2012年11月

高城ごーや『にょうけんっ!』

MedicalUrinResearchClub.jpg 安倍夜郎先生の『深夜食堂』第10巻(小学館)を読みました。調子にのって“モチリン(もちろん)”とか言ってしまう若旦那は酷い目に合うと言うのは古典落語からのお約束でございますな(「きぬかつぎ」の回より)。
個人的には肉豆腐のお客達のよるバリエーションが面白かったですね。白滝入りは美味しいのに、僕がなんとなく違和感を感じたのは、きっと温め直したすき焼きのイメージが先行するからかもしれません。

  さて本日は、高城ごーや先生の『にょうけんっ!』(ティーアイネット)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『天使のおしっこ』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
おしっこに青春を懸けた少年少女達の部活青春活劇とおしっこ大洪水なパワフルエロが楽しめる長編作となっています。

MedicalUrinResearchClub1.jpg 収録作は、医学部進学に特化し、学生達がそれぞれ医療研究を行う高校に幼馴染の女の子と進学した主人公は、おしっこを中心として泌尿器研究に邁進する“泌尿器研究会”の部長に強引に勧誘され、そして始まるストレンジ青春活劇な長編「泌尿器研究部へようこそ」全6話(←参照 部長さんが主人公を見染めた理由=おしっこが美味しい 同長編第1話より)。
収録本数こそ多くないものの、1話当りのページ数は24~44P(平均36P強)と大ボリュームを誇っており、単行本としても十分な厚みがあります。長編作として相応の読み応えを有しつつ、このボリュームの強さをエロシーンの長尺化に貢献させているのも作品構築上の特色と言えるでしょう。

【おしっこ探究に奮闘する快活な青春活劇】
 常に尿というか、おしっこを作品のテーマに据えたスカトロ系の作品を提供し続けながらも、アブノーマル系としての背徳感やそれを強いる嗜虐性を強調するのではなく、よりライトな雰囲気で快活な青春ストーリーを描くことに特化した作家性を有しており、今単行本でも同様の路線を取っています。
泌尿器研究会の面々は皆それぞれ真面目におしっこおよび泌尿器関係の医療の研究に取り組んでいることもあって、おしっこ特化というある種のコミカル感を強く有しながらも、意外に真面目な印象さえある“部活モノ”として描くことにも成功しています。
元々おしっこプレイや泌尿器関連の知識もなかった主人公が、女の子のおしっこの味で正確な健康診断を可能とする技術を身に付け(先輩達は皆できます)、部員の女の子達と打ち解けていく流れは、勿論おしっこ絡みではありつつも、王道的な青春ラブコメの様相を呈しています。
 元・女子校である故に、男子である主人公の存在は研究対象として学園内において貴重であり、彼の奪取を目論む脳科学部の妖しげな戦略によって、主人公が洗脳され、尿研から引き離されてしまうことで、物語上の危機を形成しており、ここでの一定のシリアス感の導入も実に王道的と評したいところ。
907baaf6.jpgこの危機を脱する要因は、馬鹿にしていた尿の病気に倒れた脳科学部の部長さんを、主人公や過去にトラウマを持つ尿研の部長さんが彼らの勇気と経験を以て救わんとする意志であり、そこに生じる“人を救うことが自らも救うことである”というテーマ性は仁術としての医療の本質を捉えたものといっても過言ではないかもしれません(←参照 二人で“悪いおしっこ”をやっつけろ! 長編最終第6話より)。
 泌尿器関連の説明を含めて台詞にやたらと多い文字数を投入した語りのリズムの悪さや、脳研の部長さんを襲う病気など作中でのギミックがやや勢い重視で荒唐無稽であることなどは、作劇面でのネガティブな要素ではありますが、漫画チックな面白さの範疇にあるものではあり、作家自らが作り上げたピースフルなおしっこワールドの広大さを感じられる美点でもあると評した所存。

【多様なキャラデザの美少女さん達が勢揃いな賑やかさ】
 学園モノということもあって、メインヒロインである尿研の部長さんも含めて登場するヒロインは皆さん女子高生級。また、泌尿器研究会の先輩達や幼馴染の女の子、敵対?する脳研の面々などサブヒロインも多く登場しており、元・女子校という設定もあって登場する野郎キャラクターは、別の部で先輩といちゃいちゃしている後輩君を除いて、基本的には主人公のみと言うハーレム状態が形成されます。
おっとりとしている様で意外に押しの強い副部長や、ミステリアスな雰囲気を持つもう一人の先輩など、尿研の面々のキャラクターはしっかり立っていますし、また主人公を力強く導き、おしっこ研究の情熱を常に忘れない部長さんは、その剛腕さと同時に過去のトラウマに由来する弱さも持つ存在として描かれており、主人公の成長がヒロインの成長・進歩を手助けすることになるのは正しく青春活劇の醍醐味と言えましょう。
MedicalUrinResearchClub3.jpg 女性キャラクターの人数が多いこともあってか、年齢層が比較的限定されているにも関わらずキャラデザ・ボディデザインは多彩に取り揃えられており、健康的な肉付きに程良い巨乳&桃尻の部長さんや、黒髪ロングとかなり痩身&貧乳の綾瀬先輩(←参照 酔っぱらってしまった綾瀬先輩 長編第4話より)、対照的に金髪でグラマラスのボディの持ち主の副部長さん、彼らの研究を援助する創作部の天才的な頭脳とお子ちゃまボディ&言動をお持ちな先輩などなど、様々なタイプのキャラクターが登場しています。
流石に人数が多すぎて、終盤で登場する脳科学部の面々はあまりキャラクターが立たないのですが、褐色肌娘もいれば関西弁ガールもいたりと、大乱交エロスの盛り上げ要員としてはしっかり機能していました。なお、エロに絡むちょい役の女の子に何処か(日曜日の朝とか)で見たことのある様なキャラデザが混じっているお遊び要素なども楽しいところ。
 例えば、チキコ先生など、他の作家陣にも言えることですが、キャッチー&キュートな絵柄でド変態エロといういい意味でのギャップが魅力を形成するタイプと言え、絵柄面では現代的なアニメ/エロゲー系の絵柄となっています。
作画面でややラフさを感じさせることはあるものの、そこが不安定感につながっているわけではなく、適度な勢いや淫猥さを形成する要素となっているのも作画上の魅力と感じます。

