2013年11月

緑のルーペ『ガーデンⅡ』

GardenSecond.jpg『艦隊これくしょん‐艦これ‐コミックアラカルト 舞鶴鎮守府編』第1巻(原作:角川ゲームス 角川出版)を読みました。瑞鳳さんが触手に襲われるエロシーンが読めるのは舞鶴鎮守府編だけ!あと、愛宕さんの黒下着が拝めて大変良かったです(正直な感想
  俺提督、雷ちゃんが最愛なのですが、彼女がもっと活躍するアンソロジー作品も読みたいですなぁ!


  さて本日は、緑のルーペ先生の『ガーデンⅡ』(茜新社)のへたレビューです。なお、(成年向け)前単行本『ガーデンⅠ』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
  蓄積された性愛の歪みが弾ける衝撃のストーリー展開と美少女が狂おしく蕩けるエロ描写が魅力的な1冊となっています。

e8f6bf2f.jpg  収録作は、主人公が出会った不思議な少女・ひつじの父親が作り出した愛の楽園“ガーデン”に、それぞれの孤独・不安を抱えていた主人公の周囲の少女達が呑み込まれていき、終にひつじとも引き離されることになるのだが~という展開の長編「ガーデン」第10話~最終第16話(←参照 本当に終わってしまうのか 長編第14話「ひつじ/ガールフレンド」より)+幻想的な雰囲気で語る描き下ろしエピローグ10P。
なお、第1巻を未読であるとストーリー全体の展開やその魅力を理解することに大きな支障となるので、未読であるならば1巻と併せての購入を強く推奨します。
  1話当りのページ数は24~36P(平均28P)と書店売り誌初出として中の上クラスのボリュームで推移。長編作として強いドラマ性を有しており、ストーリー性を重視しつつエロシーンも抜きツールとして十分な分量があるため読み応えのある1冊と評し得ます。

【メインヒロイン・ひつじちゃんの魅力の高さ】
  第1巻において主人公の幼馴染と先輩の二人の少女が“ガーデン”へと呑み込まれていったため、ストーリー展開からはほぼ退場しており、第2巻ではメインヒロインひつじちゃんと、主人公に懐いている従妹のにんじんちゃんが主たる女性キャラクターとなっています。
他のサブヒロイン同様に、従妹のにんじんちゃんもガーデンへと入っていくことになりますが、彼女の場合は他のサブヒロインと異なり自発性が無く、彼女との近親相姦を望む父親に半ば連れ込まれる形となっており、硬軟織り交ぜた卑劣な調教によって変容させられていく様は、今回においても寝取られ的な色彩を生み出しています
  本作はあくまで主人公とひつじとの関係性に重点を置いたストーリーとなっており、にんじんちゃんも他のサブヒロインと同様にストーリーの帰趨にさほど大きな影響は与えません。父親との“愛情”に幸福を見出し、父親のために他の男性とのセックスすら厭わない一方で、自ら正常とは認識できないその状況に疑問や不安を感じる二面性の中で揺れ動くひつじのキャラクターは、印象的な鼻血なども含めてクールな容貌の中に含まされた雄弁な感情描写を以て描かれています。
ある種の洗脳によって作り出された父親への愛情と信頼、そこへの恐怖や不安、「大切な友人」である主人公への想いといった様々な側面を抱える中で、時折見せた素直な感情と蓄積されていった強烈な歪み・淀みの対比が魅力的に描かれており、同時にストーリー展開を大きく左右する要因でもあります。
GardenSecond2.jpg  巨乳キャラクターもごく脇役として登場するものの、今回のメインはロリ系美少女のひつじちゃんとにんじんちゃんであるため、彼女達の華奢な貧乳ボディがエロ的にメイン。設定の割には幼さを強調したキャラデザインとなっており、すべすべとした柔肌やバストや股間などの局所的なプニプニ感なども一定の背徳性を備えています(←参照 にんじんちゃん 長編第11話「にんじん/エゴイスティック」より)。
適度なデフォルメ感や萌えっぽさを有するアニメ/エロゲー絵柄でありつつ、くどさが少なく端正な美しさが先行するタイプであり、西洋人形のような美しさと評されたひつじちゃんのキャラデザインとの相性は非常に高め。長編第1話の時点と比較すると多少の絵柄の変遷は感じますが、絵柄の美点そのものはぶれておらず、評価に大きく影響するものではありません。

