明ける中編のママさん(の学生時代)など、「気の強さ⇔気の弱さ」「無垢な印象⇔中身はエッチ」といった対比的な面を用いてキャラの意外性を上手くアクセントにしたキャラ造形・シナリオワークが為されていると感じます。
MadonnaInHeat3  前述した様に丸みの強い輪郭でぷにっとした質感の顔・ボディのラインは幼げな可愛らしさ・柔らかさを強く想起させるものであり、そこにもちもち&ぷにぷに触感の巨乳を組み合わせる童顔巨乳ボディは(←参照 このもちもち柔らかおっぱい! 短編「メイドトライアングル」より)、整ったスレンダー巨乳ボディとは明確に方向性が異なるタイプであり、その柔らかさ・温かさに包まれる幸福感を喚起。
得意とするヒロインの年齢層の関係上、コンビニ誌を主戦場とする作家さんではないため、初出時期には最大5年の開きがあるものの、ベテランの作家さんであるだけあって、最古の2011年の時点で絵柄は完成していると言ってもよく、表紙絵と完全互換の絵柄で単行本を通して画風は安定しています。

【程好い強度のエロ演出と要所の技巧で彩るエロ可愛い痴態】
  ページ数こそ然程多くはないものの、誘惑展開・棚ボタ展開を含めてスムーズにエロシーンに移行しており、濡れ場の分量については実用的読書として十分な分量。質的にもエロのどぎつさで体感的なボリュームを増すスタイルではなく、柔和な雰囲気で居心地の良さを形成するタイプのエロシーンと評し得ます。
  誠実な恋愛感情に基づく純愛エッチもあれば、エロエロお姉さんの誘惑エッチやお姉ちゃんの彼氏を横取りセックス、周囲から隠れながらのドキドキ羞恥シチュエーションなども投入していますが、いずれも和姦エロの幸福感を基調としており、エロ可愛いヒロイン達に身を任せ、やられっ放しではなく、適度に性行為の主導権も握らせてくれる親切仕様。
  巨乳キャラ縛りではないものの、いずれも柔らかもちもちなおぱーいを揉んだり、先端をつまんだり、谷間に挟んで貰ったりな描写を前戯パートに投入し、その感触を満喫させつつ、フェラやパイズリでの丁寧なご奉仕プレイからの射精や、徐々にヌルヌルに濡れていく秘所やぷっくり乳首への愛撫などの描写で挿入までの流れを形成します。
これまたぷにぷにの大陰唇の中央部に位置する秘所に挿入して開始される抽挿パートでは、秘所の気持ち良さを男性側の台詞回しで強調しつつ、ぬぷぬぷと淫靡な抽挿音を奏でながらのピストンにヒロイン側が徐々に快感で熱っぽく蕩けていく痴態を描写。
MadonnaInHeat4  各種擬音や表情付けの演出面については、どちらかと言えば量的に抑制気味であり、派手な絵面を重視するタイプではなく、ヒロインのエロ可愛さをフィーチャーするスタイルですが、時に瞳をキュッと閉じて快感の衝撃を堪える表情や、可愛らしい表情と淫靡な台詞回しのコントラストなどの技巧(←参照 この表情と台詞のコンビネーション 短編「おいしくめしあがれ」より)、結合部アップの連続コマやゆさゆさとした乳揺れの露骨な演出を用いながら決してクドさややり過ぎ感のない調節力は高く評価したい美点です。
登場人物との関係性により外出しを選択することもありますが、快感を上り詰めたヒロインに力強いストロークからの最奥でのがっつり中出しをトドメとして、柔らかボディを振るわせながら全身をアクメに浸らせる美女の痴態を大ゴマで提供することで十分なアタックのあるフィニッシュを形成しています。

  ぷにっと柔らかそうな質感のボディデザインを綺麗なお姉さんキャラと組み合わせることで、得意とするキュートな美少女キャラとはまた異なる魅力のあるヒロインを提供しており、シナリオワークもそれをしっかりと下支えする上手さが伝わる1冊。
個人的には、内気な童顔巨乳メガネっ娘メイドさんと明るい黒ギャルメイドさんのダブルご奉仕が楽しめる短編「メイドトライアングル」が最愛でございます。

