2013年09月

黒岩瑪瑙『イクリプス』

Eclipse.jpg『コンプティーク 10月号』(角川書店)をゲットしました。出張中だったので慢心せず、書店取り置きにしておいて正解でしたよ。いやぁ、盛り上がっているコンテンツだけあって予想通りのボリュームでしたね、ニンジャスレイヤー第3話!(マテ
もちろん、艦隊これくしょんの特別冊子が目当てで購入した提督の一人なわけですが、フルカラー冊子で内容もなかなか充実と、楽しみにしていた甲斐がありました。

  さて本日は、黒岩瑪瑙先生の『イクリプス』(コアマガジン)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『インモラル』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
明暗様々な雰囲気の中で描かれる艶っぽい美女とショタ少年の倒錯的なセックスが魅力的な作品集となっています。

Eclipse1.jpg  収録作は、母親の秘書である美女に唆され誑かされた少年が、母親とのセックスに至り、母子共にその背徳の快楽に染まっていく中編「月は無慈悲な夜の女王」全3話(←参照 罠にはまった母子二人 同中編第2話より)、童貞少年に自信をつけさせるため銀髪褐色肌の稲荷神・ギンコさんがセックスを教えてあげる短編「夏の想ひ出」+ギンコさんが少年の精機を狙う悪の妖怪と戦うスピンオフ?な描き下ろし短編12P、および読み切り形式の短編5作。
なお、短編「イクリプス」は中編作と同じ設定の作品らしく、話のつながりはありませんが、人物描写から時系列としては中編の後と推察されます。
  描き下ろし短編を除き、1話・作当りのページ数は18~24P(平均23P弱)と標準的な部類。エロメインの構築であり、シナリオそのものの読み応えはさほど強くありませんが、雰囲気作りの上手さもあってじっくり読ませるタイプの作品が揃っていると感じます。

【明暗の違いこそあれ幸福をもたらすものとしての性愛】
  表紙絵から推察される通り、母子相姦エロなどのアモラルな雰囲気の作品に強みを発揮する作家さんですが、明るい雰囲気の作品も得意としており、今回も両者の作風が混在しています。
  すっかりおじさん&おばさんになった夫婦が、妻が昔の水着を着たことをキッカケに一戦燃え上がって夫婦愛を再確認する短編「奥様と昔着た水着」や、勝気なお姉さんタイプである妖狐さんに少年がエッチを教えてもらう短編「夏の想ひ出」などは、快活な雰囲気を有する作品であり、解放的・健康的なスタンスで性愛を描くスタイルとも言えます。
本数としてはこちらのタイプが多いとも言え、おねショタ的な受動的な幸福感を楽しみつつ、ギャフンオチ的な楽しさのあるラストも含めて概ね読書感は軽く仕上がっているとも言えます。
  これに対して、幸福な家庭を持ちながら心の中に満ち足りなさを抱えていた女性が少年たちの性交の快楽に溺れていく短編「イクリプス」や、母子相姦を描く中編作および短編「母子善哉」などは、退廃的な雰囲気を有している作品群であり、官能小説的な細やかさと独特のリズムのある独白表現によって、背徳感とそれに伴う快感を高めているのも上手いところ。
Eclipse2.jpgその一方、背徳の行為とそれに伴う倒錯的な快感というテーマに偏りすぎることはなく、特に母子相姦エロにおいては、誕生の際に一度通過した母の膣内に再び受け入れられるという点を強調しており(←参照 初めてだが初めてではない 短編「母子善哉」より)、子供にとっては母胎への回帰の願望が、母親にとっては自らの半身を再獲得する願望が叶えられる無上の行為としての側面が描かれているのは一つの味わい深い特徴。
明るい雰囲気の作品も含めて、おねショタや母子相姦などの性愛を倒錯的なものとして表現しつつ、それが日常を悪しく“蝕む”ものとしてはあまり描いていません。“蝕”(elipse)によって地上から天体の光が見えなくなったとしてもその輝き自体が消失したわけではないように、常識・倫理の埒外に離れた彼ら彼女らの性愛は、幸福という輝きを喪失することはないと評したい所存。

【慈愛と性的魅力を兼ね備えたアダルト美女達】
  短編「夏の想ひ出」に登場する年齢不詳の妖狐さんや短編「遭遇!アマゾネス母娘」に登場する母娘ヒロインのハイティーン級程度と思しき娘さんの方など、例外もありますが、基本的には20代半ば~30代半ば程度の年増美人さんがメインであり、特に30代の熟女さんが多め。
主人公にとってのママさんや、それと同年代のお姉さん、主人公の(色々な意味で)お世話を焼く家政婦さんなど、年上の美女が登場するのが基本であり、母親であるか否かを問わずに、美しく、優しく、強さもあり、子供を慈愛で包みつつ性的でもあるという、男性のマザコン的願望を存分に充足させるキャラクターとして描かれていると言えます。
これに対し、短編「奥様と昔着た水着」に登場するヒロインの旦那さんを除けば、ショタっぽさのある少年を彼女達の相手に配置しておねショタとしての色彩を明確にしています。まだあどけなさのある端正な表情や、筋肉も徐々に目立ち始めながらもほっそりとした思春期初期の肢体、性的なものへの憧れと不安、セックスの快楽へのがむしゃらさなど、ショタキャラクターとしての魅力を丹念に織り込んだ描き方は、属性持ちの紳士淑女の皆様には垂涎の一品と言えるでしょう。
  腹筋がまぶしい筋骨たくましいレスラーママさん(短編「遭遇!アマゾネス母娘」)や褐色肌のスレンダー巨乳な妖狐さん(短編「夏の想ひ出」)、昔の水着がすっかりキツくなったむっちり奥さん(短編「奥様と昔着た水着」)など、ある程度幅はありますが、駄肉たっぷりのムチムチだらしなボディというよりかは、メリハリのあるボディデザインが基本。
Eclipse3.jpgとは言え、ティーンガールのスレンダー巨乳ボディとは印象は異なり、柔らかお肉がたっぷり詰まった巨乳・安産型ヒップの肉感の程好いだらしなさや、若者の瑞々しいスレンダーさとはまた異なる“衰え”としての細さなどは、熟女らしい官能性を有していると言えます(←参照 唇の艶っぽさも女性描写の特徴の一つ 短編「奥様と昔着た水着」より)。
もっさりと股間に茂る陰毛描写や、背景を薄暗く描く中で白く艶めかしく浮かび上がる柔肌なども、大人の色香を香らせており、キャッチーさのある画風ですっきりとした描線ながらも、適度な濃さで修飾を重ねる絵柄の独特な妖艶さなども年増美女達の色香に実に親和性が高いと感じます。

