WhatIWantToDo.jpg若杉公徳先生の『デトロイト・メタル・シティ』第9巻(白泉社)を読みました。自分の写し見であるようなカールス秀喜との出会いが、目を逸らしていた自身の在り様を思い出させるという流れは意外に王道ですよね。
あと、それを言ったらお終いよなんでしょうが、第91話の名演技を見る限り、根岸はおしゃれポップでもメタルでもなく、パントマイムで大成する人間なんじゃないかと思いました、いやホント。

さて本日は、春城秋介先生の『私のしたい○○なこと』(ティーアイネット)のへたレビューです。先生の前単行本『ビーナスラプソディ』(同社刊)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
年不相応に大人な色気満載の美少女ヒロイン達とのちょっと妖しい青春ラブ模様が満喫できる1冊です。

WhatIWantToDo1.jpg収録作は、好きな女の子の妹さんに弱みを握られてズルズルと肉体関係を続けさせられる少年の悩み多き日々な中編「いたずらメヌエット」全4話(←参照 妹さん猛アタック 同中編第1話より)、および読み切り短編3作。
なお、コスプレ大好き家庭教師とその教え子のツンデレ気味ガールとのラブエロ話「ホームレッスン<課外授業>」は、前単行本収録の「ホームレッスン」の続編的作品ですが、ストーリー的な連結は弱いので今単行本から読んでも十分楽しめます。
加筆があるとはいえ、1話・作当りのページ数は24~49P(平均32P弱)とTI系の強みである破格のボリューム感を誇ります。たっぷりとした分量のあるエロと、その脇を的確に固めるシナリオは共に高質で、サクサク読み易さもありつつ満腹感の強い1冊と言えましょう。

【ほんのりアモラルな青春ラブストーリー】

綺麗なお姉さんとのちょっとハートウォームな艶話を描かせると天下無双なこの作家さんですが、今単行本は女子高生ガールとのほんのり背徳的なラブストーリーがメイン。まぁ、前単行本が年上系メイン、前々単行本(初単行本)『一途なトリコ』(同社刊)が双方半々の収録だったのでバランスが取れていると言えば取れています。
WhatIWantToDo2.jpgお互いに交際相手がいる少年少女が互いの性癖を曝け出して密通を重ねる短編「友達以上」(←参照)、普段は真面目な女教師が美少年君を誘惑して羞恥系プレイに励む短編「Secret Affair」など、インモラルな味付けを加えたストーリーテリングが多く、快活なラブコメディとはやや雰囲気を異にするタイプ。
しかしながら、性愛のダークサイドに登場人物達が転落していくことはなく、背徳のエロスに心をくすぐられながらも、その善悪はそれとして現状を満喫している男女の姿はどこか幸せそうで雰囲気はむしろ柔らかく仕上げられています。
主人公の弱みを握り、時に誘惑エッチと生殺し連発のコンビネーションという手練手管を用いて姉との交際に立ちはだかる妹さんの暗躍を描く中編作においても同様の空気感を有しており、主人公とその想い人であるお姉ちゃんとの感情のすれ違いを少々湿っぽく描きながらも、作中の恋とエロの駆け引きは意外にカラリと明るいタイプ。
また、常に不敵な態度で主人公を翻弄した妹さんの純粋な動機の解明と、すれ違い続けた主人公とお姉ちゃんとの恋の結実が描かれる終盤展開にも爽快感があり、既存の作品と同様にほんわか温かいハッピーエンドに落着させる流れにも無理・無駄がありません。
総じてストーリー単体に強い面白みがあるわけではないのですが、エロシチュエーションの形成力は高く、また見切り発車だったらしい初挑戦の中編作も含め、話のまとまりの付け方も良好。何より、奔放な性愛を意外に軽やかに切り出す手腕が各作品のキャッチーさの基盤を作っていると感じます。

