2008年10月

いのまる『恥ずかし女』

IndecentWomen.jpg始めて日の浅いブログなもので、大好きな作家様の新刊をレビューさせてもらう際に、既刊のレビューをしておけば絶対より深くより分かり易いレビューが書けるだろうにと落ち込むことはあります。
今回に関しても時間がある時に既刊をレビューしておきたかったです。こんなだから僕はいつまでたっても三流レビュアーなんでしょう。

本日は、いのまる先生の2冊目『恥ずかし女』(ティーアイネット)のへたレビューです。2007年屈指の名作短編「小夜ノ事」が収録されている前単行本(初単行本)の『Indecent』(ティーアイネット)は管理人の宝物の一つです。
TI系らしい攻撃的なエロシーンを高水準の質・量できっちりまとめることに加え、リアルを失わない心情描写が登場人物のキャラクターを魅力的に立ち上がらせる作画・作劇の絶妙なバランス感覚が魅力的な1作です。

IndecentWomen1.jpg収録作は、前単行本にも登場した絵里子先生(←参照 シリーズ第1話「絵里子先生のお仕事」より)とエロ男子生徒で彼氏の周平君のラブ&エッチな日常から一転して絵里子先生の受難を描く「絵里子先生」シリーズ全4話、および短編3作。
1話・作当りのページ数は26~30P(平均27P強)としっかりとしたボリュームがあります。前作以上にエロシーンに重きを置く構成ながら小気味良いシナリオは健在であり、読んで面白く抜いて嬉しいエロ漫画という印象です。

時系列的には、周平君の受験終了後であった短編「いとしの絵里子さん」(前単行本『Indecent』に収録)以前の話と思われる中編「絵里子先生」シリーズは、絵里子さんが漫画チックな記憶喪失に見舞われる第2話中盤までハッピー&コミカルな雰囲気を持っています。
しかし、第2話中盤で、記憶喪失をいいことに周平君とは別の男性に“自分の妻”だと言い包められてしまった以降は、その男性による身勝手な性的調教に不安を覚えながら言いなりになるしかない絵里子先生の受難を結構ダークに描きます
2b94959e.jpg元々、陵辱系や脅迫系の作品も描ける先生なのでこの辺りの後ろ暗い淫靡さの描出は大変上手く、かつ夫であると信じ込まされた男性の非道な行いへの疑念が一気に爆発し(←参照 シリーズ第4話「絵里子先生の帰還」より)、さらに返ってこない返事に絶望して全てを投げ出してしまいそうになる絵里子先生の沈んでいく心理描写も実に巧いと思います。
とは言え、決して単なる男性側の快楽優先なダーク系に作品の幅を狭めないのがいのまる先生の大きな魅力。このシリーズ作においても、絶望の淵に佇むヒロインを颯爽と登場した想い人の周平君が全てを引き受けて軽やかに救出する大逆転のラスト4Pの爽快さ・力強さが本シリーズ作の魅力を抜群のものにしています。
その他の短編においても共通しているのですが、性の享楽をエロシーンにおいて存分に魅せ付けながらもそれにヒロインが支配されてしまうことは無く、いわばその人格・生の感情を決して否定されることの無い芯の強さがあるヒロイン達は大変魅力的です。
地に足の付いた恋愛ドラマとしての心地よさは前単行本の収録作「小夜ノ事」「束縛の館」がずば抜けているため、今単行本では恋心の力強さはやや弱くなっている感は正直あります。ただ、「確固とした生への意志を持つヒロインの心を最終的に開くのは性の快楽ではなく真っ直ぐな恋心」というシナリオの底に流れるテーマは決して変化していないように感じます。
なお、前単行本「風紀の娘」のような強気娘さんのコミカル短編「みんなの部長」といった作品もありますので、全体的にシリアスさや重厚さが過剰ということは無く、気持ちの良いテンポで読める作品であることは間違いありません

登場するヒロインさん達は年齢的にはハイティーン~20代半ば(推定)であり、男性に対して年齢または立場が上の年上系キャラで固定されています。
466f5768.jpg目つきの鋭い強気ヒロイン(←参照 今単行本では最愛のヒロイン 短編「モンキーホラーショー」より)を描くのがお得意な先生ですが、今単行本では美女の鋭い眼光の表現は減少しており、やや穏やかな表情が増えた感があります。
それでも、部員連中を叱咤する我侭な漫研部長さん(短編「みんなの部長」)や釣り目がキュート&クールな剣道少女(短編「モンキーホラーショー」)など嫌味にならない程度のプライドを持った強気娘さんはちゃんと揃っています。