【喜悦に染まる年増ボディの艶っぽさ】
  語り回しの上手さやキャラクターの魅力で導入パートに存在感を持たせていますが、基本的な作品構築はエロ優先の抜きツール的なものであり、倒錯的な快楽に溺れ、興じる美女達の痴態を十分量で鑑賞可能。
  童貞の少年が綺麗でエッチなお姉さんに性的な意味で搾られるショタ受けのシチュエーションが多いですが、必ずしも一方的な行為としては描かれておらず、母親への愛情や初めて知ったセックスの快楽への貪欲さなどで少年側が主導権を取り戻すケースも多く、後半では対等、もしくは男性優位の状況に変化して全体的なバランスを整える傾向にあります。
  人妻や母親ヒロインなどに関しては、アナルセックスやアナルビーズの挿入など、後ろの穴関連のプレイが多かったり、可愛らしさのあるショタ少年を女装させて調教したりなど、アブノーマルなプレイもちょこちょこ投入していますが、それ以外は男女双方が相手の性感帯を愛撫する前戯パートと、熟れた秘所にち○こを出し入れする抽挿パートと基本的なプレイでエロ展開を構成。
e0e52db6.jpg  どちらかと言えば、即効性のある各種エロ演出で煽情性を増すタイプではなく、前述した艶めかしい女体の描写を中核に据えた上で、少年との性交において倒錯的な快楽に喜悦する美女達の様子を描き出すことで陶酔感を高めていくスタイルであると言えます(←参照 くっと後ろに仰け反るポージングがまだエロティック 短編「夏の想ひ出」より)。構図やポージングの良さは、むっちりとしたお尻を強調するバックからの構図や、男女の肢体が密着する描写などでも効果を発揮しています。
肉感的な熟女の肉体とほっそりとした少年の体躯の対比は明瞭であり、前述の様に密着感も相応に明示される一方、女性の柔らかな体に包み込まれるという描き方は多くなく、年増美人に甘えたい願望の諸氏は要留意。とは言え、この描き方はもっちりとしたバストや憂いと喜びを混交させる美女達の官能的な表情を前面に押し出すためとも言えるでしょう。
  諸般の事情で、ここのところのコアマガジン作品と同様に性器はモザイク処理を施されているので、直接的な性器描写の淫猥さに期待する諸氏には大きな減点材料。ただ、女体描写や表情描写の良さが明確な武器でありますし、モザイク修正なりのエロさは相応にあると思うので、個人的にはそこまで大きな減点材料とは感じていません。

  おねショタエロとしての魅力や、母子相姦エロとしての神髄をきっちり織り込んでおり、シナリオワークにしろエロ描写にしろ確かな技術と独自性のある絵柄でそれをより魅力的なものに昇華させていると評し得るでしょう。
個人的には、銀髪褐色肌でスレンダー巨乳なお姉さんという数え役満的なヒロインにメロメロの短編「夏の想ひ出」と、優しく愛おしい母親に性的に甘えるショタ少年な短編「母子善哉」に愚息が大変お世話になりました。属性持ちはマストバイな1冊と言えるでしょう。

悠木しん『えっちライフ!』

LifeOfH.jpgドーモ、ドクシャ=サン。ヘドバンです。『NINJA SLAYER KYOTO:HELL ON EARTH ゲイシャ危機一髪!』(エンターブレイン)を読みました。着流し姿のヤモト=サン、カワイイヤッター!でも、ヤモト=サンの新たなパートナーはケツ顎のオネエ・ニンジャ・・・アバババババー!
ネオサイタマよりも更にサツバツとしたキョートの地での、渦巻く策謀と勢いづくニンジャスレイヤーの復讐から目が離せませんね。物理書籍版書き下ろしの「ライズ・オブ・アマクダリ」も実際重要エピソードな。

  さて本日は、悠木しん先生の初単行本『えっちライフ!』(ワニマガジン社)のへたレビューです。レビューがだいぶ遅延してしまって申し訳ないです。
  柔らかお肉をたっぷりまとった巨乳美人さん達とのお気楽ラブコメ&熱っぽい和姦エロが詰まった1冊となっています。

  収録作はいずれも読み切り形式の短編12作。1作当りのページ数は16~20P(平均17P弱)と控えめながらコンビニ誌初出としては標準的な水準をキープしています。
このページ数と短編メインな構成の関係上、導入パートをコンパクトに折り畳んでエロシーンの分量を確保するスタイルを徹底しており、シナリオ的な読み応えの軽さと重過ぎず軽過ぎずなエロの満足感に仕上がっています

