2009年04月

F.S『魔乳』

EnchantingBust.jpgアマゾンさん(ライダーではない方の)がやたら勧めてくるのでENFORCERというバンドの1stフル『INTO THE NIGHT』を買ったのですが、これがなかなか良い80年代リスペクトメタルでした。
なんというか、NWOBHMがパワーメタルやスピードメタルに拡散していこうとしていた時期のメタルという感じでスラッシュ好きとしても何回聴いても飽きません。お勧め!

さて本日は、F.S先生の『魔乳』(三和出版)のへたレビューです。昨年11月に出版された前単行本『F.SISM』(ジーウォーク)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
フェロモンたっぷりなヒロインの描き方と背徳の快楽が支配するエロシーンのドライブ感が楽しめる作品集です。

EnchantingBust1.jpg収録作は、教え子の男子を事あるごとに誘惑するエッチな美術教師が大活躍な中編「ダイナマイト教師」全3話(←参照 ヌードデッサン中ですが何故描いている方が脱ぐ!? 第1話より)、および独立した短編9作。
1話・作当りのページ数は8~20Pと幅がありますが大半の作品は16P。お話としての読み応えはほとんどありませんが、濃口の味付けをされたエロシーンがページの大半を占める構成なのでそちらの量的な満足感はちゃんとあります。

【凌辱系・近親相姦系メインのお気軽シナリオ】
今単行本はパロディ満載の大馬鹿ギャグで統一していた前単行本とは打って変って、割合普通の(?)快楽陶酔系の作品で構成されています。
ナース凌辱モノな短編「肉便器ナース」やアメリカンスタイルのそばかす娘をいきずりレイプな短編「ヒッチファック」など数本それなりに陰惨なの凌辱系があったり、母子相姦な短編「ママ風呂」や姉弟相姦の短編「小さな不法侵入者」などの近親相姦系が多かったりと、アブノーマル路線の背徳エロが中心となっていますのでご嗜好とよく相談されたし。
コミカルなギャフンオチか快楽の虜となるバットエンド系のどちらかな劇終ですが、どちらにしてもお話としてのインパクトはあまり強くないため、あまり構える必要はないと思います。
帯の訴求文に“ビッチたち”とありますが、メイド喫茶のエロエロスペシャルサービスが描かれる短編「サービスデーは×××」を除けば、明瞭な淫乱キャラは少なめです。
どちらかと言えば、凌辱系にしろ近親系にしろ一度開始されたエロ行為の快楽に抗えず、雪崩式に快楽に溺れていくという構図が多いかなという印象。
EnchantingBust2.jpg“こんなところでプリケツ丸出し”“つまりはセックスだよ!”(←参照 短編「性欲をもてあます兄妹」より)“テメーのケツ穴を尿瓶に使うんだよ!”“野外補正がついたかしら”などなど、大馬鹿ギャグ系で強力な武器となるハチャメチャな台詞回しをエロへの豪快な導入に用いて奇妙なテンポの良さを生んでいるのが面白いです。
これを新人作家さんがやったら一歩引いてしまうのですが、この作家様の場合「ま、まぁF.S先生だし、そういうもんだよね」と変に納得させられてしまうのは僕だけでしょうか?

【年上系多めのむっちりエロバディなヒロイン陣】
ヒロイン陣はミドル~ハイティーンクラスの美少女が3分の1程度、残りは女性教師や母親(実母オンリー)、キャリアウーマンなど20代後半~30代前半クラスの年上ヒロインという構成になっています。
EnchantingBust3.jpg年齢を問わない、妖艶なエロスを濃厚に香らせるボディデザインが大きな特徴であり、柔らかお肉をたっぷりを艶やかな玉肌の下に蓄えるグラマラスな女体の魅力は一級品(←参照 短編「ママ風呂」より)。なお、ぺたんこ娘やスレンダー美女は一人たりともおりませんのでそちらをお求めな方は回避推奨。
独特な垂れ目やぽってりとした唇などが特徴の表情は個性的な魅力であると同時に、苦手な方もそれなりにいる要素と思われます。
非常に力の入った性器描写もエロの華であり、やたらと逞しい特大サイズのち○こと陰唇が花開き膣口が物欲しげにヒクヒク蠢く淫靡なま○この対比はどストレートな扇情性を有しています。

