2010年06月

天竺浪人『泉さんの季節』

SeasonOfIzumi.jpg管理人のただでさえ足りていない睡眠時間をさらにごっそり持っていくワールドカップ南アフリカ大会ですが、日本代表は昨日のパラグアイ戦でPK戦まで戦い抜いて惜敗してしまいましたなぁ。
前評判は悪かったですが、いざ本番となればかの地で世界を相手に堂々たる試合を見せてくれたなぁと思っています。これからは優勝国が何処になるかが楽しみですねぇ。

さて本日は、天竺浪人先生の『泉さんの季節』(コアマガジン)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『凌鬼の刻』(マガジン・マガジン)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
インパクト絶大な台詞回しでハイテンションに突き進む若人たちの大馬鹿青春模様が楽しめる作品集となっています。

SeasonOfIzumi1.jpg収録作は、着エロアイドルなヒロインが何の因果か学校内でもTバック着用で生活しなければいけなくなる学園青春?ストーリーな「泉さんの憂鬱」+「泉さんの友人」前中後編(←参照 この絵面が既にアレ シリーズ第1作「泉さんの憂鬱」より)、過去のAV出演をネタに性行為を強請ろうとする男子生徒を女教師が逆にその人生ごと食らい尽くさんとする連作「LIFE EATER」前後編、および短編3作。
1話・作当りのページ数は16~26P(平均21P強)と標準的なボリューム。抜き物件としては量的満足感が高くありませんが、突飛な状況の生み出すパンチ力の高さを活かした作劇がなされており、読み応えは十分にある1冊です。

【物足りなさも残るがお下劣さで押しまくるエロシーン】
表紙絵だけ見ると、いかにもコアマガジン系らしいスタンダードなラブエロコメディを想起させますが、大方のファンが想像するであろう通りに、今単行本も読み手を翻弄する珍作揃い。
羞恥と困惑の中、学園生活を送ることになる泉さんの神々しいお尻をひたすら眺めることが可能なものの、エロシーンは全く無しというエロ漫画業界のルールをブッチギリな「泉さん」シリーズは別格ですが、その他の作品に関しても、セックス描写は登場人物達の狂騒の魅力を引き立てる一要素という位置づけの方にむしろ重みがある印象です。
傾向としては一応は和姦の部類に入る各作品の濡れ場ですが、自分を脅迫しようとした男子生徒を、ナチュラルドSで性豪なお姉さんが達者な口とエロボディで終始圧倒するマゾヒスティックなエロシーンの連作「LIFE EATER」や自分の悪口を言った男子生徒を告白と称して呼びつけた上に教師とのセックスを見せつける短編「寺西さんの奴隷志願」など、序盤で状況の非日常性を叩きつけ、その現実感からの妖しい浮揚感で官能性を生み出しています。とは言え、逆に言えば、大呆れor大爆笑を誘う故に抜きに専念しがたい濡れ場でもあるでしょう。
収録作の間でエロの分量にはかなりの幅があり、義母とヒキコモリ息子のお馬鹿で浅ましくて、でもどこか優しいセックスをひたすら描く短編「あたらしいママが来た」のような長尺タイプから、性行為はせいぜい野郎のオナニーのみ(しかもギャグ的扱い)という中編「泉さん」シリーズまで存在。
3e370d3d.jpgカラー絵はデジタル作画に乗り換えたとは言え、表現力の高いアナログ作画はエロシーンにおいて大変な強みであり、男性も含めて性行為の快楽に溺れる人間の、一種の下品さ・浅ましさを表面に出すことを厭わない表現・演出にパワフルな官能性があることが実用性の基礎という感もあり、抜きツールとして必ずしも弱いというわけではありません(←参照 “演技” 連作「LIFE EATER」後編より)。
この作家さんが大好きなずっしりヒップを中核に据えた構図も多く、乳揺れ描写なり、結合部アップコマなり、エロ作画において一定の正攻法は踏んでおり、ち○こを絡め取る膣内やアナルに中出しを決め込むフィニッシュシーンは射精カタルシス解消の場として有効です。とは言え、アグレッシブで長尺なエロシーンを求めるのはどうしても難しいことには留意されたし。

