2015年12月

2015年私的ベスト10作

どうも、当ブログ管理人・へどばんです。今年も年内最後の更新は、恒例の年間ベストの記事となります。
  今年も本業多忙により更新頻度は奮わなかたり、FC2Blogでは検閲システムが始まり、そのシステムの誤検知という運営側のミスで当ブログが誤って一時凍結されたりと、当ブログを巡る環境は厳しいものもありましたが、今年も1年ブログを続けてこれたこと、様々な優れた作品に出会えたことが素直に嬉しいなと1年を振り返って感じます。
年間ベストの選出は個人的にも楽しんでおりまして、どれを選ぼうか考えるのは自分の考え方の整理になってもいいですね。

  毎年のことですが、ストーリーの面白さやエロさなど諸々ひっくるめてエロ漫画としての魅力の高さで選出しております。
ランクインした各作品の詳細なレビューはそれぞれのリンク先のレビュー記事をご参照下さい。当記事内では、雑感やランクインの理由等を記しておきます。
それでは、2015年に特に輝いていたと感じた作品10作を紹介させて頂きます。

10位 みぞね『鬼ヶ島の許嫁』(ジーウォーク)

BrideElectFromDemonsIsland.jpg 今年はエロ漫画も含め、アニメ/漫画界隈でモンスター娘(人外娘)が人気を博した年だなと感じますが、本作も多彩なモンスター娘が登場する作品です。初単行本ながら絵柄の完成度や、人外としての側面を明示しつつ美少女キャラとしての魅力も共存させるキャラデザのバランス感覚、人と人外の多様な関わり合いを描くストーリー性などが光りました。→単行本レビュー

9位 岡田コウ『Aサイズ』(ヒット出版社)
ASize.jpg 繊細な心情描写に基づく丁寧なストーリーテリングと、可憐な少女がとろっとろに蕩けまくる凶悪な陶酔感のエロ描写が相変わらず確たる美点。今回は短編メインで、長編作におけるドラマ性にはやや欠けますが、読み手をドキドキ・ハラハラさせる展開から、時に切なくもほんのり温かい読後感を、時にじくじくとした鈍痛の如き読後感を残す作品が揃っています。→単行本レビュー

8位 荒井啓『放課後Initiation』(コアマガジン)
InitiationAfterSchool.jpg 今年のメガストアレーベルは良質なストーリーテリングの作品が多かった印象がありますが、それを代表する一人である作家さんの初単行本。時に狂気を、時に切ない愛を、時に若い性愛の解放感を自在に紡ぎ出す作劇と、静かにそれでいて熱っぽい痴態描写が魅力的です。淡い色彩と丁寧な筆致の中から、適度な色香が香る絵柄のユニークな魅力も評価のポイントです。→単行本レビュー

7位 オイスター『家畜乃団欒』(メディアックス)
GatheringOfLivestocks.jpg 人が作り出した人にとっての地獄の中で、周囲の人物も含めて破滅への下り坂を転がり続けていく猛烈な凌辱エロ。今回は比較的シンプルなストーリーではありますが、圧倒的な悪の強者・高須と、弱さ・脆さを抱える“善良な”ヒロインとの対比はそれ故に鮮烈。ラストまで人としての弱さを徹底的に見せつけながら、そこに意味を見出すスタンスも変わりません。→単行本レビュー

6位 師走の翁『ヌーディストビーチに修学旅行で!!』(ヒット出版社)
SchoolTripToNudistBeach.jpg “クラスの女子が全員裸になってセックスもできちゃう!?”という思春期男子の馬鹿エロ妄想じみた設定を、誠実な群像劇へと昇華させるまさかの展開が見事。バラエティ豊かなヒロイン陣の個々の魅力を引き出し、がっつりとした多人数セックスをたっぷり提供しており、ベテラン作家の確かな技量と思い切りのいい剛腕を楽しめる作品となっています。→単行本レビュー

5位 らっこ『めちゃしこせぶん』(ワニマガジン社)
EroticaSeven.jpg ハイテンションなコメディとしての面白みと、柔らか肉感ボディとのがっつりファックの実用性を両立させる王道のラブコメディ。ラブコメ・エロコメとしてのオーソドックスな魅力を保ちつつ、パロディや風刺の一工夫や元気よく動き回るキャラクターの気持ち良さで決して凡庸な印象を与えないのも美点でしょう。エロのハードさにも磨きがかかった最新刊。→単行本レビュー

4位 鈴木狂太郎『JC’S EX』(ヒット出版社)
JCsEX.jpg 病気や自殺、孤独感など生きることの苦しみを描き出しつつ、その苦しみを生としての性愛が開放する素直でパワフルな作品集。テーマ性を大上段に構えることなく、淡々とした調子やほのぼのとした印象もありますが、それ故に登場人物達の救済でじんわりと優しい気持ちにさせてくれる描き方と感じます。ほっそりとした華奢で未成熟な少女ボディのエロスも魅力的です。→単行本レビュー

3位 ドリル汁『イケない❤スペルマビッチ!!!』(富士美出版)
DangerSpermBitch.jpg 義足ヒロイン猫宮さんの熱血バトルストーリーを描く長編「あいつはヴァイオレンスヒロイン」が大団円を迎えた最終巻。アブノーマル成分を含めてこってり感の強いエロ描写も大きな魅力であると共に、策謀渦巻くワクワク感や乾坤一擲の逆転劇の痛快さなど、近年のエロ漫画ではレアな重厚でエネルギッシュなストーリーが素晴らしく、一つの金字塔を打ち立てた作品と言えるでしょう。→単行本レビュー

