2010年09月

廣田眞胤『大輔くんの非実在美少女+』

CuteGirlsForDaisuke.jpg太田優姫先生(原作:吉浦康裕氏)の『イヴの時間』第1巻(スクウェア・エニックス)を読みました。ニコニコ動画で公式配信された時も見ていましたが、漫画版は画面の見せ方が違うので二度楽しめますな。
人間とアンドロイドを例え“区別”したところで、コミュニケーションは成立するわけですが、何処までいっても“中国語の部屋”なわけで、心とは何ぞやというテーマではありますなぁ。とまれ、サミィ可愛いよサミィ。

さて本日は、廣田眞胤先生の2冊目『大輔くんの非実在美少女+』(一水社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本(初単行本)『エッチで自分勝手でカワイイ娘』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
ユニークに過ぎるへんてこヒロイン達があの手この手で大輔君とのメイクラブにまっしぐらという楽しい作品集になっています。

収録作は全て短編で10作+ファンクを愛する某どっぐ先生との描き下ろしおまけ旅行漫画(3P)。
なお、前単行本では作品タイトルがメタル関連ばかりでしたが、今単行本ではメタル率が低下していてメタラーな管理人にしてみれば「ちぇっ」てなもんですが、大多数の読者には関係の無いことでしょう。
1作当りのページ数は16or18P(平均17P強)と控えめなボリュームで低位安定していますが、いずみレーベルとしては比較的厚めな単行本です。軽妙な雰囲気にこそ味がある作風ですが、フックの散りばめられた作劇であるため、適度な読み応えのある作品構築となっています。

【描き手の願望だだ漏れ感が素敵な甘々ラブコメディ】
作者の本名と同じ名を持つ“大輔”君達に様々なタイプの美少女がラブエロ構成を仕掛けるザ・棚ボタ展開を各作品において貫徹しており、そのことが生みだす(主に作者向けの)甘い幸福感が大きな魅力。
CuteGirlsForDaisuke1.jpgエロ漫画家の大輔氏(童貞)が大ファンの美少女に救助され、漫画の参考にとセックスをご教授という短編「みざりー・いん・みー」の色々な意味で極まった印象を筆頭に(←参照)、作者のピンクな願望だだ漏れと思しき作劇が勢揃いしております。
ご都合主義を如何に整理し、読み手に過剰に意識させないかがエロ漫画作品の構築において一つの重要な課題であるのに対し、そんなことは知らぬ!とばかりに恋とエロの全能的幸福を愚直に希求するスタイルは、「ねーよw」とツッコミを誘発させつつも読み手を思わずにんやりさせること請け合いです。
また、大輔君を含めた登場人物の素っ頓狂な会話の応酬が作品の楽しさを生んでおり、特に登場するストレンジガールズ達に関しては、盲愛系のヒロインとは異なり、意外に思考は真っ当なのですが、ちょっとつつけば溢れる想いによってあらぬ方向へと暴走を始める姿が実に可愛らしく、愛すべき脳味噌ゆんゆんガールとして描かれているのが楽しいところ。
この台詞回しの絶妙さも含めて作劇面でも一定のセンスを感じさせ、夢と現実の境界を曖昧にしつつ進行させる短編「でぃず・でい・うぃ・ふぁいと!」や、予想はしたけどそれでいいの?的な半分コミカル半分残酷なオチを設ける短編「ちょっと!」、やけに平和な寝取り/寝取られ劇な短編「ぶるーくらしー」などはその好例であって、平凡なラブコメ話に決して安住しないスタイルは頼もしい美点です。
催眠術とか寝取りとか、作家によっては真っ黒展開確定な要素が登場してもチアフルさが失われることはなく、大抵はしょーもない(誉め言葉)ギャフンオチでコミカルに話を畳んでいるため、読後の余韻もさっぱりとなるように仕上げられています。

