2009年07月

菊一もんじ『アナリスト』

Analist.jpg小梅けいと先生の『狼と香辛料』3巻(電撃コミックス 原作:支倉凍砂先生)を読みました。商人の知略渦巻くパッツィオ編もひとまず終了と相成りましたな。
ところで、おまけ漫画は廓言葉を話すホロの花魁姿が拝める、なかなかに粋なファンサービスになっていますが、ここにも登場するマールハイト氏の和服の似合わなさは破滅的ですな(爆。多分、髪型が全部悪いです。

さて本日は、菊一もんじ先生の『アナリスト』(ティーアイネット)のへたレビューです。前単行本にして先生の初単行本である『アナルバッカー』(同社刊)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
今単行本でもアナルセックスを軸とした変態エロ街道を大爆走している痛快なハードエロが存分に楽しめますよ。

Analist1.jpg収録作は、羞恥心と小水の臭いに快感を感じる変態性癖の美少女とレズ関係にある後輩の女の子が野郎どもの性玩具におとしめられる中編「尿道・ランナー」全3話(←参照 中編第2話より)、および独立した短編3作。
収録本数こそ少なめではありますが、1話・作当りのページ数は34~37P(平均35P弱)とボリュームたっぷりエロの内容も特濃の変態プレイ満載ですので、ずっしりとした読み応えのある1冊と言えるでしょう。

【シナリオの魅力はやや希薄な堕ちモノ系】
冒頭作の短編「犬と私の獣の約束」からしてアナル獣姦に目覚めて転落していく人妻を描いており、これでもかとアクセルペダルを踏み込む変態エロ街道の爆走っぷりは今単行本でも実に見事。
前単行本では多少含まれていたコミカル成分はほとんど払拭されており、清楚な人妻や健気な美少女が倒錯的な快楽に溺れていく“堕ちモノ”としての切れ味を増しています。
Analist2.jpg如何にアナルプレイを中核としてエロシーンに駆け込むかに重点を置いている分、何の開発もない内にアナルで感じてしまうなど(←参照 初アナルオナニーで 短編「キューリ婦人」より)、話の流れにやや性急さを感じる場合もありますが、短編作に関してはインモラル系の転落劇として平凡ながら堅実な作りと言えるでしょう。
中編作に関してはお互いを思いやる故に、2人とも男子運動部員達の肉便器になってしまう陸上部の美少女コンビを描いていますが、2人の信頼関係の盛り込みが全体的なシナリオラインとあまり上手に絡んでおらず、どちらかと言うと冗長な感があるのはちょっと残念。
とは言え、お得意の女性同士の連結プレイや集団エロを描く上では互いの恋愛感情がエロの盛り上がりに関して好適に働いています。
快楽的な色合いが強いですし、快楽に染まったヒロインがそこまで不幸になることもないので、陰惨さはあまり強くないですが、細かい理屈を無視してアグレシッブかつヘビィに駆け抜けるシナリオは好みが分かれる可能性はそれなりにあると思います。

【たっぷり巨乳を備える清楚な外見の女性たち】
中編作はレズ関係(ただし性行為はアナルのみ)にある陸上部美少女コンビ、短編2作は人妻さん、短編「キューリ婦人」は義理の母娘が登場するヒロイン陣となっています。
人妻中心故にヒロインの平均年齢は高めと言えますが、皆さん若々しい表情と肢体の持ち主なのであまり構える必要はないでしょう。逆にいかにも熟女といった感じの女性を期待する方は回避推奨。
Analist3.jpg中編作のネコ(受け)側の後輩の女の子や上記短編の娘さんなど、貧乳~並乳キャラをサブヒロインとして投入してきますが、メイン級のヒロインは皆さんたっぷりとした巨乳を装備しています(←参照 一児の母です 短編「犬と私の獣の約束」より)。
また、直接的なエロアピールではありませんが、等身高めの体幹から伸びるスラリとした手足もなかなか魅力的です。
TI系のお家芸であるネオ劇画系絵柄の濃さ・重さを継承しつつも、訴求層の広い漫画絵柄がベースとなっている画風であり、いい意味での荒さと端正な整合感が混じり合う面白いタイプ。
男性陣の描き方も、いかにも悪役といった濃い顔からイケメンまで描ける作家さんですが、特に男性の濃い描き方に関しては多少好みが分かれるかもしれません。

