2010年03月

新堂エル『晒し愛』

LoveToOpen.jpgスウェーデン産のホラー・スラッシュメタルバンドF.K.Ü.の3rdフル『WHERE MOSHES DWELL』を買いました。Freddy Kruegerへの愛に溢れたB級ジャケが素敵過ぎます。
OVERKILL系のHR的ノリの良さがあるスラッシュサウンドで、おどろおどろしいメンバー写真に反してかなり聴き易いタイプですな。ライナーのホラーコミックもベタ過ぎてむしろ◎。

さて本日は、新堂エル先生の初単行本『晒し愛』(ティーアイネット)のへたレビューです。同人作品に疎い管理人ですが、商業・同人共にチェックしている作家さんの一人で、冬コミのモンハン本には大層お世話になりました。
アブノーマルエロ街道を突き進むアグレッションとそれを平和にまとめる若い男女のエネルギッシュなラブラブ感が強い魅力な作品集です。

LoveToOpen1.jpg収録作は、露出性癖を見事に悪化させてゆくヒロインとそんな彼女を愛した上で更なる変態行為を加速させる少年の物語な「晒し愛」シリーズ全3作(←参照 ボディペイントin繁華街 同シリーズ第1作「晒し愛」より)+後日談短編(6P)+フルカラーの前日談?掌編(4P)、および読み切り短編2作。
描き下ろし作品を除き、1作当りのページ数は36~40P(平均38P弱)と、収録本数の少なさを補って余りある大ボリュームで安定。エロの濃さで一点突破するタイプであり、シナリオも止まらぬ性欲の暴走を描きだす実用性重視の構成になっています。

【変態エロと肯定感の強い恋愛模様】
恋心に素直になれない少年と足の障害を抱えながらも強く明るく生きていく少女の甘酸っぱいラブストーリーな短編「バリアフリー」のような作品もある一方で、メインは露出性癖であったり同性愛だったりと健全とされない性癖を抱える女の子達の青春ラブストーリー。
扱う題材故にラブコメディ的な明朗さは乏しいものの、個々の変態的欲望が恋愛関係の内に肯定され、アブノーマルな快感に溺れつつもそれぞれの未来が開かれている流れは、アブノーマルエロを描く上での王道の一つであり、展開はそれなりにスムーズです。
LoveToOpen2.jpg特に「晒し愛」シリーズにおいては、一見正統派美少女なヒロイン・黒崎さんの暴走っぷりが凄まじく、初っ端から教室オナニーをかました後は、ボディペイントで外出やらエロコスチュームでバイト中にオナニー敢行やらで(←参照 シリーズ第2作「晒し愛2」より)、その“異常性”を過激なプレイと猛烈なテンションのモノローグで速射してくるドライブ感満載の流れが◎。
主人公のフォローというか煽りもあって、シリーズ各話の行為は個人の破滅に至っても何らおかしくない所まで突き抜けてしまうのですが、そんな状態を含めて「自分は自分でいい」という強い自己肯定感が揺らがないのは唸らされる点であって、やや強引な展開をそれと感じさせないのも作劇上の上手さと感じます。
同人作品では救いゼロの凌辱モノを描くこともあり、エロの内容からしてそちらの方向性も商業で描いて欲しいという個人的願望はありますが、若い情動が生み出すアッパーな雰囲気も魅力的であり、やりたいことと入り込み易いオーソドックスさのバランス取りが適切に為されています。

【キャッチーでありつつそれぞれに業の深いヒロイン陣】
登場するヒロインはミドル~ハイティーン級の制服美少女さんで統一されており、基本的には快活なキャラクターが中心。ただ、収録作品数が少なめであるため、ヒロインのバラエティーを求める諸氏は要留意。
某電磁砲の某キャラを思わせる凛々しい生徒会長が大好きなツインテール美少女や(短編「生徒会長は愛され系」)、某ツンデレアニメのメインヒロインを思い起こさせるウェーブヘアガール(短編「バリアフリー」)など、キャラデザ面で小ネタがあるのはニヤっと笑える楽しさです。
LoveToOpen3.jpgシリーズ作に関しては、メインヒロインの痴態にアテられてか、友人の日焼けスポーツ少女・おっとりさんな美少女が一緒に露出行為にハマってゆく流れが面白く、それぞれに反応や没入具合が微妙に異なる点がお話に膨らみを持たせています(←参照 エロ水着inビーチ シリーズ第3作「晒し愛3」より)。
体型的にはスレンダーな肢体にカタチの良い巨乳と桃尻が備わるデザインがほぼデフォルト仕様となっており、適度に添加された肌のツヤツヤ感と併せて分かり易いエロアピールが強くあります。これといって特徴のある肢体描写ではありませんが、アブノーマルエロや後述する過激な演出との組み合わせという点ではそれらがより目立つようになっているため、むしろ好適と言えるでしょう。
なお、グニグニとした質感の大粒乳首やキャラによってはもっさりと濃く茂る陰毛描写などは、なかなかに生々しくてエロの増強に関して有効なワンポイント。
初単行本ということもあり、絵柄には統一感がやや欠けており、描線の濃淡やその整理整頓にバラつきは認められます。近作では表紙の絵柄とほぼ完全互換であり、重みとキャッチーネスとを適度に兼ね備える二次元絵柄は読み手をあまり選ばない魅力があります。

