2009年09月

茶否『妹は同人少女コスプレ系』

MySisIsCoterieGirl.jpg椎名軽穂先生の『君に届け』第9巻(集英社)を読みました。相変わらず主役2人の想いのすれ違いがもどかしくて、何とも言えない気持ちで読み進めてしまいます。
サブキャラ達が本当に二人の関係を応援してくれているわけですが、最後に自らの言葉と行動ですれ違いの解決をしようとする爽子の姿が次巻に大きな期待を持たせてくれるラストでした。TVアニメも楽しみですな。

さて本日は、茶否先生の『妹は同人少女コスプレ系』(マックス)のへたレビューです。表紙絵の最“後尾”の看板は“交尾”とかけているんですかねぇ(下品)。あと、前単行本『クリスにおしえて』(茜新社)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
ヒロインのキャラクター性を軸とするラブコメスタイルな萌えエロ漫画を楽しめる作品集ですよ。

MySisIsCoterieGirl1.jpg収録作は、新人漫画家の主人公が同人作家の妹さんやその部活仲間のコスプレ少女達とエッチ三昧な中編「同人少女物語」全3話+描き下ろしのフルカラー掌編4P&描き下ろし後日談短編8P(←参照 某巨大即売会にて 同中編第2話より)、および独立した短編8作。加えて各作品に登場したヒロイン達が集合するコミカルなおまけ漫画がカバー裏にアリ。
「同人少女物語」第2話のみ20Pとなっており、他の作品では1話・作当りのページ数は16Pで固定。ボリュームとしては多いとは言えませんが、茶否先生はおっぱい漫画を16Pより多く描いてしまうと重篤な症状を引き起こす病気なので、仕方ありません(あとがき漫画参照)。
それは冗談としてもライト感覚で楽しめるラブコメエロ漫画なので、ボリューム感の足りなさはあまり気になりません。

【適度なコミカル要素が嬉しい萌えエロ系作品群】
同人誌制作の報酬として大好きなお兄ちゃんに処女を捧げちゃう妹さんと、その兄である主人公に熱烈なラブアタックをしかける漫研の面々を描くタイトル中編作「同人少女物語」に代表されるように今単行本はお気楽なラブコメ系で作風を統一。
中編作に関しては、読み手をポカンとさせるトンデモオチに突入する以外は、一応兄妹の恋愛関係を基軸としているとは言え、ヤマなし・オチなしの展開であり、話としての読み応えは希薄。
この点は他の短編作でも共通しており、ツンデレお嬢様の押しかけエッチ(短編「お嬢様の社会勉強」)や発情しちゃった飼い猫(もちろんネコ耳美少女だ!)とのエッチ(短編「ねこみけ」)など、ラブコメ系のお約束展開を変に捻ることなく描いています。繊細な感情表現や読者を引き付ける展開の練り方も得意な作家さんですが、その辺りの特長を今単行本で期待するのはやや避けるべきという印象です。
MySisIsCoterieGirl2.jpgしかしながら、キャラクター造形の良さとテンポよく進行するコミカル要素は十分に活かされており、ポプリクラブ掲載作らしい萌えエロ系としての楽しい読書感は強い魅力(←参照 アホ娘の交際宣言 短編「てんねん」より)。
自分の変態趣味が露見してそれを元に強請られていると大勘違いをしてしまった女の子を面白おかしく描く短編「妄想少女」や、幼馴染の男の子のエロコレクションを見て更生させようと(性的な意味で)一肌脱ぐ委員長さん、中編作の恋とエッチにアグレッシブなコスプレ少女達等、恋心とエロ欲求で“暴走”するタイプの美少女さん達のお話を特に生き生きと描けています。
各短編のラストもコミカル色が強めながら、登場人物のラブラブ感が良く出ている平和な終わらせ方となっており、心地よい読後感を味わえるようになっています。

