2008年09月

海野螢『大人の手がまだ触れない』

UntouchedByAdultHands.jpgやっとこさ帰京しました。ぼちぼちレビューを再開しますが、1週間近く書いていないと筆力が落ちていそうでおっかなびっくりです。
まぁ、レビュー能力の低さは元よりなので、再びよろしくお付き合い下さい。

さて本日は、海野螢先生の『大人の手がまだ触れない』(オークス)のへたレビューです。夏の風を感じさせる爽やかな表紙ですなぁ。
テーマやSF的なアイディアを丁寧に盛り込んだ厚みのあるプロットと独特の魅力のある叙情的な絵柄とが楽しめる傑作短編集です。

収録作は全て短編で6作。本数こそ少なめですが、1作当りのページ数は20~38P(平均33P)と結構なボリュームがあります。
いずれ劣らぬ良作揃いであり、ニ読三読を誘う構成の妙があるためじっくりと楽しめる作品集だと言えるでしょう。

UntouchedByAdultHands1.jpg人型ロボットの登場する短編「ロボットのゆりかご」(←参照 “嘘”はこの作品のキーフレーズ)に代表されるように、SFの要素を盛り込んで男女の恋愛模様を描く短編群が収録されています。
日本と西洋の人魚伝説をモチーフとしながら孤独な少女とその儚げな美しさに魅了された少年の一夏の逢瀬を話の軸とする短編「人魚の入り江」以外は、男女のラブアフェアよりはSF的なプロットやモチーフにした題材を如何に魅力的に描くことにシナリオの重点が置かれているような印象があります。
ただ、すばる食という天体現象と昴星にまつわる伝承、そしてタイムスリップを見事に重ね合わせた短編「地上のすばる」、性の分化と生殖の意味合いを恋愛要素に重きを置きつつも生物多様性や自己意識の面からも伺う短編「無原罪の御宿り」、二層から三層へのメタフィクションの構成の変化で読み手を惹き付ける短編「ウツツのハザマ」など、高い作劇力によってSF的なテーマや理屈をしっかりと消化していますが、緻密な設定や巧妙なギミックを期待するのは避けた方が無難
どちらかと言えば、サイエンス・フィクションとして科学的な論理構成を基盤に描くのではなく、サイエンス・ファンタジーとして世界に揺蕩う不思議を柔らかく描き出す印象があります。
短編「箱の中の猫」で描かれた様にソリッドに見える現実(の認識)は意外に不確かなわけで、その不確実性の狭間にこそ人間は数多のファンタジーを見出してきたように僕は思うのですが、ともすれば不安と狂気に包まれるその幻想を各短編においてテクニカルにかつ優しく紙面に宿しているように感じます。
自然と産まれくるファンタジーに陰も陽も無いわけで、短編「ロボットのゆりかご」のラストの様にそこに暗さを覚えるならば、それは人間の持つ暗さの映し鏡に過ぎないのではないでしょうか。

UntouchedByAdultHands2.jpg上記の印象を強めるのがエロ漫画ではかなり珍しい、空白を多用するコマ展開(←参照 短編「人魚の入り江」より)から受けるこれまた独特な印象です。
まるでスライド映写機のように(おっさんホイホイ?)コマ間の連続性を保ちながら一コマ一コマの断続性が強調されるページ構成は、その途切れを象徴する白地にこそ読者の想像の翼を羽ばたかせる力を持っています。だからこそ保持された穏やかな現実感から広がるファンタジーとしての魅力がさらに増しているような気がするのです。
下手をすれば単調・淡白な見栄えになってしまうのを、海野先生がお得意とする郷愁を誘う丁寧な背景や登場人物の表情変化の繊細な表現、コマ配置を凝った視線誘導などにより情報量を増すことで回避しています。

UntouchedByAdultHands3.jpgヒロイン陣は言うまでもなく(笑)、ショートヘアで貧乳さんなミドルティーン少女達。でも黒髪ショートさんは二人のみです(←参照 黒髪ショート娘と廃墟 短編「地上のすばる」より)。
繊細なペンタッチ、多用されるものの派手さはないトーンワークなど、くっきりはっきりそして明るくな当世流行りの萌え絵柄とは大分離れた絵柄ですが、時に朗らかに時に妖しく微笑む少女達が持つ健康的な色香は大変魅力的です。
生活感のある街並み、寂莫感漂う廃墟、生命力に満ちた入道雲の夏空、生命と不思議を育む母なる海などなど味のある背景もいつも通り。

