2011年09月

ReDrop『乙女ドロップス』

VirginDrops.jpg小山宙哉先生の『宇宙兄弟』第15巻(講談社)を読みました。事故でパニック障害を抱えてしまったムッタの穏やかでいて張り詰めた“闘い”が描かれていますな。主人公兄弟の動機付けには女性が絡むことが意外に多いですな、この作品。
それにしても、ロシアンビューティーとお近付きとはなかなか羨ましい展開ですな。上層部の判断で“飼い殺し”になりかねないムッタが彼女に再会するために再びロシアの地を踏むことはできるのでしょうか。

 さて本日は、ReDrop先生の『乙女ドロップス』(コアマガジン)のへたレビューです。なお、先生の前単行本(初単行本)『ナツコイ』(ワニマガジン社)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
ツヤツヤ&モチモチボディのエロティック美女&美少女が快楽の熱気たっぷりに蕩けるエロシーンが勢揃いな1冊となっています。

 収録作は読み切り形式の短編10作+テキスト付きのフルカラーエロイラスト6P。フルカラー短編「イキすぎ❤性活指導!!」(8P)を除き、1作当りのページ数は20~22P(平均20P強)と中の下クラスのボリュームで安定。
カラー絵での塗りの質感に定評がある作家さん(正確にはコンビ)なので、カラーページが24Pと多めであるのは単行本としてのアドバンテージでしょう。
お話的な読み応えはさしてない一方で、雰囲気の快活さとエロの体感的なボリューム感の強さがある優良抜きツールとして構築されています。

【快活な雰囲気のラブコメ・エロコメ系がメイン】
 前単行本と同様に、お姉さん誘惑系から年下ボーイによる美人さんエロ調教までと作品の方向性には幅がある一方で、作劇の基調となっているのはメガストア系列らしい快活なラブコメディ・エロコメディ。
VirginDrops1.jpg エロに積極的なヒロインが積極的なアピローチをかけるケースが多く、普段は穏やかな性格なのに酔っぱらうと痴女化する幼馴染の逆レイプが描かれたり(←参照 ほんの一杯でこの有様 短編「節句す!」より)、ワガママお姉ちゃんコンビがショタな弟君を(性的な意味で)いじり倒したり(短編「Rumble Sisters」)と、エッチなヒロインに振り回される受け身の幸福感を喚起。
これに対して男性側がシナリオ展開の主導権を握っている作品も少数存在しますが、その場合は“おまじない”を盲信する女の子を騙くらかしてエッチに持ち込んだり(短編「よく効く恋のおまじない!」)、年上お姉さんを天然女たらしのショタっ子がエロ開発したりと(短編「S×S」)と多少の嗜虐性を漂わせるスタイルの作劇になっています。
 快楽の虜的なやや倒錯的なラストとなる短編「tutorial.」を除けば、いずれの側が積極性を発揮するにせよ、カラッと明るい空気感を維持させており、いい意味で快楽至上主義的な作風と言えるでしょう。
 ただ、ドタバタ模様やちょっと素直になれないやり取りなどを経つつ少年少女が微笑ましいラブラブエンドを迎える作品が大半ですが、エロ最優先で甘いラブラブ感はあまり感じない作品もちょこちょこ登場するのはこの快楽至上主義に由来するところ。
 基本的にオーソドックスなフォーマットに乗っている分、読みやすさが先行しており、新味こそない一方で、エロシチュエーションに集中しやすい構築と評し得るでしょう。

【肉感たっぷりのヒップがエロい積極的美少女さん達】
 単行本タイトルに乙女とある通り、ヒロイン陣の構成はミドル~ハイティーン級の美少女さん達を主力としており、そこに女教師さん等のアダルト美女が少数加わる陣容。
主人公の男性に対して年上な女性キャラクターが多く、また同世代の場合でも世話焼きであったり、ワガママであったりと主人公に対して積極性を発揮するお姉さんタイプのキャラクターが多いのが特徴でしょう。
キャラ属性をかっちり固めているタイプではないものの、エロへの能動性が高いヒロインが多く、その中でツンデレさんやビッチキャラ、流され系にワガママガール等々でキャラ分けすることで、その能動性の発揮のされ方に差異を設けています
082ef778.jpg 設定年齢を問わずにツヤツヤ&モチモチとした質感の玉肌に包まれる女体は、マッスたっぷりの巨乳&桃尻を装備するグラマラスボディでほぼ統一されており、おっぱいは勿論のこと、お尻の存在感を強調する構図を多用しています(←参照 短編「正規化リレーション」より)。
 キュートネスよりかは色っぽさを重視する作画であり、デジタル作画のアドバンテージを最大限に活かした作画上の各種修飾によって作画密度を上げており、それに伴って絵柄の淡麗さの中に密度の高いエロティックさを十分量充填。
初出時期が広い分、トーンワーク等による質感の形成の濃淡には初期と現在の作画の間で差異が認められますが、絵面のエロさという意味では一貫して作品の魅力を担っています。