【おっぱい大きめな美少女ヒロインズ】

ローティーンクラスが主体であるコミックRinでの作品に対し、ポプリクラブではミドル~ハイティーン級の制服美少女達がメイン。一部、上述のネコ耳少女や美人死神さんなどキュートな人外娘が混じるのも萌えエロ系らしいですね。
MySisIsCoterieGirl3.jpg帯に列挙されているように、ツンデレお嬢様(←参照 無茶な理屈とキスおねだり顔がキュート 短編「お嬢様の社会勉強」より)やちょっとお馬鹿な幼馴染、堅物な(でも素はエッチ大好きな)委員長タイプ、コスプレイヤーな妹などなど、やや凡百のきらいはありつつも明瞭な味付けがされたキャラ造形を取り揃えており、エロ・シナリオの両面で作品の中核を為しています。
雑誌のカラーもあっておっぱいのサイズは巨乳寄りではありますが、貧乳娘を愛する作家さんということもあって、巨乳のカテゴリーの中でも下限に近い程度となっています。よってたぷんたぷんの爆乳ちゃんをお求めな方は回避を推奨。
皆さん適度にお肉のついた健康的なボディの持ち主であり、悪く言うとムチムチ系や均整のとれたスレンダー系にある強いアピール力に欠けますが、キャラ設計同様万人に受け入れられやすいタイプ。
スク水+セーラー服という謎の仕事着な死神さんや中編作のアニメ作品や某ボーカロイドなどのコスプレをする女の子達、そして学校の制服など、コスチューム要素の充実と着衣エッチの占める割合の高さも萌えエロ系らしい魅力と言えます。
太めで柔らかい描線を用いる絵柄には独特の温かみがあるのですが、どうもポプリクラブの誌風に合わせて絵柄に関して試行錯誤している感があり、近作ではより端正でシャープな描線の絵柄に変化しています。そのため絵柄の安定感を求める方は表紙絵とは印象が大分異なる画の作品が多いことには留意されたし。
これはこれで悪くないとは思いますが、同時に特徴に欠ける平凡な絵柄に近づいた感もあり、以前のオリジナリティーのある絵柄に回帰して欲しいと個人的には思います。

【パワフルな中出し描写が魅力のラブラブエッチ】
ページ数があまり多くないこともあって必然的に濡れ場の尺はそこまで長くありませんが、熱気と陶酔に満ちたエロシーンの密度は決して低くなく、また行為の激しさをラブい雰囲気を損なわない程度に有しており抜きツールとしても十二分に有用。
某巨大同人誌即売会の会場で人ごみに隠れながらのエッチといった変わり種もありつつ(中編「同人少女物語」第2話)、基本的には王道のラブラブエッチ路線であり、特殊な要素や変態チックな味付けは概ね排除されています。
各種おツユがたっぷりの口淫描写やパイズリなどで互いの興奮を高め合ってから、挿入し、時に抜かずの連続射精ということもある激しいピストン運動に持ち込んでいきます。淫蜜の奏でるいやらしい水音を散りばめる抽送はなかなか攻撃的に描かれていますが、情熱的なキスシーンの挿入や快楽的なラブ台詞などによってラブラブ感も同時に演出しているのは○。
MySisIsCoterieGirl4.jpg膣内射精(読みは“なかだし”時々“ぶちまけ”)はこの作家さんのエロシーンにおけるキーフレーズであり、白濁液がヒロインの全身を一気に貫く様なユニークな表現やパワフルな透過図、ギュッと瞳を閉じるヒロインの表情、トーンワークによる画としての重みの付与などの意匠を凝らしたフィニッシュシーンをパワフルに描きます(←参照 短編「アカテン」より)。
基本的には全ヒロインが処女さんであり、挿入時には薄らとした純潔の印が描かれます。ヒロインが破瓜の痛みを覚えながら、それが熱情的なセックスの進展と共に快楽に置き換わっていく流れも大変気持ち良いです。
特段の特徴はないものの、デフォルメ系とリアル系の折衷タイプの女性器描写は、概ね控えめの修正もあって直接的な扇情性が相応にあります。ただし、接合部のアップなどにあまり力点を置かないエロ作画なのでその手の描写を沢山見たい方にはあまりお勧めはしません。

絵柄に関しては編集側がもうちょっと自由に描かせる度量を持って頂きたいなぁと個人的には思いますが、持ち味の一つであるコミカルテイストの心地よさが魅力的な1冊に仕上がっていると言えるでしょう。
キャラ的には短編「お嬢様の社会勉強」のツンデレお嬢様が、シナリオ的にはドタバタエロコメディな短編「妄想少女」が、エロ的には貧乳ネコ娘と御主人様のラブラブエッチな短編「ねこみけ」がそれぞれお気に入り。

スラドミ09お疲れ様な雑記

どうも、管理人のへどばんです。雑記の方は前回から1ヶ月ぶりくらいですかね。いつの間にかすっかり秋めいてきました。
何せ、日々の新刊レビューで手一杯という有様でして、雑記記事での拍手コメントへの返信が遅れて申し訳ありません。

さて、タイトル通りに今年もTHRASH DOMINATIONに行ってきたわけですが、いやいや今年は大盛り上がりでしたなぁ。
トップバッターのHEATHENは、管理人はあまり期待をしていなかったのですが、米国産らしいキャッチーネスがあるスラッシュメタルをやっており、特にギターソロで弾きまくっていたのが痛快でしたね。
大ベテランということもあって、やはり音楽性の根っこにNWOBHMがあるんでしょうなぁ。とっても気持ちの良いライブでした。あと、フェスの終了時にボーカルが出口に立っていて参加者達にお礼の言葉をかけていたのが、凄く良いサービスマンシップで大変嬉しかったです。