【美しく柔らかい美少女の肢体が淫靡に乱れる痴態】
  ストーリー重視の作品構築でありつつ、他人との関係をセックスでしか構築できない様に育てられたひつじをメインに据えていることもあって、エロシーンの尺は十分にあり、実用性を高めつつ話の展開とのつながりもしっかりと形成されています。
後述する様に、本作のメインテーマは別にあるのですが、ハーレムラブコメよろしく存在する主人公の周囲の美少女達が、別の男性達に次々と奪われていくという“寝取られ”的な側面を有しているのも確かであり、父親によって調教されるにんじんちゃんや、父親に対して性的な奉仕を続けるひつじの強烈な痴態は、主人公とそれに同調する読み手にとって手酷い喪失感をもたらすものとなっています。なお、逆に主人公とひつじのセックスは、登場頻度こそ高くないものの、ストーリー上非常に重要な転換点になっています。
  肉体的にも華奢さのあるヒロイン達ですが、年齢相応に精神的な弱さ・もろさも有しており、そこに付け込んだ大人達(父親達)が自らの理想や欲望を一方的に叩きつけるセックス描写は、男性達の歪みとヒロインの純粋性が鮮明に対比された上で、後者が快楽によって浸食される様に悲愴感と強烈な背徳感があると評し得ます。
GardenSecond3.jpg  焦点を失って快楽の泥沼に飲み込まれた様子を表現する表情付けなど、インパクトのあるエロ演出を施す作家さんですが、今単行本ではその使用量は以前に比べて控えめになっているという印象が個人的にはあり、ヒロインの可愛らしさを維持した上で強烈な陶酔感をより穏やかな演出手法によってじわじわと表現しています(←参照 長編第12話「にんじん/love’r」より)。その一方で、断面図・透過図の使用頻度の高さや、男性ボディの透明化なども用いての結合部見せつけ構図など、結合部描写によるストレートな煽情性の打ち出しは多用される傾向にあります。
性器描写なども淫猥さよりかは綺麗な印象を先行させたタイプですが、スベスベした柔肌や控えめサイズの秘所などが各種の淫液によってぬるぬるになり、濡れた肌や粘膜が絡まり合う描写はグッと煽情性が高まっています。本作のセックスが、その根幹が何であれ、他者を強く渇望するものであることは、肌の接触や、膣の最奥までの挿入といった面で視覚的にも表現されていると言えるでしょう。
  舌を絡めあうキスや淫洞の全てをぬめった水音を奏でながら擦り上げる抽挿、抱擁などでヒロインの肢体を味わい尽くし、涙や涎で濡れた蕩け顔を曝け出すヒロインにたっぷり中出しを決め込むフィニッシュシーンは1Pフルでアタック強く描かれています。シナリオ展開と併せるために、やや変則的なエロシーンの組み立てになることもありますが、概ね要点となる抜き所の複数配置が図られているのも抜きツールとしての美点でしょう。

【少女を苦しみの檻から救い出す本当の愛】
  父娘の肉体関係や寝取られ展開なども含め、強烈な歪みを蓄積し続けたストーリーは、その歪みが蓄積に耐え兼ね一気に弾けることで終盤の衝撃的な展開を生み出します。
人が人である以上、“誰かの理想”であることが出来ないこと、その一方で愛する人の希望を叶えたいことの矛盾の苦しみを一身に抱え続けたヒロイン・ひつじは、心を閉ざして盲目的に父親の理想に追従することになるのですが、主人公との出会いと友情によって新たな希望を見出すと共に、激しい動揺とそれ故の精神の崩壊にさらされます。
  未読の方にとっての話の旨味を損なわないために詳細な記述は避けますが、歪んだ関係性の行きつく先まで行ってしまった彼女にとっては、自らの心を殺して父親の理想に殉じるか、贖罪を抱えながらも新たな生を勝ち取るかのどちらかしかなかった上で、著者の前作『イマコシステム』と同様に、本作は後者の道を主人公と共に歩ませることを選択します。
GardenSecond4.jpgヒロイン・ひつじは自らの意思によって主人公との信頼関係を選択することにより、強烈な肉体的快楽の耽溺と父親の理想の押し付けによって認識し、繰り返し口にしていた“愛”の虚飾から脱却し、ごく普通の少女として、押し付けれられたものでない本当の“愛”を初めて知ります(←参照 メガネは新たな視野の獲得の象徴と言える 長編最終話「ひつじ/インパクト」より)。
  取るに足らない出会いで知り合った主人公は、派手な大立ち回りをするわけではありませんし、全てのヒロイン達を救済できる存在でもありませんが、ただ単にひつじに優しく接し、彼女を彼女として受け止めたこと、それ自体が彼女にとっての大きな希望と原動力になったと言えます。
とどのつまり、本作は凶悪な寝取られ展開やミステリアスな設定などの外装をまといつつ、本質はごく王道で普遍的なボーイ・ミーツ・ガールであったと言え、肉体的な快楽を超越した心のつながりが、主人公がヒロインを受け止めると共に、苦しみ続けたひつじちゃんを救済したと評し得るでしょう。

2巻構成ということもあって、ストーリーの練り上げと表現力は『イマコシステム』に比して大きくレベルアップしており、終盤の展開には引き込まれると共に優しさに包まれるハッピーエンドを素直に祝福したい気持ちになりました。
次回作は、より抜きメインの作品集としたい旨をあとがきに書かれていますが、今後も是非ストーリーを重んじた作品を描き続けて頂きたいと期待したいところ。お勧め!

山下クロヲ『甘いちゅーぼー』

SweetJC.jpg TVアニメ版『のんのんびより』第7話「せんべいがカレーになった」を観ました。あやとりにしても粘土遊びにしても、れんちょんの独特の感性が際立ったエピソードでしたね。しかし、あれが宇宙なのか・・・(驚愕。クール?な様で色々なことに対して感情表現が多様なれんちょんが可愛らしかったです。
以前にチラッと出ていましたが、楓さんもいいお姉さんキャラクターでしたねぇ。

  さて本日は、山下クロヲ先生の『甘いちゅーぼー』(ヒット出版社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本(初単行本)『かたいマシュマロ』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
  朗らかな雰囲気の中で語られるロリータ少女達とのラブアフェア&セックスが楽しめる1冊となっています。

715bbd77.jpg  収録作は、仕事を首になって無職になった男性が、童貞を捨てるために南国のそっち系のツアーに参加するも人食い部族に捕まってしまい、そこで南国ロリっ子達に(性的な意味で)歓待を受けるが!?な短編「他殺ツアー」(←参照 待ち受けるは天国か地獄か 同短編より)+主人公とヒロインの心を優しく救済する描き下ろし掌編3P、および読み切り形式の短編7作。
  描き下ろし掌編を除き、1作当りのページ数は18~26P(平均24P弱)と標準的な部類で概ね安定。軽く柔らかい読書感が特徴と言えますが、余韻の心地よさを含めて満足感のある作劇であり、またエロの量的満足感も十二分にあります。