【強烈なエロ演出で固めたトリップ系濃厚ファック】
シナリオでかっちり固められるアブノーマル方面への加速を、過激なエロ演出によってさらに強調するスタイルを取っており、ただでさえ多めのページ数が生み出すボリューム感を質的な濃さで一層強固なものにしてきます。
序盤展開の変態プレイで既に淫液だだ漏れ状態のヒロインに即挿入すれば、イキナリ理性が壊れてヨガリ狂う痴態をガツガツと押し込んでくるエロ展開はかなり強烈で、ライトエロ嗜好な方ならドン引きになる可能性も高め。
特に露出系エロでは、行為が見られてしまうことへの甘美な恐怖感ではなく、他者の視線にそのみっともない乱れ具合を見られてしまうことにこそ悦びを見出しており、快楽と羞恥が正のスパイラルを描いて急上昇していく流れには有無を言わせない凄みがあります。
LoveToOpen4.jpgヒロインの快楽表現も非常に熱狂的であり、SINK先生ばりの凶悪なアヘ顔やもはや日本語にならない獣じみた嬌声、ハートマーク付きのエロ台詞の連呼など、物量で読み手の理性を圧殺してくるエロ演出はこの作家さんの真骨頂(←参照 短編「生徒会長は愛され系」より)。嗜虐性の強い各種演出の中でも、個人的にはトリップ状態にある瞳の表情の猛烈に危うい感じが大好きです。
これら演出面において、女性の綺麗な顔が快楽に歪む醜悪さや下品さは、強烈な魅力である共に嗜好によっては忌避要因でもあり、断面図描写を含めた内臓描写のマッシブさなどと併せて好みを分ける要素でしょう。
長尺のエロシーンのシメは、白目を剥いて暴力的な快楽の嵐のただ中にあるヒロインの子宮内にたっぷり中出ししたり、自ら突き出す呆け顔にぶっかけたりと、そこまでの展開に見合ったインパクトのあるフィニッシュとなっています。

とまぁ、初単行本ながら期待通りに強烈な抜きツールとなっており、大変満足。エロにリアルではありえない演出の過激性を求めている方には文句なしにお勧めですよ。

(4月1日追記:最後の文章が削除されていますが、これは、当該部分に関して違法アップロードおよびそのダウンロードに対する肯定の意図は新堂エル先生および編集さん側に全くなかったことを確認できたためです。一人のエロ漫画好きとして安堵致しました。また、ご心配・ご迷惑をかけましたことを、お詫び申し上げます。)

春城秋介『私のしたい○○なこと』

WhatIWantToDo.jpg若杉公徳先生の『デトロイト・メタル・シティ』第9巻(白泉社)を読みました。自分の写し見であるようなカールス秀喜との出会いが、目を逸らしていた自身の在り様を思い出させるという流れは意外に王道ですよね。
あと、それを言ったらお終いよなんでしょうが、第91話の名演技を見る限り、根岸はおしゃれポップでもメタルでもなく、パントマイムで大成する人間なんじゃないかと思いました、いやホント。

さて本日は、春城秋介先生の『私のしたい○○なこと』(ティーアイネット)のへたレビューです。先生の前単行本『ビーナスラプソディ』(同社刊)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
年不相応に大人な色気満載の美少女ヒロイン達とのちょっと妖しい青春ラブ模様が満喫できる1冊です。

WhatIWantToDo1.jpg収録作は、好きな女の子の妹さんに弱みを握られてズルズルと肉体関係を続けさせられる少年の悩み多き日々な中編「いたずらメヌエット」全4話(←参照 妹さん猛アタック 同中編第1話より)、および読み切り短編3作。
なお、コスプレ大好き家庭教師とその教え子のツンデレ気味ガールとのラブエロ話「ホームレッスン<課外授業>」は、前単行本収録の「ホームレッスン」の続編的作品ですが、ストーリー的な連結は弱いので今単行本から読んでも十分楽しめます。
加筆があるとはいえ、1話・作当りのページ数は24~49P(平均32P弱)とTI系の強みである破格のボリューム感を誇ります。たっぷりとした分量のあるエロと、その脇を的確に固めるシナリオは共に高質で、サクサク読み易さもありつつ満腹感の強い1冊と言えましょう。

