2014年04月

藤ます『君がため心化粧』

MakeUpForYou.jpg  小梅けいと先生(原作:支倉凍砂氏 キャラクターデザイン:文倉十氏)の『狼と香辛料』第10巻を読みました。ホロに“女狐”と評されたエープですが、彼女が裏切りと利益について語っているシーンは、単なる狡猾さを超えた深い業を感じさせて印象的でした。
ロレンス氏の自分の立ち位置を堅実に捉えながら、誰かにとっての“主人公”になろうとする心意気も実に素敵。

  さて本日は、藤ます先生の『君がため心化粧』(ワニマガジン)のへたレビューです。約4年ぶりの新刊となりますが、先生の前単行本『Sweet Lip』(コアマガジン)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
柔らかボディのキュートな美少女・美女ヒロインとぬるぬる淫液まみれの熱々な和姦セックスをねっとり&たっぷり描いた作品集となっております。

MakeUpForYou1.jpg  収録作は、セックスへの一線を越えられなかった男女が、ひょんなことから露見した双方のオタク趣味で意気投合し、アニメキャラのコスプレなり切りHに励むことになる連作「Magical Interpretation」「Magical Custamise」(←参照 二人とも変身ヒロイン系がお好きな様で 同連作後編「Magical Custamise」より)、および読み切り形式の短編・掌編10作。
描き下ろしフルカラー掌編の「Make up For You」(6P)を除き、1話・作当りのページ数は10~24P(平均18P弱)とやや控えめながらコンビニ誌初出メインとしては標準的な分量。ストーリー的な読み応えはほとんどありませんが、ヒロイン達のエロ可愛さとねっとりとしたセックス描写で読み手の脳味噌を蕩けさせてくれる濡れ場の満足感は十二分に高いと言えます。

【エッチでカワイイ理想的ヒロイン勢揃いのドリームワールド】
  前単行本では登場人物の多い賑やかな長編作がメインでしたが、今回はこれまで通りに甘い雰囲気のラブコメディというスタイルを保ちつつ一組の男女のラブエロに話をしぼったコンパクトな構築の短編群がメイン。
物語冒頭から既に肉体関係・恋愛関係にあるカップルの男女が多いこともあって、恋愛関係の進展を丁寧に描くタイプではなく、恋愛モノとしての甘い雰囲気は繊細な心情描写を以てするのではなく、可愛らしい美少女・美女でありながらセックスに積極的であり、主人公に対して非常に従順という二次元ヒロインとして理想的な(男性にとって非常に都合がよい)姿をエロシーンも含めてたっぷり描き出し、ドリーミーな空間を形成することによって生み出されています。
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変態チックなプレイにも従順に従うことに加え、自らを“雌奴隷”“オナホール”などを卑下しながら蕩けまくるヒロイン達の痴態と(←参照 主人公専用の生おなほーる 短編「大正女中奮闘記っ!」より)、彼女達に意地悪や言葉責めをするサディスティックな主人公たちの言動は、青春ラブストーリー的な爽やかさや健康さに乏しいため、より繊細で上品な甘さを恋愛エロに求める方は要留意。
  とは言え、これらのSっ気溢れるプレイは、あくまで男女間の合意と恋愛感情に基づくものであることは描写されており、男性の欲望を全て受け止め、淫猥な言葉をまき散らしながら心から男性にご奉仕しようとする健気さは、人工的ではありながらも男性の支配欲や独占欲を強烈に刺激する甘味であり、間違いなく作品の大きな魅力として機能しています。
斯様にプレイやエロ演出に関しては比較的過激ではありますが、話のオチは至って平和そのものであり、そんな変態プレイを楽しんじゃうほど好き合う男女のイチャラブ感を微笑ましい雰囲気で描いてまとめている分、賢者タイムの余韻も心地よく仕上がっていると評し得るでしょう。
  
【美しさとエロさのバランスのよい女体描写】
  コンビニ誌初出がメインということもあり、基本的には18歳オーバーの女子大生~20代半ば程度の年齢層が主力のヒロイン陣。アダルト美人さんでは適度に大人の色気を香らせていますが、清楚で可愛らしい印象のヒロイン造形が主力と言えるでしょう。
旦那さんに尽くす人妻キャラや、バニー衣装を身に着ける絵のモデルさん、学園祭で大正風のウェイトレス衣装を身に着ける女子大生、彼氏のコスプレ趣味に付き合ってアニメキャラやメイドさんの衣装を着てエッチに励む彼女さんなど、設定の多彩さは着衣の多彩さに直結させている印象が強く、丁寧な衣装描写もあってヒロイン達の華やかさ・可愛らしさを大いに引き立てています。
  ヒロインのキャラクター性については、短編ということもあって掘り下げがあまり為されていませんが、普段は地味だったり大人しかったりサバサバと女性を感じさせない正確だったりするヒロイン達が、エロシーンとなれば発情しまくり、蕩けた表情で一生懸命おち○ぽにご奉仕したり、為すがままにピストンされたりといった一種のギャップはキャラクター描写上の一つの魅力。
  ボディデザインについては、大き過ぎない程度な巨乳とこれまた程好い量感の桃尻を実に柔らかそうな質感で描き出しつつ、滑らかなボディラインとのバランスよく配置した官能的な女体描写が強み。濃い目に施しつつ過剰一歩手前の塩梅なグレースケール等で肌のしっとりとした質感を生み出しているのも非常に魅力的です。
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エロさと美しさのバランスが取れた肢体描写に加え、乳首や性器、舌といった粘膜描写に関しても生々しい臭味はきっちり抑えつつ、各種淫液に濡れて妖しく光るそれらの粘膜を淫猥に描き出し、セックスシーンでもそれらが絡まり合う様を丹念に描き出しているのも実用性の底上げに大きく貢献(←参照 琥珀のごとく濡れた艶のある乳首描写 短編「あなただけのセカイ」より)。
  ふんわりと柔らかい描線とデジタル作画らしい密度の高い各種修飾が加わった絵柄は、濃密な描写を可能としながら、いい意味でのあざとさや華やかさのあるタイプで、濃さとキャッチーさのいいトコ取りという印象。とは言え、両者の要素を高濃度で含むために、一定のクドさもある絵柄なので、多少好みは分かれるかもしれません。

