2009年05月

西安『LOVEDOLL』

LOVEDOLL.jpgうさくん先生の一般向け作品『マコちゃん絵日記』(茜新社)を読みました。元気一杯に生きているマコちゃん達の姿をお馬鹿に、そして優しく描き出す実に温かい作品ですなぁ。ご両親達の人物像も大層素敵です。
マコちゃんの好敵手・沙貴ちゃんも実に可愛らしいですが、真面目な突っ込み役の多美ちゃんが一番お気に入りですかね。第8話「多美ちゃんの内緒の巻」は本当にいい話ですよねぇ。

さて本日は、西安先生の『LOVEDOLL』(ワニマガジン社)のへたレビューです。前単行本『エプロンプレイ』(同社刊)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
性に奔放な美少女達とのセックスをちょっぴりダークさを込めた作劇で魅せる作品集です。

収録作は全て読み切りの掌編・短編で15作。主に快楽天・失楽天の表紙絵をフルカラーで収録した「NISHI IORI COVER GIRLS」(6P)も含まれます。
フルカラー掌編3作は4~6P、白黒絵の短編は16~18Pと個々の作品のボリューム感は乏しいですが、エロ展開とシナリオを絡み合わせるコンパクトな作劇は良好でスムーズに読ませます。

【微ダーク系と能天気なラブストーリーが混在】
前単行本が人妻モノ長編がメインであったのに対し、今単行本は3分の1程年上お姉さま・人妻モノを含みつつ美少女モノの短編がメイン。
ただし、少女モノとは言え、適度に体も成長し、セックスの味も覚えたミドルティーンクラスの少女達が登場するので『玩具姫』(コアマガジン)などのガチロリ路線を期待するのはNG。
4cccc694.jpg開始早々男女が貪欲なセックスをしているという実に身も蓋もない冒頭展開から(←参照 短編「しょじょびっち」より)、ヒロインの痴態をたっぷり描きながらシナリオを進行させる技術は相変わらず見事です。
コンパクトな作劇でありながら、背徳的のエロスの魅力を下支えする登場人物の関係性を重視するスタイルも不変。
イトコの姉とのちょっと変わった恋模様な短編「毎日元気君」や二人の少年と少女の3人が幼馴染の関係性を保留しつつエッチに励む短編「おにいちゃんといっしょ」など、能天気なハッピー路線の作品もありますが、脅迫凌辱や性的調教なども含めたダーク要素を含む作品も多いので、コンビニ誌王道の明るく楽しいチアフルなラブコメディのみを期待すると少々苦い気持ちになると思われます。
LOVEDOLL2_20090531235616.jpgシナリオにやや物足りなさはありますが、特に微ダーク系の作品では、表層を覆う能天気さや快楽肯定感が妖しげな雰囲気のセックスが進展するにつれて徐々に変質していき、ラストで性愛のほの暗さがドロリと漏れ出してくる流れは実にこの作家さんらしいです(←参照 快楽の狂気的な連鎖 短編「先生の午後」より)。
なお、「おてつだいマッシーン1号」のような不器用な恋愛表現が実に微笑ましい作品もあれば、後味の悪い退廃の宴が繰り広げられる短編「アイドル伝説」があったりと作劇の方向性が結構バラついているのはマイナス要因と映る方もおられるかもしれません。

【バラエティのある体型設定のヒロイン陣】
上述の通り、ミドルティーン少女か20代半ば程度のお姉さんで構成されるヒロイン陣は、美しさと力強さを兼ね備えるアナログ作画の粋を極めた高質な絵柄で官能的に描き出されています
後書きでも言及されている通り、同じ10代半ばの年齢層でも体型的なバリエーションが施されており、まだ子供っぽさを残す体型の娘もいれば、より成人女性に近いスレンダーな肢体をお持ちの娘もいたりします。
ただし、ティーン少女に関しても全キャラが並~巨クラスのおっぱいを装備しているため、フルフラットなロリータさんをお求めな方には向いていないことはご承知されたし。
LOVEDOLL3_20090531235616.jpg管理人は実のところ、西安先生の作品ではロリよりもお姉さん系や人妻系の方が好きであり、短編「どっちの」の美人秘書なお姉さんコンビや(←参照)短編「アイドル伝説」の女性マネージャーなどのアダルトな色香満載なキャラ造形が大好物でございます。
いい大人の美人教師にネコミミ衣装という、いい感じに馬鹿っぽいコスチュームを組み合わせた短編「先生の午後」もお気に入り。

