2015年04月

ゼロの者『めちゃくちゃ交尾しよ❤』

FuckHardAsFuck.jpg Panpanya先生の『枕魚』(白泉社)を読みました。細かく、時々怪しさを以て描かれるリアルな背景描写と簡素化された人物描写の対比、エッセイ漫画の様な穏やかな日常感とそれに入り混じる様々な非日常のファンタジーが非常に印象的な短編集でした。
「記憶だけが町」に登場した“マイナーコンビニ激戦区”はちょっと迷い込んでみたいなぁと思いました。


  さて本日は、ゼロの者先生の『めちゃくちゃ交尾しよ❤』(メディアックス)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『シス☆ブラっⅡ』(一水社)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
むにゅんと柔らかな巨乳ボディが汗や淫液にぐっしょりと濡れ、背徳の快楽への陶酔に包まれるエロ描写が詰まった1冊となっています。

  収録作はいずれも独立した短編で計10作。なお、短編「シス☆ブラR」は前単行本および前々単行本に収録された長編「シス☆ブラっ」の番外編となっています。該当作品を読んでいた方が面白みは増すと思いますが、番外編としてまとまっているので単独で読んでも十分楽しめるでしょう。
1作当りのページ数は18~22P(平均19P強)と書店売り誌初出としては控えめな部類で安定。ページ数もあってコンパクトにまとめられた作品構築となっており、エロを量的にメインとして組み立てつつ、シナリオ展開に一定の読み応えを持たせる安定した筆致を示しています。

【お馬鹿エロコメから陰湿な寝取られ系まで多彩な作劇】
  最近では明るく楽しいラブコメ系統の作品や真摯な純愛ストーリーがメインとなっていますが、元々じっとりと陰湿さが沁み渡るダーク&インモラル系の作風も得意とする作家さんであり、今単行本においては後者のタイプが比較的目立っています。
喧嘩で男子を打ち負かす気の強いJCガールが参戦してきたおっさんに敗れて凌辱される短編「おしおっき」、息子の友人に凌辱&調教された上に寝ている息子の横でセックス強要な短編「母、ブヒる」、イケメンの甥っ子に惚れてお家にやってくる恋人候補の女の子達を次々と性的に喰ってしまう叔父の暗躍を描く短編「イレグイ」などなど、ストレートな凌辱系からインモラルな寝取られ系や快楽堕ち系の作品が多く揃っています。
また、男性側の一方的な欲望が発揮される作劇に対し、性玩具によるオナニーや羞恥プレイにハマってしまった少女が不特定多数の中年男性と次々と破滅的なセックスをしていく短編「性欲系女子」、離婚によって幼い頃に分かれた父の家に押し掛けた少女が偶然デリヘル嬢と勘違いされ~な短編「くいちがい」など、ヒロイン側の性的欲求や勘違いから平穏な日常が瓦解するタイプの作劇もあります。
FuckHardAsFuck1.jpg  作劇の方向性としてバットエンド的なまとまりになることも多いのですが、寝取られモノとして必須の寝取られる側にヒロインへの恋人意識がそもそもなかったり(短編「イレグイ」)、スキンシップ過剰なお姉ちゃんを騙して他人に目隠しスワッピングすることになった弟君がすっかり開発されたお姉ちゃんを最終的に押し付けられるという因果応報な結末を迎えたり(←参照 お姉ちゃんが更にドエロになってカムバック 短編「あねったい」より)、ヒロイン自身がおじさん達とのセックスに耽りつつ本当の恋心はちゃんと別にあったりと(短編「トリップアウト」)、マイルドにまとめて陰惨さを軽減する配慮が為された作品も存在します。
  棚ボタ的に巨乳ガールとエッチできることになるエロコメな短編「脂肪❤遊戯」や、夢の中で逢瀬を重ねる姉と弟が現実でもセックスをすることになるインモラル系ながら全体的に穏やかなラブエロ系である短編「シンクローむ」など、明るく平穏な雰囲気の作品もあり、作劇の方向性は多様と言えます。
ラストのまとめ方や作劇の方向性において雰囲気の明暗は様々で、好みが分かれる部分はあると思われますが、いずれの作劇においてもエロへの導入展開やヒロインの心理描写などが丁寧に為されることで一定の深み・読み応えやエロの盛り上げが強められており、堅実な筆致であると評し得るでしょう。

【柔らかくしっとりと濡れる巨乳~爆乳ボディ】
  下はランドセルガールに上は高校生男子の母親である美熟女さんとヒロイン陣の年齢層はかなり幅広くなっています。ミドル~ハイティーン級の美少女キャラクターを中心としつつ、ロリっ子やアダルトな色香のお姉さんまで様々に用意しているのは雑食派の諸氏には嬉しいところ。
FuckHardAsFuck2.jpgロリ系ヒロインでは可愛らしさを、アダルトヒロインでは艶っぽさを込めつつ、若々しく健康的な色香は概ね共通しており、そんな魅力的なヒロインと、獣欲に比例するかのような粗野であったり強面であったりな外見の男性キャラクターを組み合わせるパターンが多いのも特徴の一つ(←参照 中年男性の登場率高し 短編「イレグイ」より)。
父の勘違いと娘さんの引っ込み思案な性格が相まって近親相姦になってしまう短編「くいちがい」では、父親側の心理描写に意味がありますが、男性キャラクターについては単純に欲望の権化であり発言者である様に描かれており、むしろ彼らに弄ばれるヒロイン側の心情描写こそが重要と言えるでしょう。
  裏帯の訴求文にある通り、今回は巨乳~爆乳キャラクターで統一されるという、おっぱい大充実な陣容なっており、ロリ系ガールも小さ目ボディにアンバランスなたっぷり巨乳を備えていたり、健康的な肉付きの巨乳美少女やほんのり垂れ気味の爆乳をお持ちな爆乳美熟女が登場したりと大盤振る舞い。
dd773731.jpgこの巨乳~爆乳の存在感に加え、引き締まったウェストとこれまたマッスたっぷりの桃尻~太腿でストレートなセックスアピールを放つと共に、肌のツヤツヤ感を強調するグレースケールや柔肌をじっとりと濡らす汗などの液汁描写を重ねることで女体の官能性を濃厚に仕上げているのもこの作家さん特有の美点と評し得るでしょう(←参照 短編「おしおっき」より)。
  デジタル作画に移行後、繊細な描線を丁寧に描き込んで絵的な修飾と共に濃度を打ち出す絵柄により端正な印象が強まった感があり、またベテラン作家らしい絵柄の安定感も長所。やや平板さのある塗りの表紙絵に比して、モノクロ絵柄でより奥行きや情報量のある作画になっているのも美点でしょう。