そんなヒロインズが導入シーンでの理性と矜持をかなぐり捨てて一時の享楽に溺れるシーンは相変わらず高い作画能力と安定したエロシーンの展開力を以て描かれています。
純粋に互いを想いあっての純愛エッチこそないものの、「絵里子先生」シリーズにおける、いじわるな彼氏君による羞恥系プレイや卑劣な男性によるコスプレH・露出プレイ、短編「みんなの部長」のリビドーが暴走しての集団レイープなどアブノーマル系のシチュエーションを頻繁に絡めます。集団による陵辱行為も多めな印象。
IndecentWomen4.jpg全ヒロインが標準装備の特大ロケットおっぱい(←参照 シリーズ第1話「絵里子先生のお仕事」より)は十分な分量を割かれた前戯シーンにおいて揉まれたり挟んだりと大活躍な上、抽挿シーンでもダイナミックに弾んで読み手の目を楽しませます。肌の質感描写では劣るものの、その双球を魅せるためのコマでのおっぱい力(新語)は柔らかさと重さの見事なハーモニーを奏でる点で、管理人の大好きなヤスイリオスケ先生に匹敵する程だなと感じます。時々アップで見せてくる安産形なお尻も○。
十分なページ数があることもあってエロシーンは長尺であり、挿入に至るまでの愛撫、口淫、紅葉合わせといった各種描写もエロチック。ただ、前戯にてあまり射精せず、概ね1回戦仕様なのは個人的には残念です。
各コマの煽情性も十分高いながらコマ展開の滑らさも良く、小ゴマと大ゴマを適度に織り交ぜながら勢い良く進行して1Pフルに使ったフィニッシュシーンに駆け込んでいきます。
アングルや体位の変化を難なくこなす作画の安定性とコマぶち抜きを多用する大胆さを兼ね備えており、既に一線級の実力を見せ付けた前単行本から余計な粗が取れてより魅力的になった様に思います。
TI系らしいリアル路線の局所描写の水準は高く消しも無いに等しいです。ただ、結合部をなるべくコマ内に入れようとする努力をしているように見えますが、性器ドアップなどで視界の中心に持ってくるタイプではありません。

メイド服を着つつ写真を撮影される時の引き攣った笑顔がチャーミングだったヒロインさんの短編「みんなの部長」、目付き悪い女の子属性を持つ管理人垂涎な女剣士さんが登場の短編「モンキーホラーショー」、弟君の卑怯な悪戯を物ともしないヒロインのエネルギッシュな性欲が逞しい短編「窓の中」、そしてヒロインをお姫様抱っこして駆け出す周平君がカッコよ過ぎた「絵里子先生」シリーズと全部大好きです。
欲を言えば、今の作画水準で作劇面で1冊目のカラーを濃くして頂ければより嬉しいです。
何はともあれ、後書きにて“そう遠くないうちに出したい”とおっしゃっている3冊目が今から大変楽しみです。

エレクトさわる『淫術の館』

ResidenceOfObsceneArt.jpgふと思い立って昼休みに天一のこってりラーメンを食べに行きました。基本的に味や脂の濃いラーメンよりも魚介出汁系のあっさりラーメンが好みなのですが、天一は別腹(?)です。
あの麻薬的な味は時々無性に食べたくなるのです。個人的に小ライスを付けるのがデフォ。

というわけで、本日は正に麻薬的な味わいを示すエレクトさわる先生の2冊目『淫術の館』(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューです。楽しみにしていた甲斐がありました。
爆乳クラスの美少女・美女さん達が大量の触手orチ○コとこれまた大量の白濁液の海に溺れるカオティック&ハードコアなエロ漫画を存分にお楽しみ下さい。

ResidenceOfObsceneArt1.jpg収録作は、エルフのメイドさんがご主人さまに言い付けられて向かった先は男を喰らい女を性の享楽の虜にする異形が住む館という中編「淫術の館」が外伝を含んで全5話(←参照 第2話「Return Of Nightmare」より)、および短編4作。
1話・作当りのページ数は16~22P(平均18P強)と多い方とは言えないながら、とにかくエロシーンの表現とプレイ内容の過剰なまでの濃さがあるため、読後の満腹感は大変良好だと言えるでしょう。

