2009年01月

深田拓士『真夜中のマリオネット』

MidnightMarionette.jpg予約注文していたのに在庫切れという無念のkonozama状態を喰らっていたLegion of the Damnedの新譜がやっとこさ届きました。
若手スラッシュ陣の中では抜群のアグレッシブさとヘビィネスさを持っているバンドですなぁ。ブルタールなデスメタルが好き方にも結構お勧めですよ。

さて本日は、頼れるベテラン・深田拓士先生の『真夜中のマリオネット』(フランス書院)のへたレビューです。当ブログではこれまで3冊ほど深田先生の作品をレビューしていますので、よろしければそちらもご参照下さい。
玲瓏な色香をまとう美女たちが圧倒的な性の快楽によって堕ちてゆく様を存分に楽しめる作品集ですよ。

収録作は全て短編で11作。1作当りのページ数は16~20P(平均18P)と中の下クラスのボリュームです。
シナリオはさして練られた構成ではなく、かつエロシーンもそれ程分量が多いタイプではありませんが、ベテラン故の安定感のある話運びと重みのある絵柄が話もエロも薄くしていないのは流石の一言です。

【欲望に絡め取られる美女たち】
かつての司出版時代から、軽いコメディもハードな凌辱調教劇も描かれる先生でしたが、今単行本に関してもどちらの作風も存在しています。
MidnightMarionette1.jpgいかにもな表紙絵が示す通り、存在感を示しているのは凌辱系の作品であり(←参照 この目の恐怖の表情が実にいいです 短編「不倫の代償」より)、ラストでどんでん返しを持ってくる短編「ケイタイ」を除けばラブい雰囲気はほとんど存在しません。
美女陥落モノの各作品は、状況説明を軽く済ませた後、凌辱側の欲望を解放させて一気にエロシーンへと突入させます。
このためストーリーとしての厚みを期待するのは避けるべきですが、高慢な美人女優や寂しさ故に男漁りをする義母、部下にキツイ態度を取る女性上司などなど、読書な反感をうまく喚起するようにキャラ立てされたヒロインが暴力的な快楽を叩き付けられて男に屈するという、シナリオの流れそのものがエロシーンの扇情性を強化しています。
MidnightMarionette2.jpgまた、快楽地獄へ真っ逆さまというラストも多いながら終盤の展開にちょっと捻りがあるのも特徴で、会社に出没する幽霊?→実はストーカー娘→いやいや実は産業スパイでした!というオチに膝を叩かされた短編「怪談」(←参照 古典的なハートマークがキュート)や陰湿な脅迫エッチを描きながら実は全部ヒロインの手の上で話が動いていたことが明かされる短編「ケイタイ」などには、地味ながらも決して軽くない漫画としての旨味があります。
勿論、全体的にベタな作風であることは間違いなく、やや平板な台詞回しといい、旧世紀から続く深田節が今単行本でも顕在だなぁという感想です。

【アダルトな艶を持つヒロイン陣】
男性の黒い欲望の犠牲者になるヒロイン陣は義母さんやいわゆる姉嫁、およびOLさんや女優など成人女性が中心
人妻系を得意とする先生だけあって、20代後半~30代半ばぐらいの女性の描き方は非常にうまく、適度に脂ののったグラマラスな女体が大きな魅力
MidnightMarionette3.jpg特に熟女クラスでは、ちょっとくたびれ始めた顔面やゆるみが出始めただらしのない肢体の表現がグッと腹にたまる妖艶さを放っているのが実にそそります(←参照 おそらく30代半ばの人妻 短編「義母と先生が・・・」より)。
ヒロインの気の強さや清楚さを表現する釣り目がちな目の表情も多彩で作品の演出に大きく貢献。
太く濃い描線や黒ベタを多用する重厚な絵柄であり、ヒロインの設定やエロの方向性にしっかりと適合しています。
現在に比べて描線が細くあっさりとしていた絵柄である旧作が2本ほど入っていることにはちょっとだけ留意されたし。まぁ、膨大な仕事をこなしてきた先生なので、こういった未収録の旧作も単行本に収録しないと埋もれたままになってしまうわけで、一ファンとしてはむしろ嬉しく思っています。

