2015年08月

Zトン『こんな軆でいいのなら』

IfYouLikeThisBody.jpg TVアニメ版『モンスター娘のいる日常』第8話「体調不良な日常」を観ました。今回はラク姉さんのカッコいい姿も可愛らしい姿も拝見できて、大変よかったですねぇ。今回は接続部分のお尻も見られて・・・フィヒ 個人的には主人公ハーレムの中で一番好きなキャラクターです。
とはいえ、セントレアさんの豊満ふかふかおっぱいの魅力もまた素晴らしいものがあります。

  さて本日は、Zトン先生の初単行本『こんな軆でいいのなら』(ジーオーティー)のへたレビューです。モンスター娘のビックウェーブが来てますよ、これは!
人外ヒロイン達が人間と共に生きる不思議なファンタジー空間の中で彼女達との性愛を描いた作品集となっています。

IfYouLikeThisBody1.jpg  収録作は、19世紀半ば鎖国下の日本にやってきた黒船に載っていたのは何と美しきケンタウロス達であり、運命に導かれて出会った士族の青年とケンタウロスの美しき剣士の禁断の恋を描く「幕末ブリード」シリーズ全6作(←参照 奥様はケンタウロスだったのです 同シリーズ第2話「幕末インブリード」より)、共に忍者である青年と翼手族の女性は共に愛し合っているのだが・・・な連作「しのぶれど」前後編、および読み切り形式の短編・掌編8作+描き下ろしのイラストコラム8P。
収録本数の多さもあって単行本としての厚みは十分にありますが、1話・作当りのページ数は6~20P(平均13P強)と個々の作品のボリューム感は全体的に弱め。設定の面白さに加え、モンスター娘達の痴態も十分な量で楽しめるため、単行本としての満足感は高く仕上がっていると言えるでしょう。

【多彩な設定が魅力な異種族の交流劇】
  幕末日本であったり、ファンタジー世界であったり、現代社会であったりと舞台は様々ですが、いずれも異種族との性愛を含めた交流劇を描いていることは概ね共通しており、前半のラブラブ模様からうって変わって後半では寝取られモノとなる連作「しのぶれど」を除けば作品の雰囲気は穏やかなものとなっています。
ケンタウロスという異種族であり、実は腹違いの妹でもあるヒロインとの禁断の愛を描く「幕末ブリード」シリーズは、意外にシリアスな事態となる困難やトラブルを乗り越え、主人公がヒロインへの想いを貫くことで種族や禁忌を乗り越えた清い愛が叶えられるストーリーとなっており、人外ヒロインとのラブストーリーとして正統派の魅力を備えています。
牛人ヒロインと搾乳を学ぶ学生君との交流やら、イエティを探しにヒマラヤまで探検にきた日本人青年と熊の亜人であるイエティ娘(ミィティ)との出会いやら、人間に捕まってしまった海獣人の少女と研究員の男性のお話やらと、設定も多彩でそれぞれの舞台設定の中で人間と人外ヒロインとの関係性の在り方を作り込んでいるのも魅力的。
IfYouLikeThisBody2.jpg  また、人外ヒロインの扱いなども含めてインターネット等での認識やネタなどをパロディすることも面白みの一つであり、エルフ美少女がオークに凌辱されるというオーソドックスなネタを逆転させたオーク美女さんによるエルフ美少年孕ませ逆レイプものな短編「ポーク&ビッチ」、知能の高い海獣人(下半身がイルカ)が登場し、人間に囚われたヒロインを救い出すべく「なぜなに学習図鑑」(小学館)の例のイラストよろしく海獣人が攻めてくることになる短編「LOVE SONAR」(←参照 イルカがせめてきたぞっ 同短編より)などはその好例。
  設定の面白さこそが作品の魅力の核であり、人外ヒロイン達のエロさも含めた魅力もあってその面で成功しているのは確かな一方、中編級の十分な分量を有する「幕末ブリード」シリーズも含め、ページ数の少なさのためにストーリー展開に対する十分な説明や設定の噛み砕き方が不足しているのは非常にもったいない短所とも感じます。

【各種体パーツにこだわった人外ヒロインのデザイン】
  人外ヒロインながら人間より長寿であったり成長(加齢)速度が遅かったりするケースはあまりないようで、「幕末ブリード」シリーズで主人公の義母である美人ケンタウロスママンなどの一部キャラクターを除けば、ミドルティーン~女子大生クラス程度の人外美少女さん達が登場。
  凛々しくも優しい性格のケンタウロスさんや、モコモコの体毛と同じくふわふわと柔らかい口調で穏やかな性格の羊娘、北国の村人を助けてくれる恥ずかしがり屋な半身がトナカイな雪女さん、両性具有ながら主人公の少年のために女の子側に性決定しようとする夢魔族の少女などなど、多彩な人外ヒロインが勢揃いしています。
男性キャラクターとしてエルフボーイを登場させる短編「ポーク&ビッチ」を除き、男性主人公は人間であり、彼女達との体の構造や文化・習慣の相違といったものを乗り越えると同時に、彼女達の人外としての魅力に惹かれることで幸福に結ばれており、時々お馬鹿なキャラクターもおりつつ善人であることは共通。
IfYouLikeThisBody3.jpg  人外ヒロインの魅力である、異種族としてのボディデザインはキャラクターの設定の多彩さと同様に様々に用意されており、下半身が完全に馬であったり海獣であったりする人間の基本体型から外れたタイプもいれば、四肢が翼であったり獣であったりで2足歩行することは共通するタイプも存在(←参照 トナカイ娘な雪女ヒロイン 短編「スノーマン イズ デッド」より)。牛娘ヒロインのたわわなメイン巨乳の下部にある複乳や、各種ケモ耳や鬼娘のツノなど、丁寧にキャラデザに組み込んでいますが、顔の造作は人間としての美女・美少女で固定しており、いわゆる“マズル”があるタイプのケモ娘はいませんので、そこらが好きな方は要留意。
  なお、人外ヒロインということもあってふたなりキャラが登場したり、美少年鬼ボーイ弟&鬼ガール妹に襲われちゃうシチュエーションがあったりなので、フタナリやショタセックスが苦手な方は留意されたし。
  初単行本ということもあって、絵柄は一定の変遷を見せていますが、初期作でも絵としての魅力が低い訳ではなく、十分な作画密度を打ち出しつつ、コメディタッチなデフォルメ絵なども含めて人外ヒロイン達のエロ可愛さを十全に引き出しています。