2バンド目は、参戦バンドの中で一番好きなジャーマンスラッシュの雄KREATORで、管理人は2005年にスラドミに参加できなかったので、何というか感動もひとしおでした。
冒頭のHordes of Chaosを皮切りに、Enemy Of God、Betrayer、Extreme Aggression、Flag of Hate、Pleasure to Killなど、何回も聴き倒した名曲の数々が生で聴け、観れたのはスラッシュ野郎としては至福の時間でした。勿論、首振りまくりでしたよ(笑。
次の曲はこれが来るぞ!とオーディエンスを期待させるミレのMCも上手かったですなぁ。「来年も来るぜ!」って言ってたけど、本当にそうなるといいなぁ。

3バンド目は今回一番の盛り上がりを見せたEXODUSで、まぁ、モッシュピットでひたすら暴れていました(笑。観客が会場の鉄柵を(勝手に)外して大規模ストームを作ってしまうあたりが、さすがツワモノのスラッシュ野郎どもといった感じです。
ステージに乱入者は続出するは、最後には巨漢のロブがステージからダイブするはと、ひたすら狂騒的で、スラッシュメタルのライブはこうでなくちゃな!といった感じでしたなぁ。ホント楽しかったです。

とここで、疲れてしまいトリのTESTAMENTは後ろの方でまったり観ていましたが、去年の会場の音の悪さを払拭しており(まぁ、時々ボーカルのマイクが不調でしたが)、楽しめました。
やっぱ日本での人気は根強いよなぁと会場の盛り上がりを見て思いましたねぇ。ただ、お気に入りの曲とは言え、スラドミでパワーバラード系はやらんで良くねぇかとは感じましたが。

あと、漫画脳さんが移転されたのでアドレスを変えたついでに、ちょこちょこリンクを弄りました。
こんな辺境ブログを訪れるアンテナの広い皆さんは既に知っていると思うのですが、エロ漫画関係の秀逸な記事を書かれる“さよならストレンジャー・ザン・パラダイス”さん、エロ漫画のヒロインも含めて可愛い女の子達のイラストを書いていらっしゃる“イラストとかお絵かきの練習”さん、言わずと知れたオタク系ジャンルを総合的に扱う大手サイト“まごプログレッシブ:Part2~Scenes From A Memory~”さんを追加しました。
加えて、エロ漫画レビューをされている“さぼてんヨーグルト”さんにもリンクを貼らせて頂きました。こう、僕とは結構作品の捉え方が違うのですが、「成程、そういった解釈もあるのか」と思わせてくれる誠実なレビューを書かれるサイトさんです。
今後ともよろしくお願い致します。

以下、遅いにも程があるだろという(申し訳ない)拍手コメントへの返信となります。送った憶えのある方はどうぞ。
それでは、また次回のレビューにて!
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井ノ本リカ子『SHY GIRL』

ShyGirl.jpg山口貴由先生の『シグルイ』第13巻(秋田書店)を読みました。うん、相変わらず話が進んでいない(笑)。まぁ、それは冗談としても清玄と藤木がそれぞれ必殺の剣を完成させたことを印象付ける巻でしたね。
そして、暗君忠長の止まる事のない狂気と妄執もよく出ていますなぁ。一刀流の名手というのも驚きですが、忠臣ごと謀反人をぶった切る辺りがこの人物の恐ろしいところです。

さて本日は、井ノ本リカ子先生の『SHY GIRL』(マックス)のへたレビューです。エロ漫画では結構珍しい青い色調の表紙絵も実にキュートですなぁ。あと、前単行本『A.My.Sweets』(同社刊)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
キュートネスを存分に引き出された地味っ娘さん達との甘く優しいラブコメディに心地よく浸れる1冊ですよ。

ShyGirl1.jpg収録作は、雨宿りで家に寄った先輩さんのエッチな姿に思わずドキドキして芽生える恋な連作「あまやどり」「おねがい」(←参照 ラフな格好が逆にエロスを 前編「あまやどり」より)、および独立した短編9作。
百合カップル盟友のBENNY'S先生による、作中の登場人物達を用いた恒例の4コマ漫画(2P)も巻末に収録されています。
1作当りのページ数は16or20P(平均18P強)とコンビニ誌での作品としては標準的なボリュームとなっています。快楽の熱っぽさが伝わる濡れ場もほんわかとしたラブコメストーリーも共に読書感や使用感が心地よく、最後までゆったりと楽しめます。