【粘膜描写を活かしたねっとり前戯&パワフルピストン】
  甘い恋愛感情でしっかりコーティングしつつも、すっかり発情スイッチが入ったヒロインがこれまた獣欲スイッチがオンになった男性にご奉仕したりガンガン抽挿を繰り出されたりで更にメロメロに蕩けていくハードコアな和姦セックスを十分量展開する抜きツールとして好適な作りが特徴的。
上述した様にあくまで和姦であってヒロインの健気さを引き立てる要素ではありますが、目隠しプレイやメイドさんお仕置きプレイ、羞恥シチュエーションの強要など、比較的嗜虐性を添加したエロシチュエーションやアブノーマルな要素を含むプレイが多いため、優しいラブラブHをお望みの方にはやや不向きな一方、理想的な二次元彼女をがっつり独占したい諸氏には正しく福音。
  前戯パートにも十分な尺を設けており、ヒロインの性感帯を丹念にいじくって彼女達を蕩けさせていくと同時に、前述した濡れた粘膜描写の良さを生かした、色っぽい唇や舌が肉棒に絡みつくねちっこいフェラ描写も大きな美点で、白濁液をたっぷりと口の中に注ぎ込まれてうっとりとした表情を浮かべるシーンで前半の大きな盛り上がりを形成。
  この時点ですっかり発情しているヒロイン達は、自ら秘所をくぱぁと割り開いて、むわっとした湯気やら淫臭やら豊潤に分泌される愛液を示し、かついやらしいおねだり台詞を口にして大好きなおち○ぽをおねだりすることで抽挿パートへ突入していきます。
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  性器結合のことを“おま○こフェラ”と度々自称する様に、熱く濡れた膣の粘膜が挿入された肉棒に絡みつく描写も淫猥であり、更なるピストンを淫語だらけの淫らなエロ台詞でおねだりするヒロインに(←参照 短編「性器の大発見」より)、ガンガン腰を振ってお応えしつつ、乳首弄りやねっとりとしたキスなどの手数も繰り出して更なる快感の高みへと疾走。ヒロインのメス顔、揺れる柔らかおっぱい、そしてぬるぬるの愛液が漏れ出る結合部を三点セットで魅せる正面からの主観構図や、粘膜描写のよさを生かした断面図・透過図、パイパンま○この最奥がごんごんとノックされる露骨な結合部ドアップ構図、連発される淫蕩なエロ台詞など、エロ演出・構図は非常に濃厚ですが、それでいてヒロインのエロ可愛さが損なわれないのは絵柄の特性故でしょう。
  フィニッシュは密着状態でヒロインの柔らかボディを鷲掴みにしながら、どぷどぷと最奥に精液をパワフルに注ぎ込み、大股開きで淫らなエロ台詞と蕩けきった表情を浮かべるヒロインの痴態を大ゴマ~2P見開きでがっつり提示して、陶酔感が強力無比なエロシーンの〆として十分なインパクトを有しています。

  非常に強力な抜きツールであり、柔順な二次元ヒロインを快感でメロメロにする支配欲をがっつり満足させつつ、全体的なトーンの甘さや穏やかさで印象を良くしている非常にサービス精神豊かな作品集と言えるでしょう。
管理人も精巣の残弾ゼロになるほど使いまくりましたが、強いて選ぶのあればご主人様専用を自称するウェイトレスさんにメス奴隷宣言をさせつつお仕置きプレイな短編「Exclusive Blend」とバニーコスプレのモデルさんと汗と淫臭まみえの熱々セックスな短編「性器の大発見!」がマイフェイバリット。信頼性の高い抜き物件をお探しの諸氏にお勧めです。

ディープバレー『孕ませ!!性春』

LetsBleedYoung.jpg  TVアニメ版『健全ロボダイミダラー』第三話「脅威!灼熱のジェイクあらわる!」を観ました。割とノーマークだったのですが、いい意味で頭が大変悪い馬鹿エロロボットアニメで大変よろしいです。
乳揉み云々を除けば、実にまっすぐで熱い主人公なんですが、熱血とエロがこんなに相性良いとは予想外でしたね。ぼぼぼ、俺のカワイイ雷ちゃんがあんなエロ台詞を言うわけがない(錯乱

  さて本日は、ディープバレー先生の『孕ませ!!性春』(三和出版)のへたレビューです。なお、先生の前単行本(初単行本)『ディープ淫パクト』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
むちむち肉感ボディの美少女をだまくらかしてガッツリ孕ませセックスしまくりというストロングスタイルな1冊となっております。

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  収録作は、セクハラ教師の中年男性(もちろんデブでブ男だ!)が男嫌いの武士系生徒会長美少女の弱みを握ってエロ調教、おまけに彼女が守ろうとしていた同性愛相手の女の子にもカウンセリングと称して手を出して~な中編「メシベとオシベと種付けと」全5話(←参照 もちろん全部大嘘です 同中編第5話より)、および読み切り形式の短編・掌編4作。
フルカラー掌編の「性春フィーバー!」(4P)を除いても、4~24P(平均17P強)と作品間のページ数の多寡にはある程度幅があり、平均としてはやや少なめで単行本としても若干薄め。とは言え、過剰とも言える濃い目の味付けを施した肉感ボディの迫力ファックを繰り広げるため、この分量でむしろ丁度良いという印象さえ感じます。

