2013年02月

睦茸『そとの国のヨメ』

SweetheartFromAnotherWorld.jpgTVアニメ版『閃乱カグラ』第7話「恐怖のハイキング」を観ました。“這緊虞(ハイキング)”とか“締魔破空(テーマパーク)”とか、ノリがまんま「魁!男塾」でしたな。“知っているのか雷電!”もありましたし。
大道寺先輩、色々とデッカイお人でございましたが、まだ敵わないながらも飛鳥の成長も伺えましたな。あと、その巻物の内容、飛鳥ちゃんも視聴者も既に知ってた。

 さて本日は、睦茸先生の『そとの国のヨメ』(ワニマガジン社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『たぷりこ』(ジーウォーク)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
キュートな美少女サキュバスのコンビと繰り広げる三角関係な恋愛模様とねっとりとした陶酔描写で魅せるエロシーンが魅力の1冊です。

SweetheartFromAnotherWorld1.jpg 収録作は、同居しているハーフのサキュバス・ルフちゃんと一線を越えてエッチをしちゃうも親友の男子と思っていたタマオも実は女性でサキュバスであることが判明して!?なトライアングル・ラブな長編「そとの国のヨメ」全6話(←参照 肌を合わせるだけでも“食事”できるのですが 同長編第1話より)+嫁となった二人のサキュバスさんとのラブラブ後日談な「そとよめっ!」シリーズ3作+描き下ろしのおまけ掌編2本。なお、カバー裏には前々単行本『あまみドコロ』(コアマガジン)とのセルフコラボ漫画が描き下ろされています。
描き下ろし作品を除き、1話当りのページ数は16~28P(平均24P)とコンビニ誌初出としてはボリューム感の強い水準。シナリオ面での展開でも読みを牽引しつつ、個々に十分な尺のエピソードの中でエロシーンの量的満足感もしっかりした構築となっています。

【快活な青春ラブコメとして描かれる絆の再確認の物語】
 諸事情によってワニマガジン社からの発売となっているものの、描き下ろしを除く全ての作品は『HOT MILK』が初出。よって、快楽天系列のカラーは乏しく、メガストア系列らしい明るく楽しいラブコメスタイルが基盤となる作風。
 既に信頼関係が結ばれた二人の美少女と同居、しかもサキュバスなのでエッチに“理由付け”が出来る、主人公を取り合っての三角模様と、実にエロ漫画的なご都合主義が存在するものの、これらの要素が単なる便利要素にならないシナリオワークとなっているのが美点でしょう。
つまり、“ゴハン”という理由での行為を愛情に基づく行為に変化させ、三角関係の中で生まれる嫉妬によって自らの中の想いを再確認する展開は、“一途な愛情の再認識・再確認”というこの作家さんが長編作で得意とするテーマ性を生じさせています。
 性格面では大きく異なる二人のヒロインですが、不器用な部分は共通していると言え、その恋愛の再認識の中で生じた葛藤や嫉妬に悩むことは、恋愛エロとしての誠実さを形成すると共に、コミカルさやキャラクターの可愛らしさにも寄与。
SweetheartFromAnotherWorld2.jpg 嫉妬の念に囚われたルフちゃんが暴走して、ちょっとシリアス&ダークな雰囲気を醸し出すこともありますが、基本的に全キャラクターが善人であることもあって優しいハッピーエンドにスムーズに収束しており、ドタバタラブコメ的な明るさは一貫していると言えるでしょう(←参照 浜辺でサンオイル合戦!フィーヒヒッヒ 長編「そとの国のヨメ」第4話より)。
また、「そとよめっ!」シリーズでは3人での大団円(ラブラブ3Pエッチを含む)を迎えた長編の後で、それぞれの嫁さんに個別ルートの如く集中してイチャイチャする模様を提供しており、単行本単位としてサービス精神も豊かな。

【性格面やボディデザインで好対照を為すダブルヒロイン】
 兄妹同然に育ち、家族として絆で結ばれたルフちゃんと、同性の幼馴染として友情を育んできたものの実は女性で主人公にアタックをかけるタマオちゃんのダブルヒロイン制であり、余計なサブキャラクターを投入することなく、主人公達の三角関係に専念するシナリオ構築となっています。
 ツンツンした態度も取りながら主人公をずっと思慕しており、ヤキモチ焼きで寂しがり屋なルフと、中性的な雰囲気で妖しさを有しつつ積極的に誘惑してくるタマオは性格面で好対照を示しており、主人公を取り合うダブルヒロインとして好適なキャラクター造形。なお、二人とも淫魔なのですが、ストーリー開始時点では共に処女。
また、前者が家族として、後者が同性の親友としての立場から恋愛関係へと主人公の関係性を昇華させていく共に、それまでの関係性も大切なものとして保持されることでキャラクターの魅力とハッピーエンドの甘い幸福感を形成しています。
3a9efaa0.jpg この二人は、性格面と同様にボディデザインも対照的であり、ちんまいボディに膨らみかけバスト、金髪ロングのお人形的可愛らしさのあるロリプニボディなルフと、等身高めのスレンダーボディと黒髪ショートで中性的でセクシーな雰囲気を出しつつ、陥没乳首の柔らか巨乳や程良い肉感の桃尻を持つタマオという設計になっています(←参照 セクシー重点! 長編「そとの国のヨメ」第2話より)。
どちらかに固定して欲しい方もいるかもしれませんが、もともとペドに近いロリキャラから熟女さんまで幅広いレンジのキャラメイクが出来る作家さんなので雑食派としてはむしろ一粒で二度美味しいキャラ配置。また、女体のもっちりと柔らかな質感や濡れた粘膜のヌルヌル感といった要素は体型に寄らずに共通する美点
 繊細な描線を丹念に描き込み、トーンワーク等での作画密度の増強もしっかり為されている分、キャッチーな絵柄に華やかさはあり、表紙絵などのカラー絵とアナログ絵の間に齟齬を感じさせないのも美点であり、単行本を通して高水準で安定しています。