【むっちりバディを蹂躙するエロシーン】

妖しい色香を振りまく美女たちが野郎どもの姦計にたばかられてその身を燃やしつくす快楽に陥落するエロシーンは抜き物件として盤石の作りであり、満足度は十二分に高いと言えます。
エロ展開は概ね2回戦仕様となっており、先ずは羞恥と嫌悪の表情を示すヒロインに口淫を強いて喉に白濁液を注入。
その背徳の行為に淫らな蜜をトロリと漏らす下のお口を肉棒で押し開き、その後はボリューミィな肢体を存分に弄りながらピストン運動を展開して中出しフィニッシュへ持って行きます。
eb13e146.jpg親娘同時凌辱(←参照 短編「デビュー」より)や拘束系エッチ、痴漢エッチなど攻撃的なエロシチュも豊富に取り揃えられており、エロの盛り上がり方も上々
全体的にダークトーンで整えられた作風ではありますが、快楽が全てを支配するタイプであるために精神的負荷はあまり強くなく、かつ上述の様にヒロイン側にも多少問題点があるため、一部の作品ではむしろ痛快な印象さえあります
なお、ほぼデフォルトで陰毛アリアリな女性器描写の質は相変わらずあまり高くありませんが、性器ドアップや透過図・断面図にあまり頼らないエロ作画なのでさして気にはなりません。
現実的といえば現実的ですが、やけに量の少ない精液描写はちょっと寂しいかなぁと個人的には思います。

良くも悪くもいつもの深田先生の作品であり、ちょっとオールドスクールな部分はあるものの、ファンにとってみればむしろ安心して買える材料と言えます。
まだ、深田先生の作品を読んだことがないという貴兄の入門用としても全く問題ないので、美少女よりも美女だ!という方はこの際チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

のら猫長屋『ほろあまオモチャ箱』

BitterSweetToyBox.jpg小梅けいと先生によるコミカライズ版の『狼と香辛料』2巻(支倉凍砂原作;電撃コミックス)を読みました。あぁ、もう、わっち可愛いよわっち。
48Pを開いた時に管理人は悶絶。ただ悶絶。僕もちょっと行商人になって麦畑探してくる!(最高に爽やかな笑顔で

さて本日は、のら猫長屋先生の『ほろあまオモチャ箱』(フランス書院)のへたレビューです。フランス書院恒例のテスト販売の恩恵に与れずやっとこさレビューです。
ロリータさんからママさんまで幅広いヒロイン達との汁ダクエッチが楽しめる作品集ですよ。

BitterSweetToyBox1.jpg収録作は、お兄ちゃんラブをこじらせて兄貴の性玩具状態でハッピーな日々を過ごす耶社ちゃんと兄貴、および耶社ちゃんのクラスメイトとその母親達のエロエロな日々を描く「オモチャ」シリーズ他6作(←参照 兄貴はかなりSです 「オモチャの改造計画」より)、および短編6作。
あまりストーリーラインのつながりはありませんが、キャラ関係を把握する上でも前単行本『オモチャたちの吐息』(フランス書院)は読んでおくことをお勧めします。
1作当りのページ数は16~26P(平均20P弱)と標準的なボリューム。漫画としての読み応えは全般的に弱いですがエロの分量はしっかりと確保されており、濃い目の味付け故に読後の満足感は十分に強い印象です。

【雰囲気の演出優先の作風】
作品の方向性に関しては、真面目な生徒会長さんが教師や教員委員会の重役に性玩具にされる微ダーク系の短編「些し重いモノ」から天然気味の乙姫さまがタイ子さん&ヒラメ子さんと一緒に助けてくれた男性にエッチな恩返しな明るい快楽至上主義系まで幅広めながら前単行本にも増して和姦系にシフト
シナリオはエロへの導入に一定の整合性を付与すると共に、ヒロイン陣の可愛らしさや不幸さなどを引き立てることに徹しており読み物としての面白みはあまりない印象です。
「オモチャ」シリーズにしてもクラスメイト達のそれぞれのエピソードを増やしつつも、メインとなるSな兄貴とそれに純粋無垢に従う妹との関係はほとんど変化しておらずやや金太郎飴状態になってきたのはちょっとマイナス要因。
短編「街角の恋人」のようなラブラブ系にしろ、短編「些し重いモノ」のようなインモラル系にしろ個々の雰囲気の演出を優先しており、背景設定や心理に関しては自由に察せよというタイプと言えるでしょう。
BitterSweetToyBox2.jpg個人的には、資産家とその使用人の間に生まれ、遺産を狙う親族に監禁・凌辱された少女の悲しい行く末を描く短編「常世」はお気に入り(←参照)。
男性によって救い出されながら、決して日常を二度と取り戻すことのできない、“壊れて”しまった世界に苦しむ少女の姿は実に悲愴です。


