2011年06月

シロタクロタ『本命彼女』

FavoriteLover.jpg TVアニメ『版『GOSICK -ゴシック-』第23話「灰染めのチェスにチェックメイトを告げる」を観ました。1925年の時点でドイツがポーランド侵攻ということは、史実とはかなり異なる歴史を歩んでいるのですね。
その吹きすさぶ“大きな嵐”の中で、離れ離れになってしまった久城君とヴィクトリカさんですが、彼女の想いに応えて久城君がソビュールに戻ることが如何にして可能になるのでしょうか。ハッピーエンドになって欲しいものですなぁ。

 さて本日は、シロタクロタ先生の『本命彼女』(茜新社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『召しませ・愛玩メイド』(エンジェル出版)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
キュート&エロエロな美少女さん達と繰り広げる平和なラブストーリーが楽しめる作品集となっています。

FavoriteLover1.jpg 収録作は、奥手な彼女さんと恋仲が進行しない主人公が都会から戻ってきた幼馴染さんと再会して始まる恋の三角関係なタイトル中編「本命彼女」全4話(←参照 都会ですっかり垢ぬけた女の子 同中編第1話より)、エロエロな彼女さんに振り回される男の子の日常な「毎日がモラトリアム」シリーズ2作、および読み切り短編5作。
なお、「毎日がモラトリアム」シリーズの第1話や、短編「男×更衣室×女2」の前作などは、茜新社における前単行本(冊数的には5冊前)『すけーぷ★ごーと』に収録されています。ただ、ストーリーの連続性は弱いので、今単行本から入ってもそれ程読みに支障はないと思われます。
 1話・作当りのページ数は16~22P(平均19P強)と中の下クラスの分量で推移。軽過ぎも重過ぎもしない適度な読書感と、一定の濃厚さを備えたエロとで満足できる1冊となっています。

【オトボケ風味なラブコメディから真摯な青春恋愛ドラマまで】
 彼氏君とのエッチに少し満足できないヒロインが彼氏の兄貴に隙を付かれて寝取られ展開となる短編「蜜室」を除き、男女の恋愛ストーリーを描く作品で概ね統一されており、平穏な読書感を維持。
「毎日がモラトリアム」シリーズのように、コメディ色を強めてエロまっしぐらに駆け抜けるタイプの作品も多い一方で、もどかしい男女関係を描き出すタイトル中編やコミカルな幕開けからちょっと心温まるお話に変化する短編「ほしふるよるに」など、恋愛におけるアンビバレンツな心情を比較的丁寧に描き出す作品にも存在感があります。
2e79e164.jpg 男女関係で心に傷を負った故に性に過剰に奔放になってしまった幼馴染と、真面目で純粋であるが故に性に奥である彼女さんとの間で主人公が揺れ動く中編作は特にシリアス色が明瞭であり、明るさの中に陰を見せる前者と、大人しさの中に芯の強さを見せる後者との良好な対比がストーリー進行を魅力的なものにしています(←参照 中編第3話より)。
お気楽ノリな他の短編群では、主人公の男性が流されっぱなしとなるケースが多いものの、中編作においては少年の誠実さがちゃんと描写されているのが好印象であり、それ故に安易な両手に花エンドでなく、二人のヒロインがそれぞれの未来へ向かって歩み出すことをラストで可能にしているのも○。
 恋愛感情の描写がそれ程為されていないケースでも、若者らしい純粋な快楽追求が登場人物達を幸福に導くというスタイルは共通しており、濃い目のエロの前後をよく整えている感があります。
 青春ドラマとして描く場合でも、ラブコメディとして描く場合でも、やや構え過ぎている分、パンチ力に欠ける傾向を感じますが、それぞれよくまとまっており、硬軟織り交ぜても読みやすさがあるのは長所でしょう。

