2012年02月

江戸屋ぽち『きゅんきゅんスイッチ』

KyunKyunSwitch.jpgTVアニメ『戦姫絶唱シンフォギア』第7話「撃ちてし止まぬ運命のもとに」を観ました。なんというか設定の妙なインパクトに圧倒されて観続けてきましたが、クリスの正体なども含めてネタでなく正統派的な面白さが出てきたと感じます。
歌が嫌いといいながら、迷子の兄妹と歩く際に口ずさんでしまう辺り、この娘さんもやはり歌うことへの愛や決意があるのかなと思いますね。

 さて本日は、江戸屋ぽち先生の『きゅんきゅんスイッチ』(コアマガジン)のへたレビューです。なお、先生の(成年向け)前単行本『純愛くろにくる』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
ほんのりコミカル成分を混ぜつつ繊細でリリカルな作劇の中で可憐な少女達の耽美な痴態を楽しめる1冊となっています。

KyunKyunSwitch1.jpg 収録作は、高名な音楽家を両親に持つバイオリン奏者の少女が、その演奏の“硬さ”を指摘され、愛を理解するためにライバルであり頑なな彼女の理解者でもある少年に“セックス”なるものを教えて貰おうとする中編「我が儘コンツェルト」シリーズ全5話(←参照 ヒロインにとってライバルであり、彼女個人を理解してくれる少年 シリーズ第2話「我が儘レゾナンツ」より)、および読み切り短編5作。
描き下ろし作品である短編「ソラニン」(18P)を含め、1話・作当りのページ数は18~24P(平均20P弱)とコンビニ誌初出としては標準かそれをやや上回る程度のボリューム。繊細な感情表現に下支えされたシナリオの味わい深さを中核としつつ、そこに陶酔感の強いエロ描写を適量織り交ぜてくる作品構築となっています。

【甘酸っぱさに胸キュンなリリカル青春ラブストーリー】
 掲載誌である「漫画ばんがいち」は、良くも悪くも頑固であり、旧来の少女漫画テイスト満載の作風とはっちゃけたコメディタイプとを提供し続けているのですが、この作家さんはどちらの作風も描ける上に、両者を融和させた作品も描けるのが作家としての強み。
台詞を文字として表現するメディアであることを利用して、ネットスラングを連発するヤンデレ彼女さんとの色恋沙汰を楽しく描く短編「【包丁彼女】ヤミちゃん【ヤンデレ?】」、および愛しの女性のために色欲を捨てようと決意した男性の受難?を描く短編「座禅 Dynamite!!!」などは、コミカル色が強く、ヒロインの可愛らしさやユニークな展開の楽しさをほっこりと楽しむタイプ。
 これに対して、シリアス成分を含む作品においては、異性への恋愛感情やその根底となる自己の認識などに対し、少女達が悩み、葛藤し、行動する様を丁寧に描き出しており、その悩みや悲しみが男性にとって都合のよい物ではなく、彼女達自身にとって重要なものであるという描き方が「少女漫画的な」リリカル成分の豊かさにつながっています。
KyunKyunSwitch2.jpg台詞表現やポエティックなモノローグを用いることで饒舌な語りを入れることもあれば、台詞を排して視覚的表現のみでヒロインの心情を描き出すこともあるなど(←参照 まるでこぼれる涙の様に桜吹雪 短編「掌の約束」より)、語りの緩急はありながら読み手の心を単行本タイトル通りにきゅんきゅんと締めつけてくれる話回しの見事さは女性読者は勿論、男性の乙女回路をも思わず悶絶させてくれること請け合いでしょう。
 このリリカルな作風を骨子としつつ、ヒロインのキャラクター性に由来するコミカル成分を適量混ぜ込んだ中編シリーズ作は、頑なな心故に堅い演奏であった少女が、セックスの快楽だけでなく、人を愛する気持ちを知り、それに悩み、また恋路を叶えていく中で、バイオリニストとしても成長して流れとなっています。
愛こそが表現の源泉であるというテーマ性を持つこの中編作は、前述した恋愛ストーリーと成長劇が絶妙のアンサンブルを奏でており、少女と少年に与えられる祝福と同様に、他の作品もヒロイン達の恋路に幸を授ける優しいラストがメインとなっています。

【ふんわり柔らかな絵柄で描かれるキュートな不器用ガールズ】
 描き下ろしの短編「ソラニン」はお嬢様学校を舞台に華族の少女同士の性愛を描く百合モノですが、ばんがいち掲載作は稀に百合成分を含みつつ、ミドルティーン級程度と思しき美少女さん達をヒロインに据えた青春ラブストーリー。
短編「ねこふんじゃった」に登場する20歳前後と思しき唯一のお姉さんキャラも含め、恋愛を含めた対人関係に“不器用さ”のあるヒロイン陣となっており、前述のヤンデレさんの様なコミカルなキャラ造形にもつながる一方、自らの感情へのもどかしさを描き出すことがシリアスな展開の中でヒロイン達の純粋性を強調していることも大きな魅力でしょう。
 なお、ヒロイン達の心情描写を話の縦糸にすることが多いため、ギャグキャラとして活躍するケース以外では、男性キャラクターの存在感は弱めですが、決して状況に流されるだけの男性達ではなく、落ち着いた言動とブレない誠実さを保つことで、動揺するヒロインと好対照を形成しているとも言えます。
KyunKyunSwitch3.jpg 肢体造形に関しては、やや小さめに肢体を描きながら、ロリぷに感が決して強い方ではなく、程良い華奢さのあるタイプ。たっぷりサイズの巨乳の持ち主もいれば、ぺたんこバストの娘さんもおり、おっぱいサイズに幅を持たせつつ、柔らかい肌が女体を包んでいる様はエロくかつ可愛い女体の描写と感じます(←参照 余談ですが、この作家さんの描くお団子ヘア少女は実に!実に良いです! 短編「座禅 Dynamite!!!」より)。
 大きめなリボンやふわふわとした髪の毛、フリルを施した衣装などなど、衣装や小道具でも少女漫画チックなキュートネスを強化しており、その意味では狙いが濃いのですが、その濃さを感じさせないふわっと柔らかな絵柄が持ち味。なお、コマが複雑に入れ込む画面構成やトーンワークなどの絵柄の修飾は、これまた少女漫画色がかなり強めで、読み手によって馴染みやすさは多少異なるでしょう。
初出時期が約4年前と古い作品も混じっていますが、基本的な絵柄は初期から完成していたと言え、男性向けとしての萌えっぽさと魅力を共有するものが多い少女漫画絵柄で安定していると評し得ます。