【密度の高い作劇で魅せる快楽陶酔空間】
ページ数こそ多くないものの、シナリオ展開の処理の巧さもあって分量的には標準レベルを確保
一見雑然としているようできっちり演出を計算されたエロシーンの画面構成の巧みさは素晴らしく、安易な性器ドアップの連発に走らずに快楽に跳ねる女体を躍動的に描き出す手腕は実に頼もしいです。
LOVEDOLL4_20090531235617.jpgエロシーンにおける表情の多彩さも強い魅力であり、緩急を心得た表情のリアクションを表現しつつ、涙と涎で顔面を濡らす官能的な表情へと変化させていく展開も◎(←参照 短編「アイドル伝説」より)。
筆ペンで力強く描かれる擬音に微塵も負けないパワフルなエロ作画には生々しいエロスも宿っており、凡百なネオ劇画作品が束になっても叶わない程の濃厚さが実用性の構築に大きく貢献。
とは言え、その濃厚さが一種のアクの強さを生んでいるのも確かであり、ふんわりとした萌えエロ系が好きな方などにはあまり向いていない印象があります。
キャラによっては陰毛アリの女性器描写は、黒線複数本の修正がやや煩いですが、そもそも性器描写による直接的な煩悩刺激に重きを置かない対応なのであまり気になりません。
また、ちょこちょこ外出しフィニッシュもありますので中出し原理主義な貴兄は要注意。

余談に近いことを話せば、作品も当然楽しみにしているのですが、個人的には職人気質な先生の謙虚さと情熱が伝わるあとがき漫画が大好きで、常に創意工夫を心がけていることがよく分かります。
個人的には後半の美女さんとの快楽陶酔モノがより好みですが、帯や表紙でアピールされているの少女エロも十二分に高質なのでお好きな方は是非チェックされたし。

馬鈴薯『うらはら』

InContrastWithLove.jpg和製シンフォニックメタルバンドDragon Guardianのメジャーデビュー作で3rdフル『Dragonvarius』を買いました。1stからのファンですがヴォーカルが新作の度にどんどんよくなってますなぁ。
台詞と歌詞によって紡がれるファンタジーストーリーは相変わらず突っ込み所満載なのですが、そこも含めて面白いと僕は思います。まぁ、ストーリーの陳腐さと言ったらイタリアの某大御所シンフォニックメタルバンドだってそうですよ。

さて本日は、馬鈴薯先生の初単行本『うらはら』(ワニマガジン社)のへたレビューです。デビュー時から快楽天でずっと追いかけていた作家さんですので単行本が出てくれて嬉しいですなぁ。
穏やかな雰囲気のラブコメや心地よい温度感のある絵柄、熱情的なセックス描写がそれぞれ楽しめる作品集ですよ。

InContrastWithLove1.jpg収録作は、尚・まほ・京子の3人娘のそれぞれの恋路と数年後に漫画家になる夢を叶えた京子の妹・あやの切ない恋模様を描く「うらはら」シリーズ全5作(←参照 3人娘in京子の結婚式 同シリーズ「うらうら」より)、短編7作、および描き下ろしのおまけ4コマ漫画や人物相関図が作品の幕間にちょこちょこ。
1作当りのページ数は16~22P(平均18P)とコンビニ誌らしい分量。エロ・シナリオ共にボリューム感の強いタイプではありませんが、温かい雰囲気のシナリオと熱っぽいラブラブエッチとの調和のとれた融合が読み心地を大変良好にしています。

