2011年12月

2011年私的ベスト20作

恒例となりました年最後の更新、2011年マイベスト20作発表となります。お待たせを致しました。
なお、管理人が2011年に発売された成人向け新刊単行本(発売日はアマゾン準拠、新装版・アンソロジーは除く)の中で購入・読了した作品数は287作(内、未レビュー9作)。今年発売されたエロ漫画新刊がアンソロジー本を除いて575冊(えろまんがけんきゅう(仮)さん調べ)ですので、今年も概ね半数の単行本を読んでおります。
今回のランキングに当っては、上半期ベスト10と下半期ベスト10の結果を踏まえた上で、それらで“惜しくも選外”となった作品も加えた34作品(上半期16冊・下半期18冊)をノミネートし、その中から再び選考を致しました。
毎年々々繰り返しておりますが、年間ベストに限って付けている順位は、僕の主観が強く働いたものですので、あくまで目安とお考え下さい。
また、順位の判断基準は、いつも通りに、“抜ける”“熱い”“インパクトがある”“泣ける”“笑える”“コダワリが光る”等々、様々な要素を含んだ僕にとっての“エロ漫画としての面白さ”です。

各作品の詳細なレビューはそれぞれのリンク先の個別記事、または上半期ベスト下半期ベストの短評をご参照下さい。
当記事内では、雑感やランクインの理由等を記しておきます。
前置きが長くなりましたが、今年輝いていた素晴らしい作品達を、第20位から発表です。

20位 蒟吉人『Bitch Trap』(富士美出版)
BitchTrap.jpg上半期では“惜しくも選外”の5作にも入らなかったものの、この作品の持つ90年代チックな郷愁がどうしても忘れられずにランクイン。
女性の肢体のエロティックさなどを十分な魅力としながらも、実に泥臭いコミカルさのある作風は独特で、実はエロ漫画のオールドファンにこそ進めたい1冊。
こういった作風がまだまだ商業でイケるってのは嬉しいことだと思いますね。→単行本レビュー

19位 JUN『純愛メロウ』(茜新社)
PureLoveMellow.jpg今年はやたらと勢いを感じた天魔レーベルの初単行本組の中で、特に輝いていた作家さんの一人。下半期ベストの“惜しくも選外”から復活のランクイン。
作品の構築自体は割合にスタンダードなラブコメ系ではありますが、非常にガツガツとした欲望の勢いでエロを魅せる優良抜き物件という印象があります。
それでいて、その攻撃性を包み込むラブエロ系としての甘い幸福感があり、総じてバランスに優れた1冊と感じました。→単行本レビュー

18位 石川シスケ『みだらなけもの』(ワニマガジン社)
EroticBeasts.jpgここのところ、以前ほど熱心に快楽天本誌を読まなくなってきてしまったのですが、改めてこの雑誌の持っている独特な魅力を感じさせる1冊。
初単行本故に、固まっていない部分はあるのですが、何処かすっトボケていたり、気だるい感じがしたりと、うるさくない程度のサブカル臭が漂うのが面白いです。
視覚的にも黒ベタが妖艶さを醸し出していて、白黒絵の魅力が際立っているのも特長でしょう。→単行本レビュー

17位 内々けやき『発情楽園』(ワニマガジン社)
EstralParadise.jpg『ハッピーノーリターン』(コアマガジン)とどちらを選ぶか悩んだ末に下半期ベスト“惜しくも選外”から復活ランクイン。
作風の引き出しが多く、青春ラブの叙情性からダーク系の切れ味の鋭さまで、いずれも読み手に鮮烈な印象を与える魅力も両単行本で共通。
ただ、作風が様々でありながらも性愛のもたらすものの大きさという点でこちらの方がまとまりが良かったなと思って選出。→単行本レビュー

16位 MARUTA『アマノジャクが恋をして』(富士美出版)
ContraryLove.jpg前単行本が2009年ベストで第3位であったのに比して順位をかなり下げたものの、基本的な魅力は変わりません。
今回の中編作の話の座りがちょっと悪かったかなぁとは感じるのですが、そこらのいい意味での“曖昧さ”も作劇の魅力の一つである分、なかなか判断には悩みました。
とは言え、お姉ちゃん系ヒロインの魅力がグッと高まったのは今回の大きな収穫かなとも感じております。→単行本レビュー

15位 夏庵『オトメドリ』(コアマガジン)
RobbedVirgins.jpg上半期ベスト10から順当にランキング入り。1冊目ではやや抑え気味であった寝取られエロの強烈さをむき出しにしてきたのは見事。
メガストア系列でやったことにこそ意味がある作劇であるとも言え、序盤のオードソックスなラブコメ模様から猛烈に話を切りかえしてくる鋭さはそれ故の輝きを持っています。
寝取られが苦手な方には完璧な毒薬ですが、その凄みに痺れましたねぇ。→単行本レビュー