鬼束直『いもーてぃぶ』

Emotive 三部けい先生の『僕だけがいない街』最終第8巻(角川書店)を読みました。悟と八代の直接対決、両者の“哲学”をも対決させる流れで緊張感と共に引き込まれました。天才的な八代になく、悟にあったものはやはり“仲間”の力なのだなと感じられます。
本編は終了となりましたが、その仲間達の足跡も含め、外伝の方も大変楽しみな作品ですねぇ。

  さて本日は、鬼束直先生の『いもーてぃぶ』(茜新社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『morning view』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
ささやかな日常の温和な雰囲気と少女達の素朴なキュートネスで魅せる妹ラブエロ作品集となっております。

  収録作はいずれも読み切り形式の短編で計8作。1作当りのページ数は18~26P(平均22P弱)と標準的な部類であり、本数が多くないこともあって、単行本としてのボリュームには若干欠けています。ストーリー面でも重厚さはありませんが、エロシーンも含めて居心地の良い優しい雰囲気が形成されており、このまったり感を過不足なく味わう上ではちょうど良いボリュームの単行本と言えるかもしれません。

【日常の中にある素朴な性愛という平和】
  少女の妖しい魅力に囚われた男の姿に少女とその母親の“女”としての愛憎劇が入り混じる短編「夜に啼く」は妖しくも美しい情景と人の欲望の業が入り混じるビターさが味わい深い作劇であり、これもこの作家さんらしい精緻な作劇ですが、今単行本のメインを占めるのは前単行本と同じく平和で優しい雰囲気のラブエロ系ストーリー。
兄妹の関係を主軸としつつ、互いに好き合う者同士が自然な流れの中で互いを求め、体を重ねていくという流れ、“少女”であることをキャラクターとして特別視することはなく、無邪気で奔放な存在の可愛らしい女性として成人男性と年齢の垣根を越えて対等な存在として描いているのは変わらぬ美点と言えるでしょう。
Emotive1  家族での食事や夏のアイス、はたまたトイレでの性器への接触など、ごく普通の日常生活を起点として作品の導入パートを形成することが多く、彼ら彼女らの性愛もごく自然な生活の一部として営まれている様に描かれているのが一つ特徴的な点でしょう(←参照 “性”への気付き 短編「兄妹そろって・・・だから」より)。
“温和な日常の中で営まれる性愛”と書いてしまうとやや陳腐とも感じますが、愛し愛される行為をごく自然なものとして滑らかに描き出す筆致は十分に技巧的であり、少女性愛に付随しかねない罪科を誠実さで綺麗に拭い去ると共に、性愛をごく自然な営みとして正面から肯定する優しさを作中に湛える手腕は十分に技巧的。
  “日常”から逸脱しないという点は、ハイテンションなコメディや重厚なドラマ性を敢えて排除したスタイルとも言え、短編「夜に啼く」の様な深みのある作劇や恋愛ドラマとしての面白みを期待するのは避けるべきかもしれませんが、日常の中でこそ輝く繊細で素朴な心情描写が魅力として明確に立ち上がっているのも高く評価したいポイントです。

