2009年12月

さめだ小判『ピンクチェリー・ぱい』

PinkCherryPie.jpg大和田秀樹先生の『ムダヅモ無き改革』第3巻(竹書房)を読みました。ヘタレキャラであったジョージ・ブッシュ大統領が真の力を覚醒する無駄に(ここ重要)いい話になってましたなぁ。
燕返しとMe262(ナチスドイツが史上初めて実戦投入したジェット戦闘機、愛称がツバメ(シュヴァルベ)をかけたのにはヤラれたなと思いました。あと、竹書房って本当にあんな会社なんですか?(笑。

さて本日は、さめだ小判先生の『ピンクチェリー・ぱい』(ワニマガジン社)の遅延へたレビューです。先生の前単行本『桃園学園男子寮にようこそっ!』(同社刊)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
多彩なシナリオと幅広い造形のヒロインが楽しめる賑やかな作品集となっています。

PinkCherryPie1.jpg収録作は、彼女さんとその美人お母さんに(性的な意味で)食べられちゃう主人公を描く連作「わがママ」「もっと!わがママ」(←参照 母娘丼 掌編「わがママ」より)、および読み切り短編・掌編14作+深海性等脚類・ダイオウグソクムシの萌え擬人化娘という変わり種ほのぼの4コマ「ダイオウグソクムシたん」(計6P)。
収録本数の多さと反比例して1作当りのページ数は3~16P(平均12P)とかなり少なめ。とは言え、フルカラー掌編が多く含まれており、カラーが32P収録されてお値段据え置きというのは、帯の敲き通りにお得感がありますし、16P短編も十分な本数が用意されています。
話としての物足りなさは残りますが、話に展開力がある分短編作では相応の読み応えはあり、エロも最低限度の量をちゃんとクリアしています。

【お馬鹿ラブコメ・エロコメの楽しさが魅力】
思い合う少年少女が最悪のカタチで荒んだ肉欲の関係に堕ちる短編「EYES OF BEAST」切れ味鋭いダーク&インモラル系の作品も存在するものの、基本的にはラブコメ・エロコメがメイン。
コメディ成分の注入量には作品間で差があり、若い男女のピュアな恋模様を誠実に紡ぐ短編「サマーデイズ」からエロ薬を絡めたドタバタ系の短編「はぷえろ」といった作品までありますが、どちらかと言えば全体的にコメディ色が強く、明るく楽しい雰囲気が漂っています。
PinkCherryPie2.jpg恋愛線分をほとんど投入しないエロコメ系も多く、お馬鹿な設定のワンアイディアで勝負する各種掌編作や、卑劣な男子に盗撮写真を突き付けられお金を要求されたところ、「肉便器にするんじゃないんですの?」とぶっ飛んだ反応を見せるお嬢様が登場する短編「あぶない・せれぶりてぃ」(←参照 貴女の言動の方がひどいです)など、ユニークな設定や人物で笑いを取ってきます。
総じてページ数が少なめであるため、話として小粒な“エロ小噺”になってしまっており、個々の作品に物足りなさが残るため、シナリオ重視派にはそこまで強くお勧めできないのは確か。
しかしながら、長編作もこなせる安定した話づくりとスムーズでかつフックのある展開力はショートストーリーにおいても着実に発揮されており、多彩なシナリオにおいて個々に要点を押さえた構築が為されているのは大変好印象です。

【ロリっ子さんからお色気熟女さんまで幅広め】
ローティーン級の貧乳ガールから熟れまくった柔らかバディをお持ちの年増美人まで幅の広いヒロイン陣となっていますが、メインはいつも通りにミドル~ハイティーンの制服美少女達。
健康的な元気娘やお馬鹿娘、お姉さんタイプのツリ目美少女、おっとりエロ熟女さんなどなど、様々なタイプのヒロインをそれぞれ魅力的に設計できているのも、話の面白みとエロの盛り上げの両面において大きなアドバンテージ。
PinkCherryPie3.jpg基本的に男性を包み込む柔らかお肉で全身ムッチリな熟女さん達に対し、美少女達の造形はぺたんこさんからかなりけしからんレベルの巨乳さんまで幅広めですが、適度にふっくらとし始めながら思春期らしい硬さと弱々しさを併せ持つ肢体描写が実に美妙かつエロティックです(←参照 短編「スウェットトラップ」より)。
衣装関係では、学校の制服が多く登場しますが、体操服(非ブルマ)やアダルトランジェリーも登場する上、カラー作品ではチャイナドレスやエロ水着、バニースーツなどのセクシー衣装が沢山登場するのも嬉しいところ。
クルクルと変化する登場人物達の表情が漫画的に楽しく、そういったアクセントを軽くこなして、元の美麗かつ親しみやすい絵柄の魅力を維持させる技量があるのも流石の一言です。