【アナルをコアとしつつ多彩な変態プレイ】
十分なページ数があることに加えて、大半をエロシーンに割り振った構成であることや描かれる行為の“濃さ”もあってエロに関しては十分な満腹感が味わえます。
ぷっくりと盛り上がる菊門を道具や肉棒で激しく擦り上げるアナルセックスをエロの軸としつつ、獣姦、尿道責め、搾乳、ザーメン浣腸嚥下などこれでもかと連続投入してくるアブノーマルなプレイの数々は圧巻。
Analist4.jpgほぼデフォルトで輪姦・集団エロにシフトしていくエロ展開も攻撃的で、特に双頭ディルドーや各種ホースなのでヒロイン同士の口や性器、排泄口を連結させる変態プレイの思い切りの良さは今単行本でも健在です(←参照 口とアナルを連結 中編第2話より)。
乳首周辺や女性器、そしてもちろん肛門を含めた媚肉をテカテカ輝かせて淫猥に描く手法も、クセはありながらも扇情的であり、時にデッサンを無視してでも性器・アナルをアップで見せ付ける構図を多用するエロ作画の破壊力を下支え。
時に肛門括約筋の破損による出血の描写も辞さないアナル貫通は大変攻撃的に描かれており、ミチミチと擬音を立てながら限界まで押し広げられる菊門の猥雑さは“アナルの伝道師”の面目躍如。
ラストは前後の穴に粘度の高い白濁液をどっぷりと注がれて絶叫するヒロインの姿を見開きで描くTI系らしいド迫力のものであり、抜き物件としての信頼感は申し分ありません。

初単行本で既に変態エロとアナルエロとで暴れまくっていたため、2冊目でどうなるのか注目していたのですが、その勢いは全く衰えておらず大変嬉しく思っています。これからも是非アナルエロの第一人者として活躍して頂きたい所存。
なお、個人的には、人妻さんと美人保険医のアナルバージンを3Pで同時に美味しく頂ける短編「発情の季節」が抜き的に最愛です。

いのまる『Sex education』

SexEducation.jpgあさりよしとお先生の『るくるく』最終10巻(講談社)を読みました。長い間楽しませて頂きましたが、終に終幕となってしまいましたなぁ。
いつも通りのユーモアを盛り込みながら比較的シリアスに振り切った最終巻でしたが、読み手の想像をくすぐる印象深い最終話でした。あと、各話の扉絵を見るにつけ、あさり先生はホントにニコニコ動画がお好きですなぁ。

さて本日は、いのまる先生の『Sex education』(ティーアイネット)のへたレビューです。前単行本『恥ずかし女』(同社刊)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
強気な釣り目美少女の凛とした魅力と快楽に蕩けていく様を楽しめる作品集です。

6ded8984.jpg収録作は、父親の再婚相手であるSMクラブの女王様に家庭を乗っ取られて調教される少女の奮闘を描く長編「お義母さんの教育的指導」全6話(←参照 長編第1話より)、および独立した短編2作。
長編作は、いのまる先生の初単行本『Indecent』(同社刊)に収録されている同タイトルの続編となっています。ある程度説明はされているので今単行本から読んでも楽しめますが、事の発端やヒロインの父親への感情といったある程度重要な要素を理解する上では、元の短編を事前に一読されることを強くお勧めします。
1作当りのページ数は20~34P(平均26P強)とTI系らしい厚みのある構成。話を軽快にしてエロに特化した短編、シナリオをエロを良好なバランスで整えて読ませる長編共に質が高く、読後の満足感の高い1冊と言えるでしょう。