【丁寧に組み上げられた“等身大”の少女像】
  LOレーベルということもあって、高学年のローティーン級縛りなヒロイン陣であり、前述した様に相対する人物としては“少女”というの属性を特別視しない一方で、無邪気な奔放さや容姿の可愛らしさという面ではやはり思春期入りたてガールならではの魅力を明確に盛り込んでいます。
Emotive2兄妹モノがメインということもあって、従妹も含めて妹ヒロインが多い陣容。大人しい娘も居れば年相応に生意気さのある娘さんも居ますが、いずれにしても彼女達が好意を寄せていたり慕っていたりする相手に素直に性的欲望や恋心を打ち明けるシーンは甘い幸福感を生み出しています(←参照 ラブラブだ! 短編「ちょい甘ゆず」より)。
  創作物として勿論好ましく感じられる様に調整を効かせてはいますが、ヒロイン達の悪戯心や意地っ張りなところ、純粋な恋愛感情などの素朴な情動を妙に構えることなく、自然体(と感じられる様に)描き出すことで、作品全体に微笑ましさを付与しているのも大きなポイントでしょう。
前述した様に短編「夜に啼く」は他の日常系ラブエロと雰囲気が大きく異なる退廃感・倒錯性のある作品であり、少女と男性の関係性も特殊なものであるのですが、その他の作品は男性主人公が概して誠実で常識的な人物像であることも、ヒロイン達が一方的に搾取される様な不誠実な方向に進まない安心感を与えています。
Emotive3  少女達のキャラデザインについて言えば、決して華やかさがないわけではないのですが、どちらかと言えば“ごく普通の女の子”としての等身大の可愛らしさを重んじるスタイルであり、未成熟な寸胴貧乳ボディも含め、人工的な萌えっぽさやエロスで固めるのではなく、いい意味でもっさりとした色香を感じさせるタイプ(←参照 満腹でぽっこりなお腹 短編「じぇみに!」より)。
  キャッチーネス満載のアニメ/エロゲー絵柄でもあざとい萌えっぽさをたっぷり充填の萌え系絵柄でもなく、さりとてオールドスクールな漫画絵柄とも異なり、素朴な可愛らしさを引き出しつつ、少女の儚げな美しさを映し出すオサレ感や日常のほのぼのとしたコミカル感も滑らかに調和させる絵柄は一種独特の魅力を有しており、単行本通して安定しています。

【抑えた演出で少女達の可愛さを引き出すエロシーン】
  体感のボリュームとしてはがっつりとエロメインの作風と言う印象をあまり感じさせない一方で、ごく自然に日常の一シーンとして滑り込んでくるエロシーンには十分なページ数を持たせており、徐々に熱っぽく快感に体を浸していく少女ヒロイン達の姿をたっぷり鑑賞可能。
親や親戚達から隠れながら真夏の納屋での逢瀬、相思相愛の妹たちのある種橋渡し役として男性が参加している3Pセックス、義父と母親と奪い合う少女の可憐でありながら蠱惑的な誘惑セックスと、シチュエーションには一定のバリエーションを設けていますが、登場人物達の個室や布団・ベットなど、日常空間の中で自然に求めあうというシチュエーションを基幹としているのは、作劇面とよくマッチしていると評し得るでしょう。
  前後パートと抽挿パートの双方にバランスよくページ数を割り振ったエロ展開において、前戯パートでは体の弄り合いやボディタッチから始まって、未成熟ボディの一本筋な秘所やぺたんこバストへの愛撫やキスを重ね、フェラや手コキ等のご奉仕プレイも投入するなど、割合に盛り沢山なプレイの中で徐々に肢体を弛緩させていくシークエンスを形成。
Emotive4十分に愛液を潤滑して受け入れ体制が整った小さな秘所に挿入して開始されるピストン描写では、演出面は全般的に抑え気味であり、結合部アップ構図や断面図などで一応のアタックを叩き出しつつ、体を包む感覚にキュッと瞳を閉じたり蕩けたりな弛緩と緊張を繰り返す表情付けに思わず漏れ出す嬌声、肢体のビクビクとした反応など、最低限の演出でヒロインの地の可愛らしさを存分に生かすスタイル(←参照 短編「夏陰」より)。
  エロ展開中盤までは着衣セックスであっても終盤では必ず男女双方が全裸になって体を重ねており、純粋な性欲の力強さを盛り込みつつも、互いの肌の感触を慈しみ、味わい合う幸福感を基調とした濡れ場の雰囲気を形成し、演出面で一定の盛り上がりを図った中出し&アクメなフィニッシュまで滑らかに描き出しています。

  がっつりとした抜きツールをお求めな諸氏には量的にも質的にも物足りなさがあるかもしれませんが、穏やかで優しい雰囲気の中で素朴でキュートな少女達と幸福なセックスを楽しんでちょっと癒されたい諸氏には大変お勧めな1冊。
個人的には、エロシーンへの導入パートの何気なさが巧い点と女の子のリアクションの可愛さが素敵な短編「真夏の温度」が最愛でございます。