【おしっこ関連を充実させつつアグレッシブな和姦エロも魅力】
 前述した通りにページ数の多さを生かした長尺のエロシーンとなっており、1対1のラブラブHも存在しつつ、3Pセックスや脳研全員の女の子を相手にした乱交エロなど複数人セックスが多いのも体感的なボリューム感の強化に貢献。
 普段は真面目で大人しい少年である主人公ながら、先輩達の誘惑に乗せられたり、妖しげな洗脳装置を付けられてバーサーカモードになったり、酔っぱらって(性的に)大暴れしたりと、エロシーンでは能動性を発揮することが多く、美少女ヒロインをメロメロにしていく件は十分にパワフルな印象を有しています。
MedicalUrinResearchClub4.jpg おしっこ特化の作風であるため、美少女達の黄金水を尿道口から直接味わったり、膣内射精を決め込んだ後におしっこも中出ししたり、酔った勢いで先輩に尿をぶっかけたり、彼女の膀胱にお酒を注入してそれを再吸引して呑んだり、絶頂したヒロインがたまらずおしっこをじょぼじょもらしたりと(←参照 三人同時お漏らしな脳研部員達 長編第5話より)、エロシーンの随所で放尿&飲尿が投入されているのは流石と言ったところ
 これらおしっこスカトロ方面を充実させつつも、通常の前戯&抽送パートにも十分なボリュームがあるのは長尺のエロシーンである故であり、透過図等も絡めつつパワフルなピストン運動で美少女ヒロイン達を性的快楽の恍惚へと引き込んでいく流れはオーソドックスな実用性も高めています。
 演出面は、さほど過剰なものは用いない一方で、ページ内にぎっちり詰め込む密度を保ちつつ、乳揺れや蕩け顔、十分量を用いる結合部見せ付け構図などでアタックの強い絵作りをしています。絵の流れとしてやや単調な印象は無いわけではないものの、そこは勢い任せでラストまで疾走することでカバー。
すっかり身も心も蕩けて言葉の乱れた説明的エロ台詞を語るヒロインの期待に応えてピストンを連続させて至るフィニッシュシーンは1Pフル~2P見開きのボリュームでがっつり描き出しており、そこまでの力強さに見合ったインパクトのある抜き所を形成していると感じます。

 コミカルで荒唐無稽ながらも意外に真面目な作劇、アブノーマル街道を爆走しつつ幸福な快楽に満ちたエロなど、この作家さんらしい3冊目であり、おしっこラバーもそうでない方も割合に広い訴求層を有する作品と評し得ます。
作家さんのおしっこ愛が溢れんばかりに詰まった怪作にして快作を是非お楽しみあれ!

或十せねか『Brandish 5』

BrandishFive.jpg貴志祐介氏の『新世界より』(講談社文庫版・上中下巻)を読みました。いやー、特に最終盤は緊張感の強い展開に引き込まれて一気に読み通しました。各種設定もしっかりしていて、SFとしての面白さも明確にありますね。
アニメ版は、小説と比べると物足りなさはやっぱりありますが、これからアニメ作品としての魅力を作っていって欲しいです。

 さて本日は、或十せねか先生(原作:Rusty Soul)の『Brandish 5』(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューです。なお、本作第4巻のレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
新たな悪しき策謀が渦巻く中、サキュバスヒロイン・ツィスカとショタ勇者・テーオのエロエロ&ドタバタ珍道中が繰り広げられる毎度おなじみの長編シリーズとなっています。

BrandishFive1.jpg 収録作は、ティスカの助力もあって魔族軍から街を救ったテーオ達一行と、彼を(性的な意味で)付け狙うツィスカは人間界侵攻を目論む魔族軍の新たなる策謀に巻き込まれてしまい~な長編「Brandish」シリーズ第26~32話(以下続刊:←参照 船員に変身中のティスカが何者かに捕まって!? シリーズ第27話「Ghost Actress」より)、ツィスカがまだ魔界の学校で淫魔のお勉強中であった時代を描く番外編1話。
なお、これまでも単行本ごとにストーリーのまとまりをつけているため、今単行本から読んでも理解は難しくないと思いますが、サブキャラクターも含めて登場人物が比較的多いコトなどもあり、第1巻から第4巻までを読んでおかないと作品の面白みは半減することには留意されたし。
 番外編も含め、1話当りのページ数は16~24P(平均20P弱)と中の下クラスのボリュームで推移。ここまで積み重ねてきたエピソードの厚みもあって漫画としての読み応えは相応にあり、その上でエネルギッシュなエロを十分量お届けな作品構築となっています。

