2012年02月

ゼロの者『シス☆ブラっⅡ』

SisBroSecond.jpg大井昌和先生の『おくさん』第3巻(少年画報社)を読みました。これまで以上に夫婦のイチャツキ具合が凄まじく、独り者の管理人はその甘さにすっかり当てられております。
おくさんの“もむなら男らしくおっぱいもみなさい!”の名言、頂きましたー!“もむ”がひらがな表記なのが、これまたぽわぽわした奥さんらしいというか。しかし、5日分のラブラブか・・・(遠い目

 さて本日は、ゼロの者先生の『シス☆ブラっⅡ』(一水社)のへたレビューです。なお、本作の第1巻に当る先生の前単行本『シス☆ブラっ』(同社刊)のへたレビュー作家評等もよろしければ併せて御参照下さい。
繊細さと力強さを併せ持つストーリーテリングとねっとりとした感覚で魅せるエロ描写が光る1冊となっています。

SisBroSecond1.jpg 収録作は、近親相姦系エロ漫画を描く美少女漫画家とその兄貴との関係に、彼女とライバル関係になる女性エロ漫画家が顕れることで三角関係が生じる長編「シス☆ブラっ」第7話~最終第12話(←参照 兄貴を交えて二人がエロ勝負することになり妹さん混乱 同長編第10話「続・三つ巴」より)、および読み切り形式の短編2作+長編作のサブキャラ達や前単行本の連作「親子羊おおかみ」のろうくんが登場する描き下ろしおまけ漫画4P。
なお、前単行本に収録された長編作第1話~第6話までを読んでおかないと作品の魅力は低下するため、読んでいないのであれば併せての購入・読了を強く推奨します。
 描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は16~26P(平均22P弱)と標準的なボリュームで推移。程良く重厚に構えた長編作とコンパクトにまとめた短編作が同時収録されており、それと同時にエロの存在感や量的満足感は両者に共有されています。

【繊細な作劇の中でその確かさを高められていく兄妹の絆】
 この作家さんの代表作であり、やはり2巻構成で兄と妹の性愛関係を描いた長編「わすれな」が、兄妹の二人に閉じた濃密な関係性として描いたのに対し、今回の長編作ではサブキャラクターの介入もあって、その関係性に外圧に伴う揺れ動きを作品の縦糸としています。
 ヒロインである妹さんと同じ雑誌で描く女性エロ漫画家が、ヒロインの漫画に宿るリアルな魅力を探りだすべく、兄貴に近づいて性的関係を築く一方、これに動揺した妹さんもアシスタントの男性とのセックスを行い、二人の恋愛関係・信頼関係に危機を生じさせており、互いに想いあっているはずなのに上手く行かない展開は兄妹二人だけでなく、読み手の心にもチクチクとした痛みを発生させます。
SisBroSecond2.jpgただ、略奪愛や不倫として暗く重い方向性に沈む込んでいくのではなく、兄妹それぞれと関係することになった女性エロ漫画家も男性アシスタントも誠実な人間であることもあって、兄妹二人は自分たち本来の関係性の価値を再認識するハッピーエンドへと再び舵を切り直します(←参照 長編第12話「最終話」より)。セックスの相性といった肉体的な快楽よりも、精神的な絆がより尊いものとして描かれる終盤展開には清冽さが漂っており、読後感の良好さに貢献。
 いかにもなエロ漫画的ご都合主義とマイナスに解釈することも不可能ではないですが、作家として表現する程に心に蓄積し続けた妹の兄への想いや、彼女を大切な存在として見守り続けた兄の優しさが幸福の内に叶えられる歓喜がより印象的であり、長編作を通じて揺らぎながらも確かに保たれた兄妹の絆の美徳は、やはりこの作家さんらしい要素だなと感じます。
 エロ漫画家という設定を活かしたメタ的な構築は今回ではやや控えめではあるものの、主人公とヒロイン二人(とギャグキャラ的な存在でもあるアシスタント君)の心情を丁寧に描くことで、それらが離合を繰り返す流れに繊細さを感じさせ、じっくり読ませる作りになっています。
 短編作は、棚ボタ的な展開でありつつ多少のダークさも含ませる記憶喪失美女とのエロ話な短編「セーブポイント」とドジっ娘な死神美少女とインポテンツな青年のドタバタエロコメな短編「死神姫」であり、特段に強いエッジこそ感じさせないものの、共に王道展開に捻りを加えた展開で面白さを生んでいるのは上手いなと感じます。

【女体の肉感の生々しさがエロの基盤】
 恐ろしい能力を持ちながら一本ネジが抜けている死神美少女さんや、記憶喪失な美人保険勧誘員がそれぞれ登場する短編に対し、今単行本では三角(後に四角)関係が作劇の核となる長編作は妹さんとそのライバル漫画家のダブルヒロイン制。なお、天然系エロ娘のメガネっ子アシスタントさんは今回はサブキャラの役割に徹しており、エロ描写からは離れています。
兄のことを一途に想いながら、素直になれない性格もあって最後の一線をなかなか越えられない妹さんに対し、マイペースでおっとりした喋り方ながら、積極的に兄妹の関係性に乱入してくるライバル作家・ナナ先生は、ある種好対照を形成しており、兄との関係を相互に進展させる駆動因として機能しています。
 やたらと肢体のラインが浮き上がる衣装をキャラクターに着用させているため、日常パートから既にエロさが濃厚に香り出している肢体描写は、肉感を肢体全体に強く備えさせつつ、重量感と柔らかく撓む質感を強調した巨乳&桃尻を組み合わせる比較的オーソドックスなスタイル。
SisBroSecond3.jpgしかしながら、綺麗に端正にまとめて訴求層の広さを最優先させるボディデザインでは決してなく、触れる手に張り付く様な皮膚の質感や、柔肉が重力や肢体の動きに合わせて重そうに撓む挙動の描写など、生々しい淫猥さが肢体造形に組み込まれることで、女体のエロスの濃厚さを強く打ち出しているのがこの作家さんの特長と言えるでしょう(←参照 このもちもちボディのエロさ! 短編「セーブポイント」より)。
 やや荒っぽくまとめると、劇画的な重さ・濃さを有しながら、二次元絵柄としてのキャッチーネスを損なわない絵柄と評したいところ。また、ベテラン作家さんらしく絵柄も単行本通して安定しており、表紙絵ともほぼ完全互換。
ただ、エロシーンも含めて所々のコマで、この作家さんにしては画面が“白く”なっていることがあり、一時期グレースケールをたっぷり施して高密な画作りをしていたことの反動なのかもしれませんが、絵の印象の統一感という観点からはちょっと気になる減点材料ではありました。