【表情付けによる陶酔感と的確な構図・描写による密着感】
 各話のボリュームが十分にあり、またシナリオ展開を重視しつつ状況設定・キャラ設定が非常にエロ向きであることもあって、エロシーンは十二分な分量であり、淫魔の美少女達がしっとりかつ熱っぽく蕩ける痴態をたっぷり鑑賞可能。
3Pセックスや嫉妬に萌えるヒロインによる押し倒しなど、エロシチュエーションに変化を付けつつラブラブHであることは共通。また、ストーリーが進行するにつれ、“食事”ではなく“睦み合い”としての色彩が強くなることで恋愛エロとしてのエモーショナルさや甘さが強化されていくのもシナリオ面での功績でしょう。
 ルフちゃんのぺたんこバストでの擦りつけパイズリもあれば、タマオのふっくら巨乳に包まれるパイズリ、おまけに両方楽しめるダブルパイズリ、唇と舌で肉棒を愛おしそうに愛撫するフェラなど、多彩なプレイを投入する前戯パートからねっとりとした描写で陶酔感の強化と抜き所の提供を行っています。
 前述した柔肌や粘膜の描写は、各種淫液に濡れる肢体の官能的な描写や、快楽にくしゃくしゃに蕩けて涙や涎で濡れる表情付け、舌と涎を絡め合わせるキス(3人キスもあるでよ!)などの描写・演出の煽情性を下支えしています。
SweetheartFromAnotherWorld4.jpg構図に関して巧いと思うのは、男性の肢体の描写を最小限に押さえてヒロインの痴態に意識を専念させつつも、男女の肢体の密着感を重視するアングルや描写をしている点であり、股間を頭に密着させてのディープスロート(←参照 男性の肢体を透明化して口腔内のち○こだけで密着感を表現 長編第3話より)、足を男性の体に絡める中出しホールドや正常位の多用とそれに伴うキスや乳吸い等の添加で効果を発揮しています。
 肉棒を締めつける膣口や亀頭に吸いつく子宮口をピンポイントに強調する透過図などでも粘膜の密着感や深い挿入感を強化しており、すっかりメロメロな表情を曝け出すヒロインにたっぷり膣内射精して子宮口に注ぎ込む1Pフルのフィニッシュで複数ラウンド制の強力な〆としています。

 トライアングル・ラブコメとしてはスタンダードな構築ですが、キャラクター設定がシナリオにしっかりと生かされることで読みの面白さにつながっており、鉄板の実用性もあって信頼性の高いラブエロ作品。
長身スレンダー巨乳とぺたんこロリが同時に楽しめるというのは実に良かったですなぁ!お勧め!

URAN『姉弟中毒』

SisterHolic.jpgTVアニメ『ビビッドレッド・オペレーション』第6話「健次郎があかね達の友情パワーを強化しようとするけどとんでもないことになる話」を観ました。じいちゃん、大人げねぇ・・・。
水着回でも安定のお尻アングル充実であることに加え、平坦バストのわかばちゃんを尻目に(尻アニメだけに!)トランジスタ・グラマーひまわりちゃんのばいんばいんおっぱいも光っていましたな!(満面の笑みで

 さて本日は、URAN先生の『姉弟中毒』(富士美出版)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『とろとろくり~むぱい』(コアマガジン)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
むっちり柔らかボディの美少女・美女と繰り広げる“ちょっといい話”と熱情的な和姦エロスが楽しめる1冊となっています。

SisterHolic1.jpg 収録作は、二人の義姉にたっぷり愛されてエッチなハプニング?も日常茶飯事な姉弟の日々な「姉僕」シリーズ4作(←参照 タイプは違っても溺愛っぷりは同じ姉コンビ 「姉僕after」より)+描き下ろしのキャラ紹介的なフルカラー掌編3P、スポーツジムでめざましい成果を上げられた会員に美人インストラクター達が特別なレッスンを~な連作「だからジムはやめられない!」「秘密の体験プログラム」、および読み切り形式の短編4作+おまけ4コマ(2P)。
なお、「姉僕」シリーズは前々単行本『アネキネコ』(富士美出版)に収録された同名の短編のスピンオフシリーズであり、短編「隷耶奴~お江戸編~」はやはり同単行本に収録の「Layerd」シリーズの番外編的な位置付けになるため、該当単行本を読んでいなくても支障はほぼ無いですが、既読であると楽しさは増すと思われます。
 描き下ろしフルカラー作品を除き、1話・作当りのページ数は12~24P(平均19P弱)とコンビニ誌初出としてはオーソドックスな分量。作品の方向性によって読書感は異なりますが、いずれもエロシーンは標準的な分量が確保されています。