【心地よい空気感が魅力のピュアラブストーリー】
ここ数年の既刊と比べて作風に大きな変化は認められず、全作品が若い男女の甘く優しいラブストーリーで統一。
キャラクターの言動による微笑ましいコメディ要素で読みのリズムを整えつつ、ふんわりと穏やかな空気で全体を覆う構成は良好であり、明確なフックには乏しいものの、退屈を覚えること無くエロ漫画的ファンタジーを堪能できます。
恋愛の成就やセックスへの進展において、男性陣に少々強引さがあるのが気になる可能性がありますが、率直で等身大な思春期の性欲と好奇心が男女の関係性を押し進める流れに不自然な印象は少なく、また恋愛の幸福感を阻害していないのは相変わらず上手いなぁと思います。
01feef90.jpg特に波乱を生じさせることもなく、二人の今後の幸せな日々を読み手に想起させるほのぼのとしたハッピーエンドで終わらせているのも地味に大きな加点材料(参照 お幸せに! 連作後編「おねがい」より)。
恋愛ドラマとしての話の抑揚は敢えて排されているため、ストーリー重視派への訴求力はそこまで強くないのは確かですが、雰囲気の良質さが読み手をあまり選ばないと言えるでしょう。
色々と世知辛い現実世界で溜まった精神的な疲れを癒すには既刊に引き続いて大変好適な1冊ですよ。

【ムチムチ柔らかボディの地味っ子ちゃん達】
短編「にゃんにゃん先生」の女子大生な家庭教師さんと短編「もみもみ」の女性教師さんで多少の大人分を補給しつつ、メインは女子高生クラスの美少女達。
成人ヒロイン達に関しても皆さんほんわかと優しい性格の女性なので、凛としたアダルト美人を求めるのは求めるのは回避推奨。男性の恋愛感情と性欲を温かく、かつ幸福に迎え入れてくれるヒロイン像は作風に大変マッチしています。
井ノ本先生が“地味っ子”と総称するように、キャラクターの属性を強力にアピールするタイプではないものの、人工的な人物像を読み手に意識させない素朴な可愛らしさと純朴さが非常に良く抽出されています。
そんな“地味っ子”達が、例えばツンデレ気味の子が“デレ”たり、彼氏君のお願いでセクシーな衣装に着替えたり、細かいところで言えばメガネを外したり三つ編みを解いたりという、一種の“変身”を経ることで、秘められていた強力な性的魅力を解き放つ流れになっているのは実に素晴らしいと思います。
ShyGirl3.jpg短編「なまいきっこ」のツンデレ並乳な後輩ちゃん(表紙絵の左の娘)を除けば、この作家さんの体型描写の特徴である、たぷんたぷんとした爆乳とそれに負けず劣らずお肉たっぷりの下半身回りを皆さん装備(←参照 短編「LESSON!」より)。
この強力無比なグラマラスボディや小陰唇までご丁寧に描き込む陰毛アリアリな淫らな女性器描写と、女性向け漫画系統に属する柔和な絵柄で描かれるロリータフェイスの組み合わせのギャップが真に破壊的な魅力となっています。

【甘い雰囲気と組み合わされる強力な淫蕩空間】
初々しい男女の恋愛の情緒を損ねることなく、ムードの赴くままにスムーズにエロへと進展するためエロの分量は標準クラスをしっかりと確保しています。
各種のダイナミックな構図や濃密なエロ演出に支えられる熱情的なセックスシーンであり、また男女が結ばれる多幸感に溢れているためシナリオパートとの乖離が無いのも好印象。
上と下のお口(下品)からトロトロとたっぷり漏れ出てくる液体も含め、豊潤な液汁描写もエロ的に良好で、それに伴ってコマに散りばめられたハートマーク付きの擬音が読み手の性欲中枢を休むことなく刺激します。
ShyGirl4.jpgキュートな表情をトロットロに惚けさせて言葉にならない声を奏でる様子や、女体の底なしの柔らかさを強くアピールする構図、いい意味でえげつなく投入してくる扇情的な性器ドアップコマなど、エロシーンにおける強力な武器で相変わらず畳み掛けてきます(←参照 短編「ひざ上20cm」より)。
このようにエロ演出として大変濃密ではありますが、断面図や派手なイキ顔、エロ台詞の連射といった雰囲気を損ないかねないエクストリームな演出は決して用いず、男女の体の重ね合い・肌の触れ合いをエロティックさ基軸とするスタイルが決してぶれないのも個人的には高く評価しています。
汁気たっぷりのフェラやパイズリで1回目の射精→ピストン運動へというケースもありますが、どちらかと言えば女性の体を丁寧に愛撫して快楽を存分に味わってもらい挿入へと自然に進展していく1回戦仕様がメイン。
フィニッシュは、いわずもがなですが、性の快楽と恋愛の幸福で心身ともに蕩けまくったヒロインの最奥にたっぷり中出しを敢行しており、表情や結合部のアップ、白濁液漏れだしの様などを絡めて1Pフルで迫力豊かに描いています。