【ほんのりアモラルな青春ラブストーリー】

綺麗なお姉さんとのちょっとハートウォームな艶話を描かせると天下無双なこの作家さんですが、今単行本は女子高生ガールとのほんのり背徳的なラブストーリーがメイン。まぁ、前単行本が年上系メイン、前々単行本(初単行本)『一途なトリコ』(同社刊)が双方半々の収録だったのでバランスが取れていると言えば取れています。
WhatIWantToDo2.jpgお互いに交際相手がいる少年少女が互いの性癖を曝け出して密通を重ねる短編「友達以上」(←参照)、普段は真面目な女教師が美少年君を誘惑して羞恥系プレイに励む短編「Secret Affair」など、インモラルな味付けを加えたストーリーテリングが多く、快活なラブコメディとはやや雰囲気を異にするタイプ。
しかしながら、性愛のダークサイドに登場人物達が転落していくことはなく、背徳のエロスに心をくすぐられながらも、その善悪はそれとして現状を満喫している男女の姿はどこか幸せそうで雰囲気はむしろ柔らかく仕上げられています。
主人公の弱みを握り、時に誘惑エッチと生殺し連発のコンビネーションという手練手管を用いて姉との交際に立ちはだかる妹さんの暗躍を描く中編作においても同様の空気感を有しており、主人公とその想い人であるお姉ちゃんとの感情のすれ違いを少々湿っぽく描きながらも、作中の恋とエロの駆け引きは意外にカラリと明るいタイプ。
また、常に不敵な態度で主人公を翻弄した妹さんの純粋な動機の解明と、すれ違い続けた主人公とお姉ちゃんとの恋の結実が描かれる終盤展開にも爽快感があり、既存の作品と同様にほんわか温かいハッピーエンドに落着させる流れにも無理・無駄がありません。
総じてストーリー単体に強い面白みがあるわけではないのですが、エロシチュエーションの形成力は高く、また見切り発車だったらしい初挑戦の中編作も含め、話のまとまりの付け方も良好。何より、奔放な性愛を意外に軽やかに切り出す手腕が各作品のキャッチーさの基盤を作っていると感じます。

【バランス良くむっちりな肢体の持ち主な美少女ヒロインズ】
上述した通り、今単行本のヒロインはミドル~ハイティーン級の制服美少女さんが中心。なお、短編「Secret Affair」のみ、フェロモン漂う美人女教師さんが登場しますので、この作家さんの描く年上キャラが好きな諸兄も回避前にご一考されたし。
一見清楚であったり、元気娘であったりと、性の穢れを知らない様な女性から包み隠さない淫性がシナリオ展開に合わせて漂ってくるキャラ造形が強みであり、適度なインモラルさと上品な雰囲気の橋渡しをキャラクターによって成し遂げています。
WhatIWantToDo3.jpg表紙絵で一目瞭然だと思いますが、例え10代後半の女性であろうと、色っぽさが前面に打ち出されたキャラデザインを施しており、その色香に囚われる幸福感を読み手に喚起してくるタイプ(←参照 まだ高校生ですよ、彼女 短編「ホームレッスン<課外授業>」より)。なお、そこまで気になるわけではないですが、ヒロインの描き分けがやや甘いのは△。
等身高めで均整の取れたボディは、むっちりとした柔肉に包まれており、触れる手に吸いつくような餅肌の質感や独特の体温感も上品な色香を形成する上での強い魅力。逆に言えば、どこか儚げな印象のあるスレンダー美少女や、淫臭ムンムンな完熟ボディを期待するのはNGです。
これまたマッスたっぷりの乳・尻・太股もストレートなセックスアピールを有していますが、目鼻立ちの整った美人フェイスのとの組み合わせが見事で、描写として割合平凡な個々の体パーツよりも肢体全体としての“エロさ”に優れるタイプ。
視点を引いた構図でデッサンが甘くなったり、構図が上手くハマらないコマが散見されたりするものの、絵柄は十二分に安定しており、表紙絵との齟齬も全くありません。