茜新社様から出た前作(初単行本)の『まぞ・ちち』も大のお気に入りですが、ファンタジーエロに強みを発揮するキルタイム様で描かれた今単行本中の各作品はエレさわ先生のご嗜好がより濃く反映されて、前作以上に活き活きしている感があります。
ResidenceOfObsceneArt2.jpg作品中では精液は“黄ばんでドロドロのぷりぷりザーメン”(原文ママ)以外は認めないと言わんばかりの特濃白濁液であり、大量に放出されるそれがヒロイン達の両穴を、胸を、そして特に美しいその顔を真っ白に埋め尽くす様(←参照 短編「銀河特警キャッツブレイド」より)はえれサワ先生のお家芸であり、今単行本では全作品でその濃ゆい描写をたっぷり拝めます。
エルフ娘さんとか獣耳の女剣士とか淫魔さんとか、はたまた触手を大量に備える異形の化け物が登場したりするファンタジー系エロ漫画のみで構成されており、一応ホモ・サピエンス同士のセックスを描いている茜新社様のシグマ掲載作とは完全に芸風を使い分けている感はあります。
作風的にも、キュートなロリロリ獣耳ちゃんがミルクを買いに行くおつかいにでかけて別のミルク(お察し下さい)をたっぷり頂いちゃうコミカル系の短編「はじめてのおつかい」を除き、導入パートでのちょっとしたコミカルさがあってもラストは人知を超えた快楽に理性を失ったヒロインさんを据えるインモラル&ダーク系で縛ってあり、ここもシグマ掲載作とはちょっと異なる所。
中編「淫術の館」では人物設定などが、巻末に載せられた作品解説を読まないと分かりにくいなど、シナリオ面での不備・不足が無いわけではないのですが、さほど気にする必要はないでしょう。
シナリオによるエロの魅力向上もエロ漫画にはとても大切ですが、今単行本について言うならば、もしも「シナリオの咀嚼のためにエロシーンを1P削ってもいいの?」と聞かれたら管理人は断固NO!と言うことでしょう。

上述の通りに全作ファンタジー系作品であり、短編「ツバキ淫乳忍法帳」のくのいちさんを除いて獣人さんだったりエルフさんだったりする人外娘さん達
乳輪大きめの爆乳とこれまた特大サイズのお尻を備えるむっちむちバディの美少女さんが中心ですが、時々ロリっ娘さんも絡めてくれるのが好対照になってよいアクセント。まぁ、上述の短編「はじめてのおつかい」のロリーな犬耳娘クゥちゃんですら冷静になって考えれば巨乳クラスですけど。
ResidenceOfObsceneArt3.jpgエロ作画の技量が問われる乱交系・触手乱舞系(新語)をきっちりこなす画力はエロシーンで燦然と輝いていますが、戦闘美少女モノでは結構重要なバトルシーン(←参照 中編「淫術の館」第5話「Endless Fears」より)や、「淫術の館」第1話の内容に期待を持たせる静かな導入シーンなど脇を固めるパートでの丁寧な作画も非常に好印象です。
前単行本ではかなり古めのフリーキーな絵柄がそれなりの本数混じっていましたが、今単行本はほとんど近作の絵柄で占められており、表紙買いしても特に問題ないでしょう。最古作こそ、表情や下半身回りのボリュームに以前の絵柄の残り香を感じますが、ボディデザインのバランスは現在の絵柄に近いので個人的にはさほど違いが気にはなりません。

エロシーンに関しては、ファンタジーエロにカオティックな魅力を求めているならば、大変満足できる質と量を誇ります。
エロシーンの各コマは、セックスアピール全開の肢体とそれをぐるりと取り囲む触手or特大チ○コ、大変テンションの高い卑語・猥語てんこ盛りのエロ台詞、そしてお約束の大量液汁で埋め尽くされています。乱交系でも男性の体をほとんど映し出さず、あくまでヒロインの痴態を見せるんだという方向性ははっきりしています。
ResidenceOfObsceneArt4.jpg手書きの文字と写植の文字が入り乱れる台詞の表現方法も(←参照 中編「淫術の館」第1話より)侵食する狂気とそれに抵抗する理性のせめぎ合いを演出するかのようでばっちりシーンにハマっています。
時々挿入される半狂乱のアへ顔も含め白濁液の質・量を中心とするエロの修飾表現の非常な過剰性は、結構読み手を選ぶ感はありますが、一回受け付けてしまうとこれが天一のラーメンの如き常習性を発生させるのが恐ろしいところ。
搾乳プレイやクリの巨大化による疑似フタナリ生成、がっつり使い込んでいやらしくめくれた陰唇など、ご嗜好によってはマイナス要素になる表現・プレイがあることにも一応注意されたし
まぁ、何が言いたいかと申しますと、管理人には滅茶苦茶使える物件であったということです。

このタイプのアブノーマルファンタジーエロ漫画では下半期ではしいなかずき先生がダントツかなぁと思っていたのですが、ここにきて超有力な対抗馬が出てきた感じです。
個人的には中編作全話と短編「ツバキ淫乳忍法帳」が特にお気に入り。キルタイム系の濃さを愛する貴兄はマストバイな1作ですよ!