【じっとりねっとりとしたエロ描写が生む満腹感】
 シナリオ展開に多少エロシーンの分量が圧迫されたり、分割構成を余儀なくされたりすることもあるものの、各話・各作品のページ数に見合った尺で濡れ場は提供されており、抜きツールとしての信頼感はさほど揺らぎません。
前述した生々しい淫猥さを持つ女体が快楽に塗れていく痴態描写を主たる武器としている一方で、コスプレHやオモチャプレイ、3Pセックスや逆レイプなどなど、エロシチュエーションを豊富に取り揃えて読み手を飽きさせないサービス精神は嬉しいところ。また、長編作の最終話における幸福なラブラブHなど、シナリオ展開に合わせた雰囲気作りがエロ描写にしっかり活かされているのも美点でしょう。
 例外もあるものの、性器結合に至る前に女性器への愛撫やおっぱい弄りなど、前戯に十分な尺を設けるエロ展開であり、ヒロインの柔らかいお肉を指や舌の先で味わいながら、彼女達もまた徐々に性感が高まっていくことで抽送パートへの移行をスムーズにしてくれています。ただし、逆に言うと、フェラからの口内射精といった男性側が一度目の絶頂を迎える描写は少なめなので、そこらにコダワリがある方は要留意。
06f03ada.jpg アヘ顔や大きなコマでの断面図といった過激な描写を全くと言っていい程使わず、台詞の分量も控えめであるため、エロ描写に瞬発的なアタックの強さがないものの、汗にじっとりと濡れ光る女体や前述した様に柔らかく変形する各体パーツ、結合部アップのコマで結合部から豊潤に溢れだす淫蜜、そしてトロンと蕩けた瞳の表情といったエロ演出で確実に煽情性を積み上げていくスタイルは(←参照 長編第8話「二人の妹」より)、確かなヘビィネスを以て読み手の性欲中枢を満たしていきます。
とは言え、フィニッシュシーン手前のエロ展開終盤では相応に強いアタックのエロ演出を施しており、切れ切れの喘ぎ声を上げるヒロインの肢体が仰け反り、悶え、大きく開かれた目や口から涙や涎がこぼれ落ちてくる描写はなかなかにパワフル。また、体位の変化なども含め、大ゴマをポンポン切りだしながら描写の連続性が途切れない画面構成の上手さも○。
 粘り気の強い水音を結合部から奏でながら進行するピストン運動は、時々アナル中出しや顔射などでのフィニッシュを選択しつつ、大ゴマ~1Pフルで膣内射精を決め込んでヒロインをアクメに導く鉄板の抜き所で〆られています。

 エロ・シナリオ・キャラクターそれぞれに、王道的な魅力を持たせつつ、そこに捻りを効かせる作家性がしっかりと機能している印象があり、適度に読ませてしっかり使える作品群と評したいところ。
短編「死神姫」のはっちゃけ感も大好きですが、この作家さんの描く兄妹は、やはり確かな絆でつながっているのだなと感じさせられた長編作のハッピーエンドでの完結を最も祝したい所存。

せいほうけい『ちっちゃいがいっぱい!』

LotsOfSmallOnes.jpg木々津克久先生の『フランケン・ふらん』最終第8巻(秋田書店)を読みました。ハチャメチャな騒動が数多生じてきた作品でしたが、非常に綺麗なまとめ方をしており、何だかんだでフランのしてきた手術は偉大なことであったのだなと感じました。
フランが夢の中で出会った斑木博士と本当に再会できたのかは分かりませんが、カバー裏の写真を見る限り、出会えたものと解釈したいですね。あと、おまけのヴェロニカちゃんが可愛いです。

 さて本日は、せいほうけい先生の初単行本『ちっちゃいがいっぱい!』(茜新社)のへたレビューです。LO掲載時からぶっ飛んでいるなぁと思ってましたが、単行本としてまとめすると破壊力が倍加している様に感じます。
強烈な歪みを生じさせることで可能なふんわり柔らかにハッピーな雰囲気の中、ょぅじょさんがトロトロに蕩ける真性ペドエロ物件となっています。

 収録作は、読み切り形式の短編11作+描き下ろしのょぅじょさんとのイチャイチャチュッツッチュなおまけ漫画4P。描き下ろし作品を除き、1作当りのページ数は16~22P(平均18P強)と標準をやや下回る程度の分量となっています。
とは言え、オーソドックスながらもキャラクター設定のおかげでエキセントリックになるシナリオと、これまた特定の方向へと特化したペドエロイは共に存在感が強烈であり、読後の満腹感はかなり強いと評したいところ。