【もっちりお肉とトロトロな液汁とが魅力の妖艶エロス】
ヒロインの柔らかボディを存分に味わいつくすエロシーンは上述の様に各作品の大半を占めており、実用的読書に没入しやすい構成になっています。
上述の凌辱系や強要気味の近親系においては、行為の進展に伴って理性の歯止めが効かなくなっていく演出が為されており、欲望を肉感的なヒロインの肢体に攻撃的に叩き付けるエロ展開はパワフルです。
EnchantingBust4.jpgまた、互いの性器からたっぷりと放出される淫液や、舌に絡みつく唾液、巨乳から噴出する母乳などが淫らな水音を奏でる液汁描写がエロの魅力の一つと言え、フェロモンたっぷりのエロボディとのコンビネーションは大変強力(←参照 メ○スに似ている?気のせいです 短編「サービスデーは×××」より)。
性器や乳首などの局所描写の上手さを存分に活用するねちっこい前戯も実に心憎く、小ゴマを連続させて局所を丹念に弄る様を描き出します。
1枚絵としの魅力を持つ大ゴマの使用頻度が高いながら、多彩なアングル変化やコマ構成によってページ単位でのエロ作画の密度を低下させない実力を披露。
多回戦仕様のエロシーンの締めは肉棒を最奥までパワフルに突き込んで中出しを敢行という迫力のあるタイプであり、引き抜いた後に膣口からとろりと白濁液が垂れ出る様が大変エロティックです。

正直な話、個人的には大馬鹿ギャグ路線の方が好きなのですがこちらの作風はこちら作風で完成度は高く、抜きツールとしてちゃんと成立しています。管理人はアニメの方は知りませんが「クイーンズブレイド」シリーズでF.S先生が好きになった貴兄には安心してお勧めできる1作ですな。
なお、管理人的にはツンツンキャリアウーマンが鬱憤溜まった部下2名に睡姦&凌辱されてしまう短編「奴隷上司」が抜き的に最愛です。

ITOYOKO『桃色下宿ゆ~とぴあん』

SafetyLodgingHouseUtopian.jpgTAGRO先生の『変ゼミ』2巻(講談社)を読みました。相変わらずブッチ切っている変態道の冷静な語り口が、カオティックでありつつもとっても面白いですなぁ。
表面は軽妙なのだけれども、何だかんだで底にあるものはかなり情熱的だと感じるのですよ。つーか、加藤さん可愛いなぁ。

さて本日は、ITOYOKO先生の『桃色下宿ゆ~とぴあん』(富士美出版)のへたレビューです。前単行本『SLAVE GIRLS』(富士美出版)の現在以上に拙い文章によるへたレビュもよろしければご参照下さい。
おんぼろアパートに集う世界各国の美女達とのエロエロ国際交流を明るく楽しく描く作品ですよ。

SafetyLodgingHouseUtopian1.jpg収録作は、お爺さんから遺産として引き継いだおんぼろアパートに大家として向かうとそこには管理人のインド人美女が待っていて~なタイトル長編「桃色下宿ゆ~とぴあん」全9話(←参照 ほっかむりで竹箒なインド美女 第1話「管理人とカレー」より)。
1話当りのページ数は第7話「フレンチ・メインディッシュ」(24P)を除いて20Pと標準的な分量。エロ・シナリオ共にボリューム感のあるタイプではありませんが、作品全体を包む温かい雰囲気は魅力の一つであり大変気持ち良い読書感が味わえます。

【エロ漫画的ご都合主義をスムーズに展開】
前単行本など、近作では鬼畜系の調教エロ作品が目立ちますが、基本的に凌辱もラブエロも何でも来いのオールラウンダーな作家様であり、今回はハーレム展開まっしぐらの朗らかなエロコメディとなっています。
SafetyLodgingHouseUtopian2.jpg亡くなった祖父に恩義を感じる、インド、ロシア、アメリカ、クロアチア、ポリネシア、フランスそれぞれの美女・美少女達が主人公を(エロ的な意味で)鍛え上げ、ボランティアによる女性支援の場であるアパートの解体を目論むイギリス美女(←参照 最終9話「管理人と紅茶」より)を(性的な意味で)返り討ちにするストーリーは、エロ漫画的ご都合主義が素敵に満載。
作中でネタにしている通り、終盤までは次々と登場するアパートの住人達とのエッチを毎回同じパターン(いわゆる“天丼”)で描くスタイルながら、決して読者を飽きさせることのない伸び伸びとした作劇には無理や気負いがなく、非常に好印象です。
ち○こ以外の活躍はあまりないですが、周囲のヒロイン達と今は亡き祖父への感謝の心を忘れず、話の進展に伴って頼りがいのある男性になっていく主人公も○。
予定調和的な大団円といい、強い個性や意外性には乏しいシナリオではありながら、多様なヒロインに彩られる平和なハーレムラブコメとして綺麗にまとまっているのは大ベテランらしい安心感と言えるでしょう。