【“健全”ではないが“健康”な思春期の性愛】
  青空の下で笑顔の幼女という、健康的である故に逆説的に強烈な犯罪臭も感じさせる表紙絵ですが、中身はむしろその健康さ・健全さを旨とするほのぼのラブコメディ。
思春期の少年少女同士の性愛を描くケースもありますが、基本的には成人男性と、年の離れた少女との恋愛模様やその発展系としてのセックスを描いており、彼女達に受け入れられる幸福感を基調としています。
  このハッピーロリータ的な展開の中で大きな特徴は、少年少女達の性愛を、倫理観による同義付けや幸・不幸の文脈への位置づけを成すことなく、それそのものとして描いている点
9d839859.jpg意図的に少女性愛の禁忌性を“無視”するのではなく、思春期における純粋な性的欲望や異性への恋慕といった非常にシンプルな動機づけの延長として登場人物達の性愛を描くことで(←参照 青春の叫び 短編「芯まで青く」より)、シンプルである故の健康さ・真っ直ぐさが生まれており、禁忌としての後ろ暗さを綺麗に払拭しています。
この純粋性に、ある意味では付け込む形となる大人の男性達に関しては、その欲望の発現を滑稽さ・愚かさとして描くことはありつつも、セックスの源泉である彼女達の純粋性や信頼を裏切ることはありません。
  コミカルにまとめたり、ちょっぴりさびしいラストになることはありますが、肉体的・精神的な快楽を楽しむ純粋な行為として描かれたセックスが、登場人物達に新たな成長や幸福をもたらし、彼ら彼女ら自身の在り様を肯定するものへと昇華されていく展開は温かい読書感を生んでおり、さらりと、それでいて抒情的に描かれるささやかなハッピーエンドは読後の心地よさを更に高めてくれていると言えるでしょう。

【ちっぱい&つるつるま○この思春期初期ボディ】
  短編「芯まで青く」に登場するエロエロJKトリオを例外としつつ、登場するロリータ少女達は概ね小○校中学年~中○生程度のギリ二桁~ローティーン級の年齢層が主力となっています。
  性的な事柄に関してある程度認識はしており、興味も抱いているが、その実際を知っている訳ではないという思春期初期のキャラクターという点が各ヒロインに共通する特徴。そして、セックスを経験するということへの不安や戸惑いはありつつも、それを乗り越えるだけの生き生きとした好奇心や、確かな信頼・恋愛感情を彼女達が有しているということが、彼女達を魅力的なキャラクターにしている大きな要因と言えるでしょう。
また、駄目な主人公を叱咤激励した上で優しく受け止めてあげる母性的な少女や、主人公のことを純真に慕う妹系キャラクターなど、ロリ好きにとって好ましいキャラクター属性をくどくならない程度に添加しているのもキャラクターの魅力に貢献。
SweetJC3.jpg  年齢層によって等身などに多少の幅はあり、短編「芯まで青く」においては例外的に巨乳女子高生なども登場していますが、基本的にはぺたんこ~膨らみかけバスト&ツルツルで一本筋な股間というロリータボディがメイン。ロリぷに感を重視するのではなく、肉付きが弱く華奢なボディや、寸胴気味のお腹、バストの一部のみ膨らむ微乳など(←参照 ロリ乳 短編「ぼくたち女の子」より)、二次性徴期初期としての面を強調するボディデザインが特徴的です。
ぱっつんヘアやショートカットヘアといった髪形や、グレースケールで重さを感じさせる柔肉の描き方など、独特の野暮ったさも感じさせるキャラデザインではありますが、同時にあざとくない、素朴な可愛らしさが生じているとも言えます。
  今回の単行本においては、フルデジタルへの移行前後の作品が混在していることもあって、いい意味での描線の荒さや乱れがあったアナログ絵と、デジタルらしいすっきりとした描線の絵柄で印象の差異は明確にあります。前者が好きだった方には残念な部分もありますが、作画密度の程好い濃さは保たれており、作画面で全体的にレベルアップしたとも感じます。

【程好いアタックの強さがある和姦エロ描写】
  “エッチ”そのものを自然に作品の中核に据えていることもあってエロシーンの尺は十分長めであり、アリス達のロリボディの感触を内から外から満喫できる二次ロリ好きにとっての優良抜きツール。
別のロリっ子にロリっ子とのエッチを見せつけたり、寝ている女の子をprprしたり、南国褐色美少女達やエッチ大好きJKガールズとの乱交エッチがあったりと、多少の味付けの変化を付けていますが、和姦エロを確たるメインとしており、ラブラブHもあれば純粋に気持ち良い未知の行為をエンジョイするケースも存在。
  前戯パートにおいては、ちっぱいや無毛地帯のスジま○こ、アナルなどの未成熟な性感帯を舐めたり揉んだりで幼女臭を満喫する描写と、小さな口で肉棒に吸いつき男性の反応をうかがう様な表情を示すフェラ描写などを投入しており、比較的長めの尺を設けて抽挿パートへの盛り上げを形成。なお、前戯パートでは射精シーンを投入せずに、そのまま挿入へ移行というケースが多めです。
抽挿パートに移行後は、アナルセックスの登場頻度が高い傾向にあり、長めの尺を活かして前穴セックスとアナルセックスの両方を投入した上で、双方に射精シーンを設けるなど、エロシーン全体では複数ラウンド制となっています。
SweetJC4.jpg  絵柄の特性を殺さない様にしつつ、比較的アタックの強いエロ演出・エロ作画を行っているのが大きな特徴であり、性器やアナルを含めて露骨にお尻を見せつける構図や、ハートマークを散りばめた嬌声や擬音、だらしなく蕩けた表情付け(←参照 ぐるぐるおめめ&ハートマーク乱舞 短編「ライアー×ライアー×ライアー」より)、ち○この断面図を枠線に用いるというウルトラC(死語)も含めた断面図や透過図のインパクトのある使用などで、セックスの陶酔感や高揚感を盛り上げています。
たっぷりの潤滑液をぐちゅぐちゅと奏でながら互いに腰を振り合うセックスは、前穴セックスであれば子宮口に肉棒の先端をぐりぐりと押し付けながらたっぷり白濁液を注ぎ込む中出しフィニッシュへと突入。とは言え、ぶっかけフィニッシュや、アナルから白濁液がこぽりと漏れ出るアナルフィニッシュも混在しています。いずれにしても大ゴマ~1Pフルのボリュームで絶頂の喜悦を味わうヒロイン達の痴態をたっぷり見せ付ける、盛り上がりが十分に図られた抜き所となっております。

