SlashMeAndHer.jpg 中村光先生の『荒川アンダー ザ ブリッジ』第11巻(スクウェア・エニックス)を読みました。前巻ではここからクライマックスに向かうのかと思ったのですが、そうではなかったですな。リクには強烈なトラウマを叩き込むことになりましたが。
表紙もある意味ヤバいですが、中身の方はもっとヒドイ(誉めてます)ことになってるので、是非お楽しみあれ。

 さて本日は、無道叡智先生の『生えてるワタシとツいてる彼女』(茜新社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『ロリレコ-性徴記録-』(同社刊)のへたレビュー等もよろしければ併せてご参照下さい。
美少女ボディに凶悪サイズのち○こが生えたふたなり娘たちが繰り広げるお馬鹿なノリのエロコメディが楽しめる作品集となっています。

SlashMeAndHer1.jpg 収録作は、ふたなり娘達が通う学園で学生や教師、卒業生がそれぞれの珍妙なふたなりエロ生活を過ごす様をオムニバス形式で描くシリーズ4作(←参照 ふたなり娘と女装少年 シリーズ第2作「アオハル」より)+登場キャラ達のフルカラーイラスト4P、胸のサイズを変更する怪しげな薬の副作用で女の子をフタナリ化するマッドサイエンティストさんを描く「コチカラ!」前後編、および読み切り短編6作+イラスト集6P。
1話・作当りのページ数は8~18P(平均16P弱)とボリューム控えめながらアンソロ本初出としては標準的。ストーリー性こそ強くない一方で、エロも含めて奇妙なふたなりワールドに迷い込む楽しさで読み応えを形成している印象があります。

【奇抜さで駆け抜ける不思議なふたなりワールドの楽しさ】
 まず述べるべきは、今単行本はふたなり作品オンリーで構成されており、作劇の方向性こそ似ていてはいますが、この作家さんにキュートなロリっ子達を期待する諸兄は要留意。
ふたなり娘のみが通う学園やら(4連作)、おっぱいサイズを望みのままに変えるものの股間に巨大なち○こも生やしてしまう薬品やら(連作「コチカラ!」)、ふたなりセックスの美しさ?を競い合う国際競技大会“フタナリンピック”が登場したり(短編「フタナリンピック」)と、奇抜な設定を投入して読み手を翻弄するコメディタッチは今単行本の楽しい読書感を生み出しています。
SlashMeAndHer2.jpg本作品群の“笑い”の発生源は、我々の常識の埒外にあるこの奇天烈な世界において、登場人物達がごく真面目に本分に努め、恋をし、目標に向かって頑張っているという姿であり、彼らが真剣である程読み手には面白可笑しく映るようになっています(←参照 世界利きオナホ大会・・・ 短編「オナホブ!」より)。
この辺りの方法論は、ふたなりエロのオーソリティ・命わずか先生のスタイルにかなり近いものがありますが、奇天烈ワードとインパクトのある構図の連発で読み手を圧倒する命わずかワールドに比べれば、こちらはもっと親しみやすいラブコメディとしての色彩が濃いタイプ。
ラブコメスタイルの貫徹は、恋愛関係や主従関係におけるトラブルを、ふたなりち○こを挿れたり挿れられたりなエッチによってごくイージーに解決させる、セックス全能主義的な展開を滑らかにしており、読み口は心地よく仕上げられているのも加点材料の一つでしょう。
 このふたなり娘達というマイノリティとしての性愛の、暗い側面を徹底的に排除して快活な世界観の中で強く肯定するスタイルは、この作家さんのロリエロ作品とも共通する特徴と評せます。

