2011年11月

しらんたかし『興味アリ』

InterestOnYou.jpgかじいたかし先生の『僕の妹は漢字が読める』(HJ文庫)を2巻まで一気に読みました。タイムトラベルものとして構成の粗さは感じましたが、文字表現の変化に着目したアイディアは非常に面白かったです。
主人公の言動に付いていけない面も多いのですが、それを自分と過去の日本語とに置き換えた場合に主人公達を否定できないアンビバレンツ感が凄いですね、この作品。

 さて本日は、しらんたかし先生の『興味アリ』(ティーアイネット)のへたレビューです。先生の前単行本『仔づくりゴッコ』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
強烈なキャラクターを持つ男女が激しくせめぎ合いながら育む、狂気と純粋性の青春恋愛譚となっています。

InterestOnYou1.jpg 収録作は、卑屈な性格と衝動的に発揮される暴力性、そしてマゾヒスティックな性癖を持つ変態&駄目男子・守山君と、彼を叱咤し、挑発し、罵倒し、使役するドS美少女・春日さんとのギスギスしまくったストレンジラブの日々を描く「興味アリ」シリーズ全8話(←参照 シリーズ第2話より)+フルカラープロローグ4P+描き下ろしエピローグ4P。
なお、単行本収録の際にナンバリングが新たにされていますが、実際にはこれまでの「興味アリ」シリーズの続編であるため、本作を楽しむために既刊の読了がほぼ必須。また、この作家さんの描くTIでの作品は基本的に世界観が共有されており、他のシリーズのキャラクター達もちょくちょく登場しています。
プロローグとエピローグを除き、1話当りのページ数は16~28P(平均24P)と標準的なボリューム。エロ・シナリオ共に非常に密度が高く、プレッシャーの強さを備えているため、なかなかヘビィな読書感を味わえます。

【エロも含めて男女の攻防劇と相互依存が描かれる倒錯愛】
 年下少女に玩具として弄ばれながらも、他の女性と肉体関係を持つこともあって、次第に増長してきた守山君を春日さんが徹底的に再調教なされるエピソードから今回はスタート。
二人の関係性が安定することは最終盤を除いて全くなく、理不尽な虐げに逆上して春日さんを無理矢理犯したり、脅迫したりしようとするものの、一枚上手の春日さんに尽く反撃を封じられていきます
逆上して下卑た台詞を吐く一方で、春日さんに打擲された卑屈な態度を曝け出す守山君の矮小さと、状況を支配し、“玩具”である守山君の振る舞いを楽しむ春日さんの超越性とを対比させており、良くも悪くも歪みが強く、かつ荒涼とした雰囲気も感じさせます。
 最終話で語られる過去のエピソードから、春日さんのこの態度はある意味で守山君への純粋な好意にも基づいていると考えられ、彼を徹底的に攻撃することによって得られる愉悦と共に、動揺し、激化し、縮小と肥大を繰り返す彼の心に自身が浸透していくことを春日さんは喜んでいるとも感じます。
5f0e0568.jpgその意味で、互いの欲望がぶつかり合うギスギスとした雰囲気を持ちながら、鋭く痛い一撃を互いに繰り出しながら、決して離れてしまうことのない強烈な相互依存が描かれているとも感じます(←参照 “マゾ”としての彼を求めているわけではない 本作における重要な台詞 シリーズ第6話より)。よって、最終話における(ある意味での)ラブラブハッピーエンドは一定の説得力を持っています。
 双方が非常に激しい感情の持ち主であるため、ストーリーとしての滑らかさに欠ける突発性のある展開であったり、サブキャラとして登場した春日さんの姉との対立構図が終盤で不明確になったりと、一貫した長編ストーリーとして読むには苦しい面もありますが、元々連作の積み重ねを行うシリーズ作ですし、あとがきによるとこのシリーズはまだ続くそうなので、個人的にはさして大きな減点材料とは思っておりません。