【オーソドックスな中に寛容さの光る作劇】
 お姉ちゃんに振り回され、甘やかされる「姉僕」シリーズや、美人トレーナーさん達によるエッチなご褒美が描かれる連作など、コンビニ誌的に王道でもある棚ボタ的な幸福感を持つ展開が目立ってはいます
忍者姉弟のエロバトルな短編「隷耶奴~お江戸編~」なども含めて、エロまっしぐらなイージーゴーイングさがあるのは、シナリオ面のコクを減じるものの読み口の軽快さに貢献してもいます。
 また、そういったイージーさのある展開でありつつも、交わされる性愛を単純な快楽全能主義を以て描くのではなく、相手への信頼や愛情、好意といった善なる感情の顕れとして描き、男女双方に幸福をもたらすものとして描いているのが小さくない特長でしょう。
この点は、飼育している動物を通じて孤独を抱える少年少女が打ち解け、恋愛関係になる短編「懐いてい~よね❤」や、漫画家としての情熱に燃えながらその他のコトはだらしないエロ漫画家としっかり者で初心な女性税理士の衝突と和解な短編「税理士チャンとエロ漫画野郎」など、ちょっといい話の要素が絡むケースではそこらの性愛の善性がより目立つ印象があります。
ce87005a.jpg加えて、年上の女性と少年の組み合わせが多いのが今回の特徴ですが、その関係性の中において女性が母性を以て、少年の欲望や感情を受け止め、単なる快楽欲求ではなく精神的な充足を得るものとして性行為を教える流れが多いのも特徴(←参照 この独特の間がまた 短編「スイートホーム」より)。
 続きモノとしてのストーリー性はあまり重視せずにエロシチュエーションを多数魅せる構成の「姉僕」シリーズを筆頭にドラマ性を今回はさほど重視していないので、各作品のラストは割合にあっさりとしたハッピーエンドとなっています。短編としてのまとまりはしっかり図られていますが、個々のシナリオにもう少し盛り上がりが作劇に欲しかった印象は個人的にはあります

【柔らか巨乳をお持ちの年上ヒロインがメイン】
 年上キャラクターが多いということもあって、先輩や義姉である女子高生ヒロインも一定の割合で存在しつつ、20代前半~後半程度と思しきお姉さん達も主力を形成。
策士&甘やかし系の倫子姉とツンデレ気味な舞子姉が好対照を形成する「姉僕」シリーズの姉コンビの様に、比較的分かり易いキャラクター属性をヒロインに持たせる傾向にあります。もっとも、前述した性の受容の仕方なども含めて、テンプレそのままの没個性的なキャラクターにしないのは作劇面に関連して重要な点でしょう。
また、黒髪ロングで清楚な印象のあるお姉さんといったタイプのキャラデザインが比較的多いですが、これまた明確な描き分けが為されており、連作に登場する金髪&紅いルージュの妖艶美女や全身日焼けした褐色肌ショートお姉さんなど、特定の要素を用いる的には割合に徹底するキャラデザとも感じます。
 おっぱいサイズに多少の変動はあって、並乳クラスのスレンダー寄りの女性キャラクターも存在していますが、メインを占めるのは健康的な肉付きの体幹にもちもちとした質感を有する柔らか巨乳を組み合わせた肉感ボディ。
SisterHolic3.jpg適度な密度で加えるグレースケールなどもあって、肢体の艶めかしい白さや柔らかい質感が十分に強調されており、肉感ボディでありつつセックスアピールが先行し過ぎることなく、均整の取れた美しさと、特に健康的な色香が保たれているのが魅力と言えるでしょう(←参照 インストラクターさんの美巨乳! 連作前編「だからジムはやめられない!」より)。
 綺麗に整えられた表紙絵に比べるとアナログ絵ではラフな部分があるのは否めなく、またコミカルなシーンやエロシーンなどでタッチを意図的に変化させることもあって絵柄に統一感がやや欠ける傾向にはあります。とは言え、エロシーンではしっかり艶っぽさを増すなど、ここらの荒さや不統一感は美点の一つでもあると評し得ます。

【十二分な陶酔感とラブエロとしての高揚感が魅力】
 前述した様に、性愛の受容に関して登場人物達の心情を掬い出しているシナリオ展開ですが、イージーゴーイングな勢いもあってエロシーンは十分量を確保。
 暗闇の中でのエッチにお風呂でのエッチ、アイドル衣装のお姉ちゃんを独占エッチ、レズプレイからの3Pセックスと各種エロシチュを多様に用意する「姉僕」シリーズに加え、所謂おねショタや、乱交セックスなどシチュエーションを多彩に投入しているのは単行本単位としての魅力。
 十分な分量を確保していることもあって前戯パートにもしっかりとしたページ数があり、フェラやパイズリといったご奉仕プレイ、ヒロインの肢体の感触を指や舌で楽しむ前戯、素股での焦らしプレイなど、状況に合わせたプレイを投入しつつ抽送パートまでの盛り上げをしっかり形成しています。
どちらかと言えば健康的な色香がある絵柄である一方、エロシーンに突入後は細やかな修飾によって絵としての煽情性を増しており、特に抽送パート移行後のヒロインの痴態には十二分な陶酔感が生じています。
SisterHolic4.jpg 作品全体の温和な雰囲気を損なう様な過激性・攻撃性を追求しない一方で、柔らかおっぱいの派手な乳揺れやトロトロに蕩けた表情付け、擬音や矯正の乱舞など、ストレートな煽情性を生み出す演出・構図を連続させることで十分な盛り上げを図っています(←参照 短編「税理士チャンとエロ漫画野郎」より)。
主観構図での蕩け顔のアップや、所謂中出し固めなど、男性の肢体との密着感を抽送パート終盤で重視しており、互いにつながった状態での力強い腰振りから迎えるフィニッシュシーンは結合部見せ付け構図によって十分なインパクトを持つ大ゴマ~1Pフルで描かれています。