【陶酔感の強さと巧みな画面構成で魅せるエロシーン】
 分量的には決して長尺とは言えないのですが、小~中コマを細かく、しかして描写の連続性をしっかり保った上で並べる画面構成は、じっくり描写を追わせることでページ数以上のボリューム感を生じさせているのは、表現手法の観点から面白いところ。
 女の子同士が絡み合う百合セックスも含め、唇を重ね、肌をすり合わせ、互いの性感帯を刺激合う前戯パートを程良い緊張感と陶酔感を織り交ぜて描き出し、徐々に高まる性的快楽によって後者がより高まっていく流れで抽送パートへとスムーズにバトンタッチ。
KyunKyunSwitch4.jpgとろとろと愛液がこぼれ出すヒロインの秘所に挿入すれば、彼女達は未知の快楽にやはり戸惑ってしまい、そこは男性読者の保護欲and/or征服欲を刺激する一方で(←参照 中編シリーズ第1話「我が儘コンツェルト」より)、パートナーの手と体に包まれながら絶頂への階段を上っていく様は十分に甘い幸福感を以て描き出されているのが美点でしょう。
 また、ヒロインの痴態を描写するために男性の体躯の描写を封殺する手法が現在のエロ漫画業界では広く認められますが、ばんがいち勢の恋愛セックスの描写においては、男性の体躯にも十分な存在感を保持させ、男女の体が重なり合い、触れ合う様に一定の重きを持たせているのが特徴です。好みを分ける要素ですし、ストレートな煽情性を損なう可能性もある方法ですが、それがきっちりと魅力になるのがこの少女漫画チックエロ漫画ならではと個人的には断固主張したいところ。
アヘ顔や断面図、エロ台詞の掃射といった派手な演出は控える一方、可愛らしく蕩ける表情や、どぎつくならないものの十分にストレートなエロさのある結合部アップ描写、切れ切れに漏れ出る嬌声などのエロ演出を核としており、穏やかでありつつ着実に興奮を積み重ねていくタイプ。
 前述した細かいコマ割りは、表情のアップや結合部見せ付け構図、二人の肢体の全体描写などをテンポ良く、かつ印象的に並べており、短めながらもフィニッシュシーンまで快楽曲線に切れ目のない構築となっているのも美点。中編シリーズのみシナリオの要請上、ラストに中出しを持ってきて、それまでは外出しという仕様ですが、その他の作品では中出しフィニッシュが基本です。

エロの濃淡の程度やシナリオの方向性などに関して、ある程度読者を選ぶタイプではあるのですが、漫画ばんがいち読者にとっては快哉を叫ぶ作風であり、お話にハートをきゅんきゅんさせられながら、ヒロイン達のエロ可愛い痴態にはぁはぁさせられる1冊。
冒頭でがっちりハートを鷲掴みにされた短編「掌の約束」にも痺れましたが、中盤までのコミカル感と終盤での乙女チック成分大爆発との調和に悶絶した中編シリーズ作が最愛でございます。お勧め!!

イコール『ららとおにいちゃん』

LalaAndBrother.jpg小梅けいと先生(原作:支倉凍砂氏 キャラクターデザイン:文倉十氏)の『狼と香辛料』第7巻を読みました。ソバカス真面目シスター万歳。まぁ、正確にはシスターではないようですが(助祭)。
自らの不在の内に故郷を失ったことをホロはエルサに重ねているのですな。となれば、“おとぎ話”には真実が含まれていると捉えるべきなのかも。そして、ロレンスの目論むとは“奇跡”とは何なのでしょうかね。

 さて本日は、イコール先生の『ららとおにいちゃん』(ジーウォーク)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『ちっちゃくて おっきくて』(コアマガジン)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
キュートなロリータヒロイン達の無邪気な恋心とぷにぷにミニマムボディとを楽しめる1冊となっています。

08f2be64.jpg 収録作は、変わった衣装を着る事が大好きなお隣のロリっ子・ららちゃんと主人公の青年、およびららちゃんのお友達のラブ&エロな日常を描く「ららとおにいちゃん」シリーズ全8話(←参照 ぱ、パンツじゃないから(以下略 同シリーズ第1話「ららとおにいちゃん」より)、および読み切り短編4作+フルカラーピンナップ。
フルカラー作品であり、実質的にはその次のエピソードの冒頭に該当するシリーズ第4話「みみとおにいちゃん」およびシリーズ第6話「ららとおにいちゃん・・・と?」(共に4P)を除き、1話・作当りのページ数は12~20P(平均17P強)とボリューム感はやや控えめ。穏やかでライトタッチの読書感に仕上げられており、その中でロリ属性の強さによって満腹感を増すエロシーンを提供する作品構築となっています。