  ユニークな雰囲気作りの長所を活かした、シナリオとしての読み口の良さを保ちつつ、端正さとアタックの強さを良い塩梅で折衷したエロ描写が新たな魅力として生じており、成長を感じさせる2冊目。
個人的には、褐色肌の南国ロリっ子達とたっぷりエッチが楽しめ、主人公とヒロインの孤独が救済される短編「他殺ツアー」が最愛でございます。お勧め!

大嶋亮『ミックスラブジュース』

MixLoveJuice_201311260026337f7.jpg TVアニメ『キルラキル』第8話「俺の涙は俺が拭く」を観ました。蒲郡先輩、以前から実直さが滲み出ていましたが、なかなかの男前ですなぁ、同時にとんでもない変態さんであることも明らかになりましたが(汗
威圧的な漢字だらけのイベントの字面といい、気持ち良い程サクサクと進行するシナリオ展開といい、『魁!男塾』といった昔の少年漫画的な懐かしさを感じますね。

  さて本日は、大嶋亮先生の『ミックスラブジュース』(ジーオーティー)のへたレビューです。なお、先生の(成年向け)前単行本『ラブバイト』(コアマガジン)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
艶っぽい年上ヒロイン達とのウハウハな棚ボタ展開&パワフルな和姦エロが詰まった作品集となっています。

  収録作はいずれも読み切り形式の短編11作。フルカラー短編「Mephistopheles~リディヤ・アブラチェンコ編~」(8P)を除き、1作当りのページ数は16~28P(平均19P強)と幅はありつつ平均するとやや控えめな部類。いずれの作品もシナリオ軽め・エロしっかりという抜きツール的にスタンダードな作品構築に準拠していると評し得るでしょう。

【ポジティブな快楽全能主義で押し切る作劇】
  最近では一般向けジャンルでの活動がメインとなっており、今単行本の収録作の大半はメガストアH掲載作でこれまで収録に漏れていた作品群となっています。
MixLoveJuice1_20131126002632934.jpgこのため、旧来のメガストア系列らしいカラッと明るいラブコメ・エロコメで概ね統一されており、その上で、綺麗でエッチなお姉さんに誘惑されて~という棚ボタ感満載なシナリオ展開が今単行本の収録作のメインと言えます(←参照 真面目な部長がまさかの誘惑!? 短編「レンズの中の彼女」より)。
どちらかと言えば、肉食系女子とも言うべき、セックスに対して貪欲で男性をグイグイ牽引する様な女性キャラクターが多いことは、エロシーンへの誘導をスムーズにしており、快楽全能主義的な快活さを作品に付与。
  ショタご主人様と堅物のメイドさんの主従を超えたラブ&セックスを描く短編「しあわせな小鳥」など、男女の恋愛感情や信頼関係の確認が作劇においてキーファクターになる場合もありますが、より直接的にセックスの快楽とそれに対する喜びが作劇の中核となっている作品が主流であると言えるでしょう。
また、同じ路線で固めつつ、後述する様にヒロインの設定を様々に用意することで作品の趣向を変えており、サキュバスの登場するファンタジー作品もあれば姉弟相姦エロに、王道の学園ラブコメもあったりします。
  各作品ともハッピーエンドを迎えますが、甘い幸福感を漂わすというよりかは登場人物達が満足した様をサバサバとした様子で描いており、終始軽い読書感で陽性の性欲を描いた流れをそのまま受けたラストと言えるでしょう。