14位 宮内由香『青の時代』(茜新社)
BluePeriod.jpg作家の強烈な個性で魅せる作品群とスタンダードなハッピーロリータが入り混じるLO系列において、前者に属しつつも両方の魅力を抑えているとも言うべき1冊。
個々の作品単体でしっかり魅せながらも、描き下ろしの後日談掌編を多数付け加えてくれたサービス精神も特長で、それぞれの作品の魅力を伸長させる構成であったと言えます。
前単行本から結構間が空きましたが、その間に高まった期待に十二分に応えてくれたのが嬉しいところ。→単行本レビュー

13位 灯ひでかず『よりどりEcstasy!!』(茜新社)
VariousEcstasy.jpg初単行本であるため、やや過大評価かなとも思う部分はありますが、同時に今後への期待感の強さもあってこの順位に。
非常に完成度の高い作画・作劇でありながら、初単行本らしい勢いを感じさせており、まずもってオーソドックス依存に陥ることはないであろうと感じさせます。
エロくて楽しくてそれでいてユニークと、基本的な魅力にしっかり忠実という印象があります。→単行本レビュー

12位 松本ドリル研究所『まマまま!』(コアマガジン)
MaMaMaMa.jpg楽しいキャラを多数配置してドタバタ劇を繰り広げ、むっちり美女・美少女が汁ダクでめろめろハードファックというこれで売れなきゃ嘘だろ的著者成人向け2冊目。
刊行までえらく時間のかかったものの、その特濃感が単行本化されることでより高まった印象です。
世界観の面白さやキャラの多さから、無理に1冊にまとめなくても・・・と思いましたが、例え放り投げジャーマンでも魅力になってしまう部類かなと。→単行本レビュー

11位 青木幹治『Only You』(コアマガジン)
OnlyYou.jpg2009年度ランキングでは17位だった初単行本から順調にランクアップしてこの順位。
絵柄がより洗練され、抜きの強度も高めた上で、キャッチーでありつつユニークなキャラクター造形の質が大きく高まってきたことを高く評価したいです。
短編「やりたい季節 新緑のさかり」の陽菜ちゃんの恋の喜びを表現する台詞は2011年エロ漫画界屈指の名台詞。→単行本レビュー

10位 SASAYUKi『魔法少女イスカ~after school~』(キルタイムコミュニケーション)
MagicalGirlIsuka.jpg最近のキルタイムは、短編中心での触手凌辱エロというイメージからの脱却が著しく、かなり多様な方向性が示されていますが、この作品は従来の方向性に近似。
しかしながら、原作脚本の支援を受けることで、闘争劇として熱いドラマ性と魅力的なキャラクターを備え、かつ作画がそれらを十全に生かし切った作品と言えます。
いわゆる“即堕ち”が特徴となるジャンルながら、メインヒロイン・イスカの圧倒的な強さをラストまで温存したのも巧いところ。→単行本レビュー

9位 無有利安『お兄ちゃんとにゃん❤にゃん❤にゃん❤』(茜新社)

NyanNyanWithBro.jpg意外な順位と思われるかもしれませんし、僕自身もそうなのですが、まさか無有利安先生の作品でほろりとさせられる日がこようとは・・・。
ヒトの心を癒す甘く優しいファンタジーが、読み手にとってだけでなく、小さな胸に悲しみや寂しさを抱える登場人物達をも救う慈愛こそが、激甘テイストに隠された魅力でしょう。
ぷにぷにしておりながら、何処か儚げでもある女の達がトロトロに蕩ける様は真に眼福。→単行本レビュー

8位 柚木N’『姉❤コントロール』(ティーアイネット)
SisterControl.jpg初単行本からいかなりレベルの高い作家さんは今では珍しくないですが、この作家さんはむしろ高い成長力でのし上がってきたタイプの人。
催眠凌辱エロとして非常にスリリングで背徳感あふれる構成を為したことを評価しての順位でもありますし、作劇の引き出しが豊かになったことを示しているのも評価の一因。
デビュー時にはやや粗かった描線・デッサンが端正に整理されており、一般進出もなるほどと頷けるものがあります。→単行本レビュー

7位 新堂エル『TSF物語』(ティーアイネット)
TSFStory.jpg昨年度16位から大幅ランクアップな著者2冊目。コミックMujinの誌風の変化を物語る代表的な作家の一人でもあります。
本来なら悲愴感があってしかるべき、肉便器への堕ちモノ展開を、快楽を貪欲に求める主人公の揺るぎない“意志”に委任することで、頼もしさにまで昇華したのはユニーク。
ストレートな過激性を追求しながら、技巧も光るエロ作画、うねる様な勢いのあるエロ演出は見事。→単行本レビュー