【下衆なエロ妄想をひたすら垂れ流すシンプルなシナリオ】

  有体に言えば、「上手いことやって女子高生を好き放題にしてがっつりヤリまくりてぇなぁ!」という下世話な願望をストレートに充足させることに特化した作風であり、細かいことはいいんだよ!とばかりにJKヒロインとのファックに強引に持ち込むシンプルなシナリオワーク。
LetsBleedYoung2.jpgヒロインとの素敵な出会いや信頼関係の深化といった、セックスへと至る段階を踏んでいくことは元より考えないスタイルであるため、脅迫や騙しての強引なセックス導入の頻度が高くなる傾向にあり、強気な生徒会長を罠にはめて脅迫エロ調教な中編作や、アイドル候補生を騙して役得しまくりの短編「キミこそみんなのオナドルだ!!」などがその系統(←参照 騙されてますよ 同短編より)。
  卑怯な男性によって強気ヒロインと彼女が守るはずだった可憐な少女が毒牙にかけられ、蹂躙されていく中編作は、エロ漫画的によくあるシチュエーションであり、少女達の絶望や悲嘆、逆に男性に反撃しようとする意志の強さなどが描写されるタイプの作劇なのですが、今作においてはそういった悲劇性や攻防劇としてのドラマはむしろ希薄。
主人公の中年男性は、ヒロインとの約束を反故にしたり、男性へのトラウマの源泉になっていたりで、かなり非道なことをしているのですが、そこに何らの反省や後悔を示さず、“上手いことやった”という満足感・成功感のみが強調されている点が大きな特徴であり、話としては意図的に浅薄に形成されつつ、下衆な欲望の充足をストレートに喜んでいる分、抜きの強度を上げています。
  この傾向は他の作品においても概ね共通しており、男性側がある種のしっぺ返しを受けることになる短編「うろんなクラスメイト」や、ちょっと不思議な女の子と中年男性の奇妙な出会いとセックスを割合に平和な雰囲気で描く短編「SKINRIM」といった例外もありつつ、邪な野郎が上手いことやってヒロインを(性的な意味で)ハメまくることを、あまりにもご都合主義的であることも含めて、ある種のコミカルさを以て描いているとも言えます。
男性側からの極めて一方的な観点・欲望であることを全く隠さない描き方であるため、読み手によって好みは分かれる作劇だと感じますが、その欲望のパワーでひたすら押し切っている感は一つの強みでしょう。

【たっぷりと柔肉を詰め込んだ爆乳肉感ボディ】

  ヒロイン陣は世のおっさん達(管理人含む)が大好きな女子高生ヒロインでほぼ統一。短編「キミこそみんなのオナドルだ!!」ではアイドルのJC美少女が登場していますが、発育がよいこともあって年齢層による描き分けはあまりないタイプ。
  中編作に登場する男嫌いで厳格な生徒会長である武士系美少女や彼女に守られている大人しい純情娘、短編群に登場する不思議な雰囲気を漂わせる貞子系ヒロイン、清楚な外見ながら実は淫乱なメガネ美少女等、キャラデザインも含めてポピュラーなキャラ作りが為されています。
これに対して、男性陣は少年から中年まで比較的年齢層が幅広いですが、メガネ&デブであったり不細工な顔つきであったり、おまけに言動もゲスであったりと、美少女ヒロインと美醜の落差を形成するキャラデザで概ね統一しているのも大きな特徴。
前述した様に、野郎連中の好き勝手し放題を作品の中核に据えている分、男性キャラクターのキャラ立ちが妙に良いのに対し、女性キャラクター側については設定やキャラデザから想起される以上のキャラクターの掘り下げはあまり為されず、有体に言えば単なる“やられ役”として機能することに意義があるとも言えます。
LetsBleedYoung3.jpg  一部のキャラクターに関しては、肉付き弱めのぺたんこバストなども含めて思い切りよくロリ色を強めにしたボディデザインにしていますが、基本的には体幹にも駄肉がたっぷりと纏わせ、巨~爆乳&巨尻&むちむち太腿の圧倒的な肉感を盛りに盛った迫力ボディを投入(←参照 見よ、この迫力 中編「メシベとオシベと種付けと」第2話より)。短編「姉 COUNTRY FOR YOUNG BOY」では、ぽっちゃりを通り越しておデブガールすら登場しており、乳尻を中心に直向きに肉感を重視する傾向が明瞭です。
バスト&ヒップをあまりに強調することに加え、デッサンも安定的とは言い難い面もあって、ボディデザインがどうしてもピーキーになってしまうのは減点材料であり、爆乳をアピールしつつも綺麗なボディラインを拝みたい諸氏には不向き。とは言え、これまた“乳尻がデカければデカい程エロいじゃん!”という力押しで何とかしてしまっているのを褒めるべきでもあるでしょう
  視点を引いた構図で作画の緊張感が抜ける傾向にあるものの、比較的シンプルで素朴な漫画絵柄を用いて迫力の肉感ボディを描くギャップと、適度な描き込みで絵柄の特性を生かしつつ煽情性を添加する技術はこの作家さんの武器の一つ。決して綺麗な絵、上手い絵ではないのですが、作風にはよくマッチしていると評し得ます。

【野郎のエロ台詞まき散らしとお下品なエロ描写が特徴的】
  前述した様に、野郎連中が上手いことやってヒロインを騙し、その肉感溢れるボディを好き放題にヤリまくるという、エロ妄想垂れ流し(褒めてます)な作品構築であるため、エロシーンが作品の大半を占める非常に分かり易い抜きツール。
  ヒロインを徐々にアブノーマルなプレイに染めていくエロ調教や、嘘を吹き込んで変態プレイを強引に推し進める騙しエロなど、攻撃的なエロシチュエーションが多く、行為の過激性が増していくという盛り上げを適切に図っていますが、前述した様に悲劇性や緊張感は乏しく、好き放題するという何処か無邪気なウハウハ感の方が前面に出た描き方と言えるでしょう。
LetsBleedYoung4.jpgこの野郎連中の大暴れっぷりを表現しているのが、セックスの際に野郎連中が一方的に喚き散らす大量のエロ台詞であり、行為の実況中継や勝手な妄想、孕ませ宣言などを卑猥な言葉と妙に名調子な比喩表現をふんだんに織り交ぜた瀑布の如き長台詞が時にコマを埋め尽くす勢いで連射されます(←参照 短編「うろんなクラスメイト」より)。正直、全部読んでいると疲れるレベルですし、ある意味では抜きのリズムを阻害する要因になりえるのですが、男性にとっての性行為の勢いや欲望の迸りを感じさせるという意味で演出上のユニークな強みになっているのも確か。
これに対して、ヒロイン側の言葉によるリアクションは少ない傾向にあり、行為が一方的であることを視覚的に表現していますが、変態プレイに蕩けきった表情を浮かべたり、口をすぼめて肉棒に吸いつく、いわゆる“ひょっとこフェラ”の姿を曝け出したりと、美少女にあさましい痴態を曝け出させるというギャップで煽情性を叩き出させます。
  ヒロインの爆乳や秘所に不細工男子が執拗にがっついたり、結合部や断面図を連続させてピストン運動やイラマチオを複数駒のシークエンスでねっとり描いたり、口や秘所に粘度の高い白濁液が注がれて溢れかえる様を強調する構図を投入したりと、全般的に下品さを感じさせるレベルで淫猥さの濃厚な描写が多く、個々の描写の上手さというよりかは濃度と物量で押し切るタイプ
  ページ数の都合上に加え、複数シチュエーションを入れ込むパターンも多いため、やや早漏展開気味ではありますが、上述した様に過剰性・濃厚さを追求したスタイルであるため体感的なボリューム感は十分。フィニッシュは孕ませる気満々で大量の白濁液をアへ顔を曝け出す膣内に注ぎ込み、男性のエロ台詞でも妊娠関係を強調するフレーズを盛り込んで、いい意味でのやり過ぎ感のあるグランドフィナーレとしています。