【ロリから熟女まで幅広いニーズにお応えなヒロイン陣】
上述の様にヒロイン陣は耶社ちゃんを筆頭とする小○生クラスのアリス達からそのママン達まで幅広め。どちらかと言えば、ロリっ娘さん達が多めかな?という感じです。
ボディデザインに関しても結構様々であり、おっぱいがかなりけしからんレベルに成長した小○生女児やら、爆乳な特撮ヒロインやら全体的にミニマムな稲荷神ちゃんやら、色々なタイプのヒロインをお取り揃え
BitterSweetToyBox3.jpg個人的には、共にエロ的に無敵でキュートな悪魔っぷりを発揮している森本親娘の娘の方・サキちゃんの小悪魔っぷりが最愛(←参照 クラスの男子をゆーわく 「雨の日 梅雨空 秋の空」より)。
頭でっかちな身体描写や、やや鋭角的な顔の描き方などを示すオールドスクールな絵柄であり、最新の萌え絵柄を求めるのはちょっと難しいのは確かでしょう。
細かい線が入り組んだやや込み入った作画ですが、後述の液汁描写も含め、エロ絵の猥雑感を出すうえですっきりした絵柄にはない大きな強みがあるのも間違いありません。

【汁気たっぷりのエロシーン】
ヒロイン陣は幅広いものの、エロシチュやプレイ内容にさしたるバリエーションはなく、時々絡めてくるフェラシーンを除けばち○ことおみゃんこの力強い直接対決を十分な分量で描くタイプ。
とは言え、のら猫長屋先生の場合、エロシーンの演出にこそ魅力があるタイプであり、各種液汁にぐっしょりと濡れた女体やエロス行為に対して示すヒロインの官能的な表情の煽情性が実用性を大いに高めています。
BitterSweetToyBox4.jpg特にピストン運動の最中にもしばしば挿入してくるキス関連の描写が凄まじくエロチックであり、互いの口腔内をねぶり合ったり、突き出した舌を涎に塗れさせながら舐め合うシーンには実にグッと来ます(←参照 人妻トリプル舌舐め 「そんなお仕事」より)。
これらに加え、派手に飛沫とジュプジュプという効果音を撒き散らす結合部描写や巨~爆乳キャラなら派手な乳揺れを絡めたりと総合的にエロの演出力は高め
ラストも全身濡れ濡れになりながら、さらにグシャグシャなイキ顔を晒すヒロインの最奥に白濁液を追加注入という様子を1P~見開きでパワフルに描いており抜き物件としては盤石の構成と言えるでしょう。
いじましい耶社ちゃんが性的な意味で大活躍な「オモチャ」シリーズも抜き的な意味で大好きですが、今単行本ではロリロリ狐神様がとってもキュートな短編「故に我在り」が実用的読書のお供として最愛です。

エロにしてもシナリオにしてもやや方向性がバラけているため、明確な訴求層を定めにくい感はありますが、雰囲気の良い抜き物件としての安定した評価を得られるであろう作品集です。
エロければロリも人妻もどっちも大好きだぜ!という頼もしい同志諸兄にはお勧めですよ。

抹茶ちゃもも『その手に救いは届かない』

NoRescueOnHerHand.jpgササナミさんの記事で御免なさい先生が失楽天でギャグ漫画描いていることを知り、昨日コンビニで購入。赤音ちゃん可愛いよ赤音ちゃん。
他にも、ポン貴花田先生特集があったり、毒気の無い方のまるき堂先生が描いてたり、たんたん先生の短編が結構良かったりと内容充実の1冊でした。

さて本日は、抹茶ちゃもも先生の『その手に救いは届かない』(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューです。前単行本にして初単行本『堕ち果てる私』(キルタイムコミュニケーション)が結構好きだったので継続購入しました。
可愛らしく描かれる戦闘美少女達に襲い掛かるハード&バイオレンスな凌辱劇が楽しめる作品集です。

収録作は全て短編で8作。1作当りのページ数は16~24P(平均20P弱)と標準的なボリューム。
内容的にはかなりハードでマニアックですが、その異常性をあまり感じさせず、エロの攻撃性の演出に留めている感があって意外に読み易いです。なお、前単行本でもあったほのぼの4コマ漫画がカバー折込部にあります。