2位 駄菓子『契りの家』(ワニマガジン社)
ApledgeOfAbnomalLove.jpg 濃厚で甘美で妖艶な性の熱気と芳香が立ち込め、体液と共に男女が溶け合ってしまうかのような痴態描写の濃密さは他の追随を許さない実力派。魅力的なヒロインとのエッチという極めてシンプルな描き方でありつつ、日常から非日常の性へと変わる瞬間、性愛の炎が紅蓮の大火に燃え盛る高揚感は技巧的であり、そこに男女のドラマ性を感じさせる手腕も強力な武器でしょう。→単行本レビュー

1位 アシオミマサト『D-Medal』(ティーアイネット)
DModel.jpg 女性を好き放題に出来るマジックアイテム、男性から女性へ変化してのTSFエロと“便利な”ギミックを用いてエロを大盤振る舞いしつつ、それらに付随するエロ漫画的なご都合主義に誠実なアンサーを返す作品。ストーリーの起承転結を整えつつ、前半と後半のシナリオとエロの鮮烈な切り返しは実に技巧的で、性愛を描くものとしてのエロ漫画の矜持を感じさせる作品でした。→単行本レビュー

以上10作品が、私個人の2015年ベスト10です。惜しくも選外となった作品も多々ありますし、簡単に甲乙が付けられるものでもないのですが、選出した作品はいずれも魅力的な作品です。手前勝手なベストではありますが、読者諸氏のご参考になれば、筆者として嬉しく思います。
 
 来年も更新頻度はあまり変わらないと思いますが、これからも作品の魅力や特徴を皆様にお伝えし、エロ漫画ジャンルの盛り上がりにささやかながらも貢献できますよう、レビューに精進して参る所存です。良い作品に巡り合うと、この作家さんの次の単行本も是非読みたい、そしてレビューを書きたいと思わせてくれるので、当ブログも9年目に突入することになりますが、モチベーションが途切れないのは素敵なことだと思います。
年末に際しまして、全ての作品、作家様、出版社様への心からの謝意を表しますと共に、当ブログの読者諸氏に改めて御礼を申し上げます。

2016年も素敵な作品に沢山出会えることと、エロ漫画を愛する全ての人に幸せな一年であることを祈りまして
一エロ漫画愛好家 へどばん拝

高岡基文『ガールズ・マジョリティー』

GirlsMajority.jpg  山田参助先生の『あれよ星屑』第4巻(エンターブレイン)を読みました。若い頃の班長の義姉さんへの淡い想いが素敵ですが、それが哀しい結末を迎えてしまいました。結末ではなく、始まりでもあるのですが。
真面目な班長が、ひょんなことから書くことになったストリップショーの脚本がどんなものになるか楽しみですねぇ。

  さて本日は、高岡基文先生の『ガールズ・マジョリティー』(ヒット出版社)の遅延へたレビューです。なお、先生の前々単行本『少女複数形』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
スレンダー巨乳&スレンダー貧乳ボディの美少女達がハードなセックスに自ら突入していく作品集となっております。

GirlsMajority1.jpg  収録作は、老舗娼館の跡取りであるヒロインが自らの手腕を発揮すべく学園内で娼館システムを組み上げて性のお悩みを解決していくストーリーな中編「学園登楼記」全4話(←参照 ちっちゃい体ながら剛腕若女将 同中編第1話「引付の式」より)、および読み切り形式の短編5作。
1話・作当りのページ数は8~36P(平均21P強)と幅はありつつ平均すれば中の下クラスのボリュームで推移。シナリオとエロをコンパクトにまとめた少ページの作品と、適度な読み応えと長尺のエロシーンを備えるページ数多めの作品とでそれぞれ適切な作品構築を示しています。

【ヒロイン達の頼もしさ・能動性が光るシナリオ】
  ハードな凌辱エロから明朗快活なエロコメ系まで幅広い作風を持つ作家さんであり、今単行本では概ね明るい雰囲気を基調としながらインモラルさやエロのハードさも織り込んだ美味しいトコ取りの組み立てをした作品が多め。
  学園の中で男女の出会い&セックスを斡旋する娼館システムを運営する中編「学園登楼記」は、悩める女の子のお悩み解決や“お店”の女の子に入れ込んだあまり暴走する客の男性を徹底的にやり込めるエピソードなどでヒロインの剛腕っぷりを頼もしく描いています。
のぼせ上がった迷惑客の暴走であったり、このシステムを維持するために男性教師陣にスペシャルサービスを提供したりと、凌辱チックな展開を含むハードエロを投入していますが、女性が「苦界」の中で困難や妨害にあっても頼もしく生き抜くという点を重視しているのは、“郭もの”として正当な描き方の一つであると言えるでしょう。
GirlsMajority2.jpg  その他の短編作においても、短編「ギュギュっと!」を除いて、ヒロイン側が主導権を握るケースが多く(←参照 短編「ギリギリ家族」より)、背徳的な関係であったり、年下ボーイを拐かすインモラルなエッチであったりの中でヒロインが一時的に圧倒されたとしても、最終的に優位に立ち、男性に幸福を与えるのはあくまで女性の側であると感じます。
逆に言えば、男性キャラクターのストーリー上の存在感はあまり強くなく、場合によっては単なる竿役のみに止まるケースも存在。ストーリーの性質がそもそもラブストーリーを指向してはいませんが、男女双方の融和によるラブラブ感の甘さを期待するのは避けるべきでしょう。
  インモラルさの芳香を残すほんのりダークなまとめ方をすることもありますが、基本的にはヒロイン側の能動性を示した上で平和な落着を迎えるハッピーエンドであり、エロのハードさを程好く中和して良好な読後感とする設計となっています。