【幼き少女の純粋性に強く依存する歪んだ桃源郷】
 後述する短編1作を除けば、その作風はLOレーベルで主力の一角を担うハッピーロリータ系であるのは間違いなく、小動物的な可愛らしさのあるロリータヒロインとの性行為を柔らかい雰囲気の中に包み込んでお届けするスタイル。
少女性愛という禁忌を描きながら、そこに重苦しさや現実の辛さを介在させず、あくまで“善き性愛”として描くハッピーロリータ系の作品においては、如何にその相反するファンタジーと現実とを作中で融和させるかに作劇上の勘所があると言えますが、この作家さんの場合はヒロインの年齢を極端に下げることで、状況から深刻さを排除するというチャレンジングな手法を採っています。
LotsOfSmallOnes1.jpg 思春期の少女達の、いわゆる“少女像”が男性にとって手が届かずに理解しきれない存在である故に輝くという面を伸展させ、少女よりも幼い幼女をヒロインに据えて、成人男性にとって理解することが不可能な存在として描くことで、彼女達の無垢であり、また特殊な“ロジック”によってエロへと進展させることを可能にしています(←参照 性行為を理解しないままそれに加担しているのも特徴 短編「良き保育士」より)。
彼女達の可愛らしくも突飛な言動によるエロへの雪崩れ込みは、純粋性の大いなるご都合主義的解釈であり、ある意味ではそれを“悪用”する歪みを発生させているものの、漫画ファンタジーの中で描き出すことで、賑やかさや微笑ましさといったポジティブな印象を先行させています。
 もっとも、ここらの歪みに関して描き手側も決して無自覚でないことを示すのが短編「青い愛」であり、娘の純粋性に付け込み、その心と体を歪んだ感情で貪る父親の姿の醜さは、ヒロインの純粋性に許されるのでなく、それを利用しようとする男性への鋭い非難を含んでいるとも感じます。
基本的には、作品の柔和な雰囲気を引き継いで微笑ましいラストにすることが多いものの、その場合でも幼女との性行為が露見することを示唆する描写が背景に描き込まれており、男性キャラクターに欲望の充足という利をもたらした歪むが、また痛烈な罰をも発生する可能性を示しているのは、なかなかに面白いと感じた点。

【幼○園児が多数登場の真性ペド物件】
LotsOfSmallOnes2.jpg 「小学生以上ってのはババアなんだな!?」という頭の痛くなる台詞(短編「幼女の引力」より)も飛び出すことから分かる通り、今単行本は問答無用なペド物件であり、ヒロイン陣のほとんどは幼○園児であり(←参照 この年齢層故のもさもさパンツ、メニアック! 短編「いたいのとんでけー!」より)、そこに数名の小学生が加わるというかなりの本気具合。よって、ロリエロ好きでも苦手な方が確実に存在する年齢層であることには留意されたし。
 性格面では子供らしい無邪気さがかなり強調されており、性的知識が皆無の子もいれば、すっかりエロエロに調教済みの女の子もいるのですが、いずれにしても少女性愛の禁忌感や背徳性は全く理解しておらず、それ故に(読者も含めた)男性側が一層罪悪感や背徳感を覚える仕掛けになっています。
その上で、ロリ女王様タイプや、お兄ちゃんが大好きな故に暴走する元気娘、ひたすらに純真無垢な子犬系ガール等々、キャラクター性をある程度バラけさせており、甘さ一辺倒ではなく作品によって読み口を変化させているのは○。
LotsOfSmallOnes3.jpg 初出時期やヒロインの設定年齢によって、等身やロリプニ感などに振れ幅のあるボディデザインですが、デフォルメを強めに聞かせた園児のロリプニボディにしても、やや等身高めのスレンダー小○生ボディにしても、ぺたんこ~ほんのり膨らみかけの胸(←参照 余談ですが、単行本タイトルがヒジョーに危険です 短編「五歳児にもついてるんだよな」より)、ツルツル仕様でムニムニとした丘の間に小さな一本筋が走る股間などのパーツを完備していることは共通しています。
成人男性の体躯に比してかなり小さく描かれる女の子達のミニボディは、それ単体でもかなりの(正負両面での)破壊力があるわけですが、ここに幼稚園スモッグやらランドセルやら、お子様パンツに可愛いパジャマなどの年齢層にしか着用が許されない衣装・道具が加わることで、“犯罪臭”すら強烈に立ち上がってくるという恐るべき仕様も目立っています。
 前述した様に、ヒロインの年齢設定による意識的な変化もあると思いますが、初単行本らしく絵柄はある程度の変化を示しており、統一感は弱め。とは言え、それぞれの絵柄において質が低いわけでは決してなく、ヒロインの可愛らしさを十全に引き出しつつ、柔らかい空気感と画面の密度の高さをしっかり維持する作画となっています。