【ごくイージーなラブエロ模様】
  作風に関しては、コンビニ誌的に王道のラブコメ系統に属しており、棚ボタ的にセックスへと雪崩込んでいくことも含め、良くも悪くもシナリオ展開のイージーネスが明瞭。
33e1bec5.jpgコメディとしてのアッパーな面白さを追求するよりかは、恋愛感情の甘さやそれが成就する幸福感に重きを置いたシナリオワークと言え、意中の女性と恋仲になろうと頑張る男性陣や、健気さや純粋さを以て恋愛感情を表現するヒロイン達の姿は適度に甘く優しい雰囲気を作り出しています(←参照 ラブメンテナス重点! 短編「恵美ちゃんのヒミツ」より)。
この展開において、ヒロインが主人公を誘惑したり、家に押し掛けたりする女性側に主導権のある棚ボタ展開と、男性主人公が他の男性からヒロインを守ったり、やや強引に告白してヒロインに受け入れられたりする能動的な展開の両方が存在しており、どちらもオーソドックスなものではありつつ読み口が単調になっていないのは○。
  ギャフンオチ的なモノも含めて、各作品のラストも温和な印象のハッピーエンドとなっており、全体的に緩い空気のままフェードアウトしていくタイプ。
  いずれの作劇要素も、コンビニ誌作品的な軽さや口当たりの良さ、王道的な展開の安心感などを追求した結果と言え、その点において一定の成功を示しているのは確かでしょう。しかしながら、その点を意識するあまりに空転している部分が多いのは否めず、散見されるシナリオの硬直感や読みのリズムの悪さは今後の改善要因と感じます。

【女体の柔らかい質感が魅力の巨乳美女達】
  コンビニ誌の制限もあって、ヒロイン達は全員18歳以上の設定。20歳前後の女子大生さん(+高校3年生)をメインとしつつ、20代前半~後半の綺麗なお姉さんタイプのキャラクターも多数配置。
LifeOfH2.jpg短編作品集ということもあって、ヒロインの設定を多彩に用意しており、お兄ちゃんラブな妹キャラクターや(←参照 “私じゃ・・だめ?”ゴウランガ!ヒサツ・ワザめいた台詞!! 短編「シス×ブラ」より)、欲求不満な人妻さん、ドジっ娘さんに恥ずかしくて素直になれないツンデレ彼女など、シナリオ展開同様にキャッチーかつ典型的なキャラクター属性を付与しています。
前述した2つのタイプの作劇によって、積極的に男性を誘惑したりエッチに駆け込んだりするタイプの女性もいれば、恥ずかしがりながらも積極的な男性を受け入れてくれるタイプの女の子もおり、その点はエロシチュエーションの雰囲気や特に前戯パートでのプレイ内容に幅を持たせることに貢献。
  また、設定の多彩さもあって、ヒロインの着衣に関してもバラエティを設けようとする姿勢が明確で、チャイナドレス着用の中華飯店の看板娘や、クリスマスを迎えたケーキ屋さんでのミニスカサンタ衣装、エッチなお姉さんのセクシーランジェリー、黒パンスト装備な学校の制服などを投入した上で、着衣セックスをメインとしています。
LifeOfH3.jpg  それらの衣装からまろび出る柔らかボディは、ふにふにと柔らからな質感を有する巨乳とぷりんと丸みの強い輪郭を描く桃尻を備えた肉感ボディであり、ストレートなセックスアピールを有するタイプ(←参照 そのヒップは豊満であった 短編「飯ませイヤン❤」より)。締まったウェストやすらっとした手足などもあって均整の取れたボディデザインである一方、柔らかく撓むバストやヒップの量感など、女体に適度なだらしなさがある点も煽情性を増しています。
  初単行本ということもあって、絵柄の安定感をやや欠く傾向にはあり、細めの描線のコントロールが上手くいかない場合ではや絵としてのラフさや軽さ(白さ)に直結していることもあり、一定の減点材料。近作では絵柄のキャッチーネスを維持しつつ、適度な密度を添加することに成功しているので、2冊目以降ではあまり問題にならないのではと期待しています。

【穏やかなエロ演出で魅せる陶酔感のある和姦エロ】
  前述した通りに、エロメインの作品構築ということもあって、エロシーンの分量は標準量を確保しており、美少女・美女達の熱っぽい痴態を楽しめます。
  強引にコトを進める男性主人公によるやや無理矢理な序盤展開や、年下の女の子に悪戯される倒錯的なシチュエーションなども時に認められますが、いずれにしても和姦エロから逸脱することはほぼ無く、性行為の快楽に夢中になっていくヒロインの姿に適度な濃さの陶酔感を漂わせています。
  エッチに積極的なヒロインの各種サービスや、逆に恥ずかしがりながら男性に胸や秘所の性感帯を弄られる様子などを描く前戯パートに長めの尺を設けているのは一つの特徴であり、前述したヒロインのエッチに対する姿勢の違いが明瞭に出ているパート。逆に抽挿パートが分量的に圧迫されているケースも多いので、ピストン運動をたっぷり楽しみたい諸氏は要留意。
 すっかりエロスイッチが入ったヒロイン達が、くぱぁと秘裂を自ら開いたり、お尻を突き出して挿入をおねだりしたりして移行する抽挿パートでは、紅潮した表情やハートマーク付きの嬌声などでヒロイン達の快感を表現。派手なエロ演出をあまり用いないことに加え、これらの演出も強度・密度をあまり高めない比較的穏やかなスタイルであるため、読み手の嗜好によっては物足りなさを感じるかもしれません。
LifeOfH4.jpgこの抽挿パートでは、展開前半ではバックからのパワフルなピストンで魅せるケースが多いのですが、展開後半においては正常位に移行する傾向が明瞭であり、正面で熱い抱き合いながらキスなども交わしつつ、両者絶頂の中出しフィニッシュへと至る終盤の盛り上げ方は和姦エロとしての魅力や幸福感を引き出していると評したいところ(←参照 正常位フィニッシュ重点! 短編「暴走❤デリュージョン」より)。
  直線的なコマ割りとコマぶち抜き絵でやや硬い印象のあった初期作に比して、メリハリの付いた画面構成へと進歩しており、黒線複数の厳しい修正ながら淫猥な粘膜描写を生かした結合部見せつけ構図やヒロインの肢体と表情を効果的な視点から見せつけるカメラワークなども評価したいポイントです。