【迫力のヒップを備える美女達の放埓ぶりが魅力】
姑に子供ができないことに関する愚痴を延々こぼされた挙句、プッツンして(死語)エロ下着を着用し、「子造りはじめました」のプラカードを掲げて街を練り歩く短編「犬丸家の奥様」の美人奥様、および上述の短編「LIFE EATER」の保健教師は20代後半(推定)級で、短編「あたらしいママが来た」は20歳前後の若いママンと、どちらかと言えばアダルトな美人さんがメインとなっています。
その他の作品の女子高生ヒロイン達にも共通していますし、また野郎連中にも言えることですが、とにかく一筋縄ではいかないキャラクターの人物が勢揃いであり、彼ら彼女らの馬鹿さやユニークさ、そして意外性などが作品の楽しさを力強く支えています。
SeasonOfIzumi3.jpgそんな登場人物達の言動もまた各作品の魅力であり、時に緊迫感と凄みのある台詞回しで場面の空気を引き締め、時に互いに大暴投しながら何故か互いのミットにすっぽり収まるような言葉のキャッチボールを繰り広げたりと、その自由奔放さが作品に独特のリズムを形成しているのは非常に高評価(←参照 説明不能 短編「寺西さんの奴隷志願」より)。
頭のてっぺんからつま先まで表情が付けられた緊張感のある肢体描写は、この作家さんの拘泥ぶりが遺憾なく発揮されるお尻回りの描き方が秀逸で、単に重量感があるのではなく、締まった肉のカタチの良さと一種の威圧感を備えています。逆に乳描写は多くなく、エロ的にもあまり活躍しないことには要留意。
また、これまでの単行本とかなり異なるキャッチーな彩色を施された表紙絵の絵柄は、中身の絵柄と完全互換とは言えないことにも注意が必要でしょう。
美少女キャラの造形に関しては適度に可愛さアピールが為されいたり、作画の緊張感を抜いたコミカルなキャラ描写など、訴求層を広める手を打ってありますが、体温や体臭を香らせるような臨場感の強さやむせ返る様な濃厚な色香を添加する描き方は強いアドバンテージであると共に、一種の“クセ”でもあります。

【人を惑わせながらも幸福へも導く“性”への敬意】
セックスという手段を介して大馬鹿騒動を巻き起こす登場人物達の振る舞い・言動のカラリと明るい面白みは、勿論今単行本の強い魅力ではありますが、そのコメディとしてのアッパーさだけに留まらない魅力があるのも確かです。
お金のために結婚したと言い張る元級友の義母さんとそんな彼女にち○こで天誅を加えようとする主人公のどーしょもない(最大の讃辞)性の営みを描く短編「あたらしいママが来た」のラストで描かれる、二人の間の男女・母子としての確かな愛情と信頼が呼び込むハートウォーム感に代表される様に、作中では“性の在り様”が登場人物達に等身大の幸福を与えてくれます。
エロイことが見たい!エロいことがしたい!という欲望に奔走する男連中、そんな野郎に振り回されながらもそれぞれの幸福を自身の手によってしたたかに掴み取って行く女性達という、極めて普遍的な構図は、単なるご都合主義としての快楽至上主義を超越した、性愛への強い肯定感を携えています。
上述した通り、セックスへの欲望で大馬鹿騒動を引き起こす登場人物達は、性描写の淫猥さの基礎となる下品さや浅ましさを以て描かれますが、作品中においてそれら一見ネガティブな要素が決して断罪されず、綺麗なモノも汚いモノも共に持つ存在として人間を描くスタイルはこれまでの天竺先生の作品と確かに共通していると個人的には考えます。
SeasonOfIzumi4.jpg「泉さん」シリーズはその最たる例であり、自身の出演している着エロDVDに自慰行為をしている男性に対し、ヒロイン・泉さんは自身が性欲の対象として愛されているのは自身の“務め”であり構わない、でも「感謝して欲しい」と強い意志を以て打ち明けます(←参照 屈指の名シーン シリーズ第4作「泉さんの友人」後編より)。そして、そのことが少年やヒロインの不思議な友人・園田さんによって受け入れられる流れは非常にピュアな優しさに満ちています。
非実在青少年規制やらで、エロそしてエロを表現することに対して理不尽なバッシングが渦巻く昨今ですが、本作品はそんな世間に対する、この作家さんらしい性愛に対するユーモアのある敬意、そしてエロ漫画作家としての矜持に満ち溢れた返答であると僕は感じるのです。

抜き物件として頼りなさもあるのですが、人間にとって度し難い性愛のカタチを様々な側面から捕え、それらを茶目っ気たっぷりに肯定してみせた意欲作が揃っていると感じます。エロ漫画愛好家の諸兄には是非読んで頂きたい逸品ですよ。
何と言っても、「泉さん」尻ーズ(敢えて誤記)のテーマが最愛ですが、抜きツールとしてはセクシーな唇とお尻をお持ちの若奥様が大暴走な短編「犬丸家の奥様」がお気に入りでございます。

唄飛鳥『おちつま-堕妻-』

SlaveWife.jpg冬川基先生(原作:鎌池和馬氏)の『とある科学の超電磁砲』第5巻(電撃コミックス)を読みました。禁書目録の方ではすっかりいい人キャラになった一方通行さんですが、こちらではまだ堂々たる“悪役”ぶりを発揮中ですな。
ところで、ギャラ大好きな金髪美少女、フレンダさん可愛いよフレンダさん。何が可愛いって、この子、27話の扉絵で鯖缶食べてるんですよ!マーべラス!