【たっぷりサイズのバスト&ヒップ装備なエロエロガールズ】

 ヒロイン陣の年齢層は、女子高生~女子大生級の10代後半~20歳前後のキャラクターで構成されており、絵柄の特性故かどちらかと言えば“綺麗なお姉さん”的な色香を香らせるタイプとなっています。
短編「杏奈先生のご褒美」に登場する見事なアバズレさんは極端な例ではありますが、ビッチ級も含めて性に対してかなり積極的なヒロインが多め。上述した中編のように、このタイプのキャラクターとの対比を図るために、性に奥手なヒロインを同時に投入するケースも認められ、それが帯の“処女vsビッチ”の意味するところとなっています。
FavoriteLover3.jpg 純情系小悪魔ガールな短編「ほしふるよるに」のツインテール娘さんは比較的ちんまいボディに膨らみかけなバストでありますが、その他のヒロインは乳尻を中心にむちむちとした質感のお肉をたっぷり装備な淫猥ボディの持ち主となっています(←参照 エロスイッチの入った姫子さん シリーズ第3作「さらに毎日がモラトリアム」より)。
肢体造形そのものは王道的で、これといって特色があるわけではないものの、個々の体パーツの持つ淫猥さを大きな武器としており、薄めに生える陰毛と艶めかしい淫肉の蠢く秘所をの股間描写や、やや多めな乳輪と小粒な乳首が組み合わされたバストトップ、エロシーンで色香を増す黒目がちの瞳などで、意外にえげつないエロさを醸し出してきます。
 腰までめくれ上がったスカートを常に残存させるなど、着衣セックスが大半を占めており、競泳水着やメイド服、学校の制服などの定番ドコロをきっちり押さえたサービス精神も有難い点。
 各出版社から勢力的に単行本を出されていることから窺えるように、業界の中でも筆の速い作家さん(コンビなので正確には作画担当の方が)であり、絵柄をしっかり固めた上で量産しているので単行本を通して絵柄のクオリティはしっかり安定しています。

【陶酔の表情と肉感たっぷりのエロボディで魅せる濡れ場】

 シナリオの趣向に依らず、エロへの雪崩れ込みがかなり早めに行われるため、エロシーンの分量は十分にあり、かつ快楽曲線の盛り上げに切れ目のないエロ展開を形成できています。
このエロ展開において、前戯パートと抽送パートの両方にバランス良くページ数を配置し、双方に射精パートを設けて抜き所を形成する展開の安定感は実用性を高めており、両パートにおいてヒロインのもちもちとした肢体を有効活用。
9290f15d.jpg ゆさゆさとヘビィに揺れ弾む巨乳は、前戯パートにおいて高い頻度で投入されるパイズリシーンでも活躍する上に、抽送パートにおいては力強いピストンに合わせて乳首残像を生じさせながら激しく乳揺れをすることで(←参照 短編「がまんできない❤」より)、エロシーン全体を通しておっぱい星人にアピールしてきます。
 じっとりと滲む汗や、蜜壺から溢れだす愛液、口角から垂れる唾液などの液汁描写によって、ヒロインの肢体のシズル感を行為の進展に併せて高めていますが、そのことがヒロインの柔肌に粘膜的なエロティックさを生じさせているのも特徴でしょう。
結合部描写には分量を割くものの、アヘ顔や断面図といった強烈なエロ演出とは無縁であるため、ややエロさの即効性に難を感じる方もいるかもしれませんが、メロメロに蕩ける表情や上述の肉感溢れる女体などで紙面に濃密な官能性を常にキープしており、フィニッシュシーンへと向けて着実にエロさを積み上げていくタイプと評せます。
 すっかりアクメフェイスを曝け出し、日本語にならない嬌声を搾り出すヒロインを大ゴマ~1Pフルで描き出すフィニッシュシーンは、まれにぶっかけをチョイスしますが、基本的には中出しを決め込んでおり、結合部見せ付け構図でそれらをダイナミックに提示しています。

読書感の良さとエロの満足感が両立されており、これまでの作品群と比して特段の新規性こそ感じないものの、ウェルメイドな恋愛系エロ漫画と感じます。
個人的には、相変わらずドエロなキュートガール・姫子さんとの変わり種エッチが楽しめる「毎日がモラトリアム」シリーズに、引き続き愚息がお世話になりました。

松本ドリル研究所『まマまま!』

MaMaMaMa.jpg 小山宙哉先生の『宇宙兄弟』第14巻(講談社)を読みました。ムッタが月への道を開けないことに、弟・ヒビトが抱えてしまった“病”とそれを懸念する上役達が関連することが明らかになり、何ともじれったい巻でした。
とは言え、ムッタが室長に堂々とその意思を示したように、そんなもどかしささえ越えていくのが、きっとこの兄弟なんだろうなぁとも感じます。二人で月面の夢はそう遠くないことでしょう。

 さて本日は、松本ドリル研究所先生の『まマまま!』(コアマガジン)のへたレビューです。前単行本『あらいめんとゆ~ゆ~』(同社刊)から約4年ぶりの成年向け単行本となります。待ちましたなぁ。
ヒロイン達の肉感ボディと強烈なエロ演出でひたすらにごり押しするパワフルファックが拝める1冊となっています。