【ドタバタ展開の中しっかり屋台骨が形成されるファンタジー長編】
 コミックアンリアルが誇る長期連載作であり、登場人物達のエロバトルといった小エピソードを繰り返しながら、それぞれ異なる目的で魔族軍と対峙するツィスカとテーオ君勇者一行を描く長編ストーリーとしての骨組みも有しており、1巻単位でのストーリー構築が為された今巻は長編としての面白みがより鮮明となっています。
 ツィスカの元・婚約者が首謀する魔族軍の人間界支配に向けた新たな策謀が徐々に明らかになり、その魔の手がツィスカとテーオ君それぞれに及ぶことで、両者の“ピンチ”を生み出すことで物語の盛り上がりを図っています。
22229e27.jpgテーオ君が手に入れようとした伝説の武具を奪取されたり、ある種超越的な強さを誇るツィスカ様が敵の手に落ちて拘束凌辱&エロ調教をされてしまったりと、なかなか危機的状況となっていますが、仲間達の助力によって何とか返り討ちにしていますし、またいわゆる“エロバトル”で決着を付けるため、シリアスな重さはほとんど無いのも特徴的と言えます(←参照 サキュバスに襲われた勇者のピンチ!? 長編シリーズ第29話「Succubus Alumnae」より)。
 別々に敵対勢力に襲われたティスカ様とテーオ君が合流、もといティスカ様によるショタ逆レイプが敢行されることで再び彼らが共闘することになる展開をほのめかして今巻の幕引きとなっており、次の巻以降に期待をもたせる“引き”の良さも、単行本を重ねた長編作らしい巧さと言えるでしょう。
基本的にエロメインの構築ではあり、またドタバタとしたシナリオ展開であることもあって、重厚長大なファンタジーという印象はあまり感じないのですが、それでもストーリーがしっかり進行することで、安定的な面白みが生じているのは美点。
 良くも悪くもマンネリ感があると考えていた長編作ですが、第5巻に突入してマンネリズムの悪い部分を削ぎ落している様に感じられ、軽い読書感で楽しませつつ程良くストーリーに引き込んでくれています。

【それぞれのキャラが立つファンタジー世界の住人達】
 本作の主人公でもあるツィスカ様や、その使い魔であるネリンちゃん、勇者一行の魔法使い&女騎士などのいつもの面々に加え、今作でもゲストキャラの女性キャラクターがが多数登場
伝説の武具の封印を守る異種族の巫女や、魔族軍の先兵となってツィスカや勇者一行の前に立ち塞がる褐色肌のサキュバス三姉妹、魔族軍に捕えられ凌辱される“犯られキャラ”の娘達など、ファンタジー作品らしい設定が多いのもこの作品らしいところです。
 奔放な性格のショタ大好きっ子なツィスカがショタを搾り取ったり、逆にドSな性格のライバルサキュバスに凌辱されて快楽調教されてしまったりと活躍していますが、その魅力は彼女のキャラ立ちの良さに由来する部分が大きく、その他の登場人物達に関してもメインキャラ達を中心に個々にキャラクターが立っているのが○
BrandishFive3.jpg ツィスカも含め、デフォルメ気味のボディラインながら巨乳&桃尻の肉感を重視した肢体設計が多いのですが、ツィスカのロリ時代を描く番外編やご主人様奪還のために頑張るネリンちゃんの活躍(←参照 敵の使い魔である兄と近親エロバトル中 長編シリーズ第31話「Incest Combat」より)、その身に封印を宿す獣人のロリ巫女さんとのエッチなどもあって、ロリ色の強いボディの女性キャラクターが多いのは今回の特色と言えます。
 なお、これまで以上にエロに絡んでくるサブキャラクターの数が多いこともあってか、この作品の名物であるツィスカ様コスプレ七変化の要素は控えめ。もっとも、前述のロリキャラやケモ耳美少女、褐色肌のサキュバスさんなど、視覚的な多彩さは別の方向で形成されていると言えるでしょう。
 小ゴマでの作画の緊張感の切れ方や、キャラデザ・デッサンの多少の不安定感は依然残っているものの、そこを含めて既に完成された絵柄ではあり、適度に萌えっぽいあざとさも有したキャッチーなアニメ/エロゲー絵柄は表紙絵とほぼ完全互換で単行本通して一貫していると評し得ます。