【ふんわりと優しい雰囲気のハッピーロリータ】
 コアマガジンでは巨乳ティーンを描く一方で、こちらの出版社ではガチのロリエロ漫画をメインとする作風の使い分けをしていますが、ほんわかと優しい空気を纏うラブコメ・エロコメ系統である点は共通
ひょんなことからお隣の娘さん・ららちゃんと関係を持つことになった主人公の日常は、ららちゃんの無邪気な好奇心とお兄ちゃんへの純粋な恋愛感情とに振り回される日々でもあり、関係性の進展は少女達の側に委ねられていると言えます。
 短編「南極料理娘」や短編「のんちゃんのお注射だいすき!?」の様に、男性側の“おねだり”にヒロインが根負けしたり、女の子を騙してセックスに持ち込んだりといった展開が認められるものの、男性達も悪人ではなく、幼い女の子達からその純粋性と幸福を奪い取ることは決して為さないのは大きなポイント。
LalaAndBrother2.jpg 一応は続きモノである「ららとおにいちゃん」シリーズにおいても、特にストーリー性はなく、各種イベントに合わせたシチュエーションのエッチを重ねていくだけに過ぎないと言えばそうなのですが、その反面二人のラブラブ感も諸所に散りばめられていることは(←参照 二人は優しいキスをして シリーズ第8話「ずっと!ららとおにいちゃん」より)、甘く幸福な読書感を生み出しています。
 また、擬人化やパロディなどといった漫画チックに楽しい手法を得意とする作家としての特徴を今単行本でも示しており、ちっちゃな女の子が南極基地で料理長として隊員たちのご飯と(性的な意味でも)おかずを用意する短編「南極料理娘」や、お茶ではなく男性のち○こを勃起させる(つまり“たてる”)茶道?のロリ師範がお点前をお弟子さんに示す短編「らぶみるくしゃわぁ」などがその好例。
 いずれの作品もストーリーそのものの面白みはさほどないのですが、小気味良いほのぼのギャグでまとまるラストまでワンアイディアの面白さと平和で優しい雰囲気との魅力でスムーズに読ませてくれる作品が揃っています。

【ぺたんこバストなロリプニボディ】
 明確に年齢を説明する記号的要素や設定を付随させない年齢不詳の娘さんもちょこちょこ存在していますが、その外見等から推定して二桁に到達しているか怪しい年齢層の小○生ヒロインズでヒロイン陣を統一。
 性に関して知識皆無の純真なタイプの女の子もいれば、男性を手玉にとってエッチに持ち込むタイプの少女もいるのですが、どのような場合でも行動に打算や企みが無く、純粋な好奇心や好意、子供らしい突飛なロジック等に基づいてエッチへと飛び込んで来てくれるアリス達が勢揃いというのが大きな特長でしょう。
そんな年端もいかない女の子達に手を出してしまう男性連中は、まぁその性欲に忠実すぎるという点で“悪い”面もあるのですが、前述した様にヒロイン達を悲しませることはせず、両者の間に信頼関係や恋愛関係が緩やかに形成されているのが作品の雰囲気を心地よい物にしています。
LalaAndBrother3.jpg シリーズ作の途中で登場するららちゃんの友人の一人などは、ちんまい肢体にたっぷり柔肉が詰まったもちもち巨乳をお持ちのトランジスタグラマーさんですが、肢体造形の基本は無論、ぺたんこお胸、イカ腹気味の下腹部、ツルツル仕様で一本筋が中央を走るお股等、ロリプニ感を潤沢に盛り込んだお子様ボディとなっており(←参照 平坦な胸に比してぷりぷりなお尻 短編「南極料理娘」より)、ややペド寄りの水準にあります。
等身低めでボディの輪郭にかなり強く丸みを効かせる肢体造形がこのヒロインの印象における年齢の低さを強化しており、その上でひざやほっぺたのスベスベ感などをトーンワークで描き出してり、キュートでありながらも、ある種のクセを感じさせる程に強めのエロティックさを組み込んだ絵柄と評し得ます。
 初期の作品なども落ち穂拾い的に収録されているため、単行本を通しての絵柄の統一感はどうしても弱くなり、古い作品では近作に比べて表情付けや画面構成で見劣りする部分はあるものの、表紙絵と同クオリティで画風の共通性の高い作品群が占める割合が遥かに高いので、大きな減点材料ではないでしょう。