【全編通してねっとりとした愛撫描写が特徴】
  ページ数の関係から、たっぷり長尺のエロシーンが用意されているとは言い難い面もありますが、一定の陰湿さや背徳感が塗り込められていることに加え、徐々に男女双方の性的欲望が色濃く発揮されていく展開もあって、ねっとりとした印象のある濡れ場となっており、体感的なボリューム感は十分に強め。
  上述した通り、凌辱エロや寝取られエロなどの嗜虐性を有するエロシチュエーションが多いことに加え、和姦であっても近親相姦などの背徳感を刺激するシチュエーションがメインとなっていることも特徴でしょう。
とは言え、ヒロイン側の苦痛や恐怖をメインとする描き方ではなく、非日常に転がり込んで味わう背徳的であったり未経験であったりする強烈な快楽にヒロイン達が耽溺し、時に後悔しながら時に自ら進んでその悦楽に心身を染め上げられていく様を強力な陶酔感を以て描くスタイルとなっています。
  前戯パートにおいてフェラとそこからの口内射精やぶっかけといったシークエンスが投入されることもありますが、このパートでは濃厚な愛撫描写に重点が置かれており、汗でしっとりと濡れる柔肌を弄り、むにゅむにゅと水饅頭の如く柔らかい質感の巨乳を揉んだり吸ったり、唾液と舌を絡ませ合うねっとりキスを交わしたりで、和姦・凌辱の別なくヒロインをトロトロに蕩けさせていく流れが実に煽情的。
FuckHardAsFuck4.jpgここですっかり濃厚な陶酔感に包まれたヒロインは、愛撫によって淫蜜をたっぷり漏らした状態になっている秘所に挿入されることで更なる快感の高みを登っていき、トロンと蕩けて潤む瞳や、舌が突き出され唾液が漏れ出る口で彩る蕩け顔や、ハートマークを付随させ喘ぎ声やトリップした様な説明台詞などで快楽に心身を染め上げられた痴態を表現(←参照 蕩け顔&蕩け嬌声&柔らか乳 短編「トリップアウト」より)。
  ねっとり感のある前戯パートに相応の尺を取ることもあって抽挿パートが量的に圧迫されることもしばしばあるのは減点材料になり得ますが、前戯パートに引き続いて乳揉みや口吸いを絡めながら濡れ濡れ肉感ボディをパワフルにピストンするシークエンスから1Pフルの中出し絶頂フィニッシュへと突入することでハイカロリーな〆を提供しています。

  エロ・シナリオ共に作家さんの個性と上手さが十分に示された作品集と感じられ、ヒロイン陣の年齢層と作劇の方向性の多彩さもあって雑食派の諸氏にとってお勧めしやすい1冊。
個人的には、ショートヘア巨乳なJCガールが敗北ヒロイン凌辱の快楽を知ってしまい~な短編「おしおっき」と、完熟ボディのママさんが息子の友人に心身を嬲られる短編「母、ブヒる」に愚息が特にお世話になりました。

無道叡智『ろりちゃらぶ』

LolichaLove.jpg TVアニメ版『SHOW BY ROCK!!』第3話「YES!アイドル❤宣言」を観ました。ケモJCアイドルバンド!小でもない大でもない中ぅぅぅぅぅぅぅ!!・・・クリティクリスタの演奏シーンもとっても可愛かったですね(賢者タイム
勝負には負けましたが、シアンちゃんの頑張りでメンバーの絆をより高めたプラズマジカの演奏シーンもカッコいい&カワイイで本当によかったです。

  さて本日は、無道叡智先生の『ろりちゃらぶ』(茜新社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『えっくすえす!』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
穏やかで程好く甘い雰囲気の中で、キュートなロリガール達とのイチャラブセックスが楽しめる作品集となっています。

  収録作はいずれも読み切り形式の短編・掌編で計11作。なお、短編「その後の彼女たち」は、前単行本に収録されている短編「彼女たちの関係」の後日談的作品となっています。
この後日談短編とフルカラー短編「せのびっち」(共に8P)を除き、1作当りのページ数は12~22P(平均18P弱)と書店売り誌初出としては控えめな部類。基本的には軽い読書感に整えられたシナリオと、長過ぎず短過ぎずの尺のエロシーンでコンパクトにまとめた作品群となっていると感じます。