【上品でありつつ強烈な色香を漂わせる濡れ場】
シナリオに十分な比率を割きつつ、話の展開がエロの流れをしっかりと補強している作りであり、それぞれに十分な量のエロとシナリオが相互に良さを高め合うエロ漫画として理想的な構成になっています。
情事が露見する危険性を犯してのドキドキ羞恥系プレイを絡めることも多い一方で、特殊なエロ要素はあまり用いないスタイルであり、フェラチオを中心とする前戯パート→下半身を振り合う抽送パートというごく標準的な流れを長尺でじっくり魅せ付けてきます。
WhatIWantToDo4.jpg特に1回目の射精シーンを投入する前戯パートのむせ返るような淫靡さはこの作家さんの武器であり、綺麗な顔のヒロインが汁気たっぷりにち○こや男性の舌先をねぶる様が読み手の性欲中枢を甚く刺激(←参照 中編「いたずらメヌエット」第3話より)。
恥ずかしがりながらも完全に発情スイッチの入ったヒロインが、むわっとした淫臭が漂うリアル寄り秘貝と菊門を曝け出して挿入へと誘えば、柔らかボディを抱えこんでのピストン運動へと移行。ページ数の余裕もあって、この際に一気にガツガツとしたセックスに急展開せず、徐々にち○こを蜜壺に挿れてゆく“タメ”があるのも好ポイント。
黒い茂みも含めた結合部周辺が淫液でぐっしょり濡れてゆく様を性器アップコマで描出しつつ、パワフルに進行するエロシーンは、適度な攻撃性を有しつつも、演出は比較的穏やかであり、絵柄の地の上品さを殺さないエロ作画になっています。よって、白濁液の多汁感や強烈なアヘ顔などの強いエロ演出をお求めな方にはやや勧め難いですが、作品の雰囲気にはよくあってますし、何より快楽に染まるヒロインの艶態が非常に魅力的です。
個人的にはあまり必要性を感じない透過図描写で迫力を増強しつつ、複数ラウンド制のフィニッシュは、声を押し殺して絶頂を迎えるヒロインの膣内にたっぷり中出しする様を大ゴマ~見開きで描いており、そこまでの十分な尺もあって蓄積された欲望の開放点として真に好適となっています。

大人の余裕とそれを快楽で蕩けさせられてしまう年上ヒロインも素晴らしいですが、ピュアな感情と混じりっけの無い青い性欲の持ち主な制服ガール達を描いてもやはりグッとくることを如実に示した3冊目と思っております。個人的には前者の方が好きですが、それでも今単行本は大満足。
超積極的な快活淫乱娘ながら実は姉想いのいい娘さんの妹と、奥手ながらやる時はやる(性的な意味も含めて)姉が好対照であった中編「いたずらメヌエット」が最愛でございます。お勧め!

不二河聡『乙女に白濁デコレーション』

WhiteDecorationOnGirls.jpg朔ユキ蔵先生の『セルフ』第3巻(小学館)を読みました。オナニー道を良くも悪くも深めつつ、宇多ちゃんと妙な一線を越えてしまった主人公ですが、その年になってオカズを探し始めるとか正に天上人ですな。
それはともかく、今巻最大の名シーンは街で偶然出会ったスカウトの兄ちゃんの「人生はオナニーだ。」に続く一連の名言でしょう。不覚にも「カッコいい!」と思いましたよ。

さて本日は、不二河聡先生の『乙女に白濁デコレーション』(ヒット出版社)のへたレビューです。このご時世に何とも挑戦的な表紙絵ですな。先生の前単行本(初単行本)『ペット少女育成学校』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
先の読めない展開に引き込まれる愛憎凌辱劇と白濁液塗れのロリっ娘の痴態とが魅力な1冊になっています。

WhiteDecorationOnGirls1.jpg収録作は、書いたエロ行為が実現されてしまう魔法の日記を手にした少女と周りの少年少女との愛憎が引き起こす凌辱劇な中編「HNK」全5話(←参照 ノートの魔力に取り込まれるヒロイン 中編第2話より)、実はそのノートの持ち主である魔法少女が触手凌辱に~な短編「マジカルナイト」、ツンデレお嬢様の恋路を実らせるために妹様が奇略を~な短編「ザーメンプール」+描き下ろし後日談掌編(4P)、および読み切り短編1作。
1話・作当りのページ数は18~36P(平均25P弱)と中の上クラスのしっかりとしたボリューム。エロメインの作劇でありながら、短編作ではコンパクトな、長編作では重厚な作品構築をしており、それぞれ異なる魅力を有しています。