【背徳感と幸福感が相乗効果的に高まる陶酔エロ】
 父親から強制される行為であり、またその歪みにおそらくは気付いているであろう少女の痴態を描く短編「青い愛」は一定の嗜虐性や破滅感を感じさせる明確にダークなエロ描写となっていますが、その他のハッピーロリータ系においても棚ボタ的なエロの幸福感と禁忌を侵犯するく暗い背徳感を共に練り込んだタイプに仕上げています。
エロシーンの尺自体がそれ程長い方ではないものの、最初から最後までヒロイン側がその無垢さ・無邪気さを失わず、男性キャラクターを求め、受け入れてくれる故に、背徳感がエロ展開を通じて強く維持され、また保護欲とも綯い交ぜになった複雑なエロティシズムを感じさせてくれます。
 エロ展開としては、前戯パートに十分な尺を割くスタイルを徹底しており、小さな肢体の胸や股間のふにふにと柔らかな感触を舌やら指やらで味わったり、小さなお口が怒張に吸いつく様子そのものの精神的快楽とフェラの肉体的快楽が同時並行して進む口戯描写を投入したり、素股や足コキなどをチョイスしたりと、基本的なプレイを押さえつつも多彩に見せてくれるサービス感があります。
口内射精やおでこぶっかけ、お尻にぶっかけ、果ては園児帽射(詳細は是非原本に当られたい)等で一発目を放出することで第一段階目の盛り上げを果たしており、そこから突入する抽送パートは処女ま○こや未経験なアナルに挿入しても速攻で小○校入学前のょぅじょさん達が性的快感に蕩けていくという、凶悪なエロ漫画的ご都合主義を貫徹。なお、流石に未成熟な秘所であるだけに、アナルセックスやラストまで素股で済ませるなど、性器結合を果たさない作品もあることは要留意。
LotsOfSmallOnes4.jpg この段階に至って男性側の自制はほとんど失われており、ちっちゃな肢体を抱え込んでガシガシ腰を振って妊娠の心配のない膣内に白濁液を注ぎ込めば、年齢的に示してはいけないハズのトロトロのアクメ顔で白濁液を受け止める痴態を1Pフルで曝け出すフィニッシュシーンとなっています(←参照 口や瞳の輪郭の崩し方が特徴的 短編「田中さんはいいひとです」より)。
ピストンを行いながら薄い胸のサクランボをクニクニと弄る描写を付け加えるのも特徴であり、擬音や台詞の散らし方なども含めて、個々のコマに十分な煽情性を持たせつつ、手数で押すタイプのエロ作画・エロ演出という印象があります。

 ペド物件ということで、読み手を非常に選ぶことに注意が必要ですが、陶酔感を強力に表現するエロ演出の個性と、本来それと無縁であるはずのょぅじょヒロインの無邪気が組み合わさることで禍々しいレベルの背徳的エロティシズムを生じさせているのは見事と感じます。
個人的には、主人公である兄の誠実な感情としての罪悪感を描きつつ、その心の痛みすらも受け止める妹ちゃんの愛くるしさが痺れる短編「いたいのとんでけー!」と、エロ漫画ジャンルに園児帽射というフレーズを誕生させた短編「ロリコンを治すひとつの方法」が特にお気に入りでございます。

魔訶不思議『JS規格』

JSStandards.jpg森薫先生の『森薫拾遺集』(エンターブレイン)を読みました。短編・掌編・イラストが集められた作品なのですが、それぞれ方向性が様々でバラエティ感豊かに楽しめる1冊となっています。
冒頭の紹介漫画で先生自ら書かれていますが、お酒(管理人はスコッチ)をチビチビと飲みながら、ゆっくり読むのが素敵にハマります。個人的には「巣穴・紳士倶楽部」がダントツでお気に入り。

 さて本日は、魔訶不思議先生の『JS規格』(ヒット出版社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『禁距離恋愛』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
多彩でありながらそれぞれに旨味のある短編ストーリーと小さなロリボディを激しく攻め立てるハードエロが楽しめる1冊となっています。

c1068ab0.jpg 収録作は、クラスメイトの少女3人それぞれが経験する性愛をオムニバス形式で描く「21世紀少女」シリーズ全3話(←参照 こう感じてますが二人とも別のエピソードで経験済み 同シリーズ第3話より)、および読み切り形式の短編4作+前単行本と前々単行本の紹介漫画(共に4P掌編)。
 宣伝漫画な掌編2作を除き、1話・作当りのページ数は16~26P(平均23P弱)と書店売り誌初出として標準的な分量。話やキャラ描写に奥行きがある分、漫画としての読み応えがしっかりとあり、またガツガツとした勢いを有するエロにも存在感が強く生じています。

【多彩な作劇に共通する自由で無垢な少女の在り様】
 一応は続きモノである「21世紀少女」に関しても、オムニバス形式であり、また各話で異なる少女が経験する性と愛のエピソードの方向性が三者三様であるため、短編作品集と考えても差し支えありません。
それぞれ短編作としてコンパクトにまとめながら、ちょっといい話な青春ラブコメディから和風伝奇ファンタジー、凶悪なブラックユーモアで駆け抜けるギャグエロ系、静かな雰囲気の中で激情が沁み出す繊細な叙情劇などなど、非常に多様な作劇を取り揃えており、それぞれにしっかりとした話としての旨味があるのはベテランとしての老練さ。
 そういった作品の外装は様々で、勿論話としての面白さに直結する一方で、少女達の性行為を時に純粋な好奇心や一途な恋愛感情を介して描き、時に大人に利用される悲しい愚かしさとして描き、また時に現実からの遊離や自己承認欲求の発現として描いており、作品の基盤を構成する魅力は“性と相対する少女”を饒舌に描き出す点と評したいところ。
1fa47f6a.jpg“バットエンド”にカテゴライズ作品も数本が存在する一方で、性への過剰な放埓や恋愛関係の破断といった性愛における“つまずき”を経験してもそれらを少女達に乗り越えさせることが多く、少女達はまだ“自由”であり(←参照 想い人と死別した少女に対しての言葉 「21世紀少女」シリーズ第2話より)、自由であることがまだ許される故に、明るい未来へと歩む出すことができると解釈することも可能でしょう。
シリーズ作ではわざわざ“21世紀”を関して女の子の“現代的”な性への意識を読み手に連想させたり、昔話風の出だしで和風ファンタジーを描いたりするものの、時代や設定に関係なく普遍的である人間の明暗の欲望を作品の核に据えている分、作劇の方向性が様々でありながら、不安定感やブレと感じさせないとも評し得ます。
 挑発的であったり、読み手を煙に巻くタイプのお話もあったりするのですが、それらに嫌な印象がないのは男性にとっての“性的な理想像”である少女でなく、漫画チックでありつつも血の通った少女として描くことに依っていると感じます。