【ドリーミーに穏やかな雰囲気に整えられたハッピーロリータ】 
  以前には、重苦しい余韻を残すダーク/インモラル系の作品も描いていた作家さんですが、近作ではハッピーロリータ系統の作品への注力が非常に明瞭になっており、今単行本でも明るく楽しく、程好く甘くな雰囲気で少女とのイチャラブ模様を描いています。
121ca6e7.jpg幼いヒロイン達への男性による性的欲望を素直に描出しつつも、それ単体が展開の駆動因となるのではなく、同時にヒロイン達の性的好奇心や(←参照 BL同人で興味を持ったらしく・・・!? 短編「ハードワーカー」より)、恋愛感情故の献身さなどによってセックスへの導入が図られています。
男性側からしてみれば、据え膳な状態であり、読み手の欲望を素直に叶えてくれる描き方ではあるのですが、少女達の性的好奇心や恋愛感情などを人工的な甘さにどっぷり浸して描くというよりかは、あっけらかんとポジティブな筆致で描いている故に、むしろ年齢の離れた男女間の対等性が生じている様に感じられるのは面白いところ。
  少女性愛という倫理的に許されざる性行為を描きながら、背徳感や禁忌感はせいぜい隠し味程度という僅少さであり、作品冒頭から既に恋愛関係や信頼関係が十分に形成されている男女が微笑ましく睦み合う様を描いている分、ストーリー展開としての面白みは少ない一方で、平穏な空気が一貫して流れているのは美点の一つでしょう。
各話のページ数があまり多くないこととも関係しているとは思いますが、一つのエロシチュエーションについて起承転結をしっかりと生じさせつつコンパクトにまとめる安定感も読みやすさ・使いやすさに貢献。
  イチャラブ模様の甘さをたっぷり込めた作品から、単純に女の子がエッチを満喫して大満足といった作品まで、恋愛感情の濃淡には多少の差異はありますが、表帯の訴求文の通りにハッピーエンドでまとまっており、おトボケなコミカルさや微笑ましさなどで読後感を優しくしてくれています。

【ぺたんこバスト&控えめヒップのJSガールズ】
  5年生を中心としつつ4年生も6年生も複数名含んだ、小○校高学年の年齢層でがっちり固められたヒロイン陣であり、無邪気さや屈託のなさ、ポジティブな性的好奇心や純粋オナ恋心などを持った二次元世界のロリータガールとして描かれています。
LolichaLove2.jpgちんまりとした等身の娘さんもいれば、比較的長身ですらっとしたボディの娘さんもいて、成長期ゆえの個人差は多少ありますが、基本的には慎ましい乳首が自己主張するぺたんこバストに寸胴気味なお腹、柔らかい曲線を描きつつも小ぶりなお尻に、ツルツル&スベスベな鏡面仕様の股間という純然たるロリボディを擁していることはいずれの作品でも共通(←参照 “ぱくぱく”という擬音のエロさ 短編「シェイムフル」より)。
  年齢層の狭さ故に肢体造形を強く統一させている一方で、ヒロインの性格設定・キャラクター属性には多様性を持たせており、大人しいけど健気で時に暴走なメガネ文学少女に、明るく元気でちょっとお馬鹿な姪っ子ちゃんや妹ヒロイン、恥ずかしがり屋で健気なJS彼女さんに、童貞オタク男子コンビの童貞切りをしてくれるロリビッチちゃんなどなど、陽性でキャッチーなキャラクター属性を各種取り揃えています。
性格設定に合わせているキャラデザインも比例的に多彩になっており、金髪&日焼け肌のロリビッチちゃんや、黒髪&メガネ&大人しい私服の文学少女などなど、ヒロインの可愛らしさのポイントをキャラクターによって異ならせているのも○。
25fa37f2.jpgまた、このキャラデザの多彩さに付随して、ヒロインの衣装を多彩にしているのも大きなポイントであり、節分に鬼娘コスプレをした元気&お馬鹿娘や、チアコスチュームでお兄ちゃんを応援しようとする妹ヒロイン(←参照 シェイクヒップで頑張れ❤頑張れ❤ 短編「ちありずむ」より)、スク水の日焼け後にドエロなマイクロビキニを着用するロリビッチちゃんに、ミニマムなJC制服を着て撮影プレイなJSガールなどなど、衣装がヒロインの性的魅力を更に高めているのが大きなポイントと言えるでしょう。
  十分なキャリアを重ねてきた作家さんであり、単行本を通して絵柄が安定すると共に、適度な修飾性の高さもあってモノクロ絵がカラー絵に負けない密度を有しているのもポイントの一つでしょう。絵柄の変化としては、ある種の写実性をスパイスとしていた部分が、より素直に萌え系の可愛らしさがより目立ってきた感もあり、天真爛漫なロリ系ガールの魅力を十全に抽出していると評したいところ。

【適度にアタックの強い演出で彩るシチュエーション特化エロ】
  上述した通り、各作品のページ数はそれ程多くはないため、たっぷり長尺のエロシーンというよりかは、抜きツールとして大事な要所を適切に詰め込んだ上でコンパクトにまとめたエロ展開という印象が先行します。
  基本的に和姦エッチということは共通していますが、アナル開発に男女双方が励んでみたり(短編「ハードワーカー」)、コタツHがあったり(短編「CQC」)、妹ちゃんがチアコスでお兄ちゃんを応援Hであったり(短編「ちありずむ」)、エッチな衣装でのイメージビデオ風撮影からハメ撮りセックスに移行したり(短編「イフイブ」)など、多彩さを持たせつつ、特定のエロシチュエーションに専念した上で、エッチな悪戯を交えながらのそこへの導入と双方が性的に満足する結末をコンパクトかつスムーズに構成しています。
お漏らしや拘束お仕置きH、コスプレなど、ヒロインに羞恥心を抱かせるシチュエーション・プレイもしばしば登場していますが、嗜虐性や欲望のアンバランスさを感じさせるものではなく、恋愛感情や性的欲望が男女間で一致しつつの味付け的な要素として機能していると評し得るでしょう。
  前戯パートにおいては、ヒロイン側が主導的にフェラでおち○こにご奉仕するプレイなども多少ありますが、スベスベ&局所的にプニプニな女児ボディを愛撫したり、大人のオモチャで悪戯したりなプレイが中軸となっており、ロリータガールの未成熟ボディへの欲望を強く喚起しつつ、愛液が水滴となって漏れ出る一本筋ま○こへの挿入に移行。
487536a5.jpgキツキツな膣に挿入してじっくりとピストンを重ねていく抽挿パートは、受け入れた肉棒をきゅんきゅんと締め付ける結合部を擬音と共にアピールしつつ、乱れた描き文字のエロ台詞と羞恥心と快楽が入り混ぜになった表情付けでヒロインの陶酔感を強調して進行しており(←参照 枕を背に抱えるポージングにも注目されたい 短編「スタンプラリー」より)、乳首弄りや小さなお口を吸うキス描写などでも手数を稼いでいきます。
  外出しフィニッシュを敢えて選択したり、ブルマ&お尻コキでフィニッシュまで進んだりと、必ずしも中出しフィニッシュにこだわらない姿勢を示していますが、感極まった表情でアクメを迎え、男性の白濁液を膣内や未成熟ボディで受け止めつつ、こらえきれずにぷしゅぷしゅとお漏らししてしまう痴態を大ゴマ~1Pフルで提供することでエロシーンの〆を飾っています。