【ヒロインのちんまいボディが快楽に身悶える濡れ場】
 エロシーンはさほど長い尺を有しているわけではありませんが、可愛らしいロリっ子達がピュアな心根のままでエッチに積極参加してくれるという状態への背徳感・罪悪感が興奮を高める大きな要因であり、挿入パートにおいて彼女達の無垢さを描くことはここに対して貢献していると言えます。
 前戯パートと抽送パートの量的配分も適切であり、先ずはヒロインの小さな肢体に備わるちっぱいやプニプニとした質感の恥丘を指や舌で丁寧に愛撫すると共に、少女達が小さなお口で肉棒を咥えてくれるフェラ描写も頻度高く投入。
口内射精を投入するか否かは作品によって異なりつつ、この時点で十二分に高まった性的陶酔感によって抽送パートへ移行しており、肉棒が全て収まりきらない程小さな子供おま○こがみっちりと男性器を包み込み描写を交えつつ、リズミカルに淫蜜の水音を奏でていきます。
 双方のエロパートにおいて、男性と女児の体格差を活かしたポージングを用いていることが多いのも特徴的で、少女の体を中空に浮かせたり、フェラをしてもらいつつ背越しに股間弄りをしたりといった構図はその例。ロリっ子達が多数のちんこに囲まれてしまうケースもありますが、基本的には彼女達を拘束・圧倒するような体勢でないのは重要な点であり、特にラブエロ系では一方的でなく二人の共同作業として描くことにつながっています。
LalaAndBrother4.jpg丸みがありながら勢いを感じさせる筆使いの描き文字擬音や、ハートマークを多用し淫語も五月蠅くならない程度に搭載した説明的エロ台詞、肉棒の先が子宮口にキスをする断面図描写といった、飽和感や視覚的な派手さのある表現を用いつつ、表情変化は蕩け顔に留めてあくまでヒロインの可愛らしさを維持させるスタイルは(←参照 シリーズ第2話「ららとおにいちゃんのオネツ」より)、キャラの魅力とエロの演出が良いバランスで両立されていると言えます。
 男女双方がすっかり快楽に酔って下半身をパワフルにぶつけ合うエロ展開終盤は、ロリっ子さん達の中出し要請に男性側がトドメを刺されて小さな膣内に白濁液を注ぎ込み、それがヒロイン側のアクメも導くという算段であり、性的絶頂に蕩ける彼女達の喜悦と痴態を1Pフル~2P見開きでがっつり見せ付ける構図で良好な抜き所を形成しています。

 この作家さんの描く、巨乳美少女さんもロリロリガールもどちらも好きなのですが、特にヒロイン造形とエロの盛り上がりが相乗効果的に機能しているのは、こちらのロリエロ系で顕著という感もあり、今単行本もキャラの良さ・エロの多幸感で魅せてくれています。
作品の核となるネタだけ抽出するならば短編「らぶみるくしゃわぁ」の特殊性に痺れますが、このキャラの良さとエロの良さの同時強化という観点ではららちゃんとのラブラブ&エロエロな日々を描くシリーズ作が最愛でございます。

海野螢『アリスの二つの顔』下巻

TwoFacesOfAliceThird.jpgTVアニメ版『探偵オペラ ミルキィホームズ 第2幕』第8話「愛おしいよね」を観ました。な、なんと、コーデリアさんに幻惑のトイズが!他人さえ妄想に引き込む(ただし現実逃避に限る)デリアさんは相変わらず人間離れしてます。
石流さんの熱い励ましもある程度影響したのでしょうが、どん底に落ちても夢に向かって前向きに頑張ろうとするミルキィ達の姿は本当に素敵だな、頑張って欲しいなと感じます。

 さて本日は、海野螢先生の『アリスの二つの顔』下巻(松文館)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『アリスの二つの顔』中巻(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
技巧的な作画・演出に裏打ちされたシリーズ最終巻に相応しい高揚感のあるドラマ性が魅力となっています。

TwoFacesOfAliceThird1.jpg 収録作は、漫画の神様・アリスに助けられつつ商業誌での連載を好評の内にスタートさせた駆け出しエロ漫画家の主人公の元に今度は彼の漫画のファンだという少年が現れて~な長編「アリスの二つの顔」第19話~最終28話(←参照 この子が後々重要なファクターに 長編第19話「願望の国のアリス」より)。
言うまでもなく、同作の上巻および中巻を読んでいないとキャラクター設定やストーリーの肝心な部分が分からないため、今単行本を楽しむ上では前2巻の読了は必須です。
 1話当りのページ数は最終話のみ26Pであり、他のエピソードは20Pで中の下クラスの分量で固定。分量的には控えめながら十分なアグレッシブさのあるエロと、テーマ性を十全に活かした作劇の強固な存在感で魅せる、読み応え十分な作品構築となっています。

【容姿がそっくりな貧ショーヒロインが今回のメイン】
 上巻では美人女性編集長の艶姿があったり、中巻では主人公のライバルとなる女性漫画家を登場させていたりするものの、今回は基本的に主人公と漫画の神様・アリス、アリスにそっくりの容姿の女性編集者・ありさとの関係性の描写に集中。
容姿が瓜二つであるアリスとありさの関係は、現実世界と想像の世界が入り混じる本作における両者の曖昧な境界を象徴するものであり、特にアリスの“正体”が情感豊かに描き出される最終話は、未知の宇宙線が主人公に叶えてくれた“虚構”の世界に感謝と別離を示すものとなっています。
 エロシーンに登場するのも、とある例外を除いて基本的にはこの二人(と言うべきかは怪しいが)であり、貧乳・ショートヘア・生えかけなアンダーヘアとこの作家さん恒例の肢体造形となっています。
TwoFacesOfAliceThird2.jpg なお、主人公の男性漫画家の作品や好みとリンクする形式でコスプレ要素が多いのが今単行本の特徴であり、ランドセルを背負ってみたり(←参照 長編第21話「子供の国のアリス」より)、郷愁を誘う正統派セーラー服やブルマ体操服を着させてみたりと、設定上キャラデザインが固定されていることによる視覚的な多彩さの減衰を一定程度回避。
 作中の人物である主人公が描いた漫画がそのまま読者が読む形式ので“漫画”(つまりこの単行本)になっていたりと、作画面での読者の現実、作品世界の現実、そして作品世界での虚構が入り混じる状況をよく再現しているのも特筆すべき点でしょう。
 絵柄的にはベテラン作家故に強く安定しており、表紙絵と同水準でクオリティで楽しめます。今単行本派これまで以上に登場人物の喜怒哀楽の表現が生き生きしていた感があるのも◎。