【ドキドキハラハラな攻防戦を描く長編作】
従僕を引き連れて家庭を占拠し、さらなる姦計でヒロインを性的に調教するという純然たる悪女とヒロインとの対決を描く長編作は、二転三転する美女二人の攻防を一定の緊迫感を以て描いており、なかなか読み応えがあります。
唯一の肉親である父親を奪われ、自宅に監禁され、度重なる責めによる快楽地獄に苦しむヒロインと、余裕綽々でヒロインやその周囲の人物を絡め取っていく義母との対比はなかなか陰湿な感やそれ故のヘビィネスがあり、終始明るく楽しい雰囲気を望む貴兄には勧め難いのは確か。
e07960c3.jpgしかしながら、耐えがたき性の快楽に捕らわれながらも、それ故にヒロインは“魔性”の魅力を獲得して男性達を従わせ、義母に対して反撃を開始します(←参照 第5話より)。
既刊の作品や、苦界に生きながら明るさと伸びやかさを失わない女性を描く短編「甘ずっぱく不純な僕たちの・・・」にも共通していますが、圧倒的な性の悦楽にその精神を変容させても、その奥に秘めた女性として、人間としての矜持の輝きを決して失わないヒロインの描き方はこの作家さんの非常に強い魅力だと個人的に思っています。
それ故に、凛としたヒロインが性悪女の悪だくみを打破し、やや倒錯的ではあるとは言え、自身の手によって幸福をつかみ取る長編作のラストは大変痛快。
この長編作の後に続く、ちょっと間抜けでそれでいて微笑ましい若い男女の初エッチな短編「甘ずっぱく不純な僕たちの・・・」と、ドタバタラブコメディの短編「ガキの恋路に手を出すな」はシナリオ面で長編作の魅力に及びませんが、楽しい読書感が味わえます。
初単行本の時点から作劇力の高さは伺えましたが、今単行本でさらに安定感を増した印象です。

【ツリ目巨乳さんを描かせると業界屈指の上手さ】
長編作の敵役で美人女王様な義母にもエロシーンはありますが、ヒロイン陣のメインはハイティーンクラスの美少女さん。
SexEducation3.jpg気の強そうなツリ目と迫力豊かなロケット巨乳を合わせ持つ女性を描くと抜群に上手い作家さんであり、そういったヒロインが今単行本では充実(←参照 蛾眉を顰める 長編第4話より)。
質感自体に確たる個性は無いものの、圧倒的な重量感があるおっぱい描写は単品で充分な魅力を有しており、特にその胸を揉みしだくシーンはおっぱいスキーには垂涎モノ。
なお、短編「ガキの恋路に手を出すな」に登場するツインテールなツンデレ娘はいのまる先生には珍しい貧乳キャラで(他には初単行本の律子さん)、これはこれで良いものです。
年齢を問わずにアダルトな色香を放たせる端正かつ力強い画風は単行本通して安定しており、表紙絵・裏表紙絵で判断して特に問題はないでしょう。

【官能的な表情描写と多彩なプレイ内容が強い魅力】
TI系らしくエロシーンの尺は十分取られており、前戯パートにも抽送パートにもしっかりとした分量を配分する濡れ場の構成も好印象。
デフォルメ寄りの女性器描写の水準は決して低くなく、アップコマや性器見せ付け構図に十分な扇情性がありますが、それら一辺倒ではなくしなやかに跳ねまわる体全体を描くことで読み手の征服欲をくすぐるエロ作画になっています。
SexEducation4.jpg加えて、普段は真面目さやプライドの高さを示すヒロインの表情が、苦痛や快楽によって様々に変化する描写はエロの中核を担っており、目を細め頬を紅潮させる表情は大変官能的(←参照 長編第1話より)。
エロシチュの豊富さもしっかりとあり、集団エッチや奉仕プレイ、牛乳浣腸など様々な性的調教が加えられる長編作やローションプレイと変則3Pが楽しめる短編「ガキの恋路に手を出すな」など、適度に変化を付けて単調にしない構成は嬉しいところです。
局所描写・表情描写用の小ゴマとダイナミックに女体を見せる大ゴマをバランスよく織り交ぜるページ構成も良好で、フィニッシュは勿論TI系ではお馴染みの見開き2Pでダイナミックにきめてきます。
良好な抜き物件である故に言えるのですが、敢えて贅沢な願望を付け加えるならば、エロ展開・作画における基本をしっかりと押さえた模範的なスタイルに、何か突き抜けた個性をちょっぴり加えると完璧かなぁという印象です。

