2008年08月

神寺千寿『きらい、でもすきっ』

IHateYou,ButILoveYou一愛好家としては“積み本”はやはり“罪本”なので出来るだけ早く読むようにしていますが、レビューはそうはいかないのがしんどい所です。
サラリンチョと有益で面白いレビューを書ければ最高ですが、僕程度じゃ無理なのです(大きく溜息。

未レビュー作は他に何作かありますが、これ以上遅れるのは自分で納得できないので神寺千寿先生の『きらい、でもすきっ』(松文館)のへたレビューです。これより後に出た『微熱なつまさき』(久保書店)のレビューもご参照下さい。
幼さ故の純粋な恋心・感情が眩いょぅじょヒロイン達との極甘ラブなエピソートを楽しみたいロリスキーにお勧めな1作です。

収録作は、密かに教え子の女の子に好意を寄せるロリコン男性教師が彼女の双子の兄との幼い情交を覗き見てしまってな連作「ナルちゃんと先生」「ナルちゃんと先生 2時限目」、および短編8作。
1作・話当りのページ数は16~20P(平均18P強)と中の下程度の分量。各話の量こそ少なけれども、甘い口当たりを持つふくよかな味わいの醇酒を飲むが如き満足感が味わえます。

多少強要気味の行為が描かれることもありますが(特に「ナルちゃんと先生 2時限目」は下手すれば逮捕モノ)、基本的にちょっぴりビターテイストを絡めながらも甘い甘い年の差カップリングの恋愛話
短編「エッチで可愛い、最高。」や「海までの袋小路ふたり」に多少痕跡を残してはいますが、旧作で散見されたほの暗い感情や悲劇の予兆の盛り込みは大きく減少しました。
読み手の心にチクリと小さな棘を打ち込んでくる作風が好きだった方にはちょっと物足りないかもしれませんが、そういった感情の絡まり合いの繊細な紡ぎ方を素直な恋心の描写に向けているため、恋愛模様を描く作品としての完成度は増してきている印象です。
IHateYou,ButILoveYou1青年と幼女さんの温かい恋模様を主軸としていますが(←参照 ぱんち☆ 短編「And Words」より)、男女の想いがストレートに結実するというよりは、時に優しく時に少し残酷に両者の思いがすれ違っているケースが多いのが特徴です。
このすれ違いが、短編「エッチで可愛い、最高。」での家庭教師の男性と教え子のヒロインの間にある恋愛感情の大きな落差のようにほの暗さを感じさせる場合や、互いにラブラブなのだけれどもその感情の表現の仕方や見据えているものが違う兄妹を描く短編「あまいせいかつ」では微笑ましさを感じさせたりと色々な方向性に発展していくのが面白い所。

女の子側の心情描写もしっかりしていますが、男性側にも存在感はしっかりとあり、上述のねじれを含有しつつ男女一緒になって物語を進行させていきます。
共に近親相姦のタブーに揺れ動く兄妹を描きつつ、最後まで兄が明確な返答を避け寂莫感のある別れのラストを描く短編「海までの袋小路ふたり」と兄の「好きだ」という明確な心情の吐露が心温まるラストを迎えさせる短編「Home・Sweet・Home」は、終盤手前までの展開をほぼ同じくしながら男性側の決意の仕方の違い(決して強弱ではないでしょう)が結末を分かつ好対照な短編
IHateYou,ButILoveYou2ラストページで電車に乗る登場人物を描き別れを想起させる展開まで共通ですが、妹が電車に乗り兄が帰るのを待つ立場に戻る短編「海までの袋小路ふたり」と、兄が電車に乗り兄が帰る決意を固める短編「Home・Sweet・Home」(←参照 管理人ちょっと嬉し涙)で意味合いは大きく異なっています。
短編「Sugarbaby Love」と「ナルちゃんと先生」シリーズのロリコン男性教師はいい感じで抑えが効かなくなりエロ的に大活躍、でも行為に限って言えばちょっとラブラブ路線からは外れ気味。