【快楽に蕩ける女体のエロティックさを核とするエロ作画】
 シナリオの方向性やキャラクター設計の由来するエロシーンへのスムーズな展開を示しており、ヒロイン側が熱っぽい痴態を示すエロシーンを十分量ご提供な優良抜きツール。
VirginDrops3.jpg 上述した女体の艶っぽさを前面に押し出すエロ作画であり、むろん結合部アップ構図は相応の量で投入しているものの、引きのAV構図や主観構図等で熱っぽい表情とシズル感溢れるエロボディの動きを描写の中核とすることで、セックスのダイナミズムを形成しています(←参照 騎乗位で主観構図 短編「嵐の夜に❤」より)。また、乳揺れ描写等、巨乳を活かした描写もある一方で、上述した通りにお尻や太股の肉感を強調するコマが多めなのも特徴。
 1回戦をじっくり描くケースから、ダブルヒロインを相手に怒涛の4連発というケースまで存在しますが、いずれの場合でも前戯パートの尺を長く取る傾向にあり、陶酔感のある表情付けでのフェラチオやヒロインの柔らかボディの各性感帯ををねっとり弄り回す愛撫等を標準搭載。
前戯パートでの陶酔感の盛り上げやエロの攻防などに注力している分、抽送パートが量的に圧迫されるケースもあるため、中ゴマ~1Pフルでの中出しフィニッシュまでのタメに欠けることもありますが、エロシーン全体として見れば快楽曲線の押し上げに切れ目がなく、前戯・抽送の両パートにおける射精シーンは好適な抜き所として機能しています。
VirginDrops4.jpg 性格設定はともかく、外見的には清楚系であったり元気系であったりするヒロインのキャラクターデザインである分、濡れ場における蕩け顔の発生させるギャップはエロにおける強い魅力であり、潤んだ瞳からの涙とだらしなく開いた口から漏れる唾液で紅潮した顔面が濡れる表情付けのエロティックさは一級品(←参照 短編「よく効く恋のおまじない!」より)。
コマ割りが窮屈な印象こそありますが、擬音や描き文字のハートマーク付き嬌声等でヒロインの肢体の周りをデコレーションし、適度な量の液汁描写を加える等、各コマで飽和感が強めに打ちだされていることも実用性の底上げに大きく寄与しています。

清純可憐な乙女をお求めな諸氏にはやや不向きかもしれませんが、エロエロお姉さんの誘惑に乗りたい諸氏にはパラダイズが広がっており、お色気感の濃厚さが間違いなく強み。
個人的には、酔いどれ痴女な幼馴染に押し倒される短編「節句す!」と、ニコニコショタが黒髪ロングメガネな美人教師をたっぷりオシオキな短編「S×S」に股間の愚息が大変お世話になりました。

無望菜志『触愛』

TentacleLove.jpg椎名軽穂先生の『君に届け』第14巻(集英社)を読みました。爽子の恋が概ね順調に進展している一方で、友人たちはそれぞれなかなかもどかしい想いを抱えているようで。
しかし、爽子と風早のもうちょっとでキスなシーンで、読みながら心の中で「いったれ!いったれ!」とかドキドキしながら読んでいた管理人はおっさんなのか、それとも乙女なのでしょう?(おそらく前者

 さて本日は、無望菜志先生の『触愛』(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『剣より強し』(コアマガジン)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
ハードなアブノーマルプレイと無慈悲なシナリオワークで魅せる触手凌辱エロが詰まった1冊となっています。

6b6f9f87.jpg 収録作は、異界の邪神を信奉する神父が美少女吸血鬼や魔法少女、そして彼に復讐を果たさんとする異界への門の番人にして巫女剣士を洗礼と言う名の触手凌辱に巻き込んでいくオムニバス短編2作+中編「閂の巫女」前中後編(←参照 中編作「閂の巫女」」中編より)、読み切り形式の短編4作、およびイラストキャラリー6P。
1話・作当りのページ数は16~20P(平均18P弱)と標準をやや下回る程度のボリューム。コンパクトにまとめた短編群となかなか重厚なドラマを見せる中編作とで更生されていますが、どちらもエロシーンの存在感は強固となっています。