余裕のあるページ数もあってエロシーンの量は十分であり、エロ表現として十分扇情的ではあります。とは言え、エロを魅せるためにシナリオがあるのではなく、ストーリーテリングの一環としてエロがあるタイプなので即効性のある抜き物件をお探しの方には強くお勧めは出来ません、いや僕は使いましたけど(爆。
上述のユニークなコマ展開のため、局所描写を含めて一コマごとの表現力は高く読み手の煩悩を存分に掻き立てますが、コマ間の流れの途絶えが肉弾戦の激しさを削いでいる印象はあります。やや複雑な視線誘導もコマごとの魅力を高めるものの、抜きへの没入度はやや低下するかなとも思います。
UntouchedByAdultHands4.jpgただ、それまでほとんど使わない大ゴマを用いるフィニッシュシーンのエロスの爆発力はなかなかのもので、目端に涙滴を浮かべて体を突き抜けんばかりの快楽を必死に体内に押し留めんとする表情も大変魅力的(←参照 短編「無原罪の御宿り」より)。
意図的に少女の台詞をエロ漫画オーソドックスにしている短編「ウツツのハザマ」を除けば、エロシーンにおける嬌声や液汁表現などによる華々しい演出はかなり控えめです。
短編「ロボットのゆりかご」を除いて全員乙女であり、破瓜描写はしっかりとあります。軽く流さず敢えてある程度痛々しく表現されていますのでご嗜好に合わせて判断下さい。
変な総括になりますが、海野先生のこれまでの単行本で抜けた方は今作でもご飯を美味しく頂けると思いますよ。

決してドラマチックを全面に押し出した作風ではないものの、丁寧に話を起こし出して情感をたっぷりと味あわせ、印象的なラストできっちり締める作劇の素晴らしさは健在
少年少女期に持ち合わせたピュアな好奇心と力強い想像力を思い出しながら楽しんで頂きたい作品です。
もう、管理人は帰ってきてイの一番に読んでたっぷり満足させて貰いました。エロ漫画がゆっくり読めるって幸せ。

四万十曜太『ガントライブ』

GunTribe.jpg現在出張中につき新刊レビューが出来ておりませんので、この際お気に入りの過去作レビューをしようという試み中でございます。
当レビューは予約投稿にてお送りしております。御免なさい。

さて本日は、管理人が大好きな作家様の一人、四万十曜太先生の『ガントライブ』(オークス)のへたレビューです。オークスさんは単行本数巻になる長編作をやってくれるところが大好きです。
謎の悪の組織や暗躍する政府の犬(獣耳娘的な意味で)、特殊な銃に代表される各種ギミックなどが光るB級マカロニウエスタン風味と先生お得意の女体のたっぷり感が嬉しい濃い口エロが楽しめる作品です。お勧め!

GunTribe1.jpg収録作は、捻くれた性格ながら意外に好人物でもあるガンマンのドライブと、わけあってその従者となった勝気なインディアン娘マティ(←参照 第1話「少女とガンマン」より)の二人のそれぞれの復讐劇を描く長編作「ガントライブ」第1~8話(以下続刊)および独立短編1作。
1話・作当りのページ数は16~26P(平均20P強)と決して多くはないのですが、エピソードを積み重ねて話を広げていく構成が今のところきっちりハマっておりドキドキワクワクの読み心地が味わえます

人さらいを生業とする非道な組織や西部の荒れくれ者共が登場するため、鬼畜・凌辱系のエロが描かれることもありますが、ベースは主役二人の珍道中をコミカルに描くガンアクションもの
今単行本は長編の第1巻にあたる巻であり、マティの持つ背景や舞台設定の説明などがされるものの、ストーリーはまだ動き始めたばかりという感じです。
GunTribe2.jpg噛み合っているんだかいないんだか分からないコンビに、先生お得意の淫乱獣人さんな特務保安犬アニー・オークレー(←参照 第2話「魔銃とチラリズム」より)や淫乱お姉さんの情報屋ジェミナなど魅力的なキャラクター達が絡んでいく展開はドンドン話を広げようとする勢いが感じ取れて好印象
悪の組織、それを追うドライブとマティのコンビ、さらにそれを追う保安犬と豪快に風呂敷を広げた威勢の良さは気持ちよいですが、果たしてどう話を畳んでくるのかというのは期待7割心配3割という感じです。
既往の作品の多くは淫乱さんと激しいエロシーン、およびユニークな設定によるカオティックな疾走感で押しまくるタイプながら、前単行本『ぱいまにあ』(オークス)収録の中編「逝きてまた帰る」(全3話)ではグサリと胸に刺さる悲しいドラマを描き切る手腕を示したので、その構成力をこの長編でも是非期待したい所。