 この作家さんの作品の中ではよりライト指向のカラーが強い最新刊とも感じますが、朴訥さも感じさせつつ性愛の善なる面を称揚するスタンスはしっかり共通していると評したいところ。
個人的には、連作に登場した褐色肌美人にもっとスポットを当てて欲しいですが、なんだかんだで二人のお姉ちゃんとラブラブHな「姉僕」シリーズが最愛でございます。

ヤスイリオスケ『恋愛不要学派』

NoLoveSchool.jpgオカヤド先生の『モンスター娘のいる日常』第2巻(徳間書店)を読みました。今回でも新たなモンスター娘が同居人として加わりましたが、スライム娘の体洗いプレイ・・・ゴクリ。
しかし、ミーアの脱皮お手伝いのエロイ・アトモスフィアはなかなかなもので、人外ヒロインである故に可能な新たな性癖の喚起はこの作品の面白いところ。あと、セレアさんのデリケートなところを洗いたいです!

 さて本日は、ヤスイリオスケ先生の『恋愛不要学派』(マックス)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『ショッキングピンク!』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
ドタバタ&変態プレイな学園コメディの快活さとすべすべ柔らか美巨乳が魅力のヒロイン達の蕩ける痴態が魅力の1冊となっています。

NoLoveSchool1.jpg 収録作は、露出・羞恥系のシチュエーションを中心に、パートナーの千代丸と共に変態プレイを求道する才色兼備の美少女生徒会長・鷹乃さんとそれに振り回される周囲の面々を描く長編「恋愛不要学派」全10話(←参照 鷹乃さんと結局主な被害者となる双葉ちゃん 同長編第3話より)+番外短編第0話+フルカラー幕間劇掌編4P。
フルカラー掌編を除き、1話当りのページ数は16~24P(平均19P強)とコンビニ誌として標準的な部類。長編作ではありますが、基本的には軽く楽しい読み口が身上と言えるシナリオであり、エロも軽過ぎず重過ぎずのバランスでまとまっています。

【登場人物達の快活なエロパワーが楽しいドタバタ劇】
 ドエロなヒロインを擁した上でのドタバタラブコメディという、この作家さんの得意とする作劇はキャラクターのキャッチーな魅力とあっけらかんとした快活さが面白さの中核を形成。
 メインヒロインの鷹乃さんによる露出・羞恥系プレイや、サブヒロイン達によるソフトSMプレイやアナルセックスへの挑戦などアブノーマルなプレイ・シチュエーションを投入していますが、あくまで合意の上での行為として描いているので嗜虐性や倒錯性はエロのスパイスのみに留めています
また、このご都合主義的な設定に加え、千代丸君に調教“される”側でありつつも状況を主導し、後輩の双葉を巻き込んでいく立場でもあるキャラクターとして鷹乃さんを描いていることによって、各登場人物の能動性が作中で生き生きとすることにつながっています。
dff30b2d.jpg 長編作ではありつつ、重厚なストーリー展開は認められず、前述した各種のエロシチュエーションをそれぞれのキャラクター毎に投入しながら、ドタバタ模様を繰り返していく流れの楽しさが魅力的(←参照 AV?作成中 長編第6話より)。さほど話のつながりが強くないエピソードによってはオムニバス形式に近い印象を感じることもあります。
 作中でのエロ行為は、能動性や探究心によって引き起こされつつ、恋愛感情を介在したものではないとストーリー序盤では鷹乃さんによって断じられており、それが恋愛の介在を重んじる双葉ちゃんのスタンスの違いでもあるのですが、単行本タイトルと言うまでもなく反してメインヒロインが彼女なりの“愛”の感情を取り戻すことがストーリー終盤の主要素。
彼女のトラウマを拭い去り、かなりの不思議キャラでもある千代丸君の本心を明らかにする終盤のちょっとしたシリアステイストはやや蛇足の感はあるものの、テーマ性として非常に好感の持てる要素であり、同時にコメディの軽さ・楽しさも維持することで読み口を過剰に重くしなかった設計も○。

【柔らかくたわむ美巨乳揃いのJKヒロインズ】
 第5話に登場する生徒会メンバー男子のお姉ちゃんのみ女子大生クラスの女性ですが、その他の女性キャラクターは学園コメディということもあって女子高生級の美少女達で統一。
品行方正な生徒会長と思いきやエロエロ痴女で、ドMかと思いきやドSな要素もある鷹乃さんの奔放なキャラクターを大きな魅力としつつ、真面目だけどプレイに徐々にハマっていく後輩ちゃん、おっとりドMな風紀委員長にツンデレ姉貴と漫画チックに楽しいキャラクターが揃っているのも長所でしょう。
NoLoveSchool3.jpg 髪型の違いやおっぱいサイズの多少の幅でキャラデザインに変化を付けていますが、肢体描写のスタイルは概ね固定的であり、すべすべとした柔肌の下に十分な量のお肉をまとう健康的な肉感ボディに柔らかくたわむ巨乳や、むっちりとした太股を組み合わせたタイプ(←参照 ダブルくぱぁ! 長編第10話より)。
“張り”よりも“柔らかさ”を重視し、ほんのり垂れ気味のおっぱい描写はそれ単体で十二分な魅力である一方で、バストを特に強調した絵や構図はあまり認められない傾向にあり、しっとりと濡れた肢体全体を魅せる中に乳描写に一定の存在感を持たせて組み込んだスタイルと言えるかもしれません。
 どちらかと言えば控えめサイズの乳輪や、デフォルメ寄りの女性器描写など、粘膜描写も淫猥さが過剰にならない様に抑える傾向にあり、女体描写の端正さを維持。なお、ストーリー序盤では陰毛が生えていた鷹乃さんが、中盤以降は他のキャラクターと同じくパイパンな股間になっていたのですが、きっと剃毛プレイでもしていたのでしょう。
 絵の上手い新鋭作家が続々と登場する中では、売りであるキャッチーな絵柄もやや埋没し気味という印象はあるものの、コメディタッチの魅力を支える印象の明るさや、エロシーンにおいて官能性を滲み出させる程良い濃度はキャラ・エロ双方の魅力に大きく貢献しており、単行本通して表紙絵と同クオリティで安定しています。