【強烈さには欠けるが雰囲気のある濡れ場】
シナリオと同様に、エロシーンもボリューミィとは言い難いのですが、そこはコンビニ誌で着実にキャリアを重ねているだけあって実用的読書に耐える分量を上手く調節して盛り込んでいます
また、ヒロインのキャラクターとボディデザインそのものに強い魅力がある分、ヒロイン達が恥ずかしがりながらも行為の快楽に身も心も染まっていく様が基本的な煽情性を下支え。
とは言え、動物的な性欲が漲る熱情的なエロシーンを期待するのは避けるべきで、抑制の効いた台詞回しに代表される様に、快楽の演出は比較的控えめなタイプ。
57fd0f8f.jpg底抜けにお馬鹿な作品ではそれなりに演出面を強化していますが、明暗どちらにしろムード重視型なタイプであり、例えば純粋で誠実な愛情を描く短編「サマーデイズ」ではしっとりと落ち着いたセックス描写を味わい深く描いています(←参照)。
パイパン中心・時々エロい黒色草原な股間に備わる女性器は、カラー作品で分かる通りにテラテラ濡れる淫靡な描き方。だだし、そもそも結合部描写・性器描写をあまり用いない上に出てくるコマでは黒線乱舞状態か白ボカシ状態なので、その辺りのストレートなエロアピールに期待するのはNG。
ピストン運動のラストは大股開きで結合部をしっかりと見せるポージングで前穴+時々アナル同時にたっぷり中出しする様を中~大ゴマで描いており、膣口からどぷりと漏れだす白濁液で追撃をかける王道展開。官能性に強烈さこそ無いものの、絵柄の魅力で抜かせるエロシーンという印象ですね。

一発勝負の掌編にしろ、コンパクトによくまとまめている短編作にしろ、総じて作画・作劇の質は高いのですが、どうしても個々の作品が食い足りず、バラエティの豊かさが魅力に必ずしも直結しないのは△。
とは言え、ショート作品というのは時に未収録で終わることもあるため、こうやって着実に単行本化していくのは嬉しいことでもあります。
管理人は、お馬鹿だけどエッチに対する態度がとっても優しい慈母の如き美少女さんが大活躍な短編「もなみレボリューション!」とおっとり淫乱熟女&貧乳元気娘にたっぷり翻弄される「わがママ」シリーズで大層愚息がお世話になりました。

KOJIROU!『ぱられる!リキュアたん』

ParallelLicua.jpg遅ればせながら「MC☆あくしず」Vol.15(イカロス出版)をちょこちょこ読み進めています。毎回同じこと言ってますが、巻田佳春先生と速水螺旋人先生の描く女の子は可愛いですなぁ。
あと、今巻は何気に褐色肌娘の登場率が高いのですが、ポスターとして付いてくる朝木貴行先生の褐色肌ビキニガール達(言うまでもなく下はローレグ)が大層エロかっこいいですな。

さて本日は、KOJIROU!先生の『ぱられる!リキュアたん』(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューです。今週はジーウォークからも新刊を出されていましたね。
男のロマン溢れる便利エロアイテムをフル活用して巨乳美少女達を(性的な意味で)食べ放題というドリーミーな1冊です。

ParallelLicua1.jpg収録作は、性欲旺盛なボンクラ主人公と彼を利用して精液を収集する褐色ロリな小悪魔さんが共謀して手当たり次第に女の子とセックスを繰り広げるタイトル長編「ぱられる!リキュアたん」第1~7話(以下続刊;←参照 大変明るい性格の悪魔さん 同作第1話より)、および読み切り短編2作。
1話・作当りのページ数は12~20P(平均17P強)とさして多くはありません。しかしながら、作品の軽快なテンポこそが持ち味であるため、あまり個々のボリュームは気になりませんし、エロを十分量見せる構成にもなっています。