草津てるにょ『ペットライフ』

PetLife.jpgもりしげ先生レビューを何とか形に出来たものの、未レビューの新刊達と司書房ありがとう企画の候補作達が溜まる一方で嬉しいやらシンドイやらです。
本日の作品も評が延び延びになってしまいました。もっとサラリとレビューが書けるようになりたいなぁ(思うだけ

さて本日は、ちと遅延レビューな草津てるにょ先生の『ペットライフ』(コアマガジン)のへたレビューです。この方も亡き司書房の看板を支えていた作家様の一人ですね。
最後まで心の貞操を守らんとする大人な女性達を快楽を以て陥落させる痛快な寝取り系作品集です。

PetLife1.jpg収録作は、コアマガでの前作の傾向を引き継いだ(草津先生としては)珍しいハイティーン美少女をその想い人からエロ男子が強引に寝取る中編「テンゴロ」シリーズ全3話(←参照 シリーズ第1話「テンニョノハゴロモ」より)、EDに悩む男子高校生の奇妙な相談に乗るうちに心と体を絡め取られる人妻を描く「チヨリコキモノ」前後編、熟れた肢体に未だ燻ぶる淫欲を痴漢されることで満たしていた未亡人をその息子の友人が陥落させる「ある日の帰り道」前後編、および表題作を含む短編2作。
1作・話当りのページ数は全て20Pと標準的ですが、2~3話構成の作品が中心のため、話にある程度タメがあるのは嬉しい所です。勿論エロシーンも十分量

冒頭作こそ、女子高生さんを仲のいい男子から奪い去る過程をコミカルささえ感じるほど割合軽めに描いていますが、恋愛感情や家族・夫婦の絆、貞操観念といった精神的支柱を男性側が与える性の快楽によって突き崩して行くシナリオは他の作品と共通しています。
特に連作「チヨリコキモノ」「ある日の帰り道」は読み手の征服欲を満たす人妻陥落モノとして白眉の出来であり、流石このジャンルを長く描き続けたベテランだけあって納得の仕事ぶりを魅せ付けます。
PetLife2.jpg娘と交際している男の子に向かっての「私に逃げないで」という発言(←参照 連作「チヨリコキモノ」後編より)や未成年である男子生徒に対する「(私と息子のいる)家では煙草を吸わないで」という発言(連作「ある日の帰り道」)によって表現される、保護者・年長者としての矜持を頑なに守ろうとする姿勢、その精神的砦と現実に体を蝕む若い性による圧倒的な快楽とに揺れ動く心情描写、および彼女たちを言わば“奪われる”立場にある家族の描出といった、背徳感の盛り上げに必要な要素をしっかりと盛り込む老練な手腕は流石の一言
そういった段階を踏ませることによって迎える、もはやその年齢を感じさせない惚けた表情とハートマーク付きの嬌声が彩るエロシーンの陶酔感は極上のものがあります。
端的に言ってしまうと、緩やかな精神的つながりを若い男のアグレッシブな性欲がごり押し気味に破り去るごく平凡な展開であり、ストーリーラインに捻った所はあまり見い出せないのですが、読書中にシナリオの安直さを感じさせない安定感と魅力があるのは間違いないと感じます。
短編2作は中編作3本に比べてダーク成分は控えめであり、コミカルな作風ですが、短編「ペットライフ」で果たしてどちらがどちらの“ペット”なのだろう?と読者の首を捻らせるオチのセンスはなかなかのもの。
全般的に言って、話の安定感や醸し出す背徳感はしっかりしつつも、既存の人間関係の崩壊による陰惨な印象はさほど強くなく、最終的な読後感もそこまで悪くはないでしょう。それよりもむしろ征服欲の充足による黒い満足感が強い印象です。

冒頭中編作のハイティーン美少女こそ、若さゆえのハリがある巨乳としっかりとした骨格に適度にお肉がついたボディが眩しいですが、大半の作品に登場する20代半ば~30代後半クラスの人妻・未亡人のよい意味で年季を感じさせる肢体は実に秀逸
PetLife3.jpg垂れが始まりつつあるビックサイズおっぱい(←参照 「チヨリコキモノ」前編より)、お肉が余りつつある下腹周辺、十分過ぎるマッスを誇るお尻と、あと一歩で性的魅力が崩壊へと向かう危ういバランスを窺わせる極上の完熟ボディはねっとりとした色香を漂わせて、人妻・未亡人系好きな同志諸兄には素晴らしい御馳走になること請け合いです。
セーターやパジャマ、地味なフレームの眼鏡や下着類など、ある意味年相応の野暮ったい衣装をメインとしつつ、男の子に求められることを無意識に望んでいたことを暗示するような派手な下着を絡めたりと、引きと押しを心得た味付けも実に心憎いです。
そして、パンツを取り去り、肉付きの良い太ももを押し開いたその中央に広がる深い黒色の茂みと淫蜜を蓄える妖しげな花弁にて読者の理性にトドメを指すキャラデザには個人的にはほぼ文句なしという感想です。