ただし、あくまで本作の魅力の大部分を占めるのはキュートな表情とイケない痴態を披露してくれるロリっ娘さん達。彼女たちは肉付きの良さを示す丸みの強いロリプニ絵柄で描かれます。
IHateYou,ButILoveYou3小さな嫉妬に膨れたり、通じぬ思いに涙を零してしまったり(←参照 あぁ、もう抱きしめてあげたい! 短編「せなかなふたり」より)、そして結ばれる喜びに輝いたりと、ロリ娘さん達の感情を余すところなく伝える表情がエロシーンも含めて素晴らしく、読み手の脳髄を湯煎に欠けたバターの如く蕩けさせてくれること間違いなしです。
コマを彩るトーンワークも含め感情の明暗を問わず優しく温かい絵柄が一貫していますが、必ずしも万人受けするタイプではないです。

膨らみかけのお胸とふっくらしたお尻を装備する小さくてぷにぷにでスベスベお肌のロリボディを味わうエロシーンは質・量共に高水準
小さなオミャンコを優しく弄ってからスムーズに挿入へと進行し、キュンキュンと性感を求めて蠢く膣内に中出し(数回外出しもアリ)とシーンの展開自体は一般的なもので、アナルとか拘束とか特殊な行為・シチュエーションを望むのはNG。
IHateYou,ButILoveYou4切れ切れの短い嬌声(←参照 短編「Sugarbaby Love」より)やヒロインの体全体が包まれ快楽に跳ねる構図を多用し、卑語たっぷりの大仰な台詞回しや性器結合をガンガン投入する派手さはあまりありません。ただ、それ故にょぅじょさん達の内に籠る血肉と性愛の温度感が出ているように個人的には思います。
液汁描写も同様に控えめなタイプであり作風を考えれば当然ですが、射精カタルシス的には物足りなさもあり、ロリっ娘さんを中に外に白濁液でドロドロにしたい貴兄は回避推奨。
個人的には小さなお口で一生懸命頑張るフェラシーンが大好物ですが、その回数は少なめで残念無念。

「ロリエロの実用性の本質は行為の激しさやシチュエーションの特殊性でもない。少女との優しい睦み合いこそ全てなのだ!」という徳の高い(?)二次元ロリスキーには至高の逸品。
ほんわかと幸せになれる良作ロリエロ漫画でございます。

あ~る・こが『幼い愛液』

LittleHoney.jpg各所で話題の『よつばと!』8巻(あずまきよひこ/電撃コミックス)を読みました。子供神輿を担いで地区を回った幼少期を思い出してじんわりと温かい気持ちに。
あと、ササナミさん(漫画脳様)と同じでジャンボ×みうら派ですな、変な意味も含めてですが

さて本日は、頼れるベテラン、あ~る・こが先生の『幼い愛液』(オークス)のへたレビューです。なお、タイトルは“おさないみつ”と読みます。
甘々なラブ話から無残な凌辱系ストーリーまで様々な作風に彩られたロリータさん達とのエッチが楽しめる作品集です。

収録作は商業誌(XOと桃姫)を初出とする短編6作と同人誌から採録した短編6作。2004~2006年発表の作品が主体ですが、絵柄にしても作風にしてもほぼ固まっている先生なので「古めなのか?」と警戒する必要はあまりありません。
同人作品が半分を占めるせいもあってか、1作当りのページ数は12~20P(平均15P弱)と少なめ。このため漫画としての読み応えには乏しいですが、ページの大半をエロシーンが埋めますので抜き物件的には十分なパンチ力があります。

LittleHoney1.jpg父娘相姦が母親に露見し、妻(母親)が出て行った悲しみから狂気に一歩足を踏み入れた父親と無垢な娘の救われない性交を描く短編「REASON」(←参照)で幕を開け、途中には純真に一生懸命生きる猫耳ょぅじょがその人格を全否定され惨いラストを迎える短編「猫の本懐」などもありますので、楽しいロリエロ漫画のみをお求めの方は留意されたし
他にもちょっと苦いラストやインモラル系の短編もありますが、基本的には好き合う男女のラブラブHか明るい快楽優先主義のセックスが描かれています。
タイトル通りにロリエロ作品が中心ですが、短編「妹のパンチラ」「猫陽姦」などに代表されるように能天気なほど易々とエロ行為に突入するために、少女の性行為への恥じらいや後ろめたさの描写とか禁忌に由来する背徳感の盛り上げはあまり期待しない方がよいと思われます。
心理的な負荷を最小限にして小さなヒロインさん達とのエッチに浸るにはむしろ好適な雰囲気・展開ですが、非処女率が高めなこと・処女と思われる場合でも破瓜描写が無いことは作風にはマッチしていますが気にする方にはマイナス要因でしょう。
LittleHoney2.jpg子供と思っていた妹にまさかの上手さを見せるエロテクニックを尽くされてしまう短編「妹のパンチラ」に登場の可愛らしい妖婦、楓ちゃん(←参照)は初めてかと問われて「ふふふ、ないしょ(はあと」とのお答え。おそらく非処女ですがその年不相応の妖艶さが導入部の無邪気さと良いギャップ感を生じさせており、話の流れもエロの展開も巧い短編でした。
男の子のモノローグを重ねて進行するカップルの幸せなラブ・アフェアの短編「みんなが知らない事」や虐げられる褌猫耳ょぅじょが(完璧な棚ボタ展開とは言え)幸せを掴む短編「見つめてそして抱きしめて」などもなかなか素敵な短編です。