【それぞれにユニークな魅力のある純情暴走ガールズ】
CuteGirlsForDaisuke2.jpgこれぞツンデレの王道という様な娘さんから世間知らずのセレブお嬢様(言うまでもなく何故か大輔君と同居中)、電波系ガール(←参照 日常茶飯事の様です 短編「えいりあん・らぶ・し~くれっつ」より)に仔犬系オドオド少女(でも長身ガール)まで様々ですが、勿論皆さんそれぞれの世界の大輔君のことが大好き。一部例外のヒロインもいますが、作品のラストまでには大輔君とラブラブになっていますのでご心配なく。
強いて言えばツンデレタイプが多いのですが、それぞれユニークな言動がしっかりと前面に打ち出されているため、一つとして同じタイプの女の子がいない印象もあるバラエティの豊かさは作品・単行本の両単位において魅力を形成しています。
なお、表紙絵で主張している様にメガネっ子の可愛らしさも大変よろしく、前単行本(9作中該当1作)に対して10本中3本にメガネ美少女が登場と増量が為されているのは属性持ちには嬉しい点でしょう。
e468021c.jpg並乳さんから巨乳さんまで体型的には様々ですが、おっぱいやお尻などの局所的なもちもち感に優れる肢体描写となっており、特に適度にふっくらとした腰回りの肉感は◎。また、作家さんの趣味らしく全員処女であり、破瓜描写も各エロシーンで為されています(←参照 正統派ツンデレ 短編「ちょっと!」より)。
一般的な男性向け絵柄に、少女漫画絵柄のゴテゴテした修飾性を無理矢理充填したかの様な独特の絵柄が特徴的ですが、その個性をしっかり残しつつ絵柄のキャッチーネスは前単行本に比して高まっており、純愛果実系の美少女絵柄の本道により近づいた感はあります。加えて絵柄に安定感が出てきたのも確かな成長の証でしょう。
ところで、セーターの細かい模様やスカートのチェック柄、ガーリッシュな下着類やパジャマなど、各キャラの衣装を非常に丁寧に描いているのは、地味な要素ながらも大変好印象であり、ヒロイン達の可愛らしさの増強に貢献してます。

【エロ演出の強さと甘い陶酔感が上手く調和したエロシーン】
基本的にヒロイン側の積極的なアタックに開始される棚ボタエッチは、コミカル成分も多分に混入させつつ十分な尺を設けており、抜きツールとしても十分に有用。
愚直なご都合主義の追求が生みだすピンクな幸福感もエロの盛り上げに寄与しており、各大輔君のことが大好きな女の子達がその全てを受け止めて快楽に蕩けていく様は何とも甘い居心地の良さがあります。
大輔君の妙に泥臭く力強い台詞と、それに応えるヒロイン達のラブいエロ台詞で画面を彩りつつ、ヒロインの各体パーツの肉感とトロトロに蕩けた表情を強調するコマを並べてエロ作画を構築しており、視覚的なアタックの強さは相応にしっかりしています。
CuteGirlsForDaisuke4.jpg挿入直後は破瓜の痛みを訴えつつも、双方が必死に腰を振って快楽を高めあっていき、フィニッシュシーンでは両者絶頂を迎える膣内射精を1Pフルでダイナミックに提示。この際、中出しを表現する手法が様々であり、正中線に衝撃表現を並べたり、断面図を用いたり、謎のトーンを腹部に描いたりとユニークながら変に説得力がある各表現は面白いところ(←参照 体軸に衝撃波 短編「てんだー・されんだー」より)。
このフィニッシュシーンも含め、ヒロインの蕩け顔の濃厚な陶酔感は強い武器であり、喜悦の涙で潤み瞳、紅潮する頬、そして輪郭線がほわほわに崩れた口腔などで構成されるエロフェイスをたっぷりと堪能可能。
丁寧な描き込みは口腔内や秘所などの粘膜描写にも活かされており、ねっとりとしたキスやフェラ、結合部見せつけ構図などでその威力をよく発揮しているのも抜き所の増加とそれに伴う実用性の増強につながっています。

カバー裏のあとがきでリスペクトを示している中年先生と、美少女キャラのユニークな造形と恋愛コメディの甘いハピネスの魅力が共通していますが、中年先生の作品は意外に繊細な叙情性を含有するマイナーコード系であるのに対し、溢れんばかりの願望で突き進む廣田作品はむしろパワーコード的と言ったところでしょうか(やや無理のある喩え)。
個人的には、長身ガールとチビ少年(&緑の憎いあんちくしょう登場)という管理人のツボを突く短編「てんだー・されんだー」と、サガミオリジナルが大活躍しない正統派ツンデレさんとのラブラブエッチな短編「まじっく・あんど・めいへむ」が特にお気に入り。“エロい!マストバイ!”とは敢えて申しませんが、楽しくて使えるエロ漫画をお求めな方には是非チェックして頂きたい良作であります。