【高密度のエロ演出で彩る人外ヒロイン達の痴態】
  各エピソードのページ数が少なめであるため、物理的にエロシーンの分量は強く制限を受けており、たっぷり長尺の濡れ場で人外ヒロインとラブラブHに励みたいと思っているとボリュームに物足りなさを感じる可能性は相応に高め。
とは言え、人間と共通する柔らかい唇やもちもちおっぱいなどに加え、ふわふわの体毛であったり、筋肉で締まったお馬さんボディであったり、母乳が溢れる牛さんバストであったりと、人外ヒロイン達の魅惑のボディを満喫できるエロ描写は人外ヒロイン好きにとっての福音であることは間違いなく、その独自性が量的な物足りなさを補っているとも評し得るでしょう。その一方、特にケンタウロスなどでは挿入する部分は、そのまんまお馬さんであったりするため、上半身の見た目が可愛くてもちょっとそれは・・・という方には不向きかもしれません。
  羊娘さん剃毛プレイや、牛娘さんの搾乳プレイ、忍者な蝙蝠娘さんが影分身して一人ダブルフェラなど各ヒロインの設定を活かした特殊プレイも投入しつつ、たっぷりバストでのパイズリや、お口ご奉仕、ショタヒロインとのち○こ合わせなどなど、オーソドックスなプレイも投入しつつ、人間と見た目が異なる彼女達との前戯プレイはユニークな印象を有します。
すっかり発情しだした人外ヒロインに辛抱たまらず挿入すれば、特に大型哺乳類の特徴を併せ持つ人外ヒロイン達は高い基礎体温故に、ホッカホカと熱い媚肉がたっぷりの淫蜜と共に人間ち○ぽを受け入れてくれており、手マンのシーンなども含め膣内の粘膜が肉棒や指に絡みつく様子を断面図等で強調。
IfYouLikeThisBody4.jpg  ページ数の不足を補うもう一点の特徴は、エロ演出の強度・密度の高さであり、人間ち○ぽを受け入れてパワフルなピストンを受けれているヒロイン達は、くしゃくしゃに乱れた表情やトロンと蕩けた表情などを曝け出すと共に、涙や涎、愛液などの体液と書き文字で表現されるこれまた乱れ、呂律の回らない嬌声・エロ台詞を連呼しており(←参照 短編「SHIS ジオグラフィック-イエティ探索編」より)、陶酔感の強さが絵としてのカロリーの高さに直結しています。
  すっかり乱れまくった人外ヒロイン達の痴態に更に高まる性欲を叩きつけ、フィニッシュはアクメに溺れてビクビク反応する彼女達の子宮口にち○こ先端をキスさせ、子宮内に白濁液を勢いよく注ぎ込むことで種付け完了となっており、断面図を帯同させたヒロインのアクメ描写でパワフルに〆ています。

  ストーリー面でもエロ面でも人外ヒロインの魅力がたっぷりと詰まった作品集であり、二次元エロの豊饒さ・多様性を感じさせてくれる珠玉の1冊。欲を言えば、魅力的な設定・キャラクターをもっと長いページ数の作品で楽しませて頂きたいとも感じます。
個人的には、ケンタウロス属性大充実な「幕末ブリード」シリーズ、牛娘ヒロイン搾乳エッチな短編「搾乳学園」、褐色ロリボディのイエティさんが可愛い短編「SHIS ジオグラフィック-イエティ探索編」が特にお気に入りでございます。人外ヒロイン好きはマストバイですよ!

MARUTA『長身で無口の彼女が発情してきたらエロいよね?』

MyHoneyIsTallReticentAndErotic.jpg ヨシノサツキ先生の『はんだくん』第4巻(スクウェア・エニックス)を読みました。HHHの面々もまぁいつも通りのトンデモストーカーぶりを示していますが、美画部部長氏の踏み外しっぷりに色々と心配になりました(笑
今回初登場な図書委員のかすみちゃん、ヤンデレ気味ですが、前髪を上げたら美少女という王道キャラで結構お気に入りでございます。

  さて本日は、MARUTA先生の『長身で無口の彼女が発情してきたらエロいよね?』(富士美出版)のへたレビューです。なお、先生の前々単行本『柏崎美紀はいろんな場所で全裸散歩してみた。』(ワニマガジン社)のへたレビュー等のレビューも併せてご参照下さい。
繊細な情感の漂う青春ラブストーリーと柔らかく熱っぽい陶酔感に包まれる性描写が魅力の作品集となっています。

MyHoneyIsTallReticentAndErotic1.jpg  収録作は、同性から人気のある無口でクールな長身美少女と友達以上恋人未満の関係にある主人公であったが彼女は百合漫画が大好きで!?な中編「百合好き彼女は百合彼女ができない」全5話(←参照 可愛い系男子&長身クール美少女 同中編第1話より)、夏の暑い日、主人公はミステリアスな同学年女子がオナニーをしている姿を目撃し、徐々に彼女の妖しい魅力に惹かれていき~な中編「色は匂へど散らざるを」全4話。
1話当りのページ数は全て20Pとコンビニ誌初出としては中の上クラスで固定。余韻も含めて味わい深さのあるストーリーにはじっくりと読ませる存在感があり、その上でエロシーンの分量も標準的な水準を確保しています。

