2010年05月

危険思想『プリンセスフォールダウン-堕落姫-』

PrincessFallenDown.jpg烏丸渡先生の『デウス×マキナ』第3巻(電撃コミックス)を読みました。な、何ということでしょう、あの天下無双のドSお嬢にデレが!デレが!これはこれでいいものです。
あと、台詞から察してキラー・ビィに男の娘の可能性が出てきましたが、それはそれで!(←節操無し)ところで、お嬢の脱ぎたて黒タイツにハァハァ&クンカクンカ未遂の主人公の将来が大変心配でございます。

さて本日は、危険思想先生の『プリンセスフォールダウン-堕落姫-』(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューです。結構ベテランの作家さんのハズですが、これが2冊目&4年ぶりの新刊となります。
重厚に構築された剣と魔法のファンタジーワールドで繰り広げられる破天荒人外エロを楽しめる1冊となっております。

PrincessFallenDown1.jpg収録作は、化け物の姿になってしまった国王の父を救うため秘薬を求めて旅に出るプリンセスとその側に従う悪魔の物語なタイトル長編「プリンセスフォールダウン-堕落姫-」全7話+フルカラーのプロローグ4P+幕間劇10P(←参照 さっそく捕らわれの身 同長編第1話より)、および長編作と舞台設定を共有する短編「神技形成アルケミア」。
フルカラーのプロローグや幕間劇(3.5話に相当)を除き、1話・作当りのページ数は16~20P(平均20P弱)と平均的なボリュームで安定。内容・演出共に濃密なエロに加え、描かれる世界がしっかりと設計されていることに伴ってストーリー的な読み応えも十分にあります。

【しっかりとした世界観構築に下支えされるヒロイン奮闘劇】
純真無垢なお姫様と妖精の姿を取りながら実は父親の怪物化に関わりお姫様をワザとエロピンチに陥らせて歓喜に浸る悪魔の物語は、数多の人物の因縁が絡みあう重厚な作りであり、多少のほのぼの感も有しながら適度なシリアス調でじっくり魅せるタイプ。
女衒に囚われて性奴のオークションに出されてしまう惨禍、亡国と化した国を裏切る騎士団長、騎士団長に亡命の手土産として敵国へ渡された姫を再び襲う凌辱劇、そして悪魔としての契約を反故にしてさえも姫を救うために立ち上がる悪魔といった展開をドラマチックに描いており、単に過激なエロシチュを並べ立てるだけの作劇になっていないのは素晴らしいです。
PrincessFallenDown2.jpg悪魔に魅入られた姫とその姫の心にまた魅入られた悪魔、戦士として生きられなくなった悲しい女衒と彼に助けられ従う東方の姫、戦いに生きることを望んで歪んだ騎士、悪魔の地獄への帰還を願う魔界の淫姫をメインキャラとして彼ら彼女らの思惑で物語を紡いでおり(←参照 長編第6話より)、それぞれのエピソードに一定の決着を付ける多層的な作品構築がしっかり為されているのも作劇上の美点。
そして、暗い感情もまた渦巻く中で、お姫様の純粋な善性が悪魔の邪な心を衝き動かし、過酷な恥辱凌辱と登場人物達の志半ばでの死を乗り越え、優しいハッピーエンドを迎えるストーリーテリングの心地よさが何より見事。
また、幻想譚の雰囲気によくマッチしたト書きの語り回しや芝居がかった台詞回しなども、読みに好適なテンポを生み出しており、剣と魔法の世界の中での人間ドラマを好適に演出。
作品解説による補助の分を割り引いても、世界観やストーリーのバックグラウンドの説明を作中に上手く盛り込んでおり、無理な急展開や説明不足を為さずに話をまとめ上げた手腕は高く評価できます。物語のベースとなる設定の魅力を活かしきったと言えるでしょう。

【状況に合わせて変幻自在なむちむち豊満エロバディ】
長編作でエロに絡むのはおっとりとしたお姫様・チェルシー、ちょっとムスっとしながらやはり純真な心根の東国の姫・クシナダヒメ、相棒の悪魔・ラズゥーにご執心な悪魔姫・アクメディテのメインキャラ3名とサブキャラ数名。
なお、短編「神技形成アルケミア」のホムンクルスコンビの片割れや長編作のクシナダヒメ、サブキャラの海賊娘など、股間に特大サイズのち○こを備えるフタナリ娘が多く、好き嫌いがはっきりする要素であるだけに、ご嗜好とよく相談をされたし。
PrincessFallenDown3.jpg乳輪大き目のもちもちおっぱいや特大サイズのヒップを中心に柔肉をたっぷりまとった豊満エロボディとして描かれるキャラが多いですが、特にチェルシーさんに関しては魔法によって爆乳・超乳化したり、フタナリ化したり、ツルペタロリボディになったりとボディデザインは良くも悪くも変幻自在(←参照 イメージですが超乳・母乳・乳首複数化のトリプルコンボ 長編第3話より)。
その他にも人体改造的な味付けは多く、町野変丸先生レベルの乳房肥大化や複乳キャラ、乳腺の拡張、大量挿入・射精によるボテ腹化など、ファンタジー世界であることの利を活かしたエキストリームな方向への突っ走りぶりは圧巻で、個人的には大変痺れました。
妖精の姿で実は凶悪な悪魔であることを隠し、姫に苦難と救いを与える悪魔・ラズゥーを筆頭に、男性キャラにもシナリオ上における存在感がしっかりとあり、凌辱要員な悪漢なども含めて皆さん素敵に悪そうな外見をしています。その分、“実はいい人”展開に味があるわけですが。
華やかな王宮装束やオリエンタリズム溢れるセクシーな性奴の衣装、クシナダヒメの和風な服装、高貴かつ淫猥な魔界の姫の装束など、ファンタジー世界でのコスチュームにもコダワリがしっかりと感じられ、各キャラの豊かな肢体のエロティックさを増強しています。