さて本日は、唄飛鳥先生の『おちつま-堕妻-』(富士美出版)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『つみはは2』(オークス)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
旦那を愛する貞淑な人妻が妄執に燃える女性の手によって快楽の奴隷に堕とされてゆくダーク&ヘビィな物語になっています。

SlaveWife1.jpg収録作は、貞淑な人妻・恵がその旦那に積年の想いを貯め込んでいた美女・静美によって苛烈な凌辱調教劇に巻き込まれてゆく長編「螺旋快牢」第1話~最終第12話(←参照 長編第2話「闇の始まり」より)。
1話当りのページ数は全て16Pで固定。個々のエピソードにはあまりボリュームがありませんが、長編作全体としての読み応えは確固としてあり、エロのインパクトの強さもあってなかなかにヘビィな1冊に仕上がっています。

【悲壮感漂う重苦しい人妻転落劇】
タイトル(堕妻)が示す通り、本長編はいわゆる“堕ちモノ”であり、平和な家庭を築いていた人妻が悪女の姦計によって快楽漬けにされ、その家庭を崩壊させられるかなりダークなストーリーになっています。
悪女・静美とつながりのある(おそらく)非合法組織の男連中を投入し、圧倒的で暴力的な快楽に展開序盤から晒されることで、恵の体は快楽に屈しつつも精神は夫への貞操を保つ流れは本作に凄みを生んでおり、その苛烈な凌辱劇が純粋な愛情によって変転されるのか、それとも心まで折れてしまうのかという緊張感を維持させています。
SlaveWife2.jpg終盤まで重苦しい雰囲気が継続されており、ヒロイン・恵さんに何ら落ち度が無い分、その悲痛さが目立ち、また彼女を苦しめる静美と組織の男連中の悪辣さが鋭さを増しているため、軽い読み口の作品を求める方にはかなり不向きではあるでしょう(←参照 長編第6話「火照り」より)。
“悪役”である静美がそれまで背負ってきた過酷な過去を話に絡めることで、彼女の妄執・悪意の強さをより強調することを可能にし、共に“愛と快楽”を望んだ二人の女性の明暗を徐々に逆転させてゆく流れは見事。
最後まで徹底的に受け手であり、“敗者”であった恵の手によって破滅を宣言させ、静美の“悪の勝利”によって物語を一旦閉じつつも、最後の最後で二人の立ち位置を逆転させながらも全く同じ構図によって為されるであろう復讐の可能性を示す構図にも痺れました。
登場人物間の攻防劇に冗長さが目立った前作「つみはは」に対し、1巻単位でまとめたことがおそらく作品の完成度の高さに大きく貢献しており、暗さ・重さを過剰になるギリギリ手前の量でたっぷり読み手に噛みしめさせる作りと言えます。

【作劇上の役割が明確に整えられた爆乳美女コンビ】
SlaveWife3.jpg本作品はあくまで人妻・恵さんの転落模様に重点がある作品であり、普段の大人しい姿と強烈な快楽に悶え狂う濡れ場での姿とのギャップが強烈(←参照 長編第3話「奈落」より)。
恵の旦那への籠絡や、非合法組織のボスとの絡み、そして過去エピソードにおける養父からの性的虐待の日々等で、静美にも濡れ場は用意されていますが、エロ的にはあくまで脇役であり、ヒロインの多様性を求める方には減点材料ではありましょうが、特に恵の在り様の変化に集中しやすい構成を取っています。
割合にシンプルなキャラ設計である故に“被害者”としての側面が分かり易くなっている恵に対し、奪還すべき恵の夫の前では貞淑で優しい仮面をまとい、逆に恵に対しては彼女を生贄に捧げて奈落に突き落としてゆく凄まじい悪辣ぶりを発揮する静美のキャラ立ちの強さは、作品の鋭さを大きく高めています。
なお、恵さんのキャラデザインに関してはさっぱりとしたショートヘアというチョイスが良くハマっており、その女性的な華やかさが抑え気味の髪型と、スレンダー爆乳という猛烈な色香を放つエロバディや性の快楽を求めてしまう業の深さとの、いい意味でのミスマッチ感が調教劇に背徳感を増しているのも◎。
等身高めの肢体設計になっている分、肢体のしなやかさがより目立っており、熟女的な肢体の重量感は控えめです。とは言え、行為に合わせてダイナミックに揺れ弾む爆乳や押し開かれる尻肉のボリューム感は十二分であり、読み手の黒い征服欲を存分に刺激してくるタイプ。
萌えっぽさよりも、澄んでいながらも濃厚な色香を重視する絵柄であり、シャープな描線と適度な装飾性が魅力。また、単行本を通じてキャリア相応の絵柄の安定感を示しており、表紙絵にピンと来るか否かでの購入判断で特に問題はないでしょう。

