2013年08月

赤月みゅうと『美少女クラブ』上下巻

BeautifulDollClubFirst.jpg BeautifulDollClubSecond.jpg市川春子先生の『宝石の国』第1巻(講談社)を読みました。謎めいた世界で繰り広げられる宝石の少女達の戦い。繰り返される彼女達の体の破壊と再生が独特の官能性を醸し出しています。
初の連載作とのことですが、この作家さんの魅力を存分に出している作品であるなと感じますね。

 さて本日は、赤月みゅうと先生の『美少女クラブ』上下巻(ティーアイネット)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『奴隷兎とアンソニー』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
この作家さんの真骨頂を発揮するSFファンタジーと美少女達の柔らかボディが熱気と体液に包まれる性描写の魅力が満喫できる作品となっています。

BeautifulDollClub1.jpg 収録作は、異性への性的興味に目覚めた少年が館で同居しているメイドの少女に連れられ、“ガーデン”と呼ばれる学園へと向かい、そこで女生徒達とセックスを行う秘密のクラブを結成させられることになるが・・・という長編作「美少女クラブ」全10話(←参照 女性だけの閉じられた世界の中に少年が一人 同長編第1話「美少女クラブ」より)+作品世界の成り立ちを描く“過去編”1本。なお、プロローグと第1~5話が上巻に、第6話~第9話と過去編が下巻に収録されています。
1話当りのページ数は32~56P(平均40P)とかなりボリューム感の強い構成ストーリーとしての読み応えも十分に図られると共に、数多の美少女達とのセックスを連続させていくエロシーンの満腹感もある秀逸な作品構築であると評したいところ。

【数多の美少女達が咲き誇るハーレム空間】
 それぞれ花の名前を持つ学園の女の子達と次々と性的関係を持っていく“ハーレム”的な展開を序盤から終盤手前まで維持しており、計20名程度のミドル~ハイティーン級(に見える容姿)の美少女達が登場する大所帯。なお、脇役として女教師さん(合法ロリ)や学園を支えるメイドさん達もエロに絡みます。
学園では“ガーデン・ローズ”の名を持ち冷たい表情である意図を以て学園を運営する主人公のメイド・リーザをメインヒロインとしつつ、優しいお姉さんタイプやちょっとSっ気もある不良少女タイプ、純粋なロリっ子や快活なスポーツ少女などなど、様々なタイプの美少女が登場するのはハーレム系作品としての明確な特長と言えるでしょう。
 いずれの女の子達も、セックスとそれが生む快感への強い欲求を有しており、主人公との性行為を純粋に“気持ちの良い行為”として楽しむ存在として描かれており、このことは男性にとっての棚ボタ的な多幸感を強く形成すると共に、彼女達がそのような存在にされていることにストーリー上の大きな意味があります
 サブヒロイン達が次々と登場してセックスに興じていくと共に、あることをキッカケとして“拷問部屋”と呼ばれる場所へと何人も消えていき、新たな女の子達が登場して行く展開は、ホラー/サスペンスとしての雰囲気を生み出すと同時に、かなりの数に上るサブヒロイン達をそれぞれのエロシチュで見せ場を確保させることにも奏功しています。
BeautifulDollClub2.jpg 登場するサブヒロイン達の数が多いこともあって彼女達のボディデザインは様々であり、豊満バストのスレンダー巨乳さんを多数擁しつつ、ぺたんこバストでちんまいボディのロリっ子さんや、控えめ並乳のスレンダーガールなども投入(←参照 “最初”のクラブメンバー達 長編第2話「沐浴」より)。肢体全体に程良い肉感を乗せた健康的なボディでありつつ、肌のスベスベ感や乳尻のもっちりした柔らかさを十分に織り込んだ女体描写は、端正な美しさを保ちつつ、ストレートなセックスアピールを有していると言えるでしょう。
 少女漫画チックな修飾性もありつつ、割合に素朴なキャッチーネスを有する漫画絵柄は、派手さこそ欠けるものの幅広い層に受け入れやすい健康的なタッチが身上。絵柄そのものは比較的地味ではありつつも、時に繊細に静けさを保ち、時にダイナミックな構図や演出を自在に魅せる表現力の高さはこの作家さんの武器であり、エロシーンでもシナリオパートでもその魅力を光らせています。