【多彩な国籍と設定な外国人ヒロイン達】
本作最大のセールスポイントは国籍も様々な外国人ヒロイン達であり、体型や性格、出自に違いはありながら全ヒロインを魅力的に描けています。
例えばロシア娘はクールとか、フランス娘はセクシーとか、それぞれの国の女性へのエロ漫画的なイメージをベースにしたキャラ造形をしている感はありますが、それぞれの出身国の状況をキャラ設定に絡めているのは素晴らしいと思います。
カツオ・マグロ漁業において日本の漁業支援を(正確には国別割当量の転嫁なのだが)受けているポリネシア、ガンガン電気を消費する文明の利器に囲まれてネットで資金運用という(金融危機以前の)いかにもなアメリカ像、ブローニュの森(フランスの森林公園)で娼婦をしていたフランス娘などなど、(いい意味で)ご都合主義万歳なシナリオに比べ意外にもキャラ設定は練られています。
bc31a113.jpgクロアチア出身の女の子・アーチュラは、1990年代最大の悲劇の一つであるボスニア・ヘルツェゴビナ紛争(およびクロアチア紛争)の戦災孤児という、かなり重い設定で正直驚きました(←参照 第4話「傷とサルマ」より)。(なお、“サルマ”とはロールキャベツみたいなクロアチア料理のこと)
全てのヒロインは多かれ少なかれ追われる身であったり、辛い過去を持っていたりしますが、そういった過去の苦しみから離れ、日本で平和に暮らしているという構図そのものがこの作品の大きな魅力かもしれません。
全キャラ大好きですが、個人的な一番はダンサーとして日本に出稼ぎに来ていたプロポーション抜群&クールな性格のロシアン美女・イリーナさん。
gosplan大兄を初めとするロシア・ソ連娘大好きっ漢な諸兄は今すぐ書店へ向かってバグラチオン作戦を開始されたし。

【安定した作画とエロ展開で魅せるハッピー系セックス】
エロシーンの構成に関しては、終盤までそれぞれのヒロインとの1on1なエッチ、ラス前に全ヒロインとのハーレムエッチを楽しんでからお邪魔キャラであるイギリス人お嬢様との一騎打ちとなっています。
多彩な容姿のヒロインとのエッチが目白押しなサービス精神豊かな構成ではありますが、一人一人のヒロインとのイチャイチャ感がどうしても弱まってしまうのはキャラの魅力がある分、ちょっと勿体ないと思います。
エロシーンにおいて生まれたままの姿になってくれるヒロインは、ほっそりとした手足と薄い胸を持つ上述のクロアチア美少女を除いて、程よい肉付きの体幹に柔らかそうな乳尻太股を備える万人向けのボディデザイン。
少々バリエーションには欠けますが、日本男子のウタマロが与える性の快楽を実に気持ちよさそうに甘受するヒロインの表情は良く、エロへの導入のイージーさを帳消しにする温かい多幸感を演出しています。
SafetyLodgingHouseUtopian4.jpg洋モノAVチックな説明的エロ台詞は多少好みが分かれるでしょうが、“ガリアーチ!(露)”“フォルミダーブル!(仏)”“カム!カム!(英米)”と各種外国語が混じるエロ台詞は(←参照 ハラショー!(露) 第2話「2号室とボルシチ」より)実用性の面ではともかくちょっと面白くて個人的には大好きです(笑。
エロ展開も概ね統一されており、各国美女のラブジュース飲み比べ状態になっているクンニ&ヒロイン側によるフェラで1発目の射精を経て、丁寧に描かれた秘所(アーチュラ以外は淡い茂みアリ)に挿入してピストン運動へ進展。
そこからアナルセックスへと変化することもありますが、7割方はそのまま生中出しフィニッシュへ持って行き、大ゴマ~1Pフルで互いの絶頂と限界まで押し開かれた女性器をダイナミックに描く良い抜き所となっています。

ヒロイン数をもうちょっと絞っても良かった可能性はありますが、どの女性も大変魅力的なのでロシアン娘好きだけでなく、褐色肌スキーや金髪美女大好きっ漢など外国人ヒロインが好きな方はマストバイな1作です。
褐色肌好きな管理人はイリーナさんの次に天真爛漫なポリネシアン娘のイオナさんが大好きでございます。話としてはちゃんとまとまっていますが、正直この平和で楽しい空間の続編が読んでみたいなぁと思いました。