【過激なエロシチュと呼応する強烈なエロ演出】
個々のエピソードのページ数の都合上、エロシーンは長尺とは言い難いものの、ストーリーラインにおける肉体の快楽への屈服の早さもあり、エロ展開冒頭から性行為に対する狂乱ぶりをフルスロットルで叩きつけてくるスタイルは強烈。
エロシチュエーション自体が、夫への愛情というヒロインの精神的防壁を徐々に磨滅させていくという攻撃的なモノであり、同時に“悪役”達のヒロインの弱みを逐一抉ってくる台詞回し等でその陰湿な雰囲気を強固なものにしています。
SlaveWife4.jpgまた、精神的抵抗を凌駕するような快楽の強さを生み出させるため、過激でアブノーマルな攻めを次々と繰り出すスタイルは、定番ではありつつも一定の整合性を生んでおり、拘束凌辱や集団凌辱、徹底的な性感調教に精液浣腸、果ては獣姦など、過激なシチュエーションが目白押し(←参照 拘束+各種淫具+精神凌辱 長編第8話「終わらない疼き」より)。
その徹底的で執拗な調教に対し、徐々に心が蝕まれ、夫以外への男性に対して従属を誓うまでに至る流れそのものがエロの魅力を形成しているのも確かで、失意の中、快楽の泥沼に飲み込まれたヒロインの姿に破滅の美があるのも溜息モノ。特に、夫以外の精液を膣内に注ぎ込まれて迎える絶頂、およびその周辺でのマトモな言葉にならない台詞など、ヒロインの理性が破壊されたことを示す様子は痛烈です。
行為の過激性に呼応するように、エロ演出面でも強烈さがあるのがこの作家さんの特徴であり、ヒロインの顔面と体幹をぐっしょりと濡らす各種体液、口から舌を突き出し黒目がちな瞳が反転しかかる禍々しいアヘ顔、描き文字で表現される絶叫などの手法によって快楽の地獄を的確に形成しています。
質・量共に総じて飽和感で押しまくるスタイルであり、リズム感度外視の立て板に水式の説明エロ台詞なども含め、やや抑揚の妙に欠ける感はありますが、このジャンルが好きな方にとってはがっつり使える抜き物件になっています。

前作に関してはかなり辛い評を書きましたが、同様の人妻堕ちモノでありながら、完成度はこちらの方が格段に高いという印象です。
甘く優しいラブエロ作品とは全く正反対な、人の黒い欲望と弱さが交錯する苦く重苦しい凌辱ドラマの良作としてお勧めしたい所存であります。

土居坂崎『フールガール』

FoolGirl.jpg小山宙哉先生の『宇宙兄弟』第10巻(講談社)を読みました。表紙絵ではきりっとキメているムッタですが、作中では空港で大変恥ずかしいことになっているギャップが面白いです。
ボールド訓練教官はちと典型的な厳しくてイヤな人ではありますが、このくらいでないと達せない領域ってのが宇宙飛行士にはあるんでしょうなぁ。あと、インド人美女のアマンティさんが大層魅力的ですなぁ。

さて本日は、土居坂崎先生の『フールガール』(コアマガジン)のへたレビューです。先生の前単行本『ハイテンション』(KTC)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
奇天烈な阿呆ギャグ連発の中から投じられるアブノーマル感満載のエロシーンが共に魅力的な作品集です。

収録作は全て短編で10作。1作当りのページ数は18~24P(平均21P強)と標準的なボリュームで概ね安定。
良くも悪くも読み応え云々を超越している作品も多い一方で、しっかりと読ませる作品も多く、エロの過激性も含めて意外なまでに満腹感のある1冊になっています。

【明暗の方向に禍々しさを発揮する特異な作風】
現在はtenkla名義で一般作品で活躍されている来世で大活躍中ということもあって、2006年~2008年とやや古い作品で構成されていますが基本的なスタイルは現在と一貫。
FoolGirl1.jpgこの作家さんの持ち味と言える、奇妙奇天烈なアホ台詞の連発による読者おいてきぼり(誉めてます)な狂気じみた大馬鹿展開は健在で、読書時には時々休憩を入れないと脳味噌を浸食されそうなヤバさがあります(←参照 いい間違えたじゃねーよ! 短編「アツアツ鉄棒ギャル」より)。
一般的なギャグエロ作品を、テンションの高さが生み出すパンキッシュなノリをメロディとしてのグルーブ感で調整するパンクロックに例えるならば、この作家さんの描き方はそういった調整をあまり取り入れないもののトータルとして見ると妙に完成されている変態プログレ的と言えましょうか。
とは言え、そこは訴求層の広さをあくまで重んじるコアマガ系ということもあり、かなりやりたい放題であった前単行本に比して今単行本はアホ要素は控えめで、アホ可愛い女の子のキャラクターを素直に立てるドタバタコメディとして読み易い設計になっています。
FoolGirl2.jpgまた、土壇場で臆面もなくギャグ展開に逃げるケース(短編「奥さん危機一髪」)もありますが、ダーク系の作品にも存在感があり、脳内に響く謎の声に従って自らの肢体を男子生徒に凌辱させる真面目な委員長を描く短編「invisible voice」(←参照 グレーカラーの台詞がそれ)の人格分裂的なラストや、ダークエルフと人間との異種族間の平和な恋が人間の手によって無惨に摘み取られる短編「No spite」の絶妙な後味の悪さには痺れました。
その意味で、作風に統一感は乏しく、ラブコメなりダーク系なり超絶ハイテンションギャグなりに集中したい諸氏には減点材料にもなりえますが、この作家さんに限っては統一感の無さなどはあまり気にならない無鉄砲さがあるのも確かでしょう。