諸々告知

どうも、Thrash Domination 2010も満喫して次はLOUDPARKに備える管理人のへどばんです。
立秋過ぎたのにまだ暑いとか言っていたら、いつ間にやら空気がすっかり秋でございます。読者諸氏におかれましては、体調など崩されませぬように。

さて、メタラーではなく、へたレビュアーの方の管理人に関してですが、エンジェル出版さんからインタビューを受けまして、今週30日発売のエンジェル倶楽部11月号の「むきちんインタビュー」コーナーに載ることになってます。
僕なりに考えているところの、エンジェル倶楽部作品の面白さとか、エロ漫画をレビューすることへのコダワリ等について話しましたので、どうぞよろしく。
僕もまだ記事内容を見ているわけではないので、半分ワクワク半分ブルブルしつつ、読むのを楽しみにしております。

あと、そのコーナーでもちょっと宣伝して頂くそうですが、冬コミで同人誌出します。
目下、レビューの合間を必死で縫って作成中ですが、タイトルは「エロ漫画用語の基礎知識」としてあります。
エロ漫画ジャンルにおける作劇・作画・キャラ・エロシーン等の構成要素について100項目程度設けて、僕なりに各論を述べています。
構成要素に目を付けたのは、用語集的な構成が面白いかなと思ってのことですが、現在のエロ漫画評論における、特に永山薫氏の『エロマンガ・スタディーズ』(エロ漫画ファン必読書)における“ジャンル単位”でのエロ漫画論に対するカウンターのつもりです。
サブジャンル単位での俯瞰的な見方が有効なのは確かですが、その中での極となるものを見るだけでなく、基本的要素の多様性に着目し、どのような役割を果たすかを考えたいのです。
その上で、サブジャンル間での、構成要素の意味合いの共通性・非共通性を明らかにできたらなぁと思っております。
エロ漫画というジャンルを、その分類の上からでなく、下から見つめ直すと申しましょうか。
・・・まぁ、とにかく原稿を進めないとですね。既に5万字くらい書いてますが、終りが見えないです・・・。

まぁ、そんなこんなで頑張っております。勿論、通常更新としての新刊レビューも変わらず精進して参ります。
ではでは~

追伸:拍手コメントを頂いているのですが、斯くの如き多忙もありましてお返事を書けておりません。大変申し訳ないです。
近日中にまとめてレス返しますので、ご容赦を。

大庭佳文『らてらん』

RadioTVListings.jpg小山宙哉先生の『宇宙兄弟』第11巻(講談社)を読みました。前漢では冷血漢としてのイメージも強かったビンスさんですが、これがまた情熱を秘めた人だったんですなぁ。
というか、この作品、優秀そうに見えようがズボラに見えようが凡人に見えようが、皆その心の中に熱く確かなモノを持っている人物ばかりなんですよねぇ。あまり話は進んでますが、相変わらず面白いです。

さて本日は、大庭佳文先生の『らてらん』(久保書店)のへたレビューです。単行本タイトル通りに目次がラテ欄なのですが、作品名以外の番組名が「伊集院光 深夜の馬鹿力」のコーナー名ばかりなのには笑いました。
思春期入りたてな少年少女の淡い恋とエロを落ち着いた雰囲気の中で味わえる作品集となっています。

RadioTVListings1.jpg収録作は、エロ知識豊富なマイペースガール・久田さんと彼女に惚れた葛西君を中心に周囲の人物の色恋沙汰と成長を描く短編群7作(←参照 恋の病の治療法? 短編「きょうの健康」より)+描き下ろしのおまけ掌編2P、および読み切り短編3作+その内短編2作の前日談・後日談掌編(各2P)。
読み切り短編3作は、話としては独立していますが、登場人物が着用している学校の制服からオムニバス形式の短編群とも作品世界が共通していることが窺えます。
描き下ろし作品を除き、1作当りのページ数は8~20P(平均16P弱)と控えめなボリューム。口当りはふんわりと軽いですが、徐々に沁みる様な味わいがあるタイプで、ゆっくりと読み進めるのが吉と言えます。