フクダーダ『ハニーブロンド』

HoneyBlonde.jpgいけ先生の『ねこむすめ道草日記』2巻(徳間書店)を読みました。単に新キャラが増えるだけでなく、出てきたキャラ同志のつながりの描写が増えていくのがこの作品のいいところですなぁ。
しかし、マイフェイバリットキャラの垢舐めちゃんの出番がかなり少なくて管理人は涙目でございます。

さて本日は、フクダーダ先生の3冊目『ハニーブロンド』(コアマガジン)のへたレビューです。今でも駆け出しですが、さらにレビューが下手だった時に書いた、先生の2冊目『相思相愛ノート』(同社刊)の超へたレビューもよければご参照下さい。
巨乳金髪なイギリス娘とのラブラブエッチをたっぷり楽しめる長編作でした。

HoneyBlonde1.jpg収録作は、中身は完全に日本人で英語はからきしな金髪巨乳のイギリス美少女・エリナ(エレノア)と小さい頃からずっと一緒の少年・正紀のエロエロな青春ラブストーリー長編「ハニーブロンド」全7話(←参照 プールにてデート 第2話より)。作品中にカラーページはありませんが、その他のヒロインも集合なフルカラー折込ピンナップ2枚がおまけとして付属。
1話当りのページ数は第6話まででも22~30P(平均24P強)と十分なボリュームですが、最終第7話は何と54P!と滅多に見られない特大ボリュームになっています。エロシーンの分量が大変充実しており、ピュアなラブストーリーでこってり感を中和しつつも読後の満腹感はかなり強いです。

【やや間延びしつつもソツのない青春ピュアラブストーリー】
ストーリー的には特にヒロイン・エリナの快活なキャラクター性に魅力を下支えされる青春ラブストーリーであり、決して重くはならないもののギャグでごまかさない誠実さは○。
ただ、作者あとがきにて述べられているように、当初の構想から話しが伸びたことが特に中盤のストーリーラインに冗長感を強めているのが多少ネックという印象があります。
シナリオ的に(勿論エロ的にも)重要な役割を果たすヒロインの母・カレンはともかく、主人公・ヒロインをカップルの仲を応援する役回りのもう一つのカップルのシナリオへの不用意な投入も、個人的には話のベクトルにブレを感じさせて評価し難いと感じました。
HoneyBlonde2.jpgエリナが母乳がでるといういかにもエロ漫画という設定はそれなりに重要な役割を持っており(←参照 第1話より)、日本での生活に関して正紀に強く依存する一方、母乳の授受を介した模擬的な母子関係によって対等である2人の関係性が、ヒロインの母乳が止まることで一旦崩れることで愁嘆場を形成し、その相互依存の関係を真摯な愛情によって肯定することによって回復させてハッピーエンドに持ち込む流れ自体は非常に良好。
しかしながら、この手の長編作において必要な登場人物のキャラクターの掘り下げが足りておらず、特に主人公・正紀の人間味がやや薄い印象が、最終話の決意溢れる告白のパワフルさを損なっている感はあります。
勿論、エロシーンの間々をつなぐシナリオとしてはスムーズで安定感があり、実用的読書の邪魔をしない作劇は抜きオリエンテッドな今作としては正しい選択と言えるのかもしれません。

【ゴージャスの一言に尽きる金髪爆乳ヒロイン親娘】
メインヒロインのエリナに加え、性描写があるヒロインは娘以上に爆乳で性にオープン過ぎるエリナの母・カレン(娘と同じくブロンドで当然母乳もでます)とクラスメイトの女の子・しのぶ。
基本的に全キャラむっちりとお肉が詰まったボディデザインなので、ブロンド巨乳=八等身スレンダー+巨乳という方程式を期待している方は要注意。
HoneyBlonde3.jpg肉感的な下半身回りも強い魅力ですが、エロ的な活躍度が高いのは爆乳クラスのおっぱいの方であり、バルンバルンと派手な乳揺れや母乳の噴出、果ては母娘丼メガ盛り(原文ママ)でのダブルパイズリなどおっぱいスキーの桃源郷が広がっています(←参照 第3話より)。
キャラ性や心理描写の深化こそ不足していたものの、恋心とエッチの快楽に率直なヒロイン陣の、天真爛漫なキャラ造形は強い魅力であり、彼女たちの幸福そうな笑顔が心地よい読書感を生んでいたのは確かでしょう。
そんなヒロイン達を描き出す絵柄は、萌えやら色香を前面に出すタイプではなく、クセっ気もあるため必ずしも万人向けとは言えませんが、年頃の少女達の健康的な魅力をチアフルに伝えられていると言えます。
単行本通して絵柄は強く安定しており、小ゴマや引きの構図でも画としての密度を失わない作画は好印象。

