CoffinOfCerebrum.jpg久保保久先生の『よんでますよ、アザゼルさん。』第4巻(講談社)を読みました。相変わらず詐欺もいいところな表紙(誉めてます)ですが、内容もいつも通りに大変ヒドイものになっています(笑)。
ウ○コ大好き悪魔・ベーやんが大変なことになってしまった!と思いましたが、無事でよかったですな。反面、ゼルエルに関しては流石に可哀想で、('A`)カーチャン........な気分になりました。

さて本日は、時原マサト先生の『セレブラムの柩』(キルタイムコミュニケーション)のへたレビューです。“アシオミマサト”名義での前単行本『PINKS LINKS』(ティーアイネット)のへたレビューもよろしければご参照下さい。
丁寧に構築された本格派ダークファンタジーと熱狂的なハードエロが大変魅力的な1冊になっています。

CoffinOfCerebrum1.jpg収録作は、宿主の負の感情を取り込む遺物・セレブラムの柩が巻き起こす愛と破滅の群像劇なタイトル長編「セレブレムの柩」全6話+幕間の第2.5話(←参照 柩を用いたゲーム 同作第1話より)、および独立した短編2作。
1話・作当りのページ数は10~24P(平均19P強)と中の下クラスのボリューム。しかしながら、作品世界の構築がしっかりしているためにお話的な読み応えが強く、またエロの濃さもしっかりと前面に押し出された良質のプロダクションになっています。

【ドラマ性の構築が高質で為されたファンタジー長編】
シンプルなルールながら双方の駆け引きが重要となる“柩”を使ったゲームを虜囚に行わせ、勝者には解放を、敗者には凌辱か死を与える暴虐の王を物語の軸に据えたタイトル長編は、重厚なシナリオ構築と各キャラクターへの掘り下げがしっかりと為されたダークファンタジーで漫画的な旨味も十分。
単に戦闘ヒロイン凌辱というエロシチュエーション形成のためだけに剣と魔法のファンタジーという外装を取るのではなく、妖しげな道具の与える栄華と破滅に振り回されていく人間達のドラマとして描いており、登場人物達の陰陽入り混じる感情が作品を牽引しています。
4edee496.jpg暴君として君臨しながら、冷静沈着なヒロイン・グルーデの才を認めて側に起き、ゲームの極限状態の中で示された姉弟愛に涙するラザロ王のキャラクターがよく立っており(←参照 長編第2話より)、彼の痛ましい過去と柩との出会いまで話を掘り下げることでストーリーに深みを与えています。
ゲームを鑑賞して愉悦に浸るセレブラムの柩の持ち主達もまた、柩との生死を賭けた勝負の中にあるというプロットも、愛に飢えて堕ちた一人の男がヒロインへの愛を以て柩の呪いを打ち破る終盤展開も共に王道的でありつつ、ラストはドラマティックに盛り立てられていて見事の一言。
柩の正体や、特にヒロイン側の背景に関して少々説明不足な感もありますが、シナリオ要素の連結が上手いため分かりにくさはなく、読み手の想像に適量を委ねることで話に一層の広がりと深みを与えているのもむしろ高く評価できる点です。
異端狩りの男による取り調べと称した少女凌辱な短編「Moonlight Flower」、戦闘メカパイロットの美少女凌辱モノな短編「エンシェントクイーン」は共にオーソドックスなファンタジー凌辱作品ですが、前者の終盤に至るまでの展開の上手さや、後者のメカや衣装のデザインのコダワリなどは、いい意味での凝り性が発揮されており、凡庸な印象が少なくなっています。

【各種衣装の細かい描き込みも魅力の美女さん達】
どちらかと言うと、渋いオッサンなラザロ王がメインであった長編作において、ヒロインの存在感はそこまで強くはないのですが、勿論エロシーンではその淫猥バディで大活躍。
メインヒロインであるクールなメイド・グルーデさんに加え、ラザロ王の狂気の源泉となった淫婦な女王様、ゲームに負けて性奴隷街道まっしぐらなクルーデの元同僚・インフェリアさんがメインキャラであり、他にもゲームの犠牲者となる女性がスポット的に登場します。
ヒロインのボディデザインには幅があり、巨乳・巨尻でふくよかな肢体の持ち主である女王様もいれば、クルーデさんは凹凸に乏しい細身の並乳ガールだったりしますが、どちらにしてもキャラクター性によくマッチしていますし、各体パーツのもっちりとした重量感・質感がよく出ています。
萌え系アニメ絵柄が主流派であるキルタイム系において、かなり珍しいTI/クロエ系の絵柄であり、ネオ劇画テイストも盛り込んだ濃さや重さのあるタイプなので、かなりキャッチー寄りとは言え好き嫌いは多少分かれるでしょう。
CoffinOfCerebrum3.jpg肢体描写だけでなく、衣装など細かい所にまで至る丁寧な描き込みや各種トーンワークが絵柄の元の濃さや重さを高めているため、各コマの画に説得力と迫力があります(←参照 柩の前の持ち主である女王 長編第3話より)。
短編作に関しては初出時期が古いために、絵柄がやや異なっていますが、質的な優劣があるわけではなく、おそらくダークファンタジーという作風に併せて絵柄を重暗くしたことも絵柄の変化に影響しているでしょう。

【濃い目のエロ演出を施した凌辱系エロ】
共に辛い過去を背負う暗君と囚われのメイドさんが体と想いを重ねるセックスも描かれるものの、長編・短編問わずに基本的には凌辱メインであり、快楽の泥沼に飲み込まれていくヒロインの破滅的な痴態を描きます。
セクシーなランジェリー類を身に付けた女性の肢体は大層エロティックであり、肉感的な乳尻太股が読み手の征服欲を煽る分、数多の肉棒に美女が蹂躙される凌辱エロの魅力を増強しています。特にお尻の量感を強調するコマやゆさゆさとした乳揺れ描写はストレートな強み。
短編作はエロシーンは長尺である一方、長編各話は総じて濡れ場のページ数は多くないのですが、シナリオにおいて敗北への恐怖感や展開や会話の緊張感があるため、そこから一気に欲望や感情が解き放たれることでエロにおけるインパクトの強さを創出。
CoffinOfCerebrum4.jpgトーンやグレースケールを多用することでエロ作画に重みを付与しており、女体のシズル感や火照りが快楽の熱量を押し上げています(←参照 長編第3話より)。加えて、アナログ作画らしい描線の適度な暴れ方が、行為の激しさやヒロインの理性の乱れを物語っているのもTI系の手法を維持していることを示しています。
エロの趣向がやや単調化する傾向にあるジャンルにおいて、近親相姦エロや定番の触手エロ、妖艶なプリンセスによる少年喰いなどバラエティを設けてあるのも嬉しいところですが、シナリオ進行に合わせての配置でもあり、特定のエロシチュにコダワリがあるわけではなさそうです。
やや味気ない性器描写ながら、猛々しい剛直の抽送に押し開かれ、淫液を多量に漏らす様子はエロの中核を担っており、結合部見せつけ構図は多め。フィニッシュは上下前後の穴と全身に何回も白濁液を出されるパターンが多く、官能的なヒロインの表情と相まって、抜き所として十二分に強烈。

作画・作劇共に意欲的に仕上げられており、シナリオもエロも楽しめる1冊になっています。エロ漫画で長編ファンタジー作品というのはベテラン作家でさえ時に躓くことがある構成が難しいものなので、ここまで完成度の高いものを描いたことは誇れることだと個人的には思っています。
凌辱要素がOKでしたら是非ともお勧めしたい秀作でございます。