【子供たちの平穏な日常の中の小さな恋愛ドラマ】
少女同士の恋愛・性愛(ガールズラブ)も含め、思春期に入って恋や性を意識し始めた少年少女を描く作品で統一。
性知識に乏しい少女もいれば、既に彼氏とイチャイチャチュッチュッしまくりな少年少女もいるものの、そういった状況も含めて彼ら彼女らのごく普通の日常の中で描き出しています。
e3724258.jpg大人から見れば、子供らしい微笑ましさを持ち、幸福な児戯の延長にあるかの様な性愛も、当事者たる登場人物にとっては困惑や混乱を生む“大きな課題”であるという描き方は趣きがあり、作中の人物の感情に思いを馳せさせるのが実に心憎い点(←参照 困惑故の少年の涙 短編「わたしのきもち」より)。
時に別離や失恋といった経験もしながら、作中での時間の流れと共に微かな、それでいて確かな成長を示していく思春期ボーイズ&ガールズは、子供らしい弱さを外見から漂わせながら、等身大の頼もしさを感じさせてくれます。
ドラマ性の強さや漫画的な華々しさはほとんど無いため、万人受けするタイプでは決してないですが、読後に残る優しい余韻に浸れる作品群と言えましょう。
なお、短編「My Girl」は、兄に性行為を強要されることに苦しむ少女の彼氏君との恋を描いており、この作品のみやや重苦しい展開になりますが、救済への望みを暗示する(ラストの「ごめんね」と「ありがとう」の順番が重要かなと推察)ため、他の作品と大きく落差はあるとは個人的には感じません。

【徐々に成長もしてゆく思春期ボーイ&ガール】
同一のキャラが時間経過に応じて成長する場合もありますが、上述した通りに小○校高学年~中○生の思春期真っ盛りな少年少女のみが登場しています。
少女達の言動の可愛らしさは程良く表現されている一方で、漫画的なキャラ性の強さや萌え成分の添加は認められず、中○生時の制服を除けばいかにも普段着でございますといった服装も含めて、ごく普通の少年少女として描かれます。
地味っ子属性の諸氏には正しく好物件ですが、キャッチーな要素を詰め込んだロリっ子達をお求めな方には魅力薄というのは要留意。
RadioTVListings3.jpg短編群7作のヒロイントリオは成長に伴って等身が上がりますが、その場合でも平坦な胸や股間を含めてスベスベとした体表、ほっそりとした手足という儚げな未熟ボディを曝け出しており、じわりと背徳感を醸し出してくるタイプ(←参照 ガールズラブな二人 短編「My Hair Lady」より)。
少年の裸体に関しても同様の傾向が認められ、共に肉付きの少ない肢体が露出され、重なり絡みあう濡れ場は、直接的な官能性には乏しいのですが、画面の“白さ”がむしろ好ましく思えます。
穏やかなキュートネスに満たされた絵柄は単行本を通して安定しており、彩色が施された表紙絵に比べれば白黒絵はより地味ですが、作風には非常にマッチしています。

【アタックは弱いが幸福な快楽が滲み出るエロシーン】
収録作10本中、3作は少女同士の性行為を描く作品であることには、実用面では好みを分ける要素であるので、一定の注意が必要でしょう。
また、邪魔にならない程度に結合部見せ付け構図を設けたり、抽送シーンでは擬音を散りばめたり、更にフィニッシュシーンでは大ゴマを切ったりと男性向けとしてのエロ演出・エロ作画をしっかり踏襲しているのですが、雰囲気の穏やかさと相まってかエロとしてのアタックは結構弱めではあります。
ページ数の関係上、エロシーンが長いとも言えないので、即効性にある抜き物件でがっつり実用的読書を楽しみたい諸兄にはお勧めしにくい感が強いのは確かです。
RadioTVListings4.jpgただ、胸に溢れる好意に衝き動かされて互いに快楽を味わおうとするお子様エッチの幸福感は非常に良質であり、目前の快楽の強さに余裕のない表情を示すヒロインの痴態を徐々にではあるものの、読み手の興奮を高めていきます(←参照 短編「できるかな」より)。また、少年の肢体の存在感をしっかり残した作画になっているのも作品の方向性を考えれば正解でしょう。
性感の波に揺られる少女達の痴態を中~大ゴマで描く際には体位やアングルを変化させつつ、官能性をしっかりと維持させていますが、小ゴマで局所描写や体パーツ各部の描写になると作画が抜けがちなのは個人的に一定の減点材料。
貝合わせで両者絶頂というケースもありつつ、基本的には小さな秘所に小さな陰茎が白濁液を注入する中出しフィニッシュで締めていますが、ここが強力な抜き所と認識される前に、その後のピロートークで思わずにんまりしてしまうのは実用的読書的には難点でもありましょう。