【過激に禍々しく突っ走る快楽陶酔のエクストリーム三昧】
シナリオを的確に進行させつつも、エロには十分な分量が割かれており、またヒロインのボリューミィな肢体が揉みくちゃにされて乱れまくる様を強いインパクトを以て連続させるエロ作画・エロ演出は高い実用性を誇ります。
トラブルに巻き込まれて集団凌辱や衆目に晒されての恥辱調教など、攻撃的なシチュエーションが多いものの、ヒロインの性格や快楽を増強する便利アイテムなどのおかげもあって、ひたすらに圧倒的な快楽がヒロインの心身を蹂躙する描写になっており、陰惨さの度合いはそこまで強くありません。
PrincessFallenDown4.jpg上述の人体改造的な要素と密接にリンクしていますが、ニプルファックや複数本挿入、ボテ腹ファックにオークやケンタウロスを用いた獣姦チックな交合、そして定番の触手エロなど、この類の要素に強みを持つキルタイム系作家陣の中でも抜群の過激性・攻撃性を放っています(←参照 悪魔姫さんボテ腹触手エロ 長編第3話より)。
適度に発達したビラビラが捲れるリアルテイストな女性器描写の淫猥さやフタナリチンコも含めた剛直の猛々しさ、そしてもちもちとした全身のお肉の重量感など、各体パーツのエロさも高い水準にあり、特に乳尻のボリューム感を強調する大ゴマが抜群に映えるタイプ。
ハッキリ言えばテンポの良さなどあったものではありませんが、卑語・猥語をたっぷりコンテインなハートマーク付きエロ台詞は立て板に水式の大量投入であり、作画と併せて飽和感・過剰性のある演出となっているので、多くの読み手の脳髄を浸食してくれることでしょう。見事なまでに頭の悪い(誉めてます)フレーズの数々も面白いところですが、言葉の細部よりもエロイ内容で文字が沢山並んでいるという視覚的なプレッシャーとして意味のある台詞の用い方と言えるでしょう。なお、ヒロインの官能の表情にやや変化が乏しいのは平板さを感じて多少の減点材料。
複数ラウンド制を各エピソードで貫徹している分、抜き所は豊富と言え、黄金水や母乳を噴出するヒロインの膣内や顔面にねばっこい白濁液を放出する様は大ゴマ~1Pフルでダイナミックに叩きつけており、終始濃密であったエロシーンのフィニッシュとして大変好適な仕上がりになっています。

全体的にアブノーマルでマニアックなエロで貫かれていますが、その過激性にのみ依存しないファンタジーとしての丁寧な作劇が大変魅力的な1冊です。
キルタイム系の作品が単にシチュエーション特化の単発エロ作品のみであると思っている諸氏には是非一読して頂きたい作品ですし、勿論エキセントリックなエロを楽しみたい方にも強くお勧めできる作品ですな!

鮭『マシュマロペット』

MashmallowPet.jpg桂明日香先生の『ハニカム』第4巻(電撃コミックス)を読みました。ご飯を食べる姿のめんこさに定評のある鐘守さんの不器用ラブをニヤニヤしながら見守る作品として楽しんでおります。
トイレ君の華麗なスルーっぷりは最早犯罪レベルですな。あと、出番が多いとは言えないのですが、ネコと遭遇した際の態度の普段との超絶ギャップで全てを持って行った感のあるホール長が毎度のことながら素敵。

さて本日は、鮭先生の『マシュマロペット』(コアマガジン)のへたレビューです。先生の前単行本『サリーによろしく』(ジーウォーク)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
変態ハードプレイがポンポン飛び出るブラックなんだかハッピーなんだか判然としない不思議ワールドに翻弄される1冊となっています。

MashmallowPet1.jpg収録作は、美人姉妹をエロペットにして変態プレイ三昧な中編「幼なじみ」全5話(←参照 ローションマットプレイ中なう 同中編第4話より)、メガネ美少女さんとピュアな愛情を育むつもりが兄貴とクラスメイトの変態エロカップルに駄目な方向への後押しをされちゃって~な中編「狼のつくりかた」全3話、および独立した短編3作。
フルカラー作品の短編「やらしいようちえん」(8P)とおまけの無声エロ掌編「マシュマロペット」(4P)を除き、1話・作当りのページ数は16~24P(平均20P弱)と標準的なボリューム。お話的な読み応えはある様な無い様な不可思議な印象ですが、エロのアタックは強く、抜きツールとしては単純に強力な1冊です。