【穏やかさの中に熱気と淫液に塗れた濃厚な陶酔空間の形成】
 学園の女の子達に共有させられるという設定であるため、初めて見る“男性”に興味津々であり、セックスの気持ちよさに夢中になって何回も行為を求めてくる女の子達とたっぷりハーレム生活を満喫できます。
序盤~中盤では積極的な女の子達に終始求められ、お風呂場で隠れながらの集団Hや女の子達による夜這い、ほんのり逆レイプ気味なシチューションなど受動的な趣向が目立ちます。これに対して、中盤以降、主人公が自らの意志を発揮して行動し出すこともあって、特殊な命令手段を用いてのレイプ的なシチュエーションや女の子に羞恥を強いるプレイ、純粋無垢な少女達への快楽教え込みなどのプレイも投入されていきます。
 複数名の女の子と同時にセックスを行ったり、次々と場面を変えて個々のセックスを描いたりといったエロシーンの構成が多いため、どうしても早漏展開がちになっていますが、逆に言えば次々と女の子達に中出しを決め込むドライブ感の強い複数ラウンド制を形成しているとも言えます。また、最終盤においての、メインヒロイン・リーザとの愛情に満ちたセックスをじっくりと描き出していることは前述の描き方と好対照を形成。
 エロシチュエーションに関して多少の味付けはありますが、その辺りはさほど重要では無く、ヒロインの柔らかく温かい肢体をたっぷりと味わい、互いに腰を振り合いながらぬめった秘所で快感を交換する、非常にシンプルかつ基本的な行為そのもので強力無比な煽情性を叩き出すのがこの作家さんの真骨頂。
BeautifulDollClub3.jpg汗や涎、精液に濡れた柔肌を曝け出しながら、すっかり蕩けた表情と漏れ出す様な嬌声を曝け出し、水音を奏でながら膣内射精を繰り返していく痴態描写は濃厚な陶酔感を有しており(←参照 長編の過去編「ユートピア」より)、派手な視覚的表現や文章表現を用いずとも、肌や粘膜の密着感の打ち出しや、むせ返る様な精気に満ちた熱気の醸成こそが高い実用性を生み出していると評し得るでしょう。
 前述の通りに抜き所の多いエロシーン構成であり、前戯パートでの口内射精&精飲、性器への中出しの連発に加え、前戯パートでのヒロインの絶頂やお漏らしなども多数投入。フィニッシュシーンではダイナミックな2P見開き構図を多用し、秘所から精液が漏れ出す事後の描写などの追撃も用意しているのは長尺故の分量の余裕に依るものでしょう。なお、基本的に抽送パートでは膣内射精のみを描いていますが、このことにもストーリ上の意味がしっかりとあります。

【“生としての性”が快楽の楽園の歪みを打ち破る】
 本作品は数多の美少女達とのウハウハ・ハーレムエロとしての外装を纏いつつ、それと対比的な不気味なミステリーでもあり、壮大な世界観を有するSFファンタジーでもあり、そしてセックスの“気持ちの良い行為”という肉体的快楽の側面を肯定しつつも、それ以上の価値を見出していくことに本質があるストーリーとも言えるでしょう。
 女装も似合う美少年と彼とのセックスに積極的に励んで性的快楽を満喫する、外部から巨大な壁で遮断された学園は、少女達の記憶を改竄し、次々と消していっては新たな少女達を生み出していく強固なシステムに支えられた、いわば“歪んだ楽園”としての真実が徐々に明らかになっていきます。
蓄積されたその“歪み”が破綻をきたし、主人公が学園と外界の真実を知ることによって、物語は終盤大きく動き出すことになるのですが、それを駆動する要因はセックスの快楽への欲望ではなく、性行為の本質である“生殖としての行為”の側面であり、またそこに宿る“男女の愛”に他なりません。
7e39e570.jpg この作家さんの過去作品とも共通する、「閉塞的で歪んだユートピアからの解放」「生としての性への賛美」は本作においてもしっかりとテーマとして練り込まれており、主人公とリーザが自らの手によって学園を囲う巨大な壁を爆破し、学園の女の子達を外の世界へと解き放つシーンは、この作家さんらしいダイナミックな演出表現も相まって、清涼な爽快感を読み手にもたらします(←参照 “楽園”の終焉 長編最終話「ガーデン・ローズ」より)。
次々と消えていく少女達の存在もあって、終盤ではやや重苦しさもあるものの、そこはしっかりと救済措置を施して大団円のハッピーエンドとしているのもこの作家さんらしい点であり、学園の運営を冷徹に進めていたリーザの救済も含め、単なるご都合主義で済ませずにストーリーとその設定内でハッピーエンドを円滑に迎えさせる手腕も高く評価したいポイント。
 ハーレムエロとしての多幸感・全能感、その中で高まっていく焦燥と不安、終盤でのシナリオの躍動と爽快なハッピーエンドと、非常に良質なドラマ性を有した作劇と言え、最初から最後までグイグイと読みを牽引してくれることでしょう。

