WhatABeautifulWorld.jpg竹下けんじろう先生の『釣り屋ナガレ』第8巻(秋田書店)を読みました。生命への感謝の念という物凄くシリアスなお話でも、釣り全裸表現(造語)が出ていて複雑な気分でしたな。
第60話に出てくる雪像でゆっくりとかドアラとか、ネット関連の小ネタが飛び出ていてビックリでしたが、実際今の中高生とかノリでこういったもの作りそうだなとかおっさんは思うのですよ。

さて本日は、鈴木狂太郎先生の『魔法教えました!!』(ヒット出版社)のへたレビューです。先生の前単行本(初単行本)『魔法教えます!!』(同社刊)のへたレビューも是非合わせてご参照下さい。
丹念な筆致が可能とする王道の熱さが貫くファンタジードラマとハードなエロ描写が両方楽しめる1冊となっています。

WhatABeautifulWorld1.jpg収録作は、大邪霊という強大な邪の存在に対峙する魔法使い達の党首候補である二人の少女とそれぞれの教育係の青年の運命を描く長編「魔法教えました!!」全5話+フルカラー掌編(4P)+幕間劇1作(←参照 頭首の座を争う二人の少女 長編第3話より)、および独立した短編2作。
なお、長編作は前単行本の前日談というか、物語の根幹に関わる部分であるため、今作を万遍無く賞味するには前作の読了が必須と言えましょう。
フルカラー掌編を除き、1話・作当りのページ数は16~40P(平均26P弱)と中の上クラスのボリューム。長編作の漫画としての確固たる読み応えと、エロ表現のインパクトの高さによって腹にたまる1冊となっています。

【熱さと優しさが漲るファンタジードラマな長編作】
交通事故から救出した娘さんからパイズリを頂戴することになるお馬鹿ノリのコミカル短編「らぶいんぱくと」と、暑い夏の日に昼間からエッチに勤しむ男女を無声劇によって巧みに表現する短編「茜色!覗いていろ!」も、それぞれの方向性で完成度が高く、特に無声劇が上手い作家=表現力の豊かな作家と捉えている管理人にとっては後者は非常に高く評価したい作品ですが、今単行本のメインはあくまで上述の長編作。
負けず嫌いながら真っ直ぐな心根の少女・木ノ葉と、他者への優しさに溢れた少女・此ノ花を、次期頭首にすべくそれぞれの方法で教育する二人の魔法使いを描く長編作は、まず二人の魔法使いとしての研鑚を描くところからスタートします。
二組とも方法こそ違えども、才ある少女と彼女達を厳しくも優しく見守る青年との信頼関係がしっかりと描かれることこそが、本作の肝要な部分であり、また少女達の純粋で初心な恋心も非常に魅力的である故に、読書感の良さを先ずはしっかりと形成。
責任ある頭首になるという目的に対し、それぞれの意志を誠実に示した故に少女達が迎える中盤の悲劇は、重苦しい絶望を登場人物達と読み手に与えるものの、そこからのやはり強き意志による逆転こそが本作のドラマティシズムを確固たるものとしているのも見事と評せます。
WhatABeautifulWorld2.jpgわが身を省みず他者を思いやる優しさ、正義を貫く強さ、積み重ねられる幾多の人間の努力と研鑚、それらの人間的な美徳こそが、邪な存在を打ち破り、人に幸福をもたらすという王道的な展開は、これまで数多の作品で綴られながらも燦然たる魅力を失うものではなく、この作家さんの素晴らしい画力と丁寧な感情描写とによって完成度の高いものに仕上げられています(←参照 長編第5話より)。
前作「魔法教えます!!」へと、話の連関と世代交代、それに伴う意志の継承を描くラストも実に素晴らしく、野心的に駆け抜けた前長編作の世界観を壮大に、かつ魅力的に広げた快作でありました。