【エロ漫画版ドラ○もんといった様相のお気楽エロコメ】
長編「ぱられる!リキュアたん」は、溢れんばかりのエロマインドをお持ちの主人公が、小悪魔リキュアちゃんの手助けによって、いたいけな妹に隣家の仲良し少女、クラスメイトの美少女達に果てはネットゲームの対戦相手まで美味しく頂いてしまう超絶ドリーム展開を忌憚なく描いています。
ParallelLicua2.jpgやたらとノリノリなリキュアちゃんがドラ○もんよろしく毎回手渡してくれる各種“ご都合主義アイテム(原文ママ)”によって、様々なエロシチュエーションを形成し、ピンクな欲望を心行くまで満たしていく様をポンポンと並べていく自由闊達で潔い作劇がいっそ爽快(←参照 特に意味のないエネルギー弾(笑) 長編第6話より)。
字面だけですと、次々と女の子を毒牙にかける凌辱エロを想起するかもしれませんが、主人公の中出し決め込んだ精子はリキュアたんが回収する上、“ご都合主義アイテム”の効力で女の子達の記憶も消去できるため、女の子達の心身を傷付けることはないという、ヒロイン達と読み手に優しいアフターケアも万全な設定になっております。
相当人間臭い台詞回しで主人公を唆すリキュアたんと、ヘタレさを全く見せないエロ大好き思春期ボーイな主人公とのお馬鹿な掛け合いや、様々なアニメ・漫画の小ネタの仕込みも作品の面白さを大きく高め、かつ作品に軽妙なリズム感を付与しています。
エロアイテムについての発想力さえ保てれば、このまま何回でも作品が続けられそうな、居心地の良い停滞感が作品にあり、長編初挑戦とは思えない堂の入りぶりと常に読み手を楽しませようとするサービス精神が実に頼もしい限り。
巫女さん凌辱モノな短編「玉響」とエルフ娘触手凌辱な短編「BLACK NIGHT」に関しては、キルタイム系のファンタジー凌辱としてよくまとまっており、決して質は低くないものの、長編のはっちゃけ具合に比べると没個性的な印象が目立ってしまい、やや魅力に欠けるのは確かでしょう。

【様々なキャラ設定の巨乳美少女達】
魔法使いのエルフさんと清楚な封魔の巫女が登場する短編作のいかにもファンタジー系というキャラ造形も良好であり、また上述の通りに長編作に登場するヒロイン達の多彩さも魅力。
ParallelLicua3.jpg主人公が巨乳好きということもあって、精液採取なエロプレイに巻き込まれる美少女達は基本的に皆さんたわわなおっぱいをお持ち(←参照 バイト先のクラス委員長さん 長編第3話より)。加えて、例え貧乳キャラが登場してもエロアイテムで巨乳化させるという徹底ぶりが痛快ですが、貧乳好きには悪夢でしかないので要注意。
なお、髪で目が隠れた主人公がエロゲーの主人公といった感じであり、お気楽抜きゲー的な作品の雰囲気に妙にマッチ。ところで、主人公は設定上は高校生のようですが、容器に入ったスライム状のアイテムを見て“懐かしい”とかのたまう君(とリキュアたん)は一体何歳なのかね?
少々オールドスクールでありながら明瞭なアニメ/エロゲー絵柄で描かれるキュートフェイス、十分柔らかお肉が付きながらウェストのしまった体幹、そして控えめニップルを先端に頂く柔らか巨乳に適度なマッスを誇るお尻&太股と、万人受けしやすいストレートなエロアピールのあるボディデザインもいい意味で実にあざといです。
作中でかなりキャラが立っている上に、管理人の大好物な造形でもある褐色肌人外娘・リキュアちゃんが、現状ではエロに全く絡まない(貧乳娘なので主人公の嗜好外)というのが、個人的に痛恨の極みですが、彼女のエロ的な意味での活躍は次巻以降に期待することに致しましょう。

【おっぱいへの強いコダワリも光るパワフルエロス】
これまたご都合主義アイテムの恩恵によってエロシーンへの導入はイージーに遂げられるため、あまり多くないページ数を苦とすることなく濡れ場の十分な尺を確保しています。
多彩なエロシチュエーションの中には触手凌辱エロやヒロイン洗脳エロ、肉体改造など、結構アブノーマルで攻撃的なプレイも含まれるのですが、上述のカラリと明るい雰囲気とノリノリな主人公コンビの言動がそれらの行為につきまとう暗さを霧消させているため、読み手側も彼らのお気楽さに同調してサクサク使えるのは間違いなく美点。
ただし、その極端な陽性さ故に、“エロ”よりも“エッチ”の印象が強くなることで、煽情性としてのインパクトが弱含みであるのも確かなので、ヘビィ&アグレッシブな濃厚エロをお求めな方にはやや不向きかも知れません。
ParallelLicua4.jpg我らが欲望の代行者たる主人公君は相当な巨乳好きらしく、前戯パートではヒロイン達のボリューミィおっぱいを存分に揉み込んだり吸ったりといい仕事ぶりを見せてくれます。勿論、パイズリシーンも多く投入され、女性器に挿入する前におっぱいを白く染め上げる様がほぼデフォルトなのは嬉しい限り(←参照 乳肉の間に射精 長編第4話より)。
1回だけ前後の穴に同時挿入というケースもあるものの、主人公はアナルセックスには興味がないらしく、男女双方で高まる快感が駆動するパワフルな前穴ピストン運動を展開して、1Pフルの同時絶頂中出しフィニッシュへと駆け込む盤石の構成。
良くも悪くも分かり易いハートマーク付き説明エロ台詞や、多彩さには欠けるものの尋常ならざる快感に蕩けるヒロインのエロティックな表情などの演出にも定番としての良さがあり、信頼性の高い抜きツールになっています。