【美しくも熱っぽい陶酔描写で魅せる変態チック・エロ】
 各エピソードはコンビニ誌初出として標準的なボリュームを有しているものの、キャラ同士の掛け合いやシチュエーション作りなどドタバタコメディの描写にも重点を置いていることもあり、エロシーン、特に挿入後の抽送パートが量的に物足りないことがあるのは確か。
 ただ、この分量的な物足りなさを補うのは、柔らかくも熱っぽい陶酔感の打ち出しや前述の美巨乳を中心とした女体のエロさと美しさ、露出や調教、3Pセックスといったシチュエーションそのものが持つ攻撃性・ゴージャス感といった美点であり、実用性に関しては十分なものがあります。
また、複数ヒロイン制を生かして複数の組み合わせでの3Pセックスがあったり、同一キャラクターに関してアナルセックスと前穴セックスを両方ご用意したりと、サービス精神豊かなシチュエーション選択も魅力の一つと言えるでしょう。
 前戯パートと抽送パートの分量配分は概ね適切であり、展開に余裕が無いことに加えてヒロイン達のキャラクター特性もあって、前戯パートから蕩けた表情を浮かべて変態チックなプレイを満喫しています。決して大量に描き込む訳ではないものの、行為が進むにつれて柔肌をしっとりと濡らす汗の表現や、秘所からトロトロ漏れ出る愛液の表現等は、女体の官能性を底上げする要因として機能しています。
NoLoveSchool4.jpg全裸露出やオナニー、フェラ、ねっとりとした指マンなどなど多彩に取り揃えた前戯プレイからヒロインの絶頂や射精パートに持ち込んで1回目の盛り上がりを形成し、くぱぁと自ら秘裂を開いてち○こを受け入れ、熱っぽく蕩けた表情を曝け出して中出しによるアクメへと移行して行く流れも鉄板と評し得ます(←参照 この蕩けた表情の良さ 長編第1話より)。
 揉みこむ指に合わせて柔らかく変形したり、抽送に合わせてたぷんたぷんと揺れたり、ポージングによっては両脚や両腕に挟まれて柔らかさを強調したりと、一定の存在感を示すおっぱい描写であるものの、乳吸いやパイズリといった巨乳ならではのプレイがほぼ無いのは非常に残念ではあり、おっぱい星人の諸氏には大きな減点材料となる可能性を留意して頂きたいところ。

 個人的にはもっとおっぱい充実を期待していたので、評価を下げる部分はあるものの、楽しい読み口の良さと程良い濃厚さのあるエロ描写の組み合わせは王道的な訴求力があるなと感じるところ。
あと、黒髪ロングのミステリアスな巨乳美少女という設定は何だかんだ言って強力であるなと改めて感じた作品でありました。

スミヤ『SAYONARA FAIRIES』

GoodByeFairies.jpg旅井とり先生(原作:坂戸佐兵衛氏)の『めしばな刑事タチバナ』第8巻(徳間書店)を読みました。今回取り上げられていますが、牛丼太郎ファンとしては本当に寂しい話でございます。
貧乏学生時代には“納豆丼”にお世話になりましたし、デフォルトでサラダにかかっているあのドレッシング、そして脂の少ない安いヘルシーな肉の牛丼、懐かしく思い出します・・・(遠い目

 さて本日は、スミヤ先生の『SAYONARA FAIRIES』(茜新社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『Lycoris』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
華奢なボディの美少女達と紡ぐ繊細で柔らかい叙情に満ちたストーリーが取り揃えられた作品集となっています。

GoodByeFairies1.jpg 収録作は、アイルランドからの留学生である少女と彼女の日本語レッスンを担当する男性教師の恋愛模様を描く中編「さよならフェアリー」全4話(←参照 美しい少女との非日常のような日常 同中編第1話より)+二人の後日談である描き下ろしシリーズ「encore lesson」2本(それぞれ6P、3P)、および読み切り形式の短編5作。
描き下ろし掌編シリーズを除き、1話・作当りのページ数は16~24P(平均22P強)と標準的な部類。シナリオとエロの分量配置は適切に行われつつ、どちらかと言えばシナリオの味わい深さで魅せるスタイルと言え、ページ数以上に読み応えのある作品群と感じます。

