TrioOfAbandonedSisters.jpg石塚真一先生の『岳』第11巻(小学館)を読みました。山での暗く辛いことも真っ正直に描かれながら、それを乗り越えての山への愛と人生への希望に満ちた作品であり続けていますなぁ。
毎巻、必ず1話はグッときて涙腺が開いてしまうエピソードがあるんですが、今回は「忘れモノ」のラストに感動しました。生きることへの意志の崇高さの象徴でしたね、あの旗は。

さて本日は、ひめはち先生の『幼乱三姉妹』(ジーウォーク)のへたレビューです。先生の前単行本『雛鳥たちの館』(同社刊)のへたレビューもよろしければ併せてご参照下さい。
罪なきょぅじょさん達の幼い肢体を蹂躙する無慈悲な凌辱エロの路線を維持しつつ、救いのある作品にも魅力を持たせてきた作品集です。

TrioOfAbandonedSisters1.jpg収録作は、母親に捨てられた三姉妹と彼女達を押しつけられた形になった中年男性の奇妙な同棲生活を描くタイトル長編「幼乱三姉妹」全7話(←参照 主人公と長女 同長編第1話より)、および読み切り短編2作+前々単行本『鬼畜が愛した少女たち』よりのぞみちゃんが再登場な描き下ろし短編(16P)。
1話・作当りのページ数は16or20P(平均18P弱)とPLUM掲載作らしい少なめのページ数。とは言え、題材からして重苦しい作品が多く、読み手の胸に痛みと重みを残すために苦い余韻を含めて相応に読み応えのある1冊になっています。

【“ちょっといい話”の意図が成功した長編作】
短編2作については、これまでの通りの陰惨なロリ凌辱モノであり、親の借金返済のために肢体を差し出す元・名家のお嬢様(短編「世間知らず」)や、母親に男との情事の邪魔者扱いされて知り合いの男性に凌辱され、その地獄からの救いを求めて友人を“売る”少女を描く短編「ゴメンね。」は、共に状況説明の時点で無慈悲さが覆っており、悲壮感のある展開を示します。
屈辱と羞恥と、何より親に見放された悲しみの中、一縷の希望に縋りながら、それを容赦なく打ち砕くスタイルも健在であり、猛烈に後味の悪いラストを迎える真っ黒さが凶悪。ハッピーロリータ系のみを愛好する方は、相当陰鬱な気分に襲われると思われますので、強く回避を推奨。
これらの作品に対し、長編作は序盤こそいなくなった女性への憎悪を残された子供達に向け、長女は母親を守りつつ自分たちの居場所を確保するためにその体を差し出すという、殺伐とした雰囲気になっていますが、そこから偽りの家族の融和へと大きく方向を転換していきます。
TrioOfAbandonedSisters2.jpg“肉体関係”という社会倫理的に考えて許されざる関わり合いでありながらも、家族を失った喪失感を肉体の重なりあいで癒す長女と、“一緒の存在でありたい”と願う次女・三女が長女に習って性行為に参加して流れには、不自然さが少なく、この作家さんらしからぬ平穏さと幸福感が輝いています(←参照 ラブラブ 長編第4話より)。
一見普通の家庭が夫の暴力とそれに従う妻の盲目の愛によって不幸を増殖させていく様と、非常識的ではありながら個々人が幸福を掴んでいく家庭のカタチを対比させ、それらを終盤において一瞬、哀しく交錯させてみせた流れも味わい深いものがあります。
題材的にドラマ性がもっと高まってもいいと思うのですが、長編としての展開はやや平板であり、ラストの告白のシーンにおける盛り上がりが不足気味だったのは勿体ないですが、シナリオの構成力が以前に比べて高まった印象が強いのは嬉しいところ。

【儚げな肢体の薄幸ょぅじょヒロインズ】
長編作の長女さんは中○生、次女・三女は中~高学年相当の小○生クラス、短編群のヒロインも同様にランドセルガールとなっており、年齢層は一桁~ローティーン。ペド色の強いヒロイン構成となっているため好みはかなり分かれると思われます。
薄幸少女を描くと堂に入った作家さんであり、大人の都合を押しつけられる悲しみに終始俯きがちなょぅじょさん達の姿は、ハッピーロリータ好きにとっては陰鬱そのものでしょうが、ドSな諸氏にとってはむしろ嗜虐欲を増強させる好材料。
TrioOfAbandonedSisters3.jpgほんのり膨らみかけな長編作の長女さんを除き、小○生ヒロイン達のお胸はフルフラットであり、ほっそりとした手足やちょっとぽっこりしたお腹など、二次性徴期前の肢体表現は、“女性”というより性的に未分化な“子供”といった印象がより強いタイプになっています(←参照 次女・三女コンビ 長編第5話より)。
描線がやや鋭角的なアニメ/エロゲー絵柄は、無機質な印象が強くあるものの、そのことが“幸福から見放された少女”というイメージを強化しており、画としての単調さがあまり欠点になっていないのは特筆すべき特徴。
作画にややムラッ気のある作家さんという印象でしたが、戦歴相応に絵柄の安定感が高まっており、儚げな少女を魅力的に描いています。彩色の影響で質感はやや異なるものの、表紙絵ともほぼ完全互換で、ジャケ買いしても特に問題ないレベルでまとめられています。

【問答無用のえげつなさを誇る凌辱劇】
長編作の序盤~中盤にかけては、互いの絆を確かめ合う純愛エッチもあるものの、それ以外では幼い少女に無体な抽送を繰り出す鬼畜エロであり、合わない方には全く合わない抜き物件。
特に長編作ではストーリー展開にある程度多く分量を割いていることと、個々のページ数の関係上、エロシーンは長尺とは言い難く、また濡れ場の分割構成を取る頻度も高めなので、個々のシーンの量的満足感は低めになっています。
とは言え、元より攻撃性の強いジャンルであり、かよわい肢体を抑えつけられて小さな秘所を剛直に蹂躙される様と、そこに被さられる苦痛と恐怖の叫びの暴虐性は強烈であり、読み手のドス暗い欲望を痛打してきます。
TrioOfAbandonedSisters4.jpgあまりの苦痛に糸の切れた人形然となってしまった女の子の姿(←参照 短編「世間知らず」より)や、苦痛と拒絶の呟きと涙といった悲壮感さえ漂う要素に加え、凌辱者側の男性から発せられる身勝手な説明台詞やヒロインの不幸を抉る悪意的な台詞など、えげつない精神的な責めを用いるスタイルも健在。
一方、純愛エッチに関しては、性の快楽の善き側面を強調する描き方をしており、涙を浮かべながらつながることの喜びを享受する姿と、凌辱エロとの落差はかなり大きくなっています。
小~大ゴマで描かれるフィニッシュシーンは、赤飯前のワレメに白濁液をドクドクと注ぎ込む様で統一されており、愛の叫びか苦痛の絶叫かの違いはあれど、ハードなエロ展開の締めとして大変好適な作り。

これまでの作風を考えると、長編作は意外なまでにハートフルなまとめかたとなっており、これはこれで良い作品ですが、既刊と同様のハード鬼畜エロのみを求めるのは避けるべきでしょう。純愛ストーリーと鬼畜ロリ凌辱を分別持って両方楽しめる方のみにお勧めできる1冊です。まぁ、どちらにしても相当な“危険物”であることには変わりありませんが。
個人的には、“家族の在り方”にも踏み込んだ長編作と、少女の“裏切り”への報いがあまりに酷い短編「ゴメンね。」がお気に入りでございます。