
黒板消しを叩いていた女の子の「あははは、エビチリエビチリー♪」というハイテンション?な台詞に度肝を抜かれましたが、原作コミックスを読み返したところ、原作準拠であることが判明し、二度ビックリでございました。
さて本日は、ふみひろ先生の『少女が堕ちる触手の宴』(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューです。敢えて着衣状態での触手絡みな表紙絵、これはなかなか奥ゆかしい!
その中身も、控えめバストなファンタジー美少女達がハードな触手凌辱に身悶えする実用的作品集となっています。

1話・作当りのページ数は20or22P(平均20P強)と標準並みかややそれを下回る程度のボリュームとなっています。シナリオ的な読み応えには概して欠ける傾向にありますが、その分エロシーンは十分に満足できる分量を用意した構築となっています。
【これぞ王道な戦闘ヒロイン触手凌辱】
ファンタジー系エロ漫画のジャンルにおいてもその方向性は様々に広がっており、キルタイム系でもその潮流と無縁ではないのですが、この作家さんに関しては同社伝統のファンタジーヒロイン触手凌辱エロを貫徹しています。
シナリオ展開に関しても、キルタイム系において蓄積された様式美そのものであり、すなわち強力なスキルや武器も有する戦闘美少女が、化け物の逆襲に合い、その肢体を徹底的に蹂躙される大ピンチへ~というお約束展開を投入しています。
シナリオパートを短く畳むため、1Pで状況や設定を解説したり、数行のキャラクター解説を用いて背景を語らせたりと、やや荒技めいた手法を用いていますが、展開そのものが王道である故に分かり易さは明瞭。

後述するように、比較的ハードな凌辱エロとして描いている分、心と体を嬲り尽くされて自我を崩壊させ、その上で更なる責め苦がヒロイン達を待ちうけることを示すバットエンドを基本としており、攻撃性をラストまで保っていると評し得ます。
これに対してどちらかと言えばコミカル色もある「ダークサイドプリンセス」ですが、今単行本の収録分では、ヒロインに設定された事情などの描写がほのめかすだけで具体的に示されておらず、未だエピソードとしては宙ぶらりん状態なので、今後シリーズを継続させて頂かないと評価に関して何とも言えないといった状態です。
【触手の絡みつく控えめバストボディなファンタジー美少女】
和風ファンタジーであったり、RPG的世界観であったりするため、ヒロインの年齢層の特定は難しいものの、概ねミドル~ハイティーン級と思しき美少女さん達が登場しており、魔術で悠久の時を生きるキャラクターなども概ねその範囲と思しき見た目をしています。
刀を振って妖怪を倒すさすらいのお姫様や、圧倒的な力を誇る魔女、迷宮を探索する冒険者や恐るべき使い魔を召喚する魔族の美少女など、いかにもキルタイム系らしいヒロインを用意していますし、前述の通りに“敵役”であるキャラクターも美女・美少女(もしくはそういった容貌の怪物)か、触手モンスターで統一されています。
魔女や魔族などのダークヒロインや、悪を調伏する剣士や魔法少女といった正義のヒロインとで、その矜持の持ちようは異なりますが、いずれにしてもその精神や戦闘スキルの強さを卑劣な凌辱で打ち砕かれ、憐れ凶悪な快楽に蹂躙されるという、“変容”が重視されるのもこのタイプの作品の醍醐味と言えるでしょう。

絵柄に関して、ややあっさりとした描線に記号的な硬さが残り、肢体描写そのものに十分な官能性が宿っているとは言い難いのですが、ファンタジー系らしい各種衣装やねっとりとした触手の絡みといった修飾性でキャラデザの魅力を引き出すタイプとも言えるでしょう。
初単行本故の硬さは上述の通りあるものの、同時に絵柄の統一感はしっかりしており、初期から完成度が高く粗さをあまり感じさせないのは安心材料。表紙絵との互換性も十分に高いアニメ/エロゲー絵柄でまとまっていると言えます。
【ハードなプレイと強烈なエロ演出の連発で魅せるスタイル】
キルタイム伝統の王道展開は、無論エロシーンへのスムーズな導入を図る上で大変有効に機能しており、戦闘美少女が恥辱と苦痛と快楽に蹂躙されるハードなエロ描写を十分量お届け。
オチがコミカル系であったりする作品も含め、凌辱シチュエーションとしての攻撃性は相応に強いことは共通しており、圧倒的な快楽に支配されて連続絶頂に悶える終盤までは嬲られる美少女ヒロインの苦痛や恐怖心を強調して嗜虐性を強く喚起してきます。
触手エロの醍醐味は、その手数の多さとファンタジー故の自由なプレイの数々にあり、今単行本でも乳首や淫核への吸いつき攻撃や、媚薬の注入による悶絶強制、イボ付きや繊毛上構造の特殊触手による性感帯責め、女性器やアナルはもちろんのこと、乳腺や耳への挿入などといった特殊プレイを複数同時投入のパワフルさも長所の一つでしょう。
人間業では不可能な性感帯の徹底的な責めに加え、極太触手の挿入や大量の白濁液注入により、腹部側内部から押し上げられたり擬似ボテ腹状態になったりと、女体に相当の無理を強いている描写が多いのも特徴であり、終盤までハードプレイを連発させるストロングスタイルは見事でありつつ、そこらの過剰性は好みも分ける要因とも感じます。

抽送パートでも維持される性感帯へのピンポイントな責めと、ゴリゴリと淫洞を擦り上げる触手ピストンによって、ヒロインはフィニッシュシーンにおいて凶悪なアクメに叩き込まれており、そこまでの勢いそのままに爆発的なアタックの強さを放つ抜き所となっています。
これぞキルタイム的触手凌辱と言うべき作品集であり、オーソドックスな作品構築がしっかり美点として立ち上がっているのが頼もしいところ。
個人的には、制御不能に陥った使い魔のモンスターにデーモン美少女が徹底的に蹂躙される短編「バインディング」が抜き的に最愛でございます。