【穏やかさと切迫感が同居する雰囲気豊かなストーリー】
 いずれの作品も穏やかでありつつ、時にふわりと優しく、時に張りつめた空気で少女達の性愛を描き出していますが、今回の作品に共通するポイントは単行本タイトル通りに“別離”であると言えましょう。
于武陵の詩の一節“人生足別離”を如何様に解釈するかは人それぞれでしょうが、二人の別れのシーンから始まって、共に過ごした時間を思い返す様に紡ぎ、そして二人が幸せな笑顔を示す別れのシーンへと回帰する中編作が示す通りに、悲しい別れだけではなく、明るい希望を残す一時の別れもまた描かれています
短編「月がきれいで」「およめさん」では、それぞれ少女性愛、思春期における同性愛という将来的に“別離”が強制(もしくは矯正)させられる可能性のある中で、“今”に存在する二人の確かな絆を描き出し、好いていた異国の少女が“母”となることで彼女の中に魅力を見出していた“少女性”を喪失する短編「twelve stepps」では、少女にとっては幸福な、主人公の少女性愛者にとっては不幸な別離を示しています。
 もっとも、そのテーマ性を前面に押し出して作劇を堅いものとすることはないのも特長であり、悲しい結末を迎える短編「あなたの視界」を除けば、少女達のピュアな感情や願いが、何よりヒロイン達自身にささやかながらも尊い幸福をもたらすことが読み口の良さを形成しています。
8702d6d6.jpgこの、ディスコミュニケーションの解消とそれに伴う日常の中での幸福という恋愛モノとして基礎的な魅力をしっかり織り込みつつ、日本語を教えてくれた教師に対して母語であるゲール語で愛の言葉を返して二人の対等性を示す中編作や、夏目漱石の有名な英訳をキーとする短編「月がきれいで」(←参照 “月がきれいですね”)などに示される通りに、言葉の紡ぎが雰囲気の良さを生み出しているのも大きな特性。
 また、中編作の二人が映画を見に行くという件から、それぞれゴシック風、アラビア風の世界観を持つ短編2作を並べ、映画という言葉に仮託した非日常のファンタジーとしてそれらの魅力を高める単行本としての構成など、LOレーベル屈指のオサレ作家(誉めてます)らしいところを見せています。

【儚げな印象とそれを裏切る“強さ”がある少女達】
 ファンタジー風の作品では貴族のお嬢様や遊牧民の少女などが登場していますが、現代日本を舞台とした日常系の作品群に登場する小○校高学年~中○生と併せてローティーン級の少女達で統一されたヒロイン陣。
思春期入りたての時期であることもあり、幼さとしての純粋性を有しつつ、主人公、もしくは少女性愛者にとって都合の良いキャラクターとして形成するのではなく、“一個の人格”として尊重され、自らの意志と感情によって動く存在であり、それ故にハッピーエンドの幸福感は際立ちます。
 キャラデザインに関しては、金髪の白人美少女達や、黒髪ポニテ&白ワンピースの清楚な美少女、民族衣装に身を包む遊牧民の少女など、ド真ん中でポピュラーとは言い難いものの、非常に“狙った”キャラデザインとなっており、属性持ちには堪えられないタイプと言えましょう。
 なお、言語や風習の異なる(主人公にとっての)外国人や、盲目の少女(短編「ゴシック」)、好きな男性と年の差が大きい少女など、男性主人公との相互理解に明確な難しさを持つヒロイン像が多いのも特色と言え、その分、それらを乗り越える喜びや、乗り越えられない悲しみが作品の魅力を生み出しています。
GoodByeFairies3.jpg 肢体描写に関しては全ヒロイン共通しており、ほっそりとした四肢やぺたんこバストが備わる体幹も肉付きは弱く、等身が高めであることもあって華奢さが目立つタイプ(←参照 中編「さよならフェアリー」第3話より)。ただし、それが彼女達の“弱さ”に結ぶ付くのではなく、その様に華奢な肢体に力強い“幸福への意志”が漲っているのが実に素敵。
このほっそりとした肢体描写との親和性が高い、繊細な描線を組み上げる絵柄は、キャッチーな二次元絵柄をある程度ベースとしつつも、創作系のオサレ感なども盛り込む独特なものであり、悪く言えば地味ではあるものの、非常に丁寧な作画は表現力が高く、可愛らしさよりも美しさが先行する絵柄であると評したいところ。カラー絵・モノクロ絵で印象の違いが小さいのも特徴であり、ジャケ買いでも何ら問題はないでしょう。

【絵柄の美しさ・穏やかさを保ちながらの陶酔表現】
 シナリオ重視の作品構築である一方、これはエロシーンの分量が少ないことを意味せず、各作品のページ数に見合った尺で少女達の美しくも官能的な痴態描写を鑑賞可能。
 その一方で、肉体的な快楽を単純に肯定しない傾向にあるため、互いの心が通じ合う恋愛セックスでは十分な陶酔感を打ち出す一方、疑念や切迫感が先行するケースでは全能的な快楽を拒む描き方となっている場合があり、ここをテーマ性を重視した長所と見るか、エロの入れ込みやすさを減衰させた短所と見るかは読み手の嗜好に寄る所でしょう。
性行為がもたらす快感を肯定するか保留するかは作品によって異なるものの、十分なアタックを以てセックス描写を為していることは共通しており、華奢なロリボディが全身を駆け巡る刺激によって戦慄き、震える描写は読み手の性欲中枢を甚く刺激。
GoodByeFairies4.jpg 絵柄自体が穏やかでお洒落な雰囲気を有している分、エロ演出に関しても比較的大人しい印象を受けるものの、手法そのものとしては十分な強度を打ち出そうとする意図は明確であり、漏れ出す涙や涎で濡れる表情や絞り出される嬌声、結合部から漏れ出すぬめった水音の擬音など、的確な演出によって美少女達の痴態を彩っているのは○(←参照 短編「ゴシック」より)。
もっとも、そういった演出手法を濃密に集約するスタイルではないのも特徴であり、ヒロインの美しさを阻害する様な要素は極力持ち込まない様にするスタイルとも評し得るため、雰囲気の良さを維持するためにはある程度の“セーブ”は辞さないスタイルとも言えるでしょう。作風からして至極ナチュラルな方法論と言えますが、エロ描写にアグレッシブさを求める諸氏は要留意。
 羞恥や快楽、未知の感覚への恐怖と喜悦をない交ぜにしながら、肉体的快楽に包まれていく少女達の初々しい痴態を前戯・抽送の両パートで十分に見せ付けた上で突入するフィニッシュシーンは、結合部見せ付け構図をある程度重視した描写となりつつ、美しい少女達が絶頂の快楽に悶える様そのものの官能性で勝負する抜き所と言えるでしょう。