【ぺたんこバストなロリータ美少女達】
 単行本タイトル通りにギリ二桁程度の年齢層と思われる小○生ヒロインを主力としつつ、中○生程度の女の子も複数名が登場しています。両者に年齢的な描き分けはそこまで強くありませんが、かつては熟女キャラも描くことがあった様にアダルトな色香を持つ女性キャラクターをサブキャラとして配置することはあります。
 前述した様に、ヒロインの心理描写が作品の語り回しの主たる魅力であり、決して説明を多く行うわけではないにも関わらず、その心情の変化を豊かに語り出させる台詞・モノローグの上手さと表情変化などの作画面からの援護が有効に機能しています。
その反面、キャッチーでオーソドックスなキャラクター属性を望むのは避けるべきであり、破天荒な言動を示すヒロイン達も居りながら、その“暴走”はあくまで普遍的な欲望や感情に根差すものであると最終的に感じさせています。
JSStandards3.jpg 一部のサブキャラクターやおまけ漫画などでは豊かなバストの持ち主が登場するものの、基本的にはちんまりとしたボディにぺたんこなバスト、ぼっこり気味のお腹、程良い肉付きのお尻、そしてツルツル&ぷにぷにな質感の股間を組み合わせたボディデザインで占められています(←参照 “見られてわたしは確定する” 短編「量子的な彼女」より)。
デフォルメが強めに効いており、ロリプニ感も相応に感じるものの、絵としてのポップさは抑えられており、要所要所で妙な生々しさを少女達の肢体に感じさせることで背徳感を喚起しているのは、この作家さんの強い美点。
 今単行本からフルデジタルに移行したとのことですが、元々デジタルツールは利用していたと思われ、加えてベテランらしい絵柄の強固な安定感があるため、作画にこれまでとの変化は感じることはほとんど無いと言えるでしょう。

【アグレッシブなエロ演出と技巧的なエロ作画】
 作劇の方向性の多彩さに伴ってエロシチュエーションも相応に多様であり、乱交プレイや集団凌辱、露出羞恥系セックスといったアブノーマル系であったり過激であったりする状況も頻度高めで投入しています。
ラブエロ好きには苦しいところでしょうが、凌辱的なエロシチュエーションにおいても必ずしもドス黒い雰囲気に包み込むわけでなく、男女いずれか、もしくは双方の欲望を確たる駆動因として前のめりに突っ走る勢いの力強さが一種の高揚感を以て先行している印象もあります。
 標準的な分量を有する濡れ場は、前戯パート→抽送パート→フィニッシュシーンという標準的な展開にあまり縛れることなく、フェラチオなどの前戯と性器結合やアナルセックスでの抽送描写を複数回織り交ぜたりすることで、状況の変化の表現やエロの体感的なボリューム感の強化に貢献。ただし、逆に言うと、オーソドックスな展開の中でエロのみに集中して抜きたい諸氏には多少煩わしく感じる可能性があります。
JSStandards4.jpg少女の小さな唇と舌が肉棒に纏いつく口戯と、そこからのぶっかけ描写などで盛り上げを図った上で抽送パートに突入しており、勢いのある描き文字で表現される快楽の絶叫や思考を放棄して呆けた表情(←参照 挿入時の反応 短編「もえにゅ~まいんど」より)、肢体全体の描写を重視しつつも透過図や結合部アップ構図でピストンの深さ・激しさを表現する作画などの演出を施してアグレッシブにエロ展開を押し進めます。
 ヒロインの小さな肢体が揉みくちゃにされる様子をカメラを引いた位置からのAV構図でインパクト豊かに、しかして冷徹に見せたり、主観構図を用いて快楽に仰け反るロリボディを下から仰ぎ見たりと、バランスが良くかつ躍動感のある作画を可能とする構図取りの技巧もエロシーンでの魅力の一つでしょう。
 前述した通りに、膣内射精でのフィニッシュといった定番のエロ展開に縛られず、性器結合を終えた後にフェラからのぶっかけで〆てみたり、また異なるエロ描写をフィニッシュシーンの後に投入したりしており、バラエティ感があって良いのですが、同時にエロ展開終盤での最高潮が何処に来ているのかやや分かり辛いのは個人的には減点材料ではありました。

 ベテランらしい巧さが作劇・作画共に光っていると言え、斜めに構えたり挑発的であったりすることもあるものの、この作家さんの描く少女キャラクターの核を為すのはやはり善性であるのだなと再認識しました。
個人的には、強烈なブラックギャグと凌辱描写が奇跡の化学反応な短編「Project はやブサ!」と、悲しいお話が迎える清々しいラストに心洗われた「21世紀少女」シリーズ第2話が特にお気に入りでございます。

大和川『Powerプレイ!』

PowerPlay.jpgTVアニメ版『探偵オペラ ミルキィホームズ 第2幕』第7話「そして希望なくなった」を観ました。本気を出したアルセーヌ様とG4、そして怪盗帝国と一応ミルキィホームズの面々のバトルは、1期最終話(の前半)を思わせる熱さでしたなぁ。
アルセーヌ様の圧倒的な力の前にあまりに無力なミルキィホームズ達ですが、シャロの前に突き出された手が彼女達の前進の意志を象徴するものであると信じたいですね。

さて本日は、大和川先生の『Powerプレイ!』(茜新社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『たいへんよくできました?』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
王道としての安定感を保ちつつ捻りを効かせた作劇の面白みと美しい肢体が快楽と液汁に塗れるエロの実用性とで魅せる長編作となっています。