6位 天太郎『flower』(コアマガジン)
Flower.jpg今年も数多くの素晴らしい巨乳エロ漫画がありましたが、そのジャンルの中で2011年マイベストの1冊。
少女漫画チックなテイストを好んで投入し、感情の明暗の機微を描き込むスタイルは、好みを多少分けるかもしれませんが、定番ラブコメに安住しない意欲を感じさせます。
弾力溢れるゴム鞠巨乳好きの未来は、この作家さんが成人向けに居てくれる限り安泰であると言えましょう。→単行本レビュー

5位 岡田コウ『好きで好きで、すきで』(ヒット出版社)
AsILoveYou.jpg昨年2位からややダウンの著者3冊目。とは言え、その魅力が衰えた話ではなく、静謐ななかにひりつく緊張感のあるシナリオと陶酔感の凶悪なエロの魅力は健在。
基本的な作風を大きく変化させない一方、大ボリュームに挑戦したりキャラ描写に工夫をしたりと、著者なりの真摯な模索が伺えるのが最近のこの作家さんという印象があります。
“勝負の3冊目”で十二分に個性を確立させた上で、今後何を変化させ、何を維持するのか、非常に楽しみにしています。→単行本レビュー

4位 エレクトさわる『PANDRAⅡ』(キルタイムコミュニケーション)
PandraSecond.jpg2巻構成で魅せた長編作は、1巻(昨年度11位)と2巻それぞれストーリー展開の意図が明確であり、様々な面での切り返しにインパクトのあった作品。
正と邪を単純に割り切ること無く、その中で各キャラクターの持つ強い意志が作品に熱っぽいドラマ性を持たせていたのは、キルタイム系ファンタジーエロに重要な足跡を残すものでしょう。
しかも、体感的なボリュームが圧倒的である濃密エロが味わえるのですから文句なし。→単行本レビュー

3位 オイスター『ワタシキレイ?』(一水社)
ShoneMe.jpg毎年ランキング上位の一角を占めていますが、それもそのはず、作風が全く揺るがないのに慟哭の様なテーマ性の凄みが常に鮮烈なのです。
ストーリーの結末は、昨年度3位の『人デ無シ乃宴』(同社刊)のそれとある意味では対となるものであり、そのどちらもこれまでの作品の集大成的な要素があります。
悲愴感をこれでもかと充填しつつ、読み手の脳髄を痺れさせるエロのアタックの凶悪さもまた揺るがぬ魅力。→単行本レビュー

2位 霧恵マサノブ『魔法少女まじかるゆかたん』(ジーウォーク)
MagicalYuHuka.jpgロジカル、テクニカル、クレバーという形容詞が作品構築に当てはまりながら、それらの評に付き物でもある小賢しさを全く感じさせない激情的な生と性の咆哮は筆舌に尽くしがたい魅力。
つながっていく人と人、人と人ならぬ者、その間にある“他者”を求める業がこれまた激情的なセックス描写を形成しており、過激でありながらある種の清冽ささえ感じさせます。
著者の『海』シリーズ(最終巻は2008年度1位)ともリンクがある広大な世界観から次はどんな物語が紡がれるのでしょうか。期待しています。→単行本レビュー

1位 赤月みゅうと『少女×少女×少女』(ティーアイネット)
GirlGirlGirl.jpgその傑出した才能を以て昨年度19位から本年1位に跳躍。少女の息遣いさえ感じさせるような静けさの中に体温を感じさせる表現力の高さ、常に2P見開きを意識するダイナミックなコマ使いは、純粋に漫画表現として見事。
爛れた退廃も、孤独の悲しみも、欲望の代償も込めながらも、それを超越する生と性の喜びが上質なファンタジーとして立ち上がり、少女達に祝福を与えるラストには静かな感動が溢れます。
じっくり読ませるし、がっつり抜かせる。その“エロ”と“漫画”を共に高いレベルで協調させた手腕と、作品から迸る作家さんの情熱は激賞に値すると、一人のエロ漫画レビュワーとして確信しております。→単行本レビュー

と、以上のような順位になりました。1位・2位に関しては、これだ!と直ぐに決まったのですが、やはり順位付けというのは苦手で、選外からの復活作品も含めて、なかなかに悩んだ選となりました。いずれの作品の、心とち○こに訴えかけるものがあったんですよねぇ。
個々の単行本レビューも参考にして、是非チェックしてみて下さいな。読者諸氏のエロ漫画ライフのちょっとした参考になれば、へたレビュアーとしては大変な喜びです。

まずは、今年読んだ全ての作品達とその作者さん、関係する編集・出版者の皆様に心よりの感謝を。
作品に込められた様々な情熱こそが、へたレビュワーとしての僕を衝き動かしてくれているのだと常々感謝しております。