【心情描写の切れ味の良さが魅力の青春模様】
  風景などの情感描写も含め、登場人物達の感情の機微を細やかに、かつストレートにではなく余韻や想像を呼び込む様に描く青春ラブストーリーを得意とする作家さんであり、今単行本も変わらぬ作風を示しています。
  クールな美少女キャラクターが自分の前だけではエッチな部分も含めてその“素”を曝け出してくれるという状況の中編「百合好き彼女は百合彼女ができない」、ミステリアスな少女と幼馴染の元気ガールとの三角関係となる中編「色は匂へど散らざるを」とは共にラブコメ的に定番の設定・状況を投入していますが、テンプレ的な展開に陥ることはないのもこの作家さんの特長と言えるでしょう。
中編「百合好き彼女は百合彼女ができない」では、ショタ的可愛らしさのある男性主人公を長身美少女に“愛玩”される存在として描くのではなく、百合好きである彼女さんに異性として意識されていないのではないかという不安、そして無口な彼女の“真意”に近づこうと努力する成長劇としての側面もあり、双方が歩み寄っていき本音を明らかにし合うことでハッピーエンドへと至ります。
これに対し、中編「色は匂へど散らざるを」は、ミステリアスな美少女と元気なスポーツ少女という対照的なヒロインを擁して三角関係を形成し、“花”としての寿命を意識して生き急ぐミステリアスな少女と、三角関係に焦り健気な姿を見せる少女とをそれぞれ異なる情感で描きつつ、最終的には三者三様に結ばれない悲恋として終わらせています。とはいっても、悲恋のセンチメンタリズムに浸ることなく、各人の成長と何処か希望を示すラストエピソードにまとめているのも味わい深さがあります。
d6f725d7.jpg  どちらの作品においても、喜怒哀楽、嫉妬や興奮といった感情をビビットに描き出すことに加え、要所要所でも恋や性に関する登場人物の心情の吐露が印象的に描かれており(←参照 募る想いは叶うのか 中編「色は匂へど散らざるを」後編(第3話)より)、時に切ないシーンを鋭く、時にハートフルなシーンを温かく描き出す心情描写の巧さは特筆すべき美点でしょう。
中編「百合好き彼女は百合彼女ができない」の微笑ましく新たな希望に満ち溢れたハッピーエンド、中編「色は匂へど散らざるを」の“青春期の終わり”の寂しさを漂わせつつも“大人”としての成長を感じさせるラスト、共に作品の流れを綺麗にまとめた〆方と評し得ます。

【しなやかなスレンダーボディの黒髪巨乳ヒロイン】
  青春ストーリーということもあって、登場人物達が“大人”な20歳となった中編「色は匂へど散らざるを」完結編を除き、男性・女性とも思春期後半の高校生で統一。
  百合漫画が大好きで無口で、同性に好かれるクール系黒髪ロング美少女という中編「百合好き彼女は百合彼女ができない」は、属性の塊の様で健康的な色香とイケメンっぽさもある中性的な美しさがあるヒロインと、逆に女の子っぽい可愛らしさのある低身長ボーイの主人公との組み合わせで、おねショタ・疑似百合カップル的な趣向もありますが、ストーリーの本質はあくまで思春期の男性と女性の対等な関係性として描かれているのは前述の通り。
7eeeafb2.jpgまた、中編「色は匂へど散らざるを」では、妖しい色気を漂わせ、“花”としての自分を意識しながらセックスに溺れる黒髪ロングの美少女と(←参照 散る前に急ぐ中編「色は匂へど散らざるを」中編(第2話)より)、主人公と気軽に話せる幼馴染的ポジションで健康的な色気のあるボサボサヘアのスポーツ少女とで、妖しく退廃的な色香と素直で健康的な色香を対照的に描いているのが特徴的です。
  女体のデザインとしては、スレンダーさのあるボディが特徴的であり、適度に柔らかなお肉で包み込みつつ、腰骨や肋骨、大腿骨などの骨の存在感を適度に感じさせており、何処か華奢な印象があるのは、思春期という限られた期間の失われやすさを表現している様にも感じます。
とは言え、痩せて弱々しい印象は女体描写になく、繊細さと同じく健康的な印象も十分にあり、豊かなバストや締まりながらも適度な肉付きのあるヒップなどにストレートなセックスアピールはあります。全体的なスレンダーさもあって、端正で綺麗な肢体という印象が先行しています。
  畳の香りや夏草の草いきれ、鳴り響く蝉の声など、性と生の躍動を感じさせる夏の風景描写も魅力的であり、アナログ作画的な濃淡の付け方や描線の強弱が高い表現力を持つ絵柄は、この作家さん独自の魅力と感じます。