絵柄や作風からして、長月みそか先生や宮内由香先生も活躍したLOでの執筆開始は正しい選択と考えられ、前出の作家さんが好きな方にはグッと来る1冊でしょう。また、百合アンソロの「つぼみ」が好きな諸氏にも好アピールするかなと個人的には思います。
管理人は、今単行本では抜けなかったのが申し訳ないのですが、久田さんと葛西君の純情ラブストーリーにほっこりとさせられた1冊でございました。

Dr.P『恋愛スタンピード!』

RomanceStampede.jpg車谷晴子先生の『お子様ぱーんち!』(小学館)を読みました。ふふふ、やはりいづきさんがお勧めする少女漫画には外れはないですぜぇ。ニヤラブ空間に悶絶しました。
同時収録の短編「王子様にはお触り禁止」がフルスロットルで女性向けなので「おぉぅ・・」とか思いましたが(いい意味で)、苺ちゃんの純情ラブマインドは一見の価値ありですよ。

さて本日は、Dr.P先生の『恋愛スタンピード!』(富士美出版)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『侵略的恋愛主義』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
ちょっぴり素直になれないキュートガールズ&レディーズと織りなす微笑ましいラブコメディが楽しめる作品集となっています。

b0cbd747.jpg収録作は、作品世界を共有していると思しきオムニバス形式の学園ラブコメ短編5作+各カップルのその後を描くおまけ漫画(5P)、および前単行本で結ばれたカップル5組が再登場でやはりオムニバス形式の短編5作(←参照 日焼け体育教師・巴さんはメイン格で再登場ならず、無念 短編「俺のミドリさん」より)。
描き下ろしのおまけ作品を除き、1作当りのページ数は16or18P(平均18P弱)とコンビニ誌初出として標準的なボリュームで安定。ストーリーとしての重みには欠けるが、エロも含めて非常に雰囲気の良い作品構築が為されており、読み心地の良質さは確かな美点と言えましょう。

【ヒロインのキャラ性を魅力の中核とするラブコメディ】
デビュー以来作風は不変であり、ヒロインのキャラクター性を活かした明るく微笑ましいラブコメディで今単行本も統一。
多彩なヒロインのキャラクター性でシナリオラインの変化を付けるタイプであり、ストーリーの骨子自体はさほど変わらないのに、各作品から受ける印象が異なるのは作中でのヒロインのキャラ立ての良さの証左と言えます。
前半5作と後半5作では男女が既にお付き合いしているか否かの違いはあるものの、双方の恋愛感情は十分に高まっており、最後の一段階を前にして躊躇したり誤解をしてしまったりな状態から二人の想いが結ばれていく流れを形成。
RomanceStampede2.jpg暴走してしまったり、わざと挑発したり(←参照 いいアングルだ! 短編「ワガママすいーつ」より)、クールな態度をとってしまったりと女の子が不器用さを見せながら、体の重なり合いの中で心も重ねていく様が何とも微笑ましく描かれます。
不思議ちゃんなりツンツン娘さんなりが、恋愛感情を素直に表現できるようになるという展開は、いわゆる“デレ”展開でありラブコメ系統でポピュラーなものですが、このデレていく様子にわざとらしさがないことがこの作家さんの特長であり、恋愛エロとしての甘さは上質な和菓子の如し。
最後まで殊更に派手な演出をすることなく、結ばれた&ラブを深めた二人の幸せいっぱいな日常を描いて綺麗に幕を引いており、読後の幸福感と爽やかさがしっかり確保されています。

