
ここん所でお気に入りはMorbid Carnageの『NIGHT ASSASSINS』とSucidal Angelsの『DEAD AGAIN』ですかねー。どっちも直球で激走するスラッシュメタルで、まぁ、首の振り易いコト振り易いコト。どっちもお勧めですよー。
さて本日は、茶否先生の『お姉ちゃんと妹は俺の嫁』(マックス)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『妹は同人少女コスプレ系』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
キュートな妹ちゃん達を中心とした萌え系ヒロインとの能天気ラブエロ話を満喫できる1冊となっています。

おまけ系統の作品を除き、1話・作当りのページ数は16~20P(平均18P強)とコンビニ誌初出としては標準的なボリュームで安定。続きモノも含めて軽めの読み味が徹底されており、良くも悪くも腹に溜まらないライト指向の作品集と言えるでしょう。
【オーソドックスなお気楽萌えエロ系】
すっかりポプリクラブの誌風に染まってお気楽ラブコメディを作風のメインに据えるようになった作家さんですが、ロリ主体の以前の作風の時点から有しているふわっと柔らかくハートウォームな雰囲気の形成力は今単行本でもある程度維持。
悪く言ってしまうと、コンビニ誌らしい“毒にも薬にもならない”類の作劇ではありますが、それでもキュートな美少女達とのラブアフェアの甘美な幸福感やエロの前後をしっかりと整えるテンポの良さなどは、商業作品としての間違いない長所でしょう。

美少女新人声優さん達が敏腕プロデューサーを“お兄ちゃん”と呼んで誘惑したり(中編「妹プロデュースCV」)、ネコ好きのお兄ちゃんを飼い猫達から奪還しようと妹さんがネコミミコスプレでラブアタックを敢行したりと(短編「妹はネコで嫁」)、ヒロイン側の積極性が光るシナリオ展開も棚ボタ的な幸福感を生じさせています。
シナリオパートにはさして分量が割かれていないものの、エロシーンの中で男女の恋愛感情の強さを甘いラブエロ台詞によって演出してくるため、作品全体として見た際には恋愛モノとしての甘さがスポイルされていないのも○。
作劇手法としての新規性や意外性には乏しく、ストーリー重視派には厳しい内容ではありますが、同時に定番故の安定感や安心感もあるため、この類の作品群を好む層にとってはむしろ好適な作劇とも評せます。
【ぽよんとした柔らか巨乳のティーン美少女が主力】
カバー裏のおまけ漫画やカバーの柱の自己紹介で激しく主張している様に本来は真性のロリータ美少女愛好家な作家さんですが、コンビニ誌のポプリクラブを初出としているために妹さんも含めてミドル~ハイティーン級の美少女が主力のヒロイン陣となっています。
姉妹丼が満喫できる短編「つれてけ!なつまつり」や、お姉ちゃんとのラブラブ話の短編「たっくんとおねえちゃん」と年上ヒロイン(姉)が登場する作品もちょこちょこありますが、基本的には主人公よりも年下の女の子達であり、勿論妹キャラは豊富にお取り揃え。
基本的には貞操観念の薄い姉妹達(従姉妹含む)であり、一途な好きの気持ちでまっしぐらに駆け抜けるため、近親相姦の背徳性はほとんど示されないのも軽快な雰囲気を維持させる要因。

巨乳を描き続けると死んでしまう病(自称)に冒された作家さんではありますが、これまた雑誌の制約上巨乳キャラが多めで等身も割合高いのでロリっぽさを期待するのは残念ながらNG。とは言え、短編「先住民」のようにちんまい貧乳ロリっ娘も少数登場するのは大変にありがたい点です。
コミカルな演出で用いるデフォルメ絵も含め、絵柄のいい意味での安定の無さや描線の適度な荒れに魅力のある画風なので、逆に絵柄の安定感を求める方にはやや不向き。デジタルツールの導入で多少絵柄の雰囲気が変わった印象があります。
【ヒロイン達の幸せそうに蕩ける表情が魅力】
各作品のページ数こそあまり多くないのですが、濡れ場の尺は十分であり、また多回戦仕様のエロ展開を詰め込める技術は高く評価すべき要素。
この作家さんのエロ展開の特徴としては、中出し(膣内射精)に対するコダワリの強さが挙げられ、男女双方の妙にパワフルな台詞回しによってその行為の快楽を欲求する姿をガツガツと描き出していきます。
このコダワリは抽送パートに移行してからかなり顕著であり、前戯パートでも射精シーンが存在する一方で、抽送パートでは下半身を勢いよく叩きつけ合いながら何発も中出しを重ねていく様がえらくパワフル。

なお、後背位もある程度の分量を投入するものの、男女が正対する体位でセックスを描く方が多く、キュートな美少女の“反応”を主観的な構図に愛でつつ、恋愛セックスとしての密着感等も演出されているのは上手いところ。
3Pエッチなどを除けば、これといってエロの趣向に変化はなく、前穴中出しを絶対の中核とするエロ展開だけに、多彩さに欠けるのは何ではありますが、それでも抜きツールとしてやはり定番の旨味を十分に備えていると言えるでしょう。
あかざわRED先生と同じく、コンビニ誌の制約に悩む作家さんであり、この人のロリ魂を自由に解き放てる場を提供する雑誌からのオファーがあることを一ファンとしては望みますが、お気楽近親ラブコメはそれはそれで良質であり、今単行本も堪能させて頂きました。
個人的には、何と言っても赤いロリっ娘が実にキュートな短編「先住民」がキャラ的にも抜き的にも最愛でございます。