GunTribe3.jpgいかにもB級西部劇といった感じの各種武器を登場させ、ちゃんと迫力と勢いを以て描かれるアクションシーン(←参照 アニー大暴れ 第3話「人さらいと保安犬」より)を邪魔にならない程度に含めているのが話をしっかり締めています。
また、スプラッターなどの行き過ぎた表現はありませんが、特に凌辱関係では結構陰惨だったり暴力的だったりする表現も散見され、エロス&バイオレンスが売りのアクションエロ漫画としても完成度を高めています
ただ、アニメ/エロゲー絵柄に近い柔らかいタッチの絵柄やどこかあっけらかんとした空気が終始漂っているので精神的負荷が高すぎる深刻なストーリーではありません。凌辱系がキツイと難しいですが、割合気楽に読める部類の作品です。

保安犬アニーは四万十先生の描くいつもの獣人娘と同様、むっちりした肢体に爆乳が加わる肉感たっぷりの肢体の持ち主。それに比べると正ヒロイン?のインディアン娘さんは細めではありますがこれまた巨乳の持ち主です。
GunTribe4.jpgその豊満な肢体で男の欲望を全て受け止め、むしろ逆に貪欲に精を貪る明るい性格のアニーも(←参照 一応強姦されとります(汗 第7話「賞金首と保安犬」より)、ドライブに性感を開発されながらツンツンした態度を崩さないマティもどちらも魅力的なキャラ付をされています。
今単行本の終盤ではあまりマティがエロ的にもお話的にも活躍していないのは残念ですが。

卑語・猥語をバンバン投入する台詞の異常なテンションの高さからすると、アニーが野郎どもにいやらしいコトをされて乱れまくるエロシーンの方が先生のモチベーションが上がっているようですが、基本的に男の獣欲をストレートに女体に叩き付ける激しいセックスシーンが多め。
いまいちダイナミックな動きの演出力には欠けていますが、ムチムチボディが快楽に悶え、跳ねる様子は十分扇情的でありしっかりと抜けます。
あまりの快楽(または苦痛)に白目を剥くシーンや所謂“レイプ目”になるシーンが多いのは賛否が分かれそうですが、それだけ強烈な肉の交わりなんだと読み手に伝える説得力は少なからずあります。
ただ、強いて文句を言わせて頂ければ、何でこんなビックサイズおっぱいを持ちながらパイズリ描写がこんなに少ないのだという程度ですが、まぁ、これは単に僕の好みなので置いておきましょう。
また、行為の激しさの割に液汁描写は弱めで、中出し中心のフィニッシュシーンにおける白濁液の量的な物足りなさは少し不満。ただ話数が進むにつれ量が多くなっている様な気もしますが(笑。

まだ、キャラクターの顔見せとガンアクションドラマの状況説明に終始した第1巻ではありますが、「これからいくらでも面白くなりそうだ」と読み手に期待を持たせる展開が楽しめます。早く2巻でないかなぁといつも思ってます。
四万十先生のこれまでのエロ漫画が好きならば抜き物件としての評価の高さはまず揺るがないでしょう。読んで楽しく使えて楽しいエロ漫画としてお勧めしますよ!