ヒロインの微笑ましい魅力、熱気と汁気に溢れたエロシーン、そして癒し系の甘いラブストーリーとこの作家さんの特長を全て備えておりますので、安心して買える1冊となっています。購入がまだでしたら、相方のBENNY'S先生の新刊と一緒に購入して、甘々空間に存分に浸るのもよろしいでしょう(笑。
全作品大好きですが、敢えて絞るなら巨乳ムチムチ妹ちゃんとイチャイチャエッチに専念した短編「ごろごろにゃん」とちょっと天然気味な先輩さんが実にキュートな連作「あまやどり」「おねがい」が抜き的にも話的にもフェイバリット。

エレクトさわる『せめ・ちち』

AggressiveBust.jpg 石塚真一先生の『岳』第10巻(小学館)を読みました。雄大な自然としての山の美しさ、人命救助の尊さを伝える内容は相変わらず同じなのですが、作品を貫く登場人物の真っ直ぐな感情がある故に、読んでいて全く飽きが来ないのは素晴らしいですよねぇ。
今単行本の白眉は「山の道の手前で・・・」第3話における、阿久津氏が救助者を背負って立ちあがろうとするシーンで、荘厳な山脈に比べて小さな人間が、それでも人を救おうという意志の力を漲らせていて、特別な演出など何もないのですが、強く胸を打つ画になっていました。

  さて本日は、エレクトさわる先生の3冊目『せめ・ちち』(茜新社)のへたレビューです。前単行本『淫術の館』(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
爆乳ヒロインが大量に放出される白濁液に全身パック状態となる過激&濃厚な乱交エロがたっぷりと楽しめる作品集となっています。

AggressiveBust1.jpg  収録作は、画家志望の青年が貿易商の仕事を継ぐよう命令する父親の洋館を訪ね、母の面影を思わせるメイドさんと出会うも彼女は父親に淫らな体へと調教されていて~な長編「無題‐no title-」全6話(←参照 夜伽の仕事 第1話より)、および独立した短編・掌編4作。
フルカラー掌編である「新年のごあいさつ。」と「π乙王国の逆襲」(共に4P)を除き、1話・作当りのページ数は16~24P(平均19P弱)と平均かそれをやや下回る程度のボリューム。シナリオにある程度の読み応えがある長編作とお話に存在感のあまりない短編・掌編作になっていますが、共にエロの量的な満足感は非常に強固です。
  余談ですが、ちょっとお高い(1980円)限定版にはエロエロなイラストが描かれたミニタオルが付いてきました。なお、4980円というエロ漫画としてはべらぼうに高い特別限定版にはもっと大きいタオルが付くそうです。あまりこの手のグッズに興味のない管理人としましては、タオル無しでお値段据え置きのバージョンも同時に発売して欲しかったのですが(苦笑。

【やや詰めの甘さが残る作劇】
  近作においては、キルタイムコミュニケーションではインモラル&ダーク系、茜新社ではラブコメ・エロコメ系がそれぞれメインと思っていましたが、今単行本では両方の作風が混在。
年初に一族の男性達にたっぷりとお年玉を頂く美女を描きギャグオチで閉める掌編「新年のごあいさつ。」や匂いフェチな女の子と幼馴染の少年のラブラブエッチな短編「スメル☆コンプレックス!」などは後者の作風であり、エロこそ濃厚ながら話としての重さの無さが抜き特化の作品としての入り込み易さにつながっています。
とは言え、今単行本は上述の長編作や、憧れの美人先輩に秘められた淫婦の痴態に主人公が引き込まれる短編「W.C.-ホワイトキャンバス-」など、調教や輪姦エロ、寝取られ要素なども含んだインモラル系の作品がメイン。
分量的にも単行本の主体となっている長編「無題‐no title-」は、序盤の展開から、「最終的には主人公が“悪役”である父親を殺害して洋館炎上」といった様な、いわゆる“館もの”のストーリーを強く想起させますが、実際には主人公の精神的な成長・自立と純愛による快楽の泥沼からのヒロインの救済を描くラブストーリーとなっています。
AggressiveBust2.jpg閉塞的なシステムを暗示する“館”から主人公とヒロインが解き放たれ、愛の交わりが快楽の縛鎖を良きつながりへと浄化するセックスと身分違いの恋の成就を描く最終話は(←参照 ラブラブ&エロエロ 同長編最終第6話より)、それまでの淫蕩の宴の退廃感を綺麗に洗い流す爽快感と幸福感があります。
  その一方で、そこに至るまでの展開に難があり、主人公の心情変化を筆頭として全般的に話の流れに性急な感があることに加え、2人の関係性の変化に重要な役割を果たすもう一人のメイドさんや父親のシナリオにおける立ち位置が不安定であることなどは作劇面における小さくない減点材料。
ただし、各種のアブノーマルエロへの導入をしっかりと果たしているという点で構成力は決して低いわけではありませんので、実用的読書への悪影響はほとんどないでしょう。

