
大道寺先輩、色々とデッカイお人でございましたが、まだ敵わないながらも飛鳥の成長も伺えましたな。あと、その巻物の内容、飛鳥ちゃんも視聴者も既に知ってた。
さて本日は、睦茸先生の『そとの国のヨメ』(ワニマガジン社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『たぷりこ』(ジーウォーク)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
キュートな美少女サキュバスのコンビと繰り広げる三角関係な恋愛模様とねっとりとした陶酔描写で魅せるエロシーンが魅力の1冊です。

描き下ろし作品を除き、1話当りのページ数は16~28P(平均24P)とコンビニ誌初出としてはボリューム感の強い水準。シナリオ面での展開でも読みを牽引しつつ、個々に十分な尺のエピソードの中でエロシーンの量的満足感もしっかりした構築となっています。
【快活な青春ラブコメとして描かれる絆の再確認の物語】
諸事情によってワニマガジン社からの発売となっているものの、描き下ろしを除く全ての作品は『HOT MILK』が初出。よって、快楽天系列のカラーは乏しく、メガストア系列らしい明るく楽しいラブコメスタイルが基盤となる作風。
既に信頼関係が結ばれた二人の美少女と同居、しかもサキュバスなのでエッチに“理由付け”が出来る、主人公を取り合っての三角模様と、実にエロ漫画的なご都合主義が存在するものの、これらの要素が単なる便利要素にならないシナリオワークとなっているのが美点でしょう。
つまり、“ゴハン”という理由での行為を愛情に基づく行為に変化させ、三角関係の中で生まれる嫉妬によって自らの中の想いを再確認する展開は、“一途な愛情の再認識・再確認”というこの作家さんが長編作で得意とするテーマ性を生じさせています。
性格面では大きく異なる二人のヒロインですが、不器用な部分は共通していると言え、その恋愛の再認識の中で生じた葛藤や嫉妬に悩むことは、恋愛エロとしての誠実さを形成すると共に、コミカルさやキャラクターの可愛らしさにも寄与。

また、「そとよめっ!」シリーズでは3人での大団円(ラブラブ3Pエッチを含む)を迎えた長編の後で、それぞれの嫁さんに個別ルートの如く集中してイチャイチャする模様を提供しており、単行本単位としてサービス精神も豊かな。
【性格面やボディデザインで好対照を為すダブルヒロイン】
兄妹同然に育ち、家族として絆で結ばれたルフちゃんと、同性の幼馴染として友情を育んできたものの実は女性で主人公にアタックをかけるタマオちゃんのダブルヒロイン制であり、余計なサブキャラクターを投入することなく、主人公達の三角関係に専念するシナリオ構築となっています。
ツンツンした態度も取りながら主人公をずっと思慕しており、ヤキモチ焼きで寂しがり屋なルフと、中性的な雰囲気で妖しさを有しつつ積極的に誘惑してくるタマオは性格面で好対照を示しており、主人公を取り合うダブルヒロインとして好適なキャラクター造形。なお、二人とも淫魔なのですが、ストーリー開始時点では共に処女。
また、前者が家族として、後者が同性の親友としての立場から恋愛関係へと主人公の関係性を昇華させていく共に、それまでの関係性も大切なものとして保持されることでキャラクターの魅力とハッピーエンドの甘い幸福感を形成しています。

どちらかに固定して欲しい方もいるかもしれませんが、もともとペドに近いロリキャラから熟女さんまで幅広いレンジのキャラメイクが出来る作家さんなので雑食派としてはむしろ一粒で二度美味しいキャラ配置。また、女体のもっちりと柔らかな質感や濡れた粘膜のヌルヌル感といった要素は体型に寄らずに共通する美点。
繊細な描線を丹念に描き込み、トーンワーク等での作画密度の増強もしっかり為されている分、キャッチーな絵柄に華やかさはあり、表紙絵などのカラー絵とアナログ絵の間に齟齬を感じさせないのも美点であり、単行本を通して高水準で安定しています。
【表情付けによる陶酔感と的確な構図・描写による密着感】
各話のボリュームが十分にあり、またシナリオ展開を重視しつつ状況設定・キャラ設定が非常にエロ向きであることもあって、エロシーンは十二分な分量であり、淫魔の美少女達がしっとりかつ熱っぽく蕩ける痴態をたっぷり鑑賞可能。
3Pセックスや嫉妬に萌えるヒロインによる押し倒しなど、エロシチュエーションに変化を付けつつラブラブHであることは共通。また、ストーリーが進行するにつれ、“食事”ではなく“睦み合い”としての色彩が強くなることで恋愛エロとしてのエモーショナルさや甘さが強化されていくのもシナリオ面での功績でしょう。
ルフちゃんのぺたんこバストでの擦りつけパイズリもあれば、タマオのふっくら巨乳に包まれるパイズリ、おまけに両方楽しめるダブルパイズリ、唇と舌で肉棒を愛おしそうに愛撫するフェラなど、多彩なプレイを投入する前戯パートからねっとりとした描写で陶酔感の強化と抜き所の提供を行っています。
前述した柔肌や粘膜の描写は、各種淫液に濡れる肢体の官能的な描写や、快楽にくしゃくしゃに蕩けて涙や涎で濡れる表情付け、舌と涎を絡め合わせるキス(3人キスもあるでよ!)などの描写・演出の煽情性を下支えしています。

肉棒を締めつける膣口や亀頭に吸いつく子宮口をピンポイントに強調する透過図などでも粘膜の密着感や深い挿入感を強化しており、すっかりメロメロな表情を曝け出すヒロインにたっぷり膣内射精して子宮口に注ぎ込む1Pフルのフィニッシュで複数ラウンド制の強力な〆としています。
トライアングル・ラブコメとしてはスタンダードな構築ですが、キャラクター設定がシナリオにしっかりと生かされることで読みの面白さにつながっており、鉄板の実用性もあって信頼性の高いラブエロ作品。
長身スレンダー巨乳とぺたんこロリが同時に楽しめるというのは実に良かったですなぁ!お勧め!