  非常に安心感のある、平和でエッチなハッピーロリータで固められた作品集となっており、現実としての暗さ・重さを一切排除した上でキュートなJSガールとイチャラブセックスが楽しめます。
個人的には、日焼け肌&金髪なロリビッチさんがオタク男子コンビをがっつり童貞切りする短編「ビッチ!!」と、天真爛漫な姪っ子ちゃんがエッチに励む短編「スタンプラリー」が最愛でございます。

なるさわ景『はげませっ!エッチアガール』

CheerUpHeerGirls.jpg 鬼頭莫宏先生の『なにかもちがってますか』最終第5巻(講談社)を読みました。うーん、ある程度“謎解き”が為された部分はあるのですが、それはそれとしてすっきりしない部分も残るまとめ方になったと感じます。
もっとも、それは悪い点というわけでもなく、人は“すっきり”しないまま、間違ったまま社会の中を歩んでいくということでよいのかもしれません。

  さて本日は、なるさわ景先生の『はげませっ!エッチアガール』(ヒット出版社)の遅延へたレビューです。なお、先生の前々単行本『とろなまヒロインズ』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。余談ですが、前単行本を購入&レビューしていなかった理由が自分でも分かりません・・・
それはともかく、柔らかボディのキュートガールズとの棚ボタなラブラブ展開&がっつりとした中出し描写で魅せる和姦エロが楽しめる作品集となっています。

CheerUpHeerGirls1.jpg  収録作は、各運動部が優秀な成績を収める強豪校では明るく元気なチアガール達がエッチな方面でも男子部員達を励ましていて~な中編「○○の励まし方」シリーズ3作(←参照 なんと破廉恥なチア衣装!素敵!! 同シリーズ第1話「凹んだエースの励まし方」より)+プロローグ掌編6P、気の優しい少年は二人のお姉ちゃんと義母さんにたっぷり(性的にも)愛されてがっつり中出し三昧な日々の中編「姉もねスターマイン」全4話、および読み切り形式の短編「串木野さんが止まらない!」。
前述のプロローグ掌編を除き、1話・作当りのページ数は20~24P(平均23P)と標準的な水準で安定しています。エロまっしぐらの非常に潔い作品構築であり、シナリオ的な読み応えは中編クラスの作品でもほぼありませんが、抜きツールとしては強い満腹感を生じさせる作品集となっています。

【いい意味で快楽全能主義と棚ボタ展開が全開】
  エロまっしぐらな勢いの良さと、美少女キャラクターに愛情を注がれる幸福感が美点のラブ&エロなお話が得意な作家さんであり、今単行本においてもいい意味で棚ボタ的な幸福感のあるエロ桃源郷を形成しています。
  スランプになってしまった男子運動部員や悩みを抱える男性顧問などをエッチなチアガールさん達が性的に勇気づけてあげる中編「○○の励まし方」シリーズ、お姉ちゃんコンビに義理のママさんまで参加して主人公との子作りエッチに励みだす中編「姉もねスターマイン」、クールで大人しくちょっと不思議な少女と彼女になったら実はとってもHに積極的な娘さんであった短編「串木野さんが止まらない!」と、いずれも恋愛展開もエッチへの導入も棚ボタ&据え膳でサクサクと進行していきます。
CheerUpHeerGirls2.jpg恋愛感情の形成はどちらかと言えばスパイス的な中編「○○の励まし方」シリーズと、弟君が大好きなお姉ちゃん達が積極的にラブエロアタックをかけてくる中編「姉もねスターマイン」(←参照 一緒にお風呂 同中編第1話より)では、多少話の傾向が異なりますが、いずれにしてもヒロイン側がエッチに積極的なことと、男性側の欲望を肯定し受容することは共通しています。
  (血縁ではないとは言え)近親セックスであったり、教師と生徒の関係であったりと、通常であれば背徳的・不道徳的と捉えられるシチュエーションにおいても、ラブパワーやらセックスの快感追求やらで力強く展開を駆動しており、話に暗さや重さは全くありません。
話のラストもニヤニヤさせられる甘ったるいハッピーエンドを中心にポジティブなものが多く、後述するようにこってり濃厚なエロ描写の賢者タイムもさっぱりとしたもの。
  中編「○○の励まし方」シリーズはヒロイン3人によるオムニバス形式、中編「姉もねスターマイン」もほぼ似たような形式であり、続きモノとしてのストーリーの面白みを期待するのは避けるべきですが、シナリオに気を取られることなく各話のエロシーンに集中しやすい構成であるとも言えるでしょう。