ティーアイネットさんは、天乃一水先生(8月2日付記:現在はクロエ出版でご活躍中でした 事実誤認をお詫びいたします)、中山哲学先生、しなま先生、そしていのまる先生など単行本2~3冊クラスの作家さんの層が非常に厚いなぁと改めて感じました。
個人的なお気に入りは、勿論、ツリ目巨乳さんが魔性の女に大変貌な痛快逆転劇「お義母さんの教育的指導」。

おおとりりゅうじ『座敷牢』

InRoomOfBagino.jpg今井神先生の『ニードレス』9巻(集英社)を読みました。様々な特殊能力を持つ異能者達の激しい闘いを描く作品・・・だったのですが、すっかりエッチな萌え萌え美少女漫画に。えぇ、大変いいことですね!
後半ではバトル要素も復活してメインストーリーにも回帰しましたし、今後も楽しみですね。あと、山田(♂)可愛いよ山田。

さて本日は、おおとりりゅうじ先生の『座敷牢』(ヒット出版社)のへたレビューです。発売を楽しみに待っておりました。なお、前単行本『胎内温度』(同社刊)や先生の初単行本『The BLACK MAGES』(司書房)のへたレビューなどもよろしければご参照下さい。
ガツガツとした攻撃性で描かれる凌辱エロとホラーサスペンス調の醍醐味を有するシナリオが楽しめる作品でした。

InRoomOfBagino1.jpg収録作は、祭りを見に山中の温泉旅館を訪れた若い男女6人のグループ(カップル二組+女性2名)が謎の集団に襲撃されるタイトル長編「座敷牢」全8話(←参照 第1話より)。
1話当りのページ数は22~30P(平均25P弱)としっかりとしたボリューム感があり、長編作としてグッと腹にたまる読み応えが味わえます。
なお、余談ですが、カバー裏には前単行本に登場の雷音・雷花姉妹、前々単行本に登場のキツネ娘・美留狐とイタズラ狸娘が登場していますので、ファンの方は必見。

【策謀と暴力に溢れたダーク調のミステリー】
ファンタジー系を得意とされる作家さんであり、ちょいとシリアスな要素を混ぜつつも人外娘達が元気よく動きまわるアッパーな作品が多い印象でしたが、今回はハードな凌辱要素も加えたインモラル系のダークファンタジー調。
InRoomOfBagino2.jpg豪雨で周りから遮断された和風旅館という閉鎖環境、神社に祭られる怪しげな本尊とそれに踊らされる惨劇の黒幕たち、降りかかる災悪にそれぞれに異なる反応を示す主人公グループ、それでも徐々に拡大していく凌辱劇の恐怖感など(←参照 覚えのない自身の姿 第4話より)、ホラーやミステリーの王道的な要素を用いる作劇は、ベタ故に読み手の推量をやや簡単にしていますが、それでも最後までしっかりと読ませるパワーがあります。
惨劇に秘められた旅館の夫婦の悲しい過去を描き出し、まるで蓄積した彼らの罪と後悔を浄化するような業火の中に、喜びと悲しみを携えて2人が消えていくクライマックスは読み手の心を打ちます。
後書きにおいて、“(話が)とっちらかっちゃいました”と謙遜されていますが、風呂敷を広げ過ぎて畳むのを難しくしてしまった長編「The BLACK MAGES」や、逆に展開を急ぎ過ぎてしまった「オニのパンツは・・・」などの既存作品に比べて完成度が一気に増した感があります。
勿論、(伏線は張ってあったものの)事件の解決へ向けたシナリオの転換点がやや安易であったり、ご神体の謎が放置気味であったりする点は、シナリオ面での弱点とも言えますが、重さと勢いのある展開が為されている分、全体として見て不出来な印象を与えません。
主要な登場人物が計10名と単行本1巻の長編作としてはかなり多いにも関わらず、ストーリーを混線させず、エロシーンの豪華さや多彩さに結びつけた手腕も高く評価したいです。