【ヒロインの存在理由を蹂躙する苛烈さ】
 初単行本ではラブラブ触手エロで話題を呼び、コアマガジンでは触手エロでもそれ以外でもハッピーな恋愛エロを描いてきた作家さんですが、キルタイムさんでは触手エロのスタンダードである戦闘ヒロイン凌辱エロで作風を統一。
王道の作劇がきっちり固められているサブジャンルである分、短編作ではそのフォーマットを忠実に踏襲した作品が多く、序盤でその強さを発揮しながらも人質といった卑怯な手段や圧倒的な暴力などに屈し、抵抗しながらも未曾有の快楽に堕ちていくという鉄板の話回しを基調としています。
TentacleLove2.jpg戦闘ヒロイン凌辱エロではヒロインのラストでの大逆転というケースもよくありますが、短編「緋龍と騎士」を除けば容赦なしのバットエンドを迎え、何かが壊れてしまったヒロイン達を沼底に放置(←参照 短編「しるべの先で」より)。加えて、それら王道展開を踏襲しつつも、ヒロイン達の転落を描く際に彼女達を縛る感情を語らせることで、分かり易さだけが先行することなく、適度に読ませる作りになっているのは高く評価したい要素です。
 強力な吸血鬼や魔法使いを凌辱の果てに撃破し、世界を滅ぼす異界への扉を開かんとする邪神の忠実なる僕と、父母をその男に殺された巫女剣士との戦いを描く中編作は、復讐に燃えるヒロインが触手凌辱による凶悪な快楽に必死に抵抗し続け、最終話では邪教の神父を切り倒してその復讐を果たします。
ここからラストへの展開が見事であり、父母や養父の愛情に報いた復讐の完遂こそが彼女の最後の砦を愛によって破壊し、世界を破滅に導くという展開を示しており、復讐劇の勝者がある意味で敗者に、敗者がその目的を成し遂げた勝者となるという構図はかなり痛烈。
 この中編作が最も顕著でしたが、短編群も含め、戦闘ヒロイン達の“存在理由を否定する”という無慈悲さが後述する凌辱エロの過激性と結びつくことで、悲劇としてのドラマ性と切れ味を生み出していると評し得るでしょう。

【貧乳~並乳メインの戦闘ヒロイン達】
 剣と魔法のファンタジー世界(いわゆるRPG的世界観)を舞台とする作品群であり、登場するミドル~ハイティーン級の美少女さん達は騎士やドラゴンハンター、戦巫女や吸血鬼等々、キルタイム系の十八番である戦闘美少女達。
作品序盤では、戦闘描写を投入することで彼女達の精神的な気高さや、肉体的な強さを一度高め、それが苛烈な触手凌辱によってズタボロにされるという落差の形成をきっちり行っているのも、オーソドックスながらキャラ描写上の強みでしょう。
 一部たゆんたゆんな巨乳をお持ちな美少女さんも登場していますが、貧~並乳クラスのおっぱいな女性キャラクターが主力であり、下半身周りも含めて肢体のムチムチ感はあまり強調されていないボディデザインという印象。
e7630a6c.jpg同時にロリボディ的なエロさが強いというわけでもなく、どちらかと言えば肢体単体の性的魅力に依存するのではなく、気高い性格設定や衣装や武器等も含めた戦闘ヒロインらしいキャラデザインといったトータルでのキャラ立てで魅力を固めるタイプと個人的には感じます(←参照 割合シリアス展開なのにセーラー服+スク水の戦闘衣装 短編「スク水退魔士ななせ」より)。
 太めでくっきりとした描線が特徴の絵柄は、適度なデフォルメ感が親しみやすさを生んでおり、ややシンプルなアニメ/エロゲー絵柄は絵としての官能性のノリがあまり良いタイプではないものの、そこは後述する作画密度の高さと演出の攻撃性できっちりカバー。
かなり初期の作品から近作までと初出時期が割合に幅広いこともあって、絵柄には多少の変動を感じます。とは言え、絵柄の方向性は大きく変わらず、印象が異なるだけでクオリティの高低に著しい違いがあるわけでもないので、そこまでネガティブな要素ではないでしょう。

【不気味な触手に全身を侵犯される恐怖と喜悦】
 シナリオ進行をエロシーンの中でも行うため、場合によっては抜きへの集中を低下させるケースもありますが、常軌を逸した快楽の苛烈さに屈辱と喜悦を覚えるヒロイン達の痴態を十分量お届け。
 ドラゴンの巨根による異種姦が描かれる短編「緋龍と騎士」以外では全て触手凌辱でエロシチュエーションを統一していますが、百合セックスやふたなりエロなどをシチュエーションに絡めることもあります。
TentacleLove4.jpg触手エロの描き手としての大きなアドバンテージは、触手の量に関して手を抜かず、蠢きながらヒロインの肢体をねっとりと弄り倒す触手をたっぷりと描き込んでいる点であり、膣や肛門を目一杯押し広げで子宮内まで突入する極太の触手から、性感帯を丁寧に攻め立てる細い触手まで各種ご用意(←参照 短編「異神洗礼」より)。
 不死者や魔力の持ち主など、強い存在であるが故に無茶なプレイが可能という設定、および動作等に自由度が高い触手を用いている点が合わさることで、子宮内や腸内への侵入や大量の精液注入による擬似腹ボテ、尿道挿入や限界を超えた性器やアナルの拡張などといった過激でアブノーマルな行為が目白押しであり、苦痛と快楽が混濁した状態でのヒロインの絶叫とアヘ顔のインパクトは強烈。
 このアヘ顔や白痴系エロ台詞、断面図といった強力なエロ演出を十分量施すことでエロの飽和感を形成していますが、それだけに依存することなく美少女の肢体とおぞましい触手の絡み合いという様相そのものが持つ暗いエロティシズムを前面に打ち出せています。
“ボコン”という鈍い音共にお腹が膨らむ程大量の中出しが頻繁に行われており、拡張された結合部を見せ付ける構図で彼女達に絶頂快楽でトドメを刺す中出しフィニッシュでインパクト強くエロシーンをまとめています。