【程良くアグレッシブながら分量的には不足気味のエロシーン】
 上巻・中巻に引き続き、ストーリー展開に分量を圧迫されるエロシーンは長尺とは言い難く、エピソードによっては前戯パートのみで終わったり、射精シーンが存在しなかったりと、実用面に関して親切とは言い難い濡れ場ではあります。
とは言え、実はこの挿入寸止め展開が後々への伏線へとなっていたり、ある意味で描かないことが作中の現実での状況とリンクしたりするため、作品全体の評価にとってマイナスだけの要素ではないでしょう。
 前述したコスプレHという要素を除けば、エロ展開は割合シンプルにまとめられており、ピストン運動の尺に欠けるパターンが多いものの、ヒロインの肢体をまさぐる愛撫でヒロインの肢体が徐々に解きほぐされていく描写などである程度興奮の“タメ”を設けてるのは有難いところ。
TwoFacesOfAliceThird3.jpg抽送パートに移行する場合には、既に愛液を十分潤滑した秘所に挿入して、小さなバストを揉みながら抽送を繰り返していき、きゅっと瞳を閉じた表情の緊張と快感に支配されていく肢体の弛緩とを両立させることで、派手さこそ無いものの、徐々に煽情性を積み上げていきます(←参照 長編第23話「規制の国のアリス」より)。
 この作家さんらしいコマの外の余白を多めに使う特殊な画面構成故に、ぎっちり描き込んだ密度の高さとは無縁であるものの、結合部のアップ構図から肢体全体の描写への切り替えや、体の動きといった絵の流れをスムーズに追わせる手法は高い技術力の証左。
 いわゆるフィニッシュシーンが用意されないこともあるものの、ある場合には結合部見せ付け構図で絶頂を迎えるヒロインの膣内に中出しを敢行する様を大ゴマで描き出しており、全体的に実用性が高いとは言い難い一方で、エロ展開終盤での盛り上げの強さはしっかり意図されているのも確かでしょう。

【作中の漫画と作品としての漫画の双方から放たれる想い】
 現実と虚構が入り混じるメタフィクションというストーリーにおいて、上述のアリスとありさの関係と共に今回テーマとなっているのは、やはり「現実と虚構」の認識が重要である創作物規制の問題。
主人公の漫画がやり玉に挙げられ、雑誌自体も休刊へと追い込まれる状況は、いわゆる“松文館事件”と都条例問題、そして大きな懸念材料である児童ポルノ法改正問題をミックスしたものであり、それに何とか対応した作品を描こうとする主人公の苦悩も含め、フィクションでありながら確たるリアリズムを以てそのテーマを読み手に訴えかけてきます。
TwoFacesOfAliceThird4.jpg 主人公の漫画家としての努力、出版社の送り手としての努力、そして何より彼らによって世に送り出された作品を愛する読者によって(←参照 長編第27話「現実の国のアリス」より)、主人公達が逆境を跳ね返す展開は十二分なドラマ性を有しており、いわゆる“マンガ家漫画”として創作することを強く肯定する頼もしさは間違いなく美点。
 個人的には、この作家さんの主張と相容れない考えもあり、ある種の搦め手によって勝利をもぎ取る展開にご都合主義を感じることに加え、規制派と言われる人達を“悪役”に矮小化して問題を解消する描き方には強く反発を覚えるのは確かです。
とは言え、作品の評価にその辺りの意見の違いはあまり影響していません。最終巻までを読み、僕は本作がこの出版社で、この作家さんにより出されたことに大きな価値を感じます。僕は叫んで欲しかったのです。理不尽な裁判とその後も延々と続いた締めつけで苦しんだこの出版社に、自分のコダワリ故に規制問題との絡みで苦労したこの作家さんに叫んで欲しかったのです。それも生の声ではなく、漫画という創作物を通じて“俺たちは何も悪くないんだ!”と叫んで欲しかったのです。それが叶ったことは何と幸福なことでしょう。
 勝利の大団円は、しかして本作のラストではありません。鏡像の如く共に存在し続ける現実と虚構を祝福し、人の作りだした虚構が現実の人の生を善きものにしてくれることを高らかに謳うことで迎えるラストは、創作物を愛する諸兄の胸に熱く優しい何かを湧き上がらせてくれるものと確証しております。

 “現実と虚構の曖昧な境界”はこの作家さんのこれまでの作品でも多く用いられたモチーフでしたが、こういった方向性に持っていったのは、意外でもあり、また同時に非常に納得の出来るものでもありました。
抜きの高低は当ブログのレビューでは絶対不可欠な評価要素であるため、辛い評も書いてきましたし、それを撤回する気も微塵もないですが、完結を心から祝すると共に、ストーリー重視なエロ漫画をお求めな諸氏に強く推薦したい1冊でございます。

かかし朝浩『ドM改造計画』

MRecreatePlan.jpgくぼたまこと先生の『天体戦士サンレッド』第14巻(スクウェア・エニックス)を読みました。表紙はウサちゃんですが、ぬいぐるみ怪人達の中では今回ウサコッツが目立ってましたね(主におっさん要素で)。
いやはや、かよ子さんの甘やかしっぷりが今単行本ではかなりのもので、レッドさんが羨ましいですなぁ・・・。あと、ヘンゲル将軍の“山&谷”理論、さすがIQ150の痴将知将ですなぁ。