【一筋縄でいかない春日さんの強烈なキャラクター】
 基本的には春日さんが主役と言える作品ですが、その姉である桃花さんも登場し、主人公と関係を持ちます。これがメイン二人の関係性にも強く作用しますが、彼女もなかなか個性的な性格なので守山君は彼女との関係に逃げ込むことは出来ません。
 前述した様に、作品の屋台骨を形成するのは春日さんの思惑や感情の描写であり、デモニッシュな微笑みを浮かべて主人公を無慈悲に扱ったり、あからさまに不機嫌な表情を浮かべたりと、主人公に対して君臨するドミナとしての魅力を備えています。
また、彼女は非常に“演技”の上手いキャラクターであり、守山君を罠にはめるため、従順で可愛らしい女の子を演じたり、主人公の暴力に敢えて無抵抗を演じたりしています。もっとも、この演技における発言が必ずしも“嘘”だけではなく、また普段の女王様的な言動も必ずしも全てが彼女の“真実”でないという、非常に複雑なキャラクターであることも彼女の魅力と言えるでしょう。
InterestOnYou3.jpg 作中で数か月に渡る時間経過があり、成長期にあるヒロインであるため、肢体の成長が多少はあるものの、肉付き弱めの体幹と並乳サイズのおっぱい、ツルツル仕様の股間を備えた肢体の持ち主(←参照 シリーズ第1話より)。なお、お姉さんの方に関してはもうちょっとグラマラスな体型となっています。
肢体描写に関しては、皮膚にうっすらと浮かぶ肋骨や腰骨のライン、モンゴロイド的な肉の付き方、リアル寄りの淫猥さのある性器描写等、比較的生々しさを重視する体パーツの描写となっているのも特徴でしょう。
 これに対して、絵柄そのものはキャッチー寄りの二次元絵柄で、訴求層は広いタイプと感じますが、印象的なベタなども含めて、適度に重みや濃さがある作画であるため、端正でさっぱりとした絵柄をお求めな方にはやや不向きかなと感じます。

【変態カップルの両者の性癖が存分に出たエロシチュエーション】
 自身とのセックスに夢中になることを春日さんは守山君に要求することもあって、エロ三昧の作品構築であることは間違いなく、その中で両者の“攻防”が描かれます。
InterestOnYou4.jpg 春日さんが一方的に守山君をイジメ倒すだけのシチュエーションは意外に少なく、彼女が風邪で朦朧としているところを襲ってみたり、扱いの酷さにブチ切れて拘束凌辱を加えてみたりといった守山君が攻勢に回るケースも多く、それらの描写では彼の歪んだ欲望と卑屈な精神が連呼される台詞によって表現されています(←参照 意識が朦朧としているのをいいことに シリーズ第3話より)。
もっとも、彼の攻勢が長続きすることも無く、春日さんにこっぴどく逆襲されて、情けない泣き顔と謝罪を強いられることになります。そういった際の春日さんの台詞回しは秀逸であり、侮蔑と罵詈と脅迫を織り交ぜて畳みかけるように主人公の内面を踏みにじる御業は流石の一言。
 どちらかと言えば、1回戦を基本とするエロ展開であり、射精シーンは前穴、もしくはアナルにピストンしての中出し描写に集中させていますが、春日様の足コキや手コキがあったり、巨乳な桃花お姉ちゃんのパイズリがあったり、はたまた暴走中の守山君による膣内大量放尿があったりと、各キャラクター性に合わせたプレイを各話で投入する前戯パートも魅力的です。
 透過図や断面図も含め、結合部見せ付け構図などの性器描写を多用するエロ作画であり、前述した様に生々しい淫猥さがある分、好みが分かれる可能性もある程のエロの濃さがあります。なお、お漏らしや白濁液ぶっかけなどの液汁表現も比較的多用される傾向にあります。
 恋愛セックスに甘さや幸福感を求める方には不向きですし、あくまで攻防劇でもあるため凌辱的な一方的な欲望の叩きつけを望む方にも向いていない感があり、エロの趣向的にはかなり特殊であることには留意されたいですが、妙なトリップ感に支配されるのは大変面白いところです。

 メインキャラ二人のキャラクター性を大いに輝かせた作劇であり、作品全体の構成における未消化部を今後解消していく必要性があるとはいえ、ラストまで緊張感を保って読ませてくれました。
個人的には、今年のエロ漫画単行本の中で五指に入る怪作と評したいところです。エッジの効いた作品を読みたい諸氏にお勧め!