全くの余談ですが、四万十先生の作品にはよく顔を出すトナカイ娘のクリスさんと褐色肌なロリメイドさんのシーナさんは大好きなキャラだけに登場するか否かが気になります。多分登場しないでしょうが、あの二人なら時空すら超えてくれそうなもので(笑。

山本雲居『マーブルケェキ』

MarbleCake.jpg現在出張中につき新刊レビューが出来ておりませんので、この際お気に入りの過去作レビューをしようという試み中でございます。
当レビューは予約投稿にてお送りしております。御免なさい。

さて本日振り返る作品は、泣く子も黙るロリ鬼畜の奇才・山本雲居先生の『マーブルケェキ』(フランス書院)のへたレビューです。山本先生は去年のRin4月号以降発表作品をお見かけしていないので大変心配です。
異常な程の軽さで描かれる少女達の惨禍が生み出す、狂気の官能と底なしの絶望を味わいたい貴兄にお勧めです。

MarbleCake1.jpg収録作は、商店街会長がふくびきの景品に自身の幼い娘二人とのセックス券を出しその姉妹が頑張って抜き抜きする短編「ふくびき」(←参照)+その後日談を描くおまけ漫画(5P)、および短編9作。
おまけ漫画を除き1作当りのページ数は8~18Pでほとんどが16P作品。話のボリュームはほとんどないのですが、それ故カオティックな魅力の鋭さが増している感もあります。

作風に関しては短編「暗闇の孤児院」などのようにドス黒い悲劇から短編「忍者ハットリちゃん」などの能天気なコメディまで幅広いながら、少女達が物語世界を支配する歪んだルールに従って淡々と凌辱されるという構図は共通しています。
その苛烈な凌辱劇に抵抗する権利さえ奪われたかのように少女達はあまりに軽々しく扱われ、話の最後までその事態の打開は一切図られず、劇終の後も延々とその悲劇が続くことを予見させます。
時にコミカルな作風もありますが、それすら決してハッピーな作品ではありません。短編「通販生活」では物語冒頭で、等身大フィギュアを注文した男性の元に、何故か手足を拘束され口をガムテで閉ざされたコスプレ少女が送られてきます。
MarbleCake2.jpg数秒の躊躇の後に男性が導いた結論をコミカルに描いていますが(←参照 短編「通販生活」より)、このコマは男性にとって“人間”が“モノ”に変わる、凄まじく残酷な瞬間を切り取った大変に象徴的なものです。
このコマの後、男性は逐一フィギュアとしての評価を述べながら少女を犯します。意外に楽しく描かれる一連のシーンでの言葉を封じられた少女と真逆の男性の雄弁さは、犯される少女の人間性を削り取り自身の罪悪感を希釈する、まるで禍々しい魔法の呪文です
短編「忍者ハットリちゃん」や「ふくびき」でも同様なのですが、人間の欲望や愚行を笑いにする喜劇というものが隠し持つ残虐性をまざまざと見せつけ、ソフトな読み心地と胸の中で長くリフレインする後味の悪さを味わえます。

そして、(少なくとも我々が共有する意味合いにおいて)“人間”であることを放棄させられた“モノ”としての少女達の人間性が再確認されてしまった時、そこには絶望と深い悲しみの海が広がっています。
短編「暗闇の孤児院」では出資者達に犯され人身売買される少女が描かれます。
MarbleCake3.jpg無理矢理搾り出すかのような嬌声を除けば少女の台詞はほぼ無く、亡き両親に絶望的な救いを求める「パパ ママ」という短いモノローグが何回も登場するだけです(←参照 短編「暗闇の孤児院」より)。その4文字の言葉に込められた悲しみ、絶望、恐怖といった負の感情が読み手の心を鋭く突き刺してきます
先生お得意のクラスメイト乱交モノな短編「キッズ ディック パレード」でも、“モノ”扱いされた少女の“人間”への回帰が描かれますが、そこに待っているのは救済ではなく乾いた悲劇でしかありません。
正義や愛情による救済も、心を壊すことでの逃避すらも許さず、狂いながらも妙に堅牢な彼女たちの、“与えられた現実”を生きていくしかないという、ある意味最も残酷なラストが用意されています
この様にかなり陰惨な作品が多く、欲望を少女に向けることへの罪悪感を町田ひらく先生なみに抱かせますので、決して気軽に読むタイプの作品ではないと書いておきます。