 さて本日は、かかし朝浩先生の『ドM改造計画』(一水社)のへたレビューです。成人向けには久しぶりの復帰となる単行本ですが、司書房回顧企画で書いた『全裸の王女』(司書房, 1999年)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
性転換に肉体改造、催眠凌辱などなど奇抜な設定と特殊なエロ要素がポンポン飛び出る怪作となっています。

MRecreatePlan1.jpg 収録作は、ドMな性癖を隠し持つ美人キャリアウーマンが偶然同レベルの変態ドSに巡り合ってしまって~な「ドMの品格」シリーズ前後編、ぶっ飛んだ性化学を研究するマッドサイエンティストな美女が助手達に押し付ける無理難題な「博士の異常な欲情」シリーズ全3話(←参照 勤務初日でいきなり女体化されるという 同シリーズ第1話「博士の異常な欲情」より)、および読み切り形式の短編2作。
1話・作当りのページ数は20~24P(平均23P弱)と標準的なボリュームで安定。エロ・シナリオ共にボリューム感があるタイプではないものの、双方ともインパクトが強く、パンチの効いた1冊と評したいところ。

【トンデモな状況を生み出す変態ギャグ的エロ話】
 いずみコミックスレーベルからの単行本となりますが、収録作の初出は一水社の親会社に相当するメディアックスがWEBで出している「コミックしちゅぷれ」であり、各作品はエロシチュエーションの形成に特化したタイプの作劇となっています。
 キツイ性格のドM美人さんをハードなプレイで調教する「ドMの品格」シリーズ第1話や、高飛車なイジメっ子を催眠状況で凌辱する短編「催眠の魔女」などの様に、凌辱寄り・強要寄りの導入パートがあることは多く、全体的にラブラブ感のある作品を望む方には不向きでしょう。
しかしながら、暗く重い話では全くないのも特徴であり、ドSな男性に圧倒されつつその状況に幸福を得てしまう「ドMの品格」シリーズの美人さんや、上司である美人科学者に改造されながらもなんだかんだで女体化された自分に馴染んでいく「博士の異常な欲情」シリーズの男性達が示す様に、特殊なエロやそこへの強行軍などはドタバタギャグの一環として機能しています。
MRecreatePlan2.jpg 調教モノの作品において主人公の男性調教師を補助する役割のキャラクターをドキュメンタリー風に紹介してみたり(←参照 プレイ時のお漏らしを掃除中の助手さん 短編「調教助手~ご主人様にご奉仕なさい!~」より)、女体化だけには飽き足らず女体化した上で自分の男性としての体や未来から来た自分とのセルフセックス(オートエロティシズム)が敢行されたり(「博士の異常な欲情」シリーズ)と、作品設定に関する目の付け処の面白さ、アイディア力も大きな魅力。
 インパクトのある状況・展開を速射的に投入する分、ギャグエロとしての勢いや面白さがありつつ、その一方で滑らかな読書感や抜きへの集中のし易さなどはやや弱いと感じられる可能性はあります。
突飛なエロ展開や状況を発生させつつ、作品のラストはギャフンオチやフェードアウト系のまとめ方となっており、その緩い雰囲気故に読後感は意外な良好さを伴っています。

【目つきの鋭い変態美人さん達に存在感】
男性から女性への性転換も描かれるため、“ヒロイン”の定義がやや難しいですが、各話のヒロインの年齢層は10代後半~20代後半程度と思われ、成人女性(元・男性を含む)の登場頻度が高め。
MRecreatePlan3.jpg「博士の異常な欲情」シリーズは女体化にふたなり改造、更には両者を組み合わせてち○こだけ男性に戻った自分とセックスといった変化球がバンバン投げ込まれており(←参照 弟が女体化して姉がふたなり化というトンデモな状況 同シリーズ第3話「博士の恋愛改造論」より)、苦手な人にはキツイでしょうが、このエッジが効きまくったスタイルは個人的には頼もしさとも感じます。
また、「ドMの品格」シリーズの女性キャリアウーマンや「博士の異常な欲情」シリーズの博士、短編「調教助手」の助手さんなど、時に傲岸不遜に感じるほど気の強い女性キャラクターが多く、ツリ目気味の顔付きがいかにもその類のキャラクターとしてハマっています。また、後述するように、そんなプライドの高い女性たちがエロでは激しい痴態を見せ付けるというギャップも実用性に関する美点でしょう。
肢体造形面に関しては、適度な肉付きの体幹に柔肉をたっぷり詰めた巨乳・桃尻を組み合わせたタイプで概ね統一されており、ふたなり等の要素を除けば、割合シンプルにまとまった感があります。特定の体パーツにコダワリのある描写はない一方で、分かり易くエロイとも評し得るでしょう。
くっきりとした描線がやや鋭角的に引かれる絵柄は、少年漫画チックにカラッとした健康さを有していますが、唇に濃く引かれた口紅や股間に茂る陰毛とある種の下品さも持つ淫猥な描写と組み合わさることでアンビバレンツさのある煽情性を喚起。もっとも、それはクセ・アクの強さと感じられる可能性も低くないことには要留意。
十分なキャリアを有する作家さんなのですが、デジタルツールの導入によってそれに馴れていた時と馴れていない時とで絵柄の安定感が異なる印象があり、多少の減点材料。また、表紙絵とベースとなる絵柄は共通しているのですが、表紙絵では塗りによる印象の変化が結構大きいとも感じます。