【脳味噌緩め・ボディももっちり柔らかめな天然ヒロインズ】
各作品に登場するヒロインはランドセルを背負うクラスのロリっ子さんから一児のママさんまで、かなり幅が広いですが、そういった統一感の無さが(以下略。
また、年齢層による描き分けをするタイプではなく、ママさん級にしてもロリガールにしても、お目々クリクリな童顔と柔らか巨乳を装備するキャラデザインで統一されており、熟女的な妖艶さやロリっ子の背徳感など訴求層を狭めそうな要素は一応排除されている印象があります。
オツムの中身が大分ファニーなことになっているヒロインが多く、その天然さや天真爛漫さをキャラの魅力に据えています。ただし、作品によってはその純真さを逆手にとって行為に及ぶような、多少陰湿なケースもあることには要留意。勿論、最後は明るく幕を引きますが。
FoolGirl3.jpgそんな柔らかい脳味噌(婉曲的表現)をお持ちのヒロイン達は、肢体の方もなかなかふるふると柔らかで、乳輪大き目の垂れ気味巨乳や肉付きの良い太股やお尻などは結構ストレートな淫猥さを備えているのも大きな特徴(←参照 台詞は気にするな! 短編「生乾きランドリー」より)。
なお、イケメン・ブサメン双方用意の男性キャラ陣に関しても、やたらと読者のツッコミを誘発する台詞回しで存在感を発揮していますが、エロシーンでもこの阿呆な言動が連発されるのは多少好みを分けるでしょう。
絵柄に関しては初出の時点でほぼ完成していると言っても過言では無く、単行本を通じて現在の絵柄とほぼ近似の状態で安定。表紙絵は、中身の絵柄の持ついい意味でのカジュアルさを削いでいる感があり、完全互換とはやや言い難い感もあります。

【凶悪なエロ演出と淫猥な体パーツの描写で圧倒する濡れ場】
何だかよく分からない内に突入するエロシーンは、上述した通りに破天荒なギャグ要素が特に台詞回しを中心として介在することもあるため、一般的な判断からして抜きやすい作品かと問われると素直に首肯しがたいのは確か。
その一方で、ヒロイン達の性行為への陶酔感の禍々しいまでの強さはF4U先生やTYPE.90先生などと肩を並べるレベルであり、ヒロインの理性が崩壊を起こすかのような快楽の凶悪さを叩き付けるスタイルは、読み手を選びつつも、強烈な煽情性を生み出しています。
FoolGirl4.jpg描き文字で表現される白痴系エロ台詞の連呼、焦点を失った瞳と開きっぱなしの口を晒すアヘ顔チックなヒロインの表情、えげつない各種擬音などなど、過激なエロ演出をふんだんに散りばめており、特にエロシーンの終盤展開において、一コマ一コマの持つ迫力・攻撃性で読者を圧倒するドライブ感も見事(←参照 短編「おしえて!お兄さん」より)。
また、非常に丹念に描き込まれた女性器描写のドストレートな淫靡さも各種エロ演出のテクニックと並ぶエロの強みであり、膣肉がヒクヒクと蠢き、襞の1枚1枚がち○こに絡みつくような描き方は、性器アップコマや断面図描写などを単なる脇役以上の存在に押し上げています。
強いドライブ感で疾走する多回戦仕様ではありつつ、個々の描写に粘っこさがあるのも特長で、最奥まで剛直を突き入れてグリグリと子宮口を攻め立てたり、やわやわとした乳肉とその先端のサクランボを舌や指で弄り倒したりと、ヒロインの肢体全体を味わい尽くすようなセックス描写は、嗜虐欲や征服欲を強く掻き立てるタイプ。
全身の力が抜け、顔面を涙と涎と鼻水でパックされた表情を曝け出すヒロインの肢体の最奥に粘度の高い白濁液を注ぎ込むフィニッシュシーンは、そこまでのエロの強度を的確に継続させた強烈さを備えており、抜き所としてしっかり機能している印象です。

作品のテンションの高さに中てられて大分はっちゃけた評文になっていて申し訳ありませんが、それだけのハチャメチャさが楽しい1冊であるとご理解下さい。このエロの強烈さは間違いなく強い魅力なので、一般誌来世から時々は戻って来て欲しいものですなぁ。
個人的には、純真なロリっ子に保健体育の個人授業な短編「おしえて!お兄さん」と、珍しくダウナーな方向に狂気性を発揮した短編「invisible voice」が特にお気に入りでございます。

江戸川ガバル『美脚ラヴァー』

SexyLegLovers.jpg幸村誠先生の『ヴィンランド・サガ』第9巻を読みました。“死”の恐怖が見せびらかされる回において、トルフィンが“生”の意識を取り戻すのが良かったですなぁ。
変なカッコの偏屈じいさんが登場したと思ったらまさかの大旦那さまで吃驚でしたなぁ(定番の展開とは言え)。あと、オノマルの彼女は金髪ソバカス娘大好きっ漢な管理人にはご褒美でした。