現時点でも十分な質である作画レベルがさらに上昇すれば、完全無欠なお気楽抜きツールが完成するに違いないポテンシャルの高さを感じる1冊でした。
リキュアたんのエロシーンがあることを信じつつ、ピンク色な妄想が素敵に満開な長編作の続きを楽しみたいと思います。明るく楽しい抜きツールをお求めな諸兄にお勧め!

小梅けいと『花粉少女2』

PollinicGirlsCounterAttack.jpg鬼頭莫宏先生の『ぼくらの』最終11巻(小学館)を読みました。これは・・・、ラストはさぞやと思ってはいたのですが、年末になってとんでもない作品を読んでしまったものです。
一段の終了を迎えましたが、凄惨な闘いとその中で少年少女達の織りなすドラマがこれからも続いていくんだろうなぁという、何とも言えないラストでしたなぁ。また、1巻から通して読み直したいところです。

さて本日は、小梅けいと先生の『花粉少女2』(ワニマガジン社)のへたレビューです。前単行本『花粉少女注意報!』(同社刊)から3年ぶりとなりますが、時間の経つのは速いものですなぁ。
お馬鹿なノリと高いテンションに任せて明るい乱交エッチへと突っ走る楽しい1冊となっています。

PollinicGirlsCounterAttack1.jpg収録作は、新婚ほやほやな二人のハッピー&エロエロな日常を描く中編「おつ・まみ」全5話(←参照 緊縛プレイ中 同中編第1話より)、時代を超越して諸国を回る歩き巫女を絵描く連作「アルキ巫女」「ジュラシック巫女」、および読み切りの短編・掌編10作。
各作品に闖入する花粉少女達が初登場したり、短編「コタツムリ」の前エピソードが描かれたりな前単行本を読んでおくと楽しみはある程度増しますが、ストーリーラインに大したつながりはないので今単行本から入ってもほとんど支障はありません。
フルカラー掌編が多く収録されているのが嬉しい一方で、1作・話当りのページ数は4~18P(平均13P)とかなり少なめ。とは言え、単行本としての厚みはお値段(1200円)以上にありますし、明るいノリで駆け抜けるため、ストーリーの読み応えの無さは欠点とはなっていないでしょう。

【お馬鹿なノリとユニークな設定が身上のラブエロコメディ】
短編「お菓子のくに」「月の少女」を除けば、大気中より舞い降りて人々を(性的な意味で)汁塗れになりたい気分にさせちゃう花粉少女に代表される様な、妙ちくりんな設定とテンポの良くたたみかけるコメディ展開で疾走するタイプ。
作中で描かれるセックスも、恋心の交歓といった側面を多少持たされることもありながら、楽しくて気持ちの良いエロハプニングといった印象が強く、エロとシナリオをコンパクトにまとめて快活な読書感を常に維持するスタイルに安定感があります。奇抜なフレーズもぽんぽん飛び出す台詞回しの言語センスの突き抜け方も○。
夫婦のラブラブ&エロエロ日常劇を描き、特にこれといったシナリオ展開もないまま終了した中編作も含め、ワンアイディアを軸とした作劇と少ないページ数であるため、ストーリー自体に面白みがほとんどないのは御愛嬌。
PollinicGirlsCounterAttack2.jpg花粉少女(時々フタナリ)や人間コタツ、株式子女、精子シャツなどのオリジナリティーのあるネタを話に絡める独創性と、既存のアニメ・漫画ネタを躊躇なく作品に突っ込むフットワークの軽さもギャグ系作品の構築に大きく寄与しています(←参照 パンツじゃないから(以下略 短編「らぶらぶ★サマータイム」より)。
頻出する多人数エッチも含め、漫画的な賑やかさや快活さが強い魅力である一方、それらの長所に強く依存するあまり、全体的に説明不足で投げっぱなし感があるのは多少のマイナス要素。
特に短編「お菓子のくに」と「月の少女」は、シリアスでダークな雰囲気が魅力であったものの、未完の曖昧模糊とした状態で収録されており、食い足りなさだけを単行本に投じてしまった感があるのは残念です。