 作劇・エロ描写共に、この作家さんの美点が遺漏なく発揮された長編作と言え、エロ漫画の現在と未来を担い得る実力派として不動の地位を築き上げたと言っても決して過言ではないでしょう。
エロ漫画として“セックス”そのものを作品の中核に据え、抜きとしての強みを存分に打ち出しつつ、そこに確たるテーマ性を宿す技量に一レビュアーとして最大限の賛辞を贈りたいと思います。お勧め!

ロケットモンキー『初恋デリュージョン』

FirstLoveDelusion.jpg幸村誠先生の『ヴィンランド・サガ』第13巻(講談社)を読みました。ケティルの旦那が色々と辛いことがありすぎて、穏やかな性格が一変、反動で猛々しい性格になってしまいましたが、いかんせん組織での戦闘力は何ともなりませんでしたな。
残酷で不条理な現実を嫌という程繰り返し味わいながら、それでも諦めずに前進し、未来を創造しようとする二人の握手が何とも熱いラストでした。

 さて本日は、ロケットモンキー先生の初単行本『初恋デリュージョン』(コアマガジン)のへたレビューです。ショートヘア巨乳美少女はジャスティス!(表紙参照のコト)
むちむち柔らかボディの美少女さん達がビッチな痴態で乱れまくるエロシーンが詰まった1冊となっています。

FirstLoveDelusion1.jpg 収録作は、健気で優しい幼馴染の女の子との日々が、彼女が別の男と気持ちよさそうにセックスに興じるビデオレターを送られ一転する連作「ホントのアイツ」前後編(←参照 中出し後ピース 同作前編より)+彼女がビッチになってしまった原因を描くプロローグ短編、および読み切り形式の短編6作。
1話・作当りのページ数は20~26P(平均22P弱)と標準的なボリューム。後述する様に各エピソードの趣向には重苦しさがありつつ、短編メインということもあって作劇面ではコンパクトで、その分エロをメインにした構築と言えるでしょう。

【ヒロインがビッチであることの“遠さ”】
 ニッコリと微笑む美少女さんの表紙絵で、タイトルに“初恋”とありますが、そのタイトルでは”Delusion”(欺くこと、妄想)が続くことが示す様に、特に男性側の恋心や愛情が手酷く裏切られる展開がメイン。
 おっとりと優しい性格の幼馴染さんが、実は自分の知らぬところで他の男達に乱暴され、調教され、すっかりビッチになってしまっていた連作が代表的ですが、ヒロイン達が“ビッチ”であることが主人公の男性にとって棚ボタ的な幸福感をもたらすものではなく、自分の恋愛の対象として留めておくことができない無力感・喪失感を生むという傾向が特徴的です。
FirstLoveDelusion2.jpgドエロな叔母さんに搾り取られまくる短編「脱いだらスゴイ?」の様な棚ボタ展開にしろ、人妻さんが旦那以外の男にエステと称して凌辱され、すっかりその快楽に染まってしまう短編「キレイになりたい。」にしろ(←参照 おっとり人妻さんが騙されて 同短編より)、女性としての快楽欲求が特にパートナーの男性にとって悪い方向に働く傾向という点が共通。
 短編群にしてはコンパクトにまとまることもあって、前述の通り重苦しさはあまり感じられず、比較的じっくりと喪失感を強調して行く連作についても主人公がヒロインの特殊性癖を受け入れるというラストを迎えるため、暗さ・重さはそこまで強くはありません。
また、あくまでヒロイン達のビッチさ、あっけらかんとした性的快楽への希求が前面に押し出されることも、印象の軽さに貢献していますが、彼女達の“軽さ”がある種男性にとっては残酷であるという側面もあるため、寝取られ耐性の無い諸氏は要留意。
なお、逆に言うと、寝取り側・寝取られ側の双方の男性キャラクターにさほどの重要な動機づけがないため、寝取られエロとしての醍醐味を味わいたい諸氏にはやや物足りなさのあるライト指向とも評し得るでしょう。