正直何も心配してませんでしたが、期待に違わぬ優良抜き物件であり、非常に美味しく夜のご飯を頂きました。ありがたいことです。
シナリオ構成のタメもよかったですが、エロシーンにおいても、男女互いへの前戯を紙面から漏れ出てくるような熱っぽさでじっくりと描くことで存分に助走をつけ、一気に努張を挿し入れるシーンを断面図・透過図の効果的な添加で脇を固めた大ゴマで力強くぶつけてくる構成の巧さをしっかりと示します。
エロシーンのコマ展開も時にテンポよく、時にどっしりと見せる、よい意味で教科書的な技巧を以て描いており、各シーンの流れをスムーズに見せるのは実用的読書的に◎。
PetLife4.jpgそして、上述のエロ展開でもヒロイン側の精神的な抵抗を表現するシナリオでも、じっくりとテンションを抑えていたからこそ、それこそエロシーンとシナリオの終盤において、ヒロイン達が完全に堕ちた台詞と表情を示すコマ(←参照 「ある日の帰り道」後編より)の爆発的なエロスにしっかりと結びついているのが素晴らしいです。
乳尻関係も大きな魅力ですが、性の快楽に溺れる美女・美少女のエロティックな表情が一番抜けます。衣装関係は競泳水着を入れてバリエーションを設けたりしていますが、メインは裸と裸のガチンコ勝負。というか、ジャンル的にあまりコスプレ要素は必要ないかもしれません。
ただし、後書きでお好きだと書かれている様に、下着(特にパンティ)を付けたままずらして挿入&ズンパンというケースはちょこちょこあります。管理人も大好きですとも、えぇ。
ただ、同じく後書きでお好きだと書かれているパンストは途中で脱いでしまっている場合もあり、それじゃ駄目だろと思ったり思わなかったり。まぁ瑣末なことです。
ストーリーの都合上必要なので途中まで外出し・ゴム付きも混ぜますが、オーラスのエッチでは禁断の生中出しがメインなのも作品の流れにそっていて大いに納得できるのは高評価です。

シナリオラインとエロシーンに齟齬がほとんど無く、アダルトな背徳感を終始に追わせる極上の人妻・未亡人寝取りモノです。
司書房から舞台を変えてしまいましたが、コアマガジン様でもこのジャンルの追求を是非続けて頂きたいものです。お勧め!

もりしげ先生の初期作品に関しての一考察

Morishige1.jpgMorishige2.jpg今更ですが、僕はエロ漫画が滅茶苦茶大好きで、それ故へたれなレビューを書き連ねているわけです。勿論レビューを書かせて貰うことも含めて楽しんでいるわけですが、レビューを書く時には様々な意味で自分の内側とも向かい合う必要があると考えています。
今回の作品群を読みつつ、足りない頭を色々と捻くり回したのもしんどかったですが、何より自分自身の黒い欲望と向かい合うのが一番大変でした。

Morishige3.jpgというわけで、今回は普段とちょっと趣向を変えまして、もしりげ先生がエロ漫画家であった初期の3作『子供の森』『子供の森・完結編』(共にオークラ出版刊)、および『蹂躙』(桜桃書房刊)のざっくりとしたレビューです。
まるで修飾する気が感じられない純粋な悪意が剥き出しの刃のようにギラついている作品集です。
このレビューも含めて、読まれることで不快感を覚える方もいると思いますので、ご注意ください。

Morishige4.jpg最初期の作品を含む『子供の森』などでよくあるタイプのラブコメ作品(短編「見せてあげるよ!」など)もありますが、あまりに有名な未完の怪作「学校占領」シリーズ(←参照 『蹂躙』収録作「学校占領」第1話より)を始めとして、幼女・少女を対象とした苛烈な鬼畜凌辱劇がほとんどです。
表現としての過激性ではもりしげ先生よりも上の作家様は結構いらっしゃるわけですが、もりしげ先生の作品群が示す淡々とした暴力性は凄まじいものがあり、読んでいて吐き気を催すような嫌悪感や怒りを覚える方もいると思います。
物語の最後まで少女に悪意と身勝手な欲望を叩き付け続ける後味の悪いラストか、冗談めかしたギャグ落ちを持ってきて読者の感情を逆なでするラストのどちらかであり、読者の抱いた悪感情を癒してくれる要素は皆無に近い感がります。