幅がある作風そのものは商業・同人共に共通していますが、同人誌初出の短編群はページ数が12Pしかない作品が大半でエロもシナリオもボリュームが不足している印象があります。
同人作品は全て猫耳少女達が登場する作品なので、管理人を含む猫耳スキーには嬉しい所ですが、漫画としての評価はちょっと低いです。
加えて、大ベテランの先生なので同人・商業および初出年月を問わず絵柄は安定していますが、同人短編で所々のページで印刷のクオリティーが低下しているのには閉口。邪推ですが、一部原稿が無く同人誌をスキャニングしての採録といったことになったのでしょうか?まぁ、異和感はありますが作品の良し悪しに大きく影響するものではありません。

LittleHoney3.jpg一部ミドル~ハイティーンのヒロインもおり、一人巨乳さんも存在しますが(←参照 短編「みんなが知らない事」より)、前述の通りツルペタ~貧乳のロリっ娘さんがメインとなります。
例外のヒロイン達も丸みを帯びたボディラインや大きいお目でロリ色強めに描かれていますので、作品間で違和感を覚えることは少ないでしょう。
表帯の訴求文に“ロリぷに作品集”とありますが、肢体描写に関してあまりプニプニ感は強くなく、むしろ鎖骨や肋骨、骨盤などのょぅじょの小さな骨格の存在を意識させる絵柄に感じます。その小さな骨格とそれを薄く覆う柔肌の対比が少女の肢体の未成熟さを醸し出しており、ぷにオンリーなタイプより個人的にはエロチックに感じます
まぁ、あ~る先生の長い作家歴を物語るやや古めのロリ絵柄ではあることは確かなので、初見の方は裏表紙や帯に載せられたサンプルのコマ等で事前確認をするのをお勧めします。

エロシーンの量的満足度は短編間でバラつきが認められるものの、ヒロインを以外にねちっこく弄る前戯シーンと体位を変化させつつぱっくり開いたオミャンコに肉棒を出し入れする抽挿シーンの実用性はお墨付き。
着エロは短編「FIRE WORKS」を除きほとんど無く、性行為の過程で全裸になってくれますので、ょぅじょの胸もお尻もツルツルお股も全部見ていたいんだ!という貴兄には絶好球。
修正はかなり甘いですが、そこまで性器描写の官能さは豊かでないので期待しすぎるのは不可。
行為そのものの描写は十分勢いよく描けていると思いますが、エロ的な質感に乏しい液汁描写や派手なのか穏やかなのか中途半端な擬音の振りまき方など当世流行りの派手な演出とは無縁のタイプですのでご嗜好を鑑みて購入を判断されたし。
LittleHoney4.jpgただ、その悪く言えば地味な演出が最大限活きているのが、ヒロインが高まる性感を必死に堪えて口をきゅっと結ぶコマ(←参照 短編「好きで悪いかっ」より)。
ここで一旦エロティックなタメを作って、この後ヒロインが口を大きく開けて快感を叫ぶコマにつなげていく構成はお見事。
基本的に1回戦仕様なのが物足りないですが、ラストは絶頂を迎える幼いヒロインにデフォルトで中出しの安心設計です。

全体的にベテランらしい安定感を魅せており、絵柄や内容に興味があるなら買っては損をすることはまずないでしょう。
個々の作品としてのボリューム感に欠けるのが最大の泣き所ですが、それ故一層XOで連載中の「つくみみ」が収録される次の単行本に期待したい所です。