ヒロインはロー~ハイティーンクラスで決してロリっ娘だけが登場するわけではありません。ツルペタオンリーでなく巨乳さんもいるなど、ツルペタロリを強調する表帯の煽り文の内容とのあまりの落差は何とかして欲しかったもの。
シンプルな線を多用する絵柄は、沈鬱な表情が多いため目立ちませんが一応可愛らしさに重きを置く萌え系絵柄であり、乾いた作風によくマッチ。この絵柄のおかげで個人的には町田先生よりはるかに抜き易かったです。
エロシーンの分量があまり多くないことに加え、あくまで少女達を支配する悲劇の舞台装置としての凌辱なのであまり抜きオリエンテッドな作品ではない印象もあります。
MarbleCake4.jpgただ、男性達の暴走する欲望が少女達を次々と蹂躙していく様(←参照 野外放尿強制 短編「Pitiful lamb diary」より)、少女達がその人格を否定するかのような一方的な性行為を強いられる様は二次元ロリ鬼畜を愛する紳士諸兄の欲望をスッキリ解消してくれること請け合いです。
性器アップや断面図などの直接的なエロを求めるのは不可能な類であり、中出し中心のフィニッシュシーンの射精カタルシスもそれほどではないのは残念。

この暗く歪んだ物語世界をしっかりと受け止めた上で、ガッツリ抜きに使うなり少女達の塗炭の苦しみに涙するなりして頂きたい禍々しくも光り輝く作品群です。(管理人は泣いたし抜きもしました。)
これだけ切れ味のある作品を描ける先生が初単行本のみで終わるなんで悲し過ぎるので、多少原稿が貯まってるはずの茜新社さんに何とかして頂きたいと無理を承知でお願いする所存。

田倉まひろ『たくらまかん展覧会』

TaklamakanExhibition.jpg現在出張中につき新刊レビューが出来ておりませんので、この際お気に入りの過去作レビューをしようという試み中でございます。
予約投稿にてお送りしております。御免なさい。

さて本日は、田倉まひろ先生の初単行本『たくらまかん展覧会』(ヒット出版社)のへたレビューです。管理人が大好きな作家様の一人です。
ユニークなキャラクター達が元気に動き回る大バカなラブ・コメディと激しい肉弾戦のエッチが楽しめる作品集です。

収録作は全て短編で8作。短編「Open Success」「三白眼の彼女」「Vanishing Bunny」に関しては描き下ろし後日談ショート(2~4P)がおまけとしてついています。
1作当りのページ数は20~28P(平均24P弱)と適度なボリューム。エロシーンの抜き的な満足感とコミカルパートの軽快な読み心地が両方味わえます

TaklamakanExhibition1.jpg作風に関しては、人外娘さんなども含むちょっぴり変わったヒロインさん達やこれまた一クセある男性が繰り広げるいい意味でハチャメチャなラブ・コメディ(←参照 衝撃・笑撃の開幕 短編「Open Success」より)。
同じくヒット出版社系の井上よしひさ先生おおとりりゅうじ先生、元ヒット所属の道満清明先生などが好きならばお気に入りになること間違いなしです。
上述の先生方の作品に比べても、ギャグへの踏み込みは全く劣らず、その勢いの良い破天荒さはむしろ勝っているのではないかと思うほど。オーバーな演出や勢いのある台詞回し、思い切りの良い表情変化などで魅せるコメディの楽しさは初単行本にして既に一級品です。
田倉先生による作品解説でも記述されていますが、登場人物達による記憶に残る面白い発言の数々も大きな魅力。
途中まで猫耳ロリ娘の童話チックな不幸話かと思わせておいて、読者の予想の完全斜め上にぶっ飛んだ終盤展開を見せた短編「ばっちゃのねこ」は唖然とした後に大爆笑な快作にして怪作。その内容は是非自分で読んで大いに楽しまれることを強くお勧めします。

また、時に乙女チックに時に優しくコミカルに描かれる登場人物達の甘い恋模様をしっかり描出できているのがラブコメ作品として大きなアドバンテージ
短編「お嬢様3分クッキング」のツンデレお嬢の恋心故の暴走はとても素敵。短編「三白眼の彼女」の無愛想な三白眼娘の不器用だけど率直な愛の告白に胸がキュンキュン。何年間も愛の言葉を明るく伝えてきた天然男子と素直になれなかったスパッツ娘が幸せに結ばれる短編「すきスキ SCREAM SHOW」の微笑ましいラストに頬が緩みます。
TaklamakanExhibition2.jpg短編「偉大なる第一歩」のおっとりした性格のロリロリバンパイアさんのキュートな結婚&子作り宣言もとてもお気に入りです(←参照 可愛いなぁもう 短編「偉大なる第一歩」より)。
後述するように結構激しいエロシーンを描き、時に強要めいた行為もあるのですが、上記の例のように必ずハッピー&コミカルなラストを持ってきます。
サディスティックな欲望を刺激しつつも、その情欲に伴う後ろ暗さをラストで綺麗に払拭し、読後感を楽しく爽やかにする構成はエロの実用性とラブコメの楽しさを両立させるのに大きく貢献していました。