【小粒で楽しい短編作と猛烈にエモーショナルな中編作】
表紙・裏表紙絵から想起される通りに各作品は凌辱要素を含んでおり、展開によっては陰惨な方向性に走る場合もあるものの、ゴリゴリの鬼畜凌辱劇へと沈み込んでいくタイプではありません。
妹様の粋な計らい?で、ツンデレお嬢様が覆面野郎満載のザーメンプールを無理矢理エッチされながら渡河して人質にされた少年を救い出してハッピーエンドというトンデモ設定な短編「ザーメンプール」や、マスコットキャラと悪役がどーしょもない理由で手を組んで魔法少女を触手凌辱というギャグオチが約束されている短編「マジカルナイト」などは、行為としての過激性・攻撃性を担保しつつも作品全体の雰囲気はむしろアッパーでさえあります。
これに対し、中編作は話としてかなり重く、好きな少年を他の女の子に取られてしまった寂しさで“エロ日記”の与える快楽に耽溺するメインヒロインの少女、笑顔の下で他者への猛烈な敵意を持つ敵役の後輩少女、その娘と憎悪の関係にあるメインヒロインの友人と、学級という閉じた人間関係の中で渦巻く負の感情で愛憎ドラマを牽引。
ドラマ展開においては、ヒロインと想い人である少年の感情のかけ違いを一つの流れとしつつ、エロ日記というツールを介して互いの心を傷付け合った二人の少女の姿をもう一つの縦糸としており、それぞれの感情の爆発が引き起こす陰湿な集団凌辱へと至った終盤手前の展開は緊迫感があります。
WhiteDecorationOnGirls2.jpgそこから各登場人物の救済を描くハッピーエンドへと激走する終盤展開は、少年少女達の決意、懺悔、友情、そして恋心を非常にエモーショナルに描いており、下手をすれば場違いな程気合いの入った作画による感情表現の強さはそこまでの話の暗さを捩じ伏せるような高揚感があって、実に爽快(←参照 中編「HNK」第5話より)。
性愛の暗部から日向へと再び舞い上がる話の流れにスムーズさが欠けていたり、激情的でさえある感情の噴出を作劇上巧く調節できていなかったりするものの、凡百なエロネタから始まってここまで“熱い”展開に持って行った作家さんの意欲を非常に買いたい作品です。

【安定感を増した絵柄で描くローティーンガール】
短編「ザーメンプール」に登場するおっぱいたゆんたゆんな快楽主義者の妹様(サブキャラ)を除けば、皆さん体サイズのちんまいランドセルガール達。
ツンデレお嬢様や自分の恋心に素直になれなかった中編作のメインヒロイン等、愛情を含めた個々の感情を持て余してしまう登場人物が多いのは、この年齢層の男女を扱う上で間違いなく正解と言えるでしょう。
彼女らの寸胴ボディに備わるのは、小さめ乳輪と大粒乳首の組み合わせなペタンコ胸、一本筋が通る鏡面仕様の股間、スラッと伸びる細い手足と、王道のロリータ体型でほぼ統一されています。
スクール水着やブルマ体操服、ガーリッシュな私服類など、年齢層に合わせた衣装のチョイスも好適で、貧相なボディを布地がもっさりとカバーする様がなんとも野暮ったい生々しさがあって素敵。
WhiteDecorationOnGirls3.jpg華奢な描線を丁寧に描き込むタイプの絵柄であり、トーンワークや陰影の多様などによる装飾性の高さはどちらかと言えばオールドスクールな少女漫画絵柄に近いタイプ(←参照 短編「ザーメンプール」より)。
前単行本に比して絵柄の安定感は強まったものの、いい意味でも悪い意味でも作画にやや荒さが残っており、CG彩色の表紙絵の様にすっきり整理されたタッチを期待するのは避けるべきでしょう。

【過激に突っ走る汁ダクセックス】
エロシーンには十分な分量が割かれているものの、シーンの分割構成を取ることが多かったり、シナリオ進行の役割がより大きいシーンが差し挟まれたりと、性欲をダイレクトに刺激する分量はエロの総量に比して少なめ。
とは言え、過激なプレイも投入される分、コアとなるエロシーンにおいて個々のコマのアタックが十分強くなっており、嗜好さえ合えば実用性は十分に高いと言えます。
WhiteDecorationOnGirls4.jpgラブラブエッチも存在するものの、集団凌辱や触手凌辱(←参照 短編「マジカルナイト」より)、やや特殊な形式での睡姦、痴漢エロなど、上述した通りに嗜虐的・攻撃的なシチュエーションが多いので、それらが苦手な方は要注意。
一穴複数本挿入や、大量注入+巨大な肉棒によるボテ腹化などのかなりキツイ責めも多く、グネグネと蠢く未成熟な膣内が蹂躙されていく様を描出する断面図・透過図の多様と併せて視覚的な強烈さを創出してきます。
タイトル通りに白濁液描写には光るものがあり、ぶっかけ・中出し問わず、放たれた大量の精液がロリータフェイスや口腔内、小さな肢体、容積の小さい子宮内を白く染め上げていく様は、どこか破滅の美しささえ感じさせる程印象的で、他の演出を排した静的なコマでよく映えます。
やや駆け足気味のエロ展開ながら多回戦仕様となっているために抜き所はそれなりに豊富であり、1Pフルの中出しフィニッシュで結合部から噴出する程の量の精液を注ぎ込んで両者絶頂できっちり締めてきます。