【過激なエロ演出を施す特殊なエロプレイの数々】
 エロシーンが分割構成されたり、エロよりもギャグとしての面白さに吸収されてしまったりするため、抜きツールとしてたっぷりエロ描写を味わい、かつそれに集中しやすいかというと少々疑問が残るのは確かでしょう。
 しかしながら、決して万人向けの要素でないとは言え、調教エロや催眠凌辱、女体化など、それぞれ特殊なエロの方向へと特化し、導入パートで蓄積された突飛な要素が雪崩を打ってエロ要素に変換されることで短めの濡れ場に一気に盛り上がりが生じるのは面白いところ。
女性の体になって男性として知りえなかった性的快感に酷く混乱したり、ドMさんがハードなプレイの数々に心をこじ開けられたりと、性的快楽が徐々にヒロインの精神を浸食していくという流れの適切さも実用性を底上げしています。
MRecreatePlan4.jpg また、体感的に少なめな分量を補う様にエロ演出はかなり強力に仕上げられており、舌を突き出して白目を剥くというドギツさのあるアヘ顔や、すっかり理性がはじけ飛んでいる白痴系のエロ台詞、あからさまな結合部見せ付け構図などの集中投入によってアブノーマル感や過激性を強化(←参照 女体化して2本挿しされちゃう男性 シリーズ第2話「博士の愛した性癖」より)。
前後の穴に同時挿入したり、拘束プレイをしたり、オモチャを使って性感帯を攻めたり、羞恥プレイを絡めたりと、エロシチュエーションは様々で、いずれにしても“特殊なプレイが特殊な快感を生む”という前提に忠実な作り。ただし、この手数の多さは魅力であると同時に、エロシーンの分割化を加速させている要因でもあります。
 エロ展開では複数ラウンド制を概ね徹底しており、膣内射精を連発したり、前戯パートで白濁液をぶっかけを投入したりしつつ、大ゴマ~1Pフルで描かれるフィニッシュシーンは絶頂アクメに獣じみた嬌声を絞り出すヒロイン達に中出しを決め込んで十分なアタックで〆ています

 内容的にも絵柄的にも大なり小なり読み手を選ぶ傾向にありますが、懐かしさを感じる破天荒なドタバタ感やエロを特殊な方向に威勢良く暴れさせるパワフルさは実に魅力的な要素。
個人的には、設定のアイディアの勝利と言うべき、性調教の助手さんに密着レポートな短編「調教助手~ご主人様にご奉仕なさい!~」が一番のお気に入りでございます。

Dr.P『僕んちのミカゲさん』

MyNinjaMikage.jpgTVアニメ版『Another』第7話「Sphere joint -変調-」を観ました。のっけからのスプラッター展開に思わず仰け反りましたが、そりゃこの状況なら夜見山から逃げ出すのが自然な反応ですな。
災厄を止めるために強行される合宿ですが、どんなおどろおどろしいものになるかと思ったら、次回水着回!?美少女揃いのクラスなので、楽しみですな、たぶん誰か死んじゃうでしょうが

 さて本日は、Dr.P先生の『僕んちのミカゲさん』(富士美出版)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『恋愛スタンピード!』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
もっちりヒップ&控えめバストの美少女さん達との明るく楽しいラブエロ話が詰まった1冊となっています。

MyNinjaMikage1.jpg 収録作は、倒れていたところを心優しい少年に介抱してもらったくのいちガールが、主人への忠義を(性的な意味でも)果たしつつその学友さん達の恋路も応援なシリーズ作全8作(←参照 主人の無邪気発言で初めての夜伽へ シリーズ第1話「僕んちのミカゲさん」より)、および読み切り短編2作+おまけの4コマ漫画8P。
なお、短編2作に関しては前単行本に収録された「まひるフルスピード」「明乃ポートレイト」の後日談であるため、前単行本を既読であると楽しさが増しますが、話のつながりは強くないので今単行本から読んでも特に問題ないでしょう。
 おまけ漫画は除き、1話・作当りのページ数は8~18P(平均17P弱)とコンビニ誌初出としては標準的な部類。基本的に軽快な読書感を旨とした作りであり、その中で調度良い濃さのエロをお届けしてくれるのも読みやすさ・使いやすさに貢献しています。

【小気味良いラブコメスタイルで描く青春ラブエロ話】
 基本的な作風は、思春期の少年少女の恋とエロのお話をコンビニ誌らしい快活なラブコメテイストでお届けするものであり、ヒロインのキャラクター性の魅力を中核に据えて話を回していきます。
 話数的には長編作に該当するものの、今回であれば女忍者であるミカゲさんを中心にして緩くつながる登場人物達それぞれの恋路をオムニバス形式で描いているため、短編作品として個々に楽しむことが可能な構成はこの作家さんの十八番。
MyNinjaMikage2.jpgシリーズの中盤では、ミカゲさんと御主人である少年のラブラブ感は一旦抑え、ミカゲさんが少年のクラスメイト達の恋路を謎のアイテムや強硬手段で後押しするお話になっており(←参照 涼しい顔で無茶をするミカゲさん シリーズ第4話「図書室のユミコさん」より)、ドタバタ感もありつつ青春ストーリーとしての甘酸っぱさなども完備。
あとがきに依れば、シリーズ第1~2話に相当する「僕んちのミカゲさん」の好評によって続きモノとなったシリーズ作の様ですが、そういった“手助け”をしていく内に、お話が再びミカゲさんと御主人さまのエピソードへと回帰し、彼ら自身もまた幸福な関係を築き上げるに至る安定したまとめ方となっています。
この、各話のコンパクトなまとめ方とシリーズ全体としてのきっちりとした仕上がりという点で雑誌連載という形式に強く順応したものと言え、この作家さんのオムニバス形式の美点。もっとも、長編作としての骨太なドラマ性は敢えて形成されていないタイプであるため、基本的には軽快さ重視のシナリオです。
 短編2作に関しては、後日談という性質上、既に恋愛関係が成立しているカップルさん達のお話なので、イチャイチャ感がより鮮明になっており、同時にエロまっしぐらな清々しさもある作品となっています。