【グラマラスボディの好色お姉さん達】
  一部のキャラクターは主人公の少年と同年齢ですが、基本的には前述した通りに年上の女性をヒロインに据えており、ハイティーン級の女子高生から女子大生クラス、上は30代後半程度と思われる美熟女さんまで年齢層は幅広め。
MixLoveJuice2_20131126002632d10.jpg狭義の意味での“お姉ちゃん”、つまり血縁関係のある姉も登場していますが、お隣のお姉さんや職場の先輩といった狭義の意味の“お姉ちゃん”ヒロインも多く、JK美少女やロックミュージシャンの姉、ウェイトレスさんやカフェのマスター、果ては洋館のメイドさんやサキュバスさんといったファンタジー的なキャラクターなどヒロイン設定は多彩に取り揃えられています(←参照 堅物メガネ美人メイドさん万歳 短編「しあわせな小鳥」より)。
  クールな外見の割に弟君には気弱な面を見せるお姉ちゃんや清純派美少女などもちょこちょこ登場するものの、弟君を(性的な意味で)オモチャにするお姉ちゃんや、朝駆けで息子のち○こをご賞味なママさん、毎回の食事のお礼を進んで体で支払うお隣のお姉さんなど、エッチに貪欲な肉食系お姉さん達が主力となっています。年上美人に性的に翻弄されたい諸氏には好物件である一方、可憐で無垢な清純美少女などを期待する方には不向きであることに要留意。
肉付きに多少の変動はありますが、柔らかお肉がぱつんぱつんに詰まったロケット巨乳~爆乳と安産型のビックヒップをお持ちのグラマラスボディでヒロインの肢体造形は概ね統一されています。お腹まわりの肉感なども適度にありつつ、等身が高めなこともあってスレンダーな印象も目立ちます。
なお、キャラデザインの一つの特徴に、黒髪ロングの美人さんが多いことが挙げられ、艶やかなキューティクルが年上美人の色気を高めています。
MixLoveJuice3_20131126002631dec.jpg  絵柄のベースはキャッチーなアニメ/エロゲー絵柄であると言えますが、オーソドックスなキャッチーさよりかは熟した艶っぽさが前面に出てくるタイプ。ハイティーン級の美少女であってもアダルトな色香が香るレベルであり(←参照 妖艶JK 短編「快楽の行く先」より)、悪く言えば多少のクドさはあるのですが、好色ヒロインのキャラクター性との親和性は高いと評し得ます。

【おっぱい関連も充実の年上美人の痴態描写】
  各エピソードのページ数に幅がある分、エロシーンの長短にも多少の変動はありますが、抜きツールとして問題ない水準が用意されており、年上ヒロイン達の痴態を十分量鑑賞可能。
お姉さん誘惑エロの王道とも言うべきエロ展開をメインとしており、エロシーン序盤では年上美人によるボディタッチや言葉による誘惑、足コキやフェラなどでのち○こ弄りなど女性側が能動的なシチュエーション・プレイを投入しつつ、特にエロシーン終盤の抽挿パートでは男性主人公側がアドバンテージを一定程度取り戻して彼女達をアクメの喜悦に至らせるという、男性側にとって受動・能動の両方を楽しめるエロ・シークエンスとなっています。
  概ね和姦エロであるため、極端なプレイやシチュエーションは投入しませんが、ちょっとした羞恥プレイやダブルヒロインとの3Pセックス、ハメ撮りプレイなど、ある程度エロシチュに変化を付けているのは○
また、エロシーンにおける特長の一つは、前述したたっぷりボリュームのおっぱいの活用であり、肉棒を包み込むパイズリの前戯パートにおける投入率の高さや前戯・抽挿の両パートに投入される乳首弄り・乳首吸いの描写の入れ込みなどが目立ちます。
MixLoveJuice4_201311260026303b4.jpg  抽挿パートでは肉棒を迎え入れてぶちゅぶちゅと卑猥な水音を奏でる肉厚おま○こをアップで描写するコマや構図を多用しつつ、美女の肉感的な柔らかボディと火照り、濡れて艶っぽさを増す表情をボリューミィに見せつける大ゴマの威力が美点の一つ(←参照 短編「ファミレスにて」より)。これらのコマを、やや見づらさを感じることはありますが、構図の連続性を意識しながら密度高く配置するページ構成も技巧を感じさせる点です。
  ページ数が少なめの場合は1回戦仕様、多めの場合は前戯パート・抽挿パートで1発ずつの2回戦仕様と分かり易い使い分けをしており、射精シーンの前に適度なタメを蓄積させつつフィニッシュシーンは1Pフルで絶頂を迎えるヒロインにたっぷり中出しを決めています(アナルフィニッシュやぶっかけフィニッシュもアリ)。

  エッチなお姉さんモノが好きか否かという点で、評価の大部分が定まる1冊と言え、もし属性持ちであれば色っぽい黒髪美人・美少女にたっぷり搾り取られる幸福が味わえます。
個人的には、性に奔放なお姉さんに悪戯され続ける短編「快楽の行く先」と、堅物メイドさんのエッチな素顔が魅力の短編「しあわせな小鳥」に特に愚息がお世話になりました。

てりてりお『クチュトリス!』

Kuchutoris.jpg いたち先生(原作:平坂読氏、キャラクター原案:ブリキ氏)の『僕は友達が少ない』第9巻(メディアファクトリー)を読みました。とんでもない顔を晒すわ、ゲロを吐くわで、ヒロイン達(というか主に星奈と夜空)の残念っぷりが特に目立った巻でした。
主人公と星奈の親密具合が高まっている様にも感じますが、夜空の告白が今後にどう影響してくるのでしょうかね?

  さて本日は、てりてりお先生の『クチュトリス!』(ワニマガジン社)のへたレビューです。先生の前単行本『うみんチュッ』(コアマガジン)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
魅力的なヒロイン造形が光るラブコメディ&ラブラブハードHが楽しめる1冊となっています。

Kuchutoris1.jpg  収録作は、ツンデレ気質で彼氏君のエッチの誘いに毎度お断りをするもエッチになればぐしゃぐしゃに蕩けちゃうヒロイン・ゆきなさんとのツンツン&ラブラブな日々を描く「ゆきにゃ!」シリーズ全4話(←参照 こんなこと言ってますが・・・ 同シリーズ第3話「冬に吹くゆきにゃ!」より)+描き下ろし後日談短編12P、および読み切り形式の短編6作。
描き下ろし短編を除き、1話・作当りのページ数は16~24P(平均19P強)とやや控えめながらコンビニ誌初出としては中の上クラスのボリュームで推移。軽快な読み口であるシナリオと程良い濃度・分量のエロとで構成された作品群と言え、コンビニ誌的に王道の構築とも言えるでしょう。