【迫力優先でパワフルな突破力を見せるエロシーン】

性の快楽に貪欲な肉食系女子(用法に自信なし)がそのグラマラスな肢体を存分に見せつけるエロシーンは迫力優先のエロ作画・エロ演出に支えられており、言うまでもなく今単行本最大のセールスポイント。
エロのエネルギッシュさの演出を動きの激しさと重量感の掛算として考えると、フクダーダ先生のエロ演出は圧倒的に後者に重きを置くタイプで、効果線をあまり用いず、各種エロパーツも含めた体全体の存在感を強調するエロ作画と言えるでしょう。
HoneyBlonde4.jpgやたらと気合いの入った息遣いと共に描かれるマッシブな腰使いがエロの真骨頂と言え、歯を食いしばりながら積極的にピストン運動の快楽を高めていくヒロインの様子が非常に頼もしいです(←参照 “ふんっ”“ふんんっ”はフクダーダ作品の名物 第7話より)。
シナリオパートに相応の分量を割いていることと、もう一組のカップルのセックスシーンの投入などで、ややエロの尺が足りていなかったり、エロシーンが分割構成されたりなケースもありますが、このエロの迫力で補っています。
また、ページ数が多くなる中~終盤では余裕のあるエロ展開が出来ており、ページ数の豊富さを活かした大ゴマや1Pフル、さらに見開きなどの視覚的にインパクトのあるページ構成を多用してさらに興奮を高めてきます。
全ヒロインの股間はパイパン仕様となっており、淫靡さに欠けるものの臭味皆無のデフォルメ寄り性器描写も修正の穏やかさもあって幅広い層にアピール可能。
獣じみたヒロインの絶叫とやたらとパワフルな効果音に彩られる中出しフィニッシュも問答無用のパワフルさを誇り、ヘビィなセックスシーンを見事に締めくくっていました。

パワフルなエロと穏やかなラブストーリーという、既往の短編群の路線をそのまま長編作に持ち込んで一定の成功を収めていると言えるでしょう。
やや過剰感のあるエロ演出とクセのある絵柄のため万人向け抜きツールとは言い難いですが、取りあえずがっつりハードなエロをお求めならマストバイな一作ですよ。

内々けやき『戻れない彼女』

GirlWhoCannotReturn.jpgツジトモ先生の『GIANT KILLING』10巻(講談社)を読みました。対川崎戦はベテラン勢で先発を固めてきましたが、今後核弾頭・夏木の出番があるのかが気になります。
というか、相変わらず続きが物凄く気になるタイミングで1冊が読み終わる構成がよいですなぁ。

  さて本日は、内々けやき先生の(内々欅名義も含めて)4冊目『戻れない彼女』(富士美出版)のへたレビューです。前単行本『乳よ母よ妹よ!!』(富士美出版)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
快楽の奈落へと堕ちていくヒロインをダーク&インモラルに描くストーリーの痺れるような切れ味をたっぷりと味わえる作品集です。

GirlWhoCannotReturn1.jpg  収録作は、出会い系サイトを利用して自分を買おうとする男性との“ゲーム”に興じるお嬢さんが怪しげな中年男性の与える快楽に溺れていく中編「いい人ばかりじゃない」全4話(←参照 第2話ラストより)+3話と4話の幕間を描く描き下ろしのフルカラー掌編第3.5話(4P)、若奥さん達の夫婦の性生活への悩みに付け込んで破滅を振り撒いていく料理教室のマダムを描く中編「クッキングママ」全4話、および短編「僕の歌は君の歌 君の歌は君の歌」。
今巻から“内々けやき”式脳内旅行に改題したあとがき日記漫画やカバー裏のカオスぶりなど恒例のお楽しみ要素があるのは嬉しいですね。
1話・作当りのページ数は16~24P(平均19P強)と標準をやや下回るもコンビニ誌的には普通のボリューム。とは言え、ヒロインが破滅していく様子の描き方は非常に鋭利であり、個々のエピソードについても中編作全体としても、読み応えは十二分にあります。