さて本日は、江戸川ガバル先生の初単行本『美脚ラヴァー』(マックス)のへたレビューです。な、何と言う媚び媚びな表紙絵!だが、それがいい!なのです。
ツヤツヤなストッキングに包まれた美脚をお持ちな美少女ヒロインと甘々&ラブラブセックスな作品集です。

SexyLegLovers1.jpg収録作は、少年ご主人様と優しいお姉ちゃんメイドの甘く爛れたラブエロな日々を描く中編「メイドさんは大忙しっ!!」全3話(←参照 同作第1話より)、および読み切り短編7作+作家さんの妄想フルスロットルなおまけ漫画6P。
1話・作当りのページ数は16~20P(平均18P強)とコンビニ誌初出として標準的なボリューム。お話的な読み応えは見事なまでに皆無ですが、その分エロ可愛いヒロインの痴態をたっぷり拝める作品構築になっています。

【良くも悪くも妄想だだ漏れ型なお気楽ラブコメ】
作風的には、コミックポプリクラブらしい萌えエロ風味であり、ヒロインの可愛らしさを描くことに終始するスタイル。
一応はラブコメディの形式を取っていますが、ストーリーとしての構築はほぼ皆無であり、漫画としての構成が破綻しない、本当に最低限のレベルで話を回すスタイルは結構好みを分けると思われます。
悪く言えば、エロへと向かう段階の踏み方なども含め、非常にチープな作りであり、情緒感と無縁なごり押し展開は、単行本として読んでしまうとどうしても飽きがくるのは仕方ないところ。
SexyLegLovers2.jpgとは言え、エロ妄想だだ漏れなスタイル故に、エロ可愛いヒロイン達に無条件で愛される幸福感は強みであり、シナリオ展開が排除されている分、その甘ったるさが良く目立つのは小さくない美点ではあります(←参照 短編「小さくて大きなこと」より)。
エロ漫画的なご都合主義展開を、特段工夫を加えることもなく無理矢理突っ込んでくるスタイルはある意味で強みでもあり、シナリオ重視派にとっては噴飯モノでしょうが、理解のしやすさという点ではむしろ圧倒的ではあります。もし狙ってやっているのならば相当な胆力の作家さんでしょう。
ラストまで、話のパンチ力はかなり抑えられており、すんなりと流れをフェードアウトさせていく手法は、物足りなさを増加させる一方で、据わりは悪くないとも言えます。

【ツヤツヤの黒ストッキングに包まれた美脚が特長】
ミドル~ハイティーン級の美少女さんでほぼ統一されたヒロイン陣は、優しいメイドのお姉さんやらコスプレ大好き妹に、真面目で世話焼きな委員長さん等々、シナリオ同様に定番のキャラ設定を臆面もなく突っ込んでくるストロングスタイル。
時々エロ方面へと暴走してしまう男性連中もおりますが、そんな野郎どもの欲望をにっこりとほほ笑みながら全て受け入れてくれる彼女達の姿は、勿論キャラ造形としては相当浅いものではありますが、世知辛い世の中に疲れた読者にとっては至高のエンジェルでもあります。
この作家さんが余程好きなのか、茶色系統のカラーなロングヘアの娘さんがほとんどで、皆さんたっぷり巨乳とスラリと伸びる美脚の持ち主ということもあって、キャラの描き分けという点では難がありますが、そこは豊富に取り揃えられたコスプレ要素で補完しています。
SexyLegLovers3.jpg学校の制服を多めに投入しつつ、アニメキャラのコスプレやメイド服にウェディングドレス、ミニスカナース服など、非常にポピュラーかつ定番の衣装を用意しつつ、全キャラに関してツヤツヤの黒ストッキングを標準装備させているのは、この単行本のコンセプト通り(←参照 ネコ耳+セーラー服+スク水+ストッキング 短編「コス妹」より)。
エロシーンにおいても、着衣の一部をキャストオフして服から柔らかプルプルなおっぱいを露出させ、またストッキングも局部のみ破けたりオープンしたりしますが、エロ的に必要な部分は服装もストッキングも脱がさない徹底した着衣エロスタイルを守っているのは嬉しいところです。
数作の初期作のみに絵柄の粗さが残りますが、描線のまとめ方が向上した近作では萌え要素もたっぷり含んだアニメ/エロゲー絵柄で安定。やや人工的なあざとさが鼻に付くタイプではありますが、ご都合主義展開フル装備の作劇・キャラ造形とは親和性が非常に高く、これはこれで悪くないと個人的には思います。

