2009年11月

白石なぎさ『犯れる彼女』

FuckableSteady.jpgあずまきよひこ先生の『よつばと!』第9巻(電撃コミックス)を読みました。今巻は風香ちゃんが話からちょっとハブられ気味でしたな、可愛そうな子(色んな意味で)。
気球のイベント会場で元気いっぱいに動き回るお子様たちの姿も微笑ましかったですが、とーちゃんの大人気の無さが大変素敵でした(笑。「ゆめでもだめでしょ!おとななのに!」

さて本日は、白石なぎさ先生の『犯れる彼女』(一水社)の遅延気味へたレビューです。前単行本『母さんは発情期』(同社刊)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
少年少女達の泥臭さを伴うエモーショナルな恋の熱情と体温感に満ちたセックス描写が力強い作品集です。

収録作は全て短編で8作。1作当りのページ数は16~20P(平均18P弱)と標準をやや下回る程度のボリューム。
なお、既刊の収録作の登場人物達がモブキャラとしてちょこちょこ登場しますので、話のつながりはほとんどありませんが、読んでおくと一層楽しめるでしょう。
題材としてはごく平凡なものを選択しつつも、終始重みのある感情表現を加えることで、読み応えを生み出しており、エロとシナリオのバランスもちょうど良い構成と思います。

【ラブコメ色を強めながら持ち味は依然鮮明】
表紙絵がママさんであった1冊目と2冊目は、シリアスなテーマ性を練り込んだ母子相姦作品がメインでしたが、今単行本は表紙絵の通り、これまでも存在感があった若い男女の恋愛ストーリーで統一。
FuckableSteady1.jpg大学生カップルのラブラブな一夜を描く短編「春の夜は永遠」(←参照)、定期考査での勝負に負けて彼氏君にエロ水着を着せられちゃう彼女さんの受難を描く短編「夏コス対決!」、夏祭りの日に男に酷い振られ方をした先輩と流れでエッチすることになる短編「夏祭りの女神様」など、扱う題材はこれまでに比べてかなりキャッチーで軽めなものになっています。
「図書室は放課後の娼館」のような文学的要素の強い作品をこの作家さんに求めている同士諸兄にはこの辺りの路線変更はややネックになる可能性はあります。とは言え、“軽い”味付けとお気楽な展開を示しながらも、恋愛そのものをドラマチックに見せる演出は不変であり、読書感自体が軽くなっていないのは嬉しいところ。
時にお馬鹿チックだったり、時に文学的に大仰に構えたり、時に赤面モノのポエティックさがあったりする独特のモノローグも白石先生の作品の面白みの一つ。
0880c0bd.jpgこれに加えて読み手を選ぶ要素でもあるものの、登場人物の若さがあるからこそ光る、泥臭く、青臭い感情の発露にグッと来るような魅力と力強さがあり、その打算の無い真っ直ぐさが時に困難を打破するのが爽快です(←参照 短編「僕の彼女はアクトレス」より)。
イージーなラブコメ系の作品への転向については、ご本人にも忸怩たるものがあるとは思いますが、忌憚のない恋愛讃歌・人間讃歌が作品をしっかりと貫いており、これまでの持ち味も十分活かされていると個人的には思っております。

【ハイティーン美少女で統一という初挑戦】
登場するヒロインは、短編「春の夜は永遠」の女子大生さんを除いて、女子高生さんで統一。セーラー服にこだわりのある作家さんですが、今単行本では清楚なセーラー服姿が拝めるのは短編「すみみみっくす」の澄美ちゃんのみでちょっと残念ですな。
しかしながら、逆にセーラー服を脱ぐことが作劇上の意味を持つ作品もあり(短編「卒業式」)、やはりコダワリはあるのだなぁとも思います。その代りと言っては何ですが、陸上部のトレーニングウェア(スパッツ+タンクトップ)や上述のエロ水着、ブルマ体操服など、既刊に比べて衣装関連にはより幅があります。
FuckableSteady3.jpgボディデザインに関しては、しっかりとした骨格と肉付きのあるいかにもモンゴロイドらしい逞しさがあり、そこに張りのある柔らか巨乳が備わるタイプ(←参照 短編「夏祭りの女神様」より)。
特に表情の描き方に関してキャッチーさが前単行本以上に増していますが、やはり独特のクセが残っているのも確かであり、最先端の二次元絵柄で描かれるスレンダー巨乳美少女をお求めの方は要検討。
勿論、そのほっこりとした体温を感じ取れそうな肢体描写はこの作家さんの強みの一つであることは特筆しておきます。
余談ですが、相変わらず作中に『さよなら絶望先生』関係の小ネタが分かりやすいのから分かりにくいのまで散りばめられていますよ。