【読み手をゾクゾクさせるダークなヒロイン転落劇】
  巻末作である短編「僕の歌は君の歌 君の歌は君の歌」は、小さい頃からの付き合いで肉体関係もありながら、最後の最後で交わることなく大人になってしまった男女の一時の逢瀬を寂しくも優しく描き出す作品であり、男性のモノローグを主体に表現する巧みな心理描写が光る実にこれまでの内々けやき先生らしい作劇が楽しめます。
  しかし、今単行本のメインの中編2作は、愛と性の業ゆえに背徳の快楽の泥沼へと沈んでいくヒロインを描く痛烈なダーク&インモラル系。
ダーク系の作品は決して初挑戦ではなく、内々けやき名義での1冊目『生ママしぼり』(同社刊)の「コンビニ奥さん」シリーズも奥さん陥落モノでしたが、今単行本において陰惨な作劇としての切れ味は大幅に増加しており、読み手をグイグイと引き込む展開は◎。
世の中を冷めた目で見る(見ているつもりである)プライドの高いお嬢様が、女性を喰い物にすることを生業とする中年男性に圧倒的な快楽を覚え込まされ、プライドと金銭をむしり取られ、最後には“地下”の世界に堕ちていく中編「いい人ばかりじゃない」は、ヒロイン転落モノとして秀作であり、中年男性とヒロインの少女の立場の逆転が実に鮮やかです。
GirlWhoCannotReturn2.jpg飄々とした態度の仮面の下に、底知れない冷徹さを秘めた中年男性のモノローグが実に渋い最終話は、ヒロインがかつての日常と完全に断絶されてことを示す破滅的なラスト1Pで劇終を迎えます(←参照 鳴る少女の携帯を壊すことで“日常”からの途絶を暗示 中編「いい人ばかりじゃない」第4話より)。
   一つのストーリーラインを上手くまとめた中編「いい人ばかりじゃない」、妖しげな薬と催眠を処方する料理教室の奥さんの姦計を軸にオムニバス形式をとった中編「クッキングママ」のどちらの中編作も、抗えぬ快楽の業を見事に描き切り、破滅へとさらに強烈に踏み込むバットエンドの切れ味は抜群です。
中編「クッキングママ」におけるギミックである漢方薬の様に、愛と性の快楽を求める感情は一度コントロールを誤れば“毒薬”となるのだという、スリリングな構図が大きな魅力の作品群と言えるでしょう。

【これまで通りハイティーン美少女か人妻のヒロイン構成】
  中編「いい人ばかりじゃない」のプライドの高いお嬢様はハイティーンクラスの美少女ですが、母モノ・人妻モノが得意な作家様だけあって残りの作品のヒロインは20代後半~40前後の奥様方がメイン。
GirlWhoCannotReturn3.jpgただ、あまり年齢的な描き分けをするタイプではなく、清楚な色気のある表情とグラマラスなエロボディを組み合わせるボディデザインは明瞭なセックスアピールを潤沢に有しています(←参照 中編「クッキングママ」第2話より)。
  少々垂れた感じもありますが、柔らかさと重量感を兼ね備える巨乳の表現は素晴らしく、お尻を中心とする肉感的な下半身と合わせてエロの実用性の基礎を形成しています。
以前は丸みの強い描線を多用する絵柄であり、コミカルちっくなコマの絵ではその画風の余韻を残していますが、よりシャープな描線を用いる絵柄に変化しており女性の可愛らしさと同時に艶・色香をより鮮明に演出できるようになっています。
  なお、全ヒロインがそれなりに茂みを備える女性器の描写は、修正は緩いものの結合部描写を多用する割に、これといって際立つ淫靡さがなく、描写の水準としては低くない分、ちょっと勿体ないところです。