KOJIROU!『ぱられる!リキュアたん2』

ParallelLicuaSecond.jpgTVアニメ版『ベン・トー』第8話「たっぷりニラハンバーグ弁当 765kcal」を観ました。あぁ、佐藤の変態伝説にまた新たな一ページが追加を・・・。大体、オルトロスの勘違いが悪いのではありますが。
コンビで声優さんが豪華な美少女姉妹・オルトロスも大変にエロ可愛かったわけですが、今回は佐藤役の下野さんの快演というか怪演が光りましたね。こういうキャラ演じると上手いですよねぇ。

 さて本日は、KOJIROU!先生の『ぱられる!リキュアたん2』(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューです。なお、先生の前々単行本『きゅ~てぃ~ぱい』(ジーウォーク)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
ご都合主義をこれでもか!と詰め込んで明るく元気よく進行するエロエロファンタジーが心地よい1冊となっています。

ParallelLicuaSecond1.jpg 収録作は、魔力を補充するために、主人公の男性にエロ目的のマジックアイテムを与えて毎話異なるヒロイン達にけしかける“性の小悪魔”・リキュアたんと主人公の活躍?を描く長編シリーズ「ぱられる!リキュアたん」第8話~最終第15話(←参照 リキュアによる毎話恒例のアイテム紹介シーン 同長編第8話より)+描き下ろしの番外編8P。
なお、第1話から第7話は前単行本『ぱられる!リキュアたん』(同社刊)に収録されています。オムニバス形式に近いので、今回から読んでいても理解に支障はあまりないですが、楽しい作品ですので既刊も個人的にお勧めです。
描き下ろし番外編を除き、1話当りのページ数は16~20P(平均18P)とやや控えめな部類。といっても、長編モノとしてある程度の読み応えを形成しつつ、お気楽で軽快な雰囲気とエロの充実感を両立させた構築になっています。

【ご都合主義のパワーで貫いたある意味で剛毅なエロコメディ】

 リキュアたんの提供するエログッズの圧倒的な利便性もあって、主人公はエロライフを満喫し、かつリキュアたんもサクサクと魔力を貯めて順風満帆というこれまでの展開から今回はスタート。
第8話にて神社の巫女さんに手を出したことから、美少女の姿の土地神・花梨様に事態が発覚し、彼女もまたリキュアたんのお目付け役として主人公と行動を共にすることになります。
ParallelLicuaSecond2.jpg 二人ともエロ要員ではなく、あくまでサポート役なのですが、登場人物が増えることによる賑やかさの増強は長編としての魅力であり(←参照 何だかんだで名コンビな小悪魔と土地神 長編第12話より)、また本作をそれまでのオムニバス形式から長編ドラマへと方向転換させるのに大きな役割を果たします。
 リキュアたんが魔力を集める目的が明らかになると共に、ただのボンクラと思っていた主人公が抱えていた悲しい過去も明らかになっており、長編の終盤では彼らを見守る土地神様の協力もあって、それぞれが幸福を迎える大団円へとシナリオの舵を大きく切ります。
ラブコメ・エロコメ系の連載モノにおいて定番であるラスト手前のシリアス展開とも言えますが、ここにおいても人外美少女コンビのサポートによる超絶なご都合主義を効かせてハッピーエンドに転がすため、シリアスな雰囲気は強くなく、中盤までのカラッと明るい展開とほとんど差異は感じません。
 ストーリー構築としてはかなり強引であるため、必ずしも誉められるべき方法論ではないのかもしれませんが、“エロ漫画的ご都合主義”を構築の中心に歴然とおいた作品であるため、むしろ意図が貫徹された頼もしさも感じます。

【メインキャラのキャラ立ちの良さと多彩なエロ要員】
 前述した通りに、あくまで主人公のサポート(というか利用)に徹するリキュアたん・花梨様コンビはエロに絡まず、終盤に登場する一人の例外を除き、毎話異なるヒロインを投入するスタイル。
巫女さんや保母さん、看護婦さん、学園のスポーツ美少女に堅物委員長と、使い捨てヒロイン達の設定は様々ですが、何処で覚えたのか特撮/ゲームのパロディ台詞を連呼し、お調子者で明るく、実は優しく誠実でもあるリキュアたん、二人を厳しくも優しく見守り、主人公とリキュアたんの活動の“軌道修正”に大きく貢献する花梨様のコンビが圧倒的にキャラとしての魅力が強くなっています。
本作の正ヒロイン的な立場となる女の子でさえ、この二人の存在感に比べると影がやや薄いのは難点ですが、オムニバス形式で進行している際には、ヒロインに過度に感情移入しないことで“後腐れの無さ”を生じさせているのは意外な効果という印象です。
ParallelLicuaSecond3.jpg ぺたんこロリボディの二人に対して、エロ要員となるヒロイン達は程良い肉付きの体幹にばるんとボリューミィな巨乳とこれまた量感の強い桃尻を装備したグラマラスボディの持ち主達で統一されており、ツヤツヤなお肌の質感なども合わせて比較的濃い目、かつストレートなエロさを放つ肢体造形となっています(←参照 子供に変身して保母さんに甘えるの図 長編第9話より)。
 やや描線に粗さを感じさせる面はあるものの、単行本通して安定しているキャッチーなアニメ/エロゲー絵柄は非常に取っ付きやすく、人外コンビに関しては可愛らしさを、エロ要員陣に関してはそれと同時にストレートなセックスアピールを持たせており、オーソドックス故の安定感という印象。
 なお、描き下ろし番外編では、褐色肌美少女であもるリキュアたんとのエッチが拝めて管理人は感涙でございます。まぁ、あまり分量はないんですけれども。