PowerPlay1.jpg 収録作は、人は良いもののボンクラな同人ゲーム原画師(童貞)な青年の元に使い魔を名乗る褐色銀髪の美少女が現れ、彼が淫魔王シャダールの生まれ変わりであると告げることで始まるファンタジー世界の日常浸食劇なタイトル長編「Powerプレイ!全8話(←参照 ワガママながら献身的な小悪魔さんとの同居生活スタート 同長編第2話より)+転生前の世界であり主人公の創作物でもある淫魔王シャダールの活躍を描くエピローグ+おまけのフルカラー掌編4P。
エピローグ(第0話)も含め、1話当りのページ数は18~26P(平均24P強)と中の上クラスで推移。長編作として十分な読み応えを持ちつつ重過ぎることなくある程度の軽快さを保っており、その上でエロを十分な尺で魅せるバランスに優れた作品構築となっています。

【王道的な棚ボタファンタジーに捻りを効かせたストーリー】
 短編・中編・長編といずれの形式においても優れた構成力を示す作家さんであり、短編中心でコンパクトにまとめる巧さを示した前単行本に比して、今単行本ではその構成力をドラマ性の構築の面で良く発揮。
dcea676e.jpg主人公が実は魔王の転生体であり、彼を復活させようとする使い魔さんに続き、逆に淫魔王としての復活を妨げようとする異世界の勇者達も登場して主人公を巡るドタバタ劇が生じるという設定や展開そのものは(←参照 使い魔さんとは逆に敵対側のヒロイン 長編第3話より)、エロ漫画を含めた漫画/アニメ/ゲームにおいて既に手垢の付きまくったものであり、まずは王道的な面白さを読者に楽しませます。
 しかしながら、敵対していた美少女勇者さん達とも仲良くなっていく棚ボタ感MAXの展開の中で、彼女達の世界は主人公がゲームとして創造したものが判明し、一方的な受動性がその設定により主人公側に能動性を発生させることを可能にしていきます。
淫魔王として復活することをそもそも望まない主人公は、まるで“エロゲー”の様にいずれかのヒロインを選択することを迫られるのですが、良く言えばお人よし悪く言えば優柔不断な性格の主人公が、状況に翻弄され続けながらも最終的にはきっちり誠実さを示しているのは終盤でのドラマ性を高め、また読後感を良い物にする最大の要因でしょう。
 ヒロイン達がゲームとリンクしているという設定自体も実はそこまで新規性があるとは言い難いのですが、長編作の構成にしっかり組み込み、漫画の形式においてゲームのルート選択や複数ウィンドウの同時起動を再現する“遊び”を入れたりと、単なる便利設定に終わらない用い方をしているのは◎。
 そういった小技を巧みに織り込んだ作劇でありながら、大上段に構えることはなく、あくまで王道的な構築としてのスムーズさやドラマの高揚感を保っているのはなかなかに見事な点であり、個性や技巧を武器としながら変に凝り固まらないシナリオワークと評したいところ。

【多彩な衣装に包まれるしなやかなスレンダーボディ】
 (色々な意味で)ヤラレキャラを除けば、元・使い魔であるサラちゃんと、淫魔王の復活を阻止せんとする勇者・忍者・魔法使いのトリオとがメインのヒロイン陣。なお、使い魔であるサラちゃんは、この作家さんの2冊目の単行本『Witchcraft』に収録された同名の長編作に登場する西園寺サラがスターシステムとして登場したキャラクターです(無論、容姿だけでキャラ設定は共通せず)。
横柄な態度ながら何だかんだで献身的なサラちゃんや、主人公を封じようとしながら何だかんで仲良くなっちゃう勇者様などは、素直になれないツンデレタイプ、これに対して魔法使いのお姉さんは天然ふわふわ系のド淫乱と、双方ともこの作家さんが得意とする性格設定となっています。
PowerPlay3.jpg 4人とも等身高めのスレンダーボディでありつつ相応に肉感を備えさせる肢体造形は、しかしながら乳尻のボリューム感によって生じるストレートなセックスアピールを売りとするタイプではなく、肢体全体の均整を重視し、しなやかに動き回る体全体の中で現実的なサイズのバストやヒップの柔らかさ、その柔肌の艶やかさなどを上品に表現してくるタイプ(←参照 褐色肌万歳! 長編第8話より)。
こう書くと女体の描き方にエロさが足りない様に感じるかもしれませんが、決してそんなことはなく、肢体の美しさが強調されていることで、エロシーンにおいてそれらが淫液に濡れて艶めかしく濡れ光る様や、快楽に激しく身悶えする様に煽情性が反動的に高まっていると言えるでしょう。
 ファンタジー世界の住人であるため、鎧や魔法使いとしての装束といったRPG的アイテムの造形を丁寧に行いつつ、ゲームの世界とのリンクに置いては非常に様々な(そして何処かで見たことのある)コスチュームを用意することで、賑やかさやエロのゴージャス感を生んでいるのも嬉しいところ。
 多少のゴシカルさを持ちながらそれを上回るキャッチーさを持つ漫画絵柄は、高い作画密度や勢いを感じさせる筆走り、画としての程良い重さを有しており、ユニークでありつつ訴求層を狭めない絵柄。無論、単行本を通して絵柄は安定しており、表紙絵とも完全互換となっています。