【ヒロイン達の恍惚の痴態描写を重視したエロ描写】
 セックスで勝負を重んじる淫魔やその使い魔といったキャラクター設定などの利便性もあり、エロシーンにはサクサクと雪崩れ込んで実用的読書に十分な分量を用意する作品構築はもはやお手の物と言え、抜きツールとしても有用。
ツィスカ様などが嬉々としてショタっ子の精液を搾り取る逆レイプや、魔力を封じられた彼女がサキュバスのフタナリち○こに蹂躙される拘束凌辱、ネリンちゃんとその兄貴の近親エッチに勇者一行の魔法使いと女戦士の主従によるレズセックスなどなど、エロシチュエーションも豊富と言え、ここらの多彩さは長編作として飽きさせない工夫を追求してきた故の美点でしょう。
 前戯パートでのフェラからの口内射精と抽送パートからの中出しフィニッシュを組み合わせるなど、射精シーンを複数回設けることも多い多回戦仕様となっていますが、描写の重点はヒロイン側の性的快楽による喜悦にあると言え、彼女達が繰り返していく絶頂シーンをこそ抜き所として配置しているとも感じます。
BrandishFive4.jpg 蕩け顔を中心としつつ稀にアヘ顔チックな表情付けをしたり、秘所をぐっしょり濡らす愛液や粘膜に絡みつくどろっとした白濁液などの液汁描写が充実していたり、透過図・断面図および結合部見せ付け構図の十分量の使用が認められたりと、エロ演出としては相応に強度の強いものを用意してヒロイン達の激しい痴態を描出(←参照 割合にストレートに淫猥なエロ台詞も美点 長編シリーズ第26話「Steward Assassin」より)。
小ゴマに魅力をやや欠く傾向にあるため、コマを詰め込んだ画面構築で雑な印象を持つことも時々あるものの、大ゴマの威力は十分であり、またさほど淫猥さの強くないデフォルメ系の性器描写に関してもその直接的な淫猥さに依存せずに、表情付けや肢体の動きで魅せているなど、弱点をカバーする作画・演出が施されれているのも成長を物語る点でしょう。
 大股開きのポージングで膣内に白濁液を噴出されたヒロインが絶頂の快楽に包まれて感極まった嬌声と表情を曝け出すフィニッシュシーンは大ゴマ~1Pフルで描かれており、そこまでの勢いもあってアタックの強い抜き所となっております。

 ついに5巻突入で、更に続刊ということもあり、現在のエロ漫画ジャンルでは稀有な長期連載作となっていますが、それはストーリーやキャラ、エロに確たる魅力があるからであり、そのことをしっかり示した最新刊と感じます。
個人的には、敵役ではありつつ褐色肌のサブヒロインが増えるわ、キュートな使い魔ネリンちゃんがしっかり活躍するわで楽しめる要素が多かった巻でしたね。

カタセミナミ『蜜月ハニー』

HoneyMoonHoney.jpgアダチケイジ先生(原作:森高夕次氏)の『グラゼニ』第8巻(講談社)を読みました。勝ちが全くつかない状況にも関わらず“先発のコツ”を掴んでしまったらしい夏之介ですが、ローテから外すべきか残すべきかは難しいですな。
ここにチャンスをつかんだ様なそうでないような新星・丸金選手の動向も絡んでくる分、面白い展開。そして、ユキちゃんとの恋路の明日はどっちだ、夏之介!

 さて本日は、カタセミナミ先生の『蜜月ハニー』(ジーオーティー)のへたレビューです。なお、先生の前単行本(初単行本)『LOVEぱにっく』(コアマガジン)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
綺麗でエッチなお姉さんとのもどかしい恋愛模様と彼女達がしっとり蕩けるセックス描写が詰まった1冊となっております。

HoneyMoonHoney1.jpg 収録作は、性的に奔放な性格の妹を持つ生真面目なキャリアウーマンの女性が職場の新人君と恋仲になるも、その新人君には様々な誘惑が降りかかって来て~な長編シリーズ作全13話(←参照 普段はお調子者な新人君の真面目な態度に恋の芽生え 同シリーズ第1話「はじめての」より)。
フルカラープロローグ掌編や同じくフルカラーの幕間劇(共に4P)を除き、1話当りのページ数は12~22P(平均18P強)とコンビニ誌初出としては標準的な部類。長編ストーリーとして適度な読み応えを有しつつ、エロも標準量を用意したバランスの良い作品構築と言えるでしょう。

【オーソドックスながら誠実な恋愛ストーリー】
 仕事一筋で堅物なヒロイン・藍帆さんが職場に新たに入った青年とのオフィスラブの中、徐々に性格が柔らかくなっていくことで長編ストーリーの序盤を形成。
お調子者ではありつつ根は誠実な主人公ではあるのですが、快楽主義者な妹・真帆さんのつまみぐいの誘惑や、彼女の同性の恋人である女性、職場でアルバイトをしている女子大生といった面々の関係に巻き込まれていきます。
HoneyMoonHoney2.jpg 正ヒロインである藍帆の知らぬ所で、この関係がもつれたり円満解決していったりするのがお気楽でありつつもどかしさを感じさせる点であり、このことが露見することで二人の関係性には危機が訪れます(←参照 妹さんの悪い顔 長編シリーズ第8話「深く激しく」より)。
この“修羅場”は相応にシリアスなものではありますが、主人公が己の行為を深く反省し、また自分の本当の恋心を再確認することで二人の恋愛関係はスムーズに修復され、お互いが更に自分の気持ちをさらけ出せるパートナーになることで幸福感をもたらしています。
 そこで二人のラブストーリーに決着を付けた上で、ここまでのストーリー展開において、二人の恋路を阻害する“悪女”的な立ち回りを演じた妹さんに関しても、何故彼女がそういった快楽主義に走る様になってしまったかと、ある種のトラウマを年下の男の子との誠実な恋愛関係が築かれることによって、彼女もまた“救済”されており、姉妹共にハッピーエンドに収束させていくのは心地良いところ
 誠実かつ王道的な恋愛ストーリーであるため、パンチ力には欠ける傾向はありますが、肉体の快楽を上回る恋の喜びに包まれるストーリーは優しい余韻を残してくれています。