【若い感情と欲望が燃え盛るエロシーン】
濡れ場の分量は多いとは言えないものの、恋の熱量がそのままセックスへのエネルギーへと転換されるため、攻撃性は抑えつつパワフルな描写となっているのは抜き物件として好材料。
エロシーンにおいても泥臭い感情描写や愛の叫びが添加されていることは評価を分けそうですが、性欲であれつながっていたいという恋の願望であれ、登場人物達が率直な欲望を曝け出す様は一種の崇高さすら帯びています。
FuckableSteady4.jpgセックスの温度感の表現は魅力の一つであり、ヒロインの柔肌をシズル感たっぷりに濡らす汗の描写が、互いを求めて体をぶつけ合う動きの激しさを物語っています(←参照 短編「二人の関係、秘密でしょ!」より)。
エロ演出においてかなり派手な要素を取り込んできた感があり、挿入時に全身を貫く感覚を電撃で表現したり、射精シーンでもの凄い勢いで飛び出す白濁液を描いたりする場合もあります。
やたらと派手さが目立ち始めたエロ台詞回しも面白いとも思うのですが、確かにパワフルさという面で合致はしているとは言え、作風に合っているかというとちょっと判断は難しい感もあります。
基本的には前戯1回+中出しフィニッシュの2回戦仕様であり、ヒロインが一生懸命舌を使う前者も互いの性器をガツガツぶつけ合う後者も、ちとボリュームに乏しいとはいえ、抜き所としては良好。
一水社系作品の難点である性器修正の厳しさについては網掛け面積大から僅少まで作品によって幅がありますが、性器描写を核とするエロ作画ではないのであまり気にはなりません。

エロ・シナリオ共に作風の一定の変化が認められ、これが今後どうなるのかは成長の面も強くあるため、かなり楽しみです。あと、図書館シリーズは次の単行本に描き下ろしとのことで、好事家としては楽しみに待っております。
個人的には、防波堤の上に立つ少女の「一人AIRです」発言に珈琲噴いたのとその恋心の純真さが素敵だった短編「すみみみっくす」とごく何気ない夕方の風景と二人の感情の動きが素敵な短編「二人の関係、秘密でしょ!」が特にお気に入り。

鋼鉄『制服○號』

CostumeNoNull.jpg岡本倫先生の『ノノノノ』第8巻(集英社)を読みました。すいません、何ですかこのおっぱいもみもみなエロ漫画は(第84話参照)。
「ヒロインはツンデレ金メダリスト!!」と帯にありますが、コウロギよりもアナルショップ皇帝によりスポットが当たった1冊でしたな。火野(元)コーチが暴れ出しそうな次巻の展開が不安な様な楽しみな様な・・・。

さて本日は、鋼鉄先生の『制服○號』(茜新社)のへたレビューです。前単行本『ハメKING』(同社刊)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
イージーゴーイングなシナリオの中、お色気たっぷりの制服美女達との着衣エッチが楽しめる作品集です。

収録作は、職業婦人達がそれぞれのお仕事を頑張りつつエロトラブルに巻き込まれる「制服○號」シリーズ13作。
1作当りのページ数は16or20P(平均17P弱)とコンビニ誌(コミックシグマ)掲載作らしい小さめのボリューム。いい意味であっさりとしたシナリオであり、ヒロインのセクシーな魅力とエロ描写に集中できる作りになっています。