【親しみ易い絵柄で描かれる巨乳美女達】
主人公グル―プの女性陣は、概ね女子大生クラスと思しき年齢層であり、のんびりした性格のボクっ娘ハーフさん、大人しい性格のメガネさん、清楚な黒髪ロングさんに明るい性格のツインテ娘と華やかな布陣。
これに大人の色香を漂わせる旅館の女将ともう一人話の鍵を握る女の子が登場します。
InRoomOfBagino3.jpg少々幅はありますが、皆さん巨乳クラスのおっぱいを備えており、適度に柔らかいお肉が付いた健康的なバディの持ち主(←参照 第6話より)。
引用コマでも窺えるように、髪の毛の艶やかな質感が魅力的であり、激しい体の動きに合わせて宙を舞うロングヘアはエロ作画における華の一つです。
絵柄に関しては強く安定しており、強くはっきりとした描線が特徴で、90年代の一般向け漫画を彷彿とさせるやや古めのアニメ/エロゲー絵柄が独特の親しみ易さを生んでいますが、以前に比べて大分モダナイズされた感はあります。
塗りが外注された表紙絵は彩色の影響で、かなり元の絵と印象が異なっており、いかにもなデジタル臭さがこの先生の絵の魅力を削いでいる感があるのは残念です。

【シチュエーションで攻撃性を増強された凌辱エロ】
合意の上でのエッチもありますが、それは屋敷に漂う催淫の香による部分も大きく、ラブラブ感に溢れたエッチはほとんどありません。
逆に、地下牢に捕えられた女性達が男性の集団に集団凌辱される様や、姦計に乗せられた主人公側の男性が友人の女性を襲わされたりと攻撃的な凌辱エロが描かれます
InRoomOfBagino4.jpg場合によっては怪我をしている場所を踏みつけたり(←参照 第3話より)、全身の穴を肉棒で蹂躙したりと、暴力的な要素を十分に盛り込んでいるため、強要系のセックス描写が苦手な方は要注意。
いやらしい水音と止まらない淫液を派手に飛び散らせながらガツガツと下半身をぶつけ合うハードなファックは壮観で、特に座敷牢に捕えられた女性が増える後半の乱戦模様は非常にパワフル。
カップルの女性側に関しては、圧倒的な暴力と快楽で交際相手の男性への精神的な操まで丁寧に踏みにじっており、寝取り/寝取られ的な要素が強いのも特徴です。
なお、エロ作画において官能小説的なプロットを用いているのか、女性側の快楽の台詞よりも、男性側の無慈悲な言葉責めと説明台詞の方が圧倒的に多く、濡れ場では男に黙っていて欲しい貴兄は回避推奨。
また、作劇の都合上やむをえない部分が大きいのですが、各エピソード中で濡れ場とシナリオパートが入れ組んでいることも多く、個々のエロパートに実用的読書へ没入する尺がちょっと不足している感もあります。

単なるエロシチュでなく、シナリオとしてファンタジー要素を作品に盛り込むことを得意とするコミック阿吽(ヒット出版社)において、今後とも非常に重要な位置付けにある作家さんだと個人的には思っています。
作家としての確かな成長が窺える今作は、コミック阿吽の誌風の今後を占う上で、非常にポジティブな要素だと個人的には考えています。凌辱エロが大丈夫でしたらエロ漫画ファンには是非ともご一読頂きたいですね。お勧め!

西川康『処女絢爛』

ExtremeVirgin.jpg篠房六郎先生の『百舌谷さん逆上する』3巻(講談社)を読みました。これは、もう、何というか素晴らしい作品でした。笑いと感動のエネルギーに満ち溢れていましたなぁ。
逃れられないコミニュケーションの不完全さとそれを乗り越えようとする人間の意志こそを描き続ける、実に篠房先生らしい傑作ですよねぇ。あと、お騒がせ看護婦韮沢さんこと、タマちゃんは前巻に引き続きいいキャラですなぁ。

さて本日は、西川康先生の『処女絢爛』(富士美出版)のへたレビューです。何ぞ、限定版ということでドラマCDが付いていますが、まだ聞いておりません。また、先生の前単行本『輪姦姉妹』(同社刊)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
淫靡な性器描写とたっぷりの液汁描写をコアとするラブラブエッチを存分に味わえる作品集ですよ。