【程良い肉感の年上美人ヒロインズ】
 サブヒロインとして前述のレズっ子ちゃんや職場でバイトしている女子大生といった女の子達も登場していますが、20代前半程度の彼女達に対してメイン格のヒロインである姉妹は20代半ば~後半程度の女性。
姉と恋仲になる主人公のサラリーマンや妹さんを誠実な恋心で求める高校生くらいの少年など、男性キャラクターはヒロインよりも年下であり、お姉さんキャラクターに翻弄されたり、逆に年上の威厳を崩して甘えられたりといった状況が多いのは、年上美人を得意とするこの作家さんの特長でしょう。
 片や生真面目なキャリアウーマン・片や男漁りの日々な水商売レディと、男性関係や性格的に関して正反対である様で、その実は心の中にしこりや硬直を有していることは二人に共通しており、それが男性との恋愛関係の中で氷解して行くことにキャラクター上、およびストーリー上の魅力があるのは前述の通り。
HoneyMoonHoney3.jpg 黒髪&眼鏡でスーツ姿のお姉ちゃん、派手な金髪に色っぽい衣装の妹さん、ボーイッシュな外見のレズっ娘ちゃんなど、キャラデザインは設定に合わせて変化を付けつつも、肢体造形に関しては程良い肉付きのボディデザインで固定されており、柔らかなお椀型巨乳とカタチ良く円弧を描く桃尻とを装備させています(←参照 長編シリーズ第5話「のぞかれ情事」より)。
肢体造形そのものにも一定の煽情性がある一方、前述した設定に見合った上で女性の個々の魅力を引き出すキャラデザインや、タイトなスカートやストッキング、逆に徐々に乱れて皺のよる衣装などの添加によって、色っぽさを強く引き出してくることで魅力を形成するタイプ。
 初出時期の幅などもあって、絵柄が強固に安定しているとは言い難い面もあり、表紙絵の彩色による印象の変化もあるものの、繊細な描線を丁寧に引いた上で美しさを感じさせる修飾性を加えた絵柄は魅力的であり、エロシーンでは適度に乱れてエロティックさを増すのも美点であると言えるでしょう。

【美しさをしっかり保ちつつ程良いインパクトで魅せるエロ描写】
 シナリオ展開にも一定の比重を置きつつ、様々なタイプの女性が現れてエッチに励む展開や、恋愛感情の確認、もしくは快楽欲求の衝動といった動機付けもあってエロシーンへの導入はスムーズ。
お盛んな妹さんによる誘惑エッチも多々存在しますが、それも含めて和姦エロであり、恋愛セックスなどに関しても幸福感と共に快楽と愛情の交歓を基調としていることもあって、間口の広いエロシチュエーションが揃っていると言えます。
 お姉さんヒロインの柔らかボディの感触を楽しんだり、各種性感帯をまさぐって快感を高めたり、もしくはエッチに積極性を示すヒロインがフェラやパイズリでサービスをしたりな前戯パートは、標準的な割合で用意されており、ここで抜き所を必ずしも投入するわけではないものの、抽送パートの盛り上げはしっかり果たしています。
HoneyMoonHoney4.jpg行為として特殊なプレイ・シチュエーションを絡めることはほとんどありませんが、いずれにしても美女がセックスの快楽に涙や涎で火照った顔面を濡らす蕩けた表情をエロ演出上の中核に据えており、彼女達に対する独占欲や年上美人に快感を与える満足感を喚起(←参照 妹さんとレズっ娘との3Pセックス 長編シリーズ第7話「誘われて3P」より)。
 乳首残像を伴う乳揺れや、透過図・断面図の併用、小ゴマ中心とは言え露骨な結合部見せ付け構図など、アタックの強いエロ演出も多用する傾向にありますが、それでいて絵柄の淡麗な美しさを殺すことは無く、エロとしてのパワフルさと艶やかな痴態とがバランス良くまとまっているのも特徴。
ヒロインの美しい女体を濡らす各種液汁の描写も効果をしっかり発揮しており、絶頂の快楽に浸る表情と喘ぎ声を上げるヒロインに粘度の高い白濁液をこってり注ぎ込む中出しフィニッシュは、それまでの演出強度の絵柄の特性との相乗効果を最も発揮している部分と感じます。

 やや派手さには欠ける一方で、綺麗なお姉さんの痴態が十分量楽しめ、かつ読書感の良い誠実なラブエロストーリーとしてまとまることでも使い心地を良くしていると言えます。
個人的には、サブヒロインのみの活躍でも特に問題がなかった妹さんまで含めて、しっかり恋愛ストーリーとしての柔和さを形成したことが巧いなと感じるところ。

MARUTA『彼女属性』

YourCharacter.jpgTVアニメ版『となりの怪物くん』第8話「おいでませ!松揚祭」を観ました。大島さんの「メスがオスを求める的に」発言頂きましたー!真面目で大人しい娘さんですが、結構アホの子なのかもしれませんな。まぁ、そこが可愛いわけですが。
性格ゆえに周囲からの反撥を受けても致し方ない面のある雫ちゃんですが、夏目さんにしろ春にしろ、ちゃんと素直に仲直りできるのも彼女の性格ゆえと言えるでしょうね。

 さて本日は、MARUTA先生の『彼女属性』(富士美出版)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『アマノジャクが恋をして』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
ほのぼのとした等身大青春ラブストーリーと穏やかながら熱っぽいエロ描写で魅せる作品集となっています。