【ちょっと強要寄りながらカラッとした雰囲気】
CostumeNoNull1.jpg「制服○號」シリーズは、計8名のヒロイン達のそれぞれのお仕事とエッチをオムニバス形式で描いており、枕営業までする敏腕芸能マネージャー(←参照 「制服○號 マネージャー2」より)、駄目男を優しく導くクールビューティーなウェイトレスさん、海の家でバイトするサーファー娘、球団のチアガールさん、そして運転士にエロエロ調教されているバスガイドさんについては2話構成を取っています。
作風的には、概ね快楽全能主義を取っており、恋愛要素やシナリオ展開の妙などはほとんど無く、快楽を享受し合う男女の姿をストレートに描くタイプ。
枕営業を半分強要されたり(「マネージャー」2作)、サーファー娘が逆ギレしたノゾキ野郎に襲われてしまったり(「サマーガール1」)、嫉妬した同僚によって担当者に無理矢理されてしまうキャンペーンガールさんがいたり(「キャンギャル」より)と、セックスに強要寄りの作劇が多いことには留意されたし。
コンビニ誌ということもあって、凌辱エロとしての陰湿さのないカラッとした雰囲気作りは為されていますし、悪いコトした男性には天誅が下ってヒロインにも決して不幸をもたらさない概ねハッピーエンドを迎えるため、読後感がさほど重くならないのはエロに集中する上では正解。
単行本のあとがきにて、先生自ら“マンガのエロ度低いみたいだし・・・”と書かれており、僕個人は十分エロいし実用的だと思うのですが、おそらく本来ダークさを備えてしかるべきの各シチュエーションが敢えてカラリと軽快に描かれているため、エロシチュへの踏み込みの弱くがなっていることが一因かもしれません。
全般的に、読み易さを重視した軽さが特徴的なシナリオ作りと言え、ストーリー重視派には向かないと同時に、軽さを良しとするか悪しとするかで評価は分かれると思われます。

【落ち着きのある服からからキャッチーなコスチュームまで】
CostumeNoNull2.jpg上述の通り、登場するヒロインはバスガイドや球団所属のダンサー(チアガール)、サントコスなケーキ屋のバイトさんなど、各種コスチュームを身にまとった働くお姉さん達(←参照 「制服○號 バスガイド1」より)。
そういった明確な仕事用衣装でない場合でも、肌にピッチリと張り付くサーフィン用ウェットスーツ、喫茶店のお姉さんが着る清楚な印象のあるシャツとタイトスカートなど、なかなかフェティッシュな味わいのある衣服がキャラにピッタリハマっているのが魅力。なお、保母さんが節分イベントで某電撃鬼娘っぽいコスプレをしたりもします(笑。
年齢的にはハイティーン~20代後半程度の大人なお姉さん達がメインであり、適度に柔肉もまとい、かつ体のラインにメリハリの付いたセクシーな肢体は思春期ガールズには存在しないアダルトな色香を漂わせています。
CostumeNoNull3.jpgこれまたアダルトなランジェリーやリップにひかれたルージュなどが抜群に映えるのもこの年齢層ならではであり(←参照 「制服○號 ウェイトレス1」より)、読み手の“綺麗なお姉さん”願望を十分に満たしてくれるキャラデザ。
また、普段の落ち着いた態度や年相応のしっかりとした言動がある分、エロシーンで魅せる困惑や恥ずかしさがより光っているとも言えます。
表紙絵の出来、というか彩色から受ける印象にやや違和感を感じますが、クセや粗のほとんどないすっきりとした二次元絵柄は単行本を通して強く安定しており、作画に関する信頼感は強くあります。

【艶やかなヒロインの肢体で魅せるエロシーン】
状況に流されるままだったり、男性の身勝手さが感じ取れたりする分、幸福感のあるセックスを求めるのは避けるべきですが、お色気たっぷりの美女とのイケナイ遊戯それそのものを十分エロティックに演出。
ページ数の関係から、濡れ場の分量が潤沢とは言えませんが、快楽に艶を増すヒロインのエロ美しい全身を描出する大ゴマを多用するため、個々のページに強い煩悩刺激力があります。
CostumeNoNull4.jpg「エロ=尻」と帯の訴求文にある通り、しまったボディであるため非常にカタチが良く、かつ適度にもっちりとした質感のあるお尻は強いアピールポイントであり、特に後背位からのアングルにおける反る背中との組み合わせが素晴らしいです(←参照 「制服○號 バスガイド1」より)。
一部除いて中出しフィニッシュが基本ですので、魅惑のコスチュームを白濁液で汚したい同好の士諸君には厳しいところですが、特に凌辱チックなセックスでは膣内射精を嫌がるヒロインの中にバッチリ注ぎ込む嗜虐的な味付けをしており、S寄りな諸兄にとってはこの要素は加点材料。
しなやかに伸びる手足を抑えつける様な構図を多用するのも心憎いサディスティックな味付けですが、繰り返すように凌辱エロとしての踏み込みは弱く、ヒロイン側の快感や行為への積極性も伺わせるため、使いにくさはあまり感じません。
抑揚に乏しいエロシーンでの台詞回しや多様性に欠けるヒロインの表情描写といった面でやや一本調子な感が強いのは結構な弱みであり、せっかくの官能的な絵の魅力を低下させてしまっているのはもったいないところ。