【とにかく物量で圧倒するヒロイン陣】
いざ花粉少女が出現すればいたる所でセックスが開始されるため、登場する女性キャラはかなりの量になりますが、中編「おつ・まみ」の女子大生若奥様や短編「お菓子のくに」の女子高生さんなど、ハイティーン~20代前半クラスの女性がメインとなるヒロイン陣。
女性キャラ大量投入と小ページ数、および多人数プレイの多さの結果、特定の女性キャラとのイチャイチャ模様を十分量楽しむことは難しい一方、様々なタイプの女の子が登場する分、誰かしら気に入る娘さんはいると言うザ・物量作戦が展開されています。
PollinicGirlsCounterAttack3.jpg過程はどうあれ、皆さん快楽への衝動に対して素直であり、勢いよくエッチに参入してくれることで、一億総エロエロなドリームワールドの形成をナチュラルなものにしてくれます(←参照 正に飛び込む 短編「さくら聖戦」より)。
古目の作品(「巫女シリーズ」)では、描線に硬さが残るちょいとレトロな漫画絵柄ですが、その後メキメキとキャッチーさを増強し、大半の作品ではCG彩色が良く映える高質のアニメ/エロゲー絵柄になっています。
なお、体型的には並~巨級の柔らかおっぱいとパイパンな股間、スレンダーな体幹と、これまた訴求層の広いタイプで徹底されており、最大公約数を狙い打つ昨今の快楽天らしいキャラデザとなっています。

【ライトよりの雰囲気ながら実用性は十分】
エロとしての踏み込みは決して強くなく、恋の熱情や滾る欲望の発露といった性愛に宿るエネルギーはやや希薄なのは確か。
ただ、エロよりエッチというスタイルを意識しながらも、キュートな女の子達がエロイ汁まみれになりながら気持ち良く快楽に蕩けている絵面そのものに、エロの高揚感が飽和しており、抜き物件としても頼りがいがあります。
これまたページ数の少なさとキャラの多さの関係上、個々のプレイに十分な分量が無いのですが、赤ちゃんプレイやメカ触手エッチなどの変わり種の投入による明るいアブノーマルさと、誌面いっぱいに繰り広げられる大乱交模様のゴージャス感が読み手の煩悩を強く刺激。
PollinicGirlsCounterAttack4.jpgヒロインが勢いよく潮を吹いたり、男性キャラが片っぱしから女の子に白濁液をぶちまけたりで、エロ展開終盤は柔肉と淫液に埋め尽くされており、特に肌色と白色のコントラストが目立つカラーページでの破壊力は十二分(←参照 もう、何が何やら 短編「暴騰!?株式子女」より)。
トロトロに蕩けて焦点を失う官能の表情やハートマーク付きエロ台詞など、定番のエロ演出手法も適量を用いており、作風にマッチして濃過ぎも軽過ぎもしない陶酔感が出ているのも実用性を高めています。
そこに至るまでの助走が短めとは言え、各作品のエロシーンが短いインターバルを置いて連発するため、大ゴマ~見開きで描かれるお互いに大量のお汁を漏らすフィニッシュは抜き所として大活躍してくれます。

正直な話をすれば、エロもシナリオももっと長尺で読みたいし使いたいとは思うのですが、ショート作品ならではの勢いの良さもまた楽しいです。
個人的には、エロが比較的分量多めな短編「さくら聖戦」と1クラスの女生徒全部と大乱交な短編「らぶらぶ★サマータイム」で実用的読書を特に楽しませて頂きました。

町田ひらく『たんぽぽのまつり』

FestivalOfDandelion.jpg一応、エロ漫画レビュアーの真似事をやっているわけですが、レビューというのは面白いもので、シンプルなコンセプトの作品について書くのが時に難しく、複雑な作品について書くことが時にえらく滑らかだったりするものです。
好きな部分もそうでない部分も含めて如何に作品に対して真摯であるかということが、レビュアーとしての僕個人の命題なので、評が難しいということは僕にとって一つの喜びなのかもしれません。

さて本日は、町田ひらく先生の『たんぽぽのまつり』(茜新社)のへたレビューです。本当にレビューが難しい作品だったなと思っています。なお、前単行本『sweet ten diary』(同社刊)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
生者の業を紡ぐ鋭く重厚なストーリーと死のエロスに彩られるセックスシーンに心震わされる作品です。

FestivalOfDandelion1.jpg収録作は、少女売春組織の“死ぬまでなんでもやってもいい子”である少女の物語を一つの軸に、少女達と彼女らを犯す大人達を描く長編「たんぽぽの卵」第7話~最終15話(←参照 話の核となる少女 第13話より)。
ストーリーラインは収録作中で一気に形成されるため、今巻から入っても話は理解できますが、第1~6話が収録された『黄泉のマチ』(同社刊)を予め読んでおくことを強くお勧めします。
1話当りのページ数は16~28P(平均20P強)と標準的なボリューム。語りたがりな作風ではないため、表面上の重厚さは決して強くはないのですが、綿密に構築された作品世界の重苦しさは圧倒的であり、強い読み応えのある1冊です。