本作を含め、少女性愛の暴力性や非倫理性を読者に突き付ける作品というのは、真剣に読むのがなかなか辛いものです。
しかし、その苦い苦いテーマを作品に昇華させるため、多くのエロ漫画家さんが独特の作風・作劇のスタイルを磨いてきました。
町田ひらく先生の少女への深い尊敬の念と現実の堅牢さと汚れを纏わされる成人男性を描き出す静謐な作劇、山本雲居先生の独特のシステムに駆動される凌辱劇をブラックユーモアを絡めて描く作風、冴樹高雄先生の中途半端に汚れているのがむしろ現実的な凌辱者と意外なほど深い少女への愛を紡ぐスタイル、あわじひめじ先生の皮肉に満ちたシナリオと練りに練った設定が築き上げる攻撃的なスタイルなどなど、それぞれが魅力的であり作品としての完成度を高めています。
ところが、もりしげ先生には一つの作品として整合性を整えたりテーマ性を設けようとする意図が、平均的にかなり短いページ数もあってあまり感じとれません。決してプロットが破綻しているわけではなく、シナリオラインも練られている作品も多いのですが、何かぽっかりとした空白が作中を覆っているように感じるのです。
Morishige5.jpg明らかに非常識な倫理観を持ち、凌辱に臨んで不快な笑みを浮かべる男性達が(←参照 『子供の森』収録作 短編「ヲカエリ」より)、何の罪もない、か弱い少女達の心身を蹂躙する様を激しく一太刀浴びせるように読者に叩きつけて、劇終へとばっさりと導く構成の攻撃性は大変なものです。

僕程度が生意気を言って申し訳ないのだが、『子供の森・完結編』に収録されている評論家・柳下毅一郎氏の「作中の男性に性的欲求を見出せない」という意の評に完全に賛成することは出来ません。
勿論、例えばオイスター先生の一部の作品がその代表例だと思うのですが、凌辱者が性的欲求を皆無なのに苛烈な凌辱を行う様は非常に禍々しく、狂気性をまざまざと見せつけます。
Morishige6.jpgただ、僕は『子供の森』に収録された短編「もりしげの唄」の一コマ(←参照 “みんな”とは読者)で変に確信してしまったのですが、おそらく作中の男性は性的欲求を持っていないのではなく、その欲求とその発露である性行為を我々に魅力的に見せる気などないのだという挑発的な存在として表現されているように感じます。
その現実離れした存在として描かれる男性陣は、非常にピュアな“悪”です。そして、それはもりしげ先生自身の凶悪な欲望を委ねられているように感じられるのです。

作品について、もりしげ先生自身が「僕がいかにギクシャクしながら生きてきたかの証明」と述べられているように、凶暴な成人男性達が弱弱しい少女を徹底的に嬲る惨禍は、まるで抑えきれない“負”の感情が心中に同居する“正”の感情を無惨に駆逐する様を示すかのように僕の目には映ります。
Morishige7.jpgおそらく暗黙の内に認めてしまっている自分自身の良心・美徳のあまりの弱さ、人の心の脆さ(←参照 『子供の森・完結編』収録作 「GR2」より)を暗示するものとしての凌辱劇であるため、ドス黒い欲望と絶望の沼底に少女達が飲み込まれていく様子はとてつもなく哀しいものがあります。
そして、上述の作品を支配する寂寞たる空白感は、それ故に読者の意識を呼び込み、読んでいる過酷なシーンが我々自身によって駆動されているかのような不快感を呼び起します
それは読者各自で深く静かに己を見つめ返す機会を与える端緒でもあるのですが、作者の葛藤をそのまま持ち込みかつそれを悪びれもしないかのような挑発性は、これまた剥き出しの反発か賛美かを要求してくる皮肉さが感じられます。
この攻撃性・挑発性を生み出したであろうもりしげ先生の精神的葛藤が如何なるものであったかは僕には分かりませんが、それが分からない故にこの作品群は読み手の感情を良くも悪くも沸騰させる“触媒”なのではないかと思うのです。