MaMaMaMa1.jpg 収録作は、体の中に“魔王”を宿す少年を巡る、元・魔法少女なお姉ちゃんや真面目優等生気質の悪魔さんなどのエロバトルコメディなタイトル長編全8話(←参照 手前がお姉ちゃん・奥が悪魔さん 同長編第3話「リストカットと告白タイム」より)+本編に登場しなかった面々達が、これまたエロ騒動を引き起こす描き下ろしの番外掌編(7P)。
番外掌編は除いて、1話当りのページ数は24~32P(平均29P弱)と、コンビニ誌初出としては破格のボリューム。ドタバタ展開ながら粘り腰のシナリオ、およびがっつり濃厚なエロ描写によって読み応えは強い仕上がりとなっています。

【お気楽ノリで自由闊達に進行するドタバタエロコメディ】
 穏やかな性格ながら、その身に絶大な魔力を持つ魔王を宿すショタ少年、その精を搾り取ることで魔力の蓄積をコントロールする元・正義の魔法少女なお姉ちゃん、そして魔王復活を目論んで少年に近付く悪魔っ子の3人が織りなすドタバタコメディが今回の長編作の魅力。
 ファンタジーな作品設定は、メイン格のヒロイン2名が巻き起こすエロバトルの発生を容易にする以上の役割はあまりなく、コメディとしてのパンキッシュなノリの良さで終盤までひたすら引っ張る展開となっています。
84d14757.jpg 一応“正義”の側でありながら、天性のドSっぷりを発揮するお姉ちゃんに、悪魔ながらも真面目な性格で主人公の少年と恋仲でもあるツンデレ悪魔さんが、作戦に毎度失敗してしまうことで、各エピソードにオチを付けるという天丼展開を形成(←参照 長編第2話「けしからんコスプレ」より)。それでいて話がダレないのは、キャラ造形が生き生きとしている故でしょう。
悪魔っ子である上村さんの頑張り様が、コミカルなシーンの魅力を形成しており、ある意味で彼女の頑張りが失敗続きである構築であるため、恋愛系としての甘さや幸福感はあまり重視されていないことには要留意。
 終盤展開においては、魔界側から新たな刺客が登場し、主人公をピンチに陥らせますが、形成の逆転を図り、新たな悪魔ガールを屈服させることのいずれもエロ絡みであり、多数のサブキャラクターを巻き込んだ一大乱交へと進行させる豪快さも魅力でしょう。
 勢い任せ、キャラ任せであるのは間違いなく、ドラマの作り方としていい意味で“B級的”であることに邁進した印象が強くあり、お気楽なラストまで軽妙な読み心地が保たれています。

【もっちりお肉をたっぷり装備なファンタジー系美女・美少女】
 上述したメインヒロインコンビは、20代半ばのお姉ちゃんと、一応高校生活を送るも年齢的にはもっと上であろう悪魔っ娘さん。サブキャラとして、お姉ちゃんんと同じく元・魔法少女な保険医さんや彼らを窮地に追い込む魔界の幹部である新たな悪魔美少女さんも登場しています。
コメディパートを主とするシナリオ構築であることもあって、メインヒロイン二人のドタバタな駆け引きが主であり、エロシーンも基本的にはこの二人に集中。とは言え、異なる性的魅力を持つサブキャラ二人のエロシーンにも存在感はしっかりとあります。
MaMaMaMa3.jpg 明らかに某女児向けアニメシリーズを意識したコスチュームや(←参照 ノーコメントで(笑) 長編第7話「絶対妊娠!封印はパイプカット」より)、どっかで見たことのあるキャラクター造形のモブキャラクターやサブキャラクターなどなど、人気のあるネタを各種のキャラクター造形に絡めるフットワークの軽さは、流石同人で鳴らした作家さんという印象が良くも悪くもあります。
 魔王の娘である関西弁悪魔っ子ちゃんはツインテールで並乳という、ややロリ色のある肢体造形になっていますが、その他のヒロインはもちもちとした質感と汗ばむ体温感をもたされた柔肉をたっぷりまとう巨乳・巨尻ボディの持ち主。主人公がショタである分、その肉感がよく目立ちます。
 ヒロインの喜怒哀楽の表情の魅せ方、日常パートではあまり目立たないもののエロシーンで光る主人公の性欲の表現等、台詞回しや表情作りなどの漫画チックな自由闊達さも作品の楽しさの強化に大きく貢献しています。
 一般仕事の合間の掲載という感も多少感じるなど、全8話の初出時期には約4年の幅がありますが、もともと完成度の高い絵柄は単行本を通してしっかり安定しており、モノクロ絵になっても表紙絵のカラー絵と印象がほとんど異ならないのは見事です。