【読者の陶酔を拒む現実世界の鏡像】
『黄泉のマチ』収録作では、ある少女売春組織に所属する少女達の個々のエピソードをオムニバス形式で描いていたのに対し、今単行本では“死ぬまでなんでもやってもいい子”の少女と彼女を探す一人の男性を作品の一つの核としてストーリーを形成していきます。
少女の性を贄として貪る肉欲の営みは、ストーリーが進むにつれ、少女買春という個の営みから、村の因習、地方の神事、企業および行政と、より大きい共同体システム・社会システムの営みとしての描出に進展していきます。
そこに存在するのは、誰しもが必要とし、誰しもが依存する社会システムが、誰かに痛みを与え、誰かを犠牲することを必要とするという、現実的で普遍的な命題です。作中に登場する少年達が「自分がもし“少女”であったならば・・・」と自問する様に、自らも時に“犠牲”とならなければならない恐怖と、それを他者に委ねる罪悪感が作品の“暗さ”を高めています。
FestivalOfDandelion2.jpgその鋭い筆致は、“この国の有り様”という大きなシステムの中核に至ります。幽明の境を彷徨う少女が見た、“この国”の各所で描かれる数多の歪んだ性愛の後に挿入されるシーンは、静謐で壮烈で図らずも息を呑みます(←参照 何がウルサイのか 最終第15話より)。
様々な共同幻想を背負わざるを得なかった存在が少女に語る言葉は、犠牲となる存在への慰撫であり、破綻を孕みながらも必要なシステムを維持する決意であり、それ故の苦しみの言葉だと僕は考えています。悪の権化でもなく、正義の救済者でもないこの存在からの言葉だからこそ、町田先生が描く架空の国の全ての存在に、痛みを伴う責任を負わせることが可能であったのではないでしょうか。
脆い様で強固なシステムの中、歪んだ性愛を抱えながら日常を生きる者の業を、欲望に翻弄される少女達に宿される生者としての輝きと逞しさを、両者が混じり合う背徳のエロティシズムの甘美さも描かれます。それらは極めて人間的なものとして読み手に映ります。
読者の様々な情念を呑みこむ幽玄の世界は、しかしながら読み手の陶酔を許しません。現実の鏡像として描かれ、この作家特有のリアリズムによって固められた世界は、“鏡”を超えることを拒んでいるように感じます。

【人の異形の“少女像”として在り続ける少女達
その“鏡像”の中核を為すのが、町田ひらくという作家の抱く“理想の少女像”ではないのかと個人的には考えています。
初潮を迎えることで性の狂宴から解放される彼女達は、それ以前は生殖としてのセックスが不可能な存在です。性交は可能でありながら生殖は不可能な“少女”という存在は、タナトスとしてのエロスの担い手であり、読み手の理解を阻むミステリアスな異形としての像を持たされています。
作中における彼女達の存在は、生ける人間であると同時に、“少女”というイメージが純化されたものでもあります。メインヒロインである少女が、やはり国家という共同幻想のイマージュの担い手の類縁であったという設定も、彼女達の像としての在り方を強めているように感じます。
FestivalOfDandelion3.jpgこの作家さんの描く少女は、その怜悧な視線が特徴的であり、その瞳に数多の暗い情念を見出すことが可能です(←参照 第11話より)。しかし、そこに宿る感情は、おそらく少女自身のものではなく、空のイレモノである少女像に読み手自身が重ね合わせたものであると僕は思うのです。
軽蔑も恐怖も諦観も、あるいは快感も、少女性愛者が望み、少女に託した一方的な読み込みであり、ミステリアスで美しい異形達はその心を詳らかにしてはくれない、到達不可能なものとして在り続けます。