このブログや記事を紹介して下さる全てのサイト様にも厚く御礼申し上げます。これからも信頼の置けるレビューを書けますよう精進して参ります。

そして、当ブログの読者諸氏にも敬意と感謝を。皆さまそれぞれ、趣味・嗜好が異なり、世代も異なり、性別も異なるでしょう。それでも読者諸氏に共通する、エロ漫画というジャンルへの真摯な愛情と共にあり続けることを管理人は願っております。
来年も読者諸氏の期待に少しでも応えられますよう、より鋭く、より論理的に、より面白く、そしてより愛情の詰まったレビューを描けますよう、今年の年末に決意を新たにしております。

2011年は本当に色々なことがあった年でした。それ故に変わっていく表現は、今を生きる人間が生み出し、受け取る以上、勿論あるでしょう。しかしながら、変わらなくて良い物も沢山あります。
エロ漫画が良質なエンターテイメントとして我々の傍に存在してくれること、それそのものが不変であることを願っております。

2012年も素敵な作品に沢山出会えることと、エロ漫画を愛する全ての人に幸せな一年であることを祈りまして
一エロ漫画愛好家 へどばん拝

2011年スラッシュメタル私的ベスト5枚

現在、うんうん唸りながら年間ベスト20の選出とランキング付けをやっております。あと、31日(コミケ3日目)では新刊EroManga Lovers Vol.3(既刊もあります)を用意して東Pブロック-07aでお待ちしておりますが、こちらの準備もしっかりしないと・・・。
そんなわけで、ちょっと一拍置きたいので、去年は休んでしまった年間ベストなメタルアルバムについてちょっと記事を書いてみます。
エロ漫画とメタルミュージックを愛する諸兄は是非!スラッシュ馬鹿なので、そちら中心ですが。なお、当ブログのメインコンテンツであるエロ漫画関連の記事ではないので続き以下に収納しておきます。
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エロ漫画私選10作(2011年下半期)

どうも、当ブログ管理人のへどばんです。大晦日もいよいよ間近となって参りました。あっという間の1年であったようにしみじみ感じます。
大晦日(31日)には、毎年恒例の年間ランキングを発表する予定ですが、これも例年通りにまずは僕の下半期ベスト10を発表させて頂きます。
この結果と、上半期のベスト10、および両方における“惜しくも選外”を再考しまして、年間ベストは決定しております。

12月29日現在において今年7月から12月に発売された(アマゾンの発売日に準拠)エロ漫画新刊のうち、僕が購入・読了したのは155冊(内、未レビュー6冊)となっております。
毎年のことではございますが、半期ベストの時点ではまだ順位付けをしていません。また、紹介致しました各作品の詳しいレビューは各短評内のリンク先をご参照下さい。
それでは下半期のに耀いていた、“これぞ!”という作品達を紹介させて頂きます!

天太郎『flower』(コアマガジン)
Flower.jpg適度なリリカルさを個性的なアクセントとして生かす心地よいラブコメディーであり、おっぱい星人にとって本年屈指の抜き物件。
ばるんばるんと揺れまくる巨乳・爆乳の存在感を核としつつ、それ単体の魅力で終わらせない女体の描き方と、エロ演出の攻撃性の強さがこの作家さんの武器でしょう。
メガストア系列の“王道”を形成しながら、決して凡庸にならない魅力と迫力のある最新刊。→単行本レビュー

無有利安『お兄ちゃんとにゃん❤にゃん❤にゃん❤』(茜新社)
NyanNyanWithBro.jpg可愛らしいロリプニょぅじょさんとの脳髄蕩ける甘々ハッピーロリータ作品として高い完成度を示していますが、それだけの魅力に留まらなかった1冊。
孤独の悲しみ、喪失の嘆きを作品の中に込めながらも、それらが登場人物達の純粋で優しい感情に包まれることで、それぞれが幸福を得る温かいファンタジーとしての魅力があります。
ちんまいロリボディがメロメロに蕩けるエロ描写も非常に破壊力があると言えるでしょう。→単行本レビュー

霧恵マサノブ『魔法少女まじかるゆかたん』(ジーウォーク)
MagicalYuHuka.jpg練りに練った作品設定を以て、ファンタジーとしての面白さと登場人物の激情を描き切る特異な作風を遺憾なく発揮。
ブルータルとも言うべきエロの攻撃性が決して浮つくこと無く、ストーリーの躍動感と有機的に組み合わさるのも見事です。
読み返す度に違った面白さを感じられる1冊です。→単行本レビュー

赤月みゅうと『少女×少女×少女』(ティーアイネット)
GirlGirlGirl.jpg読み手の心を打つドラマ性、および蕩ける様な官能性を躍動的な作画で表現しうる技術力とそれを可能にする作者の情熱の滾りを感じさせる2冊目。
ややもすれば荒削りであった部分を、その魅力を残しつつ洗練させてきたのは作者の成長の証でしょう。
それぞれの“生”と“性”の喜びを噛みしめる少女達の姿が非常に魅力的で、彼女達への祝福を呼び込む作風。→単行本レビュー