【スレンダー巨乳ボディを中心に多彩な制服美少女達】
  ヒロイン陣はミドル~ハイティーン級の制服美少女で統一されている一方、お相手となる男性キャラクターについては、ショタボーイであったり同世代の少年であったり年上の中年男性であったりと様々。
ちっこいボディで度胸と智謀で辣腕を奮う女の子や、クールビューティーなスポーツ少女、おっとり優しい子猫系ガールながら実は中身はビッチガール、ブラコン気味な小悪魔系お嬢様等々、漫画チックに楽しくキャッチーなキャラクター属性を織り込むことが多いのはこの作家さんの特徴であり、浅くなり過ぎない程度に分かり易い魅力のヒロイン像が形成されています。
性格設定は様々ではありますが、いざセックスとなれば男性側に圧倒されることもよくあるものの、自ら腰を振って貪欲に快楽を求める積極性・能動性を持つタイプのヒロインが多く、そんな彼女達を肉体の快楽で征服する嗜虐性や、エッチなヒロインに翻弄される受け身の喜びなどを喚起することに繋がっています。
 GirlsMajority3.jpg ボディデザインは、等身高めですらりとした四肢を備えるスレンダーボディに張りのあるロケット巨乳&程好い量感の桃尻を組み合わせたスタイルがこれまで通りに主力ではありますが(←参照 スポーツ美少女の長身日焼けボディ・・・フィヒヒヒ! 中編「学園登楼記」第2話「裏返し」より」、ちっちゃなボディにぺたんこバスト~貧乳を組み合わせた華奢ボディであったり、低身長ながらムチムチ巨乳ボディなトランジスタ・グラマなボディであったりと、ヒロイン陣の肢体設計は比較的多彩に用意されています。
スレンダー巨乳タイプのボディデザインにおいては、バスト&ヒップの存在感でストレートな煽情性を叩き出しつつ、ウェストはキュッと細く締まったデザインであり、懐かしさを感じる程度にオールドスクールなエロ漫画的ボディデザイン。無論、ボディデザインとして破綻することはなく、スレンダーボディのしなやかさが後述する様にエロ描写で生きているのは特筆すべき点。
  十分にベテランの域に入る作家さんであり、親しみやすい漫画絵柄でありつつ柔らかさよりもシャープな線のくっきりとした印象が特徴の絵柄は単行本を通して安定しており、表紙絵とも完全互換となっています。

【インパクトのある構図で魅せるハードな痴態描写】
  作品によってページ数が大きく異なるため、必然的にエロシーンの分量にも大きな振れ幅がありますが、短めの作品なら多少量的な物足りなさはあるとはいえ完全にエロメインで構成し、中編作や長めの短編ではシナリオ展開を安定的に絡めつつ十分な分量の濡れ場を提供しており、それぞれ実用的読書に支障はないでしょう。
  ショタボーイがお姉ちゃんにたっぷり搾り取られるおねショタエロや、睡姦シチュエーション、ハードな奉仕強要セックスに輪姦エロなどエロシチュエーションは様々であり、和姦系統のシチュエーションも多い一方で、男女いずれかの欲望が一方的に発揮されるような攻撃的なエロシチュエーションも目立ちます。
和姦エロであっても強引な貪られ系セックスであっても、ヒロイン側が強烈な快楽に溺れることは共通しているのですが、凌辱チックなシチュエーションではヒロイン側の嫌悪感や苦痛、恐怖などを相応の強度で表現しているのは、凌辱エロも描くこの作家さんらしい点。なお、上述したように、そのようなハードな行為の中でもヒロインは非日常的な快楽を享受しているので、最終的に話が暗くなることはありません。
華奢ボディへのキスや指マンやちっぱい吸い等のねっとりとした愛撫を加えたり、クールなスレンダー美少女さんのフェラやもっちりおっぱいの巨乳パイズリがあったりな前戯パートと、すっかりぐしょ濡れのパイパンおま○こにガンガンピストンを加えてヒロインを圧倒する抽挿パートを量的にバランスよく構成。
GirlsMajority4.jpg  快感に圧倒されていたり、恐怖や苦痛に涙顔になったりとヒロインの心情を物語る表情付けと台詞回しや、ヒロインの肢体を濡らす各種淫液など、エロ演出面は相応の強度を伴うベーシックなものを用いていますが、量的にはむしろ抑え気味であり、しなやかに動き回る女体の躍動感や、インパクトのある構図・体勢など、演出よりも絵そのものでアタックの強さを叩き出すスタイル(←参照 挿入の感覚に仰け反り 短編「ネコトラ」より)。
  ヒロインのボディにぶっかけたり、口内射精したりな前戯パートに加え、中出し連発であったり、輪姦エロではピストン中に更にぶっかけ射精があったりと、複数の射精シーンを含む多回戦仕様が基本であり、すっかり理性が焼き切れた表情で体だけが反応している状態のヒロインにがっつり中出し、時々ぶっかけも付随でトドメを刺すフィニッシュで〆ています。

  ハードエロを展開しつつ、読後感はすっきりとしているという面で優良な抜きツールであり、多彩なヒロインとエロシチュエーションが楽しめる1冊。
個人的には、学園内で郭ものというアイディアが独創的な中編「学園登楼記」と、金髪褐色肌の長身スレンダー巨乳さんのラブ痴態が拝める短編「ネコトラ」が特にお気に入り。