【濃厚・パワフルなエロ演出・作画でゴリゴリ押しまくるハードファック】
 各エピソードのページ数が十分あることもあり、前戯・抽送の両パートに十分な分量を設けた長尺の濡れ場を構築しており、かつ強力なエロ演出・エロ作画で押しまくるストロングスタイルで体感的なボリューム感を押し上げています。
 パイズリやフェラなどでショタ少年の特大チ○コをねっとりと愛撫する様や、ヒロインの性感帯をピンポイントに弄り倒していく様で構成するエロシーンに十分なボリュームがあるのは大きな強みであり、ヒロインの口腔内にどぴゅどぴゅとショタミルクを注ぎこんだり、蜜壺をたっぷりと湿らせたりで厨スパートへの移行をがっちり固めています。
この後にピストン運動へ移行すれば、じっとりと汗やら汁やらに濡れた上述した豊満エロボディを抱え込んでガツガツと抽送を繰り返して、中出しフィニッシュに向けてひたすらに疾走。
MaMaMaMa4.jpg特に、バックからの突き込みの構図は強烈無比であり、愛液を潤滑しながらぐにぐに蠢く膣内やおまけとばかりに押し開かれたアナルをドアップで見せ付けながら、尻肉に下半身を叩きつける様子をダイナミックな構図で随所に投入しています(←参照 長編第4話「感染性集団淫行」より)。
 画面を埋め尽くすハートマーク付きの白痴系エロ台詞や擬音、結合部見せ付け構図やぐしゃぐしゃに蕩けたエロフェイスなど、濃密なエロ演出を織り重ねるスタイルによってエロの濃密感を形成しているのも見事で、コマぶち抜き絵や大ゴマを十分量設けつつ、小ゴマをぎっちり詰め込む画面構成もそのスタイルを補助。
 凌辱風味のエロシチュエーションもあるため、エロのハイプレッシャーさが目立ちやすいですが、その一方で、恋愛感情に基づくラブエロとしての甘さもある程度添加しており、その辺りの調節の上手さで強力な抜きツールを形成しているのは高く評価したいところ。

エロ漫画に期待されるフリーダム感を十全に活かしつつ、パワフルな演出・作画で読み手の性欲中枢を飽和させるエロをたっぷり提示するという痛快な作品と言えるでしょう。
細かい部分に有無を言わせない勢いがあり、フリーダムなようで、“売れる作品”として綿密に計算されている感があるのも流石であるなぁと感じます。

URAN『アネキネコ』

CatLadies.jpg 近木野中哉先生(原作:鎌池和馬氏)の『とある魔術の禁書目録』第8巻(スクウェア・エニックス)を読みました。あぁん、褐色肌美女・シェリーさん、この作品では過去エピソードの回想は完全に負けフラグだというのに・・・(当然、男女平等パンチを被弾)。
“幻想”を“殺す”ものである上条さんが、風斬さんに向かって“お前の幻想は終わっていない”という旨を述べるシーンはいいシーンでしたなぁ。大切な友達であるインデックスとの別れのシーンもじんわりと心地よいものでした。

 さて本日は、URAN先生の『アネキネコ』(富士美出版)のへたレビューです。先生の前単行本『いちごま~ぶる』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
多様なシナリオワークの中で魅せるもっちりボディのキュートお姉さん達とのパワフルファックが楽しめる作品集となっています。

CatLadies1.jpg 収録作は、ヘビィなオタクであるショタ弟君に弱みを握られてエロ方面で翻弄されちゃうお姉さんを描く中編「Layerd」シリーズ全4作(←参照 お姉ちゃんにコスプレ強要 同作第1話より)、および独立した短編・掌編8作。
フルカラー作品である掌編「温泉NON STOP!」(4P)と、同人誌からの再録であるおまけ短編「シないとシんじゃう♡」(8P)を除き、1話・作当りのページ数は12~22P(平均18P強)と、コンビニ誌初出としては標準的な部類。シナリオの読み応えは軽く仕上げられており、エロの量的満足感も重過ぎも軽過ぎもしない水準となっています。

