
褐色肌な美少女兵士の目的も意外でしたが、それとは別の流れで大変な事態が巻き起こっているのも多層的なドラマ性があります。それはともかく、ドイツ語には字幕ぐらい付けて欲しかったですな。
さて本日は、いさわのーり先生の『しょうらぶ』(茜新社)のへたレビューです。先生の前単行本『あッ!りとるふらわ~』(同社刊)のへたレビューもよろしければご参照下さい。まだ駆け出しレビュアーだった頃の評なので大変拙いのが申し訳ないですが(汗。
ちっこい女の子達との平和で優しいラブ&セックスが描かれるハッピーロリータ作品集になっています。

フルカラー掌編である「十のお祝い」(8P)と描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は20~28P(平均25P弱)と中の上クラスのボリュームをキープ。ふんわりと柔らかい読書感と、これまた性愛の肯定感に満ちたエロの味わいがあり、読後の余韻が気持ち良い1冊になっています。
【少女達の幸福への飽くなき願いに満ちた雰囲気】
少女側の衝動的な行動がその背景にある心の苦しさを鏡像として映し出すため、ほんの少し苦い余韻を残す短編「レンズ越しの天使」や優しい笑顔の下にドス黒い少女性愛を抱えるピアノ教師が登場する短編「コンチェルト」のように、多少ダークネスが漂う作品もあるものの、ポップな表紙絵が示す通りに基本的には明るいハッピーロリータ作品が取り揃えられています。
バンドマンだったり、通りすがりの優しい青年だったり、宅配の運ちゃんだったりとごく普通の男性達と、そんな野郎連中を小さいボディに溢れんばかりの恋心と性への好奇心で迎え入れる少女達のほのぼのとしたラブ・アフェアは、いい意味で停滞感があり、作品世界の甘ったるさを読み手にじっくり堪能させてきます。
エロ漫画的ご都合主義を潤沢に含有するラブコメ調ロリ漫画ながら、意外に“押し”の強い作風であり、それは取りも直さず“少女はすべからく幸福でなければならない。彼女達には未来がなければならない。”という、この作家さんの原理主義的と言ってよいであろう想いが作品全体を貫いているからに他ならないでしょう。

LO作家陣の一つの主流である、丁寧なストーリー作りと陰陽の叙情性を練り込む作風とは明瞭に異なるライトタッチなシナリオ作りではありつつ、正の方向を常に向くエモーションとご都合主義の硬直感を上手に排した流れが実に素敵。
とは言え、ほわほわとした幸福感の追求のあまり、軸となるストーリーラインの説明が足りなかったり、ヒロインのキャラ立てに余裕が無かったりと、作品構築に拙速さが少なからず感じられるのは個人的に減点材料です。
【ぷにぷに感が増強されたランドセル少女達】
単行本タイトルからお察し頂ける通り、ランドセルガールのみで構成されたヒロイン陣であり、キュートなちびっこさん達がキャッキャウフフと貴兄貴女をお出迎え。
年齢層的にはギリ二桁前後であり、体サイズの小ささや微笑ましい言動と相まってロリ色はかなり強めなので、ミドルティーン級が好きな場合は要検討。勿論、二次元ロリっ娘を愛する諸兄には垂涎の逸品でしょう。

「ぽっぷんロール」にたわわなおっぱいをお持ちの巨乳小○生が登場するものの、その他のヒロインは貧相なぺたんこ寸胴ボディ+ほっそりとした四肢、およびツルツル&スージーな股間というボディデザインで統一。この何処か儚げなロリボディと日常感のある各種衣装の組み合わせが地味に背徳感を煽ってきます。
依然絵としての硬さを残してはいるのですが、ヒロインの喜怒哀楽の表情変化も実に可愛らしく、主人公に対して心を開いているという素直さ・純真さとしての魅力に直結しているのも上手いところでしょう。
【少女への優しい愛撫を強い魅力とするエロシーン】
各作品が十分なページ数を有していること、およびシナリオ進行の軽快さ故にエロシーンは十分な分量となっており、微少女達との甘いラブエロ模様を長尺で味わえるのは大きな長所。
シナリオに比してエロ展開はどっしりと構えており、作品によって幅はありつつ、小さな秘裂への挿入に至るまでの前戯シーンを丁寧に重ねていくのも特徴の一つでしょう。

このエロ展開における手法は、ヒロインの性感を十分に高めてからの挿入という一種の優しさ・愛情の顕れである一方で、肉棒をキュンキュン締めつける小さな秘所へのピストン運動がやや短めになることにもつながっており、ロリエロ漫画の実用性に関して何を求めるかによって評価は割れる可能性があります。
男女の肢体の絡みあい方において、それらの動きが総じてスムーズに連続しているのは見事で、ポージングやアングルの連続的な変化で視覚的な転調が為されており、かつ作画のブレの少なさがそれらの技術面をきっちり裏打ちしているのも高評価。
これまた体型設定以上に子供っぽい愛と快楽の言葉を紡ぐ様子で読み手の性欲中枢を刺激しつつ、ヒロインの膣内に白い液体が搾り取られる様を大ゴマで描くフィニッシュで締めており、抽送シーンの短さがネックになりつつも複数ラウンド制の締めとして好適な作りになっています。
エロ・シナリオ共にガツンと読み手の心を打つ要素は無いものの、それこそが間違いなく強い魅力の作品であり、少女のふにふにボディを五感で愛で、彼女達の幼い愛の囁きに心が満たされる幸福感に溢れていると言えるでしょう。
個人的には、シナリオがバリバリに説明不足ながらユリカお嬢様のキュートネスに全部持ってかれる短編「ユリカの僕」と、青年と少女のささやかな日常恋模様が心地よい短編「ぷりてぃワーク」がフェイバリット。