青木幹治『Only You』(コアマガジン)
OnlyYou.jpg軽快さを保ちながら、詩的でさえある表現が読み手に鮮烈な印象を与える登場人物達の台詞回しのセンスが一級品。
ばんがいち掲載作らしいラブエロの甘さと、エロの程良い攻撃性のバランスが心地よい塩梅でまとまってきたのも嬉しい点です。
ヒロインのキャラクター性にも深みと幅が生じてきており、今後に強い期待を抱かせる飛躍の2冊目。→単行本レビュー

オイスター『ワタシキレイ?』(一水社)
ShoneMe.jpg強欲と狂気の泥濘に沈み込みながら、決してその輝きを失うことのない人の美徳に価値を見出すオイスター先生の“イズム”が強烈なドラマ性を以て描かれる傑作。
業界屈指の暴虐性を以て描く調教・凌辱エロであるからこそ、作劇・キャラクターに強い魅力が生じています。
ホラー漫画として秀逸な『見るも無惨』も構成力の高さを示しましたが、個人的にはこちらを優先して挙げさせて頂きました。→単行本レビュー

MARUTA『アマノジャクが恋をして』(富士美出版)
ContraryLove.jpg派手でもなく、またパンチ力もないものの、その穏やかな雰囲気の中でふくよかな芳香を放つ思春期ラブの叙情性が実に味わい深い1冊。
アナログ作画の魅力は丁寧な画作り、等身大的な魅力を持つ美少女達の描写、そして熱っぽいエロ描写のいずれにも大きく貢献しています。
独特のフェッティシズムも含ませており、コンビニ誌的なキャッチーさもありつつ、たっぷりと余韻を楽しめる1冊と言えます。→単行本レビュー

柚木N’『姉❤コントロール』(ティーアイネット)
SisterControl.jpg単行本を出す度にその成長力の高さに驚かされるこの作家さんの最新刊は、催眠調教エロとしての金字塔を打ち立てる1冊。
陶酔感の溢れるエロに登場人物達と、読み手が溺れていく内に、蓄積された歪みが終盤において一気に爆発するスリリングな構成に痺れました。
エロの演出面もレベルが高く、それが実用性と読みの面白さの双方に寄与しているのも高く評価したい点。→単行本レビュー

灯ひでかず『よりどりEcstasy!!』(茜新社)
VariousEcstasy.jpg初単行本ながらキャッチーな絵柄の完成度が高く、ヒロインのキュートネスとエロのアグレッシブさを両立させる技術の安定感も◎。
エロアイテムや触手など、定番のギミックを使って賑やかな展開を可能にしつつ、その用法自体に作品の面白さを生み出すことが出来るのも素晴らしい点。
“エロ漫画”としての自由度を活かした面白さが、エロとシナリオの双方を魅力的にしていると言えるでしょう。→単行本レビュー

エレクトさわる『PANDRAⅡ』(キルタイムコミュニケーション)
PandraSecond.jpg絨毯爆撃的な濃密かつ強力なエロで読み手を圧倒しつつ、伏線をしっかり張って展開させた長編ファンタジーのストーリーの魅力も頼もしい1冊。
2冊単位の長編として、前巻からの切り返しが非常に鮮烈な印象を与えており、善悪や攻防を複雑に入り混じらせる構成は作家さんの作劇の丁寧さを物語る点でしょう。
無論、だらしなエロボディの汁塗れ描写にも余念がなく、ゲップが出るほど満腹になれるのも嬉しいところ。→単行本レビュー

と、以上が管理人の選ぶ下半期ベスト10です。
相変わらず、選出作の趣向がかなり多彩であり、悪く言うと僕自身のコダワリが弱いのかもしれませんが、エロにしろシナリオにしろ幅広い面白さが明確に存在するのがエロ漫画というジャンルと思っておりますので、その意味では良い選になったなと自負しております。
どれも本当にお気に入りの作品ですので、読者の皆様に何らかのご参考となればレビュワーとして嬉しく思います。
また、年間べストの方も楽しみにしていて下さいな。

下半期に紹介した全ての作品とその作者様・出版者様、そして当ブログの読者諸氏に心よりの感謝と敬意を表して
一エロ漫画愛好家 へどばん拝

猫玄『みんなの先生』

EverybodysTeacher.jpgTVアニメ『gdgd妖精s』最終第12話「終わりなき追憶の彼方に~Eternal~」を観ました。なんだかんだで、毎回楽しみだったのですが、最後にやらかしてくれて大いに満足。
房子の大抜擢や、ニコ動での空耳歌詞を活かすなど、観ている側との双方向性で面白さを形成していった、なかなかに稀有な作品だったのではないでしょうか。たぶん、BD買います。