【キュートな美少女造形と股間の肉棒の巨大さの対比】
 連作「コチカラ!」の美人研究員などのアダルトふたなり美人(造語)や、男の娘(女装少年)、ふたなり娘のパートナーとなる美少女さんなど、一部キャラのキャラに例外が認められるものの、基本的にはミドル~ハイティーン級のふたなり娘さんでヒロイン陣を固めています。
真面目な委員長タイプや、外国人娘、小麦肌のスポーツ少女や高飛車なお嬢様、Sっ気のある女性教師などなど、各キャラ造形自体にはエロ漫画読者層的におなじみの属性が散りばめられていますが、勿論その股間には男性顔負けのたくましい肉棒が一様に起立。
 年齢層等のキャラ設定の多様さもあって、貧乳さんから巨乳さんまで、スレンダーな長身美女からちんまいロリ系美少女まで肢体造形は結構多彩であり、ふたなりち○こに関しても、サイズや“玉”の有無、皮の余り具合で変化が付けられています。
SlashMeAndHer3.jpg制服着用の娘さん(と昔の制服を引っ張り出してくるママン)の割合が高い一方で、布地面積の小さなビキニを着用するヒロインも多く、そこからはみ出る柔らかおっぱいと巨根の存在感をしっかりアピール(←参照 ちっぱいなお胸とビックサイズち○この対比が見事なお嬢様 短編「ラブチョキ」より)。
 コテコテの萌え系絵柄でデフォルメ色のかなり強かった初期作の絵柄と、全体的に等身が上げ、描線を細くまとめることで萌え色を残しつつもそのクドさを控えめにした近作の絵柄との間には結構な違いが認められ、単行本単位での絵柄の安定感を求めるのはかなり難しいのはある程度のネガティブ要素。
とは言え、初期作に多少の粗さがあることを除けば、ヒロインの可愛らしさ重視の絵柄であることは一貫しており、コミカルパートで多用されるSDキャラの絵柄の変化付けなども含めて、そこまで作画の印象の変化が気になるタイプでもないでしょう。

【挿入したりされたりなフタナリ特化のエロシーン】
 完全に“エロあってのシナリオ展開”であるため、エロシーンを軸に作品が組み立てられる分、エロの量的な満足感はここの作品のページ数以上にありますし、またフタナリ系エロとしてのインパクトも十分。
 男性器と女性器の両方を備えるふたなりキャラの特性を活かしたプレイが多く、通常?の性器結合を中核としつつも、アナル責めやオナホプレイ、尿道弄りに、双方フェラのシックスナイン、挿入しつつ挿入もされる複数人エッチ等々、“適度な奇抜さ”が存在するのは作劇の方法論と似ている点でしょう。
攻めと受けを固定化したふたなりセックスもある一方で、ドSなお嬢様がデレて途中から受け側に回ったり、双方が童貞と処女を交互に失う初エッチを描いたりと、エロ展開途中で捻りを加えることもエロの多彩さを増強させています。
SlashMeAndHer4.jpgキュートな表情を二人とも熱っぽく紅潮させつつ、ふたなりま○こに突き込みを繰り返せば、フィニッシュシーンは膣内に射精されつつ自分のち○こも白濁液を大量に放出させるというふたなりエロとして王道の絶頂描写となっているのも実用性に大きく貢献(←参照 重力をガン無視な白濁液の放物線も特徴 短編「マニラブ」より)。
ぷりぷりとした亀頭、青筋が浮き立つ竿と、やたらと逞しい肉棒の描写にも気合いが入っていますが、成人女性の熟したそれと、美少女の初々しいスジなそれとを描き分ける女性器描写も高質であり、作画としてメインに据えられる結合部アップ構図の魅力を形成させています。
擬音を大量に散りばめ、ハートマーク付きの蕩け台詞で画面を彩る手法は、絵柄の変化と無関係に安定しており、エロプレイにおける手数の多さと同じく、物量で勝負するタイプのエロ作画・エロ展開と言ってよいかもしれません。

 基本的にはふたなり美少女を愛せる方のみが楽しめる作品集ではありますが、ごっつい怒張以外は可愛らしい美少女が睦み合い絡みあうエロエロなラブコメですので、ふたなりモノ入門の書としても悪くはないなという印象があります。
個人的には、ふたなり美少女と女装少年が互いに二つの“初めて”を与え合う嬉し恥ずかし濃厚3Pなシリーズ第2作「アオハル」と、金髪ツインテ貧乳なふたなりお嬢様と、褐色肌巨乳なふたなり従者のラブラブエッチな短編「ラブチョキ」に愚息が大層お世話になりました。