めいびい『満開乙女』

FullBloomMaiden.jpg先日のOpethのライブは最高のショウでした。演奏は勿論、ユーモアのあるMCも良かったですし、それに対する観客のリアクションも素晴らしかったですね。
何気に赤坂Blitzの音響も大変良かったですし。

さて本日は、めいびい先生の(成人向けでは)初単行本『満開乙女』(ワニマガジン社)のへたレビューです。既に一般で単行本を出されているとは言え、初単行本とは思えない高い水準にある作品集です。
時にコミカルに、時に淫靡に、そして時にラブラブの熱量たっぷりに動き回る魅力的なヒロイン達が楽しめますよ。

3de72d02.jpg収録作は、初エッチに失敗したせいでギクシャクした関係を修復しようと彼女さんが頑張るお話の「なつおとめ」(←参照)+その後日談の描き下ろしフルカラー短編(8P)、および短編9作。カバー下の作品解説も面白いので是非読まれたし。
フルカラー短編「なつおとめのつづき」を除き、1作当りのページ数は16~24P(平均18P強)とあまりボリューム感はありません。
エロやコメディの勢いで駆け抜けるタイプの作品や、ストーリーの明示よりも雰囲気で魅せるタイプの作品が多いのであまり気にはなりませんが、もうちょっと肉付けが多い方が面白くなっただろうと感じた短編もありました。

嗜虐/被虐欲の開花とコミカルさが同居する短編「乙女はやぶさ跳び」から互いを思いやる恋心と若い男女の瑞々しい性欲を描く短編「なつおとめ」まで、ラブラブ濃度には濃淡の幅がありますが、収録作の7割程度は好き合う男女が登場するラブコメ作品。
FullBloomMaiden2.jpgそれらのラブコメ作品では、ヒロインさん達が非常に積極的というか、恋心とエッチへの憧れでキュートな大暴走をかましてくれます(←参照 「あっ!」じゃないよ(笑)短編「盲目乙女ハート」より)。
短編「乙女心オーバーフロー!!」に登場の、男の子からの愛の告白を受けて「それって、つまりあたしと、せっ せせ セックスするの!?」と絶叫し、そのまま性交を果たさんと男の子を振り回す暴走クイーン、晶ちゃんや、短編「乙女塾講師 柊さつき」に登場する、年下の男の子を部屋に呼んだはいいが動揺しまくり→お酒を飲んでエロエロ大暴走なお姉さまヒロイン、さつき先生が活躍する様はとても素敵です。
全体的に見て、楽しい雰囲気とヒロインのキャラクターが魅力のラブコメとして完成度は十分です。ただ、素直なエッチへの欲望とヒロインへの恋心を口にする男子たちを魅力的に描けている短編と、男の存在感が希薄な短編とに分かれるのが個人的にはちょっと不満。
また、上述のようにページ数が多くない故に、キャラクターの行動原理に関して舌足らずな印象があるのも少しだけマイナス評価です。

ラブコメ以外では、エロシーンにおけるメイドさんの色々な意味での大奮闘が笑いを誘うエロコメ短編「俺たちの手でつかむ22世紀」、少女の秘めたる妄想と現実がダークに絡み合うインモラル系の短編「仮初乙女」、寂れた娼館とそこに残って生きる少女の水揚げを描く短編「処女椿」と作品の雰囲気は様々
ラブコメ系作品でも同様でしたが、丁寧に描かれた背景と場面場面の情動をリンクさせることで醸し出す雰囲気の良さがこれらの作品でも魅力的であり、個人的に最愛は短編「処女椿」です。
娼婦の中で育ち、体を売ることしか生きる術を知らない少女が、かつて見染めた青年と愛の言葉を交わしながら体を重ねます。
FullBloomMaiden3.jpgラストの一コマで寂しげな表情で「また・・・来てくれるかな」と呟くのですが(←参照 短編「処女椿」より)、若いながらも娼婦として生きる彼女の立ち位置を考えると、このセリフも含めて本当に“純粋な愛の言葉”なのかなと、ラストで読み手にぐらりと揺さ振りをかけるセンスの良さを感じました(なお、「仮初乙女」も同様の手法)。
大正ロマンを感じさせる娼館の背景描写も◎。余韻が素晴らしい作品でした。