【漫画チックにキュートな巨乳エロエロガールズ】
  中編「姉もねスターマイン」に登場なママさんのみ30代半ば程度の熟女さんですが、その他の女性キャラクターはミドル~ハイティーン級の女子高生さんで統一。もっとも、このママさんも可愛らしさを強く残す若々しい容姿なので、他のヒロインとの印象の差異は大きくないでしょう。
CheerUpHeerGirls3.jpg  前述した様に、エッチに大変積極的な女の子達ですが、貪欲に性的快楽を追求する、いわゆる“ビッチ”キャラクターとは方向性が多少異なるタイプではあり、あくまで相手を励ますことを主眼とするエロエロチアガール達や(←参照 年下ガールによる応援セックス 中編シリーズ第3話「気弱なコーチの励まし方」より)、大好きな弟君の性欲を受け止めるために奮闘するお姉ちゃんコンビなど、快楽欲求以外のモチベーションが明確に出ていることが大きなポイントと評し得ます。
なお、これに対して、男性キャラクターはどちらかと言えば大人しい性格であったり、気弱な部分を曝け出したりするタイプであり、ヒロイン達に励まされたり振り回されたりといった状況には好ましいキャラクターなのですが、後述する通り、特にエロ展開終盤ではヒロインのボディをホールドしてがっつり中出しを敢行するビーストモードを発揮。
  美熟女なママさんではお腹周りに適度な駄肉が付いていたり、身長低目でロリっぽさのあるボディの女の子がいたりと、ある程度ボディデザインには変化が付けられていますが、控えめサイズの乳輪&乳首を備える柔らか巨乳と、ぷりんと豊かな曲線を描く桃尻を装備した肉感的なエロボディとなっていることは共通。
  洗練されたキャッチーさやオサレ感とは縁遠く、悪く言えば多少オールドスクール寄りという印象もありますが、漫画チックなデフォルメ感に由来する親しみやすさと、アナログ作画として有する適度な乱れや荒れに由来する程好い猥雑感が無理なく共存するのが長所と言える漫画絵柄は単行本を通して安定しています。

【ボディも性器も密着して精液を注ぎ切る濃密中出し描写】
  前述した通りに、ヒロイン達の明るいエロパワーでサクサクと導入パートからエロシーンへと進行することもあり、量的にも抜きツールとして十分な尺を用意すると共に、特にエロ展開終盤の濃厚な中出し描写で濃厚感・満腹感を高める作りとなっているのも美点。
  チア部員達による男子応援セックス(頑張れ❤頑張れ❤的な)の中編「○○の励まし方」シリーズ、お姉ちゃん&ママさんとの近親孕ませセックスな中編「姉もねスターマイン」、恋し合う少年少女の甘く熱っぽいラブラブHの短編作と、それぞれシチュエーションにはある程度の変化を付けています。
とは言え、エロ展開序盤~中盤ではヒロイン側がリードして上のお口でも下のお口でもたっぷりサービスしてくれる幸福感を、特に終盤以降では興奮に歯止めが利かなくなった男子側がお猿さんの如くがむしゃらに腰を振りまくってヒロインを蕩けさせまくる攻撃性を生み出す、パワフルな和姦エロとしての構成は概ね共通していると言えるでしょう。
  ヒロイン達の献身的なフェラやパイズリなどのご奉仕プレイや、淫液をたっぷり潤滑した結合部を出し入れするピストン描写、ち○こにねっとり吸いつく媚肉の表現などなど、適度に荒さ・乱れを含む故の勢いの良さや淫猥さのある各種エロ描写も魅力的ですが、それ以上に特徴的なのは数ページを以て丹念に描く中出し描写。
CheerUpHeerGirls4.jpgお互いにギュッと体を抱きしめ合った状態で、パワフルなピストン運動から突入する膣内射精は、子宮口に鈴口を押し当てた状態から射精がスタートされ、射精が終わるまでの1放出毎に描写するかのような丹念さで、断面図や透過図などを多用しつつ子宮内に白濁液がびゅるびゅる注がれる様を活写(←参照 中編「姉もねスターマイン」第2話より)。がっつり中出しした後に、女性器から収まり切らなかった白濁液が零れ出してくる追撃描写も中出し描写へのコダワリの一環と言えるでしょう。
  決して濃厚さ・派手さ一辺倒のエロ描写ではないものの、同時に端正に整えたエロ描写というわけでもなく、中出し描写の煽情性を増強する淫猥な性器&陰毛描写や、熱っぽく乱れる表情やエロ台詞での適度な乱れ、快感にたまらず加速していく体の動きの激しさとそれを物語る擬音など、性的な衝動の勢いを実感させるような描き方という印象が強くあります。

  シナリオにしろエロにしろ、自身の長所をしっかりと把握した上でそれを存分に発揮した作品集であると評することができ、イージーな読書感の軽さと、中出し描写を中心にエロの適度な濃厚感がバランスよくまとまっている言えるでしょう。
個人的には、チア部トリオの三者三様の応援セックスが楽しめる中編「○○の励まし方」シリーズが最愛でございます。

アスヒロ『恋花えっちーず』

LoveFlowerHs.jpg  木々津克久先生の『兄妹 少女探偵と幽霊警官の怪奇事件簿』第1巻(秋田書店)を読みました。ミステリー×学園探偵モノというのは木々津先生お得意な作風というわけですが、今回はホラー要素も加わった作品となっていますね。
ヒロインの赤木蛍ちゃんが割とストレートに美少女キャラで、ちょっと意外だなとも感じました。


  さて本日は、アスヒロ先生の『恋花えっちーず』(コアマガジン)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『恋色おっぱい』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
もっちもちの感触なたっぷり巨乳をお持ちな肉感ガールズ&レディズとの明朗快活なラブ&エロ話が楽しめる作品集となっています。