  色々と好みが分かれる要素が多いのは確かであり、演出の個性の強さもあって抜きツールとしての信頼性は読み手によって大きく異なるでしょう。とは言え、この強烈な妄想パワーの為せる魅力は強力で、その明け透けさはなかなか簡単にできるものではないと感じます。
個人的には、前髪目隠れ&爆乳なオカルト女子を騙してセックスに持ち込むもオチがとんでもないことになる短編「うろんなクラスメイト」が最愛でございます。

灯ひでかず『もう絶頂ってるからっ!』

AlreadyEnoughAchme.jpg 新井隆広先生の『LES MISERABLES』第2巻(小学館)を読みました。コゼットのために身を滅ぼしていくファンティーヌの姿は非常に痛ましく、なんで簡単に騙されてしまうのかと本作を映画や原作で読み返すたびに思うのですが、愛ゆえの愚直さというのはこの作品を貫く一つのテーマなんですよね。
そして、本作のジャヴァル警視のキャラデザインはカッコよくて素敵ですねぇ。

  さて本日は、灯ひでかず先生の『もう絶頂ってるからっ!』(茜新社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本(初単行本)『よりどりEcstasy!!』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
キュートな美少女達が特殊プレイでハードに絶頂しまくりな優良抜きツールとなっております。

AlreadyEnoughAchme1.jpg  収録作は、若者の風紀を取り締まる任務を遂行する忍者・風紀忍であるハスミちゃんがエロゲオタク連中に捕まったり、ライバルの忍者ガールの罠に嵌まったりな受難の日々を描く「風紀忍ハスミ」シリーズ2作(←参照 対魔忍風紀忍の身に魔の手が迫る! 同シリーズ第1作より)、前髪目隠れ属性でオタクで同人作家な先輩女子はハードなエロ妄想にトリップする癖があって~な「Mカクレ」シリーズ2作、エロ発明に邁進するマッドな博士と主にその発明の被害者となる助手コンビの活躍?を描く「からクリトリス」シリーズ2作+描き下ろしおまけ漫画6P、および読み切り形式の短編・掌編7作。
なお、他の作品にもエログッズの開発・販売で絡んでくる「からくりとりす」シリーズは前単行本からの続編ですが、ストーリー上の流れは弱いので今回から読んでも支障はありません。また、短編「震ハウス!!2」も前単行本の短編「「震ハウス!!」との直接の関係は特になし。
  描き下ろし作品とフルカラー掌編2作(共に4P)を除き、1話・作当りのページ数は16~22P(平均19P強)と書店売り誌初出としてはやや控えめな部類。分量的にエロメインの抜きツールとして分かり易い作品構築と、いい意味でライトな作劇でまとまっていると評し得ます。

【アブノーマル系ながら漫画チックに楽しい作品群】
  女の子のキャラクターとしての可愛らしさをしっかりアピールしつつ、エロは特殊な器具やプレイを絡ませつつハードに進行するという二次元ヒロインの美味しいトコ取りなスタイルは今回も健在。
ハードプレイに持ち込むため、くのいちヒロインの王道として拘束凌辱展開に持ち込む「風紀忍ハスミ」シリーズや、博士のエロ発明のために助手の美少女コンビが特殊器具プレイに巻き込まれる「からクリトリス」シリーズなどは、一定の嗜虐性もあるエロシチュエーション作りとなっていますが、基本的にはあっけらかんと明るい雰囲気が身上であり、これらの作品でもオチはごく平和になっています。
また、特殊器具の投入などに関連して、ファンタジー要素をしばしば絡めるのも特徴であり、ニートで自堕落な駄目人間の部屋に異世界から美少女が突然現れたり(短編「たなぼた救精主伝説」)、おバカ娘と彼女に勉強を教えてあげる少年の幽霊のラブ&エッチなお話があったり(短編「I LOVE 幽」)と、漫画チックな楽しさを感じさせる作品に良さがあります。
AlreadyEnoughAchme2.jpg加えて、特殊プレイや器具などは絡めつつ、キュートな美少女との甘い雰囲気のラブエロ話も用意しており、クールな美人さんや男勝りの元気娘、小悪魔系ロリっ子などのヒロインが主人公に対しては素直な気持ちになってラブ&セックスに蕩けてくれることで甘く優しい読書感を生み出しています(←参照 普段はクールな先輩が 短編「先んずれば性す」より)。
  いずれの作風においても、エロシチュエーションの組み立てやエロアイテムなど在りきのシナリオ展開であるのは確かですが、エロに特化するあまりにシナリオパートが無味乾燥になることはなく、展開のテンポの良さや、最終的な読み口の柔らかさ・心地よさがあるのは大きな強み。
また、「風紀忍ハスミ」シリーズの元ネタの対魔忍シリーズ(Lilith)や、短編「たまぼた救精主伝説」の異世界ヒロイン出現など、オタクコンテンツ的な定番を素直に踏襲しつつ、そこから自分なりの面白みをしっかり添加して作品を組み立てているのも評価したいポイントです。