4443e86f.jpg 収録作は、着替え中に背中を見られてしまったことで始まる少女と少年のお付き合いの日常を描く中編「もしも、初恋が叶っていたら」全4話(←参照 二人とも初めてのセックスへ 同中編第1話より)、それぞれの登校先で同性愛の相手を見つけた銀髪の美少年・美少女の双子が入れ替わってそれぞれの相手とセックスを?な連作「空蝉」前後編、および短編3作。
なお、連作「空蝉」は、前単行本に収録の短編「空蝉」に登場した双子が再登場しており、当時のおまけ4コマで書いていた通りに兄の美少年が女装していますが、ストーリー自体のリンクはほとんどないので、今単行本から読んでも問題はないでしょう。
 1作・話当りのページ数は全て20Pと、コンビニ誌初出としては中の上クラスのボリュームで固定。読み応えの強いタイプではないものの、しっかり読ませる作りになっており、程良い満足感のあるエロシーンと組み合わされています。

【なんでもない日常の中にある思春期の瞬間々々の幸せ】
 「空蝉」シリーズの様にアモラルな雰囲気を漂わせたり、切ない感情を織り込んだ青春模様を描くケースもあったりしますが、今単行本では連作「空蝉」を除いて、思春期真っただ中の少年少女の恋愛模様を穏やかな雰囲気の中で描き出す作品が揃っています
コメディの賑やかさや、重いテーマ性、高揚感のあるドラマティシズムとは概ね無縁の作風でありつつ、恋する男女のごく普通の日常の中で繊細に揺れ動く心情を柔らかく表現することで読み口の良さと、奥行きを感じつつ読みこんでいける読書感を形成しています。
 登場人物、特にヒロイン側のコンプレックスや、周囲との軋轢などをストーリー中で描き出すことがしばしばあるのが作風における特徴ですが、そこを丹念に描写することはなく、好き合う男女の幸福な関係の中でそれらの問題が解決されていく流れも心地良い所。
588b2c57.jpgまた、そういった後ろめたい気持ちや寂しい事実が過去にあったとしても、恋のささやかな幸せを感じられる青春のその時その時の方が大切なものとして描かれており、思春期の少年少女らしい等身大の前向きさを朗らかさを以て描出しています(←参照 “過去”より“今” 中編「もしも、初恋が叶っていたら」第4話より)。
 これに対して、先ず双子の妹が学園の女教師とレズセックス、後編で兄の方が女装して同じ相手とセックスする連作「空蝉」は、妖しげな雰囲気を漂わせながらセックスに興じ、相手を魅惑する双子兄妹を描いており、快楽への耽溺の美しさと背徳感が色濃く漂う作品。
 共に抑制の効いた作劇であり、しっとりとした感情表現で魅せることは共通していると言えますが、少年少女の瑞々しい純粋性で魅せる作品と、彼らの不可知の奥底知れ無さを醸し出す作品で、それぞれ異なる魅力を有していると評し得ます。

【丁寧な作画で魅せる等身大の可愛らしさの思春期ガールズ】
 連作「空蝉」では20代半ばと思しき女教師さんがヒロインとして登場していますが、その他の作品は男女共に思春期を生きる高校生達で統一。
おっとりガールやちょっと男っぽいスポーツガールなど、ある程度の属性付けはするものの、漫画チックなキャラメイクをすることはほとんどない作風であり、ごく普通の女の子として描く分、恋の喜びや性の高揚で彼女達の魅力がグッと引き立つタイプとも言えるでしょう。
 また、野郎連中に関しても気持ちの良い登場人物が多く、思春期らしく性欲も旺盛でありつつ、それを前面に出すことはない好青年達であり、加えて女の子をあるがままに受け入れることで幸福な関係性が出来上がっていくのも作劇の心地良さを支えています。ただ、連作「空蝉」に登場する双子に関してはある意味でそれらとは真逆に超越的なキャラクターとして存在しています。
4172bd0a.jpg 肢体造形面においても、現実的なボディデザインであることや並乳がメインであることが示す様に、セックスアピールを強く主張するタイプではありませんが、個性付けがそれぞれに為されており、ちょっとぽっちゃりした食いしん坊さんや、締まった肢体のスポーツガール(←参照 ウェストラインの締まり方が絶妙 短編「午後は、紅茶より館コーヒーで」より)、背の高い女の子、美しい銀髪と均整の取れた肢体の美少女などが登場。
身長の高さやちょっと筋肉質なボディ、もちっとした体型などは、彼女達のコンプレックスであったり周囲からの陰湿なからかいの対象であったりするものの、それらの要素を魅力あるものとして主人公の少年が捉えることで、彼女達の救済と性的魅力の明示化につながっているのも特長
 背景や衣装、髪の毛など細部まで丹念に描き込む高密度なアナログ作画は、それでいて重さを感じさせておらず、時に健康的な快活さが、時に静謐な妖艶さが滲み出る表現力の高い絵作りが大きな魅力となっています。