  収録作はいずれも読み切り形式の短編9作+描き下ろしのヒロイン達座談会なおまけ4コマ漫画(5P)。描き下ろし4コマを除き、1作当りのページ数は20~24P(平均22P弱)と標準的なボリュームで安定。シナリオ的な読み応えはいい意味でなく、あっけらかんとした雰囲気と勢いでリズムよく十分量のエロシーンに突入するという作品構築で揃えられています。

【エロに忠実である故に誠実で健康的なラブコメ】
  明るく楽しくそしてエッチにという王道的なラブコメディを作風の確たる基調としつつ、「おっぱいのおっきな美少女ちゃんや美女さんとがっつりセックスしてぇ!!」という極ストレートな欲望で駆け抜けるパワフルさこそがこの作家さんの身上。
LoveFlowerHs1.jpg恋愛描写を繊細に紡ぐスタイルでは決してありませんが、助平でお馬鹿な男子達の正直な欲望が素直に表現されると共に(←参照 お、男、いや漢がおるぞ! 短編「告白」より)、ヒロイン達も好きな相手である野郎連中の性欲を受け止め、自身も性的な欲望をごく素直に叶えていく流れは、至って健康的でありまた誠実であるとも言えるでしょう。
男性的な性欲を充足させる作品ではありつつ、双方の性欲や性癖が相互に認証されることで二人が精神的な充足を得るという描き方は、男女を対等な存在として描いていると感じさせるものであり、男性側だけに都合のよい一方的な印象や性欲任せの殺伐とした印象を読み手に抱かせないのも◎。
各作品のラストは恋愛系作品として微笑ましいハッピーエンドを迎えていると共に、性愛を介してヒロイン達が更にポジティブに歩んでいこうとする様子を優しく描いており、読後感も非常に良好となっています。
  ストーリー性が強いわけではなく、またドタバタコメディ的な楽しさとヒロインの可愛らしさに由来する幸福感という魅力は全作品に共通しているのですが、後述する様にヒロイン達のキャッチーな魅力で作品ごとに異なる面白みを添加しているのも単行本としての魅力になっています。

【もっちもち&スベスベの弾力巨乳が魅力的】
  下は中○生くらいと思しきロリ系美少女もいれば、上には30歳オーバーの可愛い熟女さんまで登場しており、年齢層は比較的幅広く取り揃えられていますが、女子高生~女子大生程度の女性キャラクターが人数的な主力となっています。
ちょっぴり露出趣味があることを気にしている女の子や、お兄ちゃんラブな幼馴染の妹系ヒロイン、普段はクールで厳しいけれど実は可愛いモノ好きで優しい美人女教師に、主人公を誘惑しようと必死でモーションをかけるお馬鹿可愛い彼女さんなどなど、キャッチーな性格付けを施したヒロイン達が揃っており、前述した通りにその点がシナリオの面白みにも直結しています。なお、メガネヒロインが多いのも一つの特徴。
時に不器用であったり、時に無垢に主人公を慕ったりと、彼女達の“素”の部分にキャラクターとしての魅力を持たせているのも微笑ましいところであり、そんな彼女達を受け入れたり受け入れられたりする幸福感もまた魅力の一つ。
LoveFlowerHs2.jpg  正月太りですっかりぽっちゃりになってしまった彼女さんが登場する短編「ぽちゃってハニー」ではヒロインのお肉増量ですが、その他の作品でも健康的な肉感ボディは共通しており、むにゅんむにゅんと柔らかな弾力感を生み出すお餅巨乳&桃尻は大変に眼福(←参照 短編「ボクらにだけは別の顔」より)。後述する様に乳吸いや乳揉みなど、ヒロインの肉感ボディとの接触が重視して描かれており、おぱーいを中心にそのスベスベ&もちもちな感触をたっぷりと表現しているのも嬉しいところです。
程良くぷっくりとした乳首&乳輪や、もっさりと濃く茂るヒロインの陰毛、ほんのり垂れ気味おっぱいとミドル~ハイティーンの張りのあるおっぱいの描き分けなど、肢体全体のバランスは保ちつつ各体パーツに適度な淫猥さがあるのも○。
  初出が約6年前の短編「夢は三食昼寝付き。」は流石に絵柄に古さと現在の絵柄との落差を感じさせますが、これはこれで懐かしさが魅力。現在では、漫画チックに素朴な描線を大事にしながらも現代的なキャッチーネスを前面に出した絵柄となっており、万人受けするタイプと評し得るでしょう。

【おっぱい成分大充実の陶酔感たっぷりパワフルエッチ】
  各ヒロインの魅力をアピールしつつ、エロパワーでテンポよく進行して濡れ場に突入しており、抜きツールとして十分な尺の中で大好きな女性キャラクターとがっつり和姦を繰り広げる優良抜きツール。
LoveFlowerHs3.jpg  エロ展開の構成としては、比較的前戯パートに長めの尺を取る傾向にあり、蠱惑的な微笑みを浮かべながらち○こにたっぷりサービスしてくれるフェラや、もっちりとしたおぱーいの乳圧に包まれるパイズリなどで前戯パートでの射精シーンを投入(←参照 短編「アンバランスな君に恋して」より)。もちろん、ヒロインのお餅巨乳をむにむにと揉みしだいたり、その先端をたっぷり吸引したりな乳揉み・乳吸い描写も序盤から充実。
一生懸命に好きな男性を気持ちよくしてあげようとする献身さや、自身も感じ始めて熱っぽい表情を浮かべだす様などでも高揚感・陶酔感を生み出しており、前戯パートで十分盛り上がりを図った上でトロトロのおま○こに挿入して抽挿パートへ移行。
  彼女さんとのメイドコスプレHや、年上美人にリードされながらのエッチ、初心な女の子との初めてHなど、キャラクターによってエロシチュエーションに多少の差異を設けていますが、双方の快感を高めていこうと腰を振り合っていくポジティブ&パワフルな描き方であることは共通しています。
LoveFlowerHs4.jpg抽挿パートにおいても、弾力おっぱいがゆっさゆっさと重たげに揺れ弾んだり、ピストンしながら乳を吸ったり揉んだりなどのおっぱい関係の描写を充実させつつ、潤んだ瞳と火照った頬での熱っぽい官能フェイスやそこから漏れ出す蕩けたラブエロ台詞、結合部から溢れ出す粘っこい水音などの演出と合わさることで煽情性を大きく高めています(←参照 ゴ、ゴウランガ!カポエラ・ダンスめいたリズミカルな乳揺れとワザマエの蕩け顔のコンビネーションだ!! 短編「アフターアイドル」より)。
  抽挿パートは前戯パートの尺に圧迫され気味な印象があるのは少々減点材料ですが、適度に露骨な結合部描写や、ひだひだがたっぷり肉棒に絡みつく淫猥な断面図描写などでも抽挿感を強調し、更にエロ演出の強度を高めた1Pフルの中出し&ヒロイン絶頂なフィニッシュシーンでハイカロリーなエロを完成させています。