【ブラックな要素を妙なほのぼの模様にまとめ上げる手練手管】
輪姦や変態性欲さえギャグに仕立て上げる破天荒なセンスとアニメから政治まで幅広いパロディネタを大量にブチ込むスタイルに定評のある作家さんですが、メガストア系列の掲載作ということもあり、各種変態プレイにハッピーなラブコメ調を混ぜ込んだ作品が今単行本では主体。
MashmallowPet2.jpgとは言え、メガストア系列の最大公約数的なラブコメ・エロコメの範疇に納まるような作家さんでは当然なく、登場人物達が野外調教やら露出プレイやら赤の他人との集団プレイやらをあれよあれよと強要されていく流れには、ちょっと危険なブラックさが香らされています(←参照 ちょっと話と思わせた直後 中編「幼なじみ」第5話より)。
作品によって多少幅はありますが、登場人物たちの恋愛感情の描出は多くはなく、ラブい雰囲気の心地よさに浸りたい方には不向きである一方、大好きな相手とのアブノーマルプレイが生み出す倒錯的な快楽に溺れる登場人物達の姿は何とも幸せそうで、平穏な日常から逸脱しつつもそのことに暗さや重さがないのは読み易さにつながっています。
凌辱の惨禍に遭いながらも健気に笑顔で頑張る娘さんの姿に恋を打ち明ける青春ラブストーリー短編「大好きっSugarBabe」のどーしょもないラスト(誉め言葉)が示す様に、登場人物達をさんざん弄り倒しながら後は知らぬとばかりに話を投げ捨てるスタイルもある意味見事で、どーしていいか分からない読後感を読み手にお届け。
話としては平凡でもエロを含めたお話全体をコンパクトにまとめてスムーズな読書感を生み出すという、メガストア系列における不文律を素敵にガン無視しているとも言え、むしろそのことが作品の魅力の一つとも言えます。
表紙絵の可憐なむっちりガールとの楽しく甘いラブコメを期待して購入した方は壁にぶん投げたくなる可能性もなくはないですが、作劇の妙とか感情描写の細やかさではなく、「どーしょなくて参りました」がこの作家さんに対する最大の讃辞であると思う諸兄(管理人含む)には掲載誌の誌風と上手いことバランスを取った納得の作品構築に映ると思われます。

【たぷんたぷんと揺れ弾む巨乳をお持ちの変態ヒロインズ】
短編「やらしいようちえん」の見た目が某初代コンビにクリソツな保母さん、中編「狼のつくりかた」や短編「大好きっSugarBabe」の女子高生さん達、中編「幼なじみ」の美人女子大生姉妹と設定はそこそこバラけながらハイティーン~20歳前後のヒロインがメイン。
c937aaf4.jpg園児とストレス解消セックスに営む保母さんや変態街道爆走中な美人・美少女さん達など、カラリと明るい変態痴女さんが勢揃いですので、初エッチにポッと頬を染める純情ガールズをお求めな諸氏は回避を推奨(←参照 お盛んデイリーライフ 中編「狼のつくりかた」第1話より)。
特段にキャラクター性がフィーチャーされたキャラ造形ではありませんが、上述した通りにアブノーマルな日々の幸せを彼女達なりにエンジョイしている姿は何とも頼もしい限りで、思い切った設定に反して親しみ易さがきちんと備わっているのも美点。
体型設定に関しては、一部で貧乳ガールさんも登場するものの、その娘さんにしては等身高めのボディにロリ色は少なく、またその他のヒロインはもっちりふかふかな巨乳&桃尻を備えるエロボディの持ち主であり、胡乱なフレーズを用いれば弄り甲斐のあるもちもちっとした肢体が魅力的です。
揉んだり吸ったり挟んだり、ついでにオモチャで滅茶苦茶に責められたりなたっぷりおっぱいは控えめサイズなニップルとの組み合わせが程良く、個々の体パーツの描写にあまり重きを置かない中でも目立つ要素でしょう。
読み手をあまり選ばないキャッチーな萌え系アニメ/エロゲー絵柄は女の子の可愛らしさとエロさをよく引き出していますが、主戦場ではないコアマガ系列の収録作を集めた分、初出時期には相当な幅があり、近作での絵柄と比べると旧作の絵柄の質がはっきり見劣りするのは確かでしょう。