【性格設定の面白さとお尻のエロさが魅力の美少女さん達】
 短編「明乃アフター」に登場する主人公の姉にして女教師な美人さんが唯一のアダルト美人ですが、学園を舞台にするシリーズ作であるため、ヒロイン陣の主力はJK美少女さん達。くのいちなミカゲさんの年齢は不詳ですが、概ねハイティーン級と思われる容姿です。なお、ショートヘアキャラが多いのはいつも通りなので、そのスジの方(いつもの如く、)はご安心を。
 ヒロインのキャラクター性が肝要な作劇スタイルであり、クーデレタイプのミカゲさんやお嬢様タイプに素直になれない幼馴染、ちょっと不思議ちゃんなマイペース娘などのキャッチーなキャラ属性を用意。そういった性格設定は、女の子達にその心情を即座に見通せない“不思議さ”のベールを被せることで、男性キャラクター達と読者の心を引き付ける魅力を有しているのはキャラ造形上の大きなポイントでしょう。
MyNinjaMikage3.jpg 一部の女性キャラクターは掌から溢れるたっぷりおっぱいをお持ちですが、ミカゲさんを初めとしてバストは貧~並サイズなのでおっぱい星人はまわれ右。表紙絵でアピールしている通りに、この作家さんのボディデザインの最たる魅力はもっちもちな質感を放つ安産型ヒップであり、構図やエロプレイにおいてもお尻の存在感をしっかり描き出しています(←参照 この構図こそ! シリーズ第8話「僕んちのミカゲさん3」より)。
お尻~太股の肉感に比して、肢体全体はすらりとスレンダーなタイプなのですが、肉付きの弱い“細い肢体”では決してなく、筋肉でしっかりと“締まったボディ”であることが大きな特長。武芸に秀でたくのいちさんやスポーツ少女の登場頻度が高いので、この肢体描写との相性は非常に良いと言えます。
 なお、スパッツや競泳水着、ミカゲさんは褌と言い張るヒモパン等々、素肌にぴったりと張り付く衣装を頻度高くチョイスしており、更には汗や愛液に濡れてそれらの衣装や下着、シャツなどが柔肌に張り付く様子などもなかなかに淫靡。これらは、導入パートや前戯パートのエロの盛り上げに貢献している要素になっています。
 絵柄に関してはくっきりとした描線を持つキャッチーなアニメ/エロゲー絵柄であり、また単行本を通して表紙絵と同クオリティで安定しており、読み手をあまり選ばないと評し得ます。

【程良い陶酔感の中でヒロインの肢体をたっぷり味わうエロ描写】
 各話のページ数の関係上、濡れ場は長尺とは言い難い面もあるのですが、的確なシナリオ回しで前述した“不思議のベール”が外されたヒロイン達の性格面での魅力が痴態描写に合わさることで、性愛の幸福感や開放感を高めているのは実用性を底上げする要因。
 前戯パートに十分な尺を設けるエロ展開が特徴であり、控えめサイズながら敏感なちっぱいの先端やすべすべ仕様の股間に備わる秘所などを丁寧に愛撫する描写を先ずは投入。この際に、下着などの上から愛撫することが多く、前述した肢体の濡れた質感による官能性が美点になっています。
女性器描写に淫猥さが不足している感がありますが、絵柄のキャッチーさとの相性はむしろ良いとも言えます。また、その分、性器描写のストレートさに依存することを避け、バスト&ヒップの肉感を十分に打ち出すことに注力しており、前戯パートでも腰回りの肉感を活かす尻ズリや素股、巨乳キャラ限定とは言えパイズリを投入したりとプレイにもエロボディを活かしています。
この前戯パートは十分なタメを形成するという意味で加点材料でもあり、また射精シーンも設けられることが多いのですが、逆に言うと抽送パートの尺を圧迫することが多いのも確かであり、十分なアグレッションを持つピストン運動がやや早めにフィニッシュシーンへ駆けこんでしまうのは勿体ないところ。
MyNinjaMikage4.jpg ラブエロ系として正常位を選択するケースもありますが、ヒップの肉感を強調するためにバックの体位およびカメラ位置を選択することが多く、快楽に仰け反る女体を後ろから鑑賞可能(←参照 短編「悩めるミトナ先輩」より)。このため、ヒロインの表情が見えにくいという状態も生じてしまうのですが、ほんのり蕩けた表情は元々強烈なエロアピールよりも甘い陶酔感を表現することに価値があるタイプであり、表情変化の強烈さ・多彩さで魅せるタイプではそもそもないでしょう。
お尻にぶっかけるフィニッシュシーンも1回あるものの、互いに求めあう肢体を密着させた状態、すなわち淫洞の最奥までち○こを挿入した状態で、中出しを敢行することが基本の仕様であり、絶頂の快楽にぴくんと肢体を反応させるヒロインの痴態をやや大人しめながらも、確かな高揚感を以て大ゴマで描き出しています。

 スレンダー貧乳なお尻ガールが好きならばマストバイな1冊であり、訴求層の広い王道ラブコメスタイルながらオムニバス形式の順守や着衣や髪型へのコダワリ等、この作家さんらしさが強く保たれているのは非常に頼もしいところ。
クールながら忠臣なミカゲさんが個人的には一等お気に入りで、是非後日談を描いて次回の単行本に収録して頂きたい所存。
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