【徐々に高まるセックスの熱気や高揚で魅せるエロ描写】
 思春期のボーイズ&ガールズにとってはセックスそのものが恋愛における一大イベントであることもあって、シナリオラインと剥離することなくエロシーンが織り込まれており、そのため分量的にも十分となっています。
 連作「空蝉」では女教師とのレズセックス&兄が女装してのセックスという妖しげなエロシチュエーションを用意したり、青春恋愛譚の短編群でも野外エッチや教室での羞恥系シチュエーションといったエピソードもありますが、後者においてはシチュエーションそのものはさほど重要ではなく、互いを求めあう真っ直ぐな気持ちがその場で行為に至る程高まったことにこそ重点があると言えるでしょう。
 前戯パートでのフェラチオから口内射精といった前戯パートでの射精シーンを投入することもありますが、じっくりとした愛撫から挿入、射精に至るまでの流れを滑らかに展開させていく1回戦仕様が基本と言え、爆発的な盛り上げには欠けますが、煽情性の確かな蓄積はフィニッシュシーンでの実用性を底上げしています。
行為として特殊なことはほとんどしない一方、服の上からやや熱くぬめった秘所への直接の接触などの感触表現の淫猥さや、肩から腰に至るまでのしなやかなボディラインの美しさとそこを舌でなぞるなどの少々フェティッシュな行為などを絡めることで、単調にならない構築となっているのは○。
YourCharacter4.jpg また、演出面も控えめであることはこの作家さんの大きな特徴であり、露骨な結合部見せ付け構図や派手な表情変化、擬音・台詞の乱舞などはほとんど用いない一方、興奮と羞恥、快楽が入り混じった感覚にきゅっと瞳を閉じて堪える表情付けや、切れ切れに漏れ出す喘ぎ声、柔肌をしっとりと濡らす汗や涎、愛液の表現といった演出で確かな熱っぽさをエロ描写中に高めていきます(←参照 短編「友達が少なくても良い理由」より)。
 レズセックスでの貝合わせ同時絶頂フィニッシュや妊娠を避けるために外出しぶっかけといったケースも存在しますが、前単行本以降は中出しフィニッシュ比率が高く、力強いストロークでありつつヒロインと波長を合わせたピストン運動から膣内射精してヒロインも絶頂の快楽に包まれる痴態を大ゴマで表現しています。

 シナリオ・エロ共に派手さや強いキャッチーさは無いものの、共に味わい深さがあり、作劇の方向性如何を問わず重過ぎることも軽過ぎることもなく、程良い読み応えと実用性がバランス良くまとまっているのは流石上手いなと感じます。
個人的には、今の幸せをちゃんとかみしめる二人の姿が愛おしい中編「もしも、初恋が叶っていたら」と、ほんわか関西弁娘な先輩ヒロインが可愛らしい短編「友達が少なくても良い理由」が特にお気に入りでございます。

クジラックス『ろりとぼくらの。』

RolitaAndOurReal.jpgTVアニメ版『新世界より』第8話「予兆」を観ました。タイトルにある通り、一見平穏な日常に戻れたと思えた主人公達を襲う変異の予兆が徐々に見えだしてくる回でしたね。
アニメ版だけだと、どうにも理解の及ばないところもあるので原作小説を買って読み始めたのですが、「あー、なるほど、そういうことだったのか」と感じる部分が多く、両方楽しむのがベターなのかもですね。

 さて本日は、クジラックス先生の初単行本『ろりとぼくらの。』(茜新社)のへたレビューです。いやはや、やっとこさの初単行本というか、舞った甲斐があったというものです。
キュートなロリっ子が蕩けまくるエロシーンと明暗問わずに踏み込みの強いシナリオ運びが楽しめる1冊となっております。

RolitaAndOurReal1.jpg 収録作は、大学で同じくロリコン趣味で相当の駄目人間と出会った主人公は彼と奇妙な友情を深め、歪んだ欲望を解放して女児を連続強姦する自動車旅行を始める短編「ろりともだち」(←参照 なんら躊躇も後悔も無く)+彼らの蛮行の被害者となった女の子達の過去の平和の日常を描く描き下ろし番外編10P、女の子と仲良くなるために頑張っていた漫研大学生達の前に現れたのは悩みを抱える優しい女の子で~な短編「学祭ぬけて」正続編、および読み切り形式の短編6作。
描き下ろし番外編およびフルカラー短編「JSえっち講座 女児ルーム編」(8P)を除き、1作当りのページ数は10~38P(平均26P強)と幅はありつつも中の上クラスのボリュームで推移。後述するように作品構築の方向性には幅がありますが、余韻も含めて読み応えのあるシナリオが多く、またエロシーンの量的満足感も十分にあります。

【幻想としてのハッピーロリータと揺るがぬ現実と】
 後述するヘビィなテーマ性を有した作品群を中心として話題先行の態を示しているものの、少なくとも表面上は比較的マイルドさを保っているため、先ずはそう構えて読まなくても大丈夫でしょう。
RolitaAndOurReal2.jpgいわゆるハッピーロリータ系の作品も存在しており、女性にモテなくて寂しい思いをしていたオタクの男子大学生達と孤独を抱えていた女の子が幸福な関係を築く短編「学祭ぬけて」や(←参照)、大好きな漫画家の先生のためにロリっ子が(色々な意味で)一肌脱ぐ短編 「まなでし!」などがその好例。
 とは言え、これらの“ファンタジーとしての少女性愛”とそれがもたらす幸福感を逆に手酷く突き放す作品も多く、ある種ブラックジョーク的な表現をすることで表面上の刺を避けている傾向にありつつも、じわじわと湧き上がる鋭さで読み手の精神に踏み込んでくる作品も目立ちます。
自己中心的な言動を繰り返しながら女児への強姦を繰り返し自殺による死に逃げ込む二人の男性を描いた短編「ろりともだち」や、ある決意を抱いて法廷に立ったレイプ被害者の女児に壮絶なセカンドレイプが展開される短編「ロリ裁判と賢者の石」などは、その好例であり、一方的な欲望の叩き付けによる被害者の悲劇と犯罪者の末路によって“幸福な少女性愛”という幻想を激しく攻撃してきます
誰にも幸福が訪れず個々の平穏が壊れたままである故に、そこに勧善懲悪の清々しさは皆無であると同時に、歪んだ欲望にせよ、誠実な恋心であるにせよ、少女性愛を抱く男性達は、友情や人恋しさを感じられる存在でもあることが、ロリエロ漫画を好む読者に対して“自分の認識の範囲外”として思考を放棄させることを許さないのが、苦く乾いた余韻を残す要因と評し得るでしょう。
 ファンタジーとしてのハッピーロリータ空間の構築も上手い分、それを盲信する愚かしさとそれが生む惨禍の酸鼻は非常に鋭く、描き手側からの挑発性や悪意をさほど感じさせない分、余計に毒が沁み込む作風と言え、相応に読み手を選ぶであろうとは感じます。