【持ち味である飽和感のあるエロ演出が強固】
中編「狼のつくりかた」はダブルカップルそれぞれの変態エロ模様を描いていますが、その他の作品では主要キャラ格以外の男連中にヒロインの肢体がハードに弄ばれちゃうケースも多いので、寝取られ的な要素が苦手な方は要注意。とは言え、本体その要素に備わるべき悲壮感や陰惨さは乏しいので判断材料としてはそこまで大きくもないでしょう。
エロシチュに関しては、公園や学校での野外露出プレイや拘束エッチ、集団輪姦など、オチを付ける気があまりない分、まぁ素敵にやりたい放題でして、ヒロインのむちむちバディが揉みくちゃにされつつ内も外も白濁液に染められていく狂乱の有り様が実用性の高さに直結しています。
コマ安易に大ゴマ依存の傾向があった初期作品に対し、ブチ抜き画のインパクトの強さと、やや見づらい場合もあるものの局所描写を担う小ゴマを上手く組み合わせる画面構成も近作においては上手く、ヒロイン達の痴態を余すところの無く実況中継。
大量に投入される肉棒や各種エロアイテムが生み出す量的な攻撃性に加え、心理状態をじっくりと紡ぎ出すモノローグやハートマーク付きで乱れまくる白痴系エロ台詞などによる飽和感のある演出が為されているのはこの作家さんの特長であり、行為の内容そのものに増した視覚的なインパクトが武器でしょう。
MashmallowPet4.jpgその意味で、前戯パート・挿入パートの双方において多用されるぶっかけ描写も大変淫猥であり、ヒロイン自ら舌を突き出して顔面射精をオネダリしたり、膣内射精からわざわざち○こを引きぬいて全身に白濁液のシャワーを浴びせる様などは非常に強力な抜き所(←参照 中編「幼なじみ」第2話より)。
最初からほぼ完全に快楽を満喫していることもあって、倒錯的な行為の快楽への転落模様や羞恥心の演出はあまり感じ取れず、アブノーマルエロとしての禁忌性への踏み込みは必ずしも強くありませんが、インパクト勝負の濡れ場として間違いなく上手く作られており、快楽への陶酔の純粋さを以て抜かせるタイプと言えましょう。

この作家さんにしては妙に真面目なあとがきもあって、果たして本来の持ち味は全て出し切れたのかは多少の疑問もありますが、そうは言っても隠しきれない作家性が滲み出ているのは何とも素敵です。
シナリオとしてのまとまりなどあったもんではないですが、主人公とヒロイン2名が爛れた変態プレイに邁進する様が何ともハッピー&エキセントリックな中編「幼なじみ」に大層搾り取られましたよ。

あ~る・こが『いのせんと☆せっくす』

InnocentSex.jpgツジトモ先生の『GIANT KILLING』第15巻(講談社)を読みました。丸々1冊達海の過去話となっていますが、切り返しからのダイレクトなボレーショートと言い、達海の選手としての優秀さをよく示した1冊ですな。
新規のファンや達海を世にアピールしたい会長も含め誰にも決定的な非があるわけではない中で、選手としての達海の運命が揺れ動く様はこの後に来る離別の決断と如何につながっているかが興味深いところ。

さて本日は、あ~る・こが先生の『いのせんと☆せっくす』(三和出版)のへたレビューです。なお、先生の前々単行本『つくみみ』(オークス)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。というか、前単行本『愛玩少女』(久保書店)が未レビューなことに今気が付きました(汗。
非日常の気持ち良さを求めて行為に耽溺していく無邪気ガールズの痴態をたっぷりお届けな1冊となっています。

InnocentSex1.jpg収録作は、彼氏君とのエッチに満足できない妹ちゃんが兄貴に協力を求めて開発されちゃうも、後にそのことで彼氏君と一悶着な連作「お兄ちゃんのせいだもん」「お兄ちゃんのせいだもん BEFORE」(←参照 「お兄ちゃんのせいだもん BEFORE」より)、および読み切り短編10作。なお、ゲストページがみなずきぽぷり先生&EB110SS先生という、この道の権威が三者揃いぶみなあとがきページとなっております。
1話・作当りのページ数は16or20P(平均17P弱)と控え目なボリューム。ストーリーとしての読み応えは乏しく、エロシーンにほとんどのページ数を割く構成は実用性重視の構築と言えるでしょう。

【ほんのりブラックな要素も混ぜ込む無邪気エロワールド】
ロリっ子達との無邪気なセックスという“ファンタジー”を創作物の中で読者に堪能して欲しいという作家さんの意図(あとがき参照)がよく伝わる作品群であり、エッチに興味津津&超積極的なロリっ子達との濡れ場を提示することがあくまでメイン。
フルスロットルで棚ボタ展開となっている作品も多く、背徳の行為へと至る情動のドラマティシズムなどあったものではありませんが、導入パートを出来る限り短く切り詰めて勢いよく濡れ場へ突入する潔い作りである故に、ご都合主義展開の嫌味をあまり感じ取らせないのは上手いところでしょう。
加えて、一般的なエロ漫画作品における導入パート→エロシーン→話のオチという作品構成と異なり、導入パート→エロシーンという事後のシナリオ展開を省いた構成を取っているケースも散見され、快楽的なセックスとそこへの耽溺そのものがお話を形成しているとも言えるでしょう。
InnocentSex2.jpgヒロインの性に対する邪気の無さはほぼ全作品で共通しているものの、不登校の妹との近親相姦が当り前に行われている家庭(←参照 訪れた友人と 短編「きょうはん」より)や息子に対してゲームの弁償の代りに交際中のロリっ子に筆おろしをさせるトンデモな状況(短編「オヤジの彼女はクラスメイト」)など、無邪気で快楽的な性行為生み出す“結果”とそれら囲む状況には、明るい雰囲気故の狂気性が存在する印象もあります。
上述した作劇スタイル故に、ほのぼのとまとめるか倒錯の快楽への沈み込みをダークに描くかどちらかのオチには説得力が弱く、登場人物の邪気と無邪気が交錯する絶妙な明度の雰囲気をシナリオ面で活かしきれていない点は個人的に減点材料。
とは言え、ロリっ娘さん達または男性側が徐々に快楽への耽溺を段階的に強めていく流れにはソツがなく、各種エロシチュエーションによる味付けも的確に為されているのは◎。