ほのぼの触手エロはオリジナリティーの面白さがあったわけですが、こちらでは触手凌辱エロとしての王道の良さと心理描写で魅せるキャラ立ての良さが光っている感があります。一般での仕事もお忙しいのでしょうが、エロではその両輪を保って頂けると嬉しいところ。
個人的には、最終話の展開に唸らされた中編「閂の巫女」が、ねちっこいエロ展開による実用性の高さもあって一等お気に入りでございます。

服部ミツカ『蜜の花』

FlowerOfHoney.jpgよしながふみ先生の『きのう何食べた?』第5巻(講談社)を読みました。ジルベールみたいな美少年が呑気な風体のヒゲあんちゃんという件は笑えました。恋は盲目でございますな。
自炊派なもので、料理レパートリーの増強にもつながる作品なのですが、どちらかというと調理過程における一手間、もしくは一手間を省くテクニックという面で役に立つ料理描写と感じています。

 さて本日は、服部ミツカ先生の『蜜の花』(一水社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『エロ漫画女子。』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
変態願望の美女達がその欲望に身を任せてパンキッシュに疾走するアブノーマルエロな作品集となっています。

FlowerOfHoney1.jpg 収録作は、過剰な妄想癖でレイプ願望を抱える清楚系美少女がついに妄想爆発して男子連中にその身を投げ出す連作「図書室の二次元的妄想宇宙」前後編(←参照 同作前編ラストより)、昔好きだった幼馴染のお姉さんが出演しているAVを観てしまいやり切れない思いが爆発して彼女の妹さんを襲ってしまう主人公な連作「おおきくなっても」前後編、および読み切り短編6作。
なお、作者の分身的存在である女流獣姦エロ漫画家・オーシマ先生が短編「肉欲連鎖」「セックスと嘘とAV女優(NG無し)」に登場しており、彼女の活躍?を観たい方は前々単行本(初単行本)『実録女流獣姦エロ漫画家!?』(同社刊)をご参照されたし。
1話・作当りのページ数は16~20P(平均18P)とやや控えめな部類で安定。シナリオそのものにヘビィネスがあるタイプではないものの、登場人物達の行為への耽溺という点で読み応えを生んでいるタイプであり、エロ要素が作品の面白みに直結しています。

【止められぬ業としての性的欲望】
 獣姦エロを得意とする作家さんであり、オーシマ先生の登場する短編「肉欲連鎖」「セックスと嘘とAV女優(NG無し)」は間違うことなくお犬様セックスとなっていますが、そういった変態性欲の扱い方は作品によって割合に様々。
 一筋縄ではいかない作劇スタイルであり、ドSな美人さんが男性を妖しく&厳しく攻め立てるシチュエーションの短編「国民多産化計画統制法」や「ひみつのお兄ちゃん」などは、倒錯的な雰囲気作りを軸とした快楽全能主義的なタイプと言えます。
FlowerOfHoney2.jpgこれに対して、性欲の“暴発”こそ描かれながらも、性愛関係が満たされることによって作中の男女が不幸な状況から救済されることになる短編「死にたいなんて言うだけなら」や連作「おおきくなっても」は、なかなか爽やかなハッピーエンドを迎えており(←参照 ヒロインの方へ歩み出す少年 短編「死にたいなんて言うだけなら」より)、性を生として肯定することで独特のグルーブ感を形成しています。
 変態願望の女子が多数登場するわけですが、その描写に関して最も切れ味のあるのは連作「図書室の二次元的妄想宇宙」であり、彼女は普段のレイプ妄想を“実現”させ、しかもそれを実現してくれた男子連中が彼女を性癖を含めて“肯定”してくれるという、ある意味で幸福な結果を享受します。
オーソドックスな変態ラブコメディでしたらここでハッピーエンドの幕を下ろすものですが、本作のヒロインはそういった与えられた幸福を“予定調和”とばっさり切り捨て、まさに破滅へと向かう疾走をラスト2Pで見せます。明らかに“バットエンド”への転換ではあるのですが、その疾走に不思議な爽快感があるのが大きなポイントでしょう。
 ある種の業としての性的欲望、そして溢れる好奇心が登場人物達を駆動しており、他者からの評価を気にすることなく自由闊達に振る舞うからこそ、それぞれが得る幸福も不幸も魅力的に描きあげられていると言えるでしょう。