ほのぼの話と凌辱エロが組み合わさるという独特の作風を今単行本でも延長させつつ、若い感情をよく捉えたドラマ性の強い中編作への挑戦が頼もしい2冊目であり、作画・作劇共に順調に成長中という印象です。
話作りに多少の不器用さは感じたにせよ、幼さゆえに知る性愛の明暗を対比させながら、登場人物と読み手の感情を燃えあがらせた中編HNK」が個人的に最愛。

滝沢ナイア『濡れるんです・・・』

GetWetToSkin.jpg「MC☆あくしず」Vol.16をパラパラと読み進めています。今号は帝国海軍の潜水艦特集でしたが、相変わらず無駄にエロイページ満載となっております。
個人的にはMAS魚雷艇(イタリア軍)の擬人化がとってもキュートな「少女艦艇学入門」とロシアのお風呂事情についての速水螺旋人先生の蘊蓄が炸裂な「ロシア妄想主義概論」が特にお気に入り。後者に登場のボロボロきちゃないガールはマニアな諸兄は必見の価値ありですよ!

さて本日は、滝沢ナイア先生の初単行本『濡れるんです・・・』(ジーウォーク)のげたレビューです。雨に濡れる美少女と思わせて上側を良く見ると小便小僧という、何ともこの作家さんらしい表紙絵です。
ほんわかとした絵柄と変にテンションの高いキャラの言動との奇妙なケミストリーが魅力の1冊になっています。

収録作は全て短編で9作。1作当りのページ数は16~24P(平均20P弱)と中の下クラスのボリューム。
エロ・ストーリーは共にライトな仕上がりになっているものの、話がどう転ぶか分からない不安定感が一定の読み応えを生んでいます。

【不条理感のコントロールの巧拙に振れ幅】
GetWetToSkin1.jpg帯に“不条理エロス”との売り文句がある通り、突飛な行動を示す人物やトンデモな設定を盛り込んだ作品が多め(←参照 何処からツッコミを入れればいいのやら 短編「夜警」より)。
普通に兄妹のラブコメ系近親相姦の形式を取る短編「うっかりお兄ちゃん」「ぷりしす」といった作品もありますが、前者は兄貴が妹の部屋に隠しカメラを設置する冒頭から始まり、後者は妹がネコミミ少女化したりと、“普通”の作品にまとめる気を感じさせないのは面白いところ。
その他の作品も、メイド喫茶の店員と客のエロ模様(短編「天使のメイド」)や、カップルさんのお化け屋敷デート(短編「驚かせてすいません」)など、ありふれた題材をチョイスしながら、標準的な展開からズルズルと逸脱していく構成もユニークです。
GetWetToSkin2.jpg恋やエッチにあまりに懸命でその情動が空回りしがちな女性キャラと、性的なコトに対して妙に冷静な男性キャラの不均衡さが作品の不条理性の源泉の一つ(←参照 短編「体育係」より)。ただし、双方の感情のミスマッチはエロの濃度を薄めることにもつながっており、評価を分ける要因の一つでもあります。
また、作品のベースとなる何処かほのぼのとした空気感が各種不条理ギャグ要素の勢いの良さを殺している感が強くあり、作品の方向性を読み手に掴み難くする中途半端さは小さくない減点材料。オチの弱さが目立つ作品が多いのも少し残念です。
紳士な警備員なのに完璧な変質者という男性が抜群の存在感を放つ短編「夜警」や、就活中の娘さんが牧場で働こうと乳牛コスプレで押し掛ける短編「牧場へ行こう!」など、一発ネタで押し通せている作品には強い魅力があるので、作品のテンションをより高めればより面白くなるのではと思います。

【ふんわりと柔らかい絵柄の可愛らしさ】
登場するヒロイン達は、ミドル~ハイティーンの美少女さんに20代前半程度と思しきお姉さんが少数加わる布陣。
GetWetToSkin3.jpg母乳を出して牧場で雇ってもらおうと頑張るレディや(←参照 短編「牧場へ行こう!」より)、妄想ゆんゆんなメイドカフェ店員さん(短編「天使のメイド」)、何故か性的サービスをたっぷりしつつ宅配先でピザを作りだす宅配ビザ屋ガール(短編「ピザお届けします」)など、一風変わったキャラ造形のヒロインが多め。なお、男性陣の思考・行動はさらに変だったりで、作品の楽しさを生んでいます。
適度にふっくらとした体幹に並~巨乳クラスのおっぱいを備える体型設定をメインとしており、ぷるぷる震える乳房の先端に慎ましい大きさ・色彩のニップルが存在する様がなかなかエロ可愛らしいです。
細目で丸みの強い描線を用いることでふわっと柔らかい印象のある絵柄は、少女漫画のそれに近いタイプであり、作品の内容とのいい意味でのギャップは大変魅力的。
絵柄が生み出すガーリッシュな可愛らしさと、ブルマ体操服やフリルの多いメイド服、可愛いパジャマなどの衣装の組み合わせも視覚的に華やかです。
逆に言えば、男性向けストレートなエロさには欠けるタイプであり、描写として簡素で淫靡さに乏しい性器描写など、課題もそれなりに多めと言えます。