【肉感ボディを活かしたパイズリ標準搭載のパワフルファック】
 人外美少女コンビが提供するアイテムのご都合主義パワーにより、アイテム提供後は速攻でエロへ雪崩れ込むスタイルを一応の基本としており、多回戦仕様のエロシーンは十分な分量を備えています。
このアイテムがエロシチュエーションを形成しており、主人公が女の子の体に乗り移ったり(TSモノの一種)、幼児に変身して保母さんに甘えるプレイをしたり、憧れの女の子を言いなりにしてエッチをしたり、逆にアイテムの影響で超積極的になった女の子と逆レイプ気味のセックスになったりと、状況は様々。
ParallelLicuaSecond4.jpg 主人公がおっぱい星人であるという設定であるため(よって、人外コンビに手を出さない)、前戯パートではヒロイン達のたっぷりバストを有効活用しており、吸ったり揉んだりは勿論のこと、ほぼ標準搭載に近い水準で投入されるパイズリと、それに伴う胸や顔面へのぶっかけで前戯パートの大きな盛り上げを形成しています(←参照 胸の谷間に“中出し” 長編第14話より)。
十分な尺の前戯パートで高められたエロの熱気をこのパイズリ射精(造語)で途切らせることなく、即座に挿入してピストン運動へと移行し、透過図などで示される深い挿入感とアグレッシブな下半身の叩きつけ合いで勢いのある抽送パートを形成しています。
 ページ数の関係か、コマの切り方がやや細かく、画面密度の高さを美点としている一方で、折角のグラマラスボディを大ゴマで活かしきることのできなかった窮屈さは多少の減点材料。もっとも、激しい乳揺れや白痴系のエロ台詞などで、飽和感のあるエロ描写に仕上げているのは、この詰め込み感のある作画とは相性が良いとも言えるでしょう。
 やや単調さも感じさせつつ、パワフルに進行させるピストン運動は、大ゴマ~1Pフルでダイナミックに描かれる中出しフィニッシュへと至っており、女体をギュッとホールドする様と、子宮内に白濁液が注ぎ込まれる様を描く断面図等の描写を組み合わせることで、膣内射精における挿入感を高めているのも地味に上手いところ。

 今単行本の収録分では意外に真っ当なストーリー展開を組み込みつつ、シリーズ通してコメディとしての楽しさ、偉大なるエロ漫画的ご都合主義を貫いた頼もしさは個人的に高く評価したい点であり、主人公とリキュアたん、花梨様の3人のキャラクター性がしっかりと立っていたのも◎。
何はともあれ、これまでずっと楽しませて頂いた長編シリーズの完結に祝辞を送りたい所存。でも、リキュアたんとのエッチがもっとあればなぁ・・・と個人的には思ってます(笑)。

「EroManga Lovers Vol.3」告知

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 これまでも雑記等で少し触れてまいりましたが、次の冬コミ(コミックマーケット81)において、私へどばんの評論サークル“New Wave Of Japanese EroManga Critique”(NWOJEMC)は新刊「EroManga Lovers Vol.3」を発表します。
エロ漫画評論ですので当然成年向けです。Vol.2に引き続き60P同人誌でして、頒布価格はこれまでと同じく500円となっております。
 なお、当サークルは今回初めて当選しまして、3日目東Pブロック-07aに配置されております。いわゆるお誕生日席ですね。

 シリーズVol.1およびVol.2に引き続き、用語辞典的な形式を取ったエロ漫画評論となっていますが、今回はエロ漫画作品における各種のアイテムに着目しています。
 一応、用語辞典形式は今回で最後にしようと思っており、今後は評論同人誌として新たな方向性を模索するつもりですが、今回は評論としての面白さを維持させつつ、多少はエンターテイメント寄りの楽しさも意識したつもりではあります。
本来、セックスは体一つで出来るものですが、実際にはそうでなく、様々な道具が現実でも創作物でも性行為に絡みます。敢えて登場させられるそれらの意味を考えることは、使用者の意志や、描かれる性行為に読み手が望むものを特殊な視点から捉え直すことができるのではないかと思って、今回はアイテム編としました。

