
あと、5巻の見所はアーネチカさんのおっぱいとかおっぱいとか生おっぱいとかですね!
さて本日は、伊藤エイト先生の『劣情ミクスチュア』(ジーオーティー)のへたレビューです。先生の前単行本(初単行本)『MILK DIP』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
むっちり柔らかな豊満ボディの多彩なヒロイン達との背徳的なエロスが詰まった作品集となっています。
収録作はいずれも読み切り形式の短編・掌編計11作。フルカラー作品である掌編「オーシャンビュゥッ」(4P)を除き、1作当りのページ数は20~24P(平均21P強)と標準的なボリュームで推移しています。実用性を底上げするシナリオ展開の後方支援を受けつつ、抜きツールとしてエロメインの分かり易い構築を安定的に成し遂げています。
【登場人物を捕える背徳感をそれを超える快楽の呪縛】
ほのぼのとした棚ボタ系ラブコメから獣欲がストレートに発揮される凌辱エロまで幅広い作風の引き出しを持つ作家さんであり、今回も綺麗な大人の女性になった後輩との再会エッチ(短編「後輩ミストメモリーズ」)や、黒ギャルさんとのボッチ少年が出会って(色々な意味で)仲良しになる展開(短編「空とギャルとの間には」)など、ラブコメ系統の作品もありつつ、凌辱や寝取られ、堕ちモノ系、被虐シチュエーションなど、暗く苦い雰囲気を持つ作品が今単行本のメインとなっています。
勝ち気な人妻さんが登場する堕ちモノ系寝取られエロや(短編「引っ越しの挨拶は慎重に・・・」)、オタクガールに降りかかる野郎連中の魔の手など(短編「快楽は災厄で最悪!?」)、女性側に不幸・被害が生じる作品も多い一方で、寝取られ等も含め、男性側に喪失感や被虐感を感じさせる展開が多いのも一つの特徴です。

調教や寝取られ、凌辱などの展開に巻き込まれることとなった男性もしくは女性キャラクターに共通する描かれ方は、そういった背徳的で非倫理的な関係であることを当人達が認識しながらも、何らかの形で彼ら彼女らが“求められ”、そこに歪みながらであっても“快楽”が発生しているという関係性に呪縛され、そこから逃れることを自ら否定してしまうということでしょう。
一抹の希望を描くこともありますが、自らの欲望が歪んだ形であれ充足された登場人物達は、快楽の底なし沼の中で後悔や罪悪感、屈辱感や先にある破滅への恐怖からも脱することが出来ないことを暗示してまとめており、読後感の苦さや重苦しさを生み出しています。
甘い雰囲気のラブエロ系や、女の子達の奔放さが気持ち良くエロに結びつく快楽全能主義なお話もそれぞれの美点をよく引き出した作品構築になっており、インモラルであったりブラックであったりな作品群と好対照を形成して、特定の方向にまとめて欲しい方には減点材料かもしれませんが、雑食派の諸氏には多彩な作風をそれぞれ楽しめるようになっています。
【美少女から美女まで多彩な設定のエロボディヒロインズ】
半数弱程度はハイティーン級のJKキャラクターを投入しつつ、女子大生や20代半ばの綺麗なお姉さん、30歳前後の美人さん等、登場するヒロイン陣の年齢層は幅広くなっています。

設定が多彩であることもあって、制服を着崩したギャルJKさんや、スーツ&ストッキングのOLさん、生活感のある服装でお尻のむっちり感が強調される人妻さんのジーンズ姿、コスプレちっくなキュート衣装に身を包むオタクガール等、服装やメガネ、アクセサリーなどで外見の多様さを増幅しています。

パイパンキャラクターも居ますが、股間の黒い茂みや、ぷっくりと程良く膨らむ乳輪とこれまだ程好い大粒さの乳首などの体パーツで女体描写の淫猥さをスムーズに高めていたり、キャラクターによってはぽってりとしたエロ唇や、太眉、陥没乳首、お肉特盛の高身長&ぽっちゃりボディなどを用いたデザインをしていたりと、乳尻の存在感を煽情性の中核としつつ、これまたキャラの印象やエロさを多彩にしているのが嬉しいところ。
最先端とは言い難いものの、クドクないキャッチーさと適度な色香の濃厚感を備える漫画絵柄は単行本を通して安定しており、キャラクターによって妖しさや可愛らしさ、清楚な色気や地味テイストなどをそれぞれの魅力を描き分ける技量の高さも評価したいポイントの一つです。
【濃密な演出で彩る豊満ボディをガンガンピストンの攻撃性】
フルカラー作品を除けば、十分なボリュームを持つ短編群であり、エロメインの作品構築によって濡れ場は十分に長尺。前戯シーン等でのぶっかけや口内射精に加え、挿入後は中出し連発など、複数ラウンド制で白濁液を肉感ボディに注いだり絞られたりを連発するエネルギー量の高いエロシーンの組み立てとなっているのが大きな魅力。
前述した通り、凌辱エロや人妻堕ちモノ、オナホール化など、ヒロイン側が屈服させられるエロシチュエーションに加え、ドS女子による被虐シチュエーションや愛妻寝取られスワッピングなど、男性側が苦しめられるエロシチュエーションも目立ちます。加えて、綺麗なお姉さんやギャル子ちゃんとのラブエロ展開もあるので、エロシチュは多彩。
異性の欲望のオモチャにされたり、愛する存在との精神的な剥離を強要されたり、屈辱感を感じさせられたりと、嗜虐/被虐欲を強調する状況を心情描写を添えて展開しつつ、オーソドックスな手法であるとは言え、それを圧倒する背徳の快楽に登場人物達が呑み込まれていくことで、凶悪な陶酔感が場面を包み込むエロ描写を形成しているのは強力です。
綺麗なお姉さんが悪戯っぽい表情でち○こに吸いつくディープフェラ、黒ギャルちゃんの手慣れた手ねっとりコキ&フェラ、キュートなオタクガールをねっとり舐めたり嗅いだりな弄び、ドSガールによる冷たい瞳に見下されながらの足コキ等々、それぞれのキャラクターに合った多彩な前戯プレイは、決して長尺ではないながらも、適度にプレイのねっとり感を喚起する描写となっています。

ピストンしながらの乳揉みやねっとり舌吸いキス、言葉責めなどの手数を盛り込みますが、特にエロ展開終盤では、豊満ボディをガンガンピストンしてヒロインを圧倒するというシンプルかつストレートな描写を徹底しており、度重なる射精とアクメ連続でメロメロになっているヒロインにがっつり中出しを決め込んで快楽の絶頂を迎えさせるフィニッシュを1Pフルでがっつり提供の〆となっています。
ストーリーとしてのブラックさや読後の重苦しさを含む作品が多いため、決して万人向けとは言い難いですが、それらのシチュエーションならではのエロスがしっかり打ち出されているのが、実用性を大きく高めています。
個人的には、勝気なショートヘアデニム人妻さんが性欲旺盛な汚っさんにがっつり凌辱&イキまくりな寝取られエロな短編「引越しの挨拶は慎重に・・・」と、ドスケベ黒ギャルさんと出会ってがっつり和姦エロな短編「空とギャルとの間には」が特にお気に入り。