ヒロインさん達は貧~巨乳のスレンダー美人さん。年齢的にはハイティーン中心ですが、二人ほど成人女性もおります。
21a3e58d.jpg描かれるセックスはお互いの好意の発露であって(←参照 「ドキッ オトメの微熱大作戦!」より)、若い男女の率直な肉欲が描かれているとは言え、どちらかと言えば穏やかに体を重ねる様が描かれます
ここぞとばかりに溢れる思いと欲望をぶつけ合う濃厚で激しいエッチを求めるのはNGですが、柔らかそうなおっぱいとおしりや煽情的に描かれる舌や性器の局所描写、加えて安定した絵柄もあってエロシーンの実用度はしっかり確保されています。
時々前戯における射精の寸止めがあってションボリなのですが、ヒロインさんの性格やボディに合わせて手コキ・フェラ・パイズリなどを投入する前戯での射精+魅惑のオミャンコをズンパン×2と責め立てて1~2回中出しという連発仕様が多いのは嬉しい所。
なお、前戯シーンで魅せるヒロインの挑発的な瞳の表情が妖しいエロスを放っていて個人的にはプラス評価。その瞳がピストン運動の進行に伴い快楽の涙に潤むのもとてもエロチックです。
余談ですが、カラーパートを含む作品においてカラー部でのエロシーンがシナリオ展開にしっかり絡んでいるのは巧かったという感想です。

読み手をしっかり惹き付けるエロもシナリオも完成度は十分高いですが、もう少し大きいボリュームで読んでみたい所。あと、一般作品でお忙しいと思うのですが、エロ漫画作品の発表頻度をもう少し上げて頂きたいのが個人的な本音です。
元気に暴れまわるヒロイン達に振り回せれながらもラブい雰囲気を味わいたい貴兄にお勧めです。

善悪の此岸から一エロ漫画愛好家より

エロ漫画のへたレビューをしているせいもあって、僕は普段からエロ漫画とかそこに描かれる性愛についてどうしようもない事をぐだぐだ考え続けているわけです。
大抵、ぐだぐだな考えのまま脳味噌の片隅に死蔵させてしまうのですが、過冷却水が物理刺激で一気に氷結する様に、人様の素晴らしい考察に出会うと、まぁ、ゼリーぐらいの固さには自分の考えがまとまります。
ボケッと考えていたことが、たまごまごさんの記事を読んで一応整理が付いたので、ちょっと書いてみようと思います。
記事の完成度は、先方様が月で当方がスッポンなのは気にしないで頂けると嬉しいです。

僕はロリエロ漫画も大好きですが、二次元ロリエロが描かれること、それを楽しみ愛好することはどうしても歪みや汚れを伴うことだと思っています。
というか、鬼畜・陵辱エロから純愛エッチまで全てのエロには必ず汚れている部分があると思っています。
勿論、美しい側面や崇高な側面もありますが、どんなジャンルにしても汚いだけのファンタジーも美しいだけのファンタジーも存在しないはずです。
人の暗い欲望が吹き荒れる陵辱劇の中にも純粋な思いは宿りますし、心を打つ誠実な純愛劇の中にも暗い情念が宿り得るでしょう。それは、善と悪の比率の差異でしかなく、どちらにも醜い部分は存在すると個人的には考えます。
僕は、「ファンタジーだから穢れている」などと言いたいのではないのです。
“現実”と“幻想”は決して分裂しているものではなく、通底している存在です。幻想から隔絶したソリッドな現実も、現実性を放棄した幻想も、それこそが妄想の産物に過ぎないでしょう。
ファンタジーが歪みや汚れを抱えるのは、とりもなおさずその写し鏡である現実そのものも汚れている部分を持つからに他ならないからではないでしょうか。
そして、その現実を生き、そこにある物で自身を構築してきた我々自身もまた清と濁が不可分に混ざり合った存在です。
ほとんど穢れの無い光り輝くファンタジーであろうと、それを掴み咀嚼する我々の手と口が既に汚れを持っている以上、純粋な善というのは決して味わえないと思うのです。