【エロとしてのアタックにやや乏しい濡れ場】

拙速な印象もあるものの、性に対して妙にあっけらかんとした雰囲気でサクサクとエロシーンへと導入されていくため、各作品中で濡れ場の占める割合は十分に高め。
登場人物のそれぞれの思惑がすれ違いながら進展していく性行為は、上述した通り官能性の密度が低く、また不条理展開の一要素としての側面が強いため、実用的読書に供し易いタイプとは言えません。
話の展開上、強姦寄りのエロシチュになっている作品もあり、総じてラブラブ感はあまりないのですが、陰惨な雰囲気もなく、当事者が困惑してしまうようなトンデモエロ展開として描かれているので、嗜虐性はそれ程ないでしょう。
GetWetToSkin4.jpg小さな乳首や結合部のお豆さんをツンと指で刺激すると、敏感に感じてしまう女の子達の姿は各作品に散りばめられており、インパクトの強い行為をせずとも性の快楽を感じ合う様は存外にハッピーで悪くない点(←参照 短編「天使のメイド」より)。その分、エロとしてのアタックの強さを作画・演出面に求めるのは避けるべきでしょう。
トロンと蕩けた瞳と涙で紅潮した頬を濡らす官能の表情は地の可愛らしさを損なわずに、エロティックさを醸成していますが、表情のバリエーションという面ではやや弱め。
両者ノックダウンの中出しフィニッシュへの流れは堅実に作ってる一方で、ここぞの盛り上がりに欠けているのも実用性を高められていない要因の一つでしょう。

文句なしに「これは面白い!」と感じる作品と、「結局何がやりたかったのだろう・・・」というモヤモヤ感が残ってしまう作品が両方あるという印象が個人的にはあり、作家性に対する評価は2冊目以降に保留したいところ。
それでも、短編「夜警」の思い切った馬鹿馬鹿しさと短編「牧場へ行こう!」のちょっとお馬鹿だけど一生懸命な女の子の可愛らしさが個人的には大好きです。

猫玄『とらい☆ぶっきんぐ』

TriBooking.jpg小山宙哉先生の『宇宙兄弟』第9巻(講談社)を読みました。月面事故を乗り越えた日々人の表情が(抽象的な表現で言えば“目力”が)、それ以前に比べて精悍なものになったのが印象的でした。
“宇宙に行くこと”の先にある目標がムッタにも出来たことも、また大きな成長ですよねぇ。JAXAの5人が制服に袖を通した見開きページは実に晴れがましいです。

さて本日は、猫玄先生の『とらい☆ぶっきんぐ』(茜新社)のへたレビューです。先生の前単行本『お姉ちゃんのココも気持ちいい』(富士美出版)のへたレビュー等もよろしければご参照下さい。発刊ペースが速いこともあって、当ブログでの単行本紹介は5回と文句なしに最多登場の作家さんです。
“ロリ玄”先生の実力フル発揮なキュートなランドセルガールズとのピュアラブストーリーを満喫できる1冊になっています。

38cc33b9.jpg収録作は、憧れの保険医の先生にラブアタックを仕掛けんとしたら実はもう一人の女の子も同時に(性的な意味で)突入しており珍騒動な「ぶっきんぐ」シリーズ全5作(←参照 “ご褒美”のダブルブッキングが露見して 同シリーズ作第1話「Wぶっきんぐ」より)+幕間のおまけ掌編(カバー裏も含めて8P)、ツンデレ妹ちゃんとの甘々恋模様な連作「妹スイッチ」「妹×リモート」、および独立した短編4作。
描き下ろし作品を除き、1作当りのページ数は全て20Pで固定されており、ベテランらしい安定したお仕事。軽過ぎも重過ぎもしないバランス感覚に優れた作劇と、エロの分量をちょうど良く設ける構成力にも信頼感が持てます。

