SuddenSexSyndrome.jpgくぼたまこと先生の『天体戦士サンレッド』第10巻(スクウェア・エニックス)を読みました。相変わらずいい意味でぬるいバトルが繰り広げられていますが、怪人たちそれぞれの生活が覗けて楽しいですな。
巻を重ねるごとに可愛さを増すかよ子さんですが、今巻収録の第116話は反則級にいいですな。レッドに傘を“ホラッ”と渡された時の照れた表情がチャーミングです。あと、ウサコッツさん可愛いよウサコッツさん。

さて本日は、シオマネキ先生の初単行本『突発性淫行症候群』(一水社)のへたレビューです。なお、単行本タイトル中の“症候群”は“シンドローム”と読むそうです。
登場人物達の阿呆な台詞回しが笑えるお馬鹿エロコメが楽しめる作品集になっています。

収録作は全て短編で9作。1作当りのページ数は10~18P(平均16P)と控えめのボリュームであり、いずみコミックスレーベルの常として単行本としての厚みはあまりありません。
とは言え、テンション高めで明るく疾走する作風であるため、ページ数の多寡が気になる類の作品でもありませんし、話に勢いがある分、エロにも十分な分量を割けています。

【お馬鹿会話で楽しませるラブコメ・エロコメ】
作風的には一貫してお馬鹿テイストのエロコメ・ラブコメであり、その軽快なノリに露出系を中心とした変態チックなエロシチュを重ねるタイプ。
各作品の楽しさの中核を担うのは、登場人物達の素っ頓狂な言葉のキャッチボールであり、お互いにクセのある変化球を投げ込みながらやはりお互いのミットの中心にすんなり納まるような会話の応酬が痛快。
SuddenSexSyndrome1.jpg片方の思い込みや欲望の暴走により、正に“突発的”に放り込まれる言葉に対し(←参照 女の子に告白したら・・・ 短編「パイコン」より)、もう一方の側がさらにトんだ台詞を投げ返して螺旋階段式に状況がエスカレートし、何のかんのでエロシーンへ雪崩れ込む構成がアッパーな読書感を生んでいます。
エロシーンにおいてもこの無茶苦茶な台詞回しが続くことは、ある程度評価を分ける要因となるでしょうが、昭和の青春ドラマ的な妙に熱いラブ台詞がこの勢いのあるやり取りの中で放たれることで、“クサさ”が先行せずに“面白さ”や“力強さ”に昇華されているのも評価されるべき点でしょう。
ギャグ調を徹底することで、ごく普通の日常の中にポンっとエロが投入されるシチュエーション作りにおいて違和感が無く、脱力系のギャグオチですんなり話がオチるのも気持ち良い感があります。
同じ一水社系列なら、廣田眞胤先生などがお好きな方には是非お勧めしたい作風ですね。

【可愛らしいストレンジガールズ達】
SuddenSexSyndrome2.jpg哲学ネタの皮を被った馬鹿エロ短編「スチューデント アパシーズ」のヒロインなら“似井智慧”(ニーチェ)さん(←参照 虚無主義の研究中です)、短編「シタタルガール」に登場する彼氏君とのデートで潮吹きが止まらくなる女の子なら“八潮”さんなど、いい意味で阿呆な名前が付けられたヒロイン陣はミドル~ハイティーン級の年齢層でほぼ統一。
虚無の探究のために野外エッチを(ついでに学校のサボりも)試みる似井智慧さんや、想い人のためにダイエットしようとジョギングを始めたらいつの間にか露出プレイに走ってしまったピュア?ガール(短編「ストリーキングダイエット」)、クリスマスプレゼントとして“妹”になってあげると押し掛ける主人公より年上の女の子(短編「プレゼントシスター」)など、これまたユニークなヒロイン造形も作品の楽しさにつながっています。
また、状況や意図こそヒロインによって異なりますが、皆さん基本的にはエッチには大変積極的であり、エロシーンへの導入を滑らかにしてます。
脇キャラも含め、妙に存在感を放つ野郎キャラ達(大概馬鹿)も活き活きとしており、単なるエロの恩恵の受け手ではなく、欲望に実に忠実な面も含めて親しみやすい面子が揃っています。
7ea71713.jpgぺたんこ娘こそ登場しないものの、甘食クラスの貧乳さんからずっしりもっちりな爆乳さんまで幅広く、ぷるぷると柔らかく震える質感や丁寧に演出された柔肌のきめ細やかさによって魅惑的なおっぱい描写になっています(←参照 短編「サマーヌーディスト」より)。
初単行本ということもあって、絵柄には変遷が認められ描線の強さや丸み、グレースケールの使い方等で初期作品とは著しい変化があるものの、近作のクオリティに近いものが多いのでそこまで気にする必要はないでしょう。むしろ、彩色によってより端麗になった表紙と、良くも悪くも泥臭さや荒さがある中身の絵柄との多少のギャップに留意するべきと思われます。

【意外に正統派でパワフルなセックス描写】
多少変態チックなノリが加わるとは言え、お互いにセックスの快感を率直に満喫し、互いを認め合いながら快楽の螺旋階段を上昇していくセックスパートはシナリオ同様に高揚感のあるタイプ。
男性の存在感を必要以上に消去することなく、男女の肢体が激しくぶつかり合い優しく密着する様子を十分量描き出すことで、変化球ではありながら全体的に見て恋愛系エッチとして実に真っ当なエロ展開を見せていることも美点と言えるでしょう。
SuddenSexSyndrome4.jpg野外での露出性癖をエロに絡めることが多く、一種のスリル感を生み出していますが(←参照 短編「キニナルガール」より)、この手の変態チックエロに付随する背徳感や攻撃性があまりないのも特徴で、むしろ若い性愛のエネルギー感に直結しています。
エロの演出に関しては、良く言えば穏やか、悪く言えば地味なタイプであり、バカだけれども真っ直ぐな台詞の応酬によって、直接的なエロ台詞は押し出されているため、エロ演出の量的な飽和感を求める方にはあまり向いていないのは確か。
その一方で、サイズを問わずに柔らかいおっぱいを揉んだり揺らしたりしながら、性器と性器をマッシブにぶつけ合う基本的な流れは十分にパワフルであり、ストレートな粘膜描写を織り交ぜつつ中出し・外出し混交のフィニッシュへ疾走します。
黒い茂みの下部に備わる女性器は丁寧に描き込まれており、修正も全体的に見れば標準並ですが、所々でお股全体をカバーする網掛け修正になっているのは少々興醒めと言えば興醒めではあります。

タイトル通りに“突発的”な勢いのある作風であり、ギャグエロとしての構築力の高さに今後への大きな期待が持てる作家さんだと思います。
個人的には、妙チクリンな台詞回しとキャラメイクの良さが光る短編「スチューデント アパシーズ」とオチがあまりに秀逸な短編「プレゼントシスター」が特にお気に入り。楽しいエロ漫画をお求めな方にお勧め!