TheWayOfSpellingLoveMagic.jpg関東平野は気の早い秋の長雨が降り続けていてちょいと寒いくらいです。あれ程疎ましかった夏の暑さがちょっと恋しいですなぁ。
鉢植え達の水やりをしなくてよいので楽というのは有り難いですが(笑。

さて本日は、葵蜜柑先生の初単行本『恋の魔法の唱え方』(マックス)のへたレビューです。オタクファンタジーが輝いてる表紙絵が素敵です。
エッチ大好きなヒロインさん達が繰り広げるエロエロなドタバタ劇が楽しめる作品集です。

TheWayOfSpellingLoveMagic1.jpg収録作は、魔術に傾倒する不思議ちゃんな幼馴染のヒロインに主人公が振り回される(←参照 第1話より)中編タイトル作「恋の魔法の唱え方」全3話、姉の開発したエロ漫画的用途にのみ特化したメイドロボのモニターを押しつけられる中編「雨宮さんちの家庭事情」全3話、および短編5作。情報量の多い後書きも必読です。
1話・作当りのページ数は16Pか20Pで平均17P強。ポプリクラブ掲載作らしい軽快さがあって良い意味で読み応えは弱く、スムーズに読み進められます

中編「恋の魔法の唱え方」こそ、ヒロインくるるちゃんの無表情の奥に隠された恋心が素敵なラブコメ作品でしたが、その他の作品は恋愛要素は希薄なエロエロコメディの色彩が強い印象です。
TheWayOfSpellingLoveMagic2.jpgコンビニ誌故の少ないページ数と軽快さを重んじる傾向故に、セックスに至る人物間の関係性や感情の変化はあまり重視されていません(←参照 短編「えんかうんたー」より)。
そうなると如何にコミカルな要素で読み手を引き付けるかということが重要になってきますが、各作品におけるドタバタ劇は分量が少なくコメディとしての演出が硬いため、笑いという面ではあまり評価できない所。
とにかくエロシーンを詰め込もうという意図が感じられ、シナリオの構成力をどうこう論じるタイプの作品ではないでしょう。

こう書くとあまり面白くない作品集なのかと思われるかもしれませんがさにあらず。例えシナリオ的な広がりが皆無であろうと、エッチ大好きで独自の行動規範を持つヒロインさん達が野郎どもを振り回す様そのものがなかなか楽しいのです。
TheWayOfSpellingLoveMagic3.jpgほとんどの作品のラストまで、メイドロボとか宇宙人さんとか暴走チャイナさんとか、ちょっと我々の理解の範疇外にあるヒロインが話の牽引役であり、主人公の男性にとっては(羨ましいとは言え)大迷惑なオチが描かれます(←参照 短編「えんかうんたー」より)。
エッチ大好きというヒロインのセックスへの積極性は、勿論エロ漫画的なご都合主義とも言えるのですが、表帯の訴求文で言うような“電波系”をさらに超越して、ヒロイン達が彼女たち自身の幸福や快楽を求める朗らかさの発露として描かれているように感じます。
このため、主人公および読み手にラブラブ要素や男性側の性的な満足感を全部“用意”してくれるヒロインをお求めですと、ちょっと不満を覚えるかもしれません。
個人的には、性の快楽と等身大のハッピーを追い求めるヒロイン達が作品中で勝手に動き出している様な楽しさ、そして葵先生のヒロインたちへの愛情がよく伺えて非常に好印象でした。

キャラクターの魅力をより盛り上げることのできないシナリオの弱さが残念でしたが、まだまだ発展途上の作画力もややマイナス要因。絵柄は安定していますが、逆を言えば大きな進歩がない印象です。
とは言えキャッチーな二次元絵柄ですので、そこまで気にする必要はないかと。
ヒロインズは人外娘さんとハイティーン美少女さん達で、体型的には乳尻のボリューム感が強調されたタイプでは無く、普通~大きめおっぱいのスレンダーさん達。衣装は制服が中心ですが、チャイナドレスや体操着、巫女装束などある程度バリエーションがあるのは嬉しい所です。

決して水準が低いわけではないのですが、おっぱいやお尻の柔らかさや、ツルツルなオミャンコの媚肉の淫靡さの表現力はまだ物足りなく、それらが活かされるはずの紅葉合わせとか性器アップとかのコマの扇情性が不足気味なのは事実。
加えて、かなり荒い男性器描写の拙さは頂けません。
TheWayOfSpellingLoveMagic4.jpgややテンプレ気味で硬い印象のあるセリフ回しですが、おねだりとかエロシーン終盤でのハイテンションな嬌声などはエロシーンの魅力をきちんと底上げしています(←参照 誘惑(はあと 「雨宮さんちの家庭事情」第1話より)。
フェラやパイズリ、足コキ等で前戯(必ずしも複数回射精ではなし)→性器結合を果たしてズンパン×2→中出しという分かり易い展開。
1割程度外出しがあり、ぶっかけ大好きな管理人はむしろ嬉しいのですが、白濁液とかおしっことか液汁描写が質・量共にかなり物足りないので中出しにしろ外出しにしろ、やや実用性を損なっている印象です。

作劇・作画共にまだまだ改善点は多いですが、単なる“エロ本”ではなく面白い“エロ漫画”を描ける能力の片鱗を見てとれます。
ポプリクラブはエロの即効性としての分かり易さの中に個性を出していく作風を磨くのには良い場だと思うので、葵先生の今後が非常に楽しみです。