【爆乳美少女と貧乳ロリっ娘の二正面作戦】
  超重量級の爆乳娘を描いても貧乳ロリっ娘という両極端なキャラ造形が得意で、どちらも素晴らしいエロ要員として描ける作家さんですが、メインは前者であり今単行本もずっしりとした重量感と底なしの柔らかさを備える下垂型おっぱいが貴兄をお出迎え。
AggressiveBust3.jpg長編作は、ハイティーンクラスで優しい性格の爆乳メイドさん(正ヒロイン)とロー~ミドルティーンクラスで生意気盛りなロリっ娘メイドという、双方のキャラ造形が登場し、どちらか一方に集中したい方には残念でしょうが、お得感の強い配置となっています(←参照 長編「無題‐no title-」第4話より)。
特大サイズの乳房に、これまた大きめサイズの乳輪と慎ましい乳首を組み合わせた爆乳はエロ的にも大活躍であり、その存在感と質感を存分にアピールしつつ汁ダクなパイズリやド迫力の乳揺れの魅力を確固たるものとしています。
今回も含め、全ての単行本にメイド服が登場するように、コスチュームによるエロの華やかさも増強も健在であり、メイド服やエロ下着、パニーガールやスパッツ体操服など人気所をズラリとお取り揃え。個人的には長編作のラストで、逃げ込んだ教会でのセックスが純白のウェディングドレスで行われのが良かったですなぁ。
セックスアピール最優先で少々ボディバランスを度外視する淫猥ボディでありつつ、細めの描線を丁寧に書き込むエロゲー絵柄によって、あまり画として重過ぎない印象になっています。また、各種の質感がグッと増すカラー絵も強い魅力。
  茜新社での前単行本で初単行本でもある『まぞ・ちち』における絵柄の不均一さは完全に払拭されており、前単行本よりも絵柄の安定感はかなり増して完成された域に入ったと思われます。

【とにかく量的な過剰感で圧倒する陶酔空間】

  濡れ場の分量自体も十分ですが、エロ演出面における過剰性を追求するスタイルであるため、その味わいは非常に濃厚であり、読み手の脳味噌を素敵に蕩けさせます。
エロシチュエーションとして輪姦・乱交モノが多く用意されており、前戯シーンで何本ものチ○コに手や口、胸での奉仕を行い、大量のどろどろとした精液を顔面を中心に注がれる様子は、大変エロティックでこの作家さんの強いアピールポイントの一つ。
AggressiveBust4.jpgこの白濁液の大量投入に加え、随所に差し挟まれる白痴じみたアへ顔、描き文字で表現されるエロ台詞と獣声の瀑布、細かく散りばめられた擬音など、とにかく圧倒的な量で読者の理性を凌駕するスタイルは(←参照 短編「W.C.-ホワイトキャンバス-」より)、多少読み手によっては好みが分かれるでしょうが、濃厚である分麻薬的な中毒性があるのも確か。
  想い人が数多の肉棒によって淫らに乱れる姿を見せ付けられるといった寝取られ要素など、これまたご嗜好によってはネガティブに働く要素もありますが、輪姦エロにおいても苦痛や嫌悪感はほとんどなく、セックスへの陶酔が生み出す熱狂の渦の中で快楽を貪るヒロイン達の姿をダイナミックに描いており、読み手への精神的な負担は比較的弱い方と言えるでしょう。
ドロッとした白濁液以外にも、行為が進展するにつれて火照る肌をじっとりと濡らす汗や、艶めかしく動く舌に絡む唾液、そして結合部から漏れ出る愛液などによって女体にシズル感を出す演出も良好。
陰唇がいやらしく捲れ上がる前穴にこれまた大量のチ○コミルクを注ぎ込んで逆噴射を引き起こすパワフルなフィニッシュシーンでハードに激走するエロシーンをしめており、前述の前戯パートも含めて抜き所はとにかく豊富です。
 小さい文字を詰め込んだ吹き出しが多く、読んでしまうと実用的読書のテンポを悪くするのは個人的にはマイナス評価。また、2本刺しも多いものの、アナル関係は終盤でちょっと絡んでくるだけで、もうちょっといじってもアクセントとしては良いのかなぁとも思いました。

