JKJC.jpg土井さ・・・tenkla先生の『ヨメいろちょいす』第4巻(秋田書店)を読みました。うん、相変わらずバカエロ満載の大変ヒドイ漫画です(最大級の賛辞)。
既に登場している未来の娘三人組がそれぞれぶっ飛んでいるキャラであるため、第4の娘・セルリァちゃんの正統派な可愛らしさが大変よろしいですなぁ。キュートな顔で“生まれてくるのを諦めて”などど物騒な発言もしてますが(笑

さて本日は、岸里さとし先生の『JK/JC』(茜新社)のへたレビューです。なお、先生の前単行本『テカ☆ピタッ!』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。まだ、レビュアーとして駆け出しの頃の文章でいま読み返すと噴飯モノなのが恥ずかしいですが。
愛すべきバカな変態達が繰り広げるポップ&コミカルなラブコメディが楽しめる作品集となっています。

JKJC1.jpg収録作は、いじめられっ子な少年とオタク仲間の女の子とのちょっと変わった青春ラブ模様な連作「ラブラブスケッチ」前後編、変態バカ兄貴にツンツンしていた妹さんがラブラブ&エロエロな日々を過ごすうちにすっかりデレデレに~な中編「妹がヘンだ!」全3話(←参照 兄貴のコスプレ趣味にお付き合い 同中編第2話より)、ロリコンな青年がひょんなことから女子中○生とお近づきに~な連作「絶対!あんだーふぃふてぃ~ん」前後編、および読み切り短編3作。
なお、短編「ヒミツのテカピタ委員長」は前単行本のタイトルが入っていますが、その収録作と直接の話のつながりがあるわけではありません。単行本自体は登場していますが(笑。
1話・作当りのページ数は14~18P(平均17P弱)とやや控えめなボリューム。軽快な話し回しの良さと、フェティッシュな味わいを付けたエロの適度な倒錯性で話を牽引しており、この作家さんの(黄色い楕円付きの)単行本としてはかなり読みやすい1冊になっています。

【フェチ色を控えめにしたチアフルなお馬鹿青春ラブコメが主軸】
“火野聡司”名義の時代から、嘔吐やスカトロ(大の方)などの一般的にいってかなりアブノーマルな要素へのフェティシズムや、時々描くハードな凌辱モノにおけるヒロインの尊厳を根こそぎ剥いで放り投げる凶悪な攻撃性などにも特徴のある作家さんですが、今単行本は上述した通りにラブコメ主体の快活な作品がメイン。
扱われる変態嗜好に関しても、匂いフェチであったり蒸れフェチであったり、ロリコン趣味であったりと比較的ライトなものが多く、またそれらの嗜好がかなりコミカル寄りに描かれていることもあって、倒錯的な倒錯が時に生み出す背徳感や陰湿さとはほとんど無縁なタイプになっています。
JKJC2.jpgそのため、この作家さんに強烈なアブノーマル路線の邁進を期待されている方にはややパワー不足を感じるかもしれませんが、男女双方の欲望が恋愛の中で解き放たれ、また充足されてゆく流れはなかなかに幸福感もあり、作品によっては“ちょっといい話”としてすんなりまとまっていることすらあります。
ラブエロ系としての甘酸っぱい恋愛感情の描写なども意外に(失礼!)良質ではある共に(←参照 いじめられっ子の勇気の結果 連作「ラブラブスケッチ」前編より)、変態性欲を含めた登場人物への明るくポジティブな肯定感と、いい意味でお馬鹿な男女が素っ頓狂な会話を交わしながらチアフルに動き回る賑やかさで作品を構築していると感じます。
なお、2~3話の続きモノとしての構成が多い一方で、ストーリー性自体は強くなく、エロシチュやヒロインに変化を付けるための複数話構成という印象があります。このスタイルは、賑やかなドタバタ劇にはよくマッチしていますが、きっちりとした“オチ”を欲する諸氏には多少の減点材料でしょう。
一応は輪姦レイプ劇にカテゴライズ可能と思われる短編「私、マワってます」や今単行本中で最も変態色の強い短編「ヒミツのテカピタ委員長」は、その妙に軽い雰囲気に一種の禍々しさも感じさせますが、ヒロインの願望充足という意味では他作品と異ならず、読後の余韻もそれほど重いタイプではありません。