 さて本日、そして本年最後の単行本レビューは、猫玄先生の『みんなの先生』(コアマガジン)のへたレビューとなります。なお、先生の前単行本『ご近所ロリ巨乳』(富士美出版)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
合法ロリな妖怪美少女さん達とのハーレムエロが楽しめる賑やかな1冊となっております。

779dc06e.jpg 収録作は、とある事情を抱える“妹”を持つ主人公が教師として赴任した学校は、妖怪たちの学校であり、主人公に与えられた使命は少子化に歯止めがかからない妖怪たちに子供を授けるためにセックスに励むことで~なタイトル長編第1話~第7話+おまけ後日談な第8話(←参照 唯一アダルト美人の学園長先生ですが、この人も後々 同長編第2話より)。
描き下ろしの第8話も含め、1作当りのページ数は23~26P(平均25P強)と十分なボリューム。概ねウハウハ感でテンポ良く進めるものの長編として締まった構成であり、エロの存在感と併せて十分な読み応えのある仕上がりとなっています。

【ファンタジーの優しさが光るハーレムエロ】
 いわゆるハーレムものではあり、妖怪美少女さん達の学校という漫画チックな設定があることもあって、中盤までは割合にチアフルかつ棚ボタ的幸福感のある雰囲気。
とは言え、序盤から主人公と“妹”の過去について伏せられた事実があることが示されており、単調なハーレムエロにならないであろうことは最初から予想が付きます。
 中盤までは、ポンポンと新しいサブヒロイン達が登場し、主人公と信頼関係を構築していき、時々主人公を巡って恋の狂騒曲を繰り広げたりと、実に王道的なシナリオ回しになっており、前述の秘密の陰を感じさせつつも滑らかな読み心地を形成。
 終盤手前になると、妹ちゃんが実は“娘”であることが明らかになり、主人公とその娘の母親である妖怪の女性とのお話を紡ぎ、一定のシリアスさを添加。
69b72b2b.jpgしかしながら、主人公のこれまで蓄積された近親愛への葛藤や、妖怪に子供を作ることが出来る故に抱える欲望の暴走化など、世間一般から見れば排斥されてしまうものが、妖怪達の世界では喜んで受け入れられるという描かれ方は、本作の登場人物達への祝福を呼び込むもの(←参照 あなたはあなたでいいのだよ、ということ 長編第7話より)。
 王道的テンプレに落とし込んでいるようで、ファンタジーというものが持つ魅力を十全に活かした構成でもあり、読み口の良さと煩くないテーマ性がしっかり噛み合った作品構築であったと感じます。

【それぞれ妖怪としての特徴を持つ無乳ロリガールズ】
 登場する妖怪美少女さんは、見た目年齢そのまんまの娘さんから悠久の時を生きるロリババァさんまで様々ですが、見た目的にはローティーン級のキュートな女の子達。
学園長の妖狐さんや主人公の住むアパートの管理人である天狗さんといった美女達も登場しますが、基本的にはエロの補助要員。ただし、学園長先生に関してはおまけの第8話にてロリロリな姿に変身してくれて彼女とのエッチが楽しめます。
 それぞれ小豆洗い、あかなめ、猫又、犬神、座敷童子である妖怪美少女さん達が登場しており、例えばあかなめさんは舌が長くてぺろぺろ大好き、動物要素のあるキャラ達には尻尾やケモミミを付けたりと、人外チックな要素を軽めに添付しているのも特徴でしょう。
EverybodysTeacher3.jpgそういった細部はキャラクターによって差を付けていますが、基本的なボディデザインは共通しており、ちんまい寸胴ボディにぺたんこなお胸、ツルツル仕上げのスージー名股間、ぷにぷにしたほっぺたなどで、これまた王道的なロリボディの主要素をフル装備させています(←参照 精液ぺろぺろな垢舐めさん 長編第1話より)。
 エロ漫画業界における大ベテラン作家であり、かつ筆も速い作家さんであるため、程良いデフォルメの効いたキャッチーな漫画絵柄は安心のクオリティで単行本通して一貫されています。
 また、キャラクター達の表情付けが、派手ではないものの、ドタバタ感や感動的なシーンでの叙情性をよく引き出しており、ぱっと見は比較的シンプルな絵面でありながらも、表現力の高さが備わっているのはベテランのお仕事と言うべきでしょう。