ExtremeVirgin1.jpg収録作は、プライドの高いお嬢様で生徒会長な少女と初期の少年のエロエロな恋模様を描く中編「麗那会長ゴキゲンナナメ」前中後編(←参照 交際のキッカケ(笑) 同作中編より)、高嶺の花の少女に告白をためらう男の子に幼馴染の女の子が恋愛&セックス指南な中編「まりかにおまかせ」前中後編、見た目はヤンキー少女ながら実は純情な女の子とのイチャイチャ生活な中編「ヤン・でれ」前中後編、男の子みたいな外見の妹の女の子な部分を(色々な意味で)再確認な短編「妹だってば!」+後日談なフルカラー掌編(4P)、および独立した短編・掌編3作。
上記の後日談掌編とフルカラー掌編(4P)の「小雪ちゃんadmirable」、および「ヤン・でれ」の後編(18P)を除いて、1話・作当りのページ数は全て16P。このページ数は多い方ではありませんが、中編作が多いこともあって、男女のラブラブ空間にゆっくり浸れるだけの分量は用意されている印象です。

【テンプレ展開を無理なくこなす甘々恋愛模様】
インモラル系や凌辱系がメインであった前単行本に対し、今単行本は若い男女の甘いラブラブエッチがメインになっており、時に性愛がもたらすウェットな心情や話としての暗い要素はほぼ皆無。
シナリオの構築をあまり重視しないスタイルにはあまり変化がなく、エロ漫画的ご都合主義を遠慮なく導入して物語開始からほとんどラブラブ状態でサクサクとエッチに進展する構成であり、恋愛感情の精緻な描写を期待するのは避けるべきですが、抜き物件としては最適解な手法の一つ。
中編「麗那会長ゴキゲンナナメ」「ヤン・でれ」における、手の届きそうのないお嬢様や人を突き放すクールな少女を恋愛の鎖で絡め取って蕩けさせていく構成や、短編「妹だってば!」のお兄ちゃん大好きな妹ちゃん、見事なまでにイージーな両手に花エンドを迎える中編「まりかにおまかせ」など、お約束をしっかり踏襲する作劇は特筆すべき個性や話としての面白さには欠けますが、口当たりの良さを生み出しています。
c1b0f56c.jpgそして、この要素もベタではあるのですが、甘い恋愛に心ときめかせ、主人公に対して素の表情を示すヒロインの姿が大変キュートなのも作品の魅力を下支えしていると言えるでしょう(←参照 ヤンキー少女の“デレ”「ヤン・でれ」後編より)。
また、流石ベテランの域に入りつつあるだけのキャリアがある作家さんだけあって、ベタな展開から敢えて少し捻ることによるコミカルな演出や、真摯な恋愛感情の描写を要所で用いてシナリオを決して空疎にしない姿勢は評価でき、特に中編作では読み応えは適度に感じました。
勿論、ラストもラブラブ&コミカルなハッピーエンドであり、読後の印象も大変穏やかです。

【スレンダー巨乳メインの制服美少女達】

ヒロイン陣は、中○生クラスと思しき短編「妹だってば!」の短髪スパッツ妹を除いてミドル~ハイティーンクラスの制服美少女達のみで構成されています。
時々ブルマ体操服やらスクール水着(旧型)やらも登場しますが、エロシーンも含めて学校の制服の着用率が高めです。あと、テラテラと光る黒タイツの登場頻度も高いので、それらがお好きな方は要チェック。
等身高めのスラリとした体幹に備わる柔らかおっぱいは貧~巨乳と幅がありますが、並乳と巨乳の境界領域といったサイズが大半。
ExtremeVirgin3.jpgなお、乳房の大きさを問わず、乳輪をかなり小さく描く特徴のある作家さんですので、この点に関して多少好みが分かれる可能性があります(←参照 黒タイツもエロいですな 「まりかにおまかせ」前編より)。
この小さな先端をくりくりと弄り回す様子が大層エロっちいことは付記しておきます。
決して当世流行りの端正な絵柄ではなく、表情や体型の描写に不安定感を覚えることもありますが、個人的にはそれらの粗さが決してネガティブな要素にならず時にキャラの愛嬌を、時にエロの淫猥さを醸し出しているように感じます。