掲載した表紙絵は前回、前々回に引き続き、サークル「ひつじの木」のもうぴいさんに描いて頂きました。今回もこういったテーマや構図でとお願いしたのですが、こちらの思った以上に良いものを提案して頂き、良いカオス感のある表紙になったなぁと思います。
なお、もうぴいさんのスペース(ひつじの木, 3日目東K-08b)でも小部数ですが、新刊を委託させて頂いております。
サイト用サンプル
中身は、いつも通りに文章での論説がメインとなっており、適宜エロ漫画作品からの図版の引用を行っています。
これまた、前回に引き続き、「くりむぞの本棚」のくりむぞさんに文章の校閲やDTPでお世話になりました。

なお、当新刊はCOMIC ZIN様、およびダイト・アイテム様での書店委託が決定しております。詳細については後日報告を致します。
さらに、当サークルは創作物の表現規制に反対する立場から、新刊同人誌の頒布価格500円の内、200円を以下の2団体へ寄付致します。
・コンテンツ文化研究会
・実在児童の人権擁護基金
エロ漫画評論としての拙著が、評論ジャンルに何らかの寄与することと同時に、こういった形式でのサポートを続けていこうと思っておりますので、趣旨にご理解を頂ければ幸いです。

今後の追加情報等もチェックして頂きますよう、お願い致します。
では次回のレビューにて!
へどばん拝

ムサシマル『当然、妹にはナイショで❤』

SecretForMySister.jpg田丸浩史先生の『ラブやん』第16巻(講談社)を読みました。表紙絵にまで大抜擢されたカズフサのPC擬人化キャラクター・PC子ちゃんですが、勿体ない事に1話だけの登場です。
しかし、こうやって見るとヒデヒコのリア充っぷりはちょっと半端でないですな。カズフサもある意味ではリア充ではありますが。あと、デーボ君は間違いなく萌えキャラ。

 さて本日は、ムサシマル先生の『当然、妹にはナイショで❤』(コアマガジン)のへたレビューです。なお、先生の(成年向けでの)前単行本『ネイキッドプレイ』(ワニマガジン社)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
複数ヒロインとのうはうはハーレムな学園生活を主人公が満喫するラブコメディ長編となっています。

SecretForMySister1.jpg 収録作は、妹との肉体関係を持ちながら、学園の教師やクラスメイト、幼馴染さんとのエッチも楽しむ主人公と彼を巡ってのヒロイン達のドタバタな日々を描く「Secret」シリーズ全10作(←参照 本作の正ヒロインである妹さん シリーズ第3話「当然、店長にはナイショで❤」より)+おまけ4コマ3本。なお、最終話であるシリーズ第10話は描き下ろし作品となっています。
初出時にはフルカラー作品であったシリーズ第1話・第2話(単行本では残念なことに白黒絵として収録;それぞれ4P、8P)を除き、1話当りのページ数は16~26P(平均24P弱)と標準かややそれを上回る部類のボリューム。長編作としてのヘビィネスはほとんど感じない一方で、エロの量的満足感とシナリオの軽快感がよく図られた作品構築という印象です。

【やや中途半端さがあるも快活な学園ハーレムエロ】
 作風に関しては、割合に女たらしの性格である主人公が妹さん以外の女性キャラクターとも性的関係を築いていくハーレム展開を描く学園ラブコメであり、明るい雰囲気と棚ボタ的な幸福感のあるタイプ。
ラブコメディとしての“ラブ”の部分はあまり強くなく、妹さんの関係も割合に快楽市場主義的であることに加え、主人公のことを自身の性欲解消に利用する女教師さんや、これまた主人公とのエッチの快楽を楽しむムッツリスケベな堅物委員長さんなど、恋愛としての関係性はあまり重要視されていません。
021804af.jpg 妹さんに恋慕する百合キャラクターの投入など、新規キャラを随時投入することに加え、それぞれに性欲に忠実なヒロイン達が主人公を巡ってコミカルな対立関係を描いたりと、コメディ系としての賑やかさをよく引き出しています(←参照 エロ委員長さんVSエロ女教師 シリーズ第8話「当然、校長先生にはナイショで❤」より)。
この展開において、正ヒロインと目された妹さんの存在感はかなり縮小しており、そこにトドメを差すのが、ほんのり寂しげな雰囲気をまとうクール美少女・日向さんの登場。他のキャラクターに対して、このキャラクターに関しては感情描写の繊細さが認められます。
 元々読み切り形式であったものをシリーズ作品にまとめる苦労を考慮すると、作品に対する批判は少々酷とも感じますが、シリーズ通してメインヒロインが定まらない故に、作品の屋台骨に中途半端さが生じており、それがシナリオ全体のまとまりの悪さに拍車をかけているのは小さくない減点材料。
描き下ろしの最終話において、妹さんの存在価値を復権させ、またこのハーレムエロがそのまま続くというラストを加えることで、一応のオチは付いているものの、最後までしっかり活かされた明るい雰囲気が十全の魅力につながったかはやや不明瞭という印象です。