【ほんのり切なくありつつもそれを上回る恋の幸福感】
第1話と第2話で見事な天丼展開を行ったタイトルシリーズ作が示す様に、ちっこい娘さんとのコミカル寄りのラブストーリーがメインとなっており、総じて読み口は柔らかく仕上げられています。
とは言え、恋愛の甘ったるさをひたすら抽出する凡百の萌えエロ系とは異なり、ちょいとシリアスな感情描写を交えて話を締め、それを乗り越えた先のハッピーエンドを優しく描く話の流れに、小粒ではありながらも恋愛ドラマの旨味が詰まっているのは素敵。
TriBooking2.jpg両親を早くに亡くし、兄妹だけで生きてきた兄妹の深い愛情の結実(←参照 短編「続く日々」より)、別離の危機を必死に乗り越えようとする少女とそれを力強い愛の言葉で迎え入れる青年(短編「ハニーブロンド」)など、多少センチメンタルな要素を介在させつつ、それが作品にとっての重しとならず、男女双方のささやかなれど力強い感情をより引き立てています。
おてんば娘とツンデレガールの先生争奪戦に真面目メガネっ娘が参戦するタイトルシリーズ作は、展開に説明不足・拙速の感が多少残るものの、安易なハーレムエンドに落着させることなく、互いに張りあう恋の騒動の中で各登場人物達が個々の想いに改めて気付き、それぞれの幸福へ向かって異なる道を歩み出す終盤展開が実に爽やか。
また、恋の熱量とセックスの快楽が比例する構図を取っており、互いに激しく求めあうエロシーンにおいてもなかなかにこっ恥ずかしいラブ台詞がバンバン飛び出ますが、そこにクサさがほとんど感じられないのも巧い点でしょう。
話としての斬新さは無いですが、ベタな話をきっちりまとめる作劇上の地力とそれでいて退屈にならない展開の小気味良さをいつも通りに素直に評価したいですな。

【生き生きと動き回るロリータヒロインズ】
表帯の売り文句の通りに、今単行本のヒロイン陣はローティーン美少女のみで構成されており、皆さんランドセルをそろそろ外そうかというお年頃。
当然ながら、おっぱい的にはぺたんこ~膨らみかけなので、美少女さんにもっちりおっぱいを装備させる“乳玄先生”(造語)をお望みの方は要回避。勿論、そのちんまいバストと華奢な四肢&寸胴チビボディとの組み合わせは二次ロリスキーには垂涎モノです。
体型的には統一されている一方で、ボーイッシュなショートヘアやツインテール、三つ編みおさげにポニーテールなど髪型は多様であり、また元気娘からツンデレガール、清純派妹キャラなどヒロインの性格設定も各種お取り揃え。
TriBooking3.jpg萌えエロ系のコミックRinでは定番なコスプレ衣装や(←参照 文化祭の衣装です 「ぶっきんぐ」シリーズ第2話「あふたーかーにばる」より)、素肌スパッツ、清楚なセーラー服(ロングスカートなのがポイント!)など、味付け的なコスプレ要素の充填も個人的には嬉しい点です。
最先端とは言えないものの、温かみも感じるキャッチーな絵柄は柔らかい描線がよく整理されており、単行本を通して高質で安定。全体的に二次性徴期入りたての薄いボディを硬めに描くのがリアル寄りではあり、プニプニ感をロリっ娘に期待するのは避けるべきでしょう。

【力強くかつ十分に甘い恋愛エッチ】
基本的にはラブエロ指向であり、時々欲望の暴走や悪戯心でセックス描写にSっ気が添加されることもありますが、それらは恋の騒動の範囲内に収められており、描かれる性交はあくまで幸福なソレ。
破瓜描写をきっちり折り込む処女喪失の痛みや、初めての行為への困惑や恐怖感も軽めに描きつつ、恋とエロのパワーによってヒロインがポジティブな快楽に染まって行く様が何ともハッピーであり、また大変エロくなっています。
TriBooking4.jpg進展する行為をこと細かに実況してくれるヒロインのハートマーク付きエロ台詞は煽情性の構築における主要素の一つであり、挿入オネダリや中出し要求は読み手の煩悩の刺激剤として十分に効力を発揮(←参照 「ぶっきんぐ」シリーズ第4話「すぃーと☆すとろべりー」より)。
また、エロ展開的には結合部見せつけ構図を多用する一般的なタイプですが、汁気の強いディープキスやフェラチオなどによる粘膜同士の密着感で、官能性とラブエロの幸福感の双方に関して脇をしっかり固めているのも好印象です。
中ゴマメインのざっくりしたページ構成は、コマサイズの変化等の技巧を凝らしたハイエンドなタイプとは無縁ではありますが、各コマに描かれる痴態に意識を集中させやすいのは確か。
前戯パートにおいて男女どちらかの絶頂を描いて前半の抜き所を設けつつ、フィニッシュはキュッとち○こを締めつける小さな秘所にがっつり中出しを大ゴマで描き、読み手の快楽曲線の最大値とよく同期しているのも抜きツールとしての有用性を下支えしています。

この作家さんの既往の路線とこれといった差異はなく、他の単行本と比較して新規性を求めるのは難しいですが、安心の猫玄先生クオリティを示している単行本であり、今回も初見の方から古株ファンまで楽しめる1冊。
個人的にはヒロイン三者三様の恋路が微笑ましいタイトルシリーズ作と、ソバカス金髪ショートなロリっ子とのラブエロ模様な短編「ハニーブロンド」が最愛でございます。
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