  エロにおける各種の特長がますます強固なものとなっており、絵柄もほぼ完全に安定した感がありますので、これまでのファン層にも初めてこの作家さんの作品を読む方にも共にアピールできる好物件と言えるでしょう。
作劇的に多少の不満はありますが、ダブルヒロインがバニー姿で大乱交が描かれる長編作が最愛で、赤玉でそうなくらいに使わせて貰いました。
あと、貧乳ロリっ娘軍団と爆乳お姉さん達が(性的な意味で)激闘を繰り広げる「π乙王国の逆襲」の続き(というか本編)はお蔵入りにさせるにはあまりに勿体ないので、是非是非描いて頂きたい作品です。

みなすきぽぷり『わたしたちのかえりみち』

TheWayHomeOfUs.jpgベイエリアシーンのベテランバンドDefianceの再結成後の初フル『Destroyer 666』(輸入盤)を買いました。元々重厚さのある楽曲で直球の疾走スラッシュ路線ではありませんでしたが、今作はブラストビートの導入など、ブラックメタル寄りの音楽性になっています。
胡乱な表現になりますが、IMPALED NAZARENEをスラッシュメタル色強めにしたような感じでしょうか。個人的に好きな路線とはちと違いますが、これはこれで良い作品だと思います。

さて本日は、みなすきぽぷり先生の『わたしたちのかえりみち』(コアマガジン)のへたレビューです。成人向け部門から既に撤退したジェーシー出版から既刊2冊が出ていますが、今単行本はやっとこさ貯まったメガストアの掲載作を収録したコア初単行本となっています。
凌辱エロとしての即効性の鋭利さと読み手の心にずしりと圧し掛かる遅効性の禍々しさが同居するロリエロ漫画です。

TheWayHomeOfUs1.jpg収録作は、性や恋愛に興味を持ち始めた少女3人がいつもエロ本を立ち読みをしている書店の店主に次々と毒牙に掛けられていく中編「わたしたちのかえりみち」全3話+カバー裏の後日談漫画(←参照 同中編第1話「よりみちかえりみち」より)、および独立短編7作とちょっとしんみりとした気分にもさせられる描き下ろしのおまけ漫画7P。
おまけ漫画を除いて1話・作当りのページ数は16~24P(平均20P弱)と標準的な分量となっています。痛烈な余韻を残すシナリオ展開の凄味と数多の感情と欲望が渦巻くセックスシーンの迫力があり、話の読み応えも濡れ場の満足感も共に高い質と量を有しています。

【心身の未成熟さを強調されるロリータ少女達】
単行本の表紙絵から想像できる通りに、ヒロイン陣は小○校中~高学年のロリータ少女のみで構成されており、二次ロリ属性の有無は今単行本の評価に大きく影響します。
ランドセルや子供パンツ、可愛らしい髪飾りなどの着衣・アクセサリによって強化され、登場する成人男性の体躯に対して小ささや軽さが強調され、薄い胸や細い手足などの要素によって幼さを強調される肢体描写には、侵犯される少女達の儚さや無垢さが強く意識されており、少女性愛の背徳性を存分に強化。
今単行本のキャラクター造形の特徴の一つは、ヒロイン達の幼さが“聖性”としてのみ捉えられるのではなく、無知や愚かしさ、我儘、精神的な弱さといった負の側面を備えるものとして描かれる点でしょう。
TheWayHomeOfUs2.jpg容易に手に入る性的な情報を鵜呑みにして大人の狡知に絡め取られていく中編作の少女、子供であるという立場を利用して逆に大人を馬鹿にして屈従させようとする短編「せんせいきもい」の小生意気な少女(←参照)、降りかかる凌辱の惨禍を友人の責任として詰る女の子を描く短編「くまがでるよ」など、単に読み手に性的快楽を供給してくれる、エロ漫画的に都合の良いだけのキャラ造形とは明瞭に異なる、“等身大の”少女達が作中では描かれます。
彼女たちの怨嗟や嫌悪感、そして諦観といったネガティブな感情表現に鋭さがある分、凌辱者に踏み躙られる純粋さや愛情や友情といった善き感情に重みが生じています。
絵柄に関しては、最古作に至っては10年前の作品(短編「ひみつの探偵?みのもちゃん」)であり単行本通しての安定感はありません。ふわふわとしたタッチが独特の温かみを生む少女漫画寄りの絵柄に比べて、やや重めで印象の異なる旧作での絵柄ですが、決して作画が粗いわけではなく、シナリオパートでもエロシーンでも高い作画力を既に発揮していたことは特記しておきます。