【むっちり柔らか肉感のおっとり系美少女・美女】
 ヒロイン陣の年齢層に関してはハイローミックスであり、20代半ば~30歳前後程度と思しき人妻さんなどの年増美人達とハイティーン級と思しきJKガールズ達でそれぞれ半々程度を占めています。
一部のキャラクターを除けば、ほよほよと天然気味で穏やかな性格の女の子・女性が多いのですが、にも関わらず天然ビッチであったり、野郎どもの調教によってビッチに開発されていたりなヒロイン達となっており、そのギャップがキャラクターとして印象的。
FirstLoveDelusion3.jpg 全ヒロインのボディデザインは共通してむっちり系であり、ぷにぷにと柔らかそうなお肉を全身にしっかりまとった肉感ボディは、垂れ気味のだらしな巨乳や十分な肉感のある桃尻やむちむちの太股などを完備しており、セックス時にその女体に密着することで柔らか触感とほかほかした体温を感じさせます(←参照 ほかほか濡れ濡れ肉感ボディのビッチさん 短編「卒業しても・・・」より)。
地味なセーターやしっかり着込んだ制服など、私服が比較的大人しく描かれている分、そのむちむちな男好きするエロボディがまろび出てくる興奮は十分と言え、柔らか肉感ボディを愛する諸氏には大きな加点材料と言えるでしょう。
 初単行本ということもあって、絵柄の変遷は明瞭と言え、絵柄の安定感をお望むの諸氏は要留意。近作では、この柔らかボディを比較的細く軽やかな描線で描くことで、過剰な重さを排除し、二次元的なキャッチーさを十分に備えた画風となっており、表紙絵との齟齬も僅か。
これに対して3本程度の初期作では、肉感の押し出しと描線の弱さがアンバランスな印象を抱かせたり、キャラデザや描線に荒さ・乏しさがあったりと小さくない減点材料を抱えています。近作の絵柄は十分に武器であり、確かな進歩を示しているので初単行本に限っての問題点と言えます。

【ヒロインの強烈な陶酔描写が生む実用性と無力感】
 上述した通りにエロメインの構築であり、やや強引な展開をヒロイン達の快楽欲求の強さを駆動因とすることで解決し、彼女達が倒錯的な快楽に耽溺する様子を十分な尺で提供。
レイプや寝取られエロなどがメインであり、ヒロイン側の抵抗や嫌悪を描くこともあるものの、基本的には“ビッチ”キャラクターで押すこともあり、性的快楽に抗うこともなく愛する人以外のち○こに上下の口でむしゃぶりつくヒロイン達の陶酔感たっぷりの痴態を描写しています。
FirstLoveDelusion4.jpg エロ演出としても、すっかり恍惚とした表情を曝け出しながら、エロ台詞を連呼し、腰を振りつつ口でも複数のち○こにご奉仕するビッチ然とした痴態を前面に押し出すスタイルとなっており(←参照 瞳にハートマーク 短編「一人で平気」より)、この強烈な陶酔感で実用性を叩きだしつつ、同時に彼女達が“手の届かない”場所に行ってしまった喪失感も形成。
 殊更に特殊なプレイはあまり投入しないとも言えますが、ねっとりと舌を絡め合うキスやひょっとこ気味の吸いつきフェラと、それに後続して口内射精した白濁液を開口して見せ付ける描写、涎や涙、愛液に汗、絶頂お漏らしと各種体液をたっぷり分泌する液汁描写など、十分な濃厚感のある描写を重ねていきます。
露骨な大股開きやゆさゆさと揺れる巨乳揺れなど、全体の肢体描写を武器としつつ、肉棒に押し開かれた日秘所やアナルの見せ付け構図も多用。ここ最近のコアは、諸般の事情により白塗りでのキツイ修正であったものの、今回はモザイクを採用。好みは分かれるかもしれませんが、白塗りで完全に塗り潰すよりは性器描写の淫猥さをある程度保存できていると個人的には評したいところ。
 基本的に複数ラウンド制を徹底しており、中出しされる度にアクメを繰り返し、口の中に出された白濁液にトロンと蕩けた表情を示すビッチな痴態を重ねていきます。透過図や断面図で中出しを強調すると共に、満足そうな蕩け顔で白濁液が漏れ出る秘所を見せ付けるヒロイン達の痴態でもしっかり追撃をかけるフィニッシュ周りとなっています。

 寝取られ・凌辱系の作品がメインであるため、その点で好みを分けると思いますが、柔らかボディのおっとり美少女・美女がエロシーンとなれば強烈にビッチな姿を曝け出すという点そのもののインパクトは魅力的。
個人的には、黒髪ショートの巨乳美少女さんが彼氏君以外の男とのセックスで乱れまくる連作に愚息が大変お世話になりました。
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