【ちんまいロリっ子達がメロメロに蕩けるエロシーン】
 各話にページ数が十分にあり、また作品の主題がエロに直結するため、各話には十分な量の濡れ場が用意されており、時々前戯パートで寸止めしてじっくり1回戦というケースもあるものの、抜き所が豊富な多回戦仕様として描く優良抜きツール。
EverybodysTeacher4.jpg 妖怪の女の子達は、無口無表情であったり、ツンツンした態度を取っていたり、主人公に対して高圧的な態度を取っていたりするのですが、彼女達がエロシーンに突入すると未知の性的快楽にメロメロになり、蕩けた顔で主人公におねだりしてくるという変化は、実用性を高める上で肝となる要素の一つ(←参照 デレデレになる猫又ちゃん 長編第5話より)。
 ちんまい妖怪ガール達のふにふにボディや未成熟な秘所を指やら舌やらで味わいつつ、彼女達の小さなお口でのフェラも楽しめる前戯パートは前述したように必ずしも射精シーンを投入するわけではないとは言え、十分な尺を以てヒロイン側の性的高揚を描いており、抽送パートへの的確な盛り上げを図っています。
 処女率高めで破瓜の血も描かれる挿入ですが、主人公の特性もあってか痛みはスムーズに取り除かれて快楽へと転換されていき、熱っぽい表情と理性の蕩けたエロ台詞をロリっ子達が曝け出すことで読み手の性欲中枢を甚く刺激。
結合部見せ付け構図も十分に利用しつつ、ヒロインの肢体との接触をある程度意識させる構図を重視している印象があり、主人公の体躯との比較で小ささを強調すると共に、絡み合う舌やクリクリと弄られる乳首などがピストン運動にエロさを増強しています。
 双方にとって妊娠が目的であるため、ヒロイン側のエロエロな中出し要請によって中出しフィニッシュへと導かれており、子宮内に注ぎ込まれる白濁液についてハートマーク付き台詞で絶叫するヒロインを結合部見せ付け構図の大ゴマ~1Pフルで描いており、そこまでのタメも十分にあるため、強力な抜き所となっています。

 ロリ系ハーレムエロ漫画として安定感を示しつつも、温かいファンタジーの魅力に触れられる良作であり、適度に読ませて、かつがっつり使える1冊となっています。
個人的には、本編との見た目のギャップの良さもあって、ロリロリ妖狐な学園長とのエッチが楽しめるおまけ第8話が一等お気に入りでしたなぁ。

鬼邪太郎『ぱらいそ☆が~る』

ParadiseGirls.jpgアダチケイジ先生(原作:森高夕次氏)の『グラゼニ』第3巻(講談社)を読みました。仮にも一軍のプロ野球選手が大衆食堂の看板娘にホの字とはなかなか微笑ましかったですが、前途は物凄く多難ですな、この組み合わせ・・・(笑
より印象的であったのは投球フォームの改善のエピソードで、マイナーチェンジを繰り返しながら、それでもそれでもたらされる結果は非常に大きく違いという、割合にどんなお仕事にも共通するもどかしさを感じましたねぇ。

 さて本日は、鬼邪太郎先生の『ぱらいそ☆が~る』(コアマガジン)のへたレビューです。なお、先生の前単行本(初単行本)『少女革命計画』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
多彩なキャラ設定のもっちりボディガールズ達との能天気なラブエロコメディが詰まった1冊となっております。

 収録作はいずれも読み切り形式の短編で10作。1作当りのページ数は16~24P(平均19P強)と書店売り誌初出としては比較的控えめな部類の分量。
軽快さを重んじたシナリオワークと、濃過ぎもせず薄過ぎもしない程良い密度のエロとを組み合わせた作品群であり、読み口の良さを魅力の核とする部類と言えます。

【イージーゴーイングなラブコメ・エロコメ】
 作風としては、良くも悪くもメガストア系列王道のお気楽ラブコメディ・エロコメディのド真ん中を突き進むタイプであり、間口を広く取って楽しい読書感を提供することを主となるスタイル。
d6a7b3f7.jpg序盤に置いて一定のインパクトのある展開を投入し、そこから勢いよく話を転がしつつ(←参照 見事に度肝抜かれた冒頭 短編「たいむかぷせる」より)、ヒロインのキャラクター性を描き、エロシーンへと雪崩れ込んでいくという王道展開はかっちり固まっており、特に棚ボタ的な展開のイージーネスであっけらかんとした幸福感を生み出しています。
 切ないながらも希望を抱かせるラストを迎える短編「狐の嫁入り」の様な例外もありますが、エロシチュエーションのお膳立てを行いつつ、ハッピーチューンとしてのノリの良さで読み手を楽しませる手法自体は安定感があると評し得ます。
 ただ、全体的にシナリオ展開のリズムが良くなく、登場人物の台詞やモノローグが変に説明的になってしまったり、ラストでのまとめ方が展開の速度に釣り合わなかったりと、軽快なノリの良さを十全に生かし切れていない感があるのは△。
また、基本的にヒロインのキャラクター性で魅せる類の作劇ですが、全体的に余裕のない話回しになっており、キャラの魅力を十分に引き出せないために、平板な印象が残存する作品があるのも一定の減点材料と感じます。
 勿論、それらの要素はラブコメ・エロコメ的な快活な楽しさを大きく損なう水準ではないため、お気楽なラブコメ・エロコメを楽しみたい方にアピールできる魅力はしっかり備えていることは併せて記述しておきます。