【密度の高い作画・演出に支えられるガチ凌辱】

短編「ひみつの探偵?みのもちゃん」のみ合意の上での教師と生徒との肉体関係が描かれていますが、その他の作品はかなりガチなロリータ凌辱モノであり、肉体的な苦痛と精神的な嫌悪に泣き叫ぶ少女の小さな体を組み伏せて幼い性器やアナルに剛直を捻じ込む様子は極めて攻撃的。
TheWayHomeOfUs3.jpg一方的で自分勝手な快楽と熱狂の言葉、そして少女への侮蔑を喚き散らす男性達と対比的に、少女の側からは心身の苦痛を訴える悲鳴と泣き声が絶叫されており、特に近作における男女双方の濃密な台詞の弾幕は描かれる悲劇の不条理性・悲劇性を強く演出しています(←参照 絵柄の違いにも注目 短編「くまがでるよ」より)。凌辱属性持ちにとっては至高のスパイスではありますが、耐性がない方にとってはかなり陰鬱な気分にさせられる要素であることは確実です。
行為としての暴力性もさることながら、少女達の恋愛感情や友情を逆手に取って凌辱の縛鎖から逃れられなくする精神的なえげつなさも凶悪。
苦悶の表情や小ゴマを多用する密度の高いページ構成、ここぞという時に投入するダイナミックな大ゴマ、質の高い性器描写など、作画力・演出力の高さは実用性を強く下支えしています。
古めの作品も含めて多回戦の構成を取るケースが多く、単に抜き所が豊富という以上に、歪んだ欲望が込められた白濁液が性器や口などを介して少女の存在そのものを汚し、蝕んでいく痛烈さがあり、その様子を連続的に叩き込んでくるスタイルは、事の取り返しのつかなさを読み手に強く意識させます。
力なく横たわる肢体から精液が漏れ出てくる事後の描写や、少女達の心に刻み込まれた傷を描く後味の悪いラストシーンなど、陰惨な雰囲気は最後まで徹底されており、抜き物件として安易に手を出しにくい重さや痛みがあることには要注意。

【“変わらない日常”の悲しみ】

かように純正な惨劇として描かれ、犠牲となった少女達の心の傷を鋭く描き出しながらも、決して全ての希望が断たれた絶望を描く訳でもなく、また悲劇としてのドラマ性も比較的希釈されています。
一部の作品では救済措置的なハッピーエンド寄りの終劇という形で顕れますが、作中で描かれるのは美徳の敗退、または悪徳の勝利といった一種のロマンティシズムを有するものではなく、容易には変化しない“日常の強固さ”だと個人的には思うのです。
TheWayHomeOfUs4.jpgおそらくは回復不可能な精神的外傷を持ち続けたまま自身の生活を続けなければいけない少女達と、罰せられることも賞されることもなく歪んだ悪としてあり続ける男性達の姿は(←参照 中編「わたしたちのかえりみち」第3話より)、個々人にとっての惨劇を内包しながら決して総体として変化しない“日常”の理不尽なまでの強固さそのものであり、溜息が出るような閉塞感と無力感を生み出しています。
そこには、少女達の天真爛漫さも凌辱劇の猛烈な痛みも、日常を何も変容することが出来ない哀しみが通底しており、表層的な甘さや快楽肯定的な要素も読みを深めるにつれて重々しい苦みへと変化します。
絶望の泥沼へと転落していく悲劇的な凌辱エロの比べて、特に中編作で顕著である一種の平和さや明るさ、またはコミカルさすらも感じる様な雰囲気は、それ故に読み手にぬぐい難い違和感を覚えさせ、そこから徐々に禍々しい現実的な痛みが沁み出してくる、作品としての毒性が最大の魅力であり、最大の忌避要因でもあるでしょう。
近い作風としては個人的にはあしか先生を想起するのですが、そこに存在する精密に形成されたファンタジーの美しさが、この作家さんの作風においては嫌気がさす程の現実感に交換されているように感じます。

帯の訴求文で内容に触れてはいますが、パステルカラーな表紙絵から想起されるハッピーロリータ要素はほぼ皆無という猛烈な作品が目白押しとなっているため、このジャンルの初心者な方には勧め難いのは確かでしょう。
そして、弱きものが犠牲となる悲劇と、その惨禍を底に溜めながら厳然として変わらない日常という悲劇を味わいたいという猛者な諸兄には強くプッシュしたい作品です。
個人的には、単にエロとして以上に凌辱劇のリアリスティックな鋭さが何とも言えない余韻を残す短編「くまがでるよ」と中編「わたしたちのかえりみち」が特にお気に入り。
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