【瑞々しい精気に溢れた貪欲さのあるセックス描写】
  ストーリー重視の作風と言えますが、エロとシナリオの量的バランスがよく、またストーリー展開とセックスシーンの投入の調和がよく取れていることもあって、話の展開を楽しみつつ実用的読書もエンジョイできる作品構築。
  中編「百合好き彼女は百合彼女ができない」では長身ガールと低身長ボーイの和姦エロを基調としつつ、青姦プレイやショタボーイが女装しての疑似百合セックスなどのシチュエーション変化、中編「色は匂へど散らざるを」ではミステリアスな少女に誘われるままにセックスをする倒錯的な性行為や、幼馴染ヒロインが健気に自らの処女を捧げる和姦エロなどのシチュエーションを用意。
いずれにしても、性行為を通して相手により惹きつけられていくという描き方となっており、ヒロイン達のキャラクターとしての魅力もあって情感と熱気がこもる作中の空気へと読み手が引き込まれていく描き方となっているのは、和姦エロとしての醍醐味を備えていると感じます。
  場面場面の雰囲気については、倒錯的であったり退廃的であったりな味付けをすることはありつつ、多少アブノーマルなプレイも絡めていますが、惹きつけられた相手の肉体を強く求めていくという描き方は共通しているため、肌の触れ合いや直向きなピストン運動などごくオーソドックスな行為を若さのエネルギー豊かに紡ぎ出すスタイルと言えます。
MyHoneyIsTallReticentAndErotic4.jpg  エロシーンにおいて決して台詞表現が多い訳ではないものの、性行為や相手に対する感情が滲み出す表情付けや台詞回しを特徴としつつ、じっとりと濡れた柔肌や乱れる黒髪、お互いに余裕を失った表情と台詞で腰を振り合うピストンの描写などは、思春期ガールズ&ボーイズらしい瑞々しい性欲の直向きさを備えており、同時にむせ返る様な熱気や精気を感じさせるのが◎(←参照 女装して青姦中 中編「百合好き彼女は百合彼女ができない」第2話より)。
  ぬちゃぬちゃと滑った水音を奏でる結合部を見せ付け、各種液汁描写なども含めて精気を伴う生々しさを感じさせるピストン運動は、駆け抜ける絶頂に感極まった嬌声を上げ、体をしならせて反応するヒロインに中出しをきめて両者KOな様子を大ゴマ~1Pフルで描いており、殊更な派手さ・過激さは排する一方で、等身大の力強さとでも言うべき盛り上がりを感じさせています。

  片方は微笑ましくも双方が頑張る青春ラブストーリー、片方はミステリアスで思春期の儚さを感じさせる悲恋系と趣向が異なりますが、共に繊細な心情描写で思春期の男女の魅力を描き上げた作品と言えるでしょう。
個人的には、完結編にて通常のトライアングル・ラブな作品とは異なるユニークなまとめ方をした中編「色は匂へど散らざるを」が大変印象的でした。

たらかん『右手が美少女になったからセックスしたけど童貞だよねっ!!』

IsThisSolosexWithMyHands.jpg TVアニメ版『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』第7話「SOXが作りし者」を観ました。こすりちゃん、あざとさ満点の演技を含めた腹黒キャラとしてキャラが大いに立っていましたが、それ以上に感情に合わせて髪形の、カリ的な部分が変化するのが強烈な印象を残しましたね。
しかし、アンナ先輩、狸吉に襲い掛かる際の動きと言い言動と言い、既にモンスターか何かなのでは・・・。

  さて本日は、たらかん先生の『右手が美少女になったからセックスしたけど童貞だよねっ!!』(ティーアイネット)の遅延へたレビューです。なお、先生の前単行本(初単行本)『おしっこは飲み物です!』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
荒唐無稽な展開から生じてくる意外にもハートフルな恋愛ストーリーと強烈な陶酔感で包み込むエロ描写が楽しめる1冊となっています。

IsThisSolosexWithMyHands1.jpg  収録作は、真面目なサラリーマンである主人公(30歳オーバー・童貞)が女神さまから魔法の力を与えられ、右手、次いで左手が美少女化してしまい、彼女達とのエッチを楽しむことになるも、主人公のことを好きな同僚女性(30歳・処女)から告白されて!?な長編「ハンドインラヴァーズ」全5話(←参照 両手に花ならぬ“両手が花”状態 同長編第2話より)+描き下ろし番外編(3P)。
描き下ろし作品を除き、1話当りのページ数は26~42P(平均33P強)と標準を優に上回るボリューミィな構成。長編ストーリーとして相応の読み応えがあり、またエロの満腹感も明確に図られた安定感のある作品構築を示しています。

【奇妙な設定のインパクトと全体のテーマ性の良さの融合】
  前単行本と同じくインパクトの強い単行本タイトルであることに加え、話の内容も自身の右手と左手が理想的な美少女になってエッチ三昧と言う何とも破天荒なファンタジーを展開しており、序盤での掴みがそもそも強力。
如何に美少女化しようとも自分の手であることは変わらないので、彼女達との性行為は結局“自慰行為”であるという構図は面白く、自慰行為のように理想的な相手との性愛が棚ボタ的な幸福感と共に描かれていますが、本作はその閉塞的な幸福に閉じこもることを良しとしていません。
  主人公への恋愛感情を持つやはり性経験のない女性の一途さ、それ故の嫉妬とそれに付け込む女神さまの策動もあって物語は大きく動いていくのですが、その展開における大きな構図は“自慰行為”の中に閉じこもることと、“他者との性愛”へと動いていくこととが天秤にかけられるということになります。
44a8272f.jpg主人公自身の幸福を願う右手ちゃんと左手ちゃんの後押しもあって、葛藤の果てに主人公は“他者”との性愛を選択するのですが、“自慰行為”の対象である二人を切り捨てるのではなく、彼女達の想いを受け取り自身に再び取り込むことで、“他者”との性愛・信頼関係を確かなものにしていくという描き方が本作の大きな特色と評し得ます(←参照 二人はここにいる 長編第5話より)。
  象徴的に描かれる自慰行為、もしくはそれに付随している性的なファンタジーを単に否定し、切り捨てるのではなく、それを自分自身として認め再融合するという描き方は、エロ漫画を含めて性的ファンタジーを愛する読み手にとって強い親近感を呼び込むものと言え、本作の魅力を大きく高める要因と言ってよいでしょう。
荒唐無稽な設定を擁しながら、主人公も、彼の右手・左手である女の子コンビも、そして“他者”に相当する女性・佐々木さんいずれも誠実な人物であり、彼らの選択や行動理念が非常に健全であるのも、彼らがいずれも報われることになる心温まるラストシーンの余韻を心地よいものにしてくれました。