【単調さもありながら量的飽和感で押し進むエロシーン】
シナリオ展開度外視のサクサク進行により、エロシーンの比重は十分高く、また標準的なページ数の中に多回戦エロを詰め込んでくる手腕は頼もしいところ。
キャラ造形面での武器の一つであるもちもち巨乳を前戯パートにおいて有効利用しており、パイズリ描写や乳揉みシーン等も豊富。逆に、美脚によるプレイは悪戯お姉さんキャラの足コキ1回(短編「欲求不満なお隣さん」)のみに留まっており、そこに過度な期待をするのは避けるべきでしょう。
お口ご奉仕やねっとりしたキス描写なども含め、この前戯パートにおいては液汁描写の豊潤さは強みであり、ドロっとした液体がヒロインのエロ可愛い表情や胸を汚す様が何とも煽情的。抽送パートに移行しても、この淫液が顔や胸にしっかりと残存する律儀な作画も評価したい要素です。
SexyLegLovers4.jpg抽送パートに転じると、ち○こ以外の男性の存在感をほぼ完全に封殺し、初っ端から感じまくるヒロインの痴態をたっぷり連続させており、この際に側位(いわゆる松葉崩し)や開脚騎乗位などによって性器結合部とストッキングに包まれた足を同時に見せる構図が多いのがコダワリのよく発揮された特徴(←参照 中編「メイドさんは大忙しっ!!」第2話より)。開脚シーンは他のパートでも多く、中出しフィニッシュ後にドロリと精液が秘所から漏れ出てくるシーンなども大層エロティックです。
やたらめったら説明的で、リズム感に乏しい説明エロ台詞と単調な嬌声には魅力が乏しく改善の余地が大いにありますが、それらの台詞とは別に、ショートフレーズでの応答をまるで擬音であるかのようにハートマーク付きでヒロインの顔周りに散りばめる手法は結構ユニークで、個人的には面白いと思います。
また、エロ展開にメリハリがしっかり付けられているとは言い難く、特にフィニッシュシーンにおける盛り上げが作画・演出面も含めて十分に為されていないのはマイナス要因。とは言え、多少の平板さを覚悟しつつ、量的な飽和感で押しこんでくるパワフルさとも取れる印象もあり、抜きツールとして十分な信頼性があるのも確かでしょう。

初単行本ということもあり、エロの組み立ても含めて構成に硬さが残りますが、既存の萌えエロ系作品の上澄みを煮詰めたかのような手法論はある意味強烈であり、小難しいことを考えずに楽しめる実用特化物件としてお勧めしたい所存。
個人的には、純真な委員長さんが見事に騙されてナースコスプレで献身的なエロ介護を見せる短編「おねがい委員長」と長身ガールとチビ男子のラブラブエッチな短編「小さくて大きなこと」に大層愚息がお世話になりました。

せきはん『オサナセカイ』

ChildWorld.jpg名島啓二先生の『聖☆ピスタチオ学園』第1巻(講談社)を読みました。単行本化が為されたのは嬉しいことですが、4コマ作品なのに新書サイズってのは読み難くてちょっと残念です。
少年誌に掲載されていたとは思えない程のブラックジョーク・エロジョーク満載の痛快4コマですが、今単行本最凶のブラックジョークは某知事に喧嘩売りまくりなカバー裏ですので、必見ですよ!

さて本日は、せきはん先生の『オサナセカイ』(茜新社)のへたレビューです。ロリ的なシンボルが散りばめられた表紙絵は求道者な紳士淑女諸氏の脳味噌に刺さることでしょう。
少女達の明暗の表情が織り交ぜられたユニークな雰囲気の中で魅せる、アモラルなセックス描写が強烈な印象を残す1冊です。

収録作は全て読み切りの短編で7作。収録本数は多くありませんが、フルカラー作品である「へびのあな」(8P)を除けば、1作当りのページ数は22~36P(平均30P)と結構なボリュームを誇ります。
ページ数の多さはありながら、決して“語りたがり”なスタイルではありませんが、細やかな感情の描写でシナリオラインに十分なヘビィネスを付与しており、尺の長いエロシーンと併せて読み応えのある1冊と言えます。

【少女達の世界に閉じた穏やかかつアモラルな雰囲気】
収録作の作風に関してはややカテゴライズの難しいタイプであり、明るいハッピーロリータ系ともダウナーなシリアス系とも一線を画した雰囲気の中で少女達の性の有り様を描くタイプ。
好きだった男性の自慰を見てしまったことで、性的なことを汚れたものと見なしながら、自身の性的な感情を守るために、クラスメイトの少女達により“不潔なこと”をさせようとする短編「少女開発特区」の女の子、好きだった男性が母親と再婚したことよにより嫉妬を剥き出しにする短編「おさがり」の少女など、綺麗で可愛らしい少女像と異なる、生々しい負の感情を紡ぎ出すスタイルなので快活なハッピーロリータ系をお求めですと、抵抗を感じる可能性もあるでしょう。
fe2d3aff.jpgその一方で、その暗い側面に閉じこもって話を沈鬱な方向に落とし込んでいくのではなく、やはり彼ら彼女らの感情によってこそ、後ろ暗い感情に一定の“解決”が図られる流れになっており、読後の余韻も心地よく整えられている作品が基本的にはメイン(←参照 短編「少女開発特区」より)。
思春期の少女の不安定で未成熟な感情において、個々の感情に対して明暗・正負の別を設けることなく、そのような分離不可分な情動が混在する戸惑いの中において、性と愛への彼女達の歩み出しを見守るかのようなスタイルはユニークです。それ故に、彼女達のセックスは、“生の感情”の発露であり、反モラル的ではなく、あくまで非モラル(アモラル)的なものとして描かれているのも特徴でしょう。
百合モノ(短編「おひめさまクラブ」)女装趣味な少年との甘酸っぱい恋愛エッチ系(短編「とっかえっこ」)なども含め、女の子側のモノローグによって語られる作品世界は“幼い少女達の世界”に閉じられており、男性は彼女達の感情の動きを引き出す“触媒”的な存在に留まっています。
その意味で、読者、特に男性読者にとってのグルーブ感が強いスタイルではなく、また感情の明確化に伴う漫画チックな面白みの強さにも乏しいタイプではありますが、等身大の叙情性が貫く雰囲気は極めて味わい深く、少々の入り込み難さ・分かり難さを補って余りあると言えます。