【液汁と快楽に塗れる女体のエロティシズム】
 主人公を巡る攻防戦がエロ絡みという便利設定もさることながら、そもそもシナリオの展開とエロシーンの分量確保をバランス良く両立させる技量がある作家さんであるため、濡れ場はたっぷりと鑑賞可能であり、抜きツールとしても優秀。
これまたゲームとのリンクが生じたり、ファンタジー作品である故に魔法が用いられたりということで、触手プレイやヒロインが分身しての多人数H、美少女勇者達に拘束されて逆レイプ、ヒロイン達が擬似ち○こを股間に生やしてレズセックスなどなど、エロシチュエーションを豊富に取り揃えており、それに付随してプレイ内容も様々というサービス精神を感じるエロとなっています。
 そういったプレイやエロシチュの多彩さは単行本として飽きを来させない大きな魅力ではありますが、とは言え、性器と性器のガチンコ勝負のパワフルさで小細工抜きでも正にパワープレイ的に力押しできることが、実用性の基盤を構築しており、すっかり蕩けた表情を示すヒロインにガツガツと抽送を繰り返す勢いの良さが魅力的。
9ae0f5ac.jpgそのアグレッシブなピストン描写等に、飽和感のあるエロ演出を被せており、ヒロインのしなやかな肢体を濡らす汗や白濁液の描写の豊潤さは、女体のシズル感を増すことでそこへの制服感を喚起して抽送パートにおける興奮を減衰させません(←参照 これでもかなり控えめな液汁描写 長編第7話より)。長台詞ではないものの、読み手の独占欲や嗜虐欲を的確に刺激するラブエロ台詞や、美しさを保ちつつも涙や涎でぐしゃぐしゃに乱れる官能の表情なども重要なエロ演出となっています。
肢体全体の端正さを魅力としている分、結合部見せ付け構図を多用しながらも、透過図や断面図の使用はかなり控えており、あくまで絡み合う肢体全体のエロさを重視しているのも特徴でしょう。また、作画に関しても技巧的であり、大ゴマでインパクトを生み出す場合もあれば、見開き2Pを小ゴマでぎっちり埋めて読み手の視覚的処理能力を敢えてオーバーさせる場合もあったりと、場面や展開に合わせたエロ作画を施している巧さがあります。
 ぶっかけにエロの旨味があるタイプなので、前戯パート等で顔射などを投入しつつ、激しいピストンはヒロインの膣内に白濁液を噴出することでフィニッシュを迎えており、味わうアクメに絶叫するヒロインの痴態を大ゴマ~1Pフルでお届けするパワフルな抜き所を形成しています。

 ストーリーもエロも、個性と王道それぞれの魅力をバランス良く織り交ぜていると言え、読みやすさ・使いやすさを重視しつつ、漫画としての面白みやキャラクターの魅力、アブノーマル系のプレイやフェチっ気を肩肘張らずに楽しませてくれます。
個人的には、銀髪褐色肌キャラが大好きなもので、サラちゃんが再登場して、そして今回はメインヒロインに昇格していたのが嬉しかったですねぇ。

コア助『ゆるふわビッチ』

LooseSoftBitches.jpg長谷川哲也先生の『ナポレオン 覇道進撃』第2巻(少年画報社)を読みました。他の将軍たちの活躍ですっかり影の薄くなったジュノーですが、お嫁さんを迎えられて良かったですね。史実ではこの後もあまり暗い歩みを重ねることになるのですが・・・。
敗北がほぼ決定的な状況からの奇跡の逆転というのは、結果論に過ぎないとは言え、やはりナポレオンが天に愛されているということなのでしょうねぇ。

 さて本日は、コア助先生の『ゆるふわビッチ』(エンジェル出版)のちょい遅延気味なへたレビューです。(この名義においては)メンズヤング新人賞出身の作家さんで2冊目の単行本(成人向けでは初単行本)となりますね。
ほんのりダーク成分を含ませてハードなエロ描写に実用性を高めつつ、柔和な雰囲気で読み口を良くする優良抜き物件となっています。

LooseSoftBitches1.jpg 収録作は、友達に“自宅にメイドさんがいる”と見栄を張った尻ぬぐいをママさんがメイドさんの格好をして成し遂げようとするもエロエロな要求が飛び出して~!?な短編「ぼくのメイド母」(←参照 友人の要求が“不自然な程”にエスカレート)+フルカラー後日談4P+描き下ろしの番外編8P、および読み切り短編8作。
描き下ろし作品やフルカラー作品を除き、1作当りのページ数は20Pで固定。コンビニ誌初出としてエロの中庸なボリューム感と滑らかな読書感が重視されたコンストラクションとなっていると言えます。

【ほんのりダーク系要素を絡ませつつ読後感は良好】
 エンジェルコミックスレーベルでの初単行本となる今単行本は、しかしてその初出は従来通りにメンズヤング系列であり、コンビニ誌らしいスムーズな読み口が重視されたタイプ。
LooseSoftBitches2.jpg しかしながら、コンビニ誌においてスタンダードである快活なラブコメディにカテゴライズされるタイプではなく、寝取られやエロ調教といったエロシチュエーションに加え(←参照 店長に股間にバイブを入れられて 短編「教育的指導!」より)、ヒロインを“騙す”展開など、一定の嗜虐性や暗さを含ませる作品が多くなっています。
このため、ヒロイン側がエロへの積極性を発揮してくれる棚ボタ展開の幸福感というよりは、女性キャラクターに対して男性が優位な状態でエロを押し進めるマッシブさに魅力がある作劇と感じます。
 その一方で、そういった嗜虐性や男性の優位性を強め過ぎることもなく、実は相思相愛であったり、女性の方が一枚上手であったりと、ラスト手前で作品の印象を単行本タイトル通りに“ゆるふわ”にまとめる方法を基本としており、読後感は題材に比してかなり良好。
勿論、せっかくの寝取りネタや調教系としてラストまで嗜虐性を保って欲しい諸氏は不足を覚えると思いますが、掲載誌で想定される読者層を考えれば、この程度にマイルドにまとめた方がむしろ正攻法と言えるでしょう。
 悪く言えば、話の明暗の方向性が中途半端ではあるものの、エロシチュエーションをしっかり形成し、またエロ展開とシナリオ展開を順当に並行させる作劇の安定感が美点なのも確かです。