【ほのぼのとしたコミカル要素が気持ちよいラブコメ作品群】
シナリオ面に関しては、天然癒し系ビッチ(原文ママ)のまほさんが笑顔で男友達を喰らい尽す「うらはら」シリーズ中の1作・「わるいくせ」を除けば、相思相愛の男女の織りなす甘いラブコメディでほぼ統一。
コンビニ誌系のラブコメディでは頻繁に見られる、アッパーなギャグによる笑いの要素を求めるのは避けるべきですが、読み手を微笑ましい気持ちにさせる登場人物の楽しい言動は強い魅力です。
InContrastWithLove2.jpg時々素直になれずにツンツンするヒロインさんもいますが、主人公の男性を優しく受け止める女性像が多く、ヒロイン側の恋心をしっかりと描出できている分(←参照 ねこ可愛いよねこ 短編「ぬくぬくねこ」より)、若い男女の恋の多幸感が読み手にしっかりと伝わってきます。
このコミカルな要素と柔和でいて情熱的な恋愛要素が互いに邪魔をし合わず、相互に良さを高め合っているコンストラクションは地味に素晴らしいです。
コミカル系のテンポの良さと話のスムーズな締め方に比べて、シリアス系のほろ苦いラブストーリーに挑戦した 「うらはら」シリーズ中の「咲きうら」は言葉足らずな感が強いのですが、狙いとしては面白く、今後もこの方向性への挑戦をぜひ続けて欲しいと思っています。
全作大好きですが、真面目なOLさんと年下のヒモ青年のニヤニヤラブラブ展開が続く短編「ロデオエンペラー」が個人的には最愛。

【OLさんや女子大生のお姉さん達がメインのヒロイン陣】

短編「すずめの恩返し」に登場する妖怪・すずめちゃんは外見上ミドルティーンクラスですが、その他の作品は女子大生さんやOLさんなど概ね20代程度の成人女性がメイン。
InContrastWithLove3.jpg長身スレンダーさんからトランジスタグラマーな女の子までボディデザインは幅広めであり、おっぱいも甘食クラスの貧乳さんからぽよんぽよんと柔らかく弾む巨乳までサイズは様々(←参照 余談ですが頭のかんざしがキュート 「咲きうら」より)。
サイズを問わずにふにふにと柔らかい乳房はなかなかに癒し系であり、吸ったり揉んだり挟んだりなおっぱい関係のエロ描写に男性を優しく受け入れる母性愛を感じ取れます。
丸みのある描線で形成される絵柄には可愛らしさと適度なオシャレ感が共に含まれており、実に快楽天系らしい親しみ易い絵柄。
初期作において少々タッチが荒いことを除けば、絵柄の安定感はしっかりとあり、作品の雰囲気に合わせた味付けの変化も出来る器用な作家さんという印象です。
表紙絵の絵柄が中身の白黒絵に比べてかなりイモ臭く、店頭での訴求力が低下している感があるのは残念。店頭では本を裏返して裏帯のサンプルコマを参照されることをお勧めします。

【恋の温度感が男女を包み込むセックスシーン】

ヒロインがセックスの快楽に蕩けていく熱っぽい濡れ場には、シナリオをしっかりとこなしている割には相応のページ数が割かれており、質の高さもあって存在感は十分にあります。
プレイ内容に関しては、あまり特殊な要素はないタイプであり、前戯パート→前穴挿入&ピストン運動→中出しフィニッシュというよく言えば堅実、悪く言えば平凡なエロ展開がほとんど。
上述のおっぱい関連も含め、前戯パートに十分なページ数を割いているのが好印象で、羞恥に顔を紅潮させながらも恋心故に一生懸命フェラやパイズリをするヒロイン陣は非常にラブリーです。
ピストン運動中に絡める情熱的なキス描写もラブラブエッチの魅力を大きく高めています。
InContrastWithLove4.jpg恋心と性の快楽にトロトロに崩れる表情がこれまたエロシーンにおける強力な武器ではありますが(←参照 「うらはら」より)、日常パートの喜怒哀楽の表情変化に比べると多彩さにちょっと不足があるのは勿体ないところ。
一部除いて着衣エッチが中心なので、ラブラブセックスにおける肌と肌の重なり合いを重視する方は要注意。
それでも、陶酔の表情や吐息の描写などによって愛と性の熱気が十分に演出できていたと個人的には思いますけどね。

相手を思い合う前戯パートを重視したエロ展開や穏やかなラブコメの心地よさ、適度な叙情性やオサレ感など、実に快楽天系らしい作品群です。あとがきによれば、先生御自身も所謂“村田蓮爾時代”からの快楽天ファンとのことですが、この雑誌のミームはベテランから新鋭へとしっかり伝わっているのだなあとしみじみ嬉しく思います。
いぬぶろ先生や北河トウタ先生、東鉄神先生、さめだ小判先生などがお好きな方はきっと気に入られると思いますよ。