【バッドエンド確定のファンタジー系凌辱エロ】
アダルトゲームを原作とする作品が半数以上を占めた前単行本と異なり、今単行本では全作オリジナルですが、やっていることはさして変わらずキルタイム王道の戦闘美少女凌辱&陥落モノがメイン
NoRescueOnHerHand1.jpg高い戦闘力を持ちながら人質や媚薬といった悪役達の卑劣な策略にヒロインが絡め取られ、苛烈な凌辱にその誇りと理性を崩壊させられるバットエンドへ問答無用に駆け込んでいきます(←参照 壊された巫女姉妹 短編「お山のかみさま」より)。
シナリオ展開の妙や重厚なストーリーを期待するのは難しいですが、素敵にワガママなお姫様が信頼していたイケメン宰相に裏切られ、“豚”呼ばわりされて絶望する短編「笑顔の向こう側」に代表されるように、シナリオ展開自体もかなりえげつないケースが多く、その畳み掛ける攻撃性はなかなか痺れます
分量的には多くないものの、導入パートでのヒロインのキャラをキュートorクールに立たせる手腕も上々であり、激しく描かれるエロシーンと好対照になることで破滅的なエロティシズム引き立てています。
余談ながら、カバー裏や恒例の4コマ漫画に代表される、茶目っ気のあるユーモアがちょっぴり添加されているのが抹茶先生の隠れた持ち味だなぁとも思います。

【ロリータさん多めの戦闘美少女達】
短編「校外試合」のチビっ娘スラッガーちゃんや短編「カメラの代償」の気弱メガネっ娘などもいますが、基本的には女武者やら魔法少女やら退魔師やらのファンタジーの住人達がヒロイン
NoRescueOnHerHand2.jpg年齢不詳さんもいますがミドル~ハイティーンに相当するであろう美少女さん達がメインであり、時々巨乳さんもいながら体型や表情は幼い感じを強調されていることが多い印象です(←参照 こなちゃんっぽい? 短編「好きでちびこいワケじゃない!」より)。
丸っこいボディラインとぱっちりお目々がポイントな濃いぐらいの萌え絵柄であり、多少人を選ぶ感はありますが、ロリっぽさのあるヒロインを描くには好適なタイプ。中身の絵柄と齟齬は全くなくかつ絵柄は安定しているので表紙絵での判断でOKです。
ファンタジー系エロ漫画の醍醐味の一つでもあるコスプレ要素の華やかさは魅力の一つですが、短編「カメラの代償」では設定ガン無視でヒロインが巫女服を着ていたり、短編「好きでちびこいワケじゃない!」ではほとんど無理矢理な設定で(誉め言葉)魔法少女にスク水を着せてみたりと、それはギャグでやっているのか!的な感じさえあります。この辺りも先生らしい茶目っ気だと個人的には思いますが。

【バイオレンス&カオティックなエロシーン】
今単行本の最大のセールスポイントは、上述の様にラブリーに描かれる美少女達が滅茶苦茶に蹂躙されるエロシーンであることは間違いありません。
NoRescueOnHerHand3.jpgありふれた触手凌辱エロとは一線を画する攻撃性が誇り、スカトロ描写やヒロイン側の流血さえ辞さない暴力性を備えています(←参照 短編「魔討姫偃息図」より)。
ツルツルスージーさんな割れ目に極太の触手や異物を無理やり捻じ込まれ、ブチブチと処女膜を破られたヒロインが破瓜の血を流しながら声にならない絶叫を上げる様子はかなり強烈。当然の如く、性行為の最中はヒロインの泣き顔と悲鳴しか登場しません。
触手モノにおいても、口・前穴・アナルの3点は当たり前で鼻や耳、乳首や尿道まで容赦なくテラつく肉塊が侵入してヒロインの華奢な体を蹂躙します。
化け物の産卵+出産があったり、クリトリスへの無惨なピアッシングがあったりと、プレイ内容そのものは2008年屈指の狂気作・keny先生の『絶望の詩』に匹敵する過激さを有しています。
NoRescueOnHerHand4.jpgしかしながら、抹茶先生の場合、媚薬などの便利アイテムなども絡めることもあってそこに暴力的な快楽の嵐を吹き込みます(←参照 短編「刃の往く先」より)。
このことが苦痛描写一辺倒であることを回避し、(良くも悪くも)描写としての執拗さが少ないことと併せて、過激な内容の割にはサクサクと抜きに用いることを可能にしています。
なお、各シーンの扇情性に関して、性器ドアップに結構依存している割には女性器描写がイマイチなのはちょっとマイナス。フレーズ連呼系のエロ台詞もちょっと印象が硬いかなぁとも思います。