  初単行本ということもあり、エロ・シナリオ共にまだ改善すべき点はあると個人的には思いますが、読み口の良さと、過剰さを排して適度な高揚感のあるエロ描写は万人受けしやすい美点であると言えるでしょう。
  個人的には、チャイナドレスな看板娘のエロエロサービスを満喫な短編「飯ませイヤン❤」が大変お気に入りでございます。

まよねーず。『あの娘のクラスはAV科』

SheBelongsToAVCourse.jpgTVアニメ版『恋愛ラボ』第8話「ワイルドな君へ・・・」を観ました。ワイルドな印象を払拭するべく、お嬢様っぽく(というか既にぶりっ子)頑張るリコも可愛かったですが、やっぱり普段の彼女の方が可愛らしいですよね。リコの真っ直ぐさで生徒会を襲った難局を解決して欲しいものです。
しかし、リコの真似を振り切るためのマキの謎ダンス・・・やっぱり、キルミーベイベーは死んでなかったんや!!(狂気の瞳)

さて本日は、まよねーず。先生の『あの娘のクラスはAV科』(ティーアイネット)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『便器街』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
学業としてハードなAV撮影に励む美少女達が苦痛と快楽に悶える様と個々人の青春模様を描く非常にユニークな作品となっています。

24fe6085.jpg 収録作は、AV女優が女の子達の憧れの職業となった世界において、将来デビューするべく学園の芸能科、通称AV科に入学した女の子達それぞれの課題制作と学園群像劇を描く長編「AV女優になろう」全5話(←参照 授業で処女喪失中 同長編第1話より)。なお、学園群像劇ということもあって、計15名の女の子が登場しており、単行本巻頭にカラー絵でヒロイン一覧の紹介が描き下ろされています。
収録本数こそ少ないものの、1話当りのページ数は36~46P(平均40P)と個々のエピソードに十分なボリュームが存在します。題材が題材だけにエロシーンのボリューム自体は十二分に用意されており、シナリオも(おそらく意図的に)展開としての強い盛り上がりを欠いていますが、独特の余韻を読後にしっかり残してくれる存在感があります。

【夢に向かって努力し、切磋琢磨する青春群像劇】

  肉便器の国家資格化や生殖可能な女性の隔離・共有といった突飛なテーマを扱いながら、SFと呼ぶに相応しい確かな骨組みを有する作風が特徴のこの作家さんですが、今回はAV女優を目指す少女達という、これまでに比べればよりキャッチーでポピュラーな題材を選択。
この題材から想起される、多彩なヒロインを投入して様々なシチュエーションのAV撮影を描くというエロ漫画として分かり易い方向性を有しつつも、この作家さんの作品に揺らぎなく共通する“男性の性の捌け口にされる女性達にも、確たる人間性と日常が存在する”というテーマは今回にも明確に認められます。
  AV女優やAVの脚本家を目指し、ハードな凌辱モノを含むAVの課題制作に励んでいく中で、自身のやりたいことと周囲の期待との相違、憧れを叶えることの難しさ、自らへのコンプレックス、周囲との競争など思春期の人間としてごく普遍的な困難に直面していきます。
そういった挫折や困難を迎えながらも、個々のキャラクター達が直向きな努力や同じ志を持つクラスメイトとの友情、責任感などで、過酷な課題を乗り越えていく姿は、後述する非常に過激なエロシーンとの強烈な対比の中で、独特の爽快感や健全さを有していると評し得ます。
SheBelongsToAVCourse2.jpg  そういった少女達の奇妙な日常と、その中での健全な人間性の表出について、スポーツものの様な熱血さや、青春群像劇としての大きなドラマの盛り上げ、凌辱エロとしての悲劇性などをほとんど含有させないのがこの作家さんの大きな特徴であり、ごく淡々とエピソードを紡いでいます(←参照 ヒロイン総出のハード凌辱エロを撮影した後で 長編最終第5話より)。この点については読み手によって評価が分かれると思いますが、この描き方故に、何ら変哲もない彼女達の日常が彼女達自身にもたらすものの大切さを表現できているとも評したいところ。
  作中において、撮影されるAVという非現実と彼女達や学園の現実が入り組んだ描き方をしているのも面白さの一つであり、読み手という現実、作中の登場人物の現実、作中の作品という三層構造をAVというポピュラーな性的創作物を用いて表現しているのも作品構築の上手さと言えます。

【それぞれの個性を描出される細身ボディの美少女達】
  前述した様に計15名のヒロインが登場する群像劇であり、全員同期入学ということもあって概ねハイティーン級の制服美少女で統一されています。
ツンデレや世話焼きタイプなど、キャッチーな属性付けがほとんど認められない一方、夢に向かって努力していく中で、目標や周囲の人間との関係など様々な事項に対して等身大の悩みや嫉妬を抱える少女として描かれているのが上述の通りにキャラクター描写としての大きな特徴。それらの“弱さ”を大仰に盛り上げたり深刻にさせたりすることなく、日常の中でごく自然に解決させていくのも、かなりユニークな点であると言えます。
ヒロインのキャッチーなキャラクター属性がないのは、男性キャラクター達を単なるモブの竿役として徹底させて男女間の関係性をほとんど取り上げないためと言え、少女達の友情や信頼、切磋琢磨を描くことに専念しているのもエロ漫画として独特な手法。
4aaeb3e1.jpg  肢体造形については、肉付き弱めの体幹に無乳~並乳バストを組み合わせたタイプで統一しており、豊満バストやむっちり肉感ボディを期待するのは×(←参照 肉便器モノの撮影中 長編第3話より)。この肉付きの弱さや、バストの小ささ、パイパン仕様で統一された股間などは、ロリっぽさを出す一因たり得るのですが、比較的等身の高いスレンダーボディが多いこともあって、その肉体的な華奢さと過激な性行為との凶悪な対比に貢献することにより重要性がある印象です。
なお、ヒロイン達はアイドルコースや凌辱コース、企画モノコースの3専攻に分かれて在籍しており、それぞれ異なる趣向のエロシチュエーションが用意されているのもヒロインの描き分けに貢献。また、同年代でもロリっぽさの強い子や長身のお姉さんタイプ、双子キャラクターやメガネっこなど、多人数ヒロイン制の利点を生かしてキャラデザについては色々と用意しているのは○。
  作劇同様に淡白な印象さえ感じる漫画絵柄は、濃厚な淫猥さや現代的なキャッチーネスと無縁なシンプルなタイプ。これ単体のみで論じてしまうと、魅力に乏しい絵柄ではあるのですが、淡々とした雰囲気のシナリオや、強烈なアブノーマルプレイを叩き込むエロシチュエーションと独特のケミストリーを生んでおり、まよねーず。作品には無くてはならぬ特長であると言えるでしょう。