シルエットさくら『くずざくら』

ArrowrootCherryCake.jpg米国の若手スラッシュバンドWARBRINGERの2ndアルバム『Waking into Nightmares』(輸入盤)を買いました。いつの間にかCENTURY MEDIAと契約していて吃驚しましたが。
うーん、前作に比べて演奏はまとまってきたし、音もかなりヘビィになっていてそれはそれで良いのですが、整合性を無視してでも遮二無二突っ走る若手としての勢いの良さが薄れてきた印象があるのが残念です。

さて本日は、シルエットさくら先生の『くずざくら』(メディアックス)のへたレビューです。ホームページのイラストはよく拝見していたのですが、単行本を買うのは初めてです。
可愛らしい絵柄とカオスな作劇の不思議で危険なケミストリーにクラクラする作品集です。

収録作は、短編・掌編が計14作とかなり数が多いですが、当然1作当りのページ数は2~16P(平均12P強)と少なめ。
個々の作品に関してシナリオやエロのボリューム感が強いとは決して言えませんが、分量がどうのこうのと言ったレベルを超越しているカオスっぷりは存分に味わえるため、個人的には低ボリュームがマイナス要素となっていません。

【カオティックなエロと設定が飛び交う奇天烈ワールド】
シナリオの方向性は非常に様々であり、短編「ぼくのにゃんこちゃん」や「おすすめの乳製品」などのカップルのイチャイチャ話から短編「黒檀の魔女と怪物の塔」などの陰惨な凌辱系や短編「ハッピー・マテリアル」のような大馬鹿ギャグエロまで何でもアリ状態。
ArrowrootCherryCake1.jpg彼女さんの父親に怒鳴られて落ち込む触手モンスターの彼氏君に対し、彼女さんが“人を見かけで判断するなんてサイテー!”と慰める短編「触手彼氏」(←参照 ・・・というか、人か?)や貧乏神社の美人巫女姉妹が某奇祭で有名なちんこ飴の販売で一儲けしようと男性参拝者のチ○コを実況検分な短編「カマナラ様のおかげです」など、素敵にぶっ飛んだ設定が楽しめます。
先生のHP“くろみつどう”では出産・産卵やだるま(四肢切断)や少女グロなど可愛い絵柄からは想像しにくい超アブノーマルなイラストを公開していますが、それに比べればエロ関係の狂気性は今単行本では比較的穏やかです。
とは言え、陰惨なレイプやカオティックな異物挿入、フタナリや女装少年などの性別越境、小人姦や触手エロなどの種族越境、セックスに伴う殺人描写などなど、標準的なエロ漫画作品から比べれば十分アブノーマルな世界も繰り広げられているので要注意。
ただ、作劇面においてあからさまな異常性・狂気性を垂れ流すのではなく、ふわふわとした日常性との奇妙なコントラストを示すことによって、ほのぼのとした明るさや逆に猛烈な禍々しさを生み出す手腕が非常に面白いと思います。
全体的に、話のオチに一工夫がある傾向であり、狂気の世界のどす黒さをラストで増幅したり、ギャフン系のコミカルエンドにしたりとちょっとしたアクセントとして楽しめます。
ArrowrootCherryCake2.jpg個人的には、誘拐された娘が明るく楽しく性的調教を受けるビデオレターを通じて両親が娘の成長を温かく見守るという劇薬クラスのカオス短編「みっちゃんのビデオレター」(←参照 登場人物の笑顔で溢れる作品)と、オチにも笑った上述の短編「触手彼氏」とがgosplan大兄と同じくお気に入り。


【巨乳美少女メインながらバラエティ豊かなヒロイン陣】
ヒロイン陣は、年齢的にはロリから熟女まで幅広めで、キャラ設定的にも巫女さんやフタナリさん、エセ金髪外人さんがいたりと、作劇同様にバラエティ豊か。
上述の様にクリ肥大化を含めたフタナリさんや女装少年などがしばしば登場するため、いくら可愛くても股間にナニがあるのは勘弁という方は回避推奨です。
ArrowrootCherryCake3.jpg(ショタ少年も含め)貧乳ヒロインもちょこちょこいますが、ツルペタさんはおらず、むにゅむにゅと柔らかい巨乳を備えるヒロインの方に存在感があります(←参照 短編「おすすめの乳製品」より)。
萌え成分を大量添加した低年齢向け少女漫画絵柄はとにかくキュートで、アダルトな色香を持つキャラもいますが、ティーン少女を描くと殊更に絵柄が生き生きとしています。
古めの作品が2本ありますが、単にタッチが少々異なるだけで、絵柄の可愛らしさそのものは不変なため、マイナス要因となる可能性は低いでしょう。
なお、そんな絵柄にも関わらず、年上系ヒロインを描く際には密林の如く茂った陰毛描写を添加しますので、苦手な方は留意されたし。