TaklamakanExhibition3.jpgデフォルメを強く効かしたユニークな絵柄であり、漫画チック絵柄と萌え系絵柄の折衷タイプという印象(←参照 短編「三白眼の彼女」より)。
短編「ふたつぎぬ」のメイドママンを除けば、貧~巨乳のミドル~ハイティーン美少女かロリーな外見な人外娘さんがヒロイン。それぞれ漫画チックに素敵なキャラ立てがされており、全員実に可愛らしいです。
コミカルパートでも恋愛模様においても、男性にしっかり存在感があるのは嬉しい所。

エロシーンに割かれるページ分量は決して多くないのですが、互いのピュアな恋心と肉欲が爆ぜる性交を激しい勢いを以て描けています。
TaklamakanExhibition4.jpg全二次元ロリ輪姦スキー(管理人含む)が大喜びな短編「ばっちゃのねこ」はかなり強烈な凌辱劇ですが、例え純愛エッチであろうと嗜虐欲を煽る派手な表現を絡めてきます(←参照 短編「Open Success」より)。
コマを彩る力強い効果音やあまりの性感に紅潮し白目を剥くアクメ顔、絶叫混じりの台詞、結構な量で叩き付けられる白濁液などなど、エロの味付けはしっかりと濃くされておりしっかりと使える作りになっています。
メイド服やバニーガールコス、オールドスタイルなセーラー服などコスチュームが充実しているため、着衣エッチの比率が高め。余談ですが、個人的には破れたスパッツやストッキングなどにエロスを感じます。
フィニッシュは涙を浮かべて絶頂を迎えるヒロインにばっちり中出し(1回アナル中出し)で射精カタルシスを満足させてくれます。
フェラやパイズリでの前戯で1回ぶっかけてくれる多回戦仕様が多めではありますが、エロシーンの分量および構成の都合上1回戦で試合終了というケースもあってそこだけはちょっと残念です。

女の子が可愛くてかつ楽しいエロ漫画をお求めな貴兄はマストバイといって良い、管理人の超お勧め単行本です。
購入当時はブログを始めていなかったこともあって1年以上遅延のレビューと、一ファンとしては後悔の極み。やっとこさ紹介出来て嬉しいです。
2007年ベストテンにはギリギリ入らなかったのですが今となっては入れておけば良かったと後悔しております。

佐藤登志雄『放課後乱交クラブ』

AfterSchoolGroupSexClub.jpgしかし、狂乱家族日記は最終回手前で超僕好みの新キャラ(褐色肌・巨乳・舌足らず)を投入とか。もっと早く出して下さい(泣。
出張のせいで最終回をリアルタイムで観れないのが残念。(当記事は予約投稿)

さて本日は、佐藤登志雄先生の『放課後乱交クラブ』(富士美出版)のへたレビューです。この表紙とタイトルは確かに売れそうな気がします(あとがき参照のこと)。
ダークな凌辱劇から明るくエッチなラブコメまで幅広い作風の中で描かれる、快感に乱れる美少女達の痴態を楽しめる作品集でした。

AfterSchoolGroupSexClub1.jpg収録作は、貧乳さんな従妹の日焼け跡の肌のコントラストおよび色白巨乳な従姉とのコントラストの両方が楽しめる「CONTRAST」前後編(←参照 後編より)、片方のカップルの男の子が別のカップルの女の子を寝取る短編「お、ねだん異常」+おまけとしては大ボリュームの描き下ろし後日談(10P)、および短編6作。
1作・話当りのページ数は16Por20P(平均18P強)とあまりボリューム感はありません。あまり多くないページにエロもシナリオも出来るだけ詰め込もうとする姿勢そのものは○ですが、読んでいるとちょっと忙しない印象がします。