【ロリ系キャラから年上美女まで多彩なハーレム構成員】
 主人公の少年とセックスをエンジョイするエロ女教師さんのみ成人女性ですが、その他のキャラクターはミドル~ハイティーン級の制服美少女さんで統一。
お兄ちゃんラブな妹さんに加え、堅物委員長キャラながら実はエッチに興味津々でオナニー好きの女の子、妹さんを狙うちょいとヤンデレも入った百合ガール、ちょっとアウトロー的な雰囲気も醸し出しつつ純情さが魅力の美少女・日向さんなど、それぞれ方向性の異なるヒロインを多彩に配置しているのはハーレム系としての魅力の一つ。
なお、妹さんとの関係がありながら、状況を積極的に利用して浮気を繰り返し、かつ女性キャラクターに対してちょっぴりSっ気も発揮する主人公のキャラクターは、あっけらかんとした雰囲気作りとエロの攻撃性の両面に寄与。ラブストーリーとして見ると減点材料でしょうが、彼が日向さんに見せる顔だけは他のヒロインに対するものと異なります。
SecretForMySister3.jpg ヒロインが多いこともあって、各キャラクターの肢体造形は様々であり、妹さんや日向さん、エロ女教師さん達がスレンダーな肢体にツヤツヤ&もっちりな質感の巨乳を備えるタイプであるのに対し(←参照 日向さんのおっぱい シリーズ第9話「当然、神主さんにはナイショで❤」より)、後輩の百合っ子は貧乳ロリボディ、委員長さんはすっぽり手に収まる貧~並乳サイズとなっており、眼鏡の有無や着衣の変化などによってもキャラデザインの多彩さを生じさせています。
 女性の肢体表現に関してはある程度の丸みを付ける描線である一方で、シャープで鋭角的な線にも魅力のある絵柄は適度なオサレ感のあるタイプ。ただし、逆に言うと、女体描写のストレートなエロさとその濃度の高さにはやや欠けるタイプの絵柄であるとも感じます。
一部の作品で初出時期が約4年前と古いこともあって、キャラデザや絵柄には変遷が認められますが、近作中心での収録なので、絵柄の変化がそれほど重要な判断材料となるとは思いません。なお、艶っぽさが塗りでかなり補強された表紙絵よりも、裏表紙の絵柄の方が中身の絵柄との一致度は高いので店頭では裏側もご確認されたし。

【快楽追求のエネルギー感が頼もしい濡れ場】
 各話はページ数的には十分であることもあって、エロの尺も標準かそれを上回る尺が設けられており、前戯パート・抽送パートの双方にバランス良く量を配置した多回戦仕様を基本としています。
前述した様に、絵柄にやや淡白さがある分、作画としての重さ・濃さに乏しく、また性器描写を中心としてストレートな淫猥さに欠ける傾向もある一方、男女双方の設定上、純粋に性的快楽を求めて激しく絡み合うエネルギー感や、快楽に浸る陶酔感を演出面で強く打ち出すことで実用性を高めています。
 主人公の性癖がエロ描写において重要性を持っているのが一つの特徴であり、ヒロインの体の匂いや味に対する嗜好があるために、クンニや乳吸い、脇舐め、耳舐めといったプレイを多投。また、ちょいとサディスティックな面もある主人公で、ソフトSM的な縛りをヒロインに施したり、イラマチオを敢行したりと結構やりたい放題。
エロ展開序盤では、やはりエロに対して積極的なヒロイン達に主導権を握られることもありますが、主人公は即座に反撃に移り、パワフルなピストン運動でヒロインをメロメロに蕩けさせていきます。
SecretForMySister4.jpg このヒロイン達の快感描写においては、絵柄の端正さを維持させながらも比較的アタックの強いエロ演出を施しており、舌を突き出して涎を垂らす口に潤んだ瞳、紅潮した頬とで構成させる蕩け顔や、量的には多くないながらすっかり理性の蕩けた印象のハートマーク付きエロ台詞などでエロティックさを創出しています(←参照 シリーズ第4作「当然、生徒会長にはナイショで❤」より)。また、透過図や断面図を比較的頻度高く使って挿入感の深さを高める工夫もされています。
 早漏展開という印象も多少はあるものの、前戯→抽送の形式だけに留まらず複数ヒロインのあちこちに中出しを連発させるエロ展開などもあって、抜き所の豊富さも実用面での美点と言えるでしょう。