【キャッチーな属性ながら非凡なキャラ構築】
ヒロインの多様さは相変わらずの美点であり、前半5作は、ツリ目の小生意気ガールに、男性恐怖症で清楚なお嬢様、さっぱりとした正確の日焼け肌陸上少女、ツンツンメガネな美人教師、貞子ヘアな根暗ガールとこれだけでも扱われるキャラ属性の広さが分かるというもの。
前単行本からの再登場組5名も含め、それぞれのキャラ属性としての定型から逸脱しない造形ではあるのですが、各ヒロインに決して平凡さを感じないのは、男女問わずに共有できる等身大な“恋の悩み”が描けているためでしょう。
女性教師陣(含む司書さん)も度々登場するものの、女子高生クラスがメインではあり、どちらにしても若々しい健康的な女体の持ち主。過度になり過ぎないセックスアピールが漂っているのもキャラ造形の良さの一つとも言えます。
RomanceStampede3.jpg貧乳のスポーツガール・まひるちゃんや並乳のワガママお嬢・万里さんといったキャラも居ますが、基本的には豊かなバストの持ち主がヒロイン陣の中核。以前から評価の高いお尻の描写も目立ち、大ぶりではないながらもモチモチとした質感と適度な量感を備える桃尻は大層眼福(←参照 魚眼レンズ的な描き方 短編「まひるフルスピード」より)。
なお、後半5作はキャラ再投入ということもあって見た目の変化を付けるためか、単行本通してコスプレ要素が強く、ツンツン女教師さんがご褒美にピチピチなセーラー服を着てくれたり、水着姿になったり、ヤンキーっぽさもあるガサツ娘がメイドコスでサービスしてくれたりと、なかなかに見目華やかになっています。
適度に萌えっぽさや色香も含みつつ、一般誌でも人気の出そうな健康的で爽やかな絵柄であり、キャラクターの設計と非常によくマッチ。初単行本時から絵柄の完成度は高く、絵柄の整頓を適度に為しつつ単行本を通して作画は安定しています。

【肌と心の重なり合いに重きのあるエロシーン】
各エピソードのページ数がそれ程多くないことに加え、恋愛のイチャイチャ感の延長線上であることもあって、セックス描写はどちらかと言えばライト指向であり、長尺でのハードファックを期待するのはNG。
とは言え、仲睦まじい男女がお互いの体を弄り合いながら興奮と愛情を高め、二つの肢体から放たれる熱気の中で挿入に至るエロ展開は大変良好であり、また作風を鑑みれば正攻法と言えるでしょう。
417d87ae.jpg前戯パートに相当する部分では、尻コキやお尻への顔埋め等、魅力的なヒップを活かしたプレイも多く、その他にもローション塗りっこやら下着ごとの丁寧なクンニなどを十分な量で描出しています(←参照 お尻クンカクンカしつつクンニ 短編「おネダり彼女」より)。
その分、挿入後のピストン運動の描写はページ数的にやや圧迫され気味で、ここに実用性の評価の重きを置く方にはややネガティブな評価を与える可能性がありますが、甘いラブ台詞と幸せそうに蕩けるヒロインの表情で陶酔感を生み出す手法は良好。
お尻の量感を強調するため、バックからの挿入や構図取りをエロ展開・作画に配置していますが、正常位や対面座位などの体位によってヒロインとの抱擁を忘れず描いているのも恋愛エッチとして評価すべき点であり、適度に織り交ぜる主観構図で画面の引き締めを図っています。
結合部描写において膣内をモノトーンで塗り潰す手法が個人的には減点材料ですが、中出しフィニッシュ時には白濁液の充満として表現してうまく回避。また、結合部ドアップの構図だけでなく、男女が絶頂の快楽を味わいながらギュッと抱き合う様を主眼としたフィニッシュシーンもあるのは高く評価したいところです。

様式としては明るく楽しい正調コンビニ誌エロではありますが、ヒロイン造形の良さの勝利と言ってよく、思わずニヤけてしまう恋の多幸感に溢れた作品群と言えましょう。
どの作品も大変魅力的で敢えてお気に入りを選ぶのは難しいですが、強いて選ぶのならツリ目ガールが大層キュートな短編「ワガママすいーつ」と相変わらず小鳥遊先生可愛いよ小鳥遊先生な短編「俺のミドリさん」がフェイバリットでございます。