【膨らみかけバストの未成熟ロリバディ】
日常劇で統一されていることもあって、容姿はロリーながら年齢不詳な人外さんといったタイプは全くおらず、小○校中学年~高学年クラス(推定)のガチロリガールのみが登場。
ヒロインの小さめロリボディは決してぷに系ではなく、比較的すらっと伸びた細身の肢体であり、局所的な胸の隆起を示す二次性徴期初期に特有な貧乳描写や皮膚の下からうっすら浮き上がる肋骨や骨盤のラインなどが、ロリっ子の貧相バディに背徳的な生々しさを付与しています。
この割合にリアルな生々しさとデフォルメを適度に効かせたオールドスクールなアニメ/エロゲー絵柄の融合がこの作家さんの特徴であり、独特のクセがあるので必ずしも万人向けではないことには要留意。
なお、すっかりエロ調教を施されていたり(短編「きょうはん」)デリヘル嬢として健気に頑張っていたり(短編「デリ少女」)なキャラクターもおりますが、そういった設定云々よりも単純にセックスの快楽を無邪気に求めてくる少女達が勢揃いしております。
InnocentSex3.jpg性に対して元々積極的であった彼女達の、“スイッチ”が入ってしまう様子の描き方にも魅力がある作家さんであり、情欲の炎が燃え盛る瞳の表情が何とも攻撃的(←参照 ドキドキ羞恥エロ 短編「ふぁみれすエッチ」より)。
体パーツに関しては、デフォルメ系の描き方に伴うシンプルさが年頃らしい未発達さと上手いことリンクする女性器描写や、着衣の上からも分かるほどツンと隆起した大粒の乳首も特徴的な要素で、それらをクニクニと弄る様も何ともエロティック。

【快感の高波を堪える様な表情がエロい全裸エッチ】
上述した通りほぼエロシーンのみで作品が形成されていますが、羞恥系のプレイやドキドキ初エッチといったエロシチュエーションの作り方は上手く、各シーンのコンセプトが明確であることが実用面における美点の一つでしょう。
InnocentSex4.jpgトロンと蕩けて涙でウルウルと濡れるか、身を突き抜ける快楽にキュッと目を閉じるかの感じ顔とじっとりと汗に濡れる貧相未成熟バディ(誉めてます)をこそ見せるエロ作画であり、様々なアングルからヒロインの乱れっぷりを描き出していきます(←参照 短編「少女デッサン」より)。
なお、この傾向に関しては、ブルマ体操服や競泳水着といったキャッチーなコスチュームを用意した場合でおいてさえも、それらを脱いだ上での全裸エッチが基本ですので着衣エッチ好きは要留意。
絶対値としてはさして多くない濡れ場のページ数の中で、段階を踏んだエロ展開を行っている分、各行為に関して描写の長さが不足気味なのはネガティブな材料であり、特に挿入後の早漏展開は気になる方にはかなり気になる点でしょう。
とは言え、それらの場合では挿入に至るまでの前戯パートに十分な密度があるのも確かであり、丁寧な愛撫や涎を絡め合う濃厚なキスなどによって秘壺に淫蜜が豊潤に湧き、挿入シーンにおいてそれらが噴水の如く結合部から漏れだしてくる様子はなかなかにインパクトの強さがあります。
どちらかと言うと、男性側の台詞で状況説明とやや嗜虐的な味付けを施すタイプであり、ヒロイン側の嬌声はやや単調ではありますが、彼女達の“余裕の無さ”の演出という意味ではハマっており、大ゴマで描かれる中出しフィニッシュまで勢いよく駆け抜けています。

コレと言って突き抜けた長所は無いものの、ガチロリさん達のハードエッチを描く抜きツールとしてトータルでの完成度は高く、ヒロインズの無邪気さが持つ明暗の二面性が香っているのも魅力。
個人的には、脳味噌お花畑なハッピーロリータと思いきや鬱々としたラストにしてやられた短編「とまった時間」とスイーツ(笑)少女を騙してエッチした結果、彼女のエロスイッチを押しちゃってな短編「ふぁみれすエッチ」が特にお気に入り。

ゼロの者『シス☆ブラっ』

SisterStarBrother.jpgTVアニメ『いちばんうしろの大魔王』第8話「あの子にご執心?」を観ました。天真爛漫ぶりが目立つけーちゃんですが、学校では意外に孤立しているようで、それだけに阿九斗との関係は大事なんでしょうなぁ。
ザ・ツンデレな絢子さんもいい娘さんですが、過去の因縁もあって二人が幸せに結ばれるといいなぁと思います。あと、お約束の触手エロにおける不二子さんがエロ過ぎます。