【ライト指向ではありつつ面白みは様々な作品群】
 前単行本が1冊まるごとの長編作であったのに対し、今単行本は4話構成の中編作と短編作で構成されており、両形式とも比較的ポップ&ライトなシナリオとしてまとまっている印象。
90年代のトレンディードラマ(死語)的なドラマ性も備えつつ真摯な青春ストーリーとして描き上げた前単行本の長編に比して、今回の中編作は割合にドタバタ劇の色彩が強めではあります。
 とは言え、姉弟の信頼関係が両者を幸福に導く流れなどは、この作家さんらしい真っ直ぐな恋愛讃歌を感じる部分で、作品によっては登場人物の感情表現に旨味を感じるシーンもあります。
CatLadies2.jpg 短編作に関しても、コンビニ誌的なお気楽テイストをふんだんに含ませた作品も多いのですが(←参照 お姉ちゃん二人と3Pへ 短編「姉僕」より)、ちょっぴりSF(すこしふしぎ)な要素を絡めた作品もあり、イージーネスを安定させつつ、作品ごとに面白みが異なるのは単行本としてのアドバンテージの一つでしょう。
特に、オチの上手さに関しては評価できる作品が多く、棚ボタ的な展開からヒロインのお姉さんの妖しさを引き立てる短編「隠恋慕」、見事なギャフンオチを迎える短編「おそうじロボにご用心!!」、意外性のあるまとめ方でちょっとしんみりとした雰囲気を醸し出す短編「夏の終わりに」など、作品の雰囲気をラストで決定させる構成が多かったのは興味深い点。
 初出時期がばらけていることもあってか、作品の持つ空気感、およびシナリオのタイトさには結構な幅がありますが、それぞれ小粒によくまとまっているので、バラエティ感が嬉しい構成になっているとも言えるでしょう。

【お姉ちゃん系中心なヒロインの柔らかボディ】
 表紙において“姉系”を謳っている通り、主人公の男性より年上の姉系ヒロインが多数登場していますが、必ずしも姉系特化型ではなく、ロリっ子や同年代の彼女さんなども登場しています。
なお、表紙絵や単行本タイトルなどで、ネコミミ美少女を推している感がありますが、メイドロボさんなどの人外キャラが多少登場するものの、ケモミミガールは全く登場しないため、そこに期待すると大ダメージを受けることには要留意。
 シナリオの設計に合わせ、優しいお姉さんから妖しげな雰囲気を持つ美少女さんまで様々ですが、ヒロインの肢体造形に関しては概ね共通しており、たっぷりサイズなおっぱいやお尻も含めて柔肉のもちもちとした質感が重視されたタイプとなっています。
ee8065fd.jpg 弟君の趣味に合わせて各種コスプレ(アニメチックなものが多め)をお姉ちゃんがしてくれる中編作に加え、他の作品においてもメイド服や競泳水着などキャッチーな衣装を投入しており(←参照 美少女ロボットさん 短編「おそうじロボにご用心!!」より)、学校の制服等も含め、ヒロインの肢体の魅力をそれぞれに高めるものをチョイス。
 長編作の単行本化などに伴って、ここまで未収録であった作品を回収したこともあり、初出時期は約3年間の幅があるのですが、ベースとなる絵柄自体はそこまで変化は無く、表紙絵での購入判断に問題はほぼありません。
古目の作品においては、描線がよりくっきりとしており、デフォルメ感がより強い印象があり、漫画チックなキュートネスが目立っている感もありますが、近作では絵柄の洗練さが増した印象はあります。とは言え、適度な温度感のある作画と言う美点は初出時期に依らず共通していると感じます。

【演出面でのアグレッシブさが光るエロシーン】
 作品の雰囲気はそれぞれ異なるものの、濡れ場への進展のスムーズさは共通しており、エロシーンの分量は標準並みを維持しています。
コンパクトな構成であるためか、叙情性よりかはエロのアタックをより明確に追求した作品が多い印象があり、双方のエロ欲求のままにガツガツとしたセックスを展開。
CatLadies4.jpg 演出面においても、決して多くないエロの尺の中で、個々の描画のアタックを強めるスタイルを徹底しており、いわゆるはわわ口なども絡めた蕩け顔や、描き文字で表現される嬌声、顔面や肢体を濡らす汗や涙などの各種液汁描写などで、性的快楽の強烈さをしっかりと演出しています(←参照 短編「Live Sex」より)。
 前戯パートをねっとりと長く設ける場合もある一方で、挿入するまでエロとコミカルパートがドタバタと構成する作品もあるなど、抽送パートに至るまでの展開は様々ながら、そこに比較的分量を取ったエロ展開という印象があり、1回戦仕様の場合もあれば複数ラウンド制も取る場合もあります。
 処女ヒロインが多いものの、抽送パートにおけるエロの盛り上げを急速に図る意図もあってか、挿入直後から快楽に蕩けるヒロインの痴態を拝むことが可能であり、演出面も含めて一気にエロの密度を高めてフィニッシュシーンへと力走していきます。
大ゴマ~1Pフルで描かれるフィニッシュシーンは前穴中出しが基本。前戯パートなども含めてぶっかけ描写を含ませることもありますが、白濁液を大量に描き込むタイプではないので、外出し関係に関しては少々物足りなさを感じる方もいるでしょう。

