
あと、台詞から察してキラー・ビィに男の娘の可能性が出てきましたが、それはそれで!(←節操無し)ところで、お嬢の脱ぎたて黒タイツにハァハァ&クンカクンカ未遂の主人公の将来が大変心配でございます。
さて本日は、危険思想先生の『プリンセスフォールダウン-堕落姫-』(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューです。結構ベテランの作家さんのハズですが、これが2冊目&4年ぶりの新刊となります。
重厚に構築された剣と魔法のファンタジーワールドで繰り広げられる破天荒人外エロを楽しめる1冊となっております。

フルカラーのプロローグや幕間劇(3.5話に相当)を除き、1話・作当りのページ数は16~20P(平均20P弱)と平均的なボリュームで安定。内容・演出共に濃密なエロに加え、描かれる世界がしっかりと設計されていることに伴ってストーリー的な読み応えも十分にあります。
【しっかりとした世界観構築に下支えされるヒロイン奮闘劇】
純真無垢なお姫様と妖精の姿を取りながら実は父親の怪物化に関わりお姫様をワザとエロピンチに陥らせて歓喜に浸る悪魔の物語は、数多の人物の因縁が絡みあう重厚な作りであり、多少のほのぼの感も有しながら適度なシリアス調でじっくり魅せるタイプ。
女衒に囚われて性奴のオークションに出されてしまう惨禍、亡国と化した国を裏切る騎士団長、騎士団長に亡命の手土産として敵国へ渡された姫を再び襲う凌辱劇、そして悪魔としての契約を反故にしてさえも姫を救うために立ち上がる悪魔といった展開をドラマチックに描いており、単に過激なエロシチュを並べ立てるだけの作劇になっていないのは素晴らしいです。

そして、暗い感情もまた渦巻く中で、お姫様の純粋な善性が悪魔の邪な心を衝き動かし、過酷な恥辱凌辱と登場人物達の志半ばでの死を乗り越え、優しいハッピーエンドを迎えるストーリーテリングの心地よさが何より見事。
また、幻想譚の雰囲気によくマッチしたト書きの語り回しや芝居がかった台詞回しなども、読みに好適なテンポを生み出しており、剣と魔法の世界の中での人間ドラマを好適に演出。
作品解説による補助の分を割り引いても、世界観やストーリーのバックグラウンドの説明を作中に上手く盛り込んでおり、無理な急展開や説明不足を為さずに話をまとめ上げた手腕は高く評価できます。物語のベースとなる設定の魅力を活かしきったと言えるでしょう。
【状況に合わせて変幻自在なむちむち豊満エロバディ】
長編作でエロに絡むのはおっとりとしたお姫様・チェルシー、ちょっとムスっとしながらやはり純真な心根の東国の姫・クシナダヒメ、相棒の悪魔・ラズゥーにご執心な悪魔姫・アクメディテのメインキャラ3名とサブキャラ数名。
なお、短編「神技形成アルケミア」のホムンクルスコンビの片割れや長編作のクシナダヒメ、サブキャラの海賊娘など、股間に特大サイズのち○こを備えるフタナリ娘が多く、好き嫌いがはっきりする要素であるだけに、ご嗜好とよく相談をされたし。

その他にも人体改造的な味付けは多く、町野変丸先生レベルの乳房肥大化や複乳キャラ、乳腺の拡張、大量挿入・射精によるボテ腹化など、ファンタジー世界であることの利を活かしたエキストリームな方向への突っ走りぶりは圧巻で、個人的には大変痺れました。
妖精の姿で実は凶悪な悪魔であることを隠し、姫に苦難と救いを与える悪魔・ラズゥーを筆頭に、男性キャラにもシナリオ上における存在感がしっかりとあり、凌辱要員な悪漢なども含めて皆さん素敵に悪そうな外見をしています。その分、“実はいい人”展開に味があるわけですが。
華やかな王宮装束やオリエンタリズム溢れるセクシーな性奴の衣装、クシナダヒメの和風な服装、高貴かつ淫猥な魔界の姫の装束など、ファンタジー世界でのコスチュームにもコダワリがしっかりと感じられ、各キャラの豊かな肢体のエロティックさを増強しています。
【過激に禍々しく突っ走る快楽陶酔のエクストリーム三昧】
シナリオを的確に進行させつつも、エロには十分な分量が割かれており、またヒロインのボリューミィな肢体が揉みくちゃにされて乱れまくる様を強いインパクトを以て連続させるエロ作画・エロ演出は高い実用性を誇ります。
トラブルに巻き込まれて集団凌辱や衆目に晒されての恥辱調教など、攻撃的なシチュエーションが多いものの、ヒロインの性格や快楽を増強する便利アイテムなどのおかげもあって、ひたすらに圧倒的な快楽がヒロインの心身を蹂躙する描写になっており、陰惨さの度合いはそこまで強くありません。

適度に発達したビラビラが捲れるリアルテイストな女性器描写の淫猥さやフタナリチンコも含めた剛直の猛々しさ、そしてもちもちとした全身のお肉の重量感など、各体パーツのエロさも高い水準にあり、特に乳尻のボリューム感を強調する大ゴマが抜群に映えるタイプ。
ハッキリ言えばテンポの良さなどあったものではありませんが、卑語・猥語をたっぷりコンテインなハートマーク付きエロ台詞は立て板に水式の大量投入であり、作画と併せて飽和感・過剰性のある演出となっているので、多くの読み手の脳髄を浸食してくれることでしょう。見事なまでに頭の悪い(誉めてます)フレーズの数々も面白いところですが、言葉の細部よりもエロイ内容で文字が沢山並んでいるという視覚的なプレッシャーとして意味のある台詞の用い方と言えるでしょう。なお、ヒロインの官能の表情にやや変化が乏しいのは平板さを感じて多少の減点材料。
複数ラウンド制を各エピソードで貫徹している分、抜き所は豊富と言え、黄金水や母乳を噴出するヒロインの膣内や顔面にねばっこい白濁液を放出する様は大ゴマ~1Pフルでダイナミックに叩きつけており、終始濃密であったエロシーンのフィニッシュとして大変好適な仕上がりになっています。
全体的にアブノーマルでマニアックなエロで貫かれていますが、その過激性にのみ依存しないファンタジーとしての丁寧な作劇が大変魅力的な1冊です。
キルタイム系の作品が単にシチュエーション特化の単発エロ作品のみであると思っている諸氏には是非一読して頂きたい作品ですし、勿論エキセントリックなエロを楽しみたい方にも強くお勧めできる作品ですな!