田沼雄一郎『EXACTLY!!』

Exactly.jpg ヴァージニア二等兵先生(原作:蝉川夏哉氏)の『異世界居酒屋のぶ』第1巻(角川書店)を読みました。ファンタジー世界を舞台としたグルメ漫画はちょっとした流行ですが、日本の普通の居酒屋が異世界で繁盛と言う設定が面白いですね。
我々が当たり前に楽しんでいるものが新鮮な驚きと、我々と同じような幸福感をもたらす展開が心地よく感じられます。

  さて本日は、田沼雄一郎先生の『EXACTLY!!』(ワニマガジン社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『FAT BOY FAIRYTALE』(コアマガジン)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
日常の中にある性愛のささやかな幸福を柔和なストーリーテリングと迫力のエロ描写で紡ぐ作品集となっています。

  収録作はいずれも読み切り形式の短編で計13作。1作当りのページ数は16~18P(平均16P強)と控えめながらコンビニ誌初出としては標準的な部類。とは言え、軽妙さを保ちつつも適度にじっくりと読ませる作りであり、エロのボリューム的な満足感も適度にあるバランスの良い作品構築を示しています。

【日常を生きる人たちへの素朴で前向きな人生讃歌】
  コンビニ誌ではアブノーマル色を排して比較的オーソドックスな作品構築を示す作家さんですが、分かり易いラブコメ・エロコメであったりストレートな快楽全能主義を押し通したりすることはなく、独特の魅力を備えた性愛の物語を描く技量を有しています。
今単行本でも、魅力的なヒロインが積極的にセックスを誘惑してきて~的な棚ボタ感であったり、エロ漫画的な“ファンタジー”を有したり要素を盛り込んではいますが、市井に生きる“普通の人々”の日常の中での性愛を優しい視線で描き出していることが大きな特徴であると感じます。
仕事のストレスをため込んでいる女性上司とその部下(短編「EXACTLY!!」)、不器用な性格でヒキコモリがちなスケベ女性とビザ宅配員(短編「姦禁デリバリー」)、スーパーのマニュアル仕事に追われる男女(短編「ポイントカードは忘れずに❤」)、ネカフェでの宿泊が常態化している派遣社員の男女(短編「ネカフェじぷしー」)等々、登場人物達は何かと大変な社会の中で苦労しながらも生きている人物達です。
Exactly1.jpg  孤独感やストレス、欲求不満や疲労といったものを生活に追われる日常の中で感じながらも、“生の謳歌”への止むことのない希求、そして“生の活力を支えるものとしての性愛”という普遍的で善良な価値観が作品に湛えられていると評しても決して過言ではないでしょう(←参照 ネカフェで出会った派遣の二人は 短編「ネカフェじぷしー」より)。
このテーマ性を決して上段に構えることはなく、軽妙な雰囲気の中で“生と性の喜び”を心地よく打ち出していく筆致は素晴らしく、ウハウハ棚ボタ展開のエロコメ作品でも社会の「下流」を生きる人達の物語でも、等しくポジティブさを感じさせる描き方になっている分、素直な共感を呼び込むことが可能になっています。
  恋愛ストーリーとしてのラブラブ感を分かり易く前面に押し出すタイプではありませんが、各作品のラストはいずれもハッピーエンドであり、登場人物達とそれに共感を覚える読み手に対する素朴な人生の応援歌となるようなまとめ方となっています。

【男性を導く豊満ボディの美女達】
  ハイティーン級と思しき美少女キャラクターも複数名登場していますが、基本的には女子大生~30代程度の美熟女さんの大人の女性が主力であり、年齢層は比較的高め。
Exactly2.jpg働く女性の登場頻度が高いことが示す様に、“社会”の中で生きることで何らかの普通の抑圧を受け入れつつ生きるキャラクターが多く、男女の関係性の中で彼女達の喜怒哀楽の感情が素直に発現される瞬間は、日常の中の貴重なものとしてビビッドな魅力を以て描かれていると評し得るでしょう(←参照 男勝りヒロインが露わにした不安 短編「ANGEL ARRIVE!」より)。
エッチなお姉さんキャラクターや純情彼女さんといった割合にオーソドックスなキャラクターも目立ちますが、それらをエロコメ的な展開の中の位置づけとして安易に扱うこともなく、主人公の男性に対して何らかの人生への活力や示唆を与える存在として描いていることは、前述の人生讃歌としてのストーリーテリングの魅力を方向付けています。
なお、男性キャラクターについても、同じく社会の中で生きている当たり前の人々という描き方は概ね共通しており、彼らなりの苦労や疲労感というものをあっさりと描き出しつつ、それらが性愛を通じて相応に解消されていくことで男性読者のシンパシーを呼び込んでいると感じます。
Exactly3.jpg  年齢設定などによってボディの豊満度や色気の熟度、おっぱいサイズに程度の差はありますが、総じて乳尻の肉感を中心として柔らかお肉のグラマラスさを感じさせる女体描写は共通(←参照 エッチな美熟女ばんじゃーい!! 短編「駄菓子屋の奥」より)。もっちりとしたモンゴロイド的肉感のボディや、濃い目に茂った陰毛、皺が走るアナルなど、各体パーツの描写に生活感・現実感のある淫猥さが香っているのも女体描写における大きな特徴と言えます。
  アニメ/エロゲー絵柄的なキャッチーネスもある程度は盛り込みつつ、素朴な漫画絵柄の雰囲気や、劇画的な重さ・濃さも同居する絵柄は独特なスタイルであり、時に妖艶な艶っぽさを、時にコミカルな可愛らしさを表現する闊達さを備えています。表紙絵は丁寧な塗りで魅力的ですが、結果的に中身のモノクロ絵柄と多少雰囲気が異なることには留意されたし。