  たっぷりおっぱいに優しく包まれて僕も貴女も幸せに!という大変おっぱい充でありつつ明るく優しい読書感のエロ漫画となっております。非常にポピュラーな題材・願望ではありますが、それを十二分なクオリティで充足させてくれる1冊でございます。
どの作品も大変おっぱいおっぱいではございますが、強いて選ぶのであればサバサバ系彼女さんとメイドコスプレ&お仕置きプレイで燃え上がる短編「Let’s こすぷれーしょん」と、メガネ女教師さんの可愛らしい姿と大人エロスに包まれる短編「ボクらにだけは別の顔」に大好物でございます。おっぱい星人の諸氏にお勧め!

墓場『けだものの家』上下巻

HouseOfBeastsF.jpgHouseOfBeastsS.jpg TVアニメ版『SHOW BY ROCK!!』第2話「俺たちは深紅色の心眼で(以下略)」を観ました。男性キャラも女性キャラも個々に魅力的で、いい意味でサンリオらしい混沌さが賑やかで楽しい作品ですね。
褐色金髪ツインテメガネでイヌ族なツンデレ美少女・レトリーちゃんの可愛さたるや!

  さて本日は、墓場先生の『けだものの家』上下巻(ティーアイネット)の遅延へたレビューです。先生の前単行本『公開便所』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
禍々しい欲望と憎悪が渦巻く陰惨な凌辱地獄の中で紡がれる人の善悪の情と特殊でハードなプレイの数々がヘビィな長編ストーリーとなっています。

HouseOfBeasts1.jpg  収録作は、亡き父の借金を肩代わりしてくれた高丘家に母と共に身を寄せた主人公の少女は新たな生活を始めるが、高丘家は女性を贄として調教・売春をさせる家であり、毒牙にかかった母を守ろうとするヒロインにも高丘家の魔の手が迫り~というタイトル長編「けだまのの家」全12話(←参照 愛する母親に犯されることに 長編第3話より)、公開便所のシステムを持つ学校で指定された女生徒を逃がした女生徒への過酷な懲罰を描く連作「非公開便所~陰ノ幕~」前後編、および短編「秘密の鼻園」。
上巻には長編第1話~第6話と短編「秘密の鼻園」、下巻には長編第7話~最終第12話と連作「非公開便所~陰ノ幕~」前後編を収録。なお、連作は前単行本の長編「公開便所」シリーズのスピンオフ的な作品となっています。
  1話・作当りのページ数は24~32P(平均28P弱)と中の上クラスのボリュームで推移。長編作として十二分な読み応えのある作劇であり、ひりつく様な緊張感の中で快楽の凶悪さを剥き出しにするエロ描写にも迫力・存在感があります

【狂気と憎悪が渦巻く世界に貫かれる人の愛】
  その渦に飲み込まれてゆく人間を無慈悲に圧殺していく凶悪なシステムと、その中で必死に足掻き苦しむ人間の在り様を強い情念を込めて描く作風に大きな魅力のある作家さんであり、今単行本でもメインとなる長編作も重苦しい雰囲気と痛切な叫びが木霊する重厚な凌辱劇であり、悲劇となっています。
母だけでなく自身にも襲い掛かる凌辱の嵐、快楽に精神を壊してゆく母親への思慕と現実に希望を残す自身との剥離、新たな生活で得た想い人との恋愛関係すら引き裂かれてゆく絶望の中、自らの心すら壊して暴力と快楽の地獄の中で母と共に生きていくことを決意するヒロインの慟哭と決意は読み手の胸を打つものがあります。
HouseOfBeasts2.jpgこの作品のすさまじいところは、様々の人間の愛憎が渦巻く中で、凌辱・調教に蹂躙され続けたヒロインが、ある事件をキッカケとして被害者から復讐の鬼として“加害者”の立場へと急変することであり(←参照 彼女の全てを奪ったものへ復讐を 長編第11話より)、憎悪や強欲の連鎖が止まらずに悪しきシステムが継続されてしまうことの無慈悲さもまた作品に凄味を与える要素。
  その一方で、前作「公開便所」で示したのと同じく、この負の連鎖を続けてしまうものが憎悪という人の情であると同時に、その悪しき連鎖を打ち破り、飲み込まれた人間を救済するのもまた愛であり友情である人の情であるというテーマ性は長編終盤の確たる骨子となっており、青臭さはやや過剰ではありつつも、人の善徳が被害者であり加害者ともなったヒロインを地獄から救済します。
凌辱劇としての重み・凄みを有し、悲痛に沈み込んでいくストーリーテリングの重厚さは高く評価できると共に、終盤の息をのむような緊迫感とそこからの救済も見事であり、「けだものの家」というタイトルに反し、獣ではなく善悪両面の意味で“人間”こそが描かれていると評しても過言ではないでしょう。
  麗しの女学園で女生徒たちが鼻フックを装着して秘密のレズセックスに耽溺する短編「秘密の鼻園」、懲罰対象の五感を奪い精神を狂わせて快楽を貪る肉の塊へと破壊する狂気の調教を描く連作「非公開便所~陰ノ幕~」も共にかなり異色の作品であり、長編と併せて2冊分の物理的ボリュームを優に上回る読み応えを叩き出しています。