【シンプルな演出ながらかなり攻撃的な行為を連発】
  一話内で複数の撮影エピソードを描くことが多いため、エロシーンは分割構成されているため、TI勢が武器とする大容量を生かして複数ラウンド制のシークエンスをねっとり描くスタイルとは異なり、次々と新たなシチュエーションを投入していくスタイル。
  アイドルコースに所属するヒロインの和姦エロの撮影や、企画モノコースでのエロ運動会モノ撮影といったシチュエーションも一定数存在していますが、作中で目立つのは凌辱エロの撮影であり、課題撮影とは言いながら少女達の体にかなりの負担をかけるであろうハードなプレイも多数投入されています。なお、最終話では全ヒロインが登場する、学園内での凌辱鬼ごっこの撮影が行われており、ほぼ全員に凌辱シチュエーションが用意されているのも、この路線への踏み込みの強さを示しています。
SheBelongsToAVCourse4.jpgあくまで作中におけるシチュエーションプレイではあるのですが、集団凌辱や肉便器奉仕、獣姦や結合部を限界まで拡張する異物挿入(←参照 鉄パイプ凌辱 長編第2話より)、巨大張り型ロボを用いた疑似妖精オナホプレイ、果ては「洋梨」(苦悩の梨)やら電撃やら串やらまで登場する拷問エロなど、昨今のエロ漫画業界の中ではトップクラスの苛烈な行為を大量投入しており、少女達の華奢な肢体が激しい責めに翻弄される様は強い嗜虐性を有しています。
女優モノや企画モノでは、疑似恋愛の甘い雰囲気や主演としての誇りを抱きながら開放的な痴態の演技をヒロイン達がしている一方、これらの凌辱プレイにおいては苦痛の悲鳴を上げながら白目をむいたり、口から泡を吹いたり、結合部から出血したりと非常に苦痛描写に依った描き方をしており、演技か否かの判別を曖昧にすることで一種の凄みを生んでいます。
  プレイ自体が非常にハードである一方、現在のエロ漫画ではポピュラーなものになったアへ顔や断面図、ハートマーク付きのエロ台詞の連呼といった派手なエロ演出がほとんど認められないのも大きな特徴であり、シンプルにして攻撃的な描写となっています。
  エロシーンにおいては行為の進展を円滑に行っていく一方、AVのシーンをカッティングして並べる様な独特のコマ割りをしており、小ゴマ多めの構成ながらページにエロ描写がぎっちり詰まった様な印象を与えるのも一つの特徴。フィニッシュシーンを特段に盛り上げるスタイルではありませんが、結合部見せつけ構図での中出し描写で各撮影をきっちり〆ています。

 相変わらずエッジの効きまくった作風なのですが、きっちりテーマや設定を練り込み人物描写にも注力しつつ、変に構えた印象がないのは大きな美点。過激なエロを目的に購入しても楽しめると思いますが、それに従事するヒロイン達に自然と好意を抱けるようになっているのは、性的創作物を楽しむ読者にとって素敵なことではないでしょうか。

桃月すず『あまえたがり』

AmaetaGirls.jpg近木野中哉先生(原作:鎌池和馬氏)の『とある魔術の禁書目録』第12巻(スクウェア・エニックス)を読みました。・・・ふぅ、吹寄さんのたっぷりおっぱいは実にけしからんですなぁ!本エピソードでは更に豊満バストなオリアナさんも登場するので大変に眼福です。
冬川基先生の『とある科学の超電磁砲』第9巻(電撃コミックス)の方でも大覇星祭の期間中ですし、両作品を読み比べてみるのも楽しいですね。

 さて本日は、桃月すず先生の初単行本『あまえたがり』(ワニマガジン社)のへたレビューです。表帯の“きもちいみっちり宣言”という売り文句はなかなか良い語感ですね。
甘ったるい雰囲気たっぷりのラブアフェアと汁気&熱気たっぷりの和姦エロが詰まった作品集となっています。

AmaetaGirls1.jpg 収録作は、毎度主人公の部屋に推し掛けながら素直に甘えられない天邪鬼さんなヒロインを描く短編「素直なあまのじゃく」+描き下ろし後日談2P、路上で似顔絵描きをしていた宿無し娘も家に泊めてあげたら恩返しな短編「いっしょに帰ろ❤」(←参照 ぼさぼさ髪&オーバーオール、カワイイヤッター!)+描き下ろし後日談8P、および読み切り形式の短編9作。
 描き下ろし後日談2本を除き、1話・作当りのページ数は16~20P(平均18P弱)と、やや薄めながらコンビニ誌初出としては標準的な部類で単行本としての厚みも十分。エロの質的なボリューム感は相応にありますし、シナリオも居心地の良さを重視したタイプですので、軽過ぎず重過ぎずな丁度良い読書感であると感じます。

