HarukaInTakayamaShrine.jpgトニーたけざき先生の『トニーたけざきのガンダム漫画Ⅲ』(角川出版)を読みました。えぇ、相変わらず素敵にヒドイ漫画でしたとも(誉めてます)。
安彦先生の絵柄が持つ雰囲気を本当によく掴んでいる分、いっそうイラッと来るのがホント凄いです。ジオン側のキャラは関西弁が似合いますなぁ(笑。“行くでェ!マシュテガッ!!”“はいなガイさん!”


さて本日は、アシオ先生の初単行本『高山神社のはるかさん』(コアマガジン)のへたレビューです。あとがき漫画「タイトル残酷物語」によると、先生の出したタイトル原案は“アシオス”だったそうですが、編集側が賢明で良かった良かった。
明るいお馬鹿コメディとばんがいち系らしいリリカルなラブストーリーが程良く合わさった作品集となっています。

HarukaInTakayamaShrine1.jpg収録作は、寂れた神社の娘さん(巫女さん)と神社に歴史研究に訪れている青年とのラブエロストーリーな長編「高山神社のはるかさん」全5話+描き下ろしの後日談漫画7P(←参照 娘さんの超理論 同作第1話より)、および読み切り短編4作+各作品のヒロイン大集合なおまけ漫画(1P)。
描き下ろし作品を除き、1話・作当りのページ数は18~24P(平均21P弱)と、平均並みながら漫画ばんがいち勢としては多い部類に入ります。口当りの良い作風であるため、終始読書感は良好であり、読後の余韻も心地よい1冊と言えます。

【お馬鹿コメディでリズムを整えるピュアラブストーリー】
言動がやたらと俗っぽいアホ巫女娘と朴念仁な眼鏡イケメン好青年との恋模様を描く長編作を筆頭に、お馬鹿テイストを充填したリリカルなラブストーリーで作風をほぼ統一。
某ドグサレーノさん(今単行本では未収録)の様にフルスロットルでギャグに走るケースもある作家さんですが、パンチの効いたコメディパートは意外に量的には多くはなく、恋愛モノとしての甘く優しい雰囲気を終始キープしている印象があります。
HarukaInTakayamaShrine2.jpg鈍感だったり、恋心故にあらぬ方向に突っ走ってしまう男性達が、女の子のピュアな感情に心打たれて双方の恋心が成就するという、少女漫画的な文法を多用しており、ベタではありながらクドサは少ないために非常に読み易いタイプと言えるでしょう(←参照 短編「彼女まであと少し・・・」より)。
キャラクターのユニークな言動によるギャグ要素は、この甘酸っぱい恋模様にメリハリを付ける役割が大きく、少々こっ恥ずかしい感情表現に残る“硬さ”を意識させない作りになっているのは○。
かといってコミカル成分に勢いがないわけではなく、作中に登場するネット関連を含めた各種小ネタや兄妹の性別入れ替わり(短編「トラブル☆スイーツ」)など、流行りモノを取り込む懐の広さも含めて漫画としての楽しさを生み出そうとする姿勢は嬉しいところです。
ばんがいち系のラブコメ作品として総じて手堅い作りになっていますが、ギャグとリリカルの適度な緩急が作品の小気味良さにつながっており、凡庸な印象よりもキャッチーさがより強く前に出ているのが美点と感じます。

【“普通っぽさ”に魅力のあるトキメキガール達】
登場するヒロインは女子高生~女子大生クラスのハイティーン美少女さん達であり、巫女さんな長編作のはるかさんを除けばごく普通の女の子。まぁ、性転換してノリノリで妹の制服に着替える人もいたりしますが。
エッチ大好きなお馬鹿娘・はるかさんはアッパーなキャラ造形になっていますが、その他の女の子は明確な属性を付与されておらず、その“普通っぽさ”に乙女チックにいじましい恋心がよく映えます。どちらにしても親しみやすいキャラ造形と言えるでしょう。
HarukaInTakayamaShrine3.jpgヒロインと仲良くなりたい余りに時々馬鹿キャラも担当する男連中は(←参照 ちょいワルファッション(笑) 短編「MEN'S BLACK」より) 、そのお馬鹿さや朴念仁さも含めて愛嬌のあるイケメン揃いあり、女性読者層には好ましい要素。
体型的にはスレンダー巨乳さんがメインであり、等身高めのほっそりボディにほんのり桜色の小さめニップルを頂点に備えるぷるぷるおっぱいをお持ちです。
やや荒めで不安定感もあるものの、細めの描線がすっきりと整理された二次元絵柄は大層キャッチーであり、殊更萌えっぽさやお色気が強調されているわけでもないのが素朴な可愛らしさを生んでいます。
コミカルパートで多用されるデフォルメ絵の可愛らしさも○。

【優しいムード豊かな純愛エッチ】
成人向け漫画雑誌の中では基本的にソフトエロ指向のある漫画ばんがいち掲載作ということもあり、ハードで濃密なエロを長尺で楽しみたい諸兄には不向きなことには要留意。
濡れ場がおざなりになっている構成では決してないものの、若い男女のセックスは双方の恋心の交感として描かれており、甘く優しい雰囲気の維持がより重視されています。
HarukaInTakayamaShrine4.jpgとは言え、初めてのエッチにドキドキし、火照った表情で男性の欲望を迎え入れようとする女の子達の健闘ぶりが読み手の煩悩を優しくもパワフルに刺激しており、煽情性は相応にあるタイプ(←参照 エロカワイイ 短編「ユカナデ」より)。
ピストン運動に際には、マシュマロの如き質感のおっぱいを揉んだりしてエロアピールも適度に交えつつ、男性が女の子の頭をナデナデしたり甘々なラブ台詞を交わしたりで純愛エッチとての幸福感のあるエロ展開を示しています。
淫液が水音を奏でる秘所を丁寧に解きほぐす前戯パートに相応の分量を割いている分、パイパンおま○こに力強くち○こを突き込む抽送パートはやや短めですが、キュッと瞳を閉じて絶頂を迎える美少女に中出しなフィニッシュへの展開には勢いがあって抜き所としては十分有効。
縦長のコマを頻度高く用い、枠線に画が縛られ過ぎなページ構成の硬さや何とも平凡な性器描写などは、減点材料でもあるのですが、作風との齟齬はむしろ少なく、読者諸氏の好みに判断を任せたいところ。

ギャグ方面に相当いいモノ持ってらっしゃる作家さんという印象があるのでもっとはっちゃけてもいいと思いますが、少女漫画チックなラブコメとしての完成度は高く、ばんがいちファンには嬉しい1冊。
巫女さんのキャラクターが実にチアフルな可愛らしさを有していた長編作も大好きですが、個人的には勘違い青年とほんわか天然お嬢様のほんわかコイバナな短編「MEN'S BLACK」が最愛。