コンビニ誌的な穏やかさを、方向性からして伴うべき性愛のほの暗さに対する踏み込みの甘さと見るか、抜きツールとしての完成度の高さへの意図と見るかで多少評価はばらつくでしょうが、コスチュームをまとう美人さんを困らせつつその肢体を味わいたい諸兄には魅力的な1冊ですよ。
個人的には、清楚でクールな外見ながら余裕すら感じさせる蠱惑を持つおねーさんがエロい「ウェイトレス」シリーズと美人バスガイドをエロエロ調教な「バスガイド」シリーズが特にお気に入りで大層使わせて頂きました。

駄文

美徳の言説の裏には劣等複合が埋まつてゐる!

これは信じていいことなんだよ。何故つて、非の打ち所のない美徳の言説があんなにも見事に咲くなんて信じられないことぢやないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だつた。しかしいま、やつとわかるときが來た。美徳の言説の裏には劣等複合が埋まつてゐる。これは信じていいことだ。
どうして俺が毎晩ネットを巡回している際に、俺の部屋の數ある本のうちの、選りに選つて暗くて重いもの、もりしげの作品なんぞが、千里眼のやうに思ひ浮んで來るのか ―― お前はそれがわからないと云つたが ―― そして俺にもやはりそれがわからないのだが ―― それもこれもやつぱり同じやうなことにちがひない。

一體どんな善き想いの論説でも、所謂眞つ盛りといふ状態に達すると、あたりの空氣のなかへ一種祕な雰圍氣を撒き散らすものだ。それは、よく廻つた獨樂が完全な靜止に澄むやうに、また、音樂の上手な演奏がきまつてなにかの幻覺を伴ふやうに、灼熱した情熱の幻覺させる後光のやうなものだ。それは人の心を撲たずにはおかない、不思議な、生き生きとした、美しさだ。

しかし、昨日、一昨日、俺の心をひどく陰氣にしたものもそれなのだ。俺にはその美しさがなにか信じられないもののやうな氣がした。俺は反對に不安になり、憂鬱になり、空虚な氣持になつた。しかし、俺はいまやつとわかつた。
お前、この爛漫と咲き亂れてゐる思い遣りに溢れた言説の裏に、一つ一つ劣等複合が埋まつてゐると想像して見るがいい。何が俺をそんなに不安にしてゐたかがお前には納得が行くだらう。
虐げられた劣等複合、虐げた劣等複合、そして論議そのものへの劣等複合、劣等複合はみな腐爛して蛆が湧き、堪らなく臭い。それでゐて水晶のやうな液をたらたらとたらしてゐる。美徳の言説は貪婪な蛸のやうに、それを抱きかかへ、くとぅるうの触手のやうな妄執を聚めて、その液體を吸つてゐる。
何があんな言説の横列を作り、何があんな熱狂を作つてゐるのか、俺は焦燥が吸ひあげる水晶のやうな液が、靜かな行列を作つて、彼らの心の表層へと夢のやうにあがつてゆくのが見えるやうだ。