 LOレーベル自体が様々な方向性を模索している中で、同レーベルの盛り上げに寄与した“オサレ感”のある作家の一人であることは間違いない一方で、その趣向に変に染まることなく、独自性を貫き通した作家さんであると評したいところ。
リーシャさんが実際カワイイヤッター!であり、また冒頭からラストまでの練られた構成も高く評価したい中編「さよならフェアリー」が最愛でございます。短編「twelve stepps」を推さなかったのはヒロインが褐色肌じゃないから

岡田コウ『せんせいと、わたしと。』

TeacherAndMeA.jpgTeacherAndMeB.jpgせがわまさき先生(原作:山田風太郎氏)の『十~忍法魔界転生~』第1巻を読みました。過去に故・石川賢先生の漫画版もある、山田風太郎氏を代表する作品のコミカライズですが、『Y十M~柳生忍法帖~』も描いているせがわ先生なので安心の漫画化ですな。
しかし、せがわ先生の描く女性は何とも艶っぽくてたまりませんなぁ。

 さて本日は、岡田コウ先生の『せんせいと、わたしと。』上下巻(ヒット出版社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『好きで好きで、すきで』(ヒット出版社)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
不器用で一途な恋物語と凶悪な陶酔感に溢れるエロ描写で魅せる長編ストーリーとなっております。

TeacherAndMe1.jpg 収録作は、言葉少なで不器用でありながら主人公である男性教師に対して非常に積極的なアプローチをかける少女と、彼女の行為・関係に激しく葛藤しながら徐々に惹かれていく男性教師の恋愛模様を描く長編「ぶきような人」全8話(←参照 黙って手を取って 同長編第1話より)+それぞれ幕間劇、後日談である描き下ろし2本(上巻に2P、下巻に10P)、同作に登場するサブヒロインのスピンオフである短編「花や蝶や」、および読み切り形式の短編4作。
なお、上下巻それぞれの構成は、上巻が長編第1~5話+短編「花や蝶や」、下巻が長編第6話~最終8話+独立した短編4作となっています。
 描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は14~56P(平均29P弱)と平均しても標準を上回る部類ですが、今回落ち穂拾い的に回収した単行本宣伝用の短編を除外すれば平均は更に上がり、長編作は毎エピソードが非常に強い分量を有してシナリオ展開とエロの尺を充実させています。

【登場人物達の不器用さによるもどかしさで読ませる恋愛物語】
 “大人である自分に積極的に行為を示してくれる少女”というエロ漫画的にはオーソドックスでありながら、特に教師と生徒という関係を踏まえて現実的に考えれば主人公にとって非常に“危険”でもあるヒロインを登場させ、そこへの疑念や葛藤を主人公に持たせます。
下巻に収録の短編「家族計画」など、これまでの作品でどす黒い欲望が沁み込むダーク&インモラルな作品も描く作家さんであるため、言葉少なながらも積極的な“理解不能”な少女と、真面目である故に彼女との関係に悶々とストレスを溜めていく教師との構図において、この互いにズレた関係性が両者の破滅へと至る危険性を序盤において感じさせています。
 しかしながら、本作は、この作家さんのダーク系作品では歯止めが効かずに広がっていくコミュニケーションのズレが、お互いに非常に不器用でありながら誠実に相手のことを考え、受け止めていくことで解消され、やはりお互いに過去に悲しいものを持っている男女が幸福に結ばれることを可能にしていきます。
TeacherAndMe2.jpg片や大人しく引っ込み思案、片や生真面目な理屈屋で言動が厳しい二人は、体を重ねることで互いの信頼感を高めていくと共に、二人の関係に介入するサブヒロインがもたらす“危機”を乗り越えることで、互いの絆を確かなものに再生させており(←参照 やっと言葉で伝えられた想い 長編第7話より)、ここらの展開はなるほど、確かに王道的な少女漫画スタイルであると感じるところ。エロ漫画的な王道を逆手にとって展開させると思いきや、別の王道に回帰することが展開としての面白さとも評し得るかもしれません。
 二人の中に危機をもたらしたサブヒロインの少女も、主人公と決定的に結ばれることはないものの、スピンオフ短編での描写も含めて重要な役回りを作中で有しており、異性関係などにおいてヒロインと対比を形成。ストーリー展開に緊張感をもたらす存在でしたが、“悪人”として描くのではなく、彼女は彼女で不器用な一人の女の子として描いていたのも読み口の良さを保つ一因でしょう。
 作劇のコンセプトが割合にシンプルであることを鑑みると、上下巻2冊での構成は冗長な印象が無いわけでは無く、評価を分ける可能性は多分にありますが、登場人物達の不器用さが魅力である分、そこらの展開のじれったさは特に人物描写に関して重要な魅力であるとも評し得るでしょう。