先ほどから、歪みとか汚れとかネガティブなことを書いていてエロ漫画愛好家の自分自身が心苦しいのですが、それはファンタジーの性愛の否定では決してありません。
エロ漫画として描かれる性愛に汚れや歪みがあることを認め、その上でそれを味わい楽しむなり捨てるなりを自分で決定することは、その存在に対する真摯な肯定です。
では、その清濁併せ持つ性愛の否定は何なのかといえば、それはそこに穢れた存在だけしか認めないこと、または清い存在だけしか認めないことだと思います。
エロ漫画を汚いのみの存在として否定する人達は、正義とか道徳といった非常に真っ白な旗印を掲げています。その真っ白な旗は、汚れと清さが混じりあった現実を経験していない故に純潔なのであって、我々が生きるこの美しくも醜い世界でそのような旗を掲げることこそが汚辱に塗れているのではないでしょうか。
ファンタジーとしてのエロを綺麗なものとしてのみ全肯定する人も(あまりいないと思いますが)、その対極に過ぎないと思うのです。
それらは、描かれる性愛、そしてそれと必ずつながっている人の性愛・感情の多様性をあまりに単純化しすぎています。
決して大げさな表現ではなく、それは広大な現実と多様な幻想を併せて生きていける人間の存在に対する冒涜です。

エロ漫画だけでなく多くの表現形態を愛する人にとっても同様だと思いますが、人間が人間を描くときにそこに善も悪もあることを認め、その歪みを引き受けることは、そのジャンルを愛する人間にとって一つの義務だと思うのです。
一人のエロ漫画愛好家として僕がすべきことは、描かれる悪徳の側面を美徳に虚飾することでもなく、「自分は汚れている」と内に篭りペシミスティックな敗者の美学を反芻するのでもなく、ましてや妄想じみた自称“正義”側に転向することでもないでしょう。
エロ漫画の中にある汚いもの、歪んだものをあるがままに引き受けて、その悪徳から何か良いものを創り出そう、考え出そうと努力を続けることこそ、僕がエロ漫画を愛するために必要だと思うのです。
今後も生きていく中で、現実世界と幻想正解の中で経験するだろう多くの物事が既に汚れ、自分自身もそれなりに歪んでいようと、材料と装置がそれしかない以上、悪から善を作り出す以外に道はないのです。
自分が好きなもの、自分に多くを与えてくれるものに汚点を見出すのは苦痛です。
しかし、「汚れを認めつつ愛する」という歪みを保持し続けなければ、そこから何かが生まれてくることはないと思うのです。
エロ漫画が大好きな人間として、僕は決して善悪の彼岸に行ってはならず、苦しみながら善悪の此岸に留まらなければならない。
そこに留まらんとする僕が頂く旗印は汚れきっていますが、その汚れ、人間とその性愛の奥深さを物語るその汚れこそ、僕にとっては誇りであり、排他的な正義や倫理に彩られた真っ白な旗印よりも何倍も優美だと信奉しています。

たまごまごさんは善悪の判断の“分かれ道”と書かれたわけで、それに対して「その真ん中の藪を突っ切ります」と答える、何とも間の抜けた意思表明ではあります。
ただ、まぁ、残念ながらと言うべきか、それしか僕には出来ないのです。
最後に一つ夢を言わせて頂けるなら、この藪の中の道がエロ漫画がエロ漫画としてあり続ける平和な世界への道に何処かでつながっていることを発見できたならいいなぁと思っています。

全てのエロ漫画とそれを愛する全ての人に心よりの愛と敬意を込めて
へどばんより

葵蜜柑『恋の魔法の唱え方』

TheWayOfSpellingLoveMagic.jpg関東平野は気の早い秋の長雨が降り続けていてちょいと寒いくらいです。あれ程疎ましかった夏の暑さがちょっと恋しいですなぁ。
鉢植え達の水やりをしなくてよいので楽というのは有り難いですが(笑。

さて本日は、葵蜜柑先生の初単行本『恋の魔法の唱え方』(マックス)のへたレビューです。オタクファンタジーが輝いてる表紙絵が素敵です。
エッチ大好きなヒロインさん達が繰り広げるエロエロなドタバタ劇が楽しめる作品集です。

TheWayOfSpellingLoveMagic1.jpg収録作は、魔術に傾倒する不思議ちゃんな幼馴染のヒロインに主人公が振り回される(←参照 第1話より)中編タイトル作「恋の魔法の唱え方」全3話、姉の開発したエロ漫画的用途にのみ特化したメイドロボのモニターを押しつけられる中編「雨宮さんちの家庭事情」全3話、および短編5作。情報量の多い後書きも必読です。
1話・作当りのページ数は16Pか20Pで平均17P強。ポプリクラブ掲載作らしい軽快さがあって良い意味で読み応えは弱く、スムーズに読み進められます