内容が内容なので万人にお勧めとはとても言えないのですが、ハードコアでエクストリームなエロ漫画をお求めな貴兄には結構お勧めですよ!
個人的には短編「好きでちびこいワケじゃない!」と短編「笑顔の向こう側」でがっつり使わせて頂きました。

柚木N'『めちゃLOVE☆』

ExtremeLove.jpg『かんなぎ』DVD3巻が届きましたが、週末までとてもじゃないが観てる時間がありません。特典のサントラを聴きながらレビュー書いております。
あと、イラストピンナップ2種のうち1枚は鳴子ハナハル先生で嬉しいなぁと。ナギさまの脇が!脇が!!(大切なことなので2回言いました。

さて本日は、柚木N'先生の『めちゃLOVE☆』(三和出版)のへたレビューです。前単行本の『シシュンキのアレコレ』(茜新社)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
お馬鹿テイストやシリアス要素による話としての懐の深さを持ちながら、エッチで可愛い美少女とのラブコメの楽しさも同時に強く保っている作品集です。

ExtremeLove1.jpg収録作は、演劇部の男子生徒が衝突のショックで憧れの先輩と肉体が入れ替わってしまうTSモノな「碧井先輩ごめんなさい」前後編(←参照 前編より)、および独立した短編7作。
1話・作当りのページ数は16~24P(平均20P)と平均的。エロの分量優先の構成ながら合間合間のシナリオパートの柔らかい雰囲気が非常に良く、気持よく読み進めることができます。

【雰囲気作りの上手さが光るラブコメディ】

三和出版様での前単行本の傾向を引き継ぎ、姉弟をメインとするお気楽気味な近親相姦モノが半数程度を占めています。
ExtremeLove2.jpg姉以外では、短編「きゅん。」の天然だけど愛情豊かな母親や短編「PRETTY・BLOND」の腹違いの妹(金髪褐色肌のアメリカ人)などの家族達が登場しますが、彼ら彼女らがセックスに至る道程はエロ漫画スタンダードを踏襲したハッピー&チアフルなタイプ(←参照 “お兄ちゃん大好き(はあと”的展開 短編「PRETTY・BLOND」より)。
これらの近親相姦モノは大まかに言ってペタな作劇と言えるのですが、ピュアな好意や嫉妬、家族愛などの登場人物達の感情は描写として多くは無いものの、そこに伸びやかさがあって各作品から悪い意味での凡庸さを取り除いているのが非常に高評価
先生による作品解説で“テレビCM”を例に引き、短い時間に情報をギュッと詰め込みつつそこに想像を呼び込む余地を残すCMが好きだとおっしゃられていましたが、正にそのような作劇が今単行本ではしっかり出来ていると強く感じます。

【磨かれてきたネームセンス】

また、今単行本では編集さん側から「姉モノ以外でも自由に描いてみて」と言われたことが作風に広がりを持たせており、それでいて単行本通して雰囲気の良さの変遷がないのは大きな強み
特に人格入れ替わりのトランスセクシュアルものである「碧井先輩ごめんなさい」や、主人公が透明人間になって~な短編「君には視えない」は共に特殊なシチュエーションを絡めた作品ですが、近作で急激に切れ味を増したネームセンスが存分に味わえます
前者は、好きな女性と入れ替わりその女性の彼氏、および自分自身の肉体と交わる、究極のオートセクシュアリズムを描きながら、それを通して心身における“好きの気持ちの在り処”を浮き彫りにする展開、後者ならば見えること、つまりは相対しえるものとして存在することの大切さを強く主張する構成の妙は実に味わい深いものがあります。
ExtremeLove3.jpg特に後者の短編「君には視えない」では、透明人間になって自分をフッた女の子をレイプというやや陰惨な中盤までの展開ながら、女の子の悲しい心情の吐露(←参照)、そこからつなげる主人公の力強い告白は共に非常に魅力的です。
入れ替わりネタ、透明人間ネタと、言わばイロモノを用いながら、決して単なるギャグやエロのギミックという卑俗に落とさず、シナリオラインとしっかり絡めた技量は高く評価できます。

