
「記憶だけが町」に登場した“マイナーコンビニ激戦区”はちょっと迷い込んでみたいなぁと思いました。
さて本日は、ゼロの者先生の『めちゃくちゃ交尾しよ❤』(メディアックス)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『シス☆ブラっⅡ』(一水社)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
むにゅんと柔らかな巨乳ボディが汗や淫液にぐっしょりと濡れ、背徳の快楽への陶酔に包まれるエロ描写が詰まった1冊となっています。
収録作はいずれも独立した短編で計10作。なお、短編「シス☆ブラR」は前単行本および前々単行本に収録された長編「シス☆ブラっ」の番外編となっています。該当作品を読んでいた方が面白みは増すと思いますが、番外編としてまとまっているので単独で読んでも十分楽しめるでしょう。
1作当りのページ数は18~22P(平均19P強)と書店売り誌初出としては控えめな部類で安定。ページ数もあってコンパクトにまとめられた作品構築となっており、エロを量的にメインとして組み立てつつ、シナリオ展開に一定の読み応えを持たせる安定した筆致を示しています。
【お馬鹿エロコメから陰湿な寝取られ系まで多彩な作劇】
最近では明るく楽しいラブコメ系統の作品や真摯な純愛ストーリーがメインとなっていますが、元々じっとりと陰湿さが沁み渡るダーク&インモラル系の作風も得意とする作家さんであり、今単行本においては後者のタイプが比較的目立っています。
喧嘩で男子を打ち負かす気の強いJCガールが参戦してきたおっさんに敗れて凌辱される短編「おしおっき」、息子の友人に凌辱&調教された上に寝ている息子の横でセックス強要な短編「母、ブヒる」、イケメンの甥っ子に惚れてお家にやってくる恋人候補の女の子達を次々と性的に喰ってしまう叔父の暗躍を描く短編「イレグイ」などなど、ストレートな凌辱系からインモラルな寝取られ系や快楽堕ち系の作品が多く揃っています。
また、男性側の一方的な欲望が発揮される作劇に対し、性玩具によるオナニーや羞恥プレイにハマってしまった少女が不特定多数の中年男性と次々と破滅的なセックスをしていく短編「性欲系女子」、離婚によって幼い頃に分かれた父の家に押し掛けた少女が偶然デリヘル嬢と勘違いされ~な短編「くいちがい」など、ヒロイン側の性的欲求や勘違いから平穏な日常が瓦解するタイプの作劇もあります。

棚ボタ的に巨乳ガールとエッチできることになるエロコメな短編「脂肪❤遊戯」や、夢の中で逢瀬を重ねる姉と弟が現実でもセックスをすることになるインモラル系ながら全体的に穏やかなラブエロ系である短編「シンクローむ」など、明るく平穏な雰囲気の作品もあり、作劇の方向性は多様と言えます。
ラストのまとめ方や作劇の方向性において雰囲気の明暗は様々で、好みが分かれる部分はあると思われますが、いずれの作劇においてもエロへの導入展開やヒロインの心理描写などが丁寧に為されることで一定の深み・読み応えやエロの盛り上げが強められており、堅実な筆致であると評し得るでしょう。
【柔らかくしっとりと濡れる巨乳~爆乳ボディ】
下はランドセルガールに上は高校生男子の母親である美熟女さんとヒロイン陣の年齢層はかなり幅広くなっています。ミドル~ハイティーン級の美少女キャラクターを中心としつつ、ロリっ子やアダルトな色香のお姉さんまで様々に用意しているのは雑食派の諸氏には嬉しいところ。

父の勘違いと娘さんの引っ込み思案な性格が相まって近親相姦になってしまう短編「くいちがい」では、父親側の心理描写に意味がありますが、男性キャラクターについては単純に欲望の権化であり発言者である様に描かれており、むしろ彼らに弄ばれるヒロイン側の心情描写こそが重要と言えるでしょう。
裏帯の訴求文にある通り、今回は巨乳~爆乳キャラクターで統一されるという、おっぱい大充実な陣容なっており、ロリ系ガールも小さ目ボディにアンバランスなたっぷり巨乳を備えていたり、健康的な肉付きの巨乳美少女やほんのり垂れ気味の爆乳をお持ちな爆乳美熟女が登場したりと大盤振る舞い。

デジタル作画に移行後、繊細な描線を丁寧に描き込んで絵的な修飾と共に濃度を打ち出す絵柄により端正な印象が強まった感があり、またベテラン作家らしい絵柄の安定感も長所。やや平板さのある塗りの表紙絵に比して、モノクロ絵柄でより奥行きや情報量のある作画になっているのも美点でしょう。
【全編通してねっとりとした愛撫描写が特徴】
ページ数の関係から、たっぷり長尺のエロシーンが用意されているとは言い難い面もありますが、一定の陰湿さや背徳感が塗り込められていることに加え、徐々に男女双方の性的欲望が色濃く発揮されていく展開もあって、ねっとりとした印象のある濡れ場となっており、体感的なボリューム感は十分に強め。
上述した通り、凌辱エロや寝取られエロなどの嗜虐性を有するエロシチュエーションが多いことに加え、和姦であっても近親相姦などの背徳感を刺激するシチュエーションがメインとなっていることも特徴でしょう。
とは言え、ヒロイン側の苦痛や恐怖をメインとする描き方ではなく、非日常に転がり込んで味わう背徳的であったり未経験であったりする強烈な快楽にヒロイン達が耽溺し、時に後悔しながら時に自ら進んでその悦楽に心身を染め上げられていく様を強力な陶酔感を以て描くスタイルとなっています。
前戯パートにおいてフェラとそこからの口内射精やぶっかけといったシークエンスが投入されることもありますが、このパートでは濃厚な愛撫描写に重点が置かれており、汗でしっとりと濡れる柔肌を弄り、むにゅむにゅと水饅頭の如く柔らかい質感の巨乳を揉んだり吸ったり、唾液と舌を絡ませ合うねっとりキスを交わしたりで、和姦・凌辱の別なくヒロインをトロトロに蕩けさせていく流れが実に煽情的。

ねっとり感のある前戯パートに相応の尺を取ることもあって抽挿パートが量的に圧迫されることもしばしばあるのは減点材料になり得ますが、前戯パートに引き続いて乳揉みや口吸いを絡めながら濡れ濡れ肉感ボディをパワフルにピストンするシークエンスから1Pフルの中出し絶頂フィニッシュへと突入することでハイカロリーな〆を提供しています。
エロ・シナリオ共に作家さんの個性と上手さが十分に示された作品集と感じられ、ヒロイン陣の年齢層と作劇の方向性の多彩さもあって雑食派の諸氏にとってお勧めしやすい1冊。
個人的には、ショートヘア巨乳なJCガールが敗北ヒロイン凌辱の快楽を知ってしまい~な短編「おしおっき」と、完熟ボディのママさんが息子の友人に心身を嬲られる短編「母、ブヒる」に愚息が特にお世話になりました。