【恋愛エロの甘さ・幸福感を重んじた王道ラブコメ】
 シナリオの方向性に関しては、コンビニ誌王道の青春ラブコメディを基調としており、そのタイプの中でも棚ボタ的な幸福感や恋愛感情の描出の甘ったるさを重視する作風であると言えるでしょう。
オーソドックスなヒロイン押しかけ展開や、序盤から既に恋愛成就一歩手前の据え膳展開など、読み口を滑らかにしてエロシーンへとサクサク突入させる作劇要素を配しており、ストーリー性こそ乏しいものの、スタンダードな作品構築の安定感に寄与。
 また、そこらの月並み感を上手くカバーしているのが設定の良さであり、年下の少年がお姉さんヒロインに誘惑されたり甘えたりなシチュエーションや、素直になれない女の子が勇気を振り絞って照れながらの告白をする展開など、恋愛感情の進展における“最後の一歩”の成就に障害を乗り越える達成感や充足感があることが○。
AmaetaGirls2.jpgそれらの恋愛成就の描写において、相手にぴったりと抱きつきことや素直な気持ちを吐露することなどに十分な甘さがあることも、勿論美点であり、特にヒロイン側の表情付の良さで恋愛エロらしいハピネスを醸成している点も、読み手の脳味噌を惚けさせる一因でしょう(←参照 憧れのお姉さんと 短編「ホントの気持ち」より)。
  後述する様に、様々なタイプのヒロインが登場しますが、エロシーンも含めた作品全体の流れの中で、ヒロインの様々な性質の“可愛らしさ”を引き出していく手腕も、恋愛モノの幸福感の強化に役立っています。
ギャフンオチ的な要素も絡めつつ、ニヤニヤ出来るハッピーエンドで各作品は纏まっており、一貫して読み応えに乏しい一方で、甘く柔らかい雰囲気のストレスフリーな作りが最後まで維持されていると評し得るでしょう。

【ちんまりボディの合法ロリからお色気感のある美女まで】
  コンビニ誌掲載の制約上、ヒロインの年齢設定は全て18歳以上となっており、女子大生程度と思しき年齢層を主力としつつ、20代半ば程度のお姉さんも投入。
とは言え、年連設定の割にはかなり童顔であったり、小柄な体格であったりすることも多く、ある種“合法ロリ”的なヒロインもちょこちょこ登場。逆に、主人公の少年よりも年上の設定で、大人の女性らしい色っぽさや成熟感を有する美女も登場しているため、年齢層の設定に関わらず、ヒロインの印象はある程度多様であると言えます。
短編作品集ということもあり、多彩な性格設定・キャラクター属性を揃えているのは長所の一つであり、素直になれないツンデレ娘や、主人公に甘えてくる仔犬系ガール、普段は清楚だけれどもエッチになると妖しく男性をリードする美女など、割合にオーソドックスな属性で固めていることで、分かり易さを重んじた作品構築に貢献しています。
  ヒロイン設定の多様性は、ボディデザインの方でもよく表れており、ロリ色強めのタイプではちんまりボディに貧~並クラスのバストを組み合わせていたり、トランジスタ・グラマーのタイプもいたり、お姉さんタイプでは等身高めのスレンダーボディに巨乳を与わせたり、健康的な肉付きでむっちりボディにしてみたりとヒロインによって様々。
AmaetaGirls3.jpgボディデザインの多彩さは絵柄の変遷に由来する部分はありますが、各タイプの女体描写に共通しているのは、適度な肉感の打ち出しと、乳尻を中心として肌のふにふにとした柔らかさを強調する点であり(←参照 ぷるぷるスライム乳 短編「素直なあまのじゃく」より)、それと接触することの温度感や幸福感を想起させることがエロの実用性を高めています。
  上述した通り、初単行本ということまって絵柄の質にはある程度のバラつきがあるのは確かですが、絵の適度な密度や丁寧な描き込み自体は初期作から共通。初期では、描線の繊細さや、落ち着いたキャラデザと修飾など女流っぽさのある絵柄であったものの、近作では良くも悪くもその要素は減じており、表紙絵通りにキャッチーで現代的な二次元絵柄に落ち着いたという印象です。

【肉感ボディをじっとり濡らすねっちょりリキッドの淫靡さ】
 エロメインの作品構築である分、濡れ場の尺は標準量を確保しており、好き合う男女のラブラブ和姦を十分なボリュームで鑑賞可能。
年上お姉さんがエッチのアドバンテージを握って年下の男性にちょっとSっ気のあるプレイをするなど、多少異なる味付けを加えることはありますが、あくまでラブラブ感や棚ボタ的幸福感を重視したラブエロ模様が主題であり、特に行為を進展させていく内に男女双方が相手を求めることに歯止めが掛からなくなっていく高揚感の形成が魅力的。
 ヒロイン側が豊満バストでち○こを包み込むパイズリや舌をねっとり這わせるフェラなどのご奉仕プレイを投入する前戯パート、すっかり濡れた女性器に挿入して互いの体を正常位や後背位、背面座位などで密着させながら力強くピストンしていく抽挿パートと、プレイ内容そのものは非常にオーソドックスなエロ展開となっており、この点も抜きツールとしての安心感につながっています。
AmaetaGirls4.jpg  その反面、甘い陶酔感を打ち出しエロ描写において演出面で大きな特徴を持っており、前述した柔らかボディの表面をたっぷりと濡らす液汁描写の淫靡さが強力な武器。前戯パートでぶっかけを敢えて選択したり、密着ボディがじっとりと汗ばんでいったりと、液汁描写の投入に非常に積極的であり、女体のシズル感を増すことに貢献すると共に、舌を絡めあうキスやフェラ描写などの粘膜描写の淫靡さなども増強しています(←参照 汗まみれボディや唾液でトロトロのキスなどに注目されたい 短編「秋夜ゆらゆら」より)。
ピストン描写において、結合部見せつけに配慮した構図を多用していますが、初出が白塗り修正を要するコンビニ誌であり、恋愛エロの甘さ・優しさとの調和を重んじる必要もあって、性器ドアップを連続するスタイルが難しいため、たっぷりの液汁描写で煽情性を増した女体に強い存在感を持たせる手法はその難点をカバーする上で非常に有効であると評し得ます。
 エロシーンでの表情付けや台詞回しはさほど派手なタイプではありませんが、キュッと瞳を閉じて駆け上る絶頂を堪える様な表情や、甘いラブエロ台詞とたまらず漏れ出してくる矯正などはエロの程好い濃厚さを形成。フィニッシュはすっかり濡れまくった柔らかボディに密着しながら、白濁液をたっぷり注ぎ込んで両者KOな中出し描写を大ゴマ~1Pフルで投入しており、前述した各種の演出がしっかり噛み合ったことでの盛り上がりも生んでいます。