赤城あさひと『いやらしいこ。』

GirlsInHeat TVアニメ『迷家』第4話「よっつんの川流れ」を観ました。運転手のおじさんが観ていたものは判明しましたが、おそらく各キャラが視たり聞いたりしている対象はそれぞれに異なるようで、かなりオカルト・ホラーめいてきましたな。
あんまりなタイトルですが、よっつんも死亡は確認されていないので、リオンちゃんの「死ぬことは無い」という台詞が気になります。

  さて本日は、赤城あさひと先生の初単行本『いやらしいこ。』(ワニマガジン社)のへたレビューです。柔らかおっぱいが大層魅力的な表紙絵でございますな。
スベスベ&フニフニ感触の巨乳美少女・美女との棚ボタラブコメ&和姦エロスが楽しめる作品集となっています。

GirlsInHeat1  収録作は、父親の再婚に反発して家出した少年を彼が憧れていた喫茶店の美人店員さんが保護してくれ、なんと彼女も母親の再婚に戸惑っていて・・・な短編「サウダージ」(←参照 憧れのお姉さんに導かれ 同短編より)+描き下ろし後日談4P、剣道部部長が新入りの天才少女剣士に襲われちゃうも実は彼女の性癖は・・・な短編「交剣痴愛」+おまけ後日談2P、および読み切り形式の短編10作。
描き下ろし作品を除き、1作当りのページ数は16~20P(平均17P強)とコンビニ誌初出としては標準的な部類。ストーリー的な読み応えはほとんどなく、エロも重過ぎず軽過ぎずのちょうど良い塩梅でまとめられた作品構築となっています。

【クドすぎない甘さで滑らかに読ませるラブコメ系】
  作風としてはコンビニ誌として王道のラブコメ系統に属するタイプであり、柔和な読み口と後味の良さを身上とするスタイル
GirlsInHeat2それぞれ主人公に対して想いを寄せるヒロインが、時に恥ずかしがりながら時にグイグイと主導権を握りながらエッチに誘導してくれるというヒロイン主導の展開は、このタイプの作品として鉄板の棚ボタ的な幸福感を喚起してくれます(←参照 普段は凛々しい女性上司の瞳の中にハートマークが! 短編「ヒミツの麗花」より)。
普段がクールな女性がエロエロだったり、じゃじゃ馬娘が実はドM性癖であったりとこの展開の中でヒロイン達の本性が明らかになることもありますが、男性キャラクターは善人揃いであるため、その状況をあくどく利用して~などということはなく、平和に和姦を双方満喫する温和な展開となります。
  裏帯に“青く甘くほろ苦い官能”との謳い文句があるものの、“ほろ苦さ”の成分はあったとしても僅かであって、ヒロインに望外なサービスして貰ったり願望を受け入れて貰ったりな“甘さ”の方が明確に目立つタイプの作劇と言えるでしょう。
ドタバタ模様といったコミカルな要素を適度に盛り込んだり、キャラクター設定を多彩に用意したりで、作品によって印象をある程度異ならせていますが、スタンダードなラブコメ系統として良くも悪くも読書感は概ね共通していると感じます。
ラブエロ系としての甘さも適度に有しつつ、コミカルなタイプのオチでまとめるラストまで滑らかに進展させ、脳味噌に負担をかける展開・シチュエーションを極力排除してあるため、ストーリーそのものは印象に残らないものの、ラブ&エロの幸福感を強く残してくれるスタイルと評し得ます。