―― お前は何をさう苦しさうな顏をしてゐるのだ。美しい透視術ぢやないか。俺はいまやうやく瞳を据ゑて美しひ励まし合いが見られるやうになつたのだ。昨日、一昨日、俺を不安がらせた祕から自由になつたのだ。
二三日前、俺は、件の記事のはてブへ下りて、はてなー達の文面を歩き読みしてゐた。議論のしぶきのなかからは、あちらからもこちらからも、美しく真っ直ぐな意見がアフロデイツトのやうに生れて來て、高みをめがけて舞ひ上つてゆくのが見えた。お前も知つてゐるとほり、彼等はそこで美しい団結をするのだ。
暫く歩いてゐると、俺は變なものに出喰はした。それは議論の熱が冷めた場へ、小さいしこりを殘してゐる、その一文のなかだつた。思ひがけない石油を流したやうな光彩が、一面に浮いてゐるのだ。お前はそれを何だつたと思ふ。それは何萬人とも數の知れない、オタクと腐女子の劣等複合だつたのだ。隙間なくネットの文面を被つてゐる、彼等のかさなりあつた過去が、暴力的な光にちぢれて血のやうな光彩を流してゐるのだ。そこが、彼等の墓場だつたのだ。
このネットの論戦ではなにも俺をよろこばすものはない。悲しさの裏返しの思い遣りや“悪”を指弾する自前の正義も、弱者の側に立とうとして他を排する優しさも、ただそれだけでは、もうろうとした心象に過ぎない。俺には惨劇が必要なんだ。その平衝があつて、はじめて俺の心象は明確になつて來る。俺の心は惡鬼のやうに憂鬱に渇いてゐる。俺の心に憂鬱が完成するときにばかり、俺の心は和んで來る。

――お前は腋の下を拭いてゐるね。冷汗が出るのか。それは俺も同じことだ。何もそれを不愉快がることはない。ベたべたとまるで液のやうだと思つてごらん。それで俺達の憂鬱は完成するのだ。
ああ、美徳の言説の裏には劣等複合が埋まつてゐる!
一體どこから浮んで來た空想かさつばり見當のつかない劣等複合が、いまはまるで美徳の言説と一つになつて、どんなに頭を振つても離れてゆかうとはしない。
今こそ俺は、あの美徳の言説で酒宴をひらいてゐるネット住民たちと同じ權利で、勝利の美酒が呑めさうな氣がする。

こけし☆メン『超こけし娘』

KokesiGirls.jpgTVアニメ版「にゃんこい!」第9話「ガールズ・イン・ザ・ウォーター」を観ました。ち、千鶴姉さん、結婚して下さい!!(←そっちかよ
まさに加奈子のための第9話でしたが、まぁ、我儘デブ猫に説教している内容をそのまんま潤平に返してやりたいもんですな。サービスシーン的にも見応えありましたが、ラストの寂しさで全部持っていかれてしまいました。

さて本日は、こけし☆メン先生の初単行本『超こけし娘』(ジーウォーク)のへたレビューです。何というかユニークなPNと単行本タイトルですね。
諧謔性を伴う不条理感が摩訶不思議な雰囲気を作り出すヌル凌辱エロがメインの1冊です。

収録作は短編9作+フルカラーの描き下ろし掌編(2P)。こけしが乱舞するゲストページは、めいびい先生、よしの先生、セキグチヒロキ先生となかなかの充実ぶり。
フルカラー掌編を除き、1作当りのページ数は16~24P(平均19P弱)と中の下クラスのボリューム。エロへの導入に独特の面白みがありますが、シナリオ展開はあっさりしているタイプでエロメインの作品構成と言えるでしょう。