抜き的には『子供の森・完結編』が絵の水準が最も高く、エロシーンへの踏み込みが強めなので最善ですが(個人的には同単行本収録の「犬運動会」のシニカルさが大好き)、上述のどす黒さを理性を保って受け止め咀嚼できる(またはする意志のある)方のみ実用的読書を楽しめるでしょう。
Morishige8.jpg少女の悲嘆と絶望に暮れる表情(←参照 『子供の森』収録作 短編「もりしげ節」より)に精神的に耐えられるかというのが抜き的に使えるかの分かれ道ですが、おそらく大抵の方は難しいと思います。エロを魅せようという意図もあまり感じられない上に量もあまりありません。

『こいこい7』(秋田書店)の終盤を読む限り、もりしげ先生の“悪感情”が今でもたまに暴走してしまうのかなぁとか思ってしまうのですが、その辺りは僕の守備範囲ではないので書きませんというか書けません。
どの作品も手放しで誉めることは決して出来ないのですが、その作者自身の血がこびり付いている抜き身の刀の如き凶悪な攻撃性は間違いなく稀有なものです。
何を以てお勧めするのか、そもそもお勧めするべき作品なのか、何回読み返しても判然としないのですが、そこも含めて作品と、出来るならば自分自身とを顧みて欲しいなと思います。おそらくこの作品への侮蔑の山はある意味この作品の勲章なのでしょうが、決して罵倒されるだけの作品でないと書き添えておきます

もうですね、ササナミさんに「僕(もりしげ作品の)レビュー書きますよ」と大した能力もないくせに放言してしまい、その後延々読み返しては書けない書けないと頭を抱えていたのですが、一応自分の考えをまとめられてちょっと肩の荷がおりました。というか、『子供の森』中の一文も含めてレビュアー泣かせな作品群でしたなぁ。
というわけで、このへたレビューは背中を押してくれたササナミさんに特に感謝を込めて捧げさせて頂きたい。
勿論、この文章的な意味でもしんどいレビューを最後まで読んでくれた読者諸氏にも、いつも以上の感謝を表します。

子門竜士郎『スカートの中の欲望』

TheDesireInsideSkirts.jpg日曜は久々にゆっくりと出来る日だったので酒を飲みつつ溜めていたクラナドアフターストーリーをここ3話分一気に観ました。
第3話の芽衣ちゃんのお兄ちゃん云々のシーンは身悶えしながら5回くらい見直しましたが、何か?

さて本日は、子門竜士郎先生の初単行本(注)『スカートの中の欲望』(富士美出版)のへたレビューです。子門先生が今月のペンクラ山賊版で僕の大好きな尾野けぬじ先生(原作)と組んで作品を発表されていて吃驚しました。
恋のトキメキ空間の演出にはやや不足もありますが、柔らか巨乳を標準装備の美少女達と繰り広げるエロシーンがとっても魅力的な作品集です。

TheDesireInsideSkirts1.jpg収録作は、無口でクール優等生な女生徒(←参照 「彼女のまなびや」第1話より)と罪悪感を抱きながら彼女と交わる男性塾講師、二人の関係を憎々しく思う女生徒の双子の妹の関係を描く中編「彼女のまなびや」全3話+描き下ろしのその後掌編(6P)、女装が心の慰めの名家の少年当主とメイドとして送り込まれた伯爵の娘、および屋敷のメイド長のほんわか三角関係を描く「リオのメイド日記」全3話、これまた男性教師と女生徒二人の能天気三角関係がメインな「名門痴女学園」シリーズ全3作、および短編1作。
富士美出版様ではいつものことですが、1作・話当りのページ数は全て16Pであまりボリューム感はありません。エロシーンの分量はしっかり確保している感はありますが、このページ数の少なさが後述の作劇面での物足りなさにつながっている感はあります。