【じっとり淫液に濡れた肢体をガツガツ貪る和姦エロ】
  各作品のページ数が多いとは言えないため、エロシーンも長尺というには分量が足りませんが、とは言えコンビニ誌初出としては標準的な分量を濡れ場に用意しており、セックスにおける解放感の良さとヒロインの肉感の強さもあって体感的な満腹感は相応にあると言えるでしょう。
おねショタ的なシチュエーションや、コスプレ的なプレイ、羞恥系プレイなど、エロシチューションにある程度の多彩さはありますが、和姦エロであることは共通しており、同時に素直な感情や欲望、恋心を発揮することの喜びを基調としてセックスを描いています
  比較的前戯パートに該当するパートを長めに取るエロシーン構成であり、豊満ボディをじっとり揉んだり、フェラなどの奉仕プレイを楽しんだりで双方の興奮が高まり、更なる性的快感を求めていく高揚を打ち出すことに注力した描写。汗や淫液がじっとりと女体を濡らしていくエロティックな描写も魅力的と言えるでしょう。
Exactly4.jpgページ数が決して多くないため、抽挿パートが量的に圧迫され、挿入からフィニッシュまでのページ数が若干物足りない水準となってしまうことが多いのは懸念材料の一つですが、前戯シーンでの射精や絶頂では満たされることなく、更なる性的快感を求めてガツガツと体を動かし、男女双方が熱情と快感に包まれていく前のめり感は抽挿パートにおける確たる美点(←参照 短編「もやもや司書先生」より)。
  小ゴマでも決して絵のインパクトが低下しないテクニック、肢体の存在感を強力に打ち出しつつ単発ではなく、描写の連続性を維持するコマ同士の連結を図る大ゴマの活かし方など、ベテランらしい巧さを発揮しつつ、熱っぽく蕩ける表情描写やパワフルな結合部見せつけ構図、じっとりと女体を濡らす液汁描写など、基本的なエロ演出で彩り、総体としての描写に臭気や体温感など、適度な生々しさ・現実感を入れ込む調整も見事。
男女の体躯の密着感を十分にアピールし、快感に激しく身悶えする女体と漏れ出る嬌声を活写する抽挿パートは、絶頂にビクビクと体を反応させながら大量の白濁液を中出しorぶっかけされて両者KOのダイナミックなフィニッシュシーンで〆られており、射精カタルシスが一気に解消される解放感が魅力的です。

  読み口の良さと実用性の高さは王道的な魅力をしっかりと維持しつつ、登場人物の善良さや直向きさが素直に称揚され、日常の中で幸福を得る描き方は心地よい読書感を与えてくれると言えるでしょう。
個人的には、関西弁太眉元気娘の素直な感情の吐露が魅力的な短編「ANGEL ARRIVE!」と、少年時代の憧れであった駄菓子屋のお姉さんと再会し、彼女に大人の階段を教えて貰う短編「駄菓子屋の奥」が特にお気に入りでございます。

ホーミング『超JCいもうと』

SuperJuicySister.jpg ジョージー・ミラー氏原作・柳下毅一郎氏翻訳の『マッドマックス 怒りのデス・ロード COMICS & INSPIRED ARTISTS』(Graffica Novels)を読みました。映画では描かれなかった、前日譚の漫画が読める作品ことに加え、多数の著名なイラストレーターのマッドマックスイラストをフルカラーで楽しめる素晴らしい1冊ですよ。
讃えよ!!V8! V8! V8!

  さて本日は、ホーミング先生の久しぶりの単行本『超JCいもうと』(茜新社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『超ラブラブいもうと』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
キュートな妹系ヒロイン達とのほのぼのラブコメ&甘々ボイスが響き渡るラブラブHが楽しめる作品集となっています。

  収録作はいずれも読み切り形式の短編12作。収録本数は多いものの、1作当りのページ数は14~18P(平均16P弱)と控えめな水準。良い意味でも悪い意味でもストーリーの読み応えはありませんが、作品世界にまったり浸れる仕様であり、エロシーンの分量も標準並みを確保した作品構築となっています。

【ユニークなヒロイン達との微笑ましいコミカル会話劇】
  作品のコンセプトは前単行本とほぼ同じであり、可愛らしい女の子達が主人公に対して恋心を抱き、積極的にエッチを迫ってくるという据え膳状態からコミカルな会話を繰り広げてエッチに突入していくというドリーミーな様式美を貫徹しています。
64779069.jpgオナホに嫉妬して自らの方が上と宣言してきたり(短編「このオナホールを使いますか それとも・・・」)、朝に主人公を起こしに来る幼馴染ガールの本当の目的は濃厚精液だったりと(短編「素直になったらしあわせ」)、なかなかエキセントリックなことをする娘さんもいますが、皆さん基本的には大好きな主人公とエッチしたいというシンプルな一念で動いているタイプ(←参照 不機嫌なお兄ちゃんにエッチをおねだり 短編「なまごろし」より)。
  いかにも男性側にとって都合の良い二次元世界の住人なヒロインという印象を持たせつつ、それだけでは平板・安直になってしまうシナリオ展開を、ヒロインのちょっとお馬鹿であったり暴走気味であったりするところをチャームポイントとして引き出すコミカルな会話劇によって楽しいモノにしているのが大きなポイント。
対となる男性キャラクターを、ちょっと意地悪であったり、朴念仁であったりな人物とすることで、ヒロイン側の更なる積極性を引き出すという構図はこの作家さんの得意技ともいえ、その上で男性キャラクター側も素直に恋心を表現させることで、甘く幸福な雰囲気をしっかり打ち出しているのも大きな美点と言えるでしょう。
SuperJuicySister2.jpg  このコミカルな会話の応酬を除けば、ストーリー性自体は概ねシンプルなものであり、恋愛ストーリーとしてのドラマ性を期待するのは避けるべきですが、男女双方がエッチに満足して、恋愛感情を確認し、ほのぼのとしたハッピーエンドで微笑ましくまとめる安心感はこのスタイルならではの魅力(←参照 可愛いなぁ、もう 短編「恥ずかしがりの幼馴染が大好きな俺のために頑張ってくれた」より)。
このほのぼのハッピーエンドでの順当なまとめも含め、悪く言えば金太郎飴状態のシナリオで全般的にはパンチに欠けるのは確かですが、そこをヒロインのユニークな魅力で印象の多彩さを引き出し、平和なラブラブ空間に浸らせてくれるテクニックを評価したい所存。