【町田ひらくという作家に宿る“空ろ”】
僕個人は町田ひらく先生の作品に共通する意識は、作家自身が構築した世界における自身の理想としての少女像と交わることができないという際限のない渇望だと思っています。
FestivalOfDandelion4.jpg少女性愛者の醜悪な側面に強く踏み込み、少女性愛者を悪として描くスタイルに明らかであるように(←参照 第8話より)、鏡像を描くために観察者である続けなければいけない“恨”が作品の暗闇に漂っています。「ぼくががまんしていることを、やってしまうやつがいることが許せない」というこの作家の発言(永山薫著『エロマンガ・スタディーズ』より)こそが、作品の本質だと思うのです。
“少女像”との結合は現実では決して満たされませんし、まして生者としての少女を代替として満たしてよいものでもありません。
男性の理解を拒み、瑞々しい生のエロスと禁忌としての死のエロスを併せ持つ“少女像”という存在への決して満たされない愛と、その“美しい徒労”故の虚無感と止まぬ渇望が作品には満ちている様に僕は感じます。
今単行本の表紙の骸骨は、タナトスとしてのエロスの象徴でもありながら、死者として現実との鏡面を潜り抜け、自らが描いた“黄泉”の町へと至り、愛する少女像を抱くことが出来た、この作家自身の叶わぬ幸福の姿ではないのかと思うのです。

僕自身にも何とも判別がつかないので、この評を苦渋に満ちた雑言と取るか、屈折した絶賛と取るかは読者諸氏にお任せしたいのですが、客観性を重んじるべきレビュアーとしてこの作品を手放しで絶賛することは、どちらにしてもできません。己の力量の無さを痛感するばかりのレビューで読者諸氏に対しては大変申し訳ありません。
ただ、一人の読者としては、時に愁いを帯び、時に眩しい笑顔を見せる少女達の一つ一つの姿と、作中に漂う静謐で狂おしい愛と憎に強く心を揺さぶられた1冊でした。この先も、この作品を思いだす度に溜息を洩らすのだろうなぁと思います。

無道叡智『ロリレコ-性徴記録-』

LolitaRecord.jpg メリークリスマス!読者諸氏が彼氏彼女(脳内含む)、御友人、御家族と楽しいクリスマスを過ごされていることをお祈り申し上げます。
まぁ、平常通りにレビューを書いている時点で管理人の状況はお察し頂けると思うのですが、こう、イルミネーションやらクリスマスケーキの売り子さん達やらで、街がお祭り気分に華やいでいて、何とも楽しい気分になる日ですな。

 さて本日は、無道叡智先生の『ロリレコ-性徴記録-』(茜新社)のへたレビューです。先生の前単行本『すくーるこんぷれっくす』(同社刊)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
キュートでエッチなょぅじょさん達との甘くてお馬鹿なラブコメディが満喫できる1冊ですよ。

LolitaRecord1.jpg 収録作は、ブログでエロエロプレイを配信しているロリっ娘さんとそのブログに夢中な自宅警備員を描く短編「ゆみなぶろぐ」(←参照)+描き下ろしのフルカラー掌編4P、および読み切り短編10作。
なお、短編「ぷりまっ!pretty much!」は前単行本に収録された短編「ぷりぐっ!」の続きですが、まぁ、素直になれないながらもラブラブな少年少女が野外Hに勤しむ話ですので、今単行本から入っても特に問題はありません。
描き下ろし作品を除き、1作当りのページ数は8~18P(平均17P弱)と控えめなボリューム。とは言え、コミカルなシナリオの動かし方が軽快であるため、楽しい読み心地が感じられ、またエロシーンも十分量を確保しています。

【お馬鹿なノリと萌えエロ系の甘さの融合】
 ダークなラストに落とし込む短編「forbidden」や一種の寝取られ系とも解釈できる短編「ゆみなぶろぐ」といった作品もあるものの、その他の作品は明るく楽しいラブコメ・エロコメで統一されており、コミックRin掲載作らしいポップ&キュートなテイストが持ち味。
萌えエロ系らしく少女達のリリカルな愛の囁きを紡ぐこともありますが、恋愛感情の描出はかなり軽めであり、女の子達の性への興味と快楽に対する率直な欲求でサクサクと濡れ場へ進行するエロ漫画的桃源郷を素敵に展開してます。
セックスを背徳的な行為ではなく、単純に気持ちの良い一種の児戯、または恋する人との睦み合いの一側面として描いているため、読み手の精神にほとんど負担を掛けないのも抜き物件としては最適解の一つ。
LolitaRecord2.jpg お馬鹿ギャグ系におけるはっちゃけ具合も相変わらず良好であり、小○生女児が自由研究に兄貴のち○こ観察を始めたり(←参照 いや、ないから 短編「研究してみよう!」より)、失業した魔界の将軍が淫魔としてょぅじょさんに手を出すも逆に癒されちゃったり(短編「A線上のありあ」)、果てはとある変態がロリエロオナニーの際に毎度精子をランドセルにぶっかけていたらランドセルの妖精さんが顕現したり(短編「ランドセル☆らんど」)と、どうかしているユニークな設定がポンポン飛び出すのも漫画的に面白いです。
 素直なラブラブハッピーエンドは意外に少ないのですが、覚えたてのエッチに夢中になってしまった女の子の幸せそうな姿か、コミカルなギャフンオチで終わらせており、最後まで読書感は概ね良好。なお、上述の短編「ランドセル☆らんど」に関しては、予測不能の珍妙ギャグオチが展開され、一見の価値があると思います(笑。
上述の通り、シナリオの比重は軽く、お馬鹿系を除けば萌えエロ系として平凡な作劇なのでシナリオ重視派な方にはあまり向きませんが、イージーな展開も含めて賑やかさや楽しさのある作風であり、エロとの調和を良い構成と言えるでしょう。