 初出時期の関係もあって、作品間でのバラつきは確かに感じるのですが、絵柄の持つ魅力やシナリオワークの面白みなどは一貫しており、むしろバラエティ感の魅力がよく目立つと個人的には感じます。
個人的には、エロエロボディの持ち主なお姉ちゃんの様々なコスプレ姿が楽しめる中編作が抜き的に最愛でございます(ネコミミもありますしね!)。

結城焔『ぴぴる魔っ!』

PiPiRuMa.jpg 村岡ユウ先生の『馬鹿者のすべて』第4巻(集英社)を読みました。今回が最終巻となりますが、宇治田だけでなく、南もまた愚直な不器用系男子だったのですなぁ。
正しく、こうでなくっちゃという形式で二人が雌雄を決するラストとなりましたなぁ。それぞれの登場人物が、前に歩み出すいい区切りになったお話だったと思います。

 さて本日は、結城焔先生の『ぴぴる魔っ!』(ヒット出版社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『らぶぽろすたいる』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
ピュアでラブい雰囲気に包まれた優しいファンタジーが楽しめる1冊となっております。

PiPiRuMa1.jpg 収録作は、放蕩三昧で魔法の国から追い出された王子様が現代日本でやっぱりメイクラブ三昧なタイトル長編「ぴぴる魔っ!」(←参照 初っ端からプレイボーイ 同長編第1話より)、および読み切り掌編1作。
1作・話当りのページ数は6~36P(平均24P)と幅はありながら中の上クラスの分量。長編として相応の読み応えがあり、雰囲気の良いエロも含めて読後の満足感が高く仕上がっています。

【善なるものとしての性愛讃歌なファンタジー長編】
 魔法を行使するためにはHをしてパワーを溜めなければいけないイケメン王子様というキャラ設定が、いかにも漫画的ファンタジー感を高めていますが、作劇の軸が恋愛・エロへの讃歌にあることは今回も共通。
いかにも軽い感じの王子様が、メインヒロインである優ちゃんにお世話になりながら、他の女の子にもちょっかいを出していくという序盤展開は軽快。
PiPiRuMa2.jpg とは言え、単純にお気軽ハーレム展開に進行するのでなく、セックスも含めて王子の行動が、性愛に関して様々な悩みを持つ登場人物達を救済し(←参照 長編第2話より)、沢山の人物の恋路を助けていくという恋のキューピッドの役割を王子は担っていきます。
 王子自身はフォロー役に回って、女の子と想い人の男性とのエッチを補助したりと、必ずしもエロ欲望だけで動かないのも、王子の印象を良くしており、メインヒロインとの関係に特化していく終盤展開への流れに整合性をもたせています。
 また、王子が助けた人物達が、王子と優ちゃんの恋愛関係をバックアップするなど、善が善によって報われる描き方なども大変好印象。
 適度なドラマ性が込められているため、設定のご都合主義感をあまり意識させないのは巧さと言えますが、逆にピュアである故にお話の、特に少女漫画的な、“クサさ”も目立つことには要留意。

【貧乳さんから豊乳さんまでなスレンダーガールズ】
 長編作は、メインヒロインである女子大生・優ちゃんの他に、計5名のヒロインが登場しており、彼女達のキャラ設計は様々。
お姉さんキャラクターを得意とする作家さんですが、必ずしも年上キャラで固定されているわけでなく、ローティーンから20代半ば程度まで幅のある年齢層の中で、クールビューティーや元気娘、純真ロリっ子などを投入しています。
 体型設定的には、掌編「萌えっコ☆すれいぶ」のヒロインや長編作のサブヒロインの一人・彩ちゃんは、かなりちんまいロリっ子ですが、それ以外のキャラクターはすらっと伸びたスレンダーボディの持ち主。
PiPiRuMa3.jpg全体的にほっそりした肢体の持ち主ですが、おっぱい的にはぺたんこクラスから爆乳寄りの巨乳ランクまで多様(←参照 ぺたんこガール 長編第5話より)。いずれにしても肢体の均整さが重要視されており、直接的なエロスよりも美しさが前面にでるタイプと言えるでしょう。
 なお、ほとんど全裸でもブラだけは残すなど、着衣セックスが基本となっている感があり、行為の進展に合わせて徐々に肢体が露わになっていく様も煽情的。
 絵柄的には単行本通してしっかり安定しており、淡麗な描線が組み合わされた適度なオサレ感と華やかさのある画風という印象です。