【ワンアイディアで押し切る不思議な雰囲気】
カテゴライズがちょっと難しい作風なのですが、大まかに分類してしまうと“ヌルめ”の凌辱エロであり、いたいけな女の子を騙くらかして凌辱チックなエロシーンへと話を転がしていくタイプ。
KokesiGirls1.jpgとは言え、家電量販店でマッサージチェアに座った少女を店員が集団で襲い始めたり(←参照 短編「劣情バイブレーション」より)、スク水大好きな少女がスク水好きのオフ会に参加したらコミュニティの宣伝のためと称してスク水を着せられてエッチさせられたり(短編「目指せ工作大作戦!!」)と、凌辱劇の展開としてリアリズムに乏しい作劇が為されているため、雰囲気があまり暗くありません。
基本的に不幸になる人間がほとんど出ないラストも含め、ややご都合主義の匂いが強い感がありますが、凌辱エロ系の短編においてもそれ以外の短編においても、奇天烈な状況を冒頭で投げ込んで読者を翻弄しつつ、エロへと意外にスムーズにご案内する構成は面白みの一つ。
オタクであることが必須教養であることになった世界で全く、その手のことに興味がない男性(見た目はオタク的)の部屋にオタク教養を教え込みに美少女が突入してきたり(短編「オタク育成特別講座」)、透明薬を開発したと言い張る美人部長の言質を逆手にとって公開でエロイことしちゃう流れ(短編「(H2♂)♀」)など、作劇面ではワンアイディアを軸とする構成が図られているのも読み易さにつながっています。
レビューとして心もとない言説になってしまいますが、作品のコンストラクションがしっかりしているわけでは決してない一方で、話として破綻しているわけでもありませんし、唸るような面白みがあるわけではないものの、つまらなさはあまり感じないという何とも不思議な印象を受ける作品群です。
悪く言うと何となく中途半端なのですが、この辺りの微妙なバランスを意図してやっているとしたら、もの凄い作家性であり、力量のある方なのだと思います。

【ぺたんこロリから綺麗なお姉さんまで対応】
登場するヒロインの年齢層はロー~ハイティーンと比較的幅広く、帯の訴求文の通りにロリっ娘からお姉さんキャラまで広めに対応。
KokesiGirls2.jpg体型的な描き分けがしっかりと為されており、ロリっ娘達は基本的にちんまいボディと薄い胸の持ち主である一方(←参照 メガネ率高し 短編「いも×いも=無限大ッ!」より)、ハイティーンの女の子達は均整のとれた体幹に並~巨クラスのやわらかおっぱいを装備。
ロリータ少女達のちょっとだけ盛り上がったバストや、逆に柔らかさ故にちょっと垂れ気味ながら先端はツンと上を向く巨乳の描写は共に良好であり、バラエティがあることがむしろ嬉しく感じます。
上述の不思議な作品の雰囲気は、男女共にちょっとズレた思考回路の持ち主としてキャラクターが形成されていることも原因であり、特に男性側の思考を面白いと感じるか不自然と感じるかで評価は分かれそうです。
KokesiGirls3.jpgなお、男性陣の造形はかなり濃い目であり、これまた好悪が分かれるでしょうが、上述のように妙にギャグっぽい雰囲気があるため、その濃さが楽しさにつながっている面もあります(←参照 大沢氏暴走中 短編「(H2♂)♀」より)。
液汁描写や効果線、ベタやトーンワークを多用し、細い描線が多く描き込まれる分、結構ゴチャゴチャっとした印象もありますが、作風にはよく合っています。ロリっ娘を描くときには萌えフレーバーを多めにしたり、制服少女達に関しては快活さを増したりと絵柄に微調整が効いているのも○。

【濃い目のエロ演出を施す汁だくエッチ】
大半のエロシーンは凌辱色や騙しの要素が濃いですが、ヒロイン側の行為への嫌悪感はエロ展開冒頭で早々に消え去り、サクサクと快楽エッチに雪崩れ込むため、重さや暗さはあまりないスタイルです。
複数人エッチが多めなのも特徴であり、口八丁手八丁で騙されてしまったヒロインが濃いフェイスの野郎どもに上下、前後の肉穴に挿入されて恥辱の快楽に溺れていく様が大層エロティック。
KokesiGirls4.jpg苦痛描写やエクストリームな責めはあまりないものの、エロ演出面での濃さはあり、じっとりと各種液体に濡れたヒロインの肢体やもはや言葉にならないエロ台詞を絶叫する官能の表情を前面に押し出す作画となっています(←参照 短編「(H2♂)♀」より)。
エロシーンにおける顔面描写にはバリエーションに乏しい感も多少残りますが、ち○こやディープキスを求めて自ら突き出される濡れた舌先がなかなか良いアクセントになっているシーンも多いです。
エロ展開の終盤においてはヒロイン側が腰を振りつつ、お口や手も駆使して男性の欲望を受け止めつつリードを奪い返し、獣じみた絶頂のエロ台詞を叫びつつの中出しフィニッシュへと持ち込みます。
これといって特定のエロシチュやプレイ内容にコダワリがあるタイプではないですが、初単行本としてエロ描写の質は十分に高く、凌辱チックなノリが気にならなければ使いやすい1冊と言えるでしょう。