作風に関しては、コメディによる修飾で誤魔化すことをほとんどしない、雰囲気のあるラブストーリーがメインヒロイン達が自分自身の幸福を目指して奮闘する様そのものはとってもラブリーで活き活きとしています
とは言え、ストーリー構成に関してはかなり難があり、興味深い設定やおそらく結構練られているであろうプロットを活かし切れていない感はちょっと強くはあります。
TheDesireInsideSkirts2.jpg自身も受験期に女性塾教師との性的関係に溺れ受験に失敗した男性講師(←参照 「彼女のまなびや」第3話より)が、その過ちを自身の生徒にも与えてしまうことへの躊躇いと女生徒の想いを受け止めたいという思いとの板挟みになる筋書きの中編「彼女のまなびや」は非常に面白い舞台設定と男性講師、女生徒、その妹の三者三様の思惑の複雑な交差という魅力的な人物関係を持っています。
しかしながら、16P×3話という中編の構成において、この入り組んだ感情のぶつかり合いを解きほぐして一つのドラマに昇華させるにはページ数と展開力が不足している感があります。最終話にて、重い葛藤の末に暴走をしてしまう男性講師の行為はやや説得力に欠けており、ラストに関しても「むしろその後どうなるかが見たいのだ」と思ってしまう締め方の弱さを個人的には感じてしまいます。
この傾向は他の中編2作と短編「ぴあの姫」でも共通しており、おそらく子門先生がしっかりと考えておられるだろう舞台背景や人物間の感情のやり取りが説明不足の故にうまく伝わらず、シナリオ展開に悪い意味でやや唐突な印象を付加してしまっている感はあります。
ただ、中編「リオのメイド日記」、「名門痴女学園」シリーズ、短編「クールじゃいられないっ」などはシリアス要素の少ない、楽しいラブコメですので、快活でかつほんわかした空気がシナリオの整合性をあまり気にさせてくれないのは確かです。
設定の盛り込みとシナリオ展開が向上すればヒロインがもっともっと輝いてくるとは思いますが、上記の作品群では幸せそうなラブラブ雰囲気はちゃんと出ていると思いますよ。

後書きにて参考にしている漫画家の一人としてMARUTA先生を挙げていますが、成程、スタンダードなエロ漫画絵柄に独特の暗さ・重さを纏わせて陰と陽の生命感を感じさせる絵柄は確かに影響を感じさせます。
ただし、適度に荒い線の不安定感がユニークな魅力を形成するMARUTA先生の画風に対し、描線の安定感はむしろ子門先生の方が強く、より多くの方に受けいられる絵柄だと個人的には感じます。むしろこっちの方が僕は好きかもしれません。
作画が抜けているコマがほとんど無く、丁寧に描き込んでいる印象があるのも好印象。
そんな絵柄で描かれるヒロイン達はハイティーン美少女を中心として数名の女性教師で脇を固める、これまた幅広い層に魅力な布陣。
TheDesireInsideSkirts3.jpg全ヒロイン、どうにも布地面積の少ない衣装を適度にふっくらとした肢体に纏っており(←参照 何というけしからん服! 短編「ぴあの姫」より)、その服から転び出るボリュームたっぷりのおっぱいとおしりは非常に強力なセックスアピールになっています。
その柔らかそうな尻肉や双球に指やチ○コが食い込んでいく様は(性的な意味で)大変美味しいと感じます。

エロシーンはシナリオからの導入にやや難があってドラマ内での役割をあまり担えていない感はありますが、質・量ともに十分な水準にあります。
TheDesireInsideSkirts4.jpg短編作は1on1なエッチですが、特に中編作は3P(男1対女2)が中心であり(←参照 シリーズ第1話「名門痴女幼稚園だよっ」より)、「彼女のまなびや」のレズシーンも含め健康的な色香に溢れる美少女達の肢体がページを埋める様は非常に華やかです。
作家様の技量によってはページ構成や構図が甘くなる複数人プレイを安定感のあるコマ展開・構図でしっかりと見せ、乳・尻・太もも&結合部を満遍なく配置する各ページは抜き的には大変効果的
逆を言えば、ヒロイン達の柔らかボディに男性は覆い隠されており、逞しく描かれる男性器意外にさしたる活躍はありませんが、野郎は別にどうでも・・と思う方と男女双方の体のぶつかり合いが見たいという方で評価が割れるかもしれません。
あまり過剰なリアル感や淫靡さはないですが、局所描写もしっかりしています。断面図・透過図の質も低くないですが、これらはむしろ無い方が魅力的に見えるような絵柄・エロ展開かなと個人的には思います。
フィニッシュは基本中出しですが、膣外へと噴出する白濁液の質感がちょっと水っぽく、エロの表現としては弱めかなとは思います。

とまぁ、初単行本らしい硬さというか不足感はあるのですが、抜き物件としてはしっかりまとめている印象があり、個人的には絵柄が好きなこともあって決して評価は低くありません
出来ることならば、次の単行本ではページ数的にもう少し余裕のある構成でストーリーをじっくり描いて頂ければ間違いなくデフォルト買いの作家様になることでしょう。
シナリオ面で非凡な才を持つ尾野けぬじ先生とのタッグは、子門先生にとっても大きな勉強になると思います。微力ながら応援しておりますので、大いに活躍されることを期待しています。

(注)アリス缶詰師匠からご指摘を頂きましたが、子門竜士郎先生は元司出版で活躍されたスギサンダー先生の変名とのこと。というわけで実は正確には3冊目ですが、このPNでは初単行本ということでご理解下さい。
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