 ストーリー面では少々難があるものの、美少女さんのエロボディをたっぷりペロペロ&パンパンできるという意味では頼もしい1冊であり、ハーレム系としてのお気楽さも長所の一つ。
個人的には、妹ちゃんと日向さんの(エロ的な意味でも)絡みがあったらなお良かったなぁと感じております。

ガビョ布『布のむこうがわ❤』

BeyondClothes.jpgあずまきよひこ先生の『よつばと!』第11巻(電撃コミックス)を読みました。帯の文章が示す通りに、日常の世界に楽しさや輝き、驚きを見つける作品ですよねぇ。
よつばに「なんでうどんにしたの?」と聞かれて店主が少し考えてから「好きだから・・・?」と疑問符付きで答えるシーンが渋くて好きで、幼子と老人の過去と未来の在り様がほんのり対比されていると感じました。

 さて本日は、ガビョ布先生の『布のむこうがわ❤』(茜新社)のへたレビューです。約3年ぶりの新刊となりますなぁ。なお、先生の前単行本『日本全国豆投げ音頭』(久保書店)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
キュートなロリプニ美少女さん達と繰り広げるお馬鹿コメディとちんまりボディを外から中から大満喫なエロが詰まった1冊となっています。

 収録作は、いずれも読み切り形式の短編11作+描き下ろしのおまけ漫画8P。おまけ漫画を除き、1作当りのページ数は8~24P(平均17P)と幅がありつつ、平均すれば控えめな部類。
もっとも、エロのボリュームは十分量あるという印象ですし、テンション高めで勢いよく進行するスタイルであるため、短い作品でも展開の苦しさや物足りなさをあまり感じさせないと言えるでしょう。

【アホ娘達が元気に動き回るギャグエロ漫画】
 作風的には、いい意味で阿呆なテイストを色濃く打ち出すドタバタコメディであり、ハッピーロリータ系にカテゴライズすることも可能な一方でテンションの高いギャグがより目立ち、恋愛系としての甘さに重点を置く方にはやや不向き。
e9128dfa.jpgお気に入りのおぱんつが破けてしまった女の子が、変に偏った性知識から男性主人公に精液を出させてぱんつの“子供”を作ろうとする短編「隣のまりちゃん」(←参照 なに言ってんの、このょぅじょ)の様に、エキセントリックな設定を序盤にぶち上げてその勢いで突破するスタイルはページ数の少ない作品でも効果的な手法となっています。
 斯様に文章にしてしまうと奇妙奇天烈な設定をテンポ良く読ませてしまう安定感や、状況を形成するアホな女の子達の魅力の形成につなげてしまう巧さなどは、この作家さんの特筆すべき美点。
また、前述した様に、ギャグの勢いで作品全体を押し通すことに加え、言葉遊びやパロディなどの小ネタ的なギャグを随所に投入してクスリと笑わせることで、ギャグとしての緩急が付いているのも面白い点です。
 そういった特殊な設定を生じさせるために、吸血鬼の女の子の始めての吸血(短編「急いで口で吸え」)、ある目的(エロ関係ではない)で男性を拉致する秘密組織の女の子(短編「何が大事」)など、ファンタジー要素を絡める手法も散見されますが、良くも悪くもファンタジーとしての面白さは薄く、その有無に関わらずオトボケコメディを貫徹しています。
 コメディとしての軽快さの中でエロシーンに雪崩れ込みつつ、両者に明瞭な差異を設けないことで、ギャグ要素がエロ漫画としての構築から浮つかないのも地味に優れた要素であり、エロを抜いてもギャグを抜いても成立しない作劇と評したいところです。