【年上系ヒロインとの甘々エッチがメイン】

ヒロイン陣はハイティーンクラス~実母(推定30代半ば)と幅広めながら先輩やお姉ちゃんなどの年上系美少女が中心
性格設定はツンとすましたクール美女から天真爛漫なお兄ちゃん大好きっ娘まで様々ですが、ボディデザインは柔らか巨乳を備える柔らかエロボディで統一
以前はエロシーンにおいて乱れがちであった描線がしっかりと整理されており、絵柄の安定感は増し続けています。かつての線の荒さは行為の激しさの演出としてその足跡を良い方向で残しているのも○。
ExtremeLove4.jpg先生の好みもあってほぼ着衣エッチ縛りですが、プレイの内容やエロシチュもなかなかバリエーション豊かで、着衣である利点を生かしたスケスケ濡れシャツで着衣パイズリを描いてみたり(←参照 短編「Don't cry マイ・シスター」より)、エッチなお姉さん誘惑プレイがあったり、レズ系があったりと色々楽しめます。
乳揺れやハートマーク乱舞な手書き台詞など、エロ漫画業界で定番の視覚的な煽りも用いますが、殊更派手な官能演出するタイプではなく、むしろ体中に湧きあがる性感にギュッと瞳を閉じて抵抗する表情や、行為が進展するにつれて汗ばむ女体といった穏やかな官能性の演出が魅力に感じます。
絶頂を迎えるヒロインの中にビュッビュッと放出なフィニッシュシーンは大ゴマ~1Pフルで描かれていますが、やはり派手さには欠けており、他のシーンに比べて抜き所としての有用性はちょっと低め。中途半端な断面図の挿入も基の魅力を殺いでいる感があります。
個人的には、お兄ちゃん大好きなブロンド褐色娘が念願のエッチで身も心も幸せに~な短編「PRETTY・BLOND」が抜き的に最愛です。

結構速いペースで作品を発表しておられ、かつ描き続けることで実力をメキメキと上げてきた、その作家として真っ当な成長の仕方に対して僕は強い好感と信頼感を持っています。
5冊目、6冊目ではどんな作品を描いてくれるのか、今から非常に楽しみな作家様ですな!お勧め!

流一本『Parabellum2』

Parabellum1.jpgParabellum2-0.jpg絶叫先生によるコミカライズ版『とらドラ!』2巻(電撃コミックス)を読みました。僕はご飯を勢い良く食べる女の子の姿に欲情する変態なので第8話の扉絵とか、もうご褒美です。
それはともかく、最愛たるやっちゃんの出番が少ないじゃないですか!あんなにエロ可愛いのに!!

さて本日は、流一本先生の『Parabellum2』(ヒット出版社)のへたレビューです。甲冑を身につけたイグニスさんの表紙がエロカッコイイですが、劇中で一回もこんな恰好していませんよ!?
それはともかく、本格派のハイ・ファンタジーとヒロインの理性を崩壊させるハードエロを楽しめる作品集です。

収録作は、様々な策謀が渦巻くルトラム帝国を舞台に主人公の剣士ファスナム、魔導師のリーズ、聖霊王を封じられた禁忌の存在であるイグニスの活躍を描く長編エロティックファンタジー「Parabellum」第7話~第一部完の第10話、および短編4作。
1話・作当りのページ数は16~30P(平均24P強)としっかりとしたボリューム。特に長編作ではページ数が多めであり、エロもシナリオをじっくり見せようという意欲を強く感じます