【ぺたんこバストのキュートなJSガールズ】
 ヒロイン陣に関しては、全ての作品で小○校中学年~高学年のランドセルガールズ達が登場するロリ好き鉄板の陣容。
一部彼氏君とのキスやエッチを済ませているおませさんもおりますが、ある程度の性知識はありつつも経験は無く、純粋さを保ったキャラクターとして描かれており、その純粋性を無理矢理踏みにじられるのか、初心な恋心の甘さを醸し出すのかは作品に依って異なります。
漫画チックに明確な属性付けをするタイプではあまりなく、短編「ろりともだち」などでは被害者のワン・オブ・ゼム程度の位置付けに留まることもありますが、彼女達の優しい感情や逆に忘れられない憎悪を描き出すこともあり、それぞれの方向性のシナリオの魅力を増す要因となっています。
RolitaAndOurReal3.jpg ネコ耳コスプレの様な実にあざとい衣装も投入しつつ、様々なタイプの私服や小物で女児達の設定を表現しており、そこから露わになるのはぺたんこなバストと寸胴気味の体幹、そしてその表面を包み込むスベスベとした肌、一本筋が走るふにふにの股間という王道的なロリボディ(←参照 9年前に製造された弁当箱の妖精さん 短編「がんばれ便所飯くん」より)。
基本的に成人男性とのセックスが中心となることもあり、薄い胸や華奢な四肢なども含め、男性の肢体との対比において、彼女達のボディの可憐さや柔らかさが強調される描かれ方になっているのも美点。
 初単行本であり、また初出時期が広いこともあって絵柄の統一感が高いとは言えませんが、表紙絵から分かる通りに現代的なキャッチーネスを十分に含んだ上で女の子の可愛らしさを引き出す柔らかなタッチで魅せる絵柄となっており、近作の絵柄はそれ単体で十分に強い訴求力を有しています。

【ヒロインがぐしゃぐしゃに乱れるハード凌辱&和姦エロ】
 恋愛感情を介した和姦エロもある一方で、恐怖と混乱に包まれるロリータ美少女を監禁・拘束して一方的に凌辱・調教するシチュエーションも多く、かなり陰湿な雰囲気になることもしばしばあるので、そこらが苦手な方は要留意。
 各作品に十分なボリュームがあることもあって、エロシーンの分量は十分な長尺となっており、次々とレイプを繰り返すためにスライドショー的にもなる短編「ろりともだち」を例外として、行為のエスカレーションに重点が置かれたエロシーンの構成となっているのも特徴でしょう。
 シナリオ面において、幻想と現実の衝突がテーマ性をなることが多いのに対し、エロ描写に関しては概ねファンタジーとしてのそれを貫徹しているのはある種皮肉めいてもいますが、強烈な未知の快感に心身を染め上げられて蕩けまくる女児の痴態描写で俄然読者を抜かせにかかる頼もしさは見事。
RolitaAndOurReal4.jpg前戯パートでは舌やら指やらで未成熟な秘所やぺたんこバストにちょこんと位置する乳首などをねっとり愛撫し、抽送パートでも四肢を拘束しつつ遮二無二ピストンを加えていく中で、焦点を失った瞳やだらしなく広がるお口の蕩け顔を曝け出し、乱れた描き文字で表現される呂律の回らない台詞回しなどで、凶悪な陶酔感とそれを強要する嗜虐性を喚起して行きます(←参照 長時間の電マ責めの結果 短編「さよなら姦田先生」より)。
初出時期によって質的な差異はありつつも、各種擬音やハートマーク付きの嬌声の散りばめ、適度に豊かな液汁表現、表情や結合部をアップするコマの配置など、やや雑然とすることもありつつ、情報量の多い画面構築となっているのも体感的なボリューム感を押し上げています。
 ヒロインのキュートフェイスに白濁液を大量にぶちまけたり、絶頂の余韻でヒロインが失禁してしまったりと、抜き所を多数配置させつつ、フィニシュシーンはヒロインの膣内や直腸に精液を大量に注ぎ込んで絶頂に追い込むパワフルな抜き所となっており、シナリオの影響で賢者タイムに後ろめたさを覚えることはありつつ、優秀な抜きツールとしても完成度は高いと評し得ます。

 ロリエロ漫画を楽しむ上での、「幻想は幻想・現実は現実」という理性の前提にある種の揺さぶりをかけてくるタイプではあるため、好悪は相応に分かれると思います。そこらのもやもやとした不安感を改めて認識させるという意味でも、また優秀な抜きツールという意味でも、“これは僕らの漫画だ”という謳い文句はなるほどなと感じるところ。
個人的には、シナリオ面でも抜き的にも強烈なものがある短編「ろりともだち」と、奇妙な関係ではありつつも皆が相応に救済されているハッピーロリータな短編「学際ぬけて」が特にお気に入りでございます。
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