【明るく楽しく微笑ましくなラブコメディ】
  これまでの作風では、お馬鹿かつ快活なキャラクター達が大暴れするアッパーなテンションのラブコメに魅力がある作家さんでしたが、今回はその路線をある程度は踏襲しつつ、より軽く穏やかな読書感を生む作風へと移行。
エロまっしぐらな野郎連中や逆に大人しい男性を翻弄する女性キャラクターといった、これまでの作風においてシナリオ展開の牽引役となっていたタイプのキャラクターもハチャメチャなギャグを引き起こすということはなく、ラブラブ展開や誘惑展開といった流れの雰囲気にマッチしたタイプとなっています。
Kuchutoris2.jpgこのため、各作品の作劇において目立つのは、ハイテンションなコメディの勢いというよりかは、棚ボタ展開やラブラブ展開の幸福感という印象が強く(←参照 憧れのお隣のお姉さんが突然のお誘い!? 短編「トラベル×トラベル」より)、やや強引にエロシーンへと誘導しつつも結果オーライのハッピーエンドへと至ります。
  こういった作風の変化をどう捉えるかは読み手の好みによって異なりますが、全体的に良くも悪くもスタンダードなコンビニ誌的ラブコメ・エロコメに移行したという印象が個人的にはあります。
とは言え、作劇スタイルが割合に凡庸なものとなった一方で、ヒロインを中心とするキャラクター描写の良さは健在であり、普段のツンツンぶりとエッチの際の乱れっぷりの落差が素敵な中編シリーズのゆきなさんや、何か薄暗い背景を感じさせつつも天真爛漫に主人公を愛して尽くす短編「先生の嫁(仮)」の天然娘・ほのかちゃん、少年の性欲を弄びつつも受け入れる短編「隣のシタギドロ」のお姉さん等、魅力的なヒロインがシナリオ展開とエロシチュエーションを牽引しています。
  全体的に明るく軽くという路線は共通していますが、ちょっと妖しげであったり、微笑ましさを同居させたりと多少の味付けも設けており、これまでの路線の面白みとは異なるとはいえ、この作劇スタイルも決して悪くはないと感じます。

【巨乳肉感ボディの多彩なヒロインズ】
  女子高生キャラクターから美人OLさんまで年齢層に多少の幅はありますが、概ねハイティーン~20代前半程度に絞られた年齢層。その上でエッチなお姉さんキャラクターもいれば健気な年下ヒロインもおり、主人公との関係性も様々。
前述した通りに、ヒロインの魅力自体で勝負する作品構築となっているため、元気で世話焼きな幼馴染や女王様っぽさのある美人お姉さん、お馬鹿で天真爛漫な健気ガール、ツンデレ娘に穏やかで優しい性格の清純ウェイトレスさんなど、設定や性格付けは多様です。
  素直でなかったり、男性に押し切られてしまったり、逆に男性をグイグイとリードしたりと発現の仕方はそれぞれ異なりますが、基本的には皆さんエッチ大好きな美少女・美女であり、エロシーンへのサクサクとした誘導に寄与。全般的に快楽全能主義が強い傾向にありますが、恋愛要素の強い作品では好きな相手のセックスに精神的にも快感を得ていることをちゃんと示しています。
Kuchutoris3.jpg中編シリーズのメインヒロイン・ゆきなさんこそ低身長やせ気味ボディ&ぺたんこバストというロリ系のボディデザインですが、その他のヒロインは健康的な肉付きのボディにたわわに実った柔らか巨乳と適度に締まったウェスト、程好い量感のヒップを装備のボディデザインでほぼ統一(←参照 おっぱいぷる~んぷるん 短編「お邪魔馴染」より)。このため、このスタンダードなボディデザイン以外を望むのは避けるべきですが、髪の毛や肌の色などでキャラデザインの描き分けはしっかり為されているのはヒロインの視覚的多彩さを確保する上で○。
なお、てりてりお先生と言えば、メガネっ子ヒロインという時期もあったのですが、今単行本では中編シリーズ作のサブヒロイン1名のみメガネ装備という状況であり、そこらのキャラデザに期待している方は要注意。
   比較的ハッキリした描線ながら、端正さやふんわりと柔らかい印象もある漫画絵柄であり、幅広い層に親和性の高いタイプと言えます。ヒロインの普段の可愛らしさとセックス時の艶っぽさのバランスも良く、シナリオパートで前者を強調しつつ、エロシーンでは徐々に後者を濃くしていく調節も美点となっています。