【ねっとりとした粘膜描写が魅力のパワフルエロ作画】
エロシーンがページ数の多くを占める構成であるため、抜き物件としてのボリュームは軽く及第点をクリア。
単行本のタイトル通りに皆さん基本的に処女であり、破瓜の痛みが徐々に圧倒的な快楽に変化していく嬉し恥ずかし初エッチが描かれます。
純潔の証の描写は薄らと描かれるか完全にないかといった程度ですが、恋する異性との結合を果たすことの充足感がもたらす紅潮した表情と甘いラブ台詞が大層魅力的。
丹念かつ淫靡な女性器描写は相変わらず強力な扇情性を有しており、そこから滴る淫蜜が激しい抽送に泡立つ様を大量投入する結合部アップ構図で攻撃的に描写してきます。
ExtremeVirgin4.jpg激しいピストン運動の末に迎えるフィニッシュシーンは、これまた大開脚状態で秘貝を存分に見せつけるヒロインにたっぷり中出しというパワフルなエロ作画・エロ展開となっています(←参照 1Pフルがメイン 「ヤン・でれ」中編より)。
導入パートにも同様のことがいえますが、やや小ゴマが多く、ページ構成が込み入っている感がありますが、そこまでマイナス要素にはならないでしょう。
なお、性感の高みに達すると放尿してしまう女の子が多いので、おしっこ属性な貴兄も要チェックですよ。

信頼感のある抜き物件であり、ことさら特殊な要素を用いずにストレートなエロさでグイグイ押してくる力強さが魅力です。
個人的なお気に入りは、ちょっとツンツンした不良娘がこれでもかとデレまくる中編「ヤン・でれ」で、大変美味しく頂きました。

まぐろ帝國『あいらんど~淫悦の章~』

IslandChapterOne.jpg出張中の空き時間に「大正野球娘。」の原作小説(神楽坂淳 著/徳間書店)を読んでいたのですが、とっても面白くて既刊3冊を一気に読み通してしまいました。
百合成分や小梅と三郎の恋愛描写も含めて優しい雰囲気が心地よいですし、当時の風俗や衣装、料理といった細部までしっかり作り込まれているのが気に入りました。あと、小説版でもたまちゃんは可愛いです。

さて本日は、まぐろ帝國先生の『あいらんど~淫悦の章~』(茜新社)のへたレビューです。まぐろ帝國先生に関しては作家評なども当ブログでは書いておりますので、よろしければご参照下さい。
不思議な閉鎖環境の中で繰り広げられる、妖しくも艶めかしいセックスの描写が強い魅力の作品です。

IslandChapterOne1.jpg収録作は、記憶を失くした少年・六郎が島に流れ付き、そこで以前に肉体関係があったことを女性達と出会い、面妖な世界へと囚われていくタイトル長編「あいらんど」第1~9話(以下続刊)+幕間を描く描き下ろしフルカラー掌編4P、同じく描き下ろし1P(←参照 主人公と双葉 第2話「夜と夢」より)。
フルカラー掌編を除き、1話当りのページ数は18~24P(平均20P強)と平均的な水準。奥深い世界観によるシナリオの誘引力とハードコアな性描写により長編作としての読み応えはしっかりとある印象です。

【ダークサスペンス調の妖しい物語】
今単行本はギャグ色強めの前単行本『LUST TRAIN』(茜新社)やシナリオを度外視して快楽優先主義的なエロ描写に専念した単行本『放課後奴隷倶楽部』(同社刊)などと作風が大きく異なり、これまでの作品の一部でも認められるシリアス&ダーク調になっています。
出会う女性全てに肉体関係を求められ、理由と過去の因縁も分からぬままに圧倒的な快楽にその理性を狂わせていく様を、重厚なシナリオによってじっくりと描き上げていきます。
IslandChapterOne2.jpgそれぞれの名前に番号を含む女性たち、冷たい視線で主人公を監視する謎多き美少女(←参照 死体を洗う 第8話「少女と屋敷」より)、裏で仮面を付けて交じり合う登場人物達など、ホラーサスペンス的な要素も多め。
場面を繰り返しつつ状況をずらしていくループ展開や映写機の映像と場面とを組み合わせるメタ的な展開、主人公の夢と現の境界を敢えて不明瞭にする作劇など、登場人物の人格や認識している現実といったものが相当に不確実なものであることを鋭く描く手法は、“物語”への懐疑・批判の精神を忘れないこの先生の面目躍如と言えるでしょう。
その優しそうな表情に秘めた暴力性が徐々に明らかになる主人公にとって、そのどちらが仮面でありどちらが素顔なのかということも含め、その現実と幻想の交錯が倒錯的で妖美な世界観を作り出しています。
島というこの閉鎖された環境に、新風を吹き入れると思しきもう一人の人物を登場させて以下続刊という形になっていますが、次巻が大変楽しみです。
明朗快活な抜き物件やギャグエロを求めている方にはちょっと不向きな可能性がありますが、既存の作品で言えば短編「すばらしき世界」や「INPRIZONMENT」、「4891 GUILTY CITIZEN」などの退廃的で暗い雰囲気の作品がこの先生の真骨頂と考えている貴兄はマストバイですよ。

