
それにしても、ロシアンビューティーとお近付きとはなかなか羨ましい展開ですな。上層部の判断で“飼い殺し”になりかねないムッタが彼女に再会するために再びロシアの地を踏むことはできるのでしょうか。
さて本日は、ReDrop先生の『乙女ドロップス』(コアマガジン)のへたレビューです。なお、先生の前単行本(初単行本)『ナツコイ』(ワニマガジン社)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
ツヤツヤ&モチモチボディのエロティック美女&美少女が快楽の熱気たっぷりに蕩けるエロシーンが勢揃いな1冊となっています。
収録作は読み切り形式の短編10作+テキスト付きのフルカラーエロイラスト6P。フルカラー短編「イキすぎ❤性活指導!!」(8P)を除き、1作当りのページ数は20~22P(平均20P強)と中の下クラスのボリュームで安定。
カラー絵での塗りの質感に定評がある作家さん(正確にはコンビ)なので、カラーページが24Pと多めであるのは単行本としてのアドバンテージでしょう。
お話的な読み応えはさしてない一方で、雰囲気の快活さとエロの体感的なボリューム感の強さがある優良抜きツールとして構築されています。
【快活な雰囲気のラブコメ・エロコメ系がメイン】
前単行本と同様に、お姉さん誘惑系から年下ボーイによる美人さんエロ調教までと作品の方向性には幅がある一方で、作劇の基調となっているのはメガストア系列らしい快活なラブコメディ・エロコメディ。

これに対して男性側がシナリオ展開の主導権を握っている作品も少数存在しますが、その場合は“おまじない”を盲信する女の子を騙くらかしてエッチに持ち込んだり(短編「よく効く恋のおまじない!」)、年上お姉さんを天然女たらしのショタっ子がエロ開発したりと(短編「S×S」)と多少の嗜虐性を漂わせるスタイルの作劇になっています。
快楽の虜的なやや倒錯的なラストとなる短編「tutorial.」を除けば、いずれの側が積極性を発揮するにせよ、カラッと明るい空気感を維持させており、いい意味で快楽至上主義的な作風と言えるでしょう。
ただ、ドタバタ模様やちょっと素直になれないやり取りなどを経つつ少年少女が微笑ましいラブラブエンドを迎える作品が大半ですが、エロ最優先で甘いラブラブ感はあまり感じない作品もちょこちょこ登場するのはこの快楽至上主義に由来するところ。
基本的にオーソドックスなフォーマットに乗っている分、読みやすさが先行しており、新味こそない一方で、エロシチュエーションに集中しやすい構築と評し得るでしょう。
【肉感たっぷりのヒップがエロい積極的美少女さん達】
単行本タイトルに乙女とある通り、ヒロイン陣の構成はミドル~ハイティーン級の美少女さん達を主力としており、そこに女教師さん等のアダルト美女が少数加わる陣容。
主人公の男性に対して年上な女性キャラクターが多く、また同世代の場合でも世話焼きであったり、ワガママであったりと主人公に対して積極性を発揮するお姉さんタイプのキャラクターが多いのが特徴でしょう。
キャラ属性をかっちり固めているタイプではないものの、エロへの能動性が高いヒロインが多く、その中でツンデレさんやビッチキャラ、流され系にワガママガール等々でキャラ分けすることで、その能動性の発揮のされ方に差異を設けています。

キュートネスよりかは色っぽさを重視する作画であり、デジタル作画のアドバンテージを最大限に活かした作画上の各種修飾によって作画密度を上げており、それに伴って絵柄の淡麗さの中に密度の高いエロティックさを十分量充填。
初出時期が広い分、トーンワーク等による質感の形成の濃淡には初期と現在の作画の間で差異が認められますが、絵面のエロさという意味では一貫して作品の魅力を担っています。
【快楽に蕩ける女体のエロティックさを核とするエロ作画】
シナリオの方向性やキャラクター設計の由来するエロシーンへのスムーズな展開を示しており、ヒロイン側が熱っぽい痴態を示すエロシーンを十分量ご提供な優良抜きツール。

1回戦をじっくり描くケースから、ダブルヒロインを相手に怒涛の4連発というケースまで存在しますが、いずれの場合でも前戯パートの尺を長く取る傾向にあり、陶酔感のある表情付けでのフェラチオやヒロインの柔らかボディの各性感帯ををねっとり弄り回す愛撫等を標準搭載。
前戯パートでの陶酔感の盛り上げやエロの攻防などに注力している分、抽送パートが量的に圧迫されるケースもあるため、中ゴマ~1Pフルでの中出しフィニッシュまでのタメに欠けることもありますが、エロシーン全体として見れば快楽曲線の押し上げに切れ目がなく、前戯・抽送の両パートにおける射精シーンは好適な抜き所として機能しています。

コマ割りが窮屈な印象こそありますが、擬音や描き文字のハートマーク付き嬌声等でヒロインの肢体の周りをデコレーションし、適度な量の液汁描写を加える等、各コマで飽和感が強めに打ちだされていることも実用性の底上げに大きく寄与しています。
清純可憐な乙女をお求めな諸氏にはやや不向きかもしれませんが、エロエロお姉さんの誘惑に乗りたい諸氏にはパラダイズが広がっており、お色気感の濃厚さが間違いなく強み。
個人的には、酔いどれ痴女な幼馴染に押し倒される短編「節句す!」と、ニコニコショタが黒髪ロングメガネな美人教師をたっぷりオシオキな短編「S×S」に股間の愚息が大変お世話になりました。