【性格とボディデザインが好対照な両腕ヒロイン】
  それぞれ立場は異なりつつ3人の女性キャラクターはいずれもメインヒロインと言えるのですが、そもそも主人公の右手と左手である美少女二人は年齢不詳。主人公と同一であるとすれば、同じく30歳である同僚の佐々木さんと同じく30代なのかもしれませんが、見た目はミドル~ハイティーン級の美少女なので安心されたし。佐々木さんも設定年齢に比して若々しい美人さんとして描かれています。
  元気で明るい性格の右手・美希ちゃんと、おしとやかなお嬢様キャラでありつつ少々腹黒タイプの左手・左利ちゃんは左右だけに色々と好対照なキャラクターであり、利き手である右手ちゃんの方が主人公を気持ち良くするテクニックが上手く、利き手でない左手ちゃんは初期にはやや動きが単調など、“手”であることの設定をエロ面で取り込んでいるのは面白いところ。
また、メインヒロインの一角である人間の女性・佐々木さんも何故その年で処女なのか分からないくらい魅力的で優しい女性として描かれており、どちらを選ぶのかという葛藤を強める要素にもなっています。
IsThisSolosexWithMyHands3.jpg  右手ちゃんが短髪でスレンダーな体幹にすらっとした四肢に、お手頃サイズの並乳やお尻をお持ちなボディに対し、左手ちゃんは黒髪ロングで程好い肉付きの体幹にたっぷり巨乳をお持ちな肉感ボディと性格同様にボディデザインも対照的(←参照 長編第2話より)。加えて、佐々木さんも柔らかな巨乳をお持ちな肉感的なボディデザインとなっています。
  なお、描き下ろし番外編で(性的な意味で)大変なことになってしまう女神さまですが、状況を引っ掻き回し続ける上に肝心なところでさほど助力してくれないという存在で、ある意味では人の個別事情などあまり考えてくれない“神”として描かれている様にも感じます。
  描線の濃淡に多少の変動を感じることはありますが、表紙絵と完全互換で単行本を通して安定する絵柄は適度にキャッチーで訴求層の広いモノ。喜怒哀楽の感情表現を漫画チックにチアフルに描き上げているのもストーリーの面白みを増す要素と評し得るでしょう。

【高い演出密度が生む強い陶酔感の痴態】
  各エピソードに十分な分量があることもあって、ストーリーを円滑に進展させつつ十二分な分量でエロシーンをたっぷり用意している為、抜きツールとしての信頼性は高くなっています。
  初心な右手ちゃんと強制自慰行為をしちゃったり、右手ちゃんと左手ちゃんが主人公を気持ちよくさせる競争をするウハウハ3Pがあったり、嫉妬と女神さまが与えた魔力の性で暴走した佐々木さんがフタナリ化し、右手ちゃんと左手ちゃんに(性的な意味で)襲いかかったり、佐々木さんの想いが叶う処女喪失ラブラブHがあったりとエロシチュエーションはなかなかに豊富。
特に右手ちゃんと左手ちゃんが登場するエロシーンは、主人公を気持ちよくしようと健気に頑張る姿勢が明瞭であり、主人公にとって理想的な美少女である彼女達との性行為は、自慰行為の快楽や幸福感を視覚的なものも含めてブーストさせたものであることが大きな特色と言えるかもしれません。
  魔法の力が登場する作品なので、初期段階ではヒロインと体が有線よろしくつながっていたり、佐々木さんにおち○こが生えて両腕ヒロインを襲ってフタナリレズ3Pセックスが展開されたりと、特殊な構図・状況になることもありますが、プレイ展開としては概ねオーソドックスであり、色々と勝手知ったる主人公のち○こをフェラやパイズリやらで気持ち良くするご奉仕前戯パートと、彼女達に挿入して感じさせまくる抽挿パートで構成。
IsThisSolosexWithMyHands4.jpg  エロ演出については、擬音や液汁表現といった手法を密度高く盛り込むと同時に、表情変化や断面図等で表現する抽挿状況などを次々と切り替えていくことで情報量の高さを生み出すスタイルと言え(←参照 表情変化3連発コマ 長編第1話より)、場合によっては小ゴマの連続等で画面が込み入ってしまうこともありますが、体感的なボリューム感と勢いの強さを感じさせるのが美点。
エロシーン終盤では激しいピストンや性感帯への責めで、アクメ連発して色々な液体と体を駆け抜ける快感に塗れたヒロインが強烈な陶酔状態に陥りながら行為を更に深めていくパワフルな流れを形成し、見開きを意識したインパクトのある画面配置でトドメのアクメに絶叫しながら白濁液を受け止めるヒロインのハードな痴態を提示して〆ています。

  アイディアの面白さでインパクトを叩き出しつつ、ストーリー全体がしっかりと構成されていたのが大きな長所と言え、エロの勢いの良さもあって、エロとシナリオの両面で評価を高くしていた長編作と感じます。
“怪作にして快作”という評を個人的には進展したい所存。

オクモト悠太『乳恋!』

OppaiEmotion.jpg オカヤド先生の『モンスター娘のいる日常』第8巻(徳間書店)を読みました。今回も様々なモンスター娘達が登場して、ダーリンが色々とエロ的に美味しい思いをしておりますが、それぞれのモン娘にパートナーが居て、ライバルが増えずにミーア達は一安心ですかね?
今回は、キャトルさんの爆乳ミルク搾り、大変眼福でございました!