さて本日は、ゼロの者先生の『シス☆ブラっ』(一水社)のへたレビューです。先生の前単行本『エロメスのつくり方』(同社刊)のへたレビューや作家評なども併せてご参照下さい。
明るいラブコメも真っ暗な凌辱エロもよく練られたプロットとシズル感溢れる肢体描写で魅力的に仕上げられている1冊と言えます。

e8aae1c8.jpg収録作は、妄想力が桁外れに強いエロ漫画家さんな妹ちゃんとその兄貴との風変わりな近親ラブ模様なタイトル長編「シス☆ブラっ」第1話~第6話(以下続刊;←参照 漫画家デビュー決定 同長編第1話「妄想と現実」より)+作中の人物が描いている(という設定の)掌編1本、および前単行本収録作の「子羊おおかみ」の続編にあたる「親子羊おおかみ」前後編。
おまけ収録作である掌編「水着少女プリン 第8話」(2P)を除き、1話当りのページ数は14~24P(平均20P)と概ね標準的な水準で推移。エロシーンをメインとする作劇でありながら、ストーリーラインに一定の重みが存在する作品構築は各作品において良好であり、読めて使える1冊としてお勧めできます。

【よく練られたプロットで紡ぐラブコメ&ハード凌辱】

タイトル長編「シス☆ブラっ」は2巻構成であった長編「わすれな」以来となる長編ドラマであり、兄妹の近親ラブストーリーであることも共通しています。
とは言え、「わすれな」が人目を忍んで営まれる禁忌の愛をしっとりせつなく描いたのに対し、今単行本の長編作はよりアッパーでコミカルな雰囲気が強く、妄想パワー全開の妹さんのキャラの良さもあって読み口は柔らかく仕上がっています。
エロ漫画の兄貴とエッチする妄想に浸る内に妄想での行為と現実の境目が曖昧になってゆくというシナリオ要素は、決して独自性が高いものではないものの、ヒロインの欲望の強さや仕事による疲労が現実と妄想の境の混濁を生んでいる流れはかなりスムーズであり、読み手もそのあやふやな境界線上にいるかのように意識させるのは面白いところ。
物語冒頭では、互いの互いに対する感情がえらくアッサリしていた兄妹が、妹のエロ妄想の暴走と周囲の人物の奇妙な介入によって、相手に対する愛と性の欲望を抱いていることを自覚していく展開も滑らかであって、話の緩急の付け方を心得た老練なプロット構築はやはりベテラン作家らしい点でしょう。愛情を認識し合った二人の前に登場する新キャラが如何なる影響を及ぼすのか、次単行本での続きが気になる作品ですな。
SisterStarBrother2.jpgこの長編作がここ最近のハッピーラブコメ調の傾向を引き継いだものである一方、旧来の凌辱エロ系統を継承し、絶大な破滅性と狂気性を放つ「親子羊おおかみ」前後編は、女殺しのショタボーイ・ろうくんの狂気の一端を如実に示してきたことで読み手の心胆を寒からしめるレベルのダークさがあるのが見事(←参照 こう言っていますが・・・ 「親子羊おおかみ」前編より)。
性器結合による“通常”のセックス描写すら排された禍々しい性愛のカタチは極めて暴力的であり、そこに込められたろう君の願望の怖ろしさ・未曾有の快楽に理性を蝕まれるヒロインの悲壮感もあって、読後の後味はオイスター先生の作品並に悪いのは、読み手の得意不得意で評価が全く異なるでしょう。個人的には、この作家さんの描く真っ黒なダーク作品が好きなので大変頼もしい点です。

【独自性の高い絵柄の有するキャッチーさと濃厚さ】
長編作ではヒロインのアシスタントであるメガネガールさんが(レズ的な意味で)エロに絡んでくるものの、これまでのところ基本的には妹さんの一人ヒロイン制。エロ妄想にフヒヒ笑いを浮かべつつ、エロ漫画のお仕事に邁進する彼女の、ある意味での健気なキャラクターは作品の魅力の一つでしょう。
連作「親子羊おおかみ」では新たに親子の餌食となる若奥様に加えて、前作で親子に捕えられた女の子が引き続いて快楽地獄の中で悶絶させられています。よって、単行本通してヒロインのバラエティは乏しく、また明確なキャラ属性などを期待するのも避けるべきでしょう。
SisterStarBrother3.jpg割合にしっかりとした骨格の上にたぷたぷと柔らかい脂肪を蓄えた体型描写が基本であり、体の温度感や重量感を強固に演出しつつ、ほんのり垂れ気味の巨乳やムチムチっとした太股などのストレートなエロアピール力で読み手を悩殺(←参照 長編第2話「近親相姦」より)。
火照った柔肌が玉の汗に濡れるシズル感や濡れた肌が妖しく濡れ光る粘膜的な描写に並々ならぬコダワリを見せる作家さんであり、女性の肢体に一種の生々しさや濃さを付与しています。ただ、これでもかとグレースケールを載せまくっていた頃に比べると、かなり演出は落ち着いており、濃さや重さが過剰になっていないのは訴求層を広げる上では正解と言えましょう。
時代に合わせて常にマイナーチェンジを施してきた絵柄は十分に現代的なキャッチーさを備えており、単行本を通して高質で安定。
ただ、この作家さんの画力の高さを考慮すれば、日常パートで作画の丁寧さが足りないコマが散見されるのはちょっと残念ですが、エロシーンに関しては常に綿密な作画が為されていると言えます。