【蠱惑的な魅力を漂わせる変態願望ヒロインズ】
 登場するヒロイン陣の主力は同数程度の女子高生さんと20代半ば程度の美人さんが主力であり、短編「セックスと嘘とAV女優(NG無し)」に登場するえらく若づくりな美大出身の変態系AV女優さんが三十路キャラ。ちなみに、今回はオーシマ先生はエロ的には活躍しておりません。
FlowerOfHoney3.jpg カバー裏にて「今回からサド女解禁となりまして」と書かれている様に、妖艶な微笑みを浮かべながら男性のウィークポイントを的確に責め上げる美女さんが複数名登場しており、優しく虐められたい願望なドM諸兄には垂涎のキャラ造形と言えましょう(←参照 男性の性癖リサーチ済み 短編「国民多産化計画統制法」より)。
とは言え、攻め側に回ると言っても痴女・スキモノ的な描かれ方をされているキャラクターもいますし、純な乙女や自身の変態願望と葛藤する美少女なども登場しており、キャラ造形は相応に多様。その一方で、ヒロインが自身の欲望に対して忠実に行動するという点は共通する描かれ方でもあります。
 年齢層を問わずにスベスベとした柔肌に包まれるヒロイン達の肢体は、スレンダー寄りながらも全身に適度な肉感のあるタイプで、並~巨クラスの乳房や太股などのもっちりとした質感は強いセックスアピールを有しています。性格面と併せて彼女達のコケットリーを強化している要素でしょう。
艶やかな黒髪や妖しく濡れ光るリップ、濃い目の陰毛の下で淫靡に広がる女性器といった細かい体パーツといった要素も肢体描写におけるポイントであり、オサレ感もある華美な絵柄と各体パーツの生々しい淫靡さとのケミストリーこそキャラデザにおける美点。
 なお、男性キャラクターが一部を除いて美形揃いといえ、ここらは流石にBLも描かれる作家さんといった感ですが、美しい女装青年(not少年)が登場する短編「ひみつのお兄ちゃん」はその特徴を最大限に活かしています。

【強烈な陶酔感で見せるアブノーマル系エロ】
 各収録作のページ数はあまり多くないものの、性行為に対する耽溺を展開の軸とすることが多い分、エロシーンの占める割合は十分に高く、抜きツールとしての信頼感はしっかりとあります。
 十八番である獣姦(今回は2本とも犬)に加え、凌辱プレイや女装青年エロ、ドS美女にリードされながらの被虐系セックス等、アブノーマル系のエロを取り揃えているのが特徴であり、行為の異端さ故にヒロイン達の性的快楽に作劇場の価値が発生するコンストラクション。
FlowerOfHoney4.jpgシナリオ的にも重要である性的陶酔感は強力に打ち出されており、導入パートでの美しい表情をだらしなく蕩けさせる顔面の描写や敢えて言葉にすることでヒロイン自身の“臨場感”を強化する台詞回しといった演出によって、激しくて熱っぽいエロ空間を創出しています(←参照 手前は♂です 短編「ひみつのお兄ちゃん」より)。
 バランス良くページ数を振った前戯パートで一度目の射精シーンを投入し、それに続く抽送パートでは結合部見せ付け構図や、丁寧に描き込んだ断面図等によってストレートな淫猥さをエロ作画に漲らせており、フィニッシュシーンまで十分な尺が設けられているのも実用面での強み。
 決して大量に液汁描写を添加するスタイルではないものの、上気し汗に濡れる女体に粘膜的なぬめぬめとした質感を生じさせているのは面白い点であり、絡み合う肢体そのものにも豊かなエロティックさがあるのも嬉しいところ。
 大ゴマ~1Pフルで描かれるフィニッシュシーンは稀にぶっかけを選択するケースもあるものの、膣内射精強行がメインであり、涙や涎ですっかりグチャグチャになったアクメ顔と声の震えを表現する様な描き文字で表現されたエロ台詞の絶叫で彩られることでインパクトのある抜き所として仕上げられています。
 
キャラクター描写や絵柄の面で女流らしさをアドバンテージとしてきっちり打ち出しており、妖艶で耽美な雰囲気は強い魅力。変に綺麗にまとまろず、良い意味での猥雑性を保っているのも、この作家さんの魅力と言えるでしょう。
個人的には、クールでドSな美女キリコさんにたっぷり愛される短編「国民多産化計画統制法」と、AV女優ワタライさんの名演とパーソナリティが光る短編「セックスと嘘とAV女優(NG無し)」が特にお気に入りでございます。

鮭『苺とあま~いおとぎ話』

SweetFairyTales.jpg柏原麻美先生の『宙のまにまに』最終第10巻(講談社)を読みました。姫ちゃんは残念でしたが、朔と美星の関係が一歩進んだのは良かったですな。部活漫画として綺麗なまとまり方でした。
その爽やかな大団円の後に綴られる、朔君のまさかのくすんだ青春後日談にビックリしましたが、ちゃんとオチが付いて一安心。あと、巻末のイラストギャラリーが凄く豪華なのでお楽しみに。

 さて本日は、鮭先生の『苺とあま~いおとぎ話』(ジーウォーク)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『マシュマロペット』(コアマガジン)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
パロディ&アイロニー満載でハイテンションに繰り広げるお馬鹿ギャグエロが楽しい1冊となっております。