【柔らかマシュマロボディの萌え系美少女ヒロイン】
  年齢不詳の異世界ヒロインさんはともかく、ヒロイン陣の年齢層はローティーン級~20歳前後の美少女さん達となっており、概ねミドル~ハイティーン級程度が主力絵柄の特性もあってロリっぽさが強いキャラデザインと言えるでしょう。
寡黙なくのいちであるハスミちゃんや、異世界から突如出現したエルフ耳の美少女など、ファンタジー系ヒロインも用意しつつ、黒髪ロングのクール美少女の先輩、前髪目隠し美少女の同人作家、ツインテールの小悪魔ロリ、ショートヘア&巨乳の男勝りガールなどなど、二次元ヒロインとしてのポピュラーなキャラクター属性とキャラデザインをしっかり踏襲したキャラ作りは武器の一つ。
なお、人数的に主力ではないのですが、「からクリトリス」シリーズの助手の片割れであるカエデちゃん、「風紀忍ハスミ」シリーズのライバルくのいち・ツバキちゃんなど、フタナリ美少女も特殊プレイの一環として登場しています。苦手な方は要留意ですが、見た目は可愛らしい美少女であることもあって、マッシブなフタナリキャラではなく、かなり受け入れやすいタイプではあります。
AlreadyEnoughAchme3.jpg  巨乳キャラながら博士のエロ発明によって今回ロリ化する助手のイズミさんを含め、少数名ちっぱいのロリボディの持ち主も登場していますが、人数的な主力はふにふにと柔らかなマシュマロ巨乳をお持ちのおっぱいガールズ達。なお、ちっぱいキャラに関してはエロシーンでも上半身の着衣がはだけない傾向が明瞭で(←参照 貴重なちっぱいチラ 「からクリトリス」シリーズ第3作「からくりロリs」より)、ぺたんこバストを満喫したい諸氏は要留意。
全体的に肉付き弱めのロリ系ボディに関しても、ぽよんぽよんの柔らかバスト&ヒップのスレンダー巨乳ボディについても、乳尻の肉感は打ち出しつつ、比較的スレンダーでしなやかなボディとして描く傾向にあります。それでいて、女体のボディラインには柔らかさを感じさせる丸みを付与しており、絵柄のロリっぽさと相まってエロアピールを施しつつ可愛らしさが前面に出たタイプ
  これらのロリっぽさの源泉であるポップ&キュートな萌え系絵柄は、適度にデフォルメを効かせていることもあって煽情性よりも可愛らしさが強く出ており、後述するエロ演出などにおいてもその強みをしっかり生かしているのが○。中身の絵柄も安定していますので、表紙や裏表紙にピンと来たならばジャケ買いでも問題ないでしょう。

【エロ可愛らしさを維持しつつハードな痴態描写】
  前述した様にエロメインの作品構築であり、ページ数の都合上たっぷり長尺とは言い難いものの抜きツールとしての分量は十分。また、エロシーンにおいて、導入パートとはまた異なるヒロイン達のエロ可愛さがしっかりアピールされているのも小さくない加点材料と言えるでしょう。
エロゲやエロ漫画での触手凌辱や拘束凌辱といったエロ妄想と実際のセックスがリンクしてしまう女の子が登場する「Mカクレ」シリーズや、くのいち凌辱シチュエーションをメインとする「風紀忍ハスミ」シリーズなど、エロシチュエーション的にもアブノーマルなものを用意しており、恋愛セックスの場合でも姉弟相姦やコスプレH、小悪魔ロリのセクシーな誘惑プレイなど、シチュエーションは多彩かつ少々背徳的。
  また、コスプレ要素も含め、エログッズなどの各種小道具の活躍が大きな特徴と言え、催淫作用のある薬やマジックアイテムでヒロインの快感を倍増させたり、エロ発明道具でふたなりロリちんことロリクリトリスの感覚をリンクさせたり、陰核や乳首を重点的に刺激する器具を投入したりと、特殊な道具で特殊な感覚を生み出しています。
AlreadyEnoughAchme4.jpgこの特殊プレイにヒロイン達はすっかりメロメロとなっており、キャラクターの可愛らしさはしっかり維持させつつも、派手なアクメフェイスやぐしゃぐしゃになった蕩け顔を曝け出し(←参照 感覚の衝撃の描き方が秀逸 短編「たなぼた救精主伝説」より)、呂律の回らないハートマーク付きのエロ台詞を叫びながら派手に絶頂を繰り返すハードな痴態を連発。
また、前戯パートと抽挿パート共に美少女ヒロイン達の柔らかボディをたっぷり満喫できる描写となっていますが、前述した器具の投入も含め、クリトリスと乳首の膨らみを執拗に愛撫する描写が大きな特徴であり、前戯パートの愛撫描写だけでなく、抽挿パートでもピストンしながら性感帯の3つのお豆をクリクリと弄り倒してヒロインの絶頂を誘発していきます。
  ヒロインの派手な乱れっぷりや淫液が漏れだす結合部のアップ構図などを大ゴマで表現してインパクトを稼ぎつつ、乳首や陰核を中心とした局所アップの小ゴマで情報量を増し、膣内射精に理性が弾け飛んでアクメ台詞を絶叫し、ビクビクとアクメ痙攣するヒロインのエロ可愛い姿をがっつり提示な1Pフル~2P見開きのフィニッシュまで力走しています。

  ヒロインのエロ可愛さを大きな美点としつつ、そこを活かしつつのアブノーマルプレイとハードな痴態描写が高いレベルで両立された作風はこの作家さんの確たる強み。天魔レーベルですが、作風的にはマックス系の萌えヒロイン要素とキルタイム系のファンタジー要素の両方を踏襲したタイプと個人的には捉えています。
どの作品も大変抜けますが、個人的にはショートヘア&トランジスタ・グラマなくのいち・ハスミちゃんが実にキュートな「風紀忍ハスミ」シリーズと、小悪魔系ロリっ子の素直な気持ちが愛らしい短編「アフターおままごと」が特にお気に入りでございます。お勧め!