【幅広い造形を取り揃えられたヒロイン陣】
登場するヒロインは瞳(1)、双葉(2)、美里(3)、栞(4)、樹(5)、七瀬(7)、そして麗子(0)の計7名。
天真爛漫な妹キャラから、同年代の美少女、清楚な外見の年上ヒロインから何かを企む妖艶な熟女まで年齢の設定には幅があります。
ツンデレっぽい少女もおれば、無表情娘や褐色肌のサバサバとした性格のお姉さんまで定番のキャラ属性も幅広く取り揃えているヒロイン陣の構成は、やや暗く沈みこみがちな作品に一定の華やかさをもたらしています。
IslandChapterOne3.jpg貧乳&ツルツルスージーな娘も入れば、むっちりと脂ののった豊満バディ+濃く黒い茂みの女性まで体型的にも様々ですが、しなやかでありながら頭からつま先までピンッと緊張の糸を通す肢体描写は体型に寄らず秀逸(←参照 美里と 第3話「美里と社」より)。
セーラー服や巫女服、裸エプロンに喪服、メイド服など、キャラ属性にあった衣装のチョイスも○。
ベテランの先生だけあって作画は強く安定している上に、背景や調度品まできっちり描き込む丁寧な作画は好印象で、作品の雰囲気作りに大きく貢献しています。

【ほの暗さを漂わせる官能的なセックス描写】
ループ展開なども用いることもあってか、個々のエピソードにおけるエロシーンの分量はそこまで多いわけではなく、ごく標準的なボリューム。
エロ展開における序盤は比較的大人しい主人公が、行為の進展につれてその鬼畜さを目覚めさせ、倒錯性や暴力性を一気に加速させていく展開の妙が味わえます。
時に洋モノAVのような激しいながらもカラリとしたセックス描写を描く先生ですが、今回はどこがじっとりとした陰湿さを感じさせる背徳感が濡れ場を覆っておりサスペンス調の作劇とばっちりマッチ。
IslandChapterOne4.jpg実に官能的な陶酔の表情や(←参照 第7話「光と影」より)、秀逸な肢体描写がフルに活かされる躍動的なポージングなど、基本でありながら最も重要でもある部分を高質に仕上げるエロ作画も素晴らしいです。
前戯パートも含めて多回戦仕様が基本であるため、抜き所は比較的豊富と言え、少々色気に欠ける無骨な擬音を奏でながらピストン運動を激しく行って秘所やアナルに中出し敢行なフィニッシュが多め。
とは言え、性器アップ構図や中出しにあまり重点を置かないスタイルで、自慰行為やスカトロ(ただしブツの描写は皆無)などを最後に持ってくることも多いので、コアマガジン的な性器ドアップ・大拡張な構図でガッツリ膣内射精をキメないと気が済まない貴兄は要注意。

勿論ギャグエロ系の作品も大好きなのですが、個人的にはまぐろ帝國先生に関してはシリアス系の作品がより好きなのでこの長編作はまさに福音。
特徴的なエロの描き方もあって、いつも以上に万人向けとは言い難いですが、漫画としても面白いエロ漫画をお探しでしたら是非チェックしてほしい逸品です。2巻を今からワクワクしながら待っております。
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