【ちんまいボディのロリ系JC】
 短編群の一部でランドセルガールズも登場するものの、長編作やそれに関連する短編群などでは中○生美少女達でヒロイン陣を統一しています。
後述する様に肢体造形がかなりロリ色強いことに加え、ローティーン級の少女達に関しては顔の造作などをJS・JCで明確に分けないこともあって、幼さを強く残したキャラデザインが特徴的。
 文章表現と視覚表現を巧みに組み合わせて魅せる心情描写に魅力がある作家さんであり、少女達の明暗の感情をしっとりと紡ぎ出していくスタイル。特に、無口で大人しい性格である故に“体”を使って好意を伝えようとする様が危うくも感じられる長編作のヒロインの描き方は秀逸で、その一途な恋愛感情がモノローグ、そして続いて出てくる台詞によって徐々に明らかになっていくことで、主人公にとっても読み手にとっても愛おしさを高めていくヒロイン描写となっているのは◎。
TeacherAndMe3.jpg 古典的なセーラー服やさらさらとした質感の黒髪でも“清楚な少女”像を強化しつつ、丸みを帯びながらも未だ肉付きの弱い体幹とそこに備わるほんのり膨らんだ薄いバスト(←参照 長編第2話より)、華奢な四肢に未成熟な秘裂が走るプニプニの股間等、ロリ的な体パーツでがっちり固めた肢体描写と言えます。
このボディデザインそのものはロリキャラの描き方として非常にオーソドックスである一方、少女漫画チックに軽く柔らかいタッチで描き出すことで、萌えっぽさ重視の絵柄とはまた異なるキュートネスを生じさせているのが特徴。
初出時期が古い作品では、現在の絵柄と濃密さやキャッチーネスの強弱で差異を感じる部分はあるものの、ふわりと柔らかい描線でありながら非常に綿密に描き込んで官能性を高めると共に、重くなり過ぎることはない調節力の見事さは一貫しており、“少女漫画チックな絵柄でドエロ”というコンセプトが割合に一般的である現在のエロ漫画ジャンルにおいて、他者の追随を未だ許さない美点と評し得るでしょう。

【濃密で強烈な陶酔感と技巧的なページ構成がずば抜けた特長】
 長編作においては、悪く言えば展開の冗長さに拍車をかける要因ではあるものの、たっぷりと用意されたエロシーンの中で前戯・抽送両パートでねっとりと行為を描き上げており、物理的にも体感的にもボリューム感が非常に強いエロシーンを形成しています。
 玄関に入った途端に行為が開始され、舌と体を絡め合いながら寝室へと移動し激しく乱れ合う長編第4話における圧巻の切迫感が特に印象的ですが、行為の堪え難い誘惑とそれを実行する強烈な解放感と禁忌感を作品の雰囲気に練り込むことで実用性を底上げしているのは、シナリオ面からのエロシーンへの援護射撃。また、この構図において、逆に“余裕”を以て行為に及ぶ一部の男性キャラクターはその悪辣さを鮮明に示す設計となっているのも特徴でしょう。
TeacherAndMe4.jpg この作家さんのエロ描写の最たる特長は、毎回レビューで描いておりますが、上述の切迫した欲望の打ち出しをした上での強烈な陶酔感による飽和であり、可愛らしい顔がぐしゃぐしゃに蕩け、潤んだ瞳にぐずぐずのハートマークを浮かべ、乱れた線で描かれる言葉にならない喘ぎ声を絞り出す痴態描写は、和姦・凌辱の別なく凶悪なレベルで快楽がヒロインを浸食しているものとして表現されています(←参照 長編第8話より)。
その分、例え和姦であっても嗜虐性を相応の強度で有する描き方であるといえ、イラマチオ気味のフェラで小さなお口を征服し、漏れ出す白濁液可愛らしい顔に塗り込んだり、キスや性感帯弄りで小刻みな絶頂を繰り返すヒロインを的確な抽送で更に追い込んでいくピストン描写があったりするのがその好例。ダーク系では非常に明瞭でありつつ、ラブラブHでは、この嗜虐性・攻撃性を過剰にならないように巧妙に織り込んでくるコントロール力も流石というべき点。
 また、作画、特に画面構成の技巧はこの作家さんの強力な武器であり、同アングルの並行配置の間に位置関係を踏まえた上での局所アップの配置、結合部アップ構図のコマを徐々に大きくしていく複数コマ配置、同一シーンの別アングルを対称に配置、斜めのコマ割りの多用などなど、コマをぎっちり詰め込みながら演出意図が非常に計算されたコマ割りをしているのは唸らされる点で、実用面にもしっかり寄与しています。
 ヒロインの肢体をたっぷりねっとりと弄ることに重点を置く前戯パートではフェラからの射精シーンを投入しないこともありますが、基本的には複数ラウンド制であり、抜き所は豊富。強烈な陶酔感の波状攻撃から迎えるフィニッシュも十二分に強烈な陶酔描写となっていますが、長編作の前半ではシナリオの要請上、外出しフィニッシュが基本となっていることには中出し原理主義の諸兄は留意されたし。

 この作家さんとしてはやや大人しめの作劇であり、その分、2巻またぎの長編として構えるには物足りなさも感じますが、少女であるヒロインと大人である主人公それぞれのキャラクターとしての魅力が恋愛ストーリーとしての作品の魅力に大きく貢献していることは間違いなく、しっかり読めてがっつり抜ける作品であることも確かです。
これまで未収録作であった作品が回収されたこともファンとして嬉しいですし、また読み口の良さが素敵である分、新規のファンにも幅広くアピールできる最新刊と言えるでしょう。愛らしいロリっ子がお好きの諸氏にお勧め!
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