蒟吉人『とろちち』

MeltyBust.jpg ドーモ、ドクシャ=サン。ヘドバンです。『NINJA SLAYER KYOTO:HELL ON EARTH ピストルカラテ決死拳』(エンターブレイン)を読みました。ワイルハント=サン、中間管理職めいたアトモスフィアに同情重点だったのですが、物理書籍版では最期の壮烈さが実際倍化な。
そして我らが紳士ヘッズ・クランの偉大なるメンター・モスキート=サンも役得シーン大サービスながら爆発四散・・・。モスキート=サン、女体に包まれてあれ。

  さて本日は、蒟吉人先生の『とろちち』(富士美出版)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『ミダラBooks』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
お馬鹿な登場人物達の織り成すお馬鹿コメディワールドと、弾力溢れる巨乳のスレンダーボディがハードに乱れるエロが大いに楽しめる作品集となっています。

MeltyBust1.jpg  収録作は、家出中のお嬢様といまだに逃避行を重ねる自殺男に積年の恨みを果たさんとスナイパーさんが再出動するもまたまた色々な騒動に巻き込まれていく「自殺男」シリーズ4作、健気だけどお馬鹿でドジで天然淫乱、しかもセックスした相手は必ずロクでもない目に遭う“サゲマン”なくのいち・アマメちゃんの愛の?逃避行な「とろけるくのいち」シリーズ3作(←参照 アマメ=サンの着衣が一瞬で弾け飛ぶ!ワザマエ! 同シリーズ第2作より)、および読み切り形式の短編3作。
なお、「自殺男」シリーズや短編3作については、これまでの単行本の作品群と同一世界観であり、お馴染みのキャラクター達も多数登場しているので、既刊を読んでいると楽しさが更に増します。
  1話・作当りのページ数は11~22P(平均20P弱)とコンビニ誌初出としては中の上クラスのボリュームで推移。コメディとしての楽しさをしっかりと打ち出しつつ、エロの量的満足感もある好ましい作品構築が大きな特徴と言えます。

【更に広がりを見せる作品世界の賑やかな楽しさ】
  お嬢様に振り回されつつ、復讐のために再度の攻撃を仕掛けるスナイパーさんをドタバタ攻防の末に珍道中に引き込んだり、スナイパーさんを狙う美女拳法家(チャイナドレスで語尾は勿論“アル”だ!)をエロ的に撃退したりな「自殺男」シリーズを筆頭に、ドタバタ展開で魅せるエロコメディが今回も作風の基盤。
  今単行本の「とろけるくのいち」シリーズの様に、時代劇モノも得意とされていますが、その系統では設定が独立しているのに対し、「自殺男」シリーズも含めて現代を舞台とする作品では世界観が統一されており、今回も各シリーズの登場人物達が再登場して賑やかな世界を拡充しています。
例えば、「夜鷹TAXI」シリーズの3作目である短編「三台目 夜鷹TAXI」ではこれ単体として話を成立させつつ、「自殺男」シリーズのお嬢様の婚約者であるブ男&女好きの成金社長が脇役として登場したり、シリーズ1作目のドライバー・葵さんが名前だけ登場したりと、登場人物の関係性を表示することで蒟吉人作品の中での位置づけをしっかり確保するのが面白いところ。
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  エロ的な意味で色々と不幸な目に遭う「自殺男」シリーズのスナイパーさん&お嬢や「とろけるくのいち」のアマメちゃんなどが代表的ですが、なし崩しでセックスに突入していくという展開が多く、高嶺の華的な美人さんに好き放題という邪な喜びを喚起しつつ、この展開そのものがドタバタ劇としての楽しさ・お馬鹿さを形成しているのは一つのポイントでしょう(←参照 怒りの女スナイパー 「自殺男」シリーズ「自殺男のテント お嬢VS百発百中の女」後編より)。
恋愛エロ的な甘さや優しさには乏しく、調子にのったエロ野郎どもの手によってなし崩し的にエロに突入するサツバツさがないわけではないものの、あくまでコメディとしての楽しさが先行することに加え、ヒロイン陣の健気さや芯の強さ、野郎連中の馬鹿で助平だけれども嫌味のない素直さといった登場人物の描き方の良さもあって、作品全体のトーンはかなり明るいとも言えます。
  しょーもないギャフンオチなどを繰り出すラストも、テンポの良い展開からスムーズにオチをつけ、また天丼的に展開の繰り返しを施しつつも、登場人物達の様々な活躍やら騒動やらがこれからも続いていくことを示唆しており、作品としてのまとまりを付けながらも作品世界の更なる広がりを期待できるのは非常に上手い点だと評し得ます。

【綺麗なお姉さん系の多彩なヒロイン陣】
  美貌の女スナイバーに我儘お嬢様、気に入った相手にしか体を売らないオイラン気質のお嬢様系夜鷹運転手、ドジっ子サゲマンくのいちに貞操観念の著しく低いアメリカン女教師(人妻)など、多彩な顔ぶれが揃うヒロイン陣の年齢層は概ね20歳前後~20代後半程度の綺麗なお姉さんタイプが主力。
「自殺男」シリーズの美女コンビに加え、「USAMAMA」シリーズのアメリカン女教師&人妻・クララさんや「ミダラBooks」シリーズのお淑やか系ド変態の古書店店長さんなど、お馴染みの面々も登場させつつ、新キャラクターも投入して作品世界の賑やかさを増しています。
  クールな殺し屋や高飛車系キャラ、くのいち、外国人美女など、並の男性には手が出ない“高嶺の華”的な美人キャラクターの投入頻度が高く、これに対して男性はちょっと冴えない面々や助兵衛野郎と対比的な位置づけになっていますが、両者の立ち位置の差異を固定化するのではなく、男女双方のキャラクターの間抜けさや一途さに“愛すべき馬鹿達”的な親しみ易さがしっかりと打ち出されているのが大きなポイント。
MeltyBust3.jpg  先端の乳首がツンと自己主張しつつ張り良く上を向く釣鐘型の美巨乳がボディデザイン上の強みであり(←参照 オイラン・タクシー運転手のバストは豊満であったフィーヒヒヒ 短編「三台目 夜鷹TAXI」より)、引き締まったウェストや程好い肉感の桃尻を組み合わさって整ったプロポーションのスレンダー巨乳ボディを形成。綺麗な女体として完成度高くまとめつつ、ぷっくりとした乳輪のエロさや(陰毛があるキャラクターでは)股間の茂みの淫猥さなど、適度な猥雑感を混ぜ込むことで肢体の煽情性を増強しています。
  キャラクターの再登場率が高いこともあって、コスプレ変化的なものも含めて衣装面での視覚的多彩さを確保しており、スナイパー&お嬢コンビのバイト先でのバニースーツ姿やクララ先生の柔道着姿、女拳法家のセクシーなチャイナドレスなどなど、スレンダー巨乳ボディのエロ美しさを増すことに着衣が貢献。ただし、全裸セックスの割合も比較的高いので着エロ至上主義の諸兄は要留意。
  少年漫画チックな快活さ・描線の素朴さなどがあるタイプで、艶っ気たっぷりに丹念な描き込みをする濃い目の絵柄とは一線を隔すスタイルと言えますが、導入パートでコミカルに見せつつエロシーンになると演出も相まってグッと色気を増す手腕は確かであり、そこが長所。表紙絵の絵柄と中身の安定した絵柄も完全互換なのも安心材料の一つでしょう。