SweetFairyTales1.jpg 収録作は、童話の世界?で見習い魔女っ子(死語)のいちごちゃんが、筋肉ムキムキでエロ狂い(しかもロリコン気味)のマスコット兼教官の熊さんとトラブルに巻き込まれた人達を(一応)助けていくタイトル中編「苺とあま~いおとぎ話」全4話+二人の出会いを描く番外幼少期編+フルカラー掌編(←参照 キャラ紹介は何気にヒドイ件 同中編第2話より)、および読み切り形式の短編・掌編6作。
中編作のフルカラー幕間劇とフルカラー掌編「いこいこ・ピュ!」(共に4P)を除き、1話・作当りのページ数は8~24P(平均17P強)と幅はありながら、平均するとやや控えめな部類。もっとも、終始軽快なテンポで進行するため、ショート作品のコンパクトさはネタの面白みで持続できる尺とマッチしている感はあります

【ハチャメチャギャグでテンポ良く進行する作劇の気持ちよさ】
 前単行本では、おとぼけ風味でブラックジョークを交えつつ、コアマガジン的なラブコメディの趣向にある程度合わせた作風を示していましたが、今回は得意とするパロディギャグで大暴れする中編作に存在感があります。
中編作は、白雪姫やマッチ売りの少女といった童話をモチーフとした世界で、原作通りに困っている登場人物達を助けようとSweetFairyTales2.jpg見習い魔女っ子・いちごちゃんが頑張ろうとするものの、エロ方面にのみ活躍するマスコットさん(←参照 どうにもヒドイ二人の出会い 中編番外編「苺と危な~いクマの話」より)が足を引っ張ったり、登場人物達がエキセントリックで次々とエロトラブルに巻き込まれていく筋書きとなっています。
ニチアサデビューを目指して健気に頑張っているにも関わらず、あっちゃこっちゃでレイプされるいちごちゃんではございますが、そんな凌辱模様すらドタバタギャグに落し込んでしまうのが鮭先生マジック。
何だかんだで各エピソードをハッピーエンドにまとめており、いちごちゃんも晴れて魔法少女の試験に合格しますので読後感も概ね良好であり、登場人物達の賑やかな掛け合いを笑いながら楽しむことができます。
 これに対して短編群は、上述した様にそれぞれネタのワンアイディアでまとめるタイプであり、何気にブラックジョークが濃い目。なかなかにトンデモない状況に陥りながら投げっ放しジャーマンで豪快にほっぽり出すラストは見ものと言えましょう。
パロディだけでなく、諧謔性を伴う風刺にも才のある作家さんであり、短編「中と外」などをメディア風刺と深読みしても間違いではない気もしますが、細かいことを考えずに作品のハイテンションさに乗っかって楽しむのが吉でしょう。

【もちもちと柔らかな質感の女体が魅力の美少女ヒロインズ】
 魔法少女(見習い)さんやら童話の登場人物にケモノっ娘、閻魔さんに天使さん等々、人外さん達も多数登場しておりますが、短編群では女子高生級と思しきヒロイン達も多数登場しており、外見的にはロー~ハイティーン級の女の子達が主力。
中編作に関しては、元ネタにおける童話のキャラクターの設定を踏襲しつつ、そこからエキセントリックな方向にキャラ性を変換しており、元ネタを一定程度消化した上で新たな面白みを付加するという構築が出来ているのが面白さの要と言えます。
 これに比して短編群のヒロインは、状況への巻き込まれ型であってこれといってキャラクターが立っているタイプではありませんが、ネタの面白さで勝負している分、キャラクターはあまり目立たなくても良い設計ではあります。
SweetFairyTales3.jpg いちごちゃんの幼少期も含め、ロリっ子さんもちょこちょこ登場しており、また貧乳キャラにも存在感がありますが、ふにふにと柔らかい乳房やお尻の描写に長けており、そのもちもちとした質感の女体を指やら舌やらで味わう幸福感をよく喚起(←参照 このマシュマロおっぱい 中編「苺とあま~いおとぎ話」第3話より)。
 デフォルメを良く効かせたアニメ/エロゲー絵柄は萌えっぽさも十分にありつつ、ギャグシーンでのはっちゃけた表情付け等とも相性の良いタイプ。あざとさが無いわけではないものの、一般誌で見ても何ら不思議でない程にキャッチーさが先行していると感じます。
絵柄的には安定していますが、作画の密度に関しては多少のばらつきを感じるケースもあり、またエロゲ塗りが秀逸な表紙絵と中身の白黒絵柄は印象がやや異なることにも留意されたし。