【特殊要素満載ながら普遍的なエロ要素もしっかり確保】
個別の作品の分量が少ないこともあって、エロシーンの尺はどうしても短めであり、がっつり使える抜き物件をお探しな貴兄にあまり勧められない感はあります。
ギャグ系にしろ、ダーク系にしろ、常識をぶっちぎったエロ要素が含まれるため、内容的にも取っ付きにくいと感じる方も多いでしょう。管理人はそれなりにエロ漫画を読んでいますが、ち○こにメスシリンダーを被せて女性器に挿入するギャグエロ漫画を拝読したのは初めてでございます(爆。
しかしながら、キュートな女の子達がおっぱいも含めてぷにぷにと柔らかい肢体を存分に活躍させて肉棒から白濁液を絞り取るセックス描写に十分な扇情性があり、上記の様な特殊要素が大丈夫ならちゃんと使えます。
182a3399.jpg拗音をふんだんに用いるひらがな文字とハートマークで埋め尽くす白痴系エロ台詞のテンションの高さも魅力の一つですが(←参照 短編「触手彼氏」より)、シリアス系ではあまり用いないのはちゃんと空気を読んでいて有り難いところ。
所々で用いる断面図は保健体育の教科書の挿絵然としていて色気のイの字もないのですが、作品の奇妙な雰囲気にはむしろマッチしている感があるのが不思議です。
外出しも織り交ぜつつ、目一杯押し広げられた秘所の最奥にたっぷり中出しというフィニッシュがメインではありますが、射精の様子の描写にあまり力点があるタイプではありません。

とまぁ、エロもシナリオもカオス成分が素敵にてんこ盛りなので万人受けとはいきませんが、雑食なエロ漫画ファンには是非チェックして頂きたい(ある意味で)逸品です。
HPで示されるこの先生らしい特殊性がもっと前面に出た商業作品が沢山でたら嬉しいなぁと思うのですが、取りあえずは未収録作品の回収を急いで欲しいなぁと思うのです。

鈴木狂太郎『魔法教えます!!』

TheSpellOfTenFingers.jpg『かんなぎ』DVD最終7巻を観ました。お婆さんがナギに今生のお別れを言いに来るシーンでTV放送時に続いてまた泣いてしまいましたなぁ。神への敬意と親近感が同居する極めて日本的な信心ですよねぇ。
シリーズ通して振り返ると、一番好きなキャラは貴子、一番可愛いキャラはナギさまなのですが、一番幸せになって欲しいキャラはやっぱりつぐみなんだなぁと思いました。

さて本日は、鈴木狂太郎先生の初単行本『魔法教えます!!』(ヒット出版社)のへたレビューです。帯に“期待の新鋭”とありますが、その煽り文の通りに素晴らしい実力を備える俊英の登場です。
高いストーリー構成力による熱いドラマ展開とヒロインの可愛らしさを存分に引き出す魅惑のエロシーンが共に楽しめる作品集です。

TheSpellOfTenFingers1.jpg収録作は、魔法界の次期頭首である天才魔法少女と彼女に魔法の制御を指導する青年魔道士との恋と悪しき者との戦いを描くタイトル長編作「魔法教えます!!」全6話(←参照 魔力が強すぎて制御できないのです 同長編第1話より)+描き下ろし後日談な短編(14P)+カバーの柱とカバー裏にサブヒロインの女の子の後日談四コマ漫画、および独立した短編3作。
14Pとなかなかしっかりとしたボリュームの描き下ろし短編とフルカラー掌編な「魔法教えます!!」第0話(4P)を除いて、1話・作当りのページ数は20~26P(平均22P)と標準的な分量。特に長編作において、シナリオ構成力の高さが読み応えのあるストーリーを生み出しており、質の高いエロシーンと併せて読後の満足感は非常に強いです。