【スレンダー美巨乳の痴態を的確に盛り上げる描写】
  なし崩し的な騙しエロ展開や、何処かプレイ的な雰囲気もあるお気軽寝取られ展開なども含めてコメディのシークエンスを形成しており、十分量のエロシーンを抜きに供しつつも作品全体の賑やかな雰囲気も同時に形成していく構成はこの作家さんのお手の物。
強気な美人さんやレアリティの高い外国人美女や女忍者をなし崩し的に好き放題という点で、前述した様な嗜虐性や征服感をある程度喚起しており、徐々にヒロイン達がち○こにメロメロに~という定番の流れを踏襲することもエロの盛り上がりに寄与しています。もっとも、不幸な目に遭いつつもヒロイン側が一方的に蹂躙されることはなく、因果応報の結末を迎えたりきっちり逆襲したりと暗い方向性に沈むことはありません。
  野郎連中のストレートな欲望でガンガン突き進むこともあって、特殊なエロシチュやプレイはあまり目立ちませんが、露出や寝取られでの見せつけセックスや、美脚ヒロインの足をペロペロするプレイなど、シチュエーションやプレイにちょっとしたアクセントを設けているのは嬉しいところ。
その一方で、ヒロインのエロボディの感触を内から外から満喫するという、基本的な欲望に素直に集中したエロ展開でもあり、パイズリやフェラ、アナル舐め、手コキなどの各種サービスプレイともっちりおっぱいを揉んだり吸ったりこね回したりな愛撫などを充実させた前戯パートにも十分な尺を配置しています。
MeltyBust4.jpg  抽挿パートに移行すればアナル挿入なども絡ませつつ、汁気たっぷりの肉穴に挿入してガンガン腰を振りまくって野郎連中ご満悦&ヒロインも徐々に快感に染め上げられるパワフルな抽挿パートを形成しており、蕩けきった表情でアクメを迎えるヒロインを中出しされる結合部を見せつける構図でがっつり描き上げる1Pフル~2P見開きのフィニッシュまで勢いよく進行します(←参照 エロチャイナさんがアクメ敗北!インガオホー! 「自殺男」シリーズ「四千年の女」より)。
結合部見せつけ構図を重視しつつスレンダー巨乳ボディのしなやかさをアッピールする構図取りや、柔肌をしっとりと濡らす汗や淫液の適度な量の液汁描写、ばいんばいんと激しく揺れつつ演出として過度ではない乳揺れ描写など、エロ演出を適切な水準で施すことも、絵柄に由来するシンプルな美しさ・エロさを阻害せずに痴態を盛り上げていると高く評価したいポイントです。

  何よりもキャラクターの魅力を、それを積み重ねて作品世界を盛り上げていく手腕が漫画としての面白みを高めており、その上でエロもしっかりと勘所を押さえて綺麗なお姉さんと一発やりたいという分かり易い願望を満足させてくれるのも○。
個人的には、新キャラの鷲羽お嬢様(短編「三台目 夜鷹TAXI」)も、ちょっぴりドジなツリ目クールな美脚美人の美人拳法家さん(「四千年の女」)も大好物なので再登場を期待したいところ。楽しくて抜けるエロ漫画をお探しの諸氏に自信を持ってお勧め致します。

ハッチ『乙女のわれめ』

MaidenSlit.jpg 鳥山明先生の『銀河パトロール ジャコ』(集英社)を読みました。話としては結構シンプルなんですが、登場人物達の魅力と気持ち良い展開の連続で読ませる技量は流石だなぁと感じます。
当初全く予想していなかった、この作品が前日談的な位置づけとして『ドラゴンボール』シリーズとの深い関係が明らかになるのも新鮮な驚きでしたね。


  さて本日は、ハッチ先生の『乙女のわれめ』(ヒット出版社)の遅延へたレビューです。なお、先生の前単行本『いもーと未成熟』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
多彩な作劇で魅せる愛と苦しみが綯い交ぜになったロリータ少女達との性愛がつづられた作品集となっています。

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  収録作は、嫌いな相手の場合もあるものの好きな相手とのセックスの幻覚も見られるというドラッグを使用したことをきっかけに、妹との性愛関係が始まってしまう兄を描く中編「SexG」全4話(←参照 はたして妹が“最愛の人”なのか? 同中編第1話より)+カバー裏のしょーもない(褒め言葉)おまけ番外編2P、および読み切り形式の短編3作。
収録本数はあまり多くないですが、1話・作当りのページ数は22~42P(平均28P強)と標準を上回るボリュームで推移。シナリオ的にもしっかりとした読み応えを持たせつつ、エロの分量も十分確保した作品構築となっています。