【ぷにぷに感強めなロリ体型が強烈】
表紙絵で激しく主張している通りのフルスロットルなロリエロ作品集であり、登場するロリっ子さん達は小○校高学年~中○校入りたての赤飯前後な年齢層。
ChildWorld2.jpg上述した通りに、明暗の感情を共に持ち合わせる少女像として描かれるキャラクターが多く、時に害意を時に純粋な優しさを演出する女の子達の笑顔の表情が、非常に印象深いのが一つの特徴なキャラ設計だと感じます(←参照 さて、この笑顔はどちらでしょう 短編「おさがり」より)。
同時に、漫画的なコミカル演出も作品の雰囲気を損なわない程度に投入されており、少女達の可愛らしい喜怒哀楽の表情もキャラクターの親しみやすい魅力を生み出しています。
ChildWorld3.jpg作品によってある程度幅はありますが、比較的低等身なロリプニ色の強いキャラデザインであり、丸っこいお顔やぽっこりとしたお腹、ほんの僅かに隆起するちんまいおっぱい等々、ロリ的な意味で強いあざとさと一種の野暮ったさが合わさった肢体描写は武器の一つ(←参照 短編「とっかえっこ」より)。ガーリッシュな私服や子供っぽい下着類などもキャラデザインによくマッチしています。
非常に柔らかいタッチで仕上げられた同人誌初出の短編「おしりキッズ12」は明確に印象が異なり、キャラデザインなどに作品間で多少の差異は感じますが、単行本を通して初単行本と思えない程に絵柄は安定しており、表紙絵ともほぼ完全互換と言えるでしょう。

【困惑と快楽の挟間にあるヒロインの痴態が魅力】
ページ数の多さもあって、エロシーンは十分なボリュームを誇り、少女達の性に対する困惑・混乱が行為の中で徐々に解消され、肌の重なり合いが生む幸福感が強まっていく流れや行為への嫌悪感と快楽の喜びがない混ぜになる複雑な情感に強みがあるスタイル。
そのため、セックス描写はシナリオ展開と密接に結びついており、エロの強度・密度が濡れ場において常に高く保たれていないので、少々冗長な感があるのは確かでしょう。
とは言え、少女の未成熟な肢体の各所を弄り、愛撫するシーンやぷにっとした顔面を白濁液で汚すことにつながる口淫描写、トロンとした表情で唾液を交換するキスシーン、そして少女の肢体を肉棒と快楽が貫くピストン運動をそれぞれ的確なエロ演出を加えた上で十分な量をお届けする複数ラウンド制は抜き物件として頼もしい所。
ChildWorld4.jpgドロっとした質感の各種液汁の描写や涙と涎に濡れる表情、臭味としての淫猥さを抑えつつプリプリとした媚肉の表現がいやらしい口腔や性器の粘膜描写など、作画面での演出の安定感が煽情性の盛り上げに大きく寄与しています(←参照 短編「おさがり」より)。
なお、アナルセックスを含めアナル関係の性行為が多く、前穴挿入がないケースもあるので、その辺りはご嗜好と相談されたし。加えて、女装少年との絡みや百合モノなど、男性の存在感がほとんど排除されたような作品が多いことにも留意は必要でしょう。
ライトエロでは決してなく、強度の高いエロ演出や背徳感を煽る情緒感を備えていますが、同時にハードコア指向ともやや言い難いスタイルであり、実用性を担保しつつもあくまで登場人物の感情で魅せるセックス描写と個人的には考えます。

ふわっと柔らかい絵柄に性癖的な業の深さを感じさせる絵柄、穏やかに表現されながらも明暗がめまぐるしく変化する情動など、初単行本ながら強い作家性が光る1冊と言えるでしょう。話として甘いタイプにしろ、苦いタイプにしろ、読み手にそれぞれ噛みしめさせる様な旨味があります。
個人的には、少女のキャラクターの背景にあるものを浮かび上がらせ、現在と未来における感情をほんのりダークに描き出した短編「おさがり」が話的にも抜き的にも最愛でございます。
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