【各種淫水があちこちから吹き出す濃厚エロス】
長編作については、描かれる行為がヒロインの妄想であるという状況が頻出することは好みを分けそうな感がありますが、それ以上に妄想の連続という流れに沿って濡れ場がやや小刻みに分割構成されてしまうのが個人的には難点。
ひたすら猛然たるフィストファックと凶悪なサイズのバイブの挿入を繰り返す連作「親子羊おおかみ」や、アシスタントの女の子と妹さんのレズプレイが描かれることもある長編作など、通常のセックス描写から外れたエロシチュが散見されるのは個人的には面白い点ですが、ち○ことま○このガチンコ勝負を大ボリュームで楽しみたい諸兄は要留意。
しかしながら、そういった多少のネガティブ要因を気にさせないエロ演出・エロ展開の安定感と技術力の高さがあり、大粒の汗が表面を伝う肢体のエロティシズムを中核とするエロ作画がこの作家さんの真骨頂。
SisterStarBrother4.jpg特に前戯パートで光る、柔らかい乳房やツヤツヤと妖しい光沢を発する媚肉などを丁寧かつハードに弄り倒す様に、ヒロインの肢体のコントロールを奪うかのような嗜虐性があり(←参照 長編第5話「快楽の天秤」より)、ぐっしょりと濡らされた秘所に挿入しての抽送パートへの導入をしっかりと果たしています。
結合部描写に依存することなく、涙と涎でやはり濡れる顔面の蕩け具合と汗だくボディの官能性によってピストン運動の煽情性を下支えしており、ややテンポこそ悪いものの快楽陶酔的なヒロイン側のエロ台詞も演出として有効と言えます。
状況の特殊性もあいまってか、フィニッシュシーンを必ずしも男性の射精と同期させないため、中出しメインのファイナルブローを期待する場合には少なからぬ減点材料でしょうが、エロ展開ラストに官能曲線の上昇はしっかり図られており、ヒロイン側の絶頂を抜き所として機能させてあります。

明るい作品とドス黒い作品の両方が楽しめ、古参なゼロの者先生のファンにも最近知った方にも両方楽しめる1冊と言えるでしょう。個人的には、「子羊おおかみ」シリーズを含めて他の作品ともキャラがオ-バーラップする長編作が、新キャラの登場によってどう変化していくかが大変楽しみですな。

中年『年刊中年チャンプ 合併号』

YearlyMiddleAgeChamp.jpgとよ田みのる先生の『友達100人できるかな』第3巻(講談社)を読みました。ヒカルちゃん先生可愛いよヒカルちゃん先生、まぁ、この人?は男性なのか女性なのか不明ではありますが。
お話的には、コワい先生という存在の懐かしさもあって第11話に涙腺が緩くなりました。あと、第13話の甲斐君のお話は、そこまでの話の流れもあってラストの吹き出しの使い方の上手さに唸らされましたなぁ。

さて本日は、中年先生の『年刊中年チャンプ 合併号』(マックス)のへたレビューです。先生の前単行本(初単行本)『年刊中年チャンプ』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
女の子達のユニークな言動と恋愛の甘酸っぱさが奇妙で心地よいハーモニーを奏でるハッピーラブコメディに浸れる1冊です。

収録作は全て読み切り短編で12作。1作当りのページ数は16~24P(平均17P)とコンビニ誌掲載作らしい控えめのボリュームで概ね安定しています。
ページ数こそ少なめながら、小ゴマを詰め込む誌面構成によりコミカルなキャラクター描写を豊富に見せるため意外に読み応えがあるタイプであり、エロも標準量をしっかり確保。

【ほのぼのコメディ要素と素直な感情表現が光る青春ラブコメディ】
作風的には、ちょっぴりお馬鹿なストレンジガール&ストレンジボーイのコミカルな台詞の掛け合いによって進行する明朗快活なラブコメディであり、軽快な読書感が確たる魅力なのは間違いないでしょう。
ただ、コンビニ誌的なアッパーなラブコメディの雰囲気をしっかりと纏いながらも、テンションの高さやギャグの愉快さに強く依存することなく、若い男女の甘酸っぱいラブストーリーとしての魅力を潤沢に備えていることがこの作家さんの特長でもあります。
b2913265.jpg少年少女の恋愛に対する不器用さを泥臭い親しみ易さを以て描きつつ、性に対する率直な好奇心、相手に対する純粋な感情を温かく表現する手法は素晴らしく、お互いに混乱しつつドタバタ模様を繰り広げながら、その後にある恋の結実のハッピーエンドに宿る上質な甘さが優しい余韻を生んでいます(←参照 不器用ガール 短編「うしろのメガネ太郎」より)。
また、我儘お嬢様やドSお姉ちゃん、一言も発しない無口無表情ガール、精神年齢がかなり低いアホ娘などの“ストレンジガール”達の振る舞いや、3日間挿入しっぱなしな初エッチとか手作りな段ボール製ズゴ○クでの着衣エッチとか荒唐無稽なセックスなど、漫画的な楽しさも優先されたコメディ要素がシナリオラインから浮つくことなく、登場人物達それぞれの幸せな日常として描けているのも○。
前単行本の評でも書きましたが、男性陣を素敵に混乱させる女の子達の奇妙さ(およびその逆も)は、真剣な恋の悩みから赤提灯での与太話にまで共通する“異性の理解不能性”そのものであり、それを乗り越えて理解し合いたい・つながり合いたいという願いとその充足は、思春期の少年少女達に委ねられることで強いグルーブ感を醸成しています。
ただ、穏やかにまったり進行する良さでもあるものの、小ゴマを連発させて細かい吹き出しを数多く投入する構成は読みのリズムの悪さにもつながっており、同時にコミカル演出としてのインパクトが視覚的にもやや弱いのはある程度の減点材料と思います。