【多彩な設定、キャラ付けが賑やかなヒロイン陣】
ParadiseGirls2.jpg 狐神様やミイラ、未来からやってきたアンドロイドなどの年齢不詳の人外さん達や(←参照 美少女稲荷さま 短編「狐の嫁入り」より)、娘さんとセットで登場する可愛らしいママさんなども登場していますが、彼らの外見的な年齢も含めてミドル~ハイティーン級の美少女さんが主力。
性格的にも、高飛車なお嬢様タイプや、一途な幼馴染さん、お兄ちゃんラブな妹系ヒロインなどなど、ラブコメ系統において定番のキャラクター造形を多数取り揃えることで、単行本としての華やかさを生んでいるのは◎。
 体型描写的には、デフォルメをやや強めに効かせた絵柄もあって、女性の肢体の丸みを強調するタイプと言え、ヒロインの年齢層に依らず可愛らしさがあることもあって、程良いロリプニ感なども纏っています。
ParadiseGirls3.jpgおっぱいは貧乳クラスから巨乳クラスまで取り揃えられていますが、概ね並と巨の間のサイズがメインとなっており、先端がツンと尖がりながら乳輪はつつましやかなサイズのあんまん型おっぱい(今思い付いたフレーズ)を装備する女の子達が登場(←参照 あんまん型という呼称、お分かり頂けるだろうか? 短編「ネコキャップ」より)。
 前述した様に、デフォルメを効かせた可愛らしいアニメ/エロゲー絵柄を基調としつつ、肉感に由来するストレートなエロさを程良く活かせる画風であると言え、あまり読み手を選ばないタイプ。
最も古い作品から最新作まで、初出時期に3年弱の開きがあるため、絵柄にはやや変遷が認められる感があり、特にデフォルメ感の強弱の変化は多少好みとそれに伴う評価に影響するかなとも感じる要素です。

【やや抑え気味のエロ演出ながら適度なパワフルさのエロ描写】
 分量的にさして長尺ではない一方で、エロシーンの占める割合は標準並みをクリアしており、またエロの雰囲気も濃厚ではないものの、コメディタッチに流され過ぎて軽くなり過ぎることもない、実に中庸なタイプ。
 横暴な高飛車ヒロインに懲罰を加える強要エッチや、久方ぶりの来訪者である男性を痴女なミイラさんが押し倒す逆レイプなど、例外的なシチュエーションも多々ありますが、基本的にはヒロインとの棚ボタ的な関係における幸福感の強調と密接に結びついたエロ描写と言えるでしょう。
その一方で、恋愛セックスの甘さを強調するスタイルでもなく、登場人物達の欲望に任せて比較的アグレッシブな勢いを生み出しているため、抜きツールとしての方向性はしっかりしていると言えます。
ParadiseGirls4.jpg 抽送パートに移行してからは、柔らかおっぱいを揉んだり揺らしたりしながら、ピストン運動を繰り返していき、変化に乏しいながらも熱っぽさが魅力なヒロインの蕩け顔と、量的には抑え気味の切れ切れな嬌声とでフィニッシュシーンまで進行させます(←参照 おっぱいぷるんぷるん 短編「先生教えてっ!」より)。
この際、ち○こが挿入されるパイパンおま○こを、大股開きで見せ付ける構図を多用するものの、粘膜描写の質はさほど高くなく、構図的にもむしろ肢体全体の肉感と快楽による上気を描くことが性器の直接描写よりも重視されている感があります。
 前戯パートで射精シーンを設けることもありますが、ヒロインへの愛撫、フェラからの射精寸止めなどであくまで1回戦に留めるケースの方が多め。ちなみに、パンツずらし挿入が多いのですが、それはともかく、大ゴマで白濁液をたっぷり中出しする景気の良い〆となっており、抜き所としての仕上がりが良好と言えるでしょう。

 嫌な言い方をすると、オーソドックスの安定感にかなり依存する作品構築とも言えるのですが、逆に言えばストレスフリーで可愛らしいヒロインと程良いエロを楽しめる構築でもあるでしょう。
個人的には特撮好きなカップルさんがコスプレして遊んでいる内にその気になって~な短編「美少女戦隊フルーティー☆スター」と、ヒロインの可愛らしさと寂しくも少し温かいラストが印象的な短編「狐の嫁入り」がお気に入り。
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