  さて本日は、オクモト悠太先生の『乳恋!』(ワニマガジン社)のへたレビューです。先生の前単行本(初単行本)『乳じぇねれーしょん』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
エッチで綺麗な巨乳美少女&巨乳お姉さん達の柔らかバストをたっぷり楽しめる汁気たっぷりエロが詰まった作品集となっています。

OppaiEmotion1.jpg  収録作は、サバサバ系美人の体育教師さんとおっとり優しい美女(実はドS)の国語教師さんのダブル美人教師に主人公の股間が狙われて!?な短編「トゥ・ハンターズ」(←参照 美人教師コンビの童貞喰いアタックだ! 同短編より)+描き下ろし後日談8P、紳士で優しい彼氏君がなかなか手を出してこないことを心配した彼女さんが催眠術の力を使って彼の本音を~な短編「言いなり!コンフュージョン」+描き下ろし後日談10P、および独立した短編8作。
描き下ろし作品を除き、1作当りのページ数は16~22P(平均19P強)とコンビニ誌初出としては中の上クラスのボリュームで安定。ストーリー性はあまり強くありませんが、読み口の良さは保たれており、その上でおっぱいが充実したエロシーンを十分量お届けという鉄板の構成を示しています。

【多彩な方向性ながら印象の差異は小さい作劇】
  基本的にはヒロインのたっぷり巨乳を楽しむシチュエーションをお膳立てすることに専念するシナリオワークであり、ストーリーとしての面白さには欠ける一方で、短編としてコンパクトにまとまりのよい起承転結の構成やポピュラーな展開に由来する読み口の良さはいずれの作品でも共通しています。
  その一方で、シナリオの方向性は比較的多彩であり、微笑ましい青春ラブストーリーやお姉さん誘惑モノといった、穏やかさ・幸福感を魅力とするタイプの作品を中心としつつ、主人公である店のマスターに熱烈なラブアタックをかけるメイドちゃんを輪姦お仕置き(短編「メイド・イン・アンダーヘブン」)や、取引先で再開した先輩(人妻)との不倫セックス(短編「雨夜の月に恋して」)など、ダークであったりインモラルであったりな雰囲気を持つ作品も存在。
とは言え、暗さ・重さは前面に押し出さないのは前単行本と同様の路線であり、凌辱・ネトラレ的な展開を持つ短編「メイド・イン・アンダーヘブン」でも、不倫セックスである短編「雨夜の月に恋して」でも、主人公とヒロインの関係性はむしろポジティブに強化される描き方をしており、ヒロインの希望が叶えられる可能性を示唆している為、読み口は概ね良好に保たれていると評し得るでしょう。
OppaiEmotion2.jpg  メインである恋愛ストーリーやお姉さん誘惑話なのでは、初々しい恋愛のドキドキ・ワクワク感なども描かれていますが、それらの甘酸っぱさを丹念に描くというよりかは、むしろエッチへと至る棚ボタ的な幸福感を意識させる展開がメインと感じます(←参照 彼女さんのお母さんのエッチな誘惑だ! 短編「想定外カノジョ」より)。
このため、甘く優しいラブラブ感に浸りたい諸氏には物足りなさがある可能性はありますが、ヒロイン達は主人公への好意や男性を包み込む優しさ込みで積極的に誘惑したり、セックスしたりという展開でもあるため、性欲任せのガツガツとした展開ではなく、適度に甘さ・優しさのある幸福感が漂っているのが魅力でしょう。
  コメディとしての笑いの勢いや、ストーリーのフックなどには欠けるので、お話としての面白さや意外性を求めるのは避けるべきでしょうが、この“穏やかな幸福感”で読み手の脳を蕩かせ、これまた平和なラストまで安定した流れを維持する手腕はこの類の作品として確たる加点材料と評し得ます。

【弾力感と張りのある柔らか巨乳な美少女&美女】
  女子高生級の美少女さんと女子大生ガール達が半数強を占めつつ、20代半ば~後半と思われる勤労女性達も登場すると共に、推定年齢30代後半程度ながら非常に若々しい外見である彼女のママさんという年増美人も登場。
女教師さんや先輩といった主人公に対して年上の女性キャラクターも目立ちますが、主人公の少年と同年齢というカップルの登場頻度も高め。可愛らしさを目立たせる美少女キャラクターと、可愛らしさに大人の色気をプラスさせたお姉さんキャラクターとである程度の描き分けは為されていると感じます。
  コンパクトにまとめている分、ヒロインの心情描写の掘り下げなどはあまり為されていない一方、方言ガールや幼馴染キャラ、エッチなお姉さんキャラクターなど、様々なキャラクター属性を付与してそれを核として分かり易さのあるキャラクター性を構築するスタイルと言えるでしょう。
また、この属性面も含めてヒロインの設定が多彩であることから、学校の制服やスク水、メイド服に浴衣、ホットパンツにナース服など、多彩な衣装が用意されているのはこの作家さんの武器とするところであり、コスプレH的な趣向を持つ作品もあります。
cb7fd411.jpg  この様々な衣装から露わになるのは、弾力感の溢れる柔らかなお肉がたっぷり詰まったビックサイズなおっぱいと、これまた柔肉がはち切れんばかりに詰まったジューシーな桃尻を兼ね備える肉感ボディ(←参照 たぷんたぷんおっぱいだ! 短編「凸凹LOVERS」より)。お姉さんキャラを中心に比較的等身の高い長身ボディが目立つ印象であり、その肉感ボディに抱き着いて柔らかお肉に包まれる様はシナリオの幸福感を補強するものとなっています。
  現代的なキャッチーネスを潤沢に備えるアニメ/エロゲー絵柄は、女の子達の可愛らしさや年上ヒロインのアダルトな色気をクドさを排して詰め込めており、丁寧なトーンワーク等もあって適度な濃密さと華やかさを兼ね備えた画風は魅力的。今単行本は2冊目ということもあって、絵柄の統一感は更に高まっています。