【制服着用世代で統一されたお馬鹿ガールズ達】
単行本タイトルにある通りに、今単行本のヒロイン陣は女子高生か女子中○生な制服美少女で統一されており、成熟した女性が多かった前単行本とは結構雰囲気が異なっています。
ぶっきらぼうな言動の下に純な乙女心を持っている連作「ラブラブスケッチ」のオタク美少女や、作品の進行と共にどんどんデレデレになってゆく「妹がヘンだ!」の生意気妹ちゃんなど、比較的正統派のラブコメ調に似合う、親しみやすいヒロイン造形が多いのも今単行本の特徴。
反面、煮えたぎる様な変態性欲を抱えてそれを爆発させてゆくタイプのキャラはシナリオの要請上もあってか少なく、どちらかと言えば、男性キャラのフェチなこだわりが女の子達を振り回していく流れが多めです。そして、困惑したり恥ずかしがったりしながらも、その変態趣味に快く応じてくれるヒロイン達の姿も読み手の脳髄を素敵にとろかせてくれます。
JKJC3.jpgタイツやバニーコスチューム、水着といった柔肌にピッチリ張り付く衣装に関して強いコダワリを持つことで有名な作家さんであり、薄布のテカテカとした妖しい光彩やその下の肌から漏れ出てくるむわっとした湿気や熱気を表現する技術の高さは相変わらず見事です(←参照 足先のむわっとした蒸気の表現にも注目 連作「ラブラブスケッチ」後編より)。ネコ耳バンドやエロ水着など、バカっぽい(誉めてます)衣装も豊富であり、加えてスク水+黒タイツやブルマ+縞タイツなど、相当にクドい(誉めてます)服の組み合わせも面白いところ。
連作「絶対!あんだーふぃふてぃ~ん」の中○生美少女コンビこそ、年相応な貧乳キャラですが、その他のヒロイン陣は健康的な肉付きの体幹に十分なボリューム感のある巨乳と桃尻、むちむちな太股を備える定番なボディデザインであり、その分エロ衣装との組み合わせが個性としてよく映えています。
作品の傾向によってキャラデザを含めた絵柄を臨機応変に変化させるスタイルでしたが、今単行本はほぼ同系統の作品が揃っていることもあってか、ヒロインの可愛らしさをよく引き出すキャッチーな漫画絵柄で終始安定。表紙・裏表紙の絵でピンと来れば、中身も同様に楽しめることでしょう。

【アブノーマル要素は減退しつつ煽情性の濃さは堅持】
そもそも各エピソードのページ数があまり多くは無く、コミカルパートにもしっかりとページ数を割いているため、総じてエロは長尺とは言い難いですが、実用的読書のお伴としては十分な量を確保。
ストッキング以外は全裸になる場合も多いですが、着衣へのコダワリが強く発揮されている作品群では、股間だけ露わにしてその他の衣装は肌にぴっちりと張り付いたままという着衣エッチも十分量が用意されています。
JKJC4.jpg普段の可愛らしい言動からエロシーンでは一転し、ハートマーク付きの白痴系エロ台詞を連呼させる従来のスタイルを貫いている作品もある一方で、快楽と共に愛情の交感をも図るラブエロ台詞を織り交ぜる場合もあり、濡れ場の雰囲気はかなりアッパーになっています(←参照 短編「Say! My Love」より)。
どちらにしても、エロ演出は比較的激しいタイプであり、欲望のストッパーを外してガツガツと下半身を叩きつけ合う姿をパワフルに演出。また、ヒロインの表情付けに適量の“下品さ”があるのも煽情性構築における強みであり、上目づかいでのひょっとこ気味なフェラや顔射されながらのピースサインなどは、ヒロインのキュートネスと好対照を為している旨味の一つ。
フィニッシュシーンは、タイツに包まれた太股を惜しげもなくぱっくり開いて挿入されている前穴かアナルをがっつり見せ付けつつ、そこにたっぷりと中出しする様を基本的に1Pフルでインパクト豊かに提示。このフィニッシュシーンも含め、冷静になって読むと阿呆で突飛な台詞を猛烈な勢いで読み手の脳味噌に叩き込んで、エロいものとして認識させる剛腕ぶりも頼もしいところです。
個々のコマを見ると構図や描線がしっかりとキマっている絵がほとんどなのですが、特に視覚的な演出効果として描線を敢えてぼかしたり、コマや肢体全体にトーンを被せたりするコマに関しては、作画が抜けている感もあり、ここらはデジタル作画への移行による作業の不慣れが生んだ作画上のネガティブ要素ではないかと個人的には思っています。

変態チックな成分は混じりつつも正統派で明るく楽しい青春ラブコメの魅力がよく光っており、これまでの変態街道ぶっちぎり路線とはかなり印象が異なる1冊となっています。この作家さんに何を求めるかで評価は結構分かれる可能性はあります。
個人的には、着衣面でのフェチを存分に発揮しつつエロ可愛い妹ちゃんとのラブエロデイズが大層楽しい中編「妹がヘンだ!」が特にお気に入りでございます。