 ぬめぬめとした液汁描写で肉感ボディのいやらしさを増強するという手法は、例えば同じく快楽天系列のHisasi先生なども得意としており、エロ描写として幅広い層に人気のある手法と感じます。シナリオ的にもかなり万人向けですので、気軽にお勧めできる1冊と感じます。
管理人は、たっぷりおぱーいの持ち主なツンデレ気質のコスプレ娘とがっつりエッチな短編「素直なあまのじゃく」と、清楚で大人しい美人家庭教師さんがすっかりエロスイッチが入って腰振りセックスな短編「しばるオンナ」に股間の愚息がお世話になりました。

たらかん『おしっこは飲み物です!』

PissIsADrink.jpg長谷川哲也先生の『ナポレオン 覇道進撃』第5巻(少年画報社)を読みました。英国の偉大な英雄であるネルソンのトラファルガー海戦における最後の輝きと、生き残った人達を待つ寂しい現実との対比が印象的でした。ネルソンが偉大な存在であったことの裏返しの不幸というのは何とも皮肉です。
我らがビクトル氏も軍隊に復帰しましたが、親方との信頼関係が為せる美談はなかなか素敵でした。

 さて本日は、たらかん先生の初単行本『おしっこは飲み物です!』(ティーアイネット)のへたレビューです。アイエエエエ!?な、なんという暴論めいた単行本タイトル!スゴイ!
キュートな美少女達が各種特殊プレイで強烈な快感に陶酔するエロ描写が詰まった1冊となっています。

PissIsADrink1.jpg 収録作は、遠洋漁船で海水から飲み水を作り出す人型濾過機のヒューマイド達と彼女達を大切にする船員達との交流を描く連作「ヒューマノイドろ過装置ロボ」シリーズ前後編(←参照 ただし濾過水は股間から出る 連作前編「ヒューマノイドろ過装置ロボ ロカちゃん」より)、および読み切り形式の短編3作。
収録本数こそ少ないものの、1話・作当りのページ数は36~46P(平均40P強)とかなり多い水準で安定。ページ数の多さはエロシーンのボリューム感の強さを生み出していると同時に、短編作としてコンパクトにまとまったシナリオにも適度に展開の面白みを付与しています。

【凌辱要素を含む傾向がありつつ様々な方向性の作劇】
 おしっこ関係に特化した連作や(正確に言えば濾過水なのですが)、寝取られ凌辱エロのテイストも強い短編「瞳の中の君」などの様に、アブノーマル系や過激なエロシチュエーションを作品構築の軸とするスタイルが明瞭ですが、作劇の方向性には各作品で差があります。
 外部からの(性的)刺激が無いと濾過ができない不良品であるヒューマイド・ロカちゃんや、彼女の記憶を引き継いだ2代目ロボ・ランちゃんと船員達の交流を描く連作「ヒューマノイドろ過装置ロボ」シリーズは、破天荒な設定を有するSF作品でありつつ、人間と機械の違いを超えた恋愛ストーリーを形作っています。
4795c1cf.jpg 優しい読後感を残すこの連作に対し、短編3作に関しては凌辱要素を含む作品となっており、凛とした容姿の風紀委員長が不正を働く売春組織に囚われ凌辱される短編「武装風紀委員長 黒条院瑠璃の受難」や、巫女である憧れの少女がその父親によって売春に加担させられ凌辱されていることを知ってしまう短編「瞳の中の君」(←参照 主人公の眼前に押し付けられる事実 同短編より)、実は相思相愛ながら主人公の少年が妙なアイテムを使ってヒロインを凌辱しようとする短編「一方的な愛」を収録。
実は偽物である媚薬や大切な友人の人質など、定番の仕掛けを施して強気な少女を精神的にも追い詰め、バットエンドに落とし込む短編「武装風紀委員長 黒条院瑠璃の受難」が比較的ハードな嗜虐性を有しているのに対し、ヒロインが“穢れて”いることを知っても誠実な思慕を貫いて彼女を惨禍から救い出す短編「瞳の中の君」や、ヒロインが快楽中毒になってしまうこと等で後味の悪さを生み出しつつ、ご都合主義的ではありつつ関係の修復に期待が持てるラストの短編「一方的な愛」など、読書感が重苦しくなり過ぎないように配慮されたケースも目立ちます
 ラブストーリーにしても凌辱エロにしても、作劇について特段に目新しい要素は乏しいものの、ページ数の多さもあって十分な尺の中で話の起承転結をしっかりと付けていることは王道的な面白みの形成に大きく貢献。ただ、設定に重きを置くタイプであるため、状況の説明のためにかなり大量の台詞を用いることがあり、読みのリズムを阻害することもあるのは改善すべき点でしょう。
 なお、東宝特撮映画『マタ○ゴ』や漫画/アニメ『笑ゥせ○るすまん』といった古いものから「とある」シリーズのような最近のものまでを題材に、作中にパロディ・オマージュ要素を織り込むのも一つの特徴。そこが作劇のメインでは決してないものの、『笑ゥせ○るすまん』のブラックユーモアや「とある」シリーズのやたらと治安の悪い学園都市といった、元ネタの特徴を捉えたパロディの仕方をしているのは個人的には好印象です。