ゆにおし『痴女で野獣』

BitchWithTheBeast.jpg久保保久先生の『よんでますよ、アザゼルさん』第5巻(講談社)を読みました。アンダインさん、魔界では美人でお母さん想いなんですが、男絡みで登場すると安心のヒドサを降りまいております。
ところで44話のラストでアザゼルさんが綺麗なおねーちゃん達とキャッキャウフフな飲み会を開いてやがりましたが、一体あの前後に何があった!あと、アクタベさんは毎度のことながらおっかない御仁ですなぁ。

さて本日は、ゆにおし先生の初単行本『痴女で野獣』(コアマガジン)のへたレビューです。あぁ、もう、この表紙のおっぱいだけでも堪らないですなぁ。
グラマラスボディのお姉さま達が積極的に性の快楽を貪る様が何とも頼もしい強力抜き物件となっております。

BitchWithTheBeast1.jpg収録作はいずれも短編で9作。なお、短編「痴女と野獣」と「未来泌尿器科」には共通して美人女医・立花ミライ先生が登場しており(←参照 泌尿器科の医師で非常勤の保険医という設定らしい立花女史 短編「痴女で野獣」より)、描き下ろしのおまけ漫画(6P)では両作のキャラクターがクロスオーバーして3Pに励んでおります。
描き下ろし作品を除き、1作当りのページ数は18~26P(平均22P弱)と標準的なボリューム。良くも悪くもエロシーンを描くことに徹した作品であり、シナリオラインの形成はあまり目立たない一方で、エロの量的満足感は圧倒的な強さを誇ります。

【良くも悪くも定石をよく守った作劇】
背徳的なラブストーリーとしての色彩が強い短編「NAIVE」といった作品もあるものの、収録作の傾向としては、お姉さんの誘惑エッチ(特に童貞食い)系統と人妻さん等の堕ちモノとに大別されます。
自発的に快楽を貪っていくのか、それとも他者から与えられる快楽によってその淫性を引き出されていくかの違いはありますが、女性キャラの熱く煮えた欲望がストーリーを牽引していることは変わりなく、それが充足されることが目的という意味で明らかに快楽至上主義的な作劇と言えます。
BitchWithTheBeast2.jpg堕ちモノ系に関しては、敵の城に潜入した女忍者が媚薬を大量に盛られてエロ拷問を施されたり(←参照 短編「蜜蟲」より)、夫の入院費のためにお金が必要な奥様が変態扱いされながら露出AV撮影を半ば強要されたりと(短編「撮られヅマ」)、相応に陰湿な展開が多く、和姦好きには忌避要素でしょうが、逆転オチや定番の快楽の虜エンドといった終わらせ方も含めて悲愴感は敢えて演出しない傾向にあるのは訴求層を狭めない配慮として○。
お姉さん誘惑エッチ系は、エロエロレディ達の欲望がストレートにシナリオを貫いている分、コミカルさ・暗さの双方が排除されているタイプとは言えますが、何か企んでもいそうな妖しい美人達に誘惑されるがままというシチュエーションは少々マゾヒスティックな雰囲気さえ漂わせています。
どちらにしても、明確にカラリと明るいタイプではないのは好みを多少分けるかもしれませんが、女性キャラの欲望の業の深さがよりよく演出されている作劇でもあり、エロとの調和は良好に為されている印象。
また、初単行本ながら、シナリオ運びに関して一種古典的とも感じる要素が多く、ベタである故の“ツボ”を心得ている印象があるのも話のスムーズさを生み出していると感じます。