【美しい肢体の魅力を活かした甘エロ系の濡れ場】
 作品の設定的にエロへと流しやすいのですが、シナリオ面で雰囲気をよく整えてからエロシーンへと踏み込んでおり、単にエロメインの構築でないながらも同時にエロの分量は十二分に用意。
ラブい台詞回しなども含め、男女の感情伝達を重視し、より明るい方向へと変調していく雰囲気作りには旨味がある一方で、シンプルにエロのパワフルさや濃厚感を望む諸氏にはやや不向きであるのは確かでしょう。
 無論、適度にアグレッシブさを形成しようとする意図はよく窺え、艶やかな肢体が性的快感に小刻みに反応し、カタチの良いヒップを動かしてしまう痴態はなかなかにエロティック。
PiPiRuMa4.jpgまた、トロンと瞳が蕩けた官能の表情やラブエロ台詞も、絵柄の雰囲気やキャラクター造形にマッチした上品なタイプであり、甘い雰囲気の醸成との親和性が高いスタイルと評せます(←参照 元気娘の蕩け顔 長編第1話より)。
 エロ展開に関しては、1回戦をじっくりと描くタイプであり、ヒロインの肢体と性器へ丁寧な愛撫を加えた後、挿入を開始して一気に加速するタイプ。逆に言うと、女性側からのフェラやパイズリ等はほぼ登場しないので、そこらに抜き所を期待する方には不向き。
断面図や透過図を絡めて迫力を付与する、1Pフルな中出しフィニッシュは、クライマックスに相応しくエロのアタックを高められていますが、そのアタックには作画・作劇の特性上の上限があると言えるでしょう。

長編ストーリーとして完成度は高く、キャラクター(特に主人公)の魅力が徐々に変化していくことで、エロの魅力もまた変遷していくのは面白いところ。
胡乱な評ではありますが、阿吽らしさとしての魅力と、阿吽らしからぬ魅力が同居しているとも感じます。

しのづかあつと『ぼへみあん・らぷそでぃー』

BohemianRhapsody.jpg TVアニメ『花咲くいろは』第11話「夜に吼える」を観ました。ドラマティックな一日だけあって、緒花ちゃんの表情が喜怒哀楽に目まぐるしく変化する回でしたね。
しかし、この子の行動力は凄いですなぁ。いいところだけでなく、駄目な点も勿論ありますが、若さですなぁ。あと、お母さん美人なんですが、若いころの女将に似てますな。

 さて本日は、しのづかあつと先生の初単行本『ぼへみあん・らぷそでぃー』のへたレビューです。『MC☆あくしず』(イカロス出版)での活躍も楽しんでいますので、単行本化は嬉しいですな。
キュート&キャッチーな造形の美少女さん達が積極的にエロスを振りまいてくれるのが楽しい1冊となっています。

BohemianRhapsody1.jpg 収録作は、容姿端麗な美少女さんが彼氏の仔犬系ボーイをペットにしてお楽しみな連作「えぼにー・でびる」前後編(←参照 にっこりドS 同作前編より)、大人しい顔してエロに超積極的なメガネっ子に翻弄される連作「ちーぷ・とりっく」前後編、および読み切り短編7作。
1話・作当りのページ数は16~20P(平均18P)と書店売り誌初出としてはボリューム感はやや弱め。良くも悪くもシナリオはコンパクトにまとまっており、眼福なエロシーンを十分量確保した構成となっています。