【バランス良くむっちりな肢体の持ち主な美少女ヒロインズ】
上述した通り、今単行本のヒロインはミドル~ハイティーン級の制服美少女さんが中心。なお、短編「Secret Affair」のみ、フェロモン漂う美人女教師さんが登場しますので、この作家さんの描く年上キャラが好きな諸兄も回避前にご一考されたし。
一見清楚であったり、元気娘であったりと、性の穢れを知らない様な女性から包み隠さない淫性がシナリオ展開に合わせて漂ってくるキャラ造形が強みであり、適度なインモラルさと上品な雰囲気の橋渡しをキャラクターによって成し遂げています。
WhatIWantToDo3.jpg表紙絵で一目瞭然だと思いますが、例え10代後半の女性であろうと、色っぽさが前面に打ち出されたキャラデザインを施しており、その色香に囚われる幸福感を読み手に喚起してくるタイプ(←参照 まだ高校生ですよ、彼女 短編「ホームレッスン<課外授業>」より)。なお、そこまで気になるわけではないですが、ヒロインの描き分けがやや甘いのは△。
等身高めで均整の取れたボディは、むっちりとした柔肉に包まれており、触れる手に吸いつくような餅肌の質感や独特の体温感も上品な色香を形成する上での強い魅力。逆に言えば、どこか儚げな印象のあるスレンダー美少女や、淫臭ムンムンな完熟ボディを期待するのはNGです。
これまたマッスたっぷりの乳・尻・太股もストレートなセックスアピールを有していますが、目鼻立ちの整った美人フェイスのとの組み合わせが見事で、描写として割合平凡な個々の体パーツよりも肢体全体としての“エロさ”に優れるタイプ。
視点を引いた構図でデッサンが甘くなったり、構図が上手くハマらないコマが散見されたりするものの、絵柄は十二分に安定しており、表紙絵との齟齬も全くありません。

【上品でありつつ強烈な色香を漂わせる濡れ場】
シナリオに十分な比率を割きつつ、話の展開がエロの流れをしっかりと補強している作りであり、それぞれに十分な量のエロとシナリオが相互に良さを高め合うエロ漫画として理想的な構成になっています。
情事が露見する危険性を犯してのドキドキ羞恥系プレイを絡めることも多い一方で、特殊なエロ要素はあまり用いないスタイルであり、フェラチオを中心とする前戯パート→下半身を振り合う抽送パートというごく標準的な流れを長尺でじっくり魅せ付けてきます。
WhatIWantToDo4.jpg特に1回目の射精シーンを投入する前戯パートのむせ返るような淫靡さはこの作家さんの武器であり、綺麗な顔のヒロインが汁気たっぷりにち○こや男性の舌先をねぶる様が読み手の性欲中枢を甚く刺激(←参照 中編「いたずらメヌエット」第3話より)。
恥ずかしがりながらも完全に発情スイッチの入ったヒロインが、むわっとした淫臭が漂うリアル寄り秘貝と菊門を曝け出して挿入へと誘えば、柔らかボディを抱えこんでのピストン運動へと移行。ページ数の余裕もあって、この際に一気にガツガツとしたセックスに急展開せず、徐々にち○こを蜜壺に挿れてゆく“タメ”があるのも好ポイント。
黒い茂みも含めた結合部周辺が淫液でぐっしょり濡れてゆく様を性器アップコマで描出しつつ、パワフルに進行するエロシーンは、適度な攻撃性を有しつつも、演出は比較的穏やかであり、絵柄の地の上品さを殺さないエロ作画になっています。よって、白濁液の多汁感や強烈なアヘ顔などの強いエロ演出をお求めな方にはやや勧め難いですが、作品の雰囲気にはよくあってますし、何より快楽に染まるヒロインの艶態が非常に魅力的です。
個人的にはあまり必要性を感じない透過図描写で迫力を増強しつつ、複数ラウンド制のフィニッシュは、声を押し殺して絶頂を迎えるヒロインの膣内にたっぷり中出しする様を大ゴマ~見開きで描いており、そこまでの十分な尺もあって蓄積された欲望の開放点として真に好適となっています。

大人の余裕とそれを快楽で蕩けさせられてしまう年上ヒロインも素晴らしいですが、ピュアな感情と混じりっけの無い青い性欲の持ち主な制服ガール達を描いてもやはりグッとくることを如実に示した3冊目と思っております。個人的には前者の方が好きですが、それでも今単行本は大満足。
超積極的な快活淫乱娘ながら実は姉想いのいい娘さんの妹と、奥手ながらやる時はやる(性的な意味も含めて)姉が好対照であった中編「いたずらメヌエット」が最愛でございます。お勧め!