TheSinOfHasumi.jpg今回の狂乱家族日記は凶華様のサービスカットがあざとくて素晴し過ぎて感服の至り。凶華様の愛くるしさに愚民はひれ伏すばかりであります。
中華料理が食べに行きたくなる回でしたね。

さて、本日はビューティ・ヘア先生の『蓮美ちゃんの淫罪』(コアマガジン)のへたレビューです。あの腹立たしい事件のせいで松文館のイメージが強いですが、コアマガジンから初の出版ですね。
愛のあるセックスも、倒錯と快楽に満ちたセックスも圧倒的な作画力によって描かれており、性行為のダイナミズム、淫猥さ、そして独特の様式美さえ読み手に感じさせる作品集となっています。

HerThoughtOfChastity.jpg収録作は、キリスト教系の凝り固まった貞操観念を持っていたヒロイン蓮美ちゃん(←参照 第1話より)が、学園での性の乱れ絡みの事件を解決しようとする新聞部と共に、その身を駆使して黒幕の巨悪を討たんと奮闘する長編「蓮美ちゃんの淫罪」全11話+短編1作。
1作当りのページ数は16~24Pで、「蓮美ちゃんの淫罪」各話のほとんどは16P。全体通してみると読み応えはあるものの、短い1話ごとのぶつ切り感は残念で、エロもシナリオも1話単位ではボリュームが不足気味です。

とは言うものの、数多くの登場人物を出演させながら話を破綻させない構成力、事件の調査とエロのバラエティを同時に成立させる話中盤の安定感は流石ベテランの技です。
また、ガチガチの純潔主義で「快楽としての性」を汚れたモノとして考えていた蓮美ちゃんが、様々な行為と出会いを経験したことで悦楽主義とも純潔主義とも異なる、彼女なりの「性の快楽の受け止め方」を獲得していくという、いわば彼女の成長物語として完成度は非常に高いです。
NeverIsEcstacyVice.jpg登場人物を介して語られる、先生の「快楽としてのセックス」を描くことへの敬意や哲学が伺える作品ですよ(←参照 第9話より)。
ページ数の都合もあってか、登場人物間の関係が説明不足で分かりにくいこと(よく読めば大体わかりますが)、伏線の回収が多少おざなりになっていることなどネックになる点もありますが、漫画として十分楽しめたと個人的には思います。

本作のもう一つの魅力は、元々かなり素質のあった蓮美ちゃんが内に眠る淫性を徐々に開花させ、レズやSM、乱交など数多の倒錯行為すら快楽として受け止める存在へと変化していく様です。
上述の性への意識を持っているため、決して単なる淫乱な女性に”堕ちる”のではなく、人とAsendToHeavenLikeAngel.jpg人との繋がりを基盤とする圧倒的な快楽を幸福そうに受け入れる様は一種崇高な印象すらあります(←参照 ここだけ見ても分かりにくいとは思いますが 第10話より)。
顔を紅潮させ、髪を振り乱し、嬌声をまき散らす表情は、卓越した作画力により非常にエロチックです。が、そのエロさを単に即物的なエロのみとして描かない姿勢には大変好感が持てます。

ヒロインが性感への恐怖感でオドオドしていた序盤は、面白いプレイ(第3話の筆プレイなど)もありながらエロ的にはかなり物足りなさがありました。ただ中盤以降のエロの濃さは素晴らしく、各種倒錯行為のツボをしっかり押さえたエロの展開の巧みさは見事の一言です。
消しが結構キツイながらも男女ともに生々しく実に淫靡な性器描写(まぁ、そのためにあんな事になったわけですが)はこの先生の大きな武器なのですが、そればかりに頼らずに、しなやかな女性の肢体が悶え、絡みつき、性の快楽に堪えられず跳ねる描写の迫力は素晴らしいです。
飛び散りまくる各種液体と併せ、エロの躍動感を大いに感じさせてくれました。
ただし、この濃ゆい描写は人によってはコッテリ感が強すぎて受け入れにくいかもしれません。また、スカトロ描写等もごく一部とはいえ容赦なく絡めますのでやはり人によっては不快かもしれません
絵柄も萌え要素に乏しい劇画よりのクセのある画風ですので、万人受けするとは言い難いところです。

BrawnyMan.jpg濃いと言えば男性のキャラクター造詣がなかなか凝っていまして、筋骨隆々だったりひょろっとしていたり粘着質そうだったりとバラエティに富んだ男性陣でした(←参照 第5話より)。
なお、短編「堕天使の謀りごと」では、一方的な獣欲を少女に叩きつける男を描いていますが、”嫌な奴”を醜悪に描くのは、愛情と敬意を持ってエロを描く先生の信念とリンクしているなぁと個人的には感じます。

学生とは思えないほどの強烈な色気を持つ志乃さんの登場頻度が少ないのがとても残念でしたが、エロも漫画も楽しませて貰えました。
最近のコアマガジンは1巻完結が原則のようで難しいとは思うものの、もっと話数を掛けて話をより掘り下げられたらもっと良かったと個人的には思います。