【美少女達のスレンダーボディのスベスベ&ツヤツヤ感】
 濾過装置付きヒューマノイドである連作のヒロイン2名は年齢不詳ですが、ミドル~ハイティーン級の女子高生キャラクターで統一された短編3作のヒロイン達と外見上の年齢設定は同等。
短編「一方的な愛」のヒロインこそ、主人公に素直になれないツンデレ女子高生と普通?な設定ですが、海水から精液まで綺麗に濾過可能でセックスにも対応な美少女アンドロイド達や、武装風紀委員を率いる黒髪美少女、怜悧な美貌の神社の巫女さんなど、SFやファンタジーといった要素を絡める作劇らしいユニークな設定の美少女キャラクターを用意しています。
 連作前編に登場する初代ロカちゃんの様に、健気で尽くすタイプの女の子にも存在感がありつつ、クールであったりツンツンしていたりな美少女が恋愛感情や性的快楽によって甘いデレや快感への蕩けっぷりを示すのもキャラクター描写上の一つの長所。
PissIsADrink3.jpg バストサイズに関しては、巨乳と控えめおっぱいが半々程度でサイズ小さ目の乳輪・乳首の美乳タイプ。女体の肉感重視のTI勢としてはやや珍しく、肢体のスレンダーさを重視するボディデザインが鮮明であり、細く長く描かれた手足と体幹のバランスがやや悪くなることもあるものの、女体がしなやかに動く描写は十分に魅力的です(←参照 短編「一方的な愛」より)。
また、初出時期によってその多寡に際はあるものの、女体描写に関する特徴としてグレースケール等の多用による柔肌のスベスベ&ツヤツヤ感の強調が挙げられ、スレンダー寄りでありつつ肢体の存在感を十分な濃度で形成しているのは○。
 初単行本ということもあって絵柄のクオリティには多少のばらつきがあり、短編「武装風紀委員長 黒条院瑠璃の受難」では細く頼りない描線がラフで薄い印象を与える悪い作用をしてしまっていますが、近作ではキャッチーなアニメ/エロゲー絵柄をしっかりコントロールされた描線と視覚的修飾でキープしており、表紙絵との差異もほとんど感じません。

【液汁描写の豊潤さと強烈な陶酔描写が特徴】
 各エピソードに十分な分量があることもあって、エロシーンはたっぷり長尺に作られており、抜きツールとしての満足感は高め。また、十分な尺があることは、寝取られ凌辱から和解の恋愛エッチへの転換や(短編「瞳の中の君」)、エッチの主導権の男性側から女性側への移り変わり(連作「ヒューマノイドろ過装置ロボ」シリーズ後編)など、エロ展開の構成を単調にしないことにも貢献しています。
非常におしっこ推しな単行本タイトルであり、設定上放尿シーン(濾過水放出シーン)が多数投入される連作に加えて、他の作品のエロシーンでもお漏らしシーンが投入されるなどその要素が充実しているのは確か
とは言え、おしっこ中心のスカトロ要素に特化した作風では決してなく、ストレートな集団凌辱や寝取られエロ、マジックアイテムを利用して男性器の快感を共有させる調教シチュエーション、逆にラブラブな和姦エロなど、アブノーマル系や過激なタイプも含めてエロの味付けは様々と言えます。
黄金水描写も含め、各種液汁に絡めたエロ演出・プレイが充実しているのは一つの特徴であり、白濁液のぶっかけや飲尿、絶頂時の潮吹きやお漏らし、結合部から溢れ出す愛液とそれを表現する擬音の充実なのが特徴的。
PissIsADrink4.jpg 凌辱エロなどでも、調教済みであったり媚薬を投入したりするため、苦痛描写を排して性的快楽の圧倒的な強力さを表現するスタイルであり、ヒロイン達がメロメロに蕩ける痴態描写が実用性を大きく高める特徴。前述の液汁描写に関連して、涙や涎でくしゃくしゃになった表情は、アへ顔的な表情付けの要所での投入や、“ぐるぐる目”で理性が飛んだ様子を表現しており、舌足らずな白痴系エロ台詞やハートマーク付きの喘ぎ声の連呼なども、陶酔感の濃厚さを醸し出す効果的なエロ演出として機能しています(←参照 しゅきしゅき❤だいしゅきぃ❤ 連作シリーズ後編「ヒューマノイドろ過装置ロボ ランちゃん」より)。
 1回戦をねっとりと描き出すケースもあれば、前戯パートでも抽挿パートでも複数回射精シーンを設ける多回戦仕様のケースもありますが、お漏らしも含めてヒロインの絶頂シーンを多めに投入しており、前戯パートと抽挿パートにバランスよく分量を配分した上で抜き所の多いエロ展開が身上。オーラスの中出しフィニッシュでは、前述の陶酔感の強調を最高潮にしており、アクメフェイスを曝け出して絶叫する美少女達の痴態を1Pフル~2P見開きでの結合部見せつけ構図でダイナミックに描き上げています。

必ずしも特定の方向に特化したタイプではなく、シナリオ・エロ共に様々ですが、同じTIレーベルには、明るく楽しい美少女ラブコメでおしっこ最重点の先達・高城ごーや先生が居るので、競合を避ける意味でもこの戦略は正しいと言えるでしょう。
 トンデモSF設定のヒューマノイドシリーズも大変楽しかったですが、個人的には寝取られ凌辱とラブラブHが同時に楽しめる短編「瞳の中の君」が抜き的に最愛でございます。
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