【メガストア系列らしいお気楽ラブコメディ】
 お話的には、いかにもメガストア系列らしいポップでライト指向のラブコメディであり、美少女さんとのラブエロ模様を明るく楽しい雰囲気で描き出すタイプ。
BohemianRhapsody2.jpg エロ願望が強力なメガネさんが彼氏君を振り回す連作「ちーぷ・とりっく」を筆頭に、女子側が恋とエロに関して積極性を発揮するケースが多く(←参照 連作「ちーぷ・とりっく」後編より)、棚ボタ的な幸福感を形成しています。
この棚ボタ展開において、ヒロインの設定任せにしている部分が多いため、話としてチープな印象があるのは否めませんが、ヒロインのキャラクター性を作劇の中心に据えているため、キャラ性の多彩さがシナリオの多彩さを生んでいるのは美点。
 また、恋愛感情の描写はあまり量的に充実していないのですが、それぞれのヒロインのキャラクター性がよく固まっている分、人物関係の中での恋愛感情の表現の仕方に分かりやすさがあり、スムーズな読み口を確保しています。
 ト書きと台詞回しという文字表現のみで状況を説明しようとするなど、少々苦しい構成でリズムを悪くしているケースもありますが、基本的には登場人物の軽快な台詞の応酬でラストまで明るく通しているのはコメディ系として仕上がりのよいところ。
お話のラストも、のんびりとしたハッピーエンドであり、読後にさして余韻は残らないものの、コンパクトによくまとまったシナリオ構築となっています。

【キャッチーな性格設定を為された巨乳美少女さん】
 短編「しあー・はーと・あたっく」にはアンドロイドな学級委員長さんが登場していますが、その他の生身の女性キャラはミドル~ハイティーン級の制服美少女で統一。
BohemianRhapsody3.jpg 正統派の大和撫子さんや、ツンデレガール、堅物委員長(←参照 お堅い印象ですがちょっとドジなアンドロイド委員長 短編「しあー・はーと・あたっく」より)、ワガママ系お嬢様に無表情なクールガールなどなど、ラブコメディ系でポピュラーなキャラ造形を多彩にお取り揃え。
上述したように、エロへの積極性を大いに発揮するキャラクターが多く、恥ずかしがりながらも男性にアタックを仕掛けるタイプから、妖しく微笑みながら主人公のチ○コを取りだす痴女さんタイプまで、その描き方にはある程度の幅が感じられます。
 短編「そふと・ましーん」に登場する不思議系クールメガネっ子さんは、ちんまいボディと貧乳をお持ちなロリ体型となっていますが、基本的にはふっくらと柔らかそうな巨乳・桃尻を持ったエロボディの持ち主。
肉感を十分に持ちながらも、過剰な重量感は肢体に存在せず、おっぱいやお尻のふにふにと柔らかい質感が強調されているのが肢体造形面での強みと言えるでしょう。
 初出時期には約4年の幅があるものの、絵柄の安定感は十二分に強く、初期の時点からキャッチーでモダンな二次元絵柄として完成度が高いという感があります。

【肢体のもちもち感を十全に活かした作画・演出】
 イージーな展開でさっくりシナリオパートをまとめ、キュートな女の子達が積極的にサービスしてくれる据え膳形式の濡れ場を十分に提供。
 初期から画面構成の上手さを示しており、小~中コマを詰め込むスタイルを主体としつつ、コマぶち抜き絵や大ゴマを各所で効果的に用いることでインパクトと情報量の多さを両立しています。
BohemianRhapsody4.jpg上述したヒロインの積極性は、前戯パートにおいてよく生かされており、主人公の肉棒をたっぷりサイズのおっぱいや舌の艶めかしく動くお口で愛撫して、顔面ぶっかけへと導いていきます(←参照 短編「すとれい・きゃっと」より)。
ここで十分にエロを盛り上げ、抜き所を形成してから、つるつるな股間をぱかりと開いて抽送パートへと移行。汗やら汁やらでヒロインの肢体のシズル感を適度に高めた上で、それが快感に悶える様子を十分な尺で用意しています。
 パワフルなピストンを繰り出されることによって、ヒロイン側はエロへの余裕を喪失しており、蕩けた表情とラブエロ台詞でセックスの快楽にすっかりメロメロになるという展開で、エロへの陶酔感と適度な制服感を喚起。
 フィニッシュシーンは、たっぷり淫蜜を潤滑してちんこを締めつける淫洞の最奥に、たっぷりと白濁液を注ぎ込む様を大ゴマ~1Pフルで表現しており、盤石なエロ展開のラストを形成しています。

やはり絵柄の良さが大きな売りであるのは間違いなく、キャラクターの魅力を強化すると共に、肢体の柔らかいエロティックさを生み出しています。
個人的には堅物メガネなアンドロイド委員長さんの前後の穴をご堪能な短編「しあー・はーと・あたっく」と、これまたメガネっ子さんがメイドコスプレでエロエロプレイな短編「すとれい・きゃっと」に愚息がお世話になりました。
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