【柔らか巨乳&桃尻から香る健康的な色香の女体】
  女子校生級と思しき美少女さんも複数名登場しつつ、コンビニ誌初出ということもあり、女子大生~20代半ば程度と考えられる18歳以上の美少女・美女がメインを占める陣容のヒロインズとなっています。
剣道美少女にナースさん、温泉宿の若女将、ハーフ美人なウェイトレスのお姉さんに美人上司、獣医を目指して頑張る女子大生、はたまた大正時代にカフェで働いている田舎出身の働き者ガールなどなどヒロイン陣の設定は多彩であり、この点が作品のバラエティの豊かさに貢献。
ページ数の尺的にヒロインのキャラ性や設定を掘り下げる余地はあまりないものの、妄想系ガールに、年上の余裕を醸し出す美人先輩、普段はクールだけど実はエロエロな美人上司、世話焼き系ツンデレガール等々、ある程度キャッチーな属性を持たせることで、展開の分かり易さや“本性”の発露の明確化を形成しています。
  ヒロイン陣の設定の多彩さもあって、丁寧に描いた衣装も含めてキャラデザインも多様に描き分けており、華やかなな金髪のハーフ美人や濡れて透ける襦袢の官能的な黒髪ロング美女、ツインテがガーリーな可愛らしさを出す女子大生さん等々、それぞれ魅力的な容姿のヒロインを用意。
GirlsInHeat3ボディデザインについては概ね統一的であり、ふにふにと柔らかな触感と控えめサイズの乳輪・乳首で上品に仕上げた美巨乳とこれまたもっちりとした桃尻とを健康的な肉付きの体幹に組み合わせた女体が勢揃い(←参照 おっぱいたぷんたぷんだ! 短編「片恋の湯」より)。逆に言うと個別の体パーツなどに強い自己主張があるタイプではないのですが、その分万人受けしやすいタイプ。
  適度な濃度の絵的な修飾を被せて絵としてのカ口リーを確保しつつ、快活なキャッチーさを保つアニメ/エロゲー絵柄はそれ単体で十分な強みとなる要素でしょう。ただし、初単行本ということもあって、初期の絵柄と現在の絵柄にはクオリティ面で一定の差はあります。

【程好い濃密感とアタックの演出で彩る陶酔描写】
  ページ数がさほど多い訳ではなく、エロシーンへ本格的に進展する前のキスや接触のドキドキ感も大切にするタイプの組み立て方であるため、濡れ場の分量はコンビニ誌として標準的な水準を確保しつつ、現在の水準としてはそれほど長尺とは言い難いのは確か。
とは言え、導入パートでドキドキ感や棚ボタ的な幸福感、エロシーンにおいて素直に吐露されるヒロインの本心や性的嗜好などを織り込むことで、雰囲気の良さや高揚感を生じさせることで実用性を下支えしています。
  温泉宿の女将さんの洗体プレイ&お風呂場セックス、ナースさんとのちんこ介護&制服エッチ、年下ヒロインに拘束されてエロ襲撃&反撃エッチ、獣医を目指す女の子が発情してワンワンスタイル(お察し下さい)で激しく突き込み等々、多彩なキャラ設定に合わせて各種プレイ・シチュエーションを投入。二人が官能小説的な妄想凌辱プレイを実践する短編「少女の蜜欲」を除き、ラブエロ系としての枠内から大きく外れる行為や過激性は明確に排除しています。
艶っぽい唇の描写は舌を絡めるキスやフェラチオ描写、柔らかたっぷりバストはパイズリ描写などで生きており、ヒロインの肢体の愛撫なども含めて肢体描写の官能性が前戯パートの盛り上がりに大きく寄与しています。
GirlsInHeat4  前戯パートで一発射精してから誘導される抽挿パートでは、既にたっぷりと愛の蜜を潤滑する秘所を力強くピストンしていき、熱っぽく蕩ける表情付けや乱れた描き文字で表現されるハートマーク付きの嬌声、漏れ出る熱い吐息に肢体をしっとりと濡らす各種淫液といったベーシックかつ高質なエロ演出でヒロインの痴態を彩ります(←参照 短編「肌つきロマンチカ」より)。
肢体の存在感を前面に出す大ゴマと結合部アップや断面図などで情報量を増す小ゴマを組み合わせる画面構成の巧拙や連続コマの使い方、および前述した演出面の精度など技術的な巧拙は初出時期によって振れ幅があるものの、熱っぽい陶酔描写で適度な濃密感を打ち出しつつ、アタックの強い描写の中出しフィニッシュで〆る流れの勢いは美点として共通しています。

  絵の魅力が高く、読み口の良いシナリオと程良い濃密さのある痴態描写と非常に“売れ線”の作風であり、ラブコメ系統が好きな諸氏には概ね安心して勧められる1冊。2冊目以降が非常に楽しみと感じます。
個人的には、病院で再会したナースさんのエロ介護&素直な想いを分かち合ってのラブラブHが楽しめる短編「ノスタルジック・ホスピタル」が最愛でございます。
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