上述のように作風は様々で、寝取りモノや集団レイプといったダークな作品もあれば、快楽主義につき抜けた乱交モノや主人公が棚ボタ式に両手に花状態を満喫するお気楽プチハーレム系があったりと作品間でのテンションの上がり下がりが楽しい所。
ただし、シナリオのバラエティの豊かさは特定のジャンルへのコダワリが弱いことを同時に露呈しており、シナリオはエロへの導入に整合性を与える作用のみに終始しています。
AfterSchoolGroupSexClub2.jpg本来異形であるはずの触手を単なるエロツールとしてしか扱わなかったり(←参照 軽いっ! 短編「DAWN OF THE IMMORTAL」より)、寝取り寝取られにおける心の揺れ動きの描出が弱かったりと、倒錯のエロスへの方向性を持ちながらその方向に踏み込めていないのはややマイナス評価
勿論、このあっさりしたシナリオの味付けは抜きに専念するには悪くない手法ですし、特に短編「胡蝶の夢幻 右舷左舷ようそろ」や「CONTRAST」のお気楽エロ空間の演出にはむしろ好適ではあります。

ただ、やはり個人的には、もう少し心情描写や欲望のせめぎ合いといった演出がオリジナリティーを出す上でも、エロ展開をより官能的に魅せる上でも必要かなと感じます。
33ba2a40.jpgエロコメ風味の楽しそうなスタートを切りながら(←参照 へっぽこ超能力者さん 短編「星に願いを」より)どす黒い欲望が凶暴に叩き付けられる凌辱劇に移行し急転直下なオチで読者を良い意味でバッサリ切り伏せた短編「星に願いを」や、脅迫系へと移行しそうなスタートを見せつつヒロインの底なしの欲望がやんわりとした展開に巧く引き込む短編「妄想超特急」などではシナリオをしっかり動かせているのでこの手腕を他の作品でも見せて欲しい所。

初単行本が出るまでそれなりに時間がかかったようですが、最初期の作品は収録しなかった模様で絵柄にほとんどブレはありません。多少描線が繊細になったかなぁという程度です。
やや無機質な印象のする絵柄でゴチャッとした描線が華でも難でもあるのですが、基本的には万人受けるするオーソドックスな絵柄なので表紙絵が気に入れば中身も満足できるでしょう。(表紙絵は色の華やかさで実際よりかなり良く見えているのは確かですが)
ヒロイン陣は女子校生さんがメインで全員スレンダーなタイプ。そのスラリとした肢体に装備されるおっぱいは貧~巨と様々でお股は毛があったりなかったり。
性器描写は淫靡に魅せようとする努力が伺えますが、いやに淡白な乳首や舌の局所描写は個人的には不満です。

この描線密度の高い絵柄がエロシーンではばっちり活きており、性の享楽に千千に乱れるヒロインの心を表すかのようなゴチャッとしたコマ展開でエロシーンを華やかに魅せてきます
大ゴマの有効活用がもう少し欲しい作品が多かったり、流石に小ゴマ連発過ぎて読みにくかったりするのはご愛敬ですが、アングルや引き・ズームをテンポよく変化させながら進むエロシーンの乱れっぷりはなかなか扇情的です。
AfterSchoolGroupSexClub4.jpgタイトルに乱交とあるように、複数の女性がエロに絡むケースが多く(←参照 短編「胡蝶の夢幻 右舷左舷ようそろ」より)、美少女達の痴態の華やかさをさらに高めています。
体を濡らす汗の表現や、行為を彩る大小の擬音表記などがさらに各コマの情報量を増しておりエロスを下支えしています。
多回戦仕様なのは嬉しいですがここでも詰め込みの悪癖が出ており、射精回数の確保のため全男性陣が早漏気味。もうちょっとじっくりとしたエロ展開を見せて頂きたい所です。
なお、破瓜描写の記号は控えめながらある場合が多いのは嬉しい所。
多少外出しを含みつつ、フィニッシュは断面図を絡めながらヒロインの最奥にばっちり中出しで結構爽快です。ただ、事後に「ピル飲んでるから大丈夫」とか言わなくていいですから…。

エロの見せ方と上手さとシナリオの起点となるワンアイディアの盛り込みはしっかり見せている初単行本なので、今後はエロとシナリオを如何に相乗効果で魅せていくかということが課題なのかなという印象です。
今単行本は即効性のある抜き物件として十分お勧めできますし、今後完全にテンプレ展開に落ち着くのかオリジナリティーを発揮してくれるのかが注目の作家様です。
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