【むっちりエロバディによる激しい肉弾戦を描くエロシーン】
  シナリオパートとエロパートの分量の割り振りはバランス感覚に優れており、実用的読書を嗜むのに十分なボリュームを確保。
導入部でプライドの高さや天真爛漫さなど、ヒロインのキャラクター性を明瞭に立ててから、そのキャラクター性も含めて快楽の渦に飲み込ませるエロの作劇は背徳感を色濃く持つ“破滅のエロス”を確かに演出しています。
GirlWhoCannotReturn4.jpg  逞しい肉棒を女性器の最奥までマッシブに叩きつけ、水音と飛沫を結合部から散らすピストン運動はかなり激しく描かれており(←参照 中編「いい人ばかりじゃない」第4話より)、声にならない声を上げて理性を失っていくヒロインの表情も非常にエロティック。
多彩なアングルで結合部描写と全体描写を見せ付けるエロ作画は安定感が強く、場面場面で読み手の性欲を煽って来る男女双方のエロ台詞も有効と言えるでしょう。
  分量的に多いとは言えないものの、液汁描写によるウェット感の添加も上質であり、汗やら涙やら涎やら、はたまた精液やらが入り混じった液体にヒロインの表情と柔肌が染まっていく様も実にエロいなぁと思います。
上述の様に、ややパッとしない性器表現ですが、迫力のある断面図・透過図の使い方は上手く、乱発せずにここぞという所で投入してくるセンスは個人的には高評価。
  外出しやアナル出しなども含める大ゴマ~1Pフルのフィニッシュシーンですので中出し原理主義な貴兄は要注意。

 エロ・シナリオ双方において、新規の方向性の開拓も含めて弛まぬ進歩を続けており、青春ラブストーリーを描いた前単行本に引き続いて大変素晴らしい作品だと思います。
MARUTA先生の紹介文が書かれた帯が初めて付いた単行本となりましたが、なるほど、これはフクダーダ先生・如月群真先生という、今月のコアマガジン二枚看板に富士美出版さんがぶつけてきただけのことはあるなぁと感じました。お勧め!

大和川『たゆたゆ』

FlowtingBoyAndGirls.jpg岩永亮太郎先生の『パンプキン・シザース』11巻(講談社)を読みました。相変わらず、深刻なテーマを扱っていてかなり話が重くなっていますが、そのテーマの取り扱い方が真摯なのが良いですな。
巻末のIntervalのオチには大いに笑わせて頂きましたけどね!

さて本日は、大和川先生の3冊目『たゆたゆ』(茜新社)のへたレビューです。前単行本『Witchcraft』(茜新社)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
牧歌的な空気が流れる夏の田舎にて少年少女達が繰り広げられる瑞々しい性愛を存分に味わえる作品です。

FlowtingBoyAndGirls1.jpg収録作は、自然豊かな生まれ故郷に一人で戻ってきた少年・怜治君が幼馴染の少女・翠鳥ちゃんと再開して8年越しの恋が叶うも、クラスメイトの女の子達の果敢なアタックによって恋路に一波乱が起きるタイトル長編作「たゆたゆ」全9話(←参照 手前が翠鳥で奥が紫穂 第1話より)+後日談を描く描き下ろしのフルカラー掌編な第0話(4P)、およびクラス担任の女教師による暴走族100人斬り(勿論性的な意味で)な性豪列伝・「たゆたゆ」番外編(16P)。
長編の各話のページ数は20~24P(平均21P弱)と標準的で長編作としての厚みは十分。やや展開に冗長さが認められますが、それ故の心地良い日常性・停滞感は魅力であり、若い性愛の理想像が描かれる作品世界に自然に入り込める間口の広さが感じられます。

【生き生きとした感情の魅力を持つ快楽至上主義】
長編「たゆたゆ」は、主人公・怜治君と幼馴染の翠鳥ちゃんの恋愛ストーリーを軸としつつ、帯の訴求文から推察される通りにセックス三昧な日常をカラリと明るく描いています。
翠鳥ちゃんの妹である紫穂ちゃんを筆頭にクラスメイトの女の子達(全3名)のエッチな誘惑の横槍に抗えず、結局全員と肉体関係を持ってしまう主人公は悪く言えばヘタレなキャラクターであり、前単行本と同様にハーレム状態での大乱交を繰り広げるラストも含め、エロ漫画的ご都合主義が目立つのは確かでしょう。
しかしながら、主人公も含めたキャラクターの感情は裏表や打算のない純朴さを以て描かれており、主人公が目先の快楽と彼女である翠鳥への恋心の間で葛藤する様子や、彼氏である怜治が他の女の子と仲良くなる様にヤキモチを焼く翠鳥ちゃんの様子などはむしろ年齢相応の微笑ましさがあり、読み手に悪感情を抱かせません。
実直な恋愛感情が基礎となる二人の関係性に比べ、その他の女の子達と主人公との関係性には、セックスとその快楽を非常にポジティブに捉える快楽至上主義が色濃く存在します。
とは言え、その性交への積極性を駆動する感情は、肉欲や淫欲と称するにはあまりに眩く爽快であり、思春期の少年少女が持つ純粋な“異性への興味”をそのまま発展させたような屈託の無さを強く感じます。
FlowtingBoyAndGirls2.jpg作中において夏の夜に営まれる男女の性交は、特に序盤において幻想的な雰囲気をまとい、その“非日常性”を強調されます(←参照 満月の下、夜の学校のプールにて 第2話より)。
今作の大きな流れの一つは、この非日常性・特殊性としてのセックスが、少年少女の瑞々しい“性愛の賛歌”によって日常性、もっと言えば人間にとっての普遍的・根源的なものへと回帰させられる点にあると僕は感じます。