【制服に身を包んだふわふわ柔らかボディのJCガールズ】
  今回はJCレーベルからの単行本ということもあり、ランドセルガールズは登場せず、ロー~ミドルティーン級のJC美少女達で統一されたヒロイン陣。とは言え、見た目のラブリーさは年齢層問わずに不変なので安心されたし。
お兄ちゃんラブなスケベ妹や、お兄ちゃんとのエッチのために敢えて主従プレイに興じるドジっ子系小悪魔妹、正統派幼馴染キャラとみせかけて中身は純情エロ娘、オナホに嫉妬してエロ勝負に突入するツンデレガール、クール系暴走エロ娘などなど、ユニークなキャラクターが勢揃いしており、彼女達の謎理論や素っ頓狂な言動がコメディとしての楽しさを生み出しているのは前述の通り。
また、お兄ちゃんや幼馴染などである男性キャラクターも、意外にキャラ立ちがよく、なんだかんだでヒロイン達のことが大好きで、エッチも嬉しく思っていることが素直によく伝わってくる人物達であるため、“都合の良い美少女ヒロイン”を一方的に利用・搾取するような構図に決してならないのは大切なポイントでしょう。
SuperJuicySister3.jpg  幼げな可愛らしさのある顔や、肉付き弱めながらもすべすべ&ぷにぷにの質感なちっこいボディ、つるつる仕様のお股等はランドセルガールズと共通させつつ、今回はJC美少女キャラで統一されていることもあり、むにゅんむにゅんとした弾力感と先端に控えめサイズの乳首を戴く丸みの強いシルエットを持つ貧乳~巨乳をお持ちな女の子達が登場しており(←参照 短編「ウソからでたしあわせ」より)、ぺたんこ娘は一切登場しないので、そこらを所望の諸氏は要留意。
また、このキュートな柔らかボディを裸体で示すことは少なく、全ヒロインで異なるデザインを用意した制服で包み続ける着衣セックスを徹底しており、ちっこいボディの柔らかさと制服の双方、リボンやフリルなどの小物も含めて、“可愛らしい存在”としてのJCキャラクターのイメージをエロシーンも含めて一貫させるスタイルと言えるでしょう。
  キュートなアリス達の可愛らしさを適度な密度の萌えっぽさと共に提供し、ふわふわと柔らかいキャラデザインの印象を保持する絵柄は単行本を通して安定しており、表紙絵とも完全互換のクオリティとなっています。

【キュートな表情&たっぷりラブエロ台詞でエロ可愛さを増強】
  個々の短編のページ数は多くはありませんが、作品によっては冒頭から既にエロイベントが発生中であったり、そもそもヒロインのストレートなキャラクター性がエロへの誘導を大変にスムーズにしていたりするため、濡れ場の分量は抜きツールとして十分な量が確保されており、キュートなアリス達が幸せに蕩けていくラブラブHを満喫することができます。
メインとなる妹ヒロインとの近親セックスに加え、教え子とのHといったシチュエーションも存在しますが、ヒロイン達のあっけらかんとしたラブ&エロへの情動の前にはそれらの背徳性や反倫理性は霧散しており、風変わりな乙女心のせいで突入するプレイとしてのソフト凌辱なども含め、あくまで嬉し恥ずかしなラブラブセックスとして描かれていることは共通
  キスや愛撫なども投入する前戯パートのメインは、キュートなヒロイン達が小さなお口で大好きな人のおち○ぽに丁寧なお口ご奉仕をするフェラ描写であり、頑張って根元近くまで頬張ったり吸ったりな一生懸命な描写や、無垢な瞳で男性な反応を窺ってくる一人称描写などで煽情性を高めつつ、たっぷり口内射精された白濁液を愛おしそうにゴックンすることで主人公と読者の興奮度を更にブーストさせます。
  愛おしいおち○ちんを口にしてすっかりキュートに発情しちゃったヒロイン達が挿入おねだりや合意ををすることで突入する抽挿パートは、バックからのパワフルな突き込みや、ヒロインの積極的な騎乗位等も時々投入しつつ、小さな体を正常位で優しくホールドしながらトロトロおま○こをピストンする描写が確たる中核。
SuperJuicySister4.jpgこの体勢において、大好きなおち○ちんを受け入れた喜びと、ピストンの度に強まっていく快楽に幸福そうな蕩け顔を浮かべ、ハートマーク付きのラブエロ実況台詞を奏でるヒロイン達のエロ可愛いリアクションを余すところなく受け止めることが可能になっており(←参照 短編「素直になったらしあわせ」より)、絵柄やキャラの可愛らしさを損なわない範囲を守りつつ、擬音やエロ台詞をたっぷり添加することで濃密さを形成しています。
  きゅんきゅん❤という謎擬音(巻田音)で小さな膣が肉棒を締め付ける感触をアピールしつつ、キスや台詞回しでラブラブ感を高めていく抽挿パートは、連続アクメでキュートに蕩けまくるヒロインに膣内射精して男女双方が絶頂する大ゴマ~1Pフルのフィニッシュで〆。その後のヒロインの満足そうな表情や中出しへの感謝台詞などで幸福感喚起のフォローも完備という親切設計となっております。