【ぺたんこお胸のちんまいロリボディ】
 時々年齢不詳の人外さんも登場しますが、彼女達の外見上の年齢も含めてヒロイン陣の年齢層はギリ二桁~ローティーンの小○校高学年クラスがメイン。
BeyondClothes2.jpgコメディとしての面白さ、ギャグとしての突破力を支えるのは彼女達のキャラクター性であり、ユニークな行動理念を持ち、性を意識しているかは不明ながらもエロ方面へと暴走する子が多め。また、男性側が比較的冷静であるが多いことも、彼女達の暴走っぷりの楽しさを対比的によく引き出しています(←参照 暴走する女の子と“うるさいなぁ”扱いの男性 短編「何が大事」より)。
 キャラクターデザインとしては、等身を低く設定して設定上の年齢よりも幼さを強調するタイプであり、丸っこいボディラインを基調としてその柔肉のプニプニ感を明示するロリプニ感満載のタイプ。
BeyondClothes3.jpgほとんど隆起の無いぺたんこバストや、すべすべの肌触りな寸胴~イカ腹気味の体幹、やや短めの四肢にプニプニで一本筋がぴっちりと閉じたお股と、ロリキャラのボディデザインとして必須な要素をフル装備しています(←参照 魅惑のフルフラットフロント(FFF) 短編「さぁ、力を抜いて(読んでください)」より)。なお、それらのスベスベ&ぷにぷに感に加えて、ほっぺたのぷにぷに感も強い魅力の一つと個人的には主張したいところ。
 絵柄的には上述したロリプニ系のボディデザインとの親和性が非常に高いデフォルメ絵柄。非常に可愛らしい絵柄である分、読み手の嗜好によってはストレートなエロさと結びにくい可能性も強くある一方で、むしろ成熟したエロティックさを完全に排除されたことによる背徳的なエロさもあるのは、二次ロリ好きには強い魅力と言えます。
コメディシーンでは、元々強いデフォルメを更に強めて小動物的なキュートネスを出したりと、同一作品内でも場面に合わせて絵柄を変えていますが、初出時期が広いこともあって、描線の濃淡などで絵柄の印象に少々の振れ幅は感じます。

【ぷにぷにボディを味わい尽すエロシーンの陶酔感】
 作品間でページ数に大きな差異がある一方、エロシーンの尺の幅は比較的小さく抑えられており、ショート作品では前述した特殊設定でエロシーンへと高速で移行しております。
これまた前述した通り、エロとギャグが密接に関連した作品構築であるため、特にエロ展開序盤では両者が混在した雰囲気であったり、エロシーンとコメディパートが交互に入れ替わる展開があったりと、エロのみに集中しやすいコンストラクションではないのは確か。
 とは言え、エロ漫画としての実用性は十分に高く、その魅力を担う一つの核は、十分なページ数を与えられた前戯パート。ここでは、ヒロインの服をぬぎぬぎさせて、そのスベスベ&プニプニボディを指や舌で満喫する描写を加えたり、またロリっ子達が無邪気にち○こ弄りに勤しむ描写を加えたりで背徳感と幸福感が絶妙にブレンドされたエロの盛り上げが図られています。
 ロリっ子達のお股をパカリとオープンして小さな秘所に挿入すれば、ギャグ的に痛さを強調することはあるものの、前戯で十分にほぐされたこともあってか、速攻で性的快楽を感じ始める仕様となっており、苦痛描写を排して読み手の精神的負担を大きく低減させる快楽至上主義的なエロシーンを形成。
BeyondClothes4.jpg着衣セックスが基本となっていますが、それでいて要所はきっちり見せており、淫蜜をたっぷりと分泌する幼い秘所からぬめった水音をち○この出し入れで奏でさせつつ、ヒロインの小さな乳首をクリクリと弄って更に彼女達の快感を高める描写を頻度高く添加しているのが一つの特徴となっています(←参照 さきっぽクリクリ 短編「女児が部屋に来るだけで勝ち組だが、更に・・・」より)。
 潤んだ瞳や輪郭のくずれた“はわわ口”などで形成されている、すっかりメロメロな蕩け顔は、絵柄のキュートネスとの相性が良く、大ゴマで描かれる中出しフィニッシュまで、十分な陶酔感を保つことで実用性を高めているのも嬉しいところです。

 前回の単行本レビューの際に、“二次ロリ初心者にもお勧め”との旨を書いたのですが、確かに作品の面白みはかなり万人受けすると思う一方、この幼さが強調されるロリっ子の痴態を性的に楽しめるか否かは、二次ロリ属性な結構な強さも要求するのかなとも感じます。
どれも楽しくて選ぶのが難しいですが、強いてお気に入りをチョイスするならエキセントリックな設定と、ヒロインの愛くるしさが共にトップクラスな短編「隣のまりちゃん」を一押ししたい所存。ロリ好きは要チェックな作品ですよ!
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