【肉感的なボディを彩る各種拘束衣】
  長編作では、女子高生級の少女であるヒロインとその母親がストーリー的にもエロ的にもメインですが、ヒロインの義理の従姉妹である少女や高丘家の狂気のシステムを主導する義理の叔母などもエロに絡みます。連作や短編でも登場ヒロイン達は女子高生級なので、ここらの年齢層が主力と言ってもよいでしょう。
  後述する様に、エロシーンでは目前の快楽を貪り食って理性を殺していく獣の様な狂乱の性行為が描かれていますが、その一方で登場人物達の人間らしい感情こそが善徳であれ悪徳であれストーリーを力強く駆動しているのも大きな特長であり、大仰に言えば長編作はそれぞれの登場人物達の“愛”の物語であるとも評し得ます。
これに対し、ヒロインの想い人である少年や、高丘家の業に呑まれていく従姉妹を心配する使用人の男性など、ストーリー展開に大きく寄与する男性キャラクターもいるものの、狂気の因習に積極的に参加し、その利益を分配される多数の男性キャラクターは単なる暴力装置として描かれており、それを自明のものとする故に歪んだシステムが延々と回っていくという薄ら寒さを生み出しています。
  バストサイズが多少控えめな女の子もいますが、基本的には健康的な肉付きで適度にむっちりとした質感の巨乳&桃尻のエロボディで統一。これといって特徴のある女体描写ではありませんが、ストレートなセックスアピールを十分に備えていると言えるでしょう。
HouseOfBeasts3.jpgむしろ、その肉感的なボディや端正な表情を歪めたり、覆い隠したりな装束に大きな特色があり、体を締め付けるボンテージや縄、目隠しやギャグボール、顔全体を覆うラバーマスク、肢体を快感で攻め立てる各種性玩具などと合わさることで退廃的なエロスを生み出しています(←参照 長編第4話より)。
  内容の重さと呼応するように、黒ベタの暗さや重さが印象的であり、十分な密度を感じさせる作画なのですが、絵柄自体はシンプルですっきりとした描線をシンプルに組み上げるタイプ。カラー絵では滑らかで艶やかさのある絵柄に対し、モノクロ絵では尖った印象の絵であるため、表紙と中身で印象の差を感じる可能性があることには要留意。

【過激な行為が連発させるゴアめいた快楽地獄】
  各エピソードにおいて十分な長さの尺を有するエロシーンは、憎悪や欲望、嫉妬や絶望など様々な感情が入り混じる営みとしてストーリーラインを確かに形成すると共に、行為の強烈さも相まってショッキングなレベルでインパクトの強い抜きツールとしても機能しています。
  一部に和姦エロが存在するものの、題材の方向性の関係から、調教エロ・凌辱エロがメインとなっており、ヒロインの人間性を快楽と絶望で塗りつぶし、人ならざるものへと転落させていく狂気性は圧倒的な攻撃性を有しており、心の空白を塗りつぶすかのように快感をひたすらに貪り続ける女性キャラクター達の痴態も破滅のエロスを湛えています。
体中を犯される輪姦や拘束してのバイブ・ローター責めなども多数搭載しつつ、フィストファックや肛門と口の連結、鼻フック責めや監禁調教、浣腸などのスカトロ要素など、ハードなプレイが非常に多いのも特徴。これらはヒロインの心身を蝕むものとして描かれており、女性同士の性的な絡みが多いことも精神的な責めの一環として描かれていることが多いです。
HouseOfBeasts4.jpg  比較的シンプルな絵柄と同様に、行為の猛烈さに反して過激なエロ演出を連発するスタイルではないのですが、朦朧とした表情や身を焼く感覚に目を見開く絶望的な表情を浮かべ、肉感的な肢体を噴き出す汗や漏れ出す涙や涎、愛液などの液汁描写でぐしゃぐしゃに濡らす、快楽と苦悶が綯い交ぜになった呻き声や声にならない絶叫を響き渡らせる描写は手法論としてはシンプルでありながら非常に強烈なもの(←参照 獣じみた叫び声 長編第8話より)。
女性同士の器具を用いたセックスが多いことに加え、柔らかな肢体が男たちの体と肉棒にもみくちゃにされる様など、コマをヒロインの肉感ボディを中心に体の描写で埋め尽くすこともあって、濃く重いエロ作画が連発していることも体感的なボリューム感を底上げしています。
  各種淫液に塗れながら強制的なアクメを連発させられ、中出しを含めて全身に白濁液を浴びせられると共に、様々な体液を噴き出して茫然としたアクメ顔を曝け出すフィニッシュは複数ラウンド制の〆として十二分なインパクトを有しており、正しく地獄絵図を最初から最後まで貫徹していると感じます。

  エロにしてもストーリーにしても墓場先生の魅力が存分に発揮された作品と言え、重苦しくも骨太なストーリーもエクスリームなエロ描写でゴリゴリと爆走するエロ描写がしっかりと噛み合っているのが素晴らしいところ。
今は亡き雑誌『フラミンゴ』を思い出させる異色の名作と言えるでしょう。凌辱エロ耐性は必須ですが、強烈な作品を読みたいエロ漫画ファンには広くお勧めしたい所存。
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