  エッチで可愛くて漫画チックにユニークで楽しい美少女キャラクター達が沢山登場する作品集であり、ほのぼのとしたラブエロ空間に癒されてかつ使える1冊でございます。
個人的には、純情エロ幼馴染のおとぼけっぷりがキュートかつエロい短編「素直になったらしあわせ」と、おにいちゃんのおちんちんが大好きな妹ちゃんの一生懸命さがラブリーな短編「なまごろし」が特にお気に入りでございます。

ドウモウ『艶色トリップ』

SexualColorTrip.jpg コトヤマ先生の『だがしかし』第4巻(小学館)を読みました。毎度楽しみにしているほたる嬢の扉イラストですが、今回はアダルト&ミステリアスな印象のほたる嬢が多かった気がします。アニメで動くほたる嬢も楽しみですよねェ。
それぞれに懐かしさを感じる駄菓子にオモチャですが、今巻で明かされた衝撃のチュー○ット真実には雑誌掲載時に読んだ際に思わず声が出てしまいました。

  さて本日は、ドウモウ先生の『艶色トリップ』(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューです。先生の前単行本『いいなりアクメ』(ワニマガジン社)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
しっとりむちむち質感のグラマラスボディが多彩なファンタジーギミックを活かしたエッチで興奮と快楽に包まれる作品集となっています。

9532a3da.jpg  収録作は、ネコが人間に見えてしまう特殊体質の主人公が彼女さんのお家にお邪魔したらそこには絶賛発情中の飼い猫さん(♀)が居て!?という展開の短編「にゃんこな発情期」(←参照 ネコ語も解する主人公 同短編より)+描き下ろし後日談(6P)、および読み切り形式の短編7作。
描き下ろし後日談を除き、1作当りのページ数は12~32P(平均24P)と幅はありつつキルタイム系作品としてはボリューム感の強い作品が揃っています。シナリオ的な読み応えは概ね控えめではありますが、その分、エロのボリューム感は十分に強く仕上げられた構成となっています。

【ファンタジー作品らしいギミックやシチュエーションの多彩さ】
  ワニマガジンのレーベルではどちらかと言えば和姦系ではありますが、強烈な性的快への欲望が話を駆動させる点を共通させつつ、キルタイム系レーベルでは和姦エロも凌辱系統も描くスタイルであり、今単行本でも双方の作風が楽しめます。
和姦エロおよび凌辱エロの双方において、剣と魔法のRPG的世界観やSF風味の世界観といったキルタイム系伝統の戦闘美少女凌辱ではなく、同レーベルにおいてもう一つの主軸である、例えば女体化や擬人化(美少女化)、マジックアイテム、人外ヒロインといったギミックを漫画チックなファンタジーの高い自由度に中で用いるスタイルが今単行本の特色と言えるでしょう。
魔法使いの美人さんと教え子である少年の嬉し恥ずかしラブエロ話な短編「恋する魔法塾」、道師の家系にある主人公が美人キョンシーを預けられてエロトラブル勃発な短編「死後遊戯」、不運続きの主人公が手違いで美人エージェントコンビに襲われてしまう短編「華麗なる尋問」等、ドタバタ模様や一方的なエロ導入展開がある場合でもおだやかなラストにまとまる作品が多いのが和姦エロ系統の特徴。
441685cb.jpg  これに対し、薬物の影響で女体化してしまった囚人の男性が囚人仲間や看守達に性処理をさせられてしまう短編「TSプリズン」や(←参照 同短編より)、性奴隷の女性達が奴隷身分の解放を賭けて催淫剤を投与された状態で負ければ凌辱という試合に臨むエロ漫画版『ハンガー・ゲーム』とでも言うべき短編「セックスランニング」などは、明確に凌辱系の作品。
対戦相手を卑怯な手段で敗退させてでも何とか自由の身を手に入れようとするヒロイン達の必死さを強者が嘲笑い、ラストで登場人物を絶望のどん底に叩き込む短編「セックスランニング」の後味の悪さと、凌辱展開を経た上で異性の性的快楽の虜となった主人公が自らセックスライフを突き進む短編「TSプリズン」とで、話としての攻撃性は異なりますが、強烈な性的欲望と陶酔感が支配するという描き方は共通しています。
  ドタバタラブコメもあれば強烈な凌辱エロや、棚ボタ的なエロコメもあったりと、作品の方向性は多様であり、短編メインということもあって、それぞれにストーリーの重厚さや奥行に欠ける部分はありますが、漫画的な自由度の高さを活用した個々の作品の面白さはよく出ていると感じます。