【動と静を巧みに織り交ぜて魅せる美少女の痴態】
ヒロイン陣は元気一杯でちょっとヤキモチ焼きな翠鳥ちゃんとその妹でクールな言動が目立つ紫穂ちゃん、クラスメイトのレズ姉妹・はるか&さやかちゃん、同じくクラスメイトで大和川先生お得意の見た目は清楚・中身はビッチ(いい意味で)な高峰さんの計5名。過疎化の進む田舎のため、主人公以外の高○生はこの5人の少女しかいないという羨ましい設定です。
因みに女の子達は全キャラ関西弁ですので、苦手な方も方言大好きな方もそれぞれ留意されたし。
決して派手なセックスアピールを備えるキャラデザをしない作家様ですが、貧~巨クラスのおっぱいを備える等身高めのスラリとした肢体は、若者らしい清らかな官能性を宿しており、オリジナリティーの高い魅力と言えます。
えげつない性器結合部アップとその魅力をさせる水準の高い性器描写、全身を突き抜ける快楽に時に張り詰め、時に蕩ける女体の全身を巧みに魅せる構図は、いずれもエロ作画における強い武器。
FlowtingBoyAndGirls3.jpg初単行本『AQUA BLESS』から顕著な高い画力によって描かれるヒロインの痴態は、皮膚の下の筋肉や骨格の動きすら感じ取らせる力強い躍動感を誇りながら(←参照 最終話より)、快楽と混じり合う多彩な情動を画面に浮かび上がらせる繊細さを併せ持っています。
表面は静穏でありつつもその内部は実に激しい性の快楽の演出、それを享受するヒロインの姿によって、テンションの高いエロ台詞や効果音の大量使用、アへ顔などの派手なエロ演出を用いずとも、ハードコアなエロを形成出来ています。
絵柄に多少クセがあるため、必ずしも万人向けの抜き物件とは言えないものの、逞しい美しささえ感じるセックス描写は実用性云々を差し置いても非常に大きな魅力になっています。

【生命溢れる夏】
今作の魅力を高めた最大の要素は、丁寧な背景描写によって彩られる自然豊かな夏の田舎という舞台設定であると僕は思います。
日本人の原風景とも言えるその舞台は、読み手の郷愁を誘って作品世界への印象を良くするとともに、設定上登場人物を少数に限定しやすい漫画的な意味で利便性の高いものでもありますが、今作においてはシナリオの方向性と夏の田舎という舞台設定が密接に関係しています。
燦々とした太陽の下、様々な生物の命に溢れかえる夏の自然は、間断なく繰り返される生命の営みの逞しさを象徴するものです。
FlowtingBoyAndGirls4.jpgその空間においてセックスが描かれることは、まぎれもなく“人間”の“生物”としての側面を強調するものであり、生物にとって普遍的な“生としての性”を讃えるものと言えるでしょう(←参照 第4話より)。
物語ラストにおいて、主人公とのハーレム状態を楽しく描きながら、その刹那的な快楽と喜びが将来においては(少なくとも翠鳥以外の女の子達では)消え去ってしまうことを示します。
しかしながら、夏を謳歌する数多の生命が秋冬を恐れて生き急いでいるわけではないのと同様、作中の少年少女達も将来の別離や恋愛の排他性を全く苦にしません。
それは、若者の性愛というものが、過去でも未来でもなく、その瞬間瞬間を生きるということの象徴に他ならないからでしょう。
彼ら彼女らが自身の“現在”の積み重ねによって何処へと行きつくのか、ということは描かれませんが、若者の瑞々しい性愛がもたらした大団円を心から祝福したい作品だなぁと思いました。

シナリオの流れとセックスシーン、および作品の舞台が高い水準で調和し、質の高いハーモニーを奏でている良作です。
抜き物件としても十分信頼できる上に、絵の魅力やシナリオのテーマ性も光っており、幅広いエロ漫画好きに強くお勧めしますよ!
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