どう言ってお勧めしたものかなかなか悩ましい1冊ですが、良くも悪くも後を引く不思議な読書感と濃い目のつゆだくエッチが楽しめるのは確かでしょう。
個人的には、作劇面とエロ演出面でのアイディアの勝利な短編「(H2♂)♀」と、スク水大好き少女が愛するスク水のためにどうにも駄目な方向に頑張ってしまう短編「目指せ工作大作戦!!」がお気に入り。

ほりとも『テンタクルバージン』

TentaleVirgin.jpgだいぶ遅れましたが録画しておいたTVアニメ版NEEDLESS第21話「A-B」を観ました。過去エピソードに登場の香澄さんがいいですね。理知的なのに可愛らしくて、おまけに声が久川綾さんですからなぁ。
香澄さんの事故死がえらいアッサリしており、これは原作コミックスでは何らかの伏線なんでしょうが、アニメ版ではそこまで話が行きそうにないですな。女装山田が活躍の第2部もアニメで観たいですが。

さて本日は、ほりとも先生の2冊目『テンタクルバージン』(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューです。表紙絵のエルフさんが実にエロ可愛いですなぁ。
妙にほんわかとした雰囲気とアグレッシブな触手エロの調和が面白い作品集ですよ。

収録作は、掌編・短編9作+短編4作に登場のヒロイン達のほのぼの後日談なおまけ漫画(計4P)。
TentaleVirgin1.jpgご主人様が大好きなツンデレとかげ娘・シッポちゃんのエロエロ奮闘記な短編「シッポでフィッシングっ」(←参照 またこの娘が可愛いのです)とフルカラー掌編「教室にて~『見てはいけない』外伝~」は、前単行本の収録作の続きですので1冊目を読んでおくとより楽しめます。
フルカラー掌編(4P)を除き。1作当りのページ数は18~22P(平均20P弱)と標準的なボリューム。エロとシナリオのバランスが程良く、軽妙でありつつ適度な読み応えがある1冊です。

【心地よい読書感のあるシナリオパート】
キルタイム系のエロ漫画というと、気高い戦闘美少女達に強烈でアブノーマルな責めを加えて快楽の奴隷へと貶めるorそこからの逆転勝利という流れが一般的ですが、今単行本はそれとはやや異なるタイプ。
表紙絵通りに触手凌辱エロは頻出し、かつ正義のヒロインと悪の化け物という対決構図も多いのですが、コミカルで平和な雰囲気が作品を覆っており凌辱系としての悲壮感や殺伐感はほとんどありません。また、原作付きの短編「反逆のべレッタ~淫獄ニ堕散ル戦士~」を除けば、ラストもほんわかとしたハッピーエンドになっています。
0cce923e.jpg宮廷内の権力闘争で毒を盛られて森に捨てられたお姫様を、心優しい七匹の淫獣達が助けてあげる短編「お姫様と7匹の淫獣たち」(←参照)のように、本来“敵”である異形達も間が抜けていたり愛嬌があったりで、ほのぼのとした雰囲気を作り出しています。
シナリオパートは小ゴマ連発でやや読みのリズムが悪いとは言え、登場人物達のコミカルな掛け合いや日常のエピソードを描いて漫画としての楽しさを生み出しており、シナリオをエロの状況説明だけに限定しないのは◎。
キルタイム系の十八番である戦闘ヒロイン凌辱モノは、良くも悪くも短編1作で世界観が十分完結してしまうのですが、今単行本の作品群は登場人物の穏やかな日常が続くことを示唆するラストなので作品世界に広がりがあり、作品への親しみ易さを増しています。
加えて、凛々しいけれどお間抜けなエルフさん(短編「ニムル奇譚」)や上述のツンデレとかげ娘、淫魔を体内に封印している真面目な聖女さん(短編「淫魔シスター カーリーン」)など、面白いアイディアが込められたヒロインのキャラを作中で上手く立てており、続きを読んでみたいと思わせる魅力が話にあります。