【設定に振り回された感のあるファンタジー長編作】
今単行本では、前単行本後半において2度目の誘拐と監禁調教を受ける羽目になったクレアベル姫を救出に向かう主人公たちの戦いを描いており、奥の手を繰り出す敵側の獣人娘によって主人公達が苦境に立たされる終盤までの盛り上げ方は上々の出来
Parabellum2-1.jpg帝国によって滅ぼされたコーラリアン王国を巡る邪な陰謀や、裏で糸を引く魔術師デル・サールの暗躍、それらと絡み合う主人公たちの過去なども今単行本で明らかになり始め(←参照 過去にリーズと何か関係が? 「Parabellum」第8話より)、剣と魔法のファンタジーとしての骨格はしっかりと出来上がっている印象があります。
しかしながら、それらの要素が有機的に組み上がって長編ドラマとしての面白みが醸成されている感じが弱く、設定の消化に労力を取られるあまり、読者の想像を喚起する物語としての双方向性に乏しいことは大きなマイナス要因
二度にわたる苛烈な快楽調教に晒されながら、いざ救い出されると心身ともにあっさり回復してしまうクレア姫のあまりに軽いキャラ造形が、折角濃密に描かれた破滅的なエロスを台無しにしているのも個人的にはかなり残念でした。
加えて、1巻のあとがきにて表明していたヒロイン・イグニスのエロシーンが結局1回も描かれないまま駆け足気味に第1部終了という構成は、全体的に読者置いてけぼりな感が強いのは事実でしょう。
とは言え、これらのストーリーの未消化感は、掲載誌である阿吽のリニューアルに伴う一旦の終了に寄るところがおそらくは大きく、流先生にその責を負わせるのはあまりに酷というもの。
Parabellum2-2.jpgおそらくは行方不明のフェリアス姫の肉体を有すイグニスと、謀略蠢くコーラリアン王国へ向かうことを決意する第1部のラストには一定の力強さがあり(←参照 「Parabellum」第10話ラストより)、過去の因縁を明らかにして悪の陰謀を打ち砕くであろう第2部への期待を高めてくれています。
なお、残りの短編4作は、姉弟のラブラブ相姦モノな短編「二人のレシピ」を除いて、風紀委員長や女教師などの年上ヒロイン陥落モノであり、囚われの王妃の性奴隷調教が描かれる長編作と作品の方向性は近似しています。

【清楚さや強気さとのギャップが光るアへ顔】
長編作におけるエロシーンの大半を占めるのはコーラリアン王国の王女と覚醒したイグニスに敗れたケモノ耳娘。
Parabellum2-3.jpg短編作も含め、清楚な年上美人や気の強い美少女が凌辱され、その行為が与える圧倒的な快楽にアへ顔を晒す様子を執拗に描いており(←参照 「Parabellum」第7話より)、そのギャップはエロ的にかなりそそります。
ボディデザイン的には時々ロリ系貧乳キャラも絡めるものの、得意としている巨乳~爆乳の年上ヒロインがメイン。
なお、流先生のファンなら既にご存じでしょうが、たわわなおっぱいからは問答無用で母乳が噴出しますので、その手の属性持ちな方は要チェック。

【アダルトなヒロインが乱れまくるエロシーン】
ページ数に余裕はある分、エロの量的な満足感は強くエロ作画も安定しているため、抜き物件としての有効度は単行本通して高め
短編「二人のレシピ」のみ1on1の恋愛エッチですが、その他の作品では概ね集団凌辱か乱交系の多人数プレイがたっぷり描かれます
上述の執拗なアへ顔や噴出する母乳などの演出に加え、ヒダの1枚1枚まで丁寧に描かれた女性器やアナルの描写も高水準であり、子宮口を覗かせる程目一杯広げられた秘所や汁気溢れる結合部などをピストン運動の合間合間に挿入してきます。
一応の抵抗を示しながらも、凌辱者に与えられる性感に白痴の如く狂っていくヒロインの様子そのものが、ややマッハ堕ち気味ではありますが、非常に扇情的であり読み手の支配欲や嗜虐欲を強く刺激しています。
Parabellum2-4.jpg美人教師コスプレ搾乳プレイというキワモノ感さえある濃ゆいエロシチュエーションがあったり(←参照 短編「備品教師」より)、アナルフィストやニプルファック、黄金水ぶっかけなどのアグレッシブなプレイが多いのは多少評価を分けそうですが、エロのバリエーションと凌辱エロの攻撃性の強化に大きく貢献している印象が個人的にはあります。
フィニッシュは陶酔の表情を浮かべ嬌声を漏らすヒロインの穴と言う穴に中出し&余ったチンコはぶっかけで参戦と、激しい凌辱劇を閉めるに相応しい強力な抜き所となっています。
個人的には、真面目なツンデレ委員長があれよあれよという間に騙されてそのダイナマイトバディを徹底的に弄ばれる短編「ツンデレ委員長は好きですか?」が抜き的にフェイバリット。

使える・使えないで言えば確実に“使える”作品であり、阿吽の看板を支え続ける人気作家の面目躍如と言ってよいでしょう。
1~2巻までのストーリー運びには不満も残りますが、新生阿吽で始まるであろう第2部に強く期待したいと思います。
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