【練られたプロットをスムーズかつ情熱的に魅せる高い作劇力】
合気道少女な妹と兄貴のラブラブエッチな短編「らぶみっしょん」、シナリオの終盤展開が面白かった中世ファンタジー系凌辱系作品な短編「その剣は誰の為に?」、序盤の不穏な展開から清々しいハッピーエンドに流麗に展開した幼馴染の少女との恋物語な短編「茜色!見ていろ!」の短編3作は、それぞれ高質かつコンパクトにまとめられた作品群であり、小粒ながらも読み応えがあります。
ただ、今単行本のメインはタイトル長編であることは間違いなく、魔法によるエッチなハプニングを描く序盤から伏線を張り、終盤でそれらを回収しながら情熱的なシリアスストーリーへとスムーズにつなげた展開力は見事の一言。
TheSpellOfTenFingers2.jpg一人の若者の少女への深い愛情と力強い勇気が善き者を苦しめる強大な悪とそれが人間にもたらす歪んだ掟を打ち破る王道ストーリー(←参照 長編第5話より)を、一切の外連味無く、熱く実直に描き切ったことを高く評価したいです。
少女の青年への愛が温かいハッピーエンドを呼び込む構図といい、プロット自体はオーソドックスではありますが、伸びやかなストレートさは実に新鮮であり、泥臭いまでの熱さと心地よい爽快感が強く印象に残ります。序盤や後日談には小気味の良いコミカル要素もあって適度なアクセントがあるのも◎。
障壁を乗り越える真の愛と勇気の物語には、躍動的な作画と密度の高いシナリオ展開を生み出す、新人作家さんらしい野心とエネルギーが感じ取れ、一エロ漫画ファンとして快哉を叫びたい気持ちでいっぱいです。
こういった漫画として面白い作品に出会えるからコミック阿吽は素晴らしい雑誌だと常々思うのですよ。

【儚さと強さを併せ持つスレンダー美少女達】
子供らしいあどけなさと己に与えられた役割を真っ当する芯の強さを併せ持つ、実に魅力的なキャラクターを誇る長編作のヒロイン・咲耶を筆頭にヒロイン陣は思春期真っ盛りの美少女で統一
中身は老人・外見はょぅじょ(所謂“ロリばばぁ”)な長編作のサブヒロイン此ノ花様を除いて、年齢的には概ねミドルティーンクラスであり、子供らしさも色濃く残しつつ、恋の熱気や性の快楽を知るお年頃の“らしさ”も演出できています。
全ヒロインがか細い手足を備えるロリ色強めのスレンダーボディであり、勿論ぷにっとした股間はツルツル&スージー仕様という二次ロリスキーには鉄板のボディデザインです。
TheSpellOfTenFingers3.jpg長編の後日談では咲耶ちゃんは子供を出産したため母乳でバストのサイズアップを果たしますが、それ以外ではツルペタ~甘食サイズの控えめおっぱいの女の子のみが登場(←参照 長編第2話より)。
巨乳スキーには勧め難いですが、形が良くプルプルと柔らかい質感の微乳に関連する描写は母乳なども含めて意外に豊富であり、広い意味でのおっぱいスキーにも一定の訴求力を有しています。
萌え系の可愛らしさもありながら、基本は素朴で親しみ易い漫画絵柄であり、適度な荒さや重さ、官能性を備えています。
初期作と最新作の間に多少の絵柄の変化は認められますが、画風は比較的安定しており、初単行本とは思えない高水準を誇ります。

【ハード&アグレッシブに展開する高質なエロシーン】

表帯に“触手に犯されるっ!?”とあり、確かに長編作では触手凌辱エロが存在しますが、メインのシチュエーションではないのでキルタイム系の触手エロ連発の構成を期待するのは×。
物語展開に相応の分量を費やしている分、濡れ場のボリュームに多少の物足りなさはありますが、少女の熱っぽい痴態を描き出すエロ作画・エロ演出は共に高質で十分な実用性を誇ります。
凌辱系では純然たる暴力として、ラブラブ系では互いを強く求める感情の発露として、かなりハードコアなセックスシーンをアグレッシブにまとめています。
この際、戦闘シーンなどでも輝くダイナミックな構図・ページ構成が存分に活かされており、穏やかな前戯パートから一転してガツガツとしたピストン運動をダイナミックに展開。
TheSpellOfTenFingers4.jpgヒロイン自らが陰唇をぱっくり広げる小さな秘所にビックサイズのチ○コを突き込み、子宮口をゴッゴッというマッシブな擬音と共に突き上げる様は大変攻撃的です(←参照 長編第1話より)。
凌辱系では相応に陰惨な展開で集団凌辱の末に精神崩壊というケースもありますが(短編「その剣は誰の為に?」)、ラブラブ系では心と体がつながることのヒロイン側の幸福感を強く出しているため、アグレッシブでありながらくどさの乏しいエロシーンの仕上がりも上々と言えるでしょう。
大ゴマ~1Pフルで描かれる中出しフィニッシュにも十分な迫力があり、性器ドアップや透過図の併用など色々と試行錯誤しているのも好感が持てます。