【ヒロインのもちもちボディを淫靡に濡らすエロ描写】
 ある意味、エロも含めてギャグ展開ではあるのですが、そこはエロ漫画として実用性の追求もしっかりと為されており、エロ展開をギャグで混ぜ返すことをあまりせずに抜かせるエロ描写としてまとめ上げています。
 ヒロイン側の逆レイプも含め、片方の欲望が爆発して相手を押し倒す展開が多く、中編作では頻度高く集団凌辱の様相を呈しますが、そこに悲愴感はほぼ無く、困惑しつつもすっかりメロメロになってしまったヒロイン達の痴態をご提供。
5936d3e6.jpg エロ演出に関して過激な方向性はあまりないものの、蕩け顔を曝け出し、ハートマーク付きのエロ台詞を連呼するヒロイン達の描写には十分な陶酔感があり(←参照 スイッチ入ったいちごちゃん 中編「苺とあま~いおとぎ話」第4話より)、積極的に性の快楽を求めていく様子でエロのパワフルさを形成させています。
 短編作については短めの作品が多いため、エロシーンの尺は十分と言い難いものの、その中で複数ラウンド制を繰り広げており、早漏展開と言えど、ぶっかけや膣内射精をポンポンとテンポ良く投入することで抜き所を複数配置しているのは有難い点。
このぶっかけ描写も含め、もちもちボディに適度な液汁描写を重ねることでエロティックさを増強しているのが特徴であり、結合部から飛び散る愛液やねっとり絡まり合う舌の唾液といった表現を随所に投入しています。
 抜き特化とは言い難いものの、キュートな美少女達が滅茶苦茶にされつつ感じちゃうというシチュエーションの妙で実用性を保持するスタイルと言え、濃厚なエロをお求めな方には厳しい面もありますが、作品の楽しさを維持しつつ抜きでも楽しみたい諸氏には好適な作りと評したい所存。

思い切りの良いパロディギャグこそ真骨頂な作家さんであり、元気よく暴れ回る登場人物達の姿が楽しい1冊となっています。加えて、何だかんだで、もちもちおっぱいの魅力も捨て難いところ。
管理人としては、個々のボリュームが比較的大きいこともあってギャグの楽しさと抜きの信頼性が調度良いバランスの中編「苺とあま~いおとぎ話」が最愛でございます。

オイスター『見るも無惨』

NoMercyToSee.jpg米国産スラッシュ/テクニカルデスメタルバンドRevocationの新譜『Chaos of forms』(輸入盤)を買いました。いやー、相変わらずギターソロが自由闊達、縦横無尽に暴れておりますな。純正スラッシュ好きには厳しいかもですが、僕は好きです。
同時に買ったBattlecrossの『Pursuit of Honor』もなかなかヘドバンしやすい好盤でした。そして、来月に国内盤も出るSkeletonwitchの新譜も楽しみですなぁ。

 さて本日は、鬼畜エロの帝王・オイスター先生の最新刊『見るも無惨』(一水社)のへたレビューです。先生の前単行本『人デ無シ乃宴』(同社刊)のへたレビュー作家評等も合わせてご参照下さい。
伝播する呪いが巻き起こす狂気と欲望のホラーをテクニカル&ブルータルに描き上げた長編作となっています。

08bfbc94.jpg 収録作は、かつて殺人事件が起き、肝試しスポットとなった廃屋に入り、呪われていく人々とかつての惨劇をオムニバス形式で描き出すシリーズ作全7作(←参照 呪われた人間がまた呪いを生む シリーズ第6話「押し入れの奥の間」より)。
1話当りのページ数は第1話「-袋-」(14P)を除き、全て22Pと標準並みのボリュームで安定。とは言え、読後の余韻も含めて読書感は猛烈に重く、エロも含めて張り詰めた緊張感と不安感で読ませ続ける構築と言えます。

【止める事の出来ない負の連鎖の恐怖】
 人間のドス黒い欲望そのものをシナリオの駆動因とする激烈な凌辱エロを作風の基幹としつつ、ホラーも得意な作家さんであり、シリーズ第1話は短編「先住者」(『生贄と牢獄』(同社刊)に収録)に近似した展開でありながら、本作ではその呪いの“発生源”とそれが広めていく惨禍を長編として描き出しています。
 第1話の時点に対して、過去・現在・未来の時系列を入れ替えながら呪いに関連するエピソードを紡いでいく作劇は非常に技巧的であり、確かにいくつかの伏線は謎のまま終わるとは言え、あとがきにて作者が“いきあたりばったりで描いている”という印象を全く感じさせません。
5e3d54ce.jpgまた、当初はまったく不明であった過去の惨劇が、話が進むにつれて段階を踏んで明らかになっていく展開も見事であり、時系列がばらばらな様で各話のラストシーンが別のエピソードの伏線として機能することで、目を背けたくなる惨劇の“真実”を知りたいという欲求を読み手に喚起させています(←参照 帯のキャッチコピー“赤く染まったてるてる坊主” シリーズ第2話「てるてる坊主」より)。
次々と連鎖する惨劇の中で、弱者を虐げる暴力が更なる暴力を生み、狂気が狂気を、惨劇が惨劇を呼ぶという不幸な構図を“呪い”というギミックを以て描くことで、それを誰しも止めることが出来ないという無力感・不条理感を発生させているのも流石の上手さと評すべき点。
 その負の連鎖が始まる前の、家族のささやかな幸福を描くシーンを諸所に挟み込むことによって、血と精液に塗れた地獄絵図の絶望と悲哀を強調するという手法も目立たないながらこの作家さんらしい効果的な演出。
全ての過去を明らかにし、作品冒頭の時点に回帰する最終話は、舞台となった廃屋と同じく、全ての希望が失われたがらんどうであり、見えないけれどもそこにある呪いの連鎖だけが静かに読み手を見据えています。