【強力なボリューム感の乳尻を備える完熟エロボディ】
各作品に登場する淫乱レディ達は20代半ば~30歳前後と思しき女盛りな美人さん達であり、女教師や女医、人妻さんなどのこれまた定番の設定を配置。従って、キャピキャピ(死語)のスクールガールなど一人も登場しないことには留意されたし。
なお、くのいち(短編「蜜蟲」)や祓い師(短編「鍵爪堂へようこそ」)など、和風ファンタジー的な要素を含めたキャラも登場しており、元より香る妖しげな色香をグッと高めたタイプのキャラクター設計になっています。
目をほっそりと描かれた表情の女性が多く、そのちょっと澄ましたお顔が後述する様にエロシーンではだらしのない喜悦の表情に変化する一種のギャップも実用性の押し上げに大きく貢献。
BitchWithTheBeast3.jpg体型的には全ヒロイン共通して大変グラマラスな肢体の持ち主であり、全身に柔肉をたっぷりと纏いつつ、乳輪大き目の淫猥なロケット爆乳&ずっしりとした重量感で男を下に敷くビックヒップでさらにその肢体の量感をアピールしてきます(←参照 霊能力者のヒサヤさん 短編「鍵爪堂へようこそ」より)。
薄めか無毛な陰毛描写はこの年齢層のヒロインとしては比較的おとなしい部類ですが、淫臭が濃厚に香り立つ女性器描写は強力な武器であり、完熟した秘所が肉厚の襞を蠢かせながら男根をずっぽりと咥え込む様などは非常にエロティック。
初単行本ということもあり、作品によって絵柄は多少の変遷を見せていますが概ね軽く許容できる範囲であり、琴義弓介先生、もっと言えば胃之上奇嘉郎先生辺りの絵柄のミームを感じさせる美しさと妖艶さを併せ持つ絵柄は個性的な魅力を有しています。

【濃密に構成したエロ展開で圧倒する官能描写】
男女どちらが主導権を握るかは作品によって異なりますが、能動的な行為にしろ受動的な行為にしろ、欲望のパワー漲るエロシーンを形成しており、淑女達が浅ましさを感じさせる程の猛烈な痴態を晒すこと自体は共通。
絨毯爆撃という例えが正に相応しい濃密なエロ展開は圧巻の一言であり、特に短編「未来泌尿器科」は手コキ→ダブルフェラ→ダブルパイズリ→ダブル素股→挿入&中出し→別のキャラに挿入&中出し→パイズリ後戯→ダブル素股でフィニッシュという計5発の射精シーンを含む作品であり、途中で全く途切れることのない圧力の高さも含めてエロ漫画史に名を遺すべき1作。
1b19321d.jpgまた、グラマラスボディの肉感を常に意識した作画が為されているのも特筆すべき特長であり、ヒロインのボリューミィな肢体に包まれ圧迫される被虐的な幸福感や、逆にその肢体を多人数によって押し包む嗜虐性などを強調しているのは視覚的なインパクトに優れた点と評価できます(←参照 グラマラスボディでサンドイッチ 短編「未来泌尿器科」より)。
着衣エッチの多さもヒロインの肢体の肉感を強調することにつながっており、もちもちとした太股に張り付くストッキングや全身タイツ、競泳水着といったピッチリ系の衣装が多いのは間違いなく正しいチョイス。加えて、熟女らしさを醸し出すセクシー系のランジェリーもちょこちょこ登場しているのも嬉しいところです。
特に童貞食い・ショタ食い系統のエロシーンでは、少年の体躯を敢えて小さく描き、ヒロインの豊満な肢体にしがみつかせることで相対的に女性キャラのボリュームの豊かさを強調しており、同時に少年側の余裕の無さとお姉さん方の余裕っぷりとが対比されているのも○。
エロの分割構成を取ることも多いのですが、前戯パートでは爆乳を活かしたバイズリ描写も多いなど、多回戦仕様を徹底しており、快楽の喜悦に溺れるヒロインの内側も外側も白濁液によって染められてゆく様は抜き所の豊富さとしてしっかり機能しています。

強力無比な抜き物件としてお勧め可能であり、またSな方にもMな方にも対応可能な仕様となっているのは嬉しい点でしょう。これからもガシガシと淫乱お姉さんを描いて欲しい作家さんで、当ブログとしては強くプッシュしたい所存。
個人的なお気に入りは、上述した圧倒的なアタックの強さを誇る短編「未来泌尿器科」と、霊能力者ヒサヤさんの妖艶さに心奪われた短編「鍵爪堂へようこそ」が特にお気に入りで、現在、赤玉出そうな状態であります。お勧め!
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