シナリオにしろ、絵にしろ、新人作家さんの水準が上昇し続ける昨今ではありますが、これほどの実力を初単行本で存分に発揮できる作家さんはなかなか稀有と言えるでしょう。
管理人としては上半期ベスト10入りはほぼ確実かなぁと思うぐらい大好きになった1冊で、今から2冊目が非常に楽しみです。多少のロリ属性が必須ではありますが、エロ漫画ファンな同志諸兄にはぜひ読んでみて頂きたい作品です。文句なしにお勧め!

高岡基文『は~れむ・ちゅーんcos』

d3546bf0.jpgちょっと前にササナミ姐さん(漫画脳)がお勧めしていたので、秋★枝先生の『純真ミラクル100%』1・2巻(芳文社)を読みました。ピュアな優しい気持ちと業の深い暗い感情が混じり合いながら、結局ほのぼのとしている空気が面白い作品ですなぁ。
作中のキャラデザイン的にはあまり前面に押し出されていない気もしますが、主人公モクソンのむっちりバディが愛らしいです。2巻表紙絵のおへそまわりなんて、プニプニ感たっぷりで、こう、堪らないですなぁ(←満面の笑みで

さて本日は、頼れるベテラン・高岡基文先生の『は~れむ・ちゅーんcos』(ヒット出版社)のへたレビューです。昨年8月に出た『は~れむ・ちゅーん』(同社刊)の続編にあたる作品ですね。
よりどりみどりな美少女・美女ヒロイン達と繰り広げる、明るく楽しいエロコメディとゴージャスなエロ展開が楽しめる作品集です。

HaremTuneCos1.jpg収録作は、前作に引き続いて男子校に実験留学している女生徒9名+女性教師2名がコスプレ姿で繰り広げるエロエロ騒動な日々を描くタイトル長編「は~れむ・ちゅーんcos」全8話(←参照 注:ここは保健室です 長編第7話より)。なお、今回発売された初回限定版にはヒロイン達が各種アニメ・ゲームキャラのコスチュームを着て大乱交なおまけ漫画を収録したフルカラーの特別小冊子(24P)が付属します。
1話当りのページ数は、スピーディかつ安定した執筆を誇る高岡先生らしく、16~32P(平均27P弱)となかなか充実したボリューム多人数プレイ中心の豪華絢爛なエロシチュエーションをライトでポップな作劇で見せるため、非常に読み易い作品と言えるでしょう。

【徹頭徹尾能天気でちょっとお馬鹿なエロコメディ】
阪神・淡路大震災で被災しながらも原稿を描き続けたという逸話を持つ大ベテランの先生であり、いい意味でベタな作劇に徹して読者にエロシーンを気持ち良く賞味させるという、商業作家として頼もしいスタイルを本作でも発揮。
HaremTuneCos2.jpg暗さや重さがほとんどない学園エロコメディとなっていますが、触手妖怪が登場してファンタジーエロが繰り広げられたり(←参照 注:この作品は学園ラブコメです 第5話より)、何の脈絡もなく南の島にバカンスに行ってみたり、色々あって大乱交に突入したりと、素敵に節操の無い展開(注:誉めてます)が楽しさを増強している印象があります。
長編作でありながら、明確なストーリーラインがあるわけではなく、単発エピソードを連続させる構成のため、シナリオ重視派に進め難いのは確かです。
しかし、「次に登場するコスチュームは何か?」「今度はどんなエロハプニングが?」と読み手の期待感や好奇心を刺激する構成でもあり、愁嘆場がないことなども含めて、軽快なラブコメとしての雰囲気の明るさを保ったのは高評価。
前単行本に比して、女の子達の好意の対象として男子陣の存在感は増加しましたが、あくまでヒロイン達の可愛らしさの引き立て役であり、恋愛モノとしての印象は強くありません。
話をけん引するヒロインを数名に絞ったのは正解だと思いますが、登場人物の多さが産む人物間の相関の分かりにくさを最後まで整理し切れなかったのはちょっとマイナス評価です。
個人的には、最愛キャラのちんちくりん爆乳女教師・伊吹ちゃん先生があまり活躍せず涙目でございます。