【ピッチリ系衣装に包まれるグラマラスな柔らか巨乳ボディ】
  キョンシーや猫娘さんなど人外キャラクターもおり、ファンタジー世界の住人などでは年齢層を掴みにくいのですが、概ねハイティーン~20代半ば程度と思しき美少女・美女が各作品に登場しています。
ブルマ装備の女子バレー部員さんやアメリカンなスタイルの通販番組に出演している金髪女優さんなど現実にも存在する設定・職業のヒロインもいる一方、前述したキョンシーガールや猫耳ガール、魔法使いのお姉さんやセクシーな衣装に身を包んだ美人エージェント、女体化した元・男性など、ファンタジー要素のある作品らしい設定のヒロインも数多く描かれています。
  概ね設定やギミックの面白さで勝負するタイプで、人物描写にさほど注力していないし、その必要性も高くないのですが、ツンデレ系ガールや、男性を性的にイジめることに興奮するドSレディ、キュートフェイスでエロエロおねだりの小悪魔系ネコガール、快楽堕ちしてしまう健気で純粋な性奴隷の少女等、相応にキャッチーな属性をヒロイン描写に含ませて状況の面白さや倒錯性を増強しているのは魅力の一つでしょう。
SexualColorTrip3.jpg  多少のバリエーションはありつつ、肉感的な女体描写は共通しており、むにむにと弾力感のある柔肉をたっぷり詰め込んだ巨乳&桃尻の明確なセックスアピールや(←参照 キョンシーおっぱいの乳圧! 短編「死後遊戯」より)、ぷっくり膨らんで自己主張する乳輪&乳首、じっとりと淫液に濡れる舌や性器の粘膜描写などの各体パーツの描写における適度な濃厚感の淫猥さも強力な武器。
設定の多彩さもあって、ヒロイン達の身に付けている衣装も多彩ですが、ブルマやスパッツ、チャイナドレスなど、肉感ボディにぴっちり張り付いてその豊満ボディの輪郭を強調するコスチュームが多いのも今単行本の特徴でしょう。
  髪の毛や衣装なども含めて丁寧に描き込むことで十分な描画密度を保つ絵柄は、ベースとなるアニメ/エロゲー絵柄的なキャッチーさを保つことで、エロの濃厚さを適度に中和してバランスを保つ技量が見事。また、キルタイムレーベルから2冊目となる今単行本では絵柄の統一感は更に高まっています。

【豊満ボディが蕩けて乱れる濃厚でアタックの強いエロ描写】
  各作品のページ数の多寡に幅があるため、1回戦でコンパクトにまとめるケースもあれば、複数ラウンド制の長尺なエロシーンを投入するケースもありますが、平均すれば抜きツールとして十分なボリュームのエロシーンを有した上で、それぞれ異なる趣向の濡れ場を楽しめる仕様となっています。
ページ数の多い作品では、スライム暴走の触手エロ風味から弟子の少年とのラブラブHに移行したり(短編「恋する魔法塾」)、中盤まで女体化した男性が一方的に凌辱するのに対し、終盤では女性としての快感に目覚めた主人公が積極的に男性とのセックスを求める展開になったり(短編「TSプリズン」)、前半ではドS美女によるエロ訊問から後半では逆転のチャンスを活かして男性が反転攻勢に出たり(短編「華麗なる尋問」)と、尺の長さを活かしたシチュエーション変化や攻防の入れ替わりを投入しているのも、エロシチュの多彩さを増すことにつながっています。
  媚薬による強制発情や、エロアイテムやら超能力やらを利用しての強引なセックス、女体化ヒロインに襲い掛かる男の毒牙といった凌辱系シチュエーションと、発情メス猫ちゃんが積極的な棚ボタセックスや、美人キョンシーさんのエロ暴走などなど、和姦シチュエーションに大別されますが、快楽が更なる快楽への欲望を生み、濃厚な陶酔感にヒロイン達が包まれていく展開はどちらのタイプでも共通していると感じます。
たっぷりおっぱいの乳圧を感じさせる豊満パイズリや、触手やエロアイテムによる緊縛や強制発情、クールな表情での手コキなどなど、ギミックやシチュエーションに合わせて多彩なプレイを投入する前戯パートは、ある程度の分量を設けて男女双方の興奮を高めつつ抽挿パートへ移行。
SexualColorTrip4.jpg挿入の衝撃をアタック強く描き出すことで開始され、肉感ボディの柔らかさを満喫しながら肉穴へのピストンを繰り返す抽挿パートは、たっぷりヒップを激しく上下させる腰使いや、多数のち○こに攻められて悶絶し背をそり返させる体勢など、ダイナミックな構図を印象的に用い(←参照 短編「セックスランニング」より)、潤んだ瞳の蕩け顔や絞り出されるようなハートマーク付きの蕩けた嬌声などのエロ演出で彩ることで、陶酔感の強さを打ち出していきます。
  淫液に濡れて火照るグラマラスボディの存在感と表情付け&台詞回しによる官能性で勝負するスタイルであり、中出しフィニッシュシーンも含めて演出の量的飽和感で圧倒するタイプではないので、読み手の嗜好によっては要所の演出強度に多少の物足りなさを感じるかもしれませんが、じわじわと濃厚感を高めていくテクニックもあって、それが減点材料となるタイプでもないでしょう。

  ファンタジーエロ漫画ならではの多彩なギミック・シチュエーションを楽しめる上に、魅力的な豊満ボディのエロさも満喫できる作品集。多様なエロシチュが描けるのはドウモウ先生の魅力の一つだなと感じる1冊でもありました。
個人的には、クールなキョンシーさんが熱っぽく蕩ける短編「死後遊戯」と、素朴な言動の元男性が女性としてのセックスの快楽に溺れる短編「TSプリズン」に愚息が大変お世話になりました。
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