【ベーシックな演出を高質に施すおっぱい充実エロ】
  標準的な尺を有するエロシーンは、前述した様に輪姦凌辱や催眠セックス、お姉さんによる逆レイプといった倒錯的であったり背徳感があったりするエロシチュエーションも存在しますが、基本的には和姦エロメインであり、柔らか美巨乳の魅力も存分に味わえる仕様。
  エロ展開の組み立ての傾向として、エロシーン序盤における体の接触やヒロインの淫らな誘惑といったドキドキ感をかき立てる描写、およびそこから移行する前戯パートでのご奉仕プレイやもちもち女体への愛撫といった描写に十分な尺を設けることが特徴でしょう。ページ数によっては抽挿パートを量的に圧迫することもあるため、好みは分かれるかもしれませんが、前戯等の描写も含めてフィニッシュシーンまで興奮をじっくりと高めていくスタイルと評し得ます。
  言うまでもなく、ヒロイン達の胸部にあるたわわな果実はエロシーンの全編にわたって活躍しており、エロ展開の最序盤における“当ててんのよ”やら透けおっぱいやらといった描写でおっぱい星人諸氏の視線を釘づけにすると共に、前戯パートにおける乳吸いや乳揉み、たっぷり巨乳で肉棒を包み込むパイズリ描写、抽挿パートにおけるおっぱい鷲掴みピストンや、谷間に顔を挟んでの抱き着きピストンなどを次々と投入。
OppaiEmotion4.jpgこのたっぷりバストに加え、やはり肉付きの良いもっちりヒップも活躍するなど、肢体の存在感を強力に押し出したエロ描写と言え、エロシーンでは汗やら涙やら各種お汁などやらの液汁表現を添加することで、女体にシズル感を強く打ち出していることが煽情性を大きく高めていると言えます(←参照 乳揉み正常位! 短編「DokiDoki ハートビート」より)。
衣装や液体表現なども含め、十二分に高い作画密度を誇るエロシーンですが、演出手法自体は比較的マイルドな方であり、描き文字で表現されるハートマーク付きエロ台詞や各種擬音は比較的小さ目だったり、表情変化も強く付けずに熱っぽくトロンと蕩けた表情で安定させたりと、肉感的なエロボディの魅力を邪魔しないシンプルな味付けと感じます。
  前戯パートでのフェラやパイズリからのぶっかけや乳間射精と、抽挿パートでの中出しフィニッシュを組み合わせる2回戦仕様が基本であり、すっかり蕩けて積極的に快感に浸るヒロイン達をパワフルなピストンで圧倒する終盤から、がっつり中出しを敢行してとろんとろんに蕩けきったアクメフェイスと汁が噴き出す結合部をアピールする大ゴマ~1Pフルの描写で〆ています。

  ヒロインの多彩さがシナリオやエロシチュエーション、衣装などの多彩さに直結しており、その上で読み口の滑らかさやもっちり巨乳の感触をたっぷり楽しませる基幹要素の安定感を感じさせています。
個人的には、肉食系美女な女教師コンビに襲われちゃったり精一杯な反撃だったりな短編「トゥ・ハンターズ」、および二人がブルマ体操服&スク水コスプレして3Pな同作のおまけ短編に愚息が大変お世話になりました。おっぱい星人な諸氏にお勧め!

鈴木狂太郎『JC’S EX』

JCsEX.jpg 九井諒子先生の『ダンジョン飯』第2巻(エンターブレイン)を読みました。オークの一団がエルフのマルシルさんを“ブサイク”扱いしているのが種族の違いによる美醜の概念、文化的な価値観の違いを如実に物語っていて面白かったです。オークと言えばエルフ凌辱なのに
お料理ネタで楽しませつつ、城の謎やダンジョンの探索を着実に語っているのも流石の構成力と感じます。

  さて本日は、鈴木狂太郎先生の『JC’S EX』(ヒット出版社)の遅延気味へたレビューです。私の多忙と遅筆により、前単行本・前々単行本が未レビューで申し訳ないのですが、3冊目の成人向け単行本『魔法教えました!!』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
快楽に身悶えする華奢ボディな思春期ガールズ達の、生としての性が生き生きと描かれる作品集となっています。

JCsEX1.jpg  収録作は、病により若くして死期を迎えた少女が霊体となった時に自殺しようとしていたクラスメイトの少年の霊魂に遭遇し、彼を救うために一時的に甦ったものの~な連作「この広い青空の中でSEX」前後編+フルカラー幕間劇4P(←参照 死に向かう少年と少女は 同連作後編より)、および読み切り形式の短編・掌編7作。
前単行本『戦車コレ』の宣伝漫画である掌編(4P)、およびフルカラー幕間劇を除き、1話・作当りのページ数は16~34P(平均25P弱)と幅はありつつ平均値としては標準を多少上回る水準のボリューム。短編メインですが、話としての読み応えはしっかりとあり、情感のこもったエロシーンを抜きツールとして十分のボリュームで織り込んでいます。

【少年少女達の“死”と“生”および“性”】
  これまでの単行本では長編メインであり、今回は落穂拾い的な短編集ではあるのですが、登場人物の情動をビビットに描き出すドラマ性は不変であり、またコンパクトにまとまっている故の読みのリズムの良さや、凝縮されたからこその味わい深さがあるドラマツルギーが大きな魅力。
今単行本の特徴は、自身が病死の瀬戸際にありながら自殺しようとする少年を救おうとする少女を描く連作「この広い青空の中でSEX」、駅で飛び込み自殺を試みた少女と彼女をある理由から救うことになったサラリーマンの青年の出会いを描く短編「痴漢とSEX」の様に、登場人物の“死”をテーマ、もしくはメタファーに据えた作品が過半数を占めることでしょう。
ぞれぞれの作品においては、生きることに苦しんで選択する自殺、若くしての病と死期など、仏教概念における四苦(生老病死)のうち“老い”を除く苦を描き出しつつ、その中で浮かび上がってくるのは“死”の対称としての“生”と“性”の価値と評して良いでしょう。
3d9ab58e.jpg  例え若者であっても、生きることの苦しみ・死に至る絶望があることを淡々と描き出しつつも、それを乗り越え、登場人物の彼ら彼女らを、彼ら彼女らとして生かし続けるのは“性愛”であるという描き方は(←参照 私は私として生きていい 短編「痴漢とSEX」より)、迸る様な活力の可能性を有している思春期の性愛だからこそしっくりと来ると感じます。
短編「カラテガールがSEX」「fortissimo」の様に、直接的もしくは間接的に“死”を描かない作品においても、思春期のエネジェティックかつ繊細な心に“性愛”というものが与える影響の大きさを、時に活力豊かに、時に淫靡に描き出しており、雰囲気の陰陽を超越して、“性”というものの豊かさと多様性を描き出していると評し得るでしょう。
  時に切なく、時に温かく、時にダークな余韻を残す各作品のラストでありつつ、それぞれの登場人物達が性愛を通して得たものを糧として自らの道を歩み続けることを強く印象付ける描き方であり、大半の作品において爽やかで頼もしさのある、読み手の応援を呼び込むようなまとめ方となっているのも非常に好印象です。