中編「恋の魔法の唱え方」こそ、ヒロインくるるちゃんの無表情の奥に隠された恋心が素敵なラブコメ作品でしたが、その他の作品は恋愛要素は希薄なエロエロコメディの色彩が強い印象です。
TheWayOfSpellingLoveMagic2.jpgコンビニ誌故の少ないページ数と軽快さを重んじる傾向故に、セックスに至る人物間の関係性や感情の変化はあまり重視されていません(←参照 短編「えんかうんたー」より)。
そうなると如何にコミカルな要素で読み手を引き付けるかということが重要になってきますが、各作品におけるドタバタ劇は分量が少なくコメディとしての演出が硬いため、笑いという面ではあまり評価できない所。
とにかくエロシーンを詰め込もうという意図が感じられ、シナリオの構成力をどうこう論じるタイプの作品ではないでしょう。

こう書くとあまり面白くない作品集なのかと思われるかもしれませんがさにあらず。例えシナリオ的な広がりが皆無であろうと、エッチ大好きで独自の行動規範を持つヒロインさん達が野郎どもを振り回す様そのものがなかなか楽しいのです。
TheWayOfSpellingLoveMagic3.jpgほとんどの作品のラストまで、メイドロボとか宇宙人さんとか暴走チャイナさんとか、ちょっと我々の理解の範疇外にあるヒロインが話の牽引役であり、主人公の男性にとっては(羨ましいとは言え)大迷惑なオチが描かれます(←参照 短編「えんかうんたー」より)。
エッチ大好きというヒロインのセックスへの積極性は、勿論エロ漫画的なご都合主義とも言えるのですが、表帯の訴求文で言うような“電波系”をさらに超越して、ヒロイン達が彼女たち自身の幸福や快楽を求める朗らかさの発露として描かれているように感じます。
このため、主人公および読み手にラブラブ要素や男性側の性的な満足感を全部“用意”してくれるヒロインをお求めですと、ちょっと不満を覚えるかもしれません。
個人的には、性の快楽と等身大のハッピーを追い求めるヒロイン達が作品中で勝手に動き出している様な楽しさ、そして葵先生のヒロインたちへの愛情がよく伺えて非常に好印象でした。

キャラクターの魅力をより盛り上げることのできないシナリオの弱さが残念でしたが、まだまだ発展途上の作画力もややマイナス要因。絵柄は安定していますが、逆を言えば大きな進歩がない印象です。
とは言えキャッチーな二次元絵柄ですので、そこまで気にする必要はないかと。
ヒロインズは人外娘さんとハイティーン美少女さん達で、体型的には乳尻のボリューム感が強調されたタイプでは無く、普通~大きめおっぱいのスレンダーさん達。衣装は制服が中心ですが、チャイナドレスや体操着、巫女装束などある程度バリエーションがあるのは嬉しい所です。

決して水準が低いわけではないのですが、おっぱいやお尻の柔らかさや、ツルツルなオミャンコの媚肉の淫靡さの表現力はまだ物足りなく、それらが活かされるはずの紅葉合わせとか性器アップとかのコマの扇情性が不足気味なのは事実。
加えて、かなり荒い男性器描写の拙さは頂けません。
TheWayOfSpellingLoveMagic4.jpgややテンプレ気味で硬い印象のあるセリフ回しですが、おねだりとかエロシーン終盤でのハイテンションな嬌声などはエロシーンの魅力をきちんと底上げしています(←参照 誘惑(はあと 「雨宮さんちの家庭事情」第1話より)。
フェラやパイズリ、足コキ等で前戯(必ずしも複数回射精ではなし)→性器結合を果たしてズンパン×2→中出しという分かり易い展開。
1割程度外出しがあり、ぶっかけ大好きな管理人はむしろ嬉しいのですが、白濁液とかおしっことか液汁描写が質・量共にかなり物足りないので中出しにしろ外出しにしろ、やや実用性を損なっている印象です。

作劇・作画共にまだまだ改善点は多いですが、単なる“エロ本”ではなく面白い“エロ漫画”を描ける能力の片鱗を見てとれます。
ポプリクラブはエロの即効性としての分かり易さの中に個性を出していく作風を磨くのには良い場だと思うので、葵先生の今後が非常に楽しみです。
記事検索
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

月別アーカイブ
  • ライブドアブログ