【華奢な肢体にちんまいお胸なローティーン美少女達】
長編作に登場する二人の魔法少女は、片方は魔術の関係上時間進行に伴う加齢がないものの、エロに絡む時点での年齢層はローティーン級であり、短編2作のヒロインもロー~ミドルティーン級のロリっ子さん達。
他者への慈愛を貫くこと、目標に対して一途であることと、それぞれ性質は異なりながらも小さい肢体に折れぬ意志を秘めるこの二人のキャラ立ちは非常に良く、彼女達の奮闘を純粋なものとして魅せることにも、彼女達に従う二人の男の闘いを正当なものとして魅せることにも大きく貢献しています。
これに対してそれぞれエロハプニング的コメディ・無声劇である短編2作のヒロインには明確なキャラ立ちが為されていないものの、それぞれ大人しい清純ガールと、ツンデレガールであることが感情表現や衣装などによく出ており、決して没個性的なキャラになっていないのは好印象。
WhatABeautifulWorld3.jpg短編「らぶいんぱくと」の純真無垢なふりふり少女(原文ママ)こそ、野郎のち○こを包み込むたっぷりおっぱいの持ち主ですが、その他の皆さんは小さく華奢な肢体に膨らみかけかぺたんこなお胸、および淫裂がぴっちり閉じたツルツルな股間が備わるロリバディの持ち主(←参照 木ノ葉さん初エッチへ 長編第1話より)。
成人男性との組み合わせが多いこともあって、少女達の肢体の小ささが強調される画が多く、ロリプニ色をかなり排した肉付きの乏しさなどもあって、キャラデザのロリ色が結構濃厚なのはある程度好みを分ける要素なので留意されたし。
繊細な描線を丹念に組み合わせる高質の絵柄は、洗練の度合いを高めつつ、単なる小奇麗な絵ではなく、時に暗さや濃さ、力強さといった要素も含有できる画風の表現力の高さは特筆すべき長所でしょう。ヒット独特の彩色による表紙絵と中身の印象の差異もほとんど感じ取れず、あとがきで自ら指摘している絵柄の不安定さもあまり目立つものではありません。

【強烈なエロ演出で押しまくるストロングスタイル】
作品構築に関して必ずしも抜き特化ではなく、エロシーンにおいてもシナリオ進行としての要素が強かったり、オナニーのみでエロ描写を完結させていたり(長編第3話)と、評価を分けかねない要素もあるものの、性描写としてのアタックを十二分に高く、ページ数相応のエロシーンが設けられているため実用的読書のお伴としての強力
WhatABeautifulWorld4.jpg和姦にしろ、凌辱にしろ、ヒロイン達の小さな肢体が男性やら異形やらの剛直を突き込まれ、激しい運動と凶悪な快楽に悶え、戦慄く描写の躍動感とプレッシャーは圧巻であり、瞳孔の開いた瞳の表情や短く強い喘ぎ声が連呼されるエロ演出もヒロインの心身を支配する感覚の強烈さをしっかりと演出しています(←参照 長編第5作より)。
加えて、コマブチ抜きなどだけではなく、台詞やコマ展開を敢えて横方向に構えたページ構成など、凝った作画を豊富に散りばめるユニークな画面の練り方も魅力であり、ガツガツと快楽を貪るセックス描写に宿る強烈な攻撃性をしっかりと下支え。
彼女さんの膣内にガラスコップを入れて膣内&子宮口観察という短編「茜色!覗いていろ!」のプレイを筆頭に、性器描写の質の高さを活かした表現も多く、性交のマッシブさを強固に演出する透過図の使い方は特にインパクトが豊かであり、ゴツゴツと子宮口を圧迫する動きや狭い淫洞を押し開く抽送を読み手に対してストレートに叩きつけてきます。
結合部見せ付け構図も含めてそういった直接的なエロさのあるコマも十分配置しつつ、それらに依存しないエロ作画が出来ているのは高評価の一因であり、殊に絡みあう男女のポージングとそれを的確に魅せるアングルの回し方はキャリア不相応の老練ささえ感じさせる美点。
肢体の描き方の上手さはフィニッシュシーンにもよく出ており、小さな膣内に迸る白濁液にトドメをさされて迎える絶頂快楽に身を仰け反らせて絶叫する少女の姿は大ゴマ~見開きで描かれており抜き所として非常に有能なものとして仕上げられています。

長編作は思わず掌を握りたくなる熱く実直なドラマにグッと来ましたし、それに見劣りしないエロのパワフルさも大変良かったですなぁ。
作画・作劇の両面からなる物語の魅せ方の上手さから、一般向けでの連載も大変期待できるのですが、エロ描写面でも非常に高い水準にあり、また独自性があるタイプなので成人向けでの執筆も続けて欲しいなぁとつくづく思います。
とまれ、一レビュアーとして激賞と共に読者諸氏にお勧めしたい1冊でございます。