【華奢なボディな小○生ヒロインズ】
 親戚の三姉妹とコタツで隠れながらエッチな短編「カルテット」に長姉の中○生ガールが登場するのと年齢不詳なランドセルの精霊さん(見た目はょぅじょ)を除けば、皆さん小○校高学年のいたいけなアリス達。
前単行本ではたわわなおっぱいを装備した女の子も登場しましたが、今単行本にはフルフラットかほんのり膨らみかけな貧乳さんしか存在しないのでヒンヌー教徒の諸兄には正に福音となっております。また、小なりと言えども、汗ばんだキャミソールや水着、レオタードの下からツンと存在を主張するピンク色のさくらんぼ乳首が大層エロティック。
LolitaRecord3.jpg近作では若干等身が高くなっていますが、その分少女の肢体の華奢さがより強調された感があり、薄い皮下脂肪の下に筋肉や骨格の存在が窺えるのが読み手の背徳感をくすぐります(←参照 短編「ナツックス」より)。
少女の可憐な弱弱しさがフューチャーされる一方で、ぷにぷにと盛り上がった股間を除けば、所謂“ロリぷに”系の味付けは体型描写には施されていませんので、そちらの嗜好の方は要検討。
 瞳の大きな顔の造作など、萌え色の相当強い絵柄であり、その如何にも人工的な画のあざとさを楽しめるか否かは評価に直結してくるでしょう。
近作では絵柄のアクの強さを抑え、よりキャッチーにしている感があるため、多少絵柄には変遷が認められますが、評価に影響する程の変化ではなく、また作画も単行本通して安定しています。

【アイディア力が光るエロシーン】
 長尺とは言えないながらも十分なボリュームのあるエロシーンは、悪戯チックなノリも時に絡む前戯パートと抽送パートとにバランスよく分量を配した構成になっています。
エロ展開の前半部に関しては、小さなお口でち○こを奮闘するフェラ、小さな陰核がまだ包皮に覆われている未成熟スジま○こ弄り、オナニー視姦プレイやら、お漏らしやらでなかなか多彩なプレイが楽しめます。
LolitaRecord4.jpg 前戯パートで十分な助走をつけた後に突入するピストン運動では、例え破瓜を伴う初エッチであろうと挿入した途端からおにゃのこが速攻で感じ始めるご都合主義なファンタジー展開となっており、シナリオ同様読み手に罪悪感を感じさせません(←参照 挿入即性感 短編「カナヒナ!」より)。
エッチの快感がよく分かっていない女の子にエロ台詞を教えて連呼させたり、コタツに入った三姉妹が代わる代わるにエロアタックを仕掛けてきたり、ピストン運動にバランスボールを絡めて見たりと、エロシチュに関するアイディアが豊富なのも単調さを回避する上で強いアドバンテージ。
 ハートマーク付きの描き文字で表現されるエロ台詞の量は控えめである一方、ヒロインの快楽に蕩けた表情から言葉にならない声が絞り出されてくる様は煽情的です。
 エロ展開上の必要からぶっかけフィニッシュになることもあるものの、基本は小さな秘所にたっぷり中出しで終わらせており、ぽっかり空いた膣口から粘度の高い液体がどぷっと言う音と共に溢れてくる様に何とも充実感があります。
地味ではありますが、複数のアングルを周囲に配置しながらのコマブチ抜き絵は作画面における確かな技量の顕れでしょう。ただ、視点を引いたコマでは作画が結構抜ける上に、そういったコマをエロシーンでも割合に多用するのは個人的には減点材料。

萌え系エロ漫画ではありますが、人工的な甘さよりもテンションの高さや勢いの良さが重視されているため、読書感が終始軽快であり、それでいて実用性が非常に高いというのが嬉しいところ。抜きツールとしてのロリエロ漫画をお探しでしたら是非お勧めしたい1冊です。
個人的には、黒髪ロングの妹ちゃんと猛暑の室内で汗だくエッチな短編「ナツックス」と、アブナイお薬キメたかの様なトリップ感が魅力の大馬鹿エロコメ・短編「ランドセル☆らんど」が特にお気に入りでございます。
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