【壊れていく柔らかボディな黒髪美少女・美女】
 時系列をシャッフルして描き、また呪いの伝搬を作劇の核としているため、不幸にして狂人による凌辱に2回巻き込まれることになる女教師を除けば、各話異なる女性が登場。
廃屋となった家にかつて住んでいた母親と娘、娘の安否を心配して訪問した女性教師、後に肝試しにそこへ入ったカップル連れの少女二人等々、登場するヒロインの設定や年齢層は様々ですし、凌辱の加担者となる男性陣もエピソードによって異なっており、呪いの伝搬の広さを強調。
呪われながらもそれを凌駕する“業”を持つ第6話のドS変態美女を除けば、(廃屋への不法侵入はともかく)ほぼ落ち度がなく惨劇に巻き込まれるヒロイン達ですが、故に狂気と暴力によって日常が侵犯される恐怖感を掻き立てます。
NoMercyToSee3.jpg 黒髪シュートヘアの美少女を好んで描く作家さんであり、そのタイプのキャラデザインのヒロインはちゃんと複数名登場(←参照 彼女に何があったのかは作品の肝要な要素の一つ シリーズ最終7話「残像」より)。黒髪ヒロインで統一していることも合わさって、ヒロインの見た目の多彩さを望むのはやや避けるべきですが、それでもきっちり描き分けが為されているのは流石にベテランのお仕事と評せます。
貧乳寄りの女の子もおりますが、女性らしい丸みのある輪郭でボディデザインを行っており、無惨な凌辱で文字通りに破壊されていくとは言え、ぷにぷにと柔らかい質感のある巨乳・桃尻にはしっかりとストレートなセックスアピールが乗っているのも◎。
 また、エロの過激性に隠れがちですが、すっきりとまとまった絵柄には十分なキャッチーネスがあり、時に静かに絵をまとめ、時にグチャグチャにあらぶりながら、しっかりと完成された画風を単行本通して安定させているのも高く評価したい点です。

【丁寧かつ過激な作画・演出で描き出す無慈悲な凌辱地獄】
 ストーリー進行をエロシーンにもきっちり織り込みつつ、エロ展開に切れ目を生じさせない構築の上手さは特筆すべき点であり、単行本タイトル通りに見るも無残な凌辱地獄を十分なボリュームでお届け。
 フェラ等の前戯パートもある程度の分量でエロ展開序盤に配置されていますが、エロシーンの大半は性器やアナルへのピストン運動が占める構築。登場する男性キャラクターはいずれも並はずれた巨根の持ち主であり、子宮を押し潰す様な抽送が鈍い打突音と共に繰り返されるピストン描写は圧巻の一言。断面図や透過図、結合部見せ付け構図といった直接的な淫猥さ、およびヒロインの無茶なポージングが生む凄みなども特徴でしょう。
NoMercyToSee4.jpgヒロイン側が性的快楽を味わえるのは“壊れた”後でしかなく、単純に生理的反応として愛液を分泌しながらも、行為への恐怖感や嫌悪感に精神を蝕まれ、肉体的な苦痛が快楽と共に脳髄を支配していく様子をアヘ顔や言葉にならない悲鳴の咆哮によってブルータルに表現しています(←参照 シリーズ第1話「-袋-」より)。
 拘束具や性具、ピアッシングといったアイテムを凌辱エロに加えることで行為の暴力性を高める手法を得意としており、フィストファックなども含めて性器や肛門の惨たらしい拡張などで、ヒロインの身体に対する破壊性が伴っているのも凌辱エロとしての尖り具合を際立たせています。
絵面の過激性の印象が先行しがちですが、シンプルに直線でコマを割っているようで、それぞれ目的がはっきりした大ゴマと小ゴマとをバランス良く組み立て、コマの連続性やアングル変化を上手くこなす作画技術も実用性の向上に地味に貢献。
 抽送開始から猛然と攻めたてるスタイルである分、フィニッシュシーンを特別に盛り上げようとする意図はあまり感じませんが、それでも白目を剥き、舌を虚空に突き出したアヘ顔を曝け出しつつのアナル・前穴中出しフィニッシュのインパクトは強烈無比と言えましょう。

日常の中に隠れた暗い歪みを語る作劇の巧さ、業界トップクラスのエロの攻撃性は共にこの作家さんの全く揺るがぬ長所であり、それを雄弁に語る最新刊と言えるでしょう。シリーズ第3話のラストに連作「歪んだ唇」(『美徳乃不幸』(同社刊)に収録)のヒロインと思しきキャラクターが登場しており、この作品世界ではまだ語り得る部分があるのかもしれません。
むろん、単行本1冊として綺麗にまとまっていますが、この作品世界で広がり続ける怨嗟と絶望を再び読む機会があったら良いなぁと大ファンとしては思うところ。凌辱属性がない方にはとてもじゃないですが、お勧めできないのは確かである一方、個人的には激賞に値する1冊でございます。
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