【定番の良さとユニークさを兼ね備える美少女ヒロインズ】
登場するヒロインはミドル~ハイティーンクラスの制服美少女さん達であり、性格設定こそ様々ながら年頃らし瑞々しい肢体と精神の持ち主として描かれています。
b22facc8.jpg大まかにカテゴライズすれば、ツンデレさん(←参照 素直になれない幼馴染 短編「田舎に泊まろう!」より)やお嬢様タイプ、素直クールさんなどに当てはまるキャラクターも多いですが、そういった属性の良さを踏襲しつつ定型から少し逸脱したキャラ造形こそ“ストレンジガール”である由縁であり、またその純朴で親しみやすい心根が作品の魅力を形成しています。
また、男連中の存在感がヒロインのキャラ立てを邪魔しない程度に各作品で確立されているのも美点で、色々と戸惑ったり暴走したりしながらも恋とエロに対して邪まな打算なく一生懸命に動き回る彼らの姿からは、青春の日々への一種の懐かしさが漂ってくるように感じます。
YearlyMiddleAgeChamp3.jpgヒロインの体型的には程良い肉付きの肢体に貧~巨級の幅広いサイズのバストが備わっている一方、ストレートなセックスアピールはあまり高くなく、言動と対比的に普通っぽさがむしろ目立つタイプという印象(←参照 紅潮の表情の良さは武器の一つ 短編「二人は進行中」より)。
絵柄的には安定しているとは言い難いのですが、よく言えば繊細かつ軽やか、悪く言えばヘロッとしていて頼りない描線はヒロインの柔らかい可愛らしさを生み出しており、デジタル移行でもあまり変化しなかったのは嬉しいところ。
加えて、上述の小ゴマメインの進行ながら、背景描写や台詞の描き方などに関して小さくなっても手を抜かない誠実さは高く評価したいところです。

【溢れ出す涎と汗が示す恋愛エッチの陶酔と熱っぽさ】
ページ数の都合上、エロは長尺とは言い難く、またエロも含めて登場人物達の微笑ましい日常として描く傾向があるため、ハードコアな抜き物件を求めていると多少きびしい評価になる可能性もあるでしょう。
ただし、ストレートなエロとしての攻撃力には欠けながら、恋愛の成就の一つのカタチであり心と体の通じ合いを求める心の発露でもあるセックス描写には、幸福感と熱っぽさが備わっており、恋愛エッチとしての趣きの良さがあるのは非常に嬉しい点。
着衣エロメインとは言え、ギュッと体を抱きしめる密着感に優れたピストン運動も欲望前のめり気味に疾走していくのが気持ちいい一方で、意外にねっとりと互いの体と性器を弄り合う前戯パートにより注力がなされている感があります。
YearlyMiddleAgeChamp4.jpg特に液汁関係の描写はなかなか秀逸で、火照った顔面を濡らす涙や涎や肢体を伝う汗、結合部から漏れだす淫水などは肢体のシズル感や行為の温度感を強調しています(←参照 短編「うさぎとくま」より)。このため、涎を交換する舌吸い(キス)やパイズリを含めたフェラ描写がよりエロティックになっています。
なお、結合部見せつけ構図や性器ドアップも特に抽送パートにおいて十分量を投入しており、子宮口が見せるまで押し広げられることもあるパイパン秘所の描写はストレートな煽情性を有しています。
エロシーンでは小ゴマの頻度を下げているものの、ヒロインの最奥にがっつり中出しして両者絶頂KOのフィニッシュは中~大ゴマが主で射精カタルシスを満たすガツンと強いアタックはすやや弱め、とは言え、ハートマーク付きのラブエロ台詞の連呼の後に来る中出しフィニッシュは良い抜き所であるのは確かです。

コミカルでありながら恋愛ストーリーとしての地の純朴さが失われず、双方が噛み合うことでエロもシナリオもキャラもよくなっているという作品構築には相変わらず惚れ惚れします。
個人的には我儘アホ娘と愛し愛され人生ゲームな短編「うさぎとくま」とブルマ着用の方言ツンデレ娘とコタツでHな短編「田舎に泊まろう!」に大層ニコニコさせて頂いて特にお気に入り。
あとがきにある通り、中年先生は御病気のため休筆されるとのことで、一ファンとして残念だなぁと思いつつ、回復をお祈り申し上げます。先生の描く不器用キュートガールズ達を再び見れる日を願いつつ、レビューの筆を置かせて頂きます。
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