【巨乳&桃尻の肉感ボディを包む多彩な衣装】
 設定からして女子高生さんと考えられなくもない美少女さんもいるものの、コンビニ置き雑誌の制約上、明確に18歳未満と分かるキャラクターは不在であり、20歳前後~30代前半程度の美女さん達がヒロイン陣を構成。
短編「ぼくのメイド母」の義母さんのみやや年齢高めと思われますが、この義母さんも若々しい容姿であり、年齢層を問わずに“美少女”というより“綺麗なお姉さん”といった印象のヒロインがメインとなっていると言えます。
 動画投稿サイトでちょっとエッチなコスプレダンスを披露している有閑マダム(死語)や(短編「配信日和」)、弟君をエロ調教し、家庭教師の女性も巻き込む才女さん(短編「てほどき」)なども登場しているとはいえ、いわゆる“ビッチ”キャラは多くは無く、あくまで性的行為がヒロイン側に受容されやすい程度に捕えるべきでしょう。
LooseSoftBitches3.jpg ボディデザインとしては程良い肉付きの体幹に柔肉大盛りな巨乳&桃尻を組み合わせた肉感ボディで統一されています。お尻~太股の肉感も相応に目立ちますが、特におっぱいに関してはエロシーンを通じてその存在を強く自己主張しており、おっぱい好きには嬉しい要素(←参照 道着からこぼれるおっぱい 短編「騙し愛」より)。
肢体造形に関してバリエーションはほぼ無いと言えますが、メガネキャラを多少多めに投入したり、ナース服やセーラー服、メイド衣装などでのコスプレをヒロインにさせてみたりと、着衣や小物で視覚的な多彩さを確保しており、着衣エッチが主体であることもあってそれらのバリエーションを分かり易くさせています。
 最先端とはやや言い難いものの、十分なキャッチーさのある絵柄は、適度なデフォルメが生む親しみやすさとエロさの強調とが両立する二次元絵柄。今単行本からフルデジタルに移行とのことで、デジタルらしい作画密度の安定した高さを示しつつ、綺麗にまとまり過ぎることなく(胡乱な表現ですが)アナログ感を作画に残しているのは○。

【ヒロインの肉感ボディの存在感で魅せるエロシーン】
 エロシーンに関しては概ね標準的な分量であると言え、エロシチュエーションも過度に嗜虐性を強めることもなく、かつエロ演出も過激に突っ走ることもなく、それでいて実用性は相応に高いという、実に中庸なエロの描き方となっています
とは言っても、妙な理屈を付けたり脅しを仕掛けたりしながら、ヒロインの肢体を弄んでいき、状況をエスカレートさせていくというエロ展開の流れは、前述した調教系や寝取り/寝取られ系のエロシチュエーションでは有効に機能しており、混乱しながらも快楽に流されていくヒロイン達の姿が読み手の性欲中枢を刺激してきます。
 そこらのダーク成分の濃淡は作品によって多少の幅はあり、エロへの導入の仕掛けも異なりますが、エロ展開の組み立ては概ね共通しており、ヒロインの柔らかおっぱいやうっすらと毛の生える股間に備わる媚肉を舌やら指やらで愛撫する前戯パートと、そこですっかり濡れそぼった秘所へ挿入しての抽送パートとで構成。フェラ等のご奉仕プレイもある程度は投入されていますが、エロシチュの味付け上、ヒロインの肢体を自由に弄るという点に重点があるとも言えます。
LooseSoftBitches4.jpg雰囲気こそ嗜虐性を加える事があるとは言え、苦痛描写を行うことはほぼ無く、挿入直後から一気に性的快楽の陶酔に包まれていくヒロインは自らも腰を振り、おっぱいをばるんばるんと揺らし、ろれつの回らないエロ台詞と喘ぎ声を漏らす痴態を曝け出してくれています(←参照 短編「てほどき」より)。この乱れっぷりだけを抜き出せば“ビッチ”と言えなくもないですが、逆に清純そうな女性が乱れるというギャップの良さという趣向かなとも個人的には感じます。
 さほどページ数が多いわけではないにも関わらず、大ゴマを連発してヒロインの蕩けた表情や付き込みに合わせて揺れ弾む肉感ボディを相応のインパクトで魅せていますが、視覚誘導がやたらとスムーズになる分、1Pフルで中出し&ヒロイン絶頂を描くフィニッシュシーンまでのタメが体感的に乏しくなる傾向にあります。また、逆にカメラ位置を引いた小コマでの作画の抜け方の落差も瑣末ながら減点材料。
 例えば正常位から一旦側位に移行して、フィニッシュはバックの体位へ移行等、スムーズに体位を入れ変えていくのは地味に美味いところで、ヒロインのコスチュームやそこから露わになるヒロインの各体パーツを様々なアングル・構図で連続的に魅せていく技法は高く評価したい美点です。

 「ちょっぴりダークなエロシチュエーションでヒロインを困らせたいけど、あんまり暗かったり重かったりする話は敬遠したい」という諸氏には実に好適な作品群であり、良くも悪くも然るべき読者層に対して配慮が行き届いた作品と評したいところ。
個人的には、人の良い義母さんを騙してメイドさんへと精神的に調教していく「ぼくのメイド母」シリーズと、ツリ目の黒髪武道少女とのエッチが楽しめる短編「騙し愛」に愚息がお世話になりました。
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