【華奢ボディ&膨らみかけバストの思春期ガールズ】
  単行本タイトルにある通り、ヒロインの年齢層はローティーン級の女子中○生であり、思春期入りたての女の子達。
思春期故の繊細さや衝動、無謀さを描き出しているのは少女でも少年でも同様であり、例えば自殺であったりセックスであったりと、それ故の“愚行”を描き出しているのですが、それを単に“愚か”と断罪するのではなく、その苦しみを受け止めつつ、生の希望を、性を通して描き出しているのは本作の最たる美点と感じます。
元気娘やお嬢様ヒロインなど、ある程度のキャラクター属性は付与していますが、その属性に依存することは全くなく、突き詰めれば彼らの行動理念は“私は私として生きたい”、そして“他者を生かしたい”という根源的であり、またそれ故に高潔な欲求であることが濁りなく読み手の胸を打ちます。
  短編「fortissimo」の瀟洒なお嬢様ヒロインにも魅力がありますが、その他の作品は如何にも地味で普通の女の子として描かれているのも特徴的であり、であるがこそ、彼女達の普通の欲求としての生と性が端的に描かれているとも評し得るでしょう。
JCsEX3.jpgごく一部のサブヒロインを除けば、華奢な思春期ボディとしてヒロインは描かれており、ほっそりとした四肢を含めて繊細さを感じさせるスレンダーボディに、二次性徴期特有の膨らみを魅せる膨らみかけおぱーいや肉付きの弱いお尻、ツルツル仕様の未成熟な股間を組み合わせた女体が勢揃い(←参照 短編「ランチタイムSEX」より)。
  筆は早い作家さんで精力的に活躍されていますが、これまでの単行本は長編メインということもあって、これまで収録から漏れてきた短編・連作を集めた本単行本は必然的に初出時期が広めであり、絵柄の統一感はやや弱め。古めの作品でも繊細な描線を丁寧に重ねるスタイルは共通していますが、近作ではより素朴な可愛らしさが丁寧に表現されるスタイルになったと感じます。

【エネルギッシュな筆致で描く華奢ボディへのピストン】
  ストーリー性を重視した作風ではありますが、十分なページ数があることもあってエロシーンの分量は抜きツールとして標準的な分量が確保されており、少女達の華奢ボディが激しい感情や感覚に揺さぶられていく様子を活写。
男女双方が合意してセックスという展開が多く、一応は和姦エロに該当する作品がメインとは言えますが、場合によっては捨て鉢であったり、強引さがあったり、単に性的快楽を欲求していたりという描き方も多く、甘いラブラブHをお望みの諸氏は留意されたし。
とは言え、ストレートに性的快楽を望むことは、無味乾燥なものとして描かれておらず、つながる相手を求めること、もっと言えば、“生きる”ことを強く望む行為として描かれており、がむしゃらに腰を振り、快楽を貪り、愛の言葉を叫ぶ登場人物達の描写は性行為の描写と等しくエネルギッシュです。
4af6fd4c.jpgヒロイン側の喜怒哀楽の情も強く出るエロシーンでありつつ、男性側の情念も強く出る描き方であり、そのためセックス描写の際に男性側の表情や体が描かれることも多く(←参照 短編「校舎の窓から愛を叫んでSEX」より)、彼らの直向きな欲望や感情をヒロイン側が心身で受け止める印象を強めています。必要性のある描写ですが、ヒロインのキュートな痴態のみを鑑賞したい諸氏には一定の減点材料かもしれません。
  ヒロインの可愛らしさ、特に表情等についてはそれを減衰させるような演出手法を用いませんが、激しいピストン運動の躍動感や、大きく開かれる結合部、動きに合わせて柔肌から飛び散る汗や擬音、ここぞの場面で用いる2Pまたぎの大ゴマといったパワフルな演出・構図を多用しています。
少女の狭いパ○パンまんこを剛直が押し上げ、子宮口まで擦り上げる強烈な抽挿を結合部見せつけ構図や断面図等でアピールしつつ、精液が迸ると共に、双方が精神的な“何か”を解き放つかの様なカタルシスを合わせ持つフィニッシュシーンへと突入しており、エロ可愛くも激しいヒロインのアクメフェイスと懸命さを感じさせる野郎のいきみ顔もまた実にパワフルでございます。

  短編集ということもあって、ファンタジーもあれば青春ドタバタラブもあり、深刻な話からの救済もあれば、逆に少女の純真を利用する凌辱系もありと多彩な作劇ですが、前述した様に、生としての性、それが思春期の少年少女に与える糧というテーマ性は共通していると感じます。
個人的には、お話・エロ共にアイディア力が光り、かつラストの切なくも温かい雰囲気が素晴らしい連作「この広い青空の中でSEX」が最愛。お勧め!
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