【過激なエロ演出と熱気のある陶酔感】
  ヒロインの性欲や恋愛感情などもあって、エロシーンへとスムーズに突入する作品構築となっており、ページ数に多少の幅はありますが、エロシーンの尺自体は標準か多少それを上回る程度の水準で安定。
勘違いからの強要セックスや、お姉さんがショタ少年を性的にイジメるシチュエーションなども存在しますが、それらのケースでも最終的には円満解決を迎えますし、基本的には和姦エッチがメイン。コスプレHや3Pセックス、意地悪プレイなども存在しますが、それらのシチュエーションに強く踏み込むのではなく、好き合う男女のセックスを盛り上げる役割にとどまっていると言えるでしょう。
  作品によって多少異なりますが、単行本タイトルから類推される通りに、クリトリスや乳首、男性キャラクターであればち○こ等、双方の性感帯に対するねちっこい愛撫がエロ描写上の一つの特徴。トロトロとした涎を舌で混ぜ合う“べろちゅー”や、指でヒロインの秘所を弄ってほぐす愛撫、ピストンしながらの乳首弄りなど、前戯パート・抽挿パートを問わずこれらのプレイを織り込むことで手数を増しています。
Kuchutoris4.jpgまた、ラブラブHを中心に和姦主体ではありつつも、描写自体は比較的ハード指向であると言え、快感の衝撃に曝け出すアへ顔や乱れた描き文字で表現されるハートマーク付きの嬌声、入口から最奥まで肉棒がストロークする断面図、ピストンに合わせてぷるんぷるんと揺れる巨乳描写など、エロ演出に関しては派手さ・過激さがあるスタイル(←参照 アへ顔&アクメ絶叫&潮吹き 中編シリーズ第1話「夏に吹くゆきにゃ!」より)。
  そういった過激であったり露骨であったりするエロ演出や、激しく身悶えする肢体のダイナミックな動きの描写はある一方で、過激一辺倒で読み手を圧倒するタイプとはやや異なり、ヒロインの可愛らしさをキープして濃厚なエロ表現と共存させているのが美点と感じます。
  前戯パートではヒロインの肢体をねっとり愛撫するプレイが主体ということもあり、射精シーンは大ゴマ~1Pフルの中出しフィニッシュのみという1回戦仕様というケースが多め。このフィニッシュシーンでのヒロインのアクメ絶頂に加え、小刻みな絶頂の繰り返しなど、射精シーンだけでなくヒロインの絶頂シーンでも十二分なアタックの強さがあって抜き所として機能しています。

  棚ボタ展開も含めて読み口の良いラブコメディであり、またアへ顔などの過激なエロ演出を用いつつも極端さを感じさせないハードコアなエロ描写も訴求層を広げる上では大いに正解な手法。
個人的には、ツンデレ娘がトロトロに蕩けきったアクメフェイスを曝け出す中編シリーズと、日焼け肌の美少女が遊んでいそうで一途な面を示す短編「つねあきちゃん勉強中!」が特にお気に入りでございます。

新堂エル『新堂エルの文化人類学』

ShidoLsCulturalAnthropology.jpg 久保保久先生の『よんでますよ、アザゼルさん』第10巻(講談社)を読みました。あのアザゼルさんが、そんな心温まること言うわけないと思っていましたが、予想通りに酷い顛末となった佐隈さんの離職騒動でした。
今回、割と前面に出ていた鬼上司・芥返さんですが、いったい何を狙っての行動だったのでしょうかねぇ。彼についての謎が深まります。

  さて本日は、新堂エル先生の『新堂エルの文化人類学』(ティーアイネット)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『TSF物語』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
  過激なエロ演出で彩るアブノーマルプレイが満載のファンタジー長編となっています。

ShidoLsCulturalAnthropology1.jpg  収録作は、フィールドワークを重視する天才ショタの文化人類学教授と彼の教え子であるヒロインが様々な奇祭・奇習を研究するために各地を飛び回り、ヒロインが毎回の様に(性的な意味で)受難を受けることになる長編「フィールド・ワーク!」全7話(←参照 ポニテさんの方が正ヒロイン 同長編第1話より)。
  1話当りのページ数は32~44P(平均39P弱)とかなり多めの水準であり、また単行本としての厚みもかなりのもの。長編作としての構成もしっかりしているため、特に終盤で読み応えが増しており、迫力のあるエロの質的・量的なボリューム感も強い作品構築であると言えるでしょう。

【多彩なコンテンツの有機的な組み合わせ】
  天才ショタ少年と彼を好いている年上ヒロインという、おねショタ的組み合わせを有する作品ですが、そこらの甘い雰囲気はあまり無く、教授の研究活動のためにヒロインが異種姦やらビッチ化やら集団凌辱やらと大変な目に合うエピソードが連続するストーリー。
各地の奇祭・奇習を調査する中で思わぬエロ的事態が巻き起こされる本作は、様々なコンテンツのオマージュをかき集めた作品構成となっており、学者が不思議な現象を調査する中で人外の強大な存在と出会い、世界の危機を引き起こす事態となる作品全体の展開そのものは、クトゥルー神話系作品の定番を素直に翻案したものとも言えます。
ShidoLsCulturalAnthropology2.jpg作品タイトル通りに、神話や信仰といった点について大真面目に文化人類学的なロジックを援用して設定・展開を肉付けすると共に、前述のクトゥルー神話や浮世絵(←参照 北斎リスペクト 長編第2話より)、ゾンビ映画、アニメ作品といったエロ漫画外のコンテンツ、ビッチ化や女装少年、異種姦などといったエロ漫画において形成されてきた要素などを豊富に取り込んでいるのも大きな特徴。
  そういったオマージュ・パロディ要素を貪欲に取り込んでいる一方で、その手法に自家中毒することなく、著者なりの解釈・ロジックによって組み合わされることで各要素同士のケミストリーが発生しているのは大変高く評価したい美点。
全体のストーリー構成については難産の産物という印象が先行するものの、序盤はオムニバス形式に近い形式を取りつつ、第1話のエピソードを伏線としつつ最終話で一気に話をスケールアップして長編としての盛り上がりを生み出したのは上手いと感じます。
  登場人物が多いことによる賑やかさはあると同時に、コメディに付託せずに割合にシリアスな冒険ファンタジーともなっており、強烈なエロのパワーで作品を牽引する一方でそれに依存しないストーリー構成となっているなど、この作家さんの以前の作品に比して大きな進化を感じさせる作品と評したいところ。