【人の弱さが生み出す尊さと歪み】
  近親相姦をメインの題材に据えつつ、人の“弱さ”を善悪両面から丁寧に救い上げて日常の中での物語を紡ぎ出す作風は今単行本でも独自の魅力を有しています。
  特殊なドラッグの服用により妹への気持ちを自覚し、肉体関係に至りつつもその関係に迷いを抱える主人公を描く中編「SexG」は、主人公の迷いという弱さを丁寧に描き出し、近親相姦という禁忌の行為への後悔や反省を描き出しつつ、最終的にその弱さを乗り越えて自分たちの幸福を掴み取る方向へと向かいます。
これに対し、浮気した妻への愛憎から、妻と浮気相手の娘を溺愛しつつある種の復讐として彼女を“化け物”に育て上げてしまった男性の悲哀を描き出す短編「モンスター」は、人の弱さが生み出してしまった歪みが徐々に蓄積し、そして最後で弾けるという後味の悪さを残す作品。
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  誠実で真っ直ぐさを芯に有する中編作も、憎しみや恨みの負の連鎖を描き出す短編「モンスター」も、この作家さんが得意とする作風であり、弱さを抱えた人間の、それを上回らんとする“強さ”や、逆にそれに囚われてしまう“脆さ”を印象的な感情描写で魅せる手腕も流石というべき美点でしょう(←参照 最愛の人は 中編第4話より)。
三者三様の弱さや仮面が剥がれ落ちていくことで奇妙なダブルセックスに突入する短編「揺れる2段ベット」の割合に穏やかなとしたまとめ方や、AVのインタビュー形式を利用してロリータ少女の爛れた性遍歴をあっけらかんとした印象さえ感じさせる筆致で描き出す短編「相咲なつみ14歳デビュー」などは、よりライトな雰囲気ですが、ある種の“どーしょもなさ”とでも言うべき登場人物達の在り様にユーモアやアイロニーを感じられるのは美点でしょう。
好いものもあれば悪いものもありますが、読後にもやもやとした余韻を残してくれる作品ですが、人の心の揺らぎを描き出す作品である分、その余韻にこそ価値がある作風とも評し得ます。

【ロリータボディの近親ヒロイン】

  短編「揺れる2段ベット」に登場する姉妹ヒロインの姉の方は20代前半程度と思しき成人女性ですが、その他のヒロインはロー~ミドルティーン級のロリータ少女達で統一されています。
近親愛をテーマに据える中編作を筆頭に妹ヒロインが多いことに加え、妻と浮気相手の子であるため血縁はないものの娘であるヒロインなど、近親関係にあるヒロインが大半を占めます。短編「揺れる2段ベット」では近親セックスは描かれていませんが、姉妹の関係性が重要な要素となるため、家族の関係というものが何らかの意味を持つのはこの作家さんらしいところ。
  なお、男性登場人物達にも存在感が強いのがこの作家さんの特長であり、ある者は弱さを抱えつつ妹への大切な感情を貫き通し、ある者は妻への愛と憎を抱え続け、またある者は彼女とエッチできないモヤモヤや目の前の性欲の衝動に突き動かされて~とシナリオ展開で重要な役割を果たします。
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  年齢層の関係上、前述のアダルトお姉さんを除けば、ロリ色が明確なボディデザインであり、ぺたんこ~膨らみかけのバストな寸動ボディに細めの四肢を備えた肉付き弱めの女体として描かれています(←参照 比較的発育の良い子 短編「相咲なつみ14歳デビュー」より)。ある意味では、キャラデザも含めて色気やキャッチーな可愛げに乏しい描き方ですが、それ故の生々しさや背徳感があるのも特徴的でしょう。
  このシンプルな、悪く言えば地味なキャラデザに加え、当世流行のどキャッチーな二次元絵柄と一線を隔す硬い描線の絵柄は読み手の好みが分かれるところですが、この硬めの絵柄から上述した様な印象的で雄弁な心情描写が滲み出てくるところが大きな魅力であると言えるでしょう。

【ゴリゴリと読み手を圧迫するパワフルなエロ描写】
  シナリオ展開にエロシーンを上手に組み込み、そこで表現される想いが意味を持つ構成であるため、抜きツールとしての分量は十分に確保していますが、一定の重みを持つのでイージーな抜き物件か簡易に表現していいかには疑問もあります。
それはともかく、心に迷いを抱えながらドラッグセックスや近親相姦というアブノーマルなシチュエーションに嵌まり込んでいく中編作や、なし崩し的に突入していくスワッピング状態の背徳感で魅せる短編「揺れる2段ベット」など、シチュエーションの組み立ての巧さで魅せる分、エロシーンとしての盛り上がりは的確に為されています
  作品によってエロ展開の構成は異なっており、前戯パートを長めにとって女児ボディを念入りに愛撫するケースもあれば、抽挿パートを長めにとるケースも存在しますが、いずれにしても体の密着感を重視し、相手を強く求める欲望で強く駆動される行為のエネルギー感を醸し出しているのは共通。
MaidenSlit4.jpg絵柄そのものが少々地味ではあるため、長所として目立たない感はありますが、ヒロインの肢体と蕩けた表情をがっつり魅せる大ゴマをガンガン連続するシーンと(←参照 短編「モンスター」より)、小ゴマを連続させて結合部や表情などのアップを行為の進行と併せて並べるページ構成をバランスよく配置して行為の勢いと情報量の確保を両立しています。
  透過図や断面図を多用して抽挿関係の強調を施し、ストレートに性欲が充足された喜悦や解放感を語りだす台詞回しでエロの高揚感を生み出す分かり易い演出手法も、新味こそないものの、安定感があります。
前戯パートでの射精も含めて複数ラウンド制で構成していますが、フィニッシュも含めて射精シーンに明確な盛り上がりを生み出すタイプではなく、むしろそこで止まらずに更に快感を貪っていく前のめり感に強みがある描き方とも言えるでしょう。

  エロ面では技術的な蓄積が功を奏してより煽情性の盛り上げが強くなってきた印象もありますが、エロ・シナリオ共に個性的な魅力は不変であるなぁと感じる最新刊でした。
個人的には、主人公の男性の悲哀とそれによって生み出された“モンスター”の無邪気な狂気に強い印象を受けた短編「モンスター」が最愛でございます。
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