【多彩なヒロインを擁するゴージャスな構成】

前単行本のヒロイン10名に加え、今単行本から本編にも進出した妖艶な保険医・蘭樹先生や各話に登場する様々なゲストヒロインが登場する豪華な布陣となっています。
ツンデレさんだったり、スポーツ少女だったり、おっとり天然娘だったりとヒロインのキャラ設計は様々であり、「これだけ取り揃えておけば誰でもお気に入りのヒロインを見つけられるだろう!」という実にあざとい(誉めてます)構成は非常に高評価。
HaremTuneCos3.jpg姫カットのツンデレ美少女・静香ちゃんとちょいS気味のお嬢様・千草さんのみ貧乳キャラですが、その他のヒロインは皆さんご立派なサイズのバストをお持ちでおっぱいスキー的には正に桃源郷(←参照 管理人最愛の伊吹ちゃん先生inサンタコス 第4話より)。
少々オールドスクールなアニメ絵柄を基調としつつも、時代時代の流行へ適切にアジャストしてくる画風は非常にキャッチーであり、ヒロインの可愛らしい表情やエロエロなナイスバディを確かに演出しています。
引き絵で作画に緊張感が欠けるのがちょっとだけ難ではありますが、作画は大ベテランらしく流石に安定しており、表紙絵とも完全互換という読み手に対して良心的なプロダクションになっています。

【コスプレH縛りながらエロシチュエーションの多様さも魅力】
タイトルに“cos”の文字がある様に、今単行本の売りの一つはヒロイン陣同様に多彩なコスチューム要素。ナース、バニー、ウェディングドレス、巫女服、チアガールコスチュームなどなど大量投入される衣装関係の充実ぶりは視覚的な豪華さの演出に大きく寄与しています。
HaremTuneCos4.jpg複数のヒロインが同時にエロに絡む多人数プレイが多いのが特徴であり(←参照 このコマでは3人に映ってますが4P中です 第1話より)、貧乳キャラと巨乳キャラ、白肌のお嬢様と褐色肌の元気娘、清楚な人妻とエッチな美少女など、多人数エッチにおいて対称を意識した面子を揃えている印象があるのも面白いです。
(意外に話の舞台にならないですが)男子校ということもあってチ○コには困ることはなく、乱交状態になればヒロインの穴という穴に挿入というケースも珍しくありません。なお、強要チックな展開がエロシーンの序盤で認められることもありますが、ハードコアなエロのアグレッシブさは確保しつつ、ヒロイン側の快楽優先主義が徹底されているので陰惨な展開になることはありません。
上述の触手エロに加えて、ボーイッシュな美少女との百合チックな濡れ場、拘束プレイやスワッピングなど、多彩なエロ要素によって、フェラとピストン運動を中核とするエロシーンの扇情性の構築を補助しているのも○。
巨乳クラス揃いのヒロイン陣ということもあって、揉んだり揺れたり挟んだりと活躍するおっぱいのずっしりとした重量感の演出も嬉しいところ。
あまり特徴のない女性器描写であり、修正緩めとは言え強い魅力を感じませんが、そこからトロトロ溢れる淫蜜も含めた各種液汁がヒロインの肢体を濡らしていく様が大変エロティックです。
複数のヒロインの同時絶頂を描く大ゴマ~1Pフルのフィニッシュは頼もしい抜き所であり、中出しとあぶれたチ○コによる外出しぶっかけが混ざるケースも多く、これまた全方位外交的なエロ作画・エロ展開になっています。

作家性の強いストーリーやヒロインのキャラクタの掘り下げを作品に期待する方にはあまり向いていないと思いますが、明るく楽しい抜き物件をお探しなら是非チェックして頂きたい1作です。
あとがきによると、(冗談かもしれませんが)この単行本の売れ行き如何では褐色肌娘・真帆ちゃんがメイン昇格を果たす第3期もあるかも?とのことなので、褐色肌好きの同志諸兄は是非購入されたし(笑。
贅沢を言えば第3期の際には、伊吹ちゃん先生をもっと活躍させて欲しいですなぁ。
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