【エロシーン時の淫乱変貌ぶりが魅力の正ヒロイン】
  本作の正ヒロインである女子大生さんがエロ的にもメインを張っていますが、彼女のゼミ仲間である爆乳ガールや中盤以降協力者となる東南アジア出身の女性、ヒロイン枠かはやや微妙ながら女装している英国美少年などサブヒロインもエロ面で一定の活躍を示します。
ただし、サブヒロインはエロにある程度絡むとは言え、正ヒロインの宮下さん目線でエロシーンが描かれることが多いことなどもあって、あくまで補助的な役割にとどまることが多く、キャラ立ちはやや弱めとなっています。
催淫凌辱されて処女を失うわ、食人部族の人間牧場に放り込まれるわ、巨大タコに襲われて種付けされるわと、散々な目に遭い続ける宮下さんですが、普段が割と自堕落ながらも常識人な彼女が、そういった非常識な状況下で淫蕩さを曝け出すことになる落差が一つの魅力であり、彼女のモノローグの語り回しもそれを高める一因。
ShidoLsCulturalAnthropology3.jpg  エロシーンで最も活躍する宮下さんの肢体は、健康的なスレンダーボディに乳首がツンと上向く程好いサイズの釣鐘型巨乳と桃尻が組み合わさったエロ漫画的にスタンダードなボディデザイン(←参照 憑依されてビッチ化中 長編最終話前編(第5話)より)。これに対して、ケモ耳っぽい跳ね毛ロングでずっしりとした爆乳ボディのゼミ生・桜や褐色肌で痩せぎす貧乳ボディのマシュー、ちんまりボディの女装ショタさんなど、ボディデザインは各キャラクターで差別化されています。
サブヒロインのエロ的な活躍はありますが、宮下さんの登場頻度が高く、褌・襦袢姿や海女装束、サファリスーツにホットパンツスタイルの私服など、衣装の豊富さで見た目の多彩さを確保。
  悪く言えばややバタ臭さ(死語)のあった絵柄は、そこらが薄れてスタンダードなアニメ/エロゲ絵柄としてのキャッチーさが前面に出ており、エロ描写における濃厚さやコミカルなシーンでの漫画チックな絵、ヒロインと対照的に威圧的でゴツさのある男性描写など、幅広いタッチとの使い分けなども表現力の高さに直結しています。

【確かな技術力で描く特殊プレイと過激な演出】
  前述した通りに長編全体のストーリー構築はしっかりしていますが、どちらかと言えば特殊で過激なエロを描くために各種設定を持ち込んだという印象が強く、間違いなくエロメインの構築である協力抜きツール。
奇祭のフィールドワークで催淫された上で天狗面の男達に凌辱されて処女を散らすのを始まりとして、巨大タコに凌辱された上に種付け&出産、全裸で手足を拘束された上で家畜および肉便器としての扱いを受ける人間牧場体験、ビッチ化して不特定多数の男性とセックス三昧、果ては人外の存在を孕んでまた出産絶頂を味わうなど、宮下さんの受難は壮絶を極めます。その他のヒロインも宮下さんと一緒にエロ受難に巻き込まれたり、淫乱ゾンビと化して女装少年を逆レイプしたりと、アブノーマルエロを得意とするこの作家さんの面目躍如のエロシーンが続きます
  これらのエロシチュにおいて、深刻な事態は概ね最終的に避けられるのですが、凌辱エロ的な嗜虐性の色彩も強く、またビッチ化などの催淫シチュエーションにおいても自分が変質していくことへの恐怖や不安などの心理描写があるため、陽性の抜きツールをお求めの方は要留意。もっとも、エロ展開中盤以降は、すっかり吹っ切れて遮二無二快楽貪るヒロイン達のパワフルな痴態を楽しめる作りとなっています。
ShidoLsCulturalAnthropology4.jpg  特殊なシチュエーション・プレイに過激なエロ演出を組み合わせるという図式に非常に忠実なスタイルであり、蕩け画やアへ顔といったものを含む多彩で派手な表情変化や獣じみた嬌声や呻き声、大量の白濁液が口から逆流したり口や秘所から様々な淫液が溢れ出たりといった液汁描写、肉棒が淫洞をストロークする断面図など、視覚的なアタックの強い演出を多数用いて迫力のあるエロシーンを構成(←参照 出産アクメ中 長編最終話後編(第7話)より)。
同時に、体を仰け反らせながらの大股開きや結合部見せつけ構図などのインパクトの強い構図を用いつつ単調さを排しており、絡まり合う舌やアナルや秘所などの粘膜描写に特化した小ゴマの散りばめ、2P見開きを意識してダイナミックに痴態を描いたり、枠線に依存せずに描写をぎっちり詰め込むページ構成をしたりなどと、技術的な水準の高さも安定しています
  シナリオ展開を挟みつつ複数のエロシーンが含まれるエピソードが多いため、多少小刻みにはなりつつ抜き所は豊富。必ずしもフィニッシュシーンとしての射精シーンを重視するわけではなく、ここぞと明確に抜き所を定めにくい可能性は少々ありますが、過激なエロ演出で彩られるヒロインのアクメラッシュの勢いで抜かせるエロ展開であると評し得るでしょう。

  ストーリー作りにしてもエロ描写にしても、エロ漫画としての自由度を存分に生かしていますが、筆の迸りに任せるタイプではなく、自身の特性を踏まえて非常にクレバーな作りをするタイプと言えるでしょう。エロ漫画ジャンルにおける各種の蓄積を外部のコンテンツを上手に付与して魅力ある作品に再生産したと評したい所存。
エロ演出の勢いの突出さなどもあって必ずしも万人向けではありませんが、面白いエロ漫画を読みたい方には是非ともお勧めしたい1冊です。
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