【個々に可愛らしいファンタジー系ヒロイン達】
エルフの戦士や悲劇のお姫様、淫魔&修道女の一心?同体コンビ、聖騎士など剣と魔法のファンタジー世界の住人がメインのヒロイン陣であり、そこにチャイナ格闘少女や美少女アンドロイドが加わります。
キャラ造形の面では、快楽に容易に屈しない誇り高さや凛々しさといった要素も存在しつつ、ちょっとお間抜けだったり妄想好きだったりと読み手の親近感を呼び込む側面も付与しており、安易に定番のキャラクターに依存しないのは大きな長所。
TentaleVirgin3.jpg皆さん柔肉がたっぷり詰まった巨乳の持ち主であり、小さめの乳輪と小粒ながらぷっくりと膨らんで自己主張する乳首を先端に頂く双球は大変アピール層の広いタイプ(←参照 短編「ニムル奇譚」より)。
豊かな胸の存在感に加え、これまたむっちりとした太股や桃尻も大層エロティックであり、エロシーンで多用する結合部見せつけ構図との組み合わせられることで読み手の煩悩を強く刺激します。
今単行本に収録されたほりとも先生の初エロ漫画作品(短編「VSアクマっ子」)を見る限り、デビュー時から十分な画力があったようで、今単行本においてもキャッチーなアニメ/エロゲー絵柄はしっかり安定。
ベースの絵柄の端正さに魅力がありつつも、効果線やトーンの多用などによるいい意味でごっちゃりとした感じや強い線の粗さに味があるタイプであり、変にサッパリし過ぎない作画が良いですな。

【話はほんわかでもエロは濃厚】
洗脳された元・戦友達による輪姦凌辱な短編「反逆のべレッタ~淫獄ニ堕散ル戦士~」と、普段は気性の激しいながら実はドMな女騎士さんのラブラブ調教エロな短編「王国騎士師団長レイチェル」を除けば、各短編作はウネウネと蠢く異形の器官がヒロインの全身を責め立てる触手エロ。
触手エロへのコダワリがしっかりとある作家さんであり、吸盤が沢山付いたタコ型触手に、乳首責め用の吸引触手、イボイボが凶悪なち○こ型触手などなど、様々な触手がヒロインの性感帯を総なめにして未曾有の快楽の渦に引き込んでいく流れは、オーソドックスながら十分にパワフルです。
性感に呆けたエロ顔と白痴系のエロ台詞を連呼する様を他者に見られてしまう恥辱をエロシチュに絡めたり、高まりすぎた快感によるお漏らしが頻出したりと単調にならない味付けが施されているのも好印象。
基本的に複数ラウンド制であり、抜き所が多めに配置されているだけなく、濡れ場の前半と後半でエロの趣向を変える二段構成を取っていたりするのもエロ展開の巧さを示しています。
TentaleVirgin4.jpgページを縦に横にと貫く断面図は触手と膣内を共に丁寧に描き込んでいる分、かなり淫猥であり、加えてヒロインの前後の穴の奥まで侵入する様子を示す透過図の力強さもエロにおける武器の一つ(←参照 短編「淫魔シスター カーリーン」より)。
多用する結合部見せつけ構図はエロのハードコアさを増強させている一方、迫力最優先でボディデザインの整合性が多少怪しくなっているコマも散見されます。ただ、この辺りは十分力押し出来ている感もあります。
絶頂を迎えるヒロインの秘所とアナルにたっぷり注ぎ込む様を1Pフルでダイナミックに描いた後、穴からトロトロと白濁液が漏れ出すコマで読み手を追撃するフィニッシュシーンもエロ的に大層美味しい部分。

キルタイム系のお約束的要素をしっかりと取り込みつつ、作家さんの個性を作品に織り込めており、読んで楽しく使えて嬉しいエロ漫画と言えるでしょう。普段あまりキルタイム系を読まない方にも是非お勧めしたい作品です。
個人的には、トカゲ娘の言動が逐一キュートな短編「シッポでフィッシングっ」と心優しい淫獣達とお姫様の心温まる睦みあいが素敵な短編「お